JP3075193B2 - 油圧シリンダ - Google Patents

油圧シリンダ

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JP3075193B2
JP3075193B2 JP08275286A JP27528696A JP3075193B2 JP 3075193 B2 JP3075193 B2 JP 3075193B2 JP 08275286 A JP08275286 A JP 08275286A JP 27528696 A JP27528696 A JP 27528696A JP 3075193 B2 JP3075193 B2 JP 3075193B2
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明徳 盧
光宏 吉本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベルのフロ
ント作業機構の駆動手段等として用いられる油圧シリン
ダに関するものであり、特に油圧シリンダのストローク
エンドでの衝撃を吸収するクッション機構の構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械においては、
フロント作業機構を駆動するために、ブームシリンダ、
アームシリンダ及びバケットシリンダ等の油圧シリンダ
が装着される。フロント作業機構には極めて大きな荷重
が作用することから、油圧シリンダのストロークエンド
で剛体的に停止させると、極めて大きな衝撃が作用する
ことになる。従って、この衝撃を吸収するために油圧を
利用したクッション機構を備えている。そこで、従来技
術による油圧シリンダの構成を図4乃至図7に示す。
【0003】まず、図4及び図5において、1は油圧シ
リンダを示し、この油圧シリンダ1はシリンダチューブ
2を有し、このシリンダチューブ2の一端側は閉塞し、
他端側は開口しており、この開口側端部にはヘッドカバ
ー3が装着され、これらシリンダチューブ2とヘッドカ
バー3とでシリンダ4が構成される。そして、シリンダ
4内には、ボトム側チャンバ4aとロッド側チャンバ4
bとに区画形成するピストン5が摺動可能に装着されて
いる。ピストン5にはピストンロッド5aが連結され、
さらにピストンロッド5aはヘッドカバー3から外部に
導出されている。また、シリンダ4におけるボトム側チ
ャンバ4a及びロッド側チャンバ4bには、それぞれ圧
油の給排を行うための油道6,7が穿設されている。ボ
トム側の油道6はシリンダチューブ2の閉塞側端部に形
成され、またロッド側の油道7はヘッドカバー3に形成
されている。
【0004】以上の構成を有する油圧シリンダ1は、ピ
ストンロッド5aの先端に設けた取付部8を上部旋回体
のフレームに連結し、またシリンダチューブ2の端部に
連設した取付部をブームに連結して、この油圧シリンダ
1を作動させることによって、ブームの俯仰動作を行わ
せることができる。そして、ピストンロッド5aが、シ
リンダ4内に進入する縮小時と、シリンダ4から突出す
る伸長時と双方のストロークエンド近傍で衝撃を油圧の
作用により吸収するクッション機構を備えている。
【0005】縮小時のクッション機構は、シリンダチュ
ーブ2の閉塞側端部に嵌入部としてのボス孔10を設け
て、油道6をこのボス孔10に開口させると共に、ピス
トン5の端面からボス孔10に僅かな隙間で挿嵌される
外径を有するクッション部材として機能する突出部11
を設ける構成としている。これによって、ピストンロッ
ド5aがシリンダ4内に進入して、縮小する方向にピス
トン5が変位して、そのストロークエンド近傍に至る
と、突出部11がボス孔10に嵌入するようになり、こ
の時にボトム側チャンバ4aから油道6への流路が制限
されるために、ボトム側チャンバ4a内に圧力が生じる
ことになり、しかもこの圧力は突出部11のボス孔10
への嵌入長さに応じて増大する。この圧力がクッション
圧となって、ピストン5を減速させて、衝撃を吸収す
る。
【0006】一方、伸長側のクッション機構におけるク
ッション部材としては、クッションリング12が用いら
れる。このクッションリング12はピストンロッド5a
のピストン5への連結部に嵌合して設けられている。そ
して、ヘッドカバー3の先端部はシリンダチューブ2の
開口側端部の内部に挿嵌され、これによりロッド側チャ
ンバ4bが段差形状となり、このヘッドカバー3のシリ
ンダチューブ2への挿嵌部分が嵌入部となる。そして、
クッションリング12の外径はヘッドカバー3の内径よ
り僅かに小さくなっている。また、油道7は、ヘッドカ
バー3において、クッションリング12の嵌合部よりピ
ストンロッド5aの伸長方向の前方側の部位に開口して
いる。従って、ピストンロッド5aが伸長する方向にピ
ストン5が変位した時に、そのストロークエンド近傍
で、クッションリング12がヘッドカバー3に嵌入され
てその間の環状の隙間からなる流路が絞られることにな
り、ロッド側チャンバ4bの圧力が上昇して、クッショ
ン圧が発生する。これにより、クッションストロークが
開始し、クッションリング12は所定の嵌合長でヘッド
カバー3に嵌合されると、油圧シリンダ1のストローク
エンドになる。
【0007】而して、図5に示したように、油圧シリン
ダ1における油道6を油圧ポンプPに接続し、油道7を
作動油タンクTと接続する状態にすると、ボトム側チャ
ンバ4aには油圧ポンプPからの圧油が供給される。こ
の結果、ボトム側チャンバ4a内の圧力が上昇して、こ
の圧力の作用によりピストン5はシリンダ4内をヘッド
カバー3側に向けて摺動変位し、このピストン5に連結
したピストンロッド5aを伸長させる。この時には、ロ
ッド側チャンバ4bは作動油タンクTに接続されている
から、このロッド側チャンバ4b内の作動油はピストン
ロッド5aとヘッドカバー3との間を通って油道7から
作動油タンクTに還流する。
【0008】図6に示したように、油圧シリンダ1の伸
長ストロークエンド近傍になると、クッションリング1
2がヘッドカバー3内に嵌入する。この結果、ロッド側
チャンバ4bから油道7への流路がクッションリング1
2とヘッドカバー3との径差分の流路断面積となってロ
ッド側チャンバ4bからの戻り油の流路が絞られる。こ
の結果、作動油タンクTへの戻り油の流量が減少するか
ら、ロッド側チャンバ4b内にはクッション圧が生じる
クッション室となる。そして、図7に示した状態がピス
トンロッド5aの伸長方向のストロークエンドである
が、ピストン5が図6の状態から図7の状態にまで変位
する間がクッションストローク区間となり、このクッシ
ョンストローク区間において、クッションリング12と
ヘッドカバー3との嵌合長が長くなると、その分だけ、
戻り油の絞り流路が長くなるから、クッション室におけ
るクッション圧が上昇することになって、ストロークエ
ンドに至るまでに油圧シリンダ1に作用する荷重が吸収
される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
るクッション圧は、図8に示したように変化する。即
ち、戻り油の流路はクッションリングの外径とヘッドカ
バーの内径との径差による円環状の流路で、クッション
ストロークに応じて流路の長さが変化することから、ク
ッション圧は直線的に増大することになり、この圧力線
図に囲まれた三角形の面積が吸収エネルギに相当する。
ここで、油圧シリンダに最大荷重が作用した時に、クッ
ションストローク区間内でクッション圧により全荷重を
確実に吸収できるクッション特性を持たせなければなら
ない。クッションストローク区間で有効に荷重を吸収し
きれないと、ストロークエンドでピストンがヘッドカバ
ーやシリンダチューブに衝突してしまい、衝撃が発生
し、また油圧シリンダを構成する各部材を損傷させたり
することになる。クッション特性は、絞り流路とストロ
ークとに依存することから、クッションストロークを長
く取れば、荷重の吸収を確実に行える。ただし、油圧シ
リンダの全長が必要以上長くなってしまうから、クッシ
ョンストロークを長くするのには限界がある。
【0010】以上のことから、短いクッションストロー
クで大きな荷重を吸収しようとする場合には、クッショ
ンリングとヘッドカバーとの径差をより小さくしなけれ
ばならない。そうすると、クッションストロークの開始
時に戻り油の流路が急激に減少することになり、クッシ
ョン室内の圧力が極端に変化することになる。この結
果、油圧シリンダに衝撃が加わり、騒音の発生、油圧シ
リンダを構成する各部の損傷等の原因となる。また、ク
ッションストロークエンドには、クッション室内のクッ
ション圧が極めて高くなるから、やはり油圧シリンダを
構成する各部にダメージを与えることになって、その寿
命が短縮される。
【0011】而して、油圧シリンダにおけるピストンの
動きは、図9に示したように、クッションストロークに
入る際には、徐々に減速を開始し、然る後に、減速の度
合いを大きくして荷重を有効に吸収し、さらにストロー
クエンドの直近で緩やかに停止するようにするのが理想
的である。これをクッション圧に置き換えると、図10
に示したようになる。即ち、クッションストロークの初
期においては、クッション圧を漸増させる移行域とな
し、この移行域の後に急速に圧力を高めることにより実
質的にほぼ全荷重を吸収する荷重吸収域となし、さらに
最終段階ではクッション圧がほぼ一定乃至微増する制動
域とするのが好ましい。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、クッション機構とし
て最良のクッション特性を持たせることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、シリンダ内に、ピストンロッドを連
結したピストンを摺動可能に装着することによって、こ
のシリンダ内を2室に区画形成し、ピストンの少なくと
も一側端部にクッション部材を連結すると共に、シリン
ダ側には、ピストンがストロークエンド近傍に変位した
時にクッション部材が嵌入する嵌入部を形成して、クッ
ション部材の嵌入部への嵌入時に、シリンダ内の戻り油
の流出流路が絞られるクッション室を構成するようにな
し、このクッション室に所定のクッション圧を発生させ
る構成としたものであって、前記クッション室にバイパ
ス流路を接続して設け、このバイパス流路の途中に、ク
ッション室内が所定の圧力になると、一定流量分だけク
ッション室からの戻り油を流出させる低圧リリーフ弁
と、クッション室内が所定の高圧状態になるとリリーフ
する高圧リリーフ弁とからなる2段リリーフ弁を設ける
構成としたことをその特徴とするものである。
【0014】この2段リリーフ弁は、低圧リリーフ弁と
高圧リリーフ弁とで構成される。低圧リリーフ弁はクッ
ション室にクッション圧が発生すると、直ちに開放され
るものである。ただし、この低圧リリーフ弁が開放され
ても、所定の流量分だけしか流出させないようにする。
このために、低圧リリーフ弁としては、例えばクッショ
ン室内の戻り油を所定の容積を有するチャンバと、この
チャンバに設けた可動隔壁と、この可動隔壁にチャンバ
内の容積が最小となる方向に付勢力を作用させる付勢手
段とを設ける構成とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の一形態について説明する。ここで、以下の説明に
おいては、油圧シリンダのロッド側におけるクッション
機構として構成したものを示すが、ボトム側のクッショ
ン機構も同様に構成することができるのは言うまでもな
い。なお、以下の説明においては、前述した従来技術の
ものと同一または均等な部材については同一の符号を付
して、その詳細な説明は省略する。
【0016】而して、図1において、20は油圧シリン
ダであって、この油圧シリンダ20は、シリンダ4とピ
ストンロッド5aを連結したピストン5とから構成さ
れ、この油圧シリンダ20は縮小方向及び伸長方向のス
トロークエンドにおいて、クッション作用を発揮するク
ッション機構が設けられている。ロッド側のクッション
機構は、ピストンロッド5aにおけるピストン5の連結
部に嵌合・固定したクッション部材としてのクッション
リング12と、シリンダ4において、シリンダチューブ
2の開口側端部に連結した嵌入部として機能するヘッド
カバー3とから構成される。そして、クッションリング
12がヘッドカバー3内に嵌入すると、ロッド側チャン
バ4bは、シリンダチューブ2、ピストン5及びヘッド
カバー3の端面と、クッションリング4の外周面との間
に環状のクッション室が形成される。ここで、クッショ
ン室から作動油タンクTへの流路を絞ることによりクッ
ション圧を発生させ、このクッション圧により油圧シリ
ンダ20の伸長時のクッション機能を発揮させている。
さらに、クッション作用は、基本的には、クッションリ
ング12とヘッドカバー3との間に形成される環状の絞
り流路から構成されるものであり、このためにクッショ
ンリング12の外径寸法と、ヘッドカバー3の内径寸法
とに所定の径差を持たせるようにしている。以上の点に
ついては、前述した従来技術のものとは格別の差異はな
い。
【0017】然るに、ロッド側チャンバ4bには、その
ヘッドカバー3の端部が臨む部位に流路21が開口して
いる。この流路21はシリンダチューブ2に穿設されて
おり、その他端には、バイパス流路22が接続される。
そして、このバイパス流路22の途中には、2段リリー
フ弁23が設けられている。この2段リリーフ弁23
は、低圧リリーフ弁24と高圧リリーフ弁25とからな
り、ロッド側チャンバ4bがクッション室として機能す
る状態になった時、即ちクッションリング4がヘッドカ
バー3に嵌入した時に生じるクッション圧が低圧状態
と、高圧状態との2段階でリリーフするものである。
【0018】この2段リリーフ弁23の具体的構成の一
例を図2に示す。なお、2段リリーフ23は一体型のも
のとしたが、低圧リリーフ弁24と高圧リリーフ弁25
とを別体に構成することもできる。
【0019】而して、同図において、バイパス流路22
の途中には弁座26が設けられており、この弁座26に
はポペット弁27が離着座するようになっている。そし
て、常時には、ポペット弁27はばね28により弁座2
6に着座するようになっており、クッション室が所定の
高圧状態になると、ばね28に抗して弁座26から離座
する。従って、ポペット弁27は高圧リリーフ弁25の
弁体を構成する。
【0020】また、ポペット弁27には、その軸線方向
に貫通する連通孔29が穿設されており、この連通孔2
9の途中には絞り部30が設けられている。ポペット弁
27の軸部27aはリリーフチャンバ31内に摺動可能
に装着されている。リリーフチャンバ31は所定の容積
を有し、その内部には可動隔壁32が摺動可能に設けら
れており、この可動隔壁32には、それをポペット弁2
7の軸部27aの端面に当接する方向に付勢する復帰ば
ね33が作用しており、この時にはリリーフチャンバ3
1の容積が最小となる。一方、クッション室に所定の圧
力が発生すると、この圧力が絞り部30を有する連通孔
29を介して可動隔壁32に作用して、復帰ばね33に
抗する方向に変位し、これによってクッション室からリ
リーフチャンバ31の容積に相当する流量分だけリリー
フするようになる。従って、可動隔壁32は低圧リリー
フ弁24の弁体を構成する。
【0021】ここで、ポペット弁27の軸部27aの外
径寸法は、弁座26の内径寸法より小さくなっており、
これによってポペット弁27の前後面には受圧面積に差
が生じている。この受圧面積の差の分に作用するばね2
8の付勢力により高圧リリーフ弁25のリリーフ圧が所
望の値となるように設定される。また、復帰ばね33の
可動隔壁32に対する付勢力は、低圧リリーフ弁24の
リリーフ圧により定まるが、この低圧リリーフ弁24の
リリーフ圧は、油圧シリンダ20が伸長する際に、クッ
ション室を形成する前の段階でもロッド側チャンバ4b
内の圧力より高い圧力状態に設定されている。また、絞
り部30はリリーフチャンバ31内への戻り油の流入量
を制御して、後述する低圧リリーフ域に所定のストロー
クを持たせるためのものである。なお、復帰ばね33の
付勢力等によっても低圧リリーフ域のストロークを制御
することができる。
【0022】そこで、この油圧シリンダ20において、
ボトム側チャンバ4aを油圧ポンプに、またロッド側チ
ャンバ4bを作動油タンクに接続すると、油道6を介し
て圧油がボトム側チャンバ4aに供給され、ロッド側チ
ャンバ4bはタンク圧となる。この結果、ピストン5が
ヘッドカバー3側に摺動変位し、ピストンロッド5aが
伸長する。そして、このピストンロッド5aの伸長スト
ロークエンド近傍にまで変位すると、クッションリング
12がヘッドカバー3に嵌合され、この時にロッド側チ
ャンバ4bにおけるピストン5とヘッドカバー3の端部
との間にクッション室が形成され、ピストン5のそれ以
降のストロークはクッションストローク区間となる。
【0023】クッション室が形成される前の段階では、
ピストンロッド5aとヘッドカバー3との間の環状の流
路を通って戻り油が作動油タンクTに還流し、この流路
の流路断面積は広くなっているから、ロッド側チャンバ
4bにはほぼタンク圧と同じ圧力状態になる。然るに、
クッション室が形成されると、流路はクッションリング
12とヘッドカバー3との間に形成される環状の隙間だ
けの絞り流路となるので、クッションストローク区間に
入る前の段階と比較して遥かに小さくなるから、クッシ
ョン室内に背圧となるクッション圧が発生して、ピスト
ン5の動きが減速されることになる。
【0024】ところで、クッション室が形成されると、
そのクッション圧は流路21及びバイパス流路22を介
して2段リリーフ弁23に作用する。ここで、クッショ
ンストローク区間が開始した直後においては、クッショ
ン圧はあまり高くないので、高圧リリーフ弁25を構成
するポペット弁27は弁座26から離座することはな
い。ただし、この圧力はポペット弁27に穿設した連通
孔29を介して低圧リリーフ弁24を構成する可動隔壁
32に作用して、可動隔壁32を復帰ばね33の付勢力
に抗する方向に変位して、クッション室からリリーフチ
ャンバ31に戻り油が流れる。従って、クッションスト
ローク区間の初期には、クッション室からの流出流路
は、クッションリング12とヘッドカバー3との間の絞
り流路だけでなく、リリーフチャンバ31への流路、具
体的には絞り部30を通り、リリーフチャンバ31にリ
リーフされる流路も加わるから、流路断面積は比較的大
きくなる。この結果、クッション室内のクッション圧の
上昇度合いが抑制され、従って緩やかに減速が開始する
ことになり、クッションストロークへの移行時に衝撃が
発生することはない。
【0025】ここで、リリーフチャンバ31は所定の容
積を有するものであり、従ってこの容積分の戻り油が流
入すると、低圧リリーフ弁24ではそれ以上のリリーフ
機能を発揮しなくなるから、クッション室からの流路は
クッションリング12とヘッドカバー3との間の絞り流
路に限定されることになる。この結果、クッション室内
のクッション圧は急カーブを描くように増大して、ピス
トンロッド5aに作用する荷重を有効に吸収する。
【0026】さらに、クッションストロークエンド近傍
になると、クッション室内の圧力が極めて高くなり、こ
の圧力がポペット弁27に作用して、このポペット弁2
7がばね28に抗して、弁座26から離座する結果、こ
のポペット弁27のリリーフにより戻り油の流路が増大
するから、クッション室内の圧力の上昇は殆どないか、
または上昇しても僅かなものとなって、緩やかな速度で
ストロークエンドに至ることになる。
【0027】以上のクッション作用の特性は、図3に示
したようになる。即ち、クッションストロークの開始直
後では、低圧リリーフ弁24のリリーフにより、クッシ
ョン圧の上昇度合いが抑制され、可動隔壁32が停止し
て、低圧リリーフ弁24のリリーフ機能が発揮されなく
なった後には、クッション圧が著しく上昇して、この間
に有効に荷重が吸収され、さらに高圧リリーフ弁25に
よるリリーフで、ほぼクッション圧が一定になる。従っ
て、このクッション圧線図は、図10に示した理想状態
の線図に近似したものとなる。即ち、低圧リリーフ弁2
4の開放時には、クッション圧が漸増する低圧リリーフ
域となり、この移行域の後に圧力が急速に高まるリリー
フ非作動域とり、さらに最終段階では高圧リリーフ弁2
5が開いて、クッション圧がほぼ一定となる高圧リリー
フ域となる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上のように、クッション圧が
低圧状態の時に、低圧リリーフ弁を介して所定の流量だ
けリリーフすることによって、クッションストローク区
間の開始直後にクッション圧が急激に上昇するのを防止
できて、またクッション圧が高くなると、高圧リリーフ
弁を介してリリーフすることにより、クッションストロ
ークの初期段階では、減速は緩やかに開始した後、有効
に荷重を吸収すべく、クッション圧を増大させ、クッシ
ョンストロークエンド近傍では、再び減速するという理
想に近いクッション特性を持たせることができる等の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す油圧シリンダの断
面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】クッション特性線図である。
【図4】従来技術の油圧シリンダの外観図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】図5の油圧シリンダにおけるクッションストロ
ークの開始時を示す作用説明図である。
【図7】図5の油圧シリンダにおけるクッションストロ
ークエンドの状態を示す作用説明図である。
【図8】従来技術の油圧シリンダにおけるクッション特
性線図である。
【図9】理想状態におけるクッションストローク区間の
ピストンの速度を示す線図である。
【図10】理想状態におけるクッション特性線図であ
る。
【符号の説明】
2 シリンダチューブ 3 ヘッドカバー 4 シリンダ 4a ボトム側チャンバ 4b ロッド側チャンバ 5 ピストン 5a ピストンロッド 6,7 油道 20 油圧シリンダ 21 流路 22 バイパス流路 23 2段リリーフ弁 24 低圧リリーフ弁 25 高圧リリーフ弁 26 弁座 27 ポペット弁 28 ばね 29 連通孔 30 絞り部 31 リリーフチャンバ 32 可動隔壁 33 復帰ばね
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−105664(JP,A) 実開 昭55−6591(JP,U) 実開 昭57−115406(JP,U) 実開 昭58−169204(JP,U) 実開 昭57−153804(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 15/00 - 15/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に、ピストンロッドを連結し
    たピストンを摺動可能に装着することによって、このシ
    リンダ内を2室に区画形成し、ピストンの少なくとも一
    側端部にクッション部材を連結すると共に、シリンダ側
    には、ピストンがストロークエンド近傍に変位した時に
    クッション部材が嵌入する嵌入部を形成して、クッショ
    ン部材の嵌入部への嵌入時に、シリンダ内の戻り油の流
    出流路が絞られるクッション室を構成するようになし、
    このクッション室に所定のクッション圧を発生させる構
    成としたものにおいて、前記クッション室にバイパス流
    路を接続して設け、このバイパス流路の途中に、クッシ
    ョン室内が所定の圧力になると、一定流量分だけクッシ
    ョン室からの戻り油を流出させる低圧リリーフ弁と、ク
    ッション室内が所定の高圧状態になるとリリーフする高
    圧リリーフ弁とからなる2段リリーフ弁を設ける構成と
    したことを特徴とする油圧シリンダ。
  2. 【請求項2】 前記低圧リリーフ弁は、クッション室内
    の戻り油を所定の容積を有するチャンバと、このチャン
    バに設けた可動隔壁と、この可動隔壁にチャンバ内の容
    積が最小となる方向に付勢力を作用させる付勢手段とを
    設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の油圧
    シリンダ。
  3. 【請求項3】 前記低圧リリーフ弁のチャンバは、前記
    高圧リリーフ弁に設けた連通孔を介して前記クッション
    室と常時連通させる構成としたことを特徴とする請求項
    2記載の油圧シリンダ。
  4. 【請求項4】 前記連通孔には絞り部を設ける構成とし
    たことを特徴とする請求項3記載の油圧シリンダ。
JP08275286A 1996-09-27 1996-09-27 油圧シリンダ Expired - Fee Related JP3075193B2 (ja)

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