JP3074118U - Ｃｄ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 パンフレット類を同梱するしないにかかわら
ず、またパンフレット類の厚い薄いにかかわらず、収容
したＣＤが輸送・取り扱い中に容器内部で所定の位置か
ら脱落することがない容器を提供すること。 【解決手段】 表蓋２および裏蓋３の一方に突出片６
を、他方にこれらと嵌合する溝７をそれぞれ設けて、容
器を閉じた状態を保つことを可能にする。裏蓋３のほぼ
中央には、収容されるＣＤの中心孔と嵌合してＣＤを固
定するための、バネ係止片５を設ける。表蓋２の内部に
表蓋ＣＤ抑え２３を設けるとともに、Ｌ字型のパンフレ
ット止め２４を設け、背板１のほぼ中心線上に、内部に
向かって伸びるリブ８を立て、そのほぼ中央に、背板Ｃ
Ｄ抑え８１を突出させてなる。容器を閉じたときに、表
蓋ＣＤ抑え２３と背板ＣＤ抑え８１とが共同して、ＣＤ
の移動を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本発明は、ＣＤ容器の改良に関する。本発明のＣＤ容器は、ＣＤとともに小型 のパンフレットなどを同梱することが可能であり、かつ、ＣＤを容器内に収容し たときは確実にこれを固定して保持し、輸送時の振動によりＣＤが容器内の所定 の位置から脱落することがない容器である。ここで「ＣＤ」とは、ＣＤやＭＤ、 あるいはＤＶＤのような、光学情報メディアを総称する語である。

【０００２】

【従来の技術】

ＣＤを展示・販売するための最もありふれた容器は、ＣＤをアクリルケースに 入れた形で、１枚または複数枚を収容するタイプのものである。アクリルケース 内でＣＤを固定するには、よく知られているとおり、低い円筒形の突起を放射状 のスリットで複数に分割して、各片にバネ性を与えた係止片を設け、これらにＣ Ｄの中心孔を嵌合させる。ケースの深さはＣＤ１枚分であるから、アクリルケー スに入れたＣＤが所定の位置から脱落することはない。

【０００３】 現在用いられているアクリルケースは、ＣＤが音楽ＣＤ主体であったときに確 立された形状のものであるから、ＣＤ以外に収容できるものは、１枚のラベルで あるか、高々数枚からなる小さなパンフレットに限られている。一方、コンピュ ータソフトを記録したＣＤが多くなるにつれて、ＣＤにマニュアル、説明書、保 証書などのパンフレットまたはリーフレットを添えて一体にして取り扱いたい、 という希望が出てきた。従来のアクリルケースは、この希望に対し、十分に答え ることができない。

【０００４】 そこで、近年では、従来のアクリルケースに代えて、もう少し大判で、厚さも 厚い容器を使用することが試みられている。そのＣＤ容器は、ポリプロピレンの 射出成形で一体に製造された浅い箱型であって、ＣＤの固定は、アクリルケース において行なわれていたものと同じ、バネ係止片によっている。

【０００５】 このバネ係止片とＣＤ中心孔との嵌合の強さには、微妙なバランスが要求され る。バネが強ければＣＤをしっかりと固定できるが、容器を開いてＣＤを取り出 すときに苦労する。一方、容易にＣＤを取り出せる程度の弱いバネでは、多少の 振動で簡単にＣＤが脱落してしまう。同梱したパンフレットの厚さが適切で、Ｃ Ｄを抑えてくれればよいが、そのようなことが常に望めるわけではない。そのた め、こうした新しいＣＤ容器は、使われる場面が限られている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、ＣＤと、それに関連するパンフレットなどを同梱することが 可能な、在来のアクリルケースよりは大判かつ厚い容器であって、パンフレット 類を同梱するしないにかかわらず、またパンフレット類の厚い薄いにかかわらず （むろん厚い方は、おのずから限度はあるが）、収容したＣＤが輸送・取り扱い 中にバネ係止片から脱落することがないようなＣＤ容器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成する本考案のＣＤ容器は、ひとつの代表例を図１ないし図 に示すように、背板（１）と、それを介して開閉可能に接続された、ともに浅い 箱型をした表蓋（２）および裏蓋（３）とを最小限の構成要素として有する扁平 箱型のＣＤ容器であって、背板（１）と表蓋（２）および裏蓋（３）との接続は ヒンジ結合（４）とし、表蓋（２）および裏蓋（３）の左右両側の辺から立ち上 がる縁（２１，３１）のほぼ中央部は、容器を開くための後退部（２２，３２） を形成し、その両側において、表蓋および裏蓋の一方に突出片（６）を、他方に それらに対応する溝（７）をそれぞれ設けて、両者の嵌合により容器を閉じた状 態を保てるようにし、裏蓋（３）のほぼ中央には、収容されるＣＤの中心孔と嵌 合してＣＤを固定するためのバネ係止片（５）を設け、表蓋（２）の前記後退部 （２２）には、容器内部に向かって伸びる表蓋ＣＤ抑え（２３）を設けるととも に、その両側において表蓋の内部にＬ字型のパンフレット止め（２４）を設け、 背板（１）のほぼ中心線上に、容器の内部に向かって伸びるリブ（８）を立て、 そのほぼ中央に背板ＣＤ抑え（８１）を突出させてなり、容器を閉じたときに、 前記表蓋ＣＤ抑え（２３）と背板ＣＤ抑え（８１）とが共同して、ＣＤのバネ係 止片からの脱落を防止するように構成したＣＤ容器である。

【０００８】

【考案の実施形態】

ＣＤの固定を容易にするために、裏蓋（３）に、前記ＣＤバネ係止片（５）と 同心で、ＣＤの外周よりわずかに大きい直径をもつ円形の突条（９）を設けて、 ＣＤの周囲を限定するように構成することが好ましい。この円形の突条（９）は 、図６に例示したように、裏蓋の一部を凹ませたものとし、肉厚を増さないで形 成することが好ましい。

【０００９】 本考案のＣＤ容器を製造する材料は、任意に選択することができるが、ヒンジ 結合が耐久性を示す材料として知られる、ポリプロピレンが最も有力である。ポ リプロピレンは加工性にすぐれたプラスチックであるから、包装容器全体をポリ プロピレンの射出成形により製造し、背板（１）と表蓋（２）および裏蓋（３） との接続部分を、すべてヒンジ結合とする。

【００１０】 従来のこの種ＣＤ容器において、ＣＤ中心孔とバネ係止片との嵌合が特別に強 くないと、適切な厚さのパンフレットなどが同梱されていない限り、輸送や取り 扱い時の振動により、固定が外れて、ＣＤが容器の中であちこち移動することに なる。その結果、ＣＤの光学情報記録面に傷がついて、情報が失われたり、ノイ ズが入ったりして、ＣＤが使用に耐えないものとなる。

【００１１】 これに対し、図１〜図３に示した本考案のＣＤ容器においては、表裏２枚の蓋 を合わせて前記の突出片と溝とを嵌合状態に置くことにより、それと同時に、表 蓋ＣＤ抑え（２３）および背板ＣＤ抑え（８１）が、それぞれＣＤの周縁で反対 側の２箇所を押さえて、ＣＤがバネ係止片（５）から飛び出すことを防止する。 このため、容器内にパンフレットの類があろうがなかろうが、厚かろうが薄かろ うが、無関係にＣＤが保持されるわけである。

【００１２】

【考案の効果】

上述のように、本考案のＣＤ容器は、浅い箱状体である裏蓋と表蓋とを背板を 介して接続した構造とし、裏蓋と表蓋とを合わせて容器を閉じるときは、背板お よび表蓋に設けたＣＤ抑えが、ＣＤのバネ係止片上で軸方向の移動を妨げるから 、しっかりとＣＤが固定され、輸送・取り扱い中の振動などでＣＤが脱落する心 配はない。容器を開いた状態では、上記のＣＤ抑えがＣＤ面上を離れ、ＣＤを取 り出すことに支障を与えない。いうまでもなく、パンフレットの類が同梱されて いる場合、パンフレット（図示してない）は表蓋のパンフレット止め（２４）に 掛かっていて、表蓋が開けばそれに伴ってＣＤから離れる。このようにして、Ｃ Ｄの出し入れが容易であって、しかもその固定が確実なＣＤ容器が実現する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のＣＤ容器について、その一例を示す
展開図。

【図２】 図１のＣＤ容器のＸ方向矢視図。

【図３】 図１のＣＤ容器のＹ方向矢視図。

【図４】 表蓋ＣＤ抑えの形状を示す拡大断面図。

【図５】 パンフレット止めの形状を示す拡大断面図。

【図６】 ＣＤ容器を閉じた状態における、背板ＣＤ抑
えおよび表蓋ＣＤ抑えの機能を説明するための拡大断面
図。

【図７】 ＣＤ容器を閉じた状態における、突出片と溝
との関係を示す拡大断面図。

【符号の説明】

１ 背板 ２ 表蓋 ２１ 縁 ２２ 後退部 ２３ 表蓋ＣＤ抑え ２４ パンフレット止め ３ 裏蓋 ３１ 縁 ３２ 後退部 ４ ヒンジ結合 ５ バネ係止片 ６ 突出片 ７ 溝 ８ リブ ８１ 背板ＣＤ抑え ９ 円形の突条

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 背板（１）と、それを介して開閉可能に
   接続された、ともに浅い箱型をした表蓋（２）および裏
   蓋（３）とを最小限の構成要素として有する扁平箱型の
   ＣＤ容器であって、背板（１）と表蓋（２）および裏蓋
   （３）との接続はヒンジ結合（４）とし、表蓋（２）お
   よび裏蓋（３）の左右両側の辺から立ち上がる縁（２
   １，３１）のほぼ中央部は、容器を開くための後退部
   （２２，３２）を形成し、その両側において、表蓋およ
   び裏蓋の一方に突出片（６）を、他方にそれらに対応す
   る溝（７）をそれぞれ設けて、両者の嵌合により容器を
   閉じた状態を保てるようにし、裏蓋（３）のほぼ中央に
   は、収容されるＣＤの中心孔と嵌合してＣＤを固定する
   ためのバネ係止片（５）を設け、表蓋（２）の前記後退
   部（２２）には、容器内部に向かって伸びる表蓋ＣＤ抑
   え（２３）を設けるとともに、その両側において表蓋の
   内部にＬ字型のパンフレット止め（２４）を設け、背板
   （１）のほぼ中心線上に、容器の内部に向かって伸びる
   リブ（８）を立て、そのほぼ中央に背板ＣＤ抑え（８
   １）を突出させてなり、容器を閉じたときに、前記表蓋
   ＣＤ抑え（２３）と背板ＣＤ抑え（８１）とが共同し
   て、ＣＤのバネ係止片（５）からの脱落を防止するよう
   に構成したＣＤ容器。
2. 【請求項２】 裏蓋（３）に、前記バネ係止片（５）と
   同心で、ＣＤの外周よりわずかに大きい直径をもつ円形
   の突条（９）を設けて、ＣＤの周囲を限定するように構
   成した請求項１のＣＤ容器。
3. 【請求項３】 容器全体をポリプロピレンの射出成形に
   より製造した請求項１または２のＣＤ容器。