JP3073711B2 - イオンプレーティング装置 - Google Patents

イオンプレーティング装置

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JP3073711B2 JP09207320A JP20732097A JP3073711B2 JP 3073711 B2 JP3073711 B2 JP 3073711B2 JP 09207320 A JP09207320 A JP 09207320A JP 20732097 A JP20732097 A JP 20732097A JP 3073711 B2 JP3073711 B2 JP 3073711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンプレーティ
ング装置に関し、特にアーク放電型イオンプレーティン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のイオンプレーティング装置には、
例えば特許第2592617号の明細書及び図面に開示
されたようなものがある。その構成を、図4に示す。こ
のイオンプレーティング装置では、真空槽1の下底に排
気口2が存在し、これに連なる真空ポンプによって真空
槽1内は常に高真空に排気されている。真空槽1内の下
部には蒸発源3が位置し、それの電子銃部が発生した電
子ビーム4の衝撃によって、蒸発材料5が蒸発する。真
空槽1内の上部には、蒸発源3の真上にあたる位置に、
被処理物6が配置されている。蒸発源3に接近し、その
斜め上方に、イオン化電極7が位置し、その両端は加熱
電源8に接続されている。蒸発源3とイオン化電極7と
の間には、熱電子放射フィラメント9が位置し、その両
端は加熱電源10に接続されている。真空槽1と蒸発源
3とフィラメント9は共に接地され、イオン化電極7と
接地との間にはアーク放電用の電源11が設けられてい
る。被処理物6には、マッチングボックス12を介して
高周波のバイアス電源13に接続されている。14は、
必要時に反応ガスを真空槽1内に導入する導入口であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなイオンプ
レーティング装置において、蒸発材料として絶縁物を使
用する場合、この絶縁物の蒸発粒子を充分にイオン化す
るためには、イオン化電極7には60乃至80Vの電圧
を印加しなければならない。そのためには、イオン化電
極7と接地との間に設けられているアーク放電用の電源
11は60乃至80Vの電圧を発生する必要がある。こ
れに対し、蒸発材料が導電性の金属である場合、アーク
放電用の電源11は、20乃至40Vの電圧を発生すれ
ば、充分に導電性金属の蒸発粒子をイオン化できる。
【0004】アーク放電空間内のプラズマ電位は、ほぼ
イオン化電極7の電圧に相当するので、イオン化電極7
の電圧が高いと、プラズマ中のイオンは、いずれも接地
されている真空槽1の内壁、治具、電極等を衝撃し、異
常放電(局所的なスパーク)が発生する。その結果、熱
電子放射フィラメント9とイオン化電極7との間で発生
しているアーク放電が安定せず、イオン化が不安定にな
る。異常放電の要因は、表面の汚れ、蒸発材料から発生
する放出ガス等によると考えられるが、高密度で空間電
位の高いプラズマである程、頻繁に異常放電が発生する
ことが分かっている。従って、実用的な観点からプラズ
マ放電空間内の空間電位は低く抑える必要がある。
【0005】また、図4のイオンプレーティング装置に
は、絶縁膜を被処理物に形成する場合、成膜表面でのイ
オン入射によるチャージアップを防止するために、高周
波電源13によって被処理物6に13.56MHzの高
周波電圧を印加している。しかし、被処理物6に効率良
く電力を供給するためには、マッチングボックス12が
必要である。このマッチングボックス12は、真空槽1
の外部の被処理物6の近傍に配置される。高周波電源1
3に例えば電力が5kWのものを使用すると、マッチン
グボックス12の大きさは、200X350X500m
mとなり、大きな設置空間が必要であり、イオンプレー
ティング装置のスリム化、小型化にとってマイナスとな
る。しかも、図4には示していないが、イオン化電極7
と被処理物との間には、シャッターが設けられており、
アーク放電が安定し、完全な蒸着を開始できる状態にな
った後に、シャッターを開いて、被処理物6に対する蒸
着を開始させる。ところが、シャッターを閉じた状態
で、マッチングボックス12によってマッチングをとる
と、シャッターを開いたときには、マッチングがとれな
くなり、再びマッチングのとりなおしを行わねばなら
ず、このマッチングをとりなおしている間には、完全な
蒸着を行えない。また、ノイズ対策も必要であり、真空
槽1とマッチングボックス12との間は、アルミニウム
の板により遮蔽しなければならず、この分だけコストが
高くなる。さらに、高周波電源13自身の値段も高い。
このような理由から、高周波電源の使用は望ましくな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内部が排気される真空槽と、この真空槽内に配置され、
蒸着材料が充填される蒸発源と、この蒸発源と所定距離
隔てて配置された被処理物と、前記蒸発源と前記被処理
物との間における前記蒸発源の近傍に配置され、前記蒸
発源を基準として正電圧が印加されるイオン化電極と、
前記蒸発源と前記イオン化電極との間に配置され、前記
蒸発源を基準として負電圧が印加される熱電子放射フィ
ラメントとを、具備している。
【0007】請求項1記載の発明によれば、蒸発源から
蒸発した蒸発粒子は、熱電子放射フィラメントから放出
される熱電子の衝撃によりイオン化される。熱電子衝撃
により蒸発粒子からたたき出された電子はイオン化電極
に流れ込み、例えば数10Aのアーク放電となり、プラ
ズマが形成される。このとき、熱電子放射フィラメント
には負電圧が印加されているので、熱電子放射フィラメ
ントとイオン化電極との電位差を大きくすることがで
き、熱電子放射フィラメントから放出される熱電子の衝
撃エネルギーを高めることで、蒸発粒子のイオン化を効
率よく行うことができる。従って、蒸発粒子のイオン化
を促進させるために、イオン化電極に印加する正の電圧
を無理に高める必要がなく、イオン化電極に印加する正
電圧が低くても、蒸発粒子のイオン化を充分に行うこと
ができる。
【0008】請求項2記載の発明は、内部が排気される
真空槽と、この真空槽内に配置され、蒸着材料が充填さ
れる蒸発源と、この蒸発源と所定距離隔てて配置された
被処理物と、前記蒸発源と前記被処理物との間における
前記蒸発源の近傍に配置されたイオン化電極と、前記蒸
発源と前記イオン化電極との間に配置された熱電子放射
フィラメントとを、具備している。更に、前記被処理物
に、前記蒸発源を基準として非対称なパルス電圧が印加
されている。このパルス電圧は、負電圧の絶対値が正電
圧の絶対値よりも大きく、その周波数が10kHz乃至
250kHzで、正電圧に維持される時間の最小値が
0.1μsであって、最大値がデューティ比で表して4
0パーセントのものである。
【0009】請求項2記載の発明によれば、イオン化さ
れた蒸発粒子は、被処理物に印加されたパルス電圧が負
のときに、被処理物に入射する。被処理物に印加された
電圧が正のとき、プラズマ中の電子が被処理物に入射
し、被処理物の表面に滞在しているイオン化された粒子
と衝突し、電荷の中和が生じる。
【0010】負電圧の絶対値よりも正電圧の絶対値が大
きくなると、被処理物に入射するイオンの量よりも電子
の量が多くなる。よって、パルス電圧の絶対値よりも正
電圧の絶対値を小さくして、電荷の中和が行えるように
してある。また、周波数が10kHzよりも低いと、周
波数が低いので、チャージアップの充分な効果が得られ
ない。また、周波数が250kHzを超えると、ノイズ
を発生しやすい。正電圧に維持される時間を0.1μs
以上とするのは、13.56MHzの高周波電圧を被処
理物に印加したときには、チャージアップを防止できる
ことが既に判明しており、この13.56MHzに近い
周波数である10MHzの周期が0.1μsであり、少
なくとも0.1μs以上の期間にわたって正電圧を印加
すると、チャージアップを防止できると考えられるから
である。また、デューティ比を40パーセント以下とし
たのは、デューティ比を大きくすると、その間には被処
理物にはイオンが入射しなくなるし、緻密で高機能を有
した反応膜を作成するためには、低エネルギーで大電流
のイオン照射が有効であることが判明しており、デュー
ティ比を必要以上に大きくすると、これに反することに
なるからである。
【0011】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載のイオンプレーティング装置において、前記蒸発
材料が絶縁物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本実施の形態は、図1に示すよう
に、真空槽20を有している。この真空槽20の下部に
は、排気口22が設けられている。この排気口22は、
図示していない真空ポンプに結合され、この真空ポンプ
によって真空槽20は、排気されている。
【0013】真空槽20内の下部には、蒸発源24が設
けられている。この蒸発源24には、電子銃26が設け
られている。この電子銃26は、蒸発源24が有する坩
堝28内に充填された蒸着材料30を、この電子銃26
からの電子ビーム32によって衝撃し、蒸発させる。蒸
着材料30には、金属、半導体または絶縁物を使用する
ことができる。真空槽1と蒸発源24とは、接地されて
いる。
【0014】真空槽20内における坩堝28の上方に
は、所定の距離を隔てて被処理物、例えばイオンプレー
ティングされる基板34が配置されている。この基板3
4には、真空槽20の外部に設けられたパルス電源36
の一端が接続されている。このパルス電源36の他端は
接地されている。このパルス電源36については後述す
る。
【0015】坩堝28に接近した斜め上方には、熱電子
放射フィラメント38が設けられている。このフィラメ
ント38は、例えば直径1.0mm程度の高融点材料、
例えばタングステン、モリブデンまたはタンタルによっ
て構成されている。このフィラメント28の両端は、真
空槽20の外部に導出され、フィラメント加熱電源40
に接続されている。この加熱電源40の一方の電極と接
地との間にフィラメントバイアス電源42が設けられて
いる。このバイアス電源42は、加熱電源40側が負
に、接地側が正になるように接続されている。
【0016】フィラメント38の上方には、イオン化電
極44が配置されている。このイオン化電極44の形状
は、棒状または板状で、例えば10X100X0.2m
mである。このイオン化電極44は、高融点材料、例え
ばタングステン、モリブデン、タンタルまたはカーボン
によって形成されている。このイオン化電極44の両端
は、真空槽20の外部に導出され、イオン化電極加熱用
電源46に接続されている。この加熱用電源46の一方
の電極と接地との間には、アノード電源48が接続さ
れ、アノード電源48は、イオン化電極加熱電源46側
が正に、接地側が負になるように接続されている。従っ
て、このアノード電源48とフィラメントバイアス電源
42とは、極性が逆である。
【0017】50は、必要時に、反応ガスを真空槽20
内に導入するためのガスノズルである。
【0018】このイオンプレーティング装置において、
蒸発材料30に絶縁物であるアルミナを使用した場合の
動作について説明する。粒状のアルミナを坩堝28に充
填する。電子銃26の加速電圧を10kV、エミッショ
ンを100乃至1000mA、好ましくは400mAと
して、アルミナを蒸発させる。
【0019】蒸発したアルミナのイオン化は、60乃至
100eV、好ましくは80eV程度の熱電子衝撃によ
って行われる。即ち、熱電子放射フィラメント38から
放射された熱電子が、熱電子放射フィラメント38とイ
オン化電極44との間に印加されている電圧によって加
速され、衝撃エネルギーを持って、イオン化電極44に
向かう。このとき、蒸発粒子と非弾性衝突し、アルミナ
をイオン化し、プラズマが発生する。
【0020】熱電子放射フィラメント38は、加熱電源
40で摂氏2000度以上に加熱されることによって熱
電子を放射する。加熱電源40として、例えば20V、
60Aの容量を持つ交流または直流のものを使用でき
る。上述したように直径1.0mmのタングステン線を
熱電子放射フィラメント38に使用した場合、50Aの
電流を流すことによってフィラメント38の温度は20
00度以上になる。
【0021】熱電子の衝撃エネルギーは、フィラメント
バイアス電源42と、アノード電源48の電圧の和によ
って与えられる。ここで、フィラメントバイアス電源4
2の極性とアノード電源48の極性とを逆にしているの
で、イオン化電極44にアノード電源48から印加する
電圧を、接地電位に対して10乃至50V、好ましくは
20Vとし、熱電子放射フィラメント38にフィラメン
ト加熱電源42から印加する電圧を、接地電位に対し−
20V乃至−100V、好ましくは−60Vとすること
によって、衝撃エネルギーは、150eV乃至70e
V、好ましくは80eVとすることができる。このよう
にフィラメントバイアス電圧を接地電位に対して負とす
ることによって、イオン化電極44に印加する電圧は、
10乃至50Vに抑えられる。従って、プラズマの空間
電位を下げることができ、異常放電の発生を防止でき、
長時間にわたって安定したアーク放電を維持できる。
【0022】上述した従来のイオンプレーティング装置
のように、フィラメント加熱電源11が直接に接地され
ているものでは、上記のように80eVの衝撃エネルギ
ーを熱電子に持たせようとすると、イオン化電極7に接
地電位に対し80Vと高い電圧を印加しなければなら
ず、これによってプラズマの空間電位が80Vと高くな
り、長時間にわたって安定したアーク放電を維持できな
い。
【0023】イオン化電極44は、加熱電源46によっ
てアルミナの蒸発温度以上に通電加熱される。加熱電源
46としては、例えば10V、200Aの直流または交
流電源を使用できる。上述したような10X100X
0.2mmのタングステン板をイオン化電極44に使用
した場合、8V、130Aの通電により、イオン化電極
44は、加熱され、その表面温度は、摂氏約2100度
になる。アルミナは摂氏約1900度で充分に蒸発す
る。従って、イオン化電極に堆積したアルミナ膜は、再
度蒸発する。その結果、イオン化電極44は、絶縁膜で
あるアルミナ膜によって覆われることがなく、イオン化
電極44の表面は、常に導電性が保たれ、アーク放電が
長時間に渡って安定する。なお、イオン化電極44を加
熱電源48によって加熱しなかった場合、絶縁性のアル
ミナ膜がイオン化電極44に堆積し、1分程度でアーク
放電が停止した。
【0024】イオン化されたアルミナ粒子は、パルス電
源36が印加されている基板34に蒸着される。パルス
電源36のパルス電圧は、接地電位を基準として非対称
な電圧である。例えば正の平均電圧が50乃至120
V、好ましくは100Vであり、負の平均電圧は−20
0乃至−2000V、好ましくは−500Vである。即
ち、パルス電圧は、負電圧の絶対値が、正電圧の絶対値
よりも大きい。このパルス電圧の周波数は、10kHz
乃至250kHz、好ましくは100kHzである。こ
のパルス電圧では、正電圧に維持される最小時間は0.
1μsである。また、最大時間は、1周期に占める正電
圧の期間(デューティ比)で表して40パーセントであ
る。このようなパルス電圧で正電圧に維持される時間の
最適値は、デューティ比で表して20パーセントであ
る。
【0025】周波数が10kHz乃至250kHzで、
正電圧の期間が0.1μs以上、デューティ比が40パ
ーセント以下のパルス電圧を、周波数ごとに示すと下表
のようになる。
【0026】
【表1】
【0027】正電圧の維持時間の最小値を0.1μsと
した理由、及び最大値をデューティ比で表して40パー
セントとした理由は、上述した通りである。
【0028】また、正の電圧を50乃至120V、好ま
しくは100V、負の電圧を−200乃至−2000
V、好ましくは−500Vとしたのは、主に実験の結果
による。
【0029】パルス電源36の出力波形の一例を図2に
示す。このパルス電圧は、周波数が100kHz(1周
期が10μs)で、接地電位を基準としての負電圧のピ
ーク値が−800V(負の期間で平均すると−500
V)、正電圧のピーク値が+300V(正の期間で平均
すると+100V)で、デュティ比が20パーセントの
ものである。
【0030】イオン化されたアルミナは、例えば図2に
示すパルス電圧が使用されている場合、負の電圧が基板
34に印加されている期間(8μs)に、基板34の成
膜表面に向かって加速され入射する。正の電圧が基板3
4に印加されている期間(2μs)には、プラズマ中の
電子が成膜表面に向かって加速され、成膜表面に入射す
る。これによって、成膜の表面に滞在しているイオンと
電子が衝突し、イオンと電子との電荷の中和が起こり、
成膜表面におけるイオン蓄積によるチャージアップを防
止でき、安定にイオンを基板に入射することができる。
正の期間が0.1μs以上あり、デューティ比で表して
40パーセント以下であるので、良好にチャージアップ
を防止できている。
【0031】イオンの入射エネルギーは、パルス電圧の
負の値によって制御することができ、これによってアル
ミナの膜質、例えば硬度を任意に調整することができ
る。図3にアルミナ膜の硬度とパルス電圧との関係を示
す。同図において、縦軸はアルミナの硬度を表し、横軸
は、パルス電圧の1周期における平均値を表している。
この成膜条件は、以下の通りである。電子銃の電力3k
W、フィラメントバイアス電圧−60V、イオン化電極
電圧20V、放電電流10A、パルスの周波数100k
Hz、デュティ比20パーセントである。この表からパ
ルスバイアス電圧の平均値を大きくすることで、硬いア
ルミナ膜を基板34上に作製できることがわかる。
【0032】上記の実施の形態では、アルミナ膜を作成
したが、この他にTiO2 、MgO、AlN、Si3
4 、Ta2 5 等の絶縁膜を基板34上に作成すること
ができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、熱電子放射フィラメントに負電圧が印加されてい
るので、イオン化電極に印加する正の電圧が低くても、
熱電子放射フィラメントとイオン化電極との電位差を大
きくすることができ、熱電子放射フィラメントから放射
される熱電子の衝撃エネルギーを大きくして、蒸発粒子
のイオン化を効率よく行うことができる。また、イオン
化電極に印加する正の電圧が低いため、アーク放電の空
間電位を低く抑えることができ、安定したアーク放電を
維持して発生することができる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、イオン化さ
れた蒸発粒子は、被処理物に印加されたパルス電圧が負
のときに、被処理物に入射する。被処理物に印加された
電圧が正のとき、プラズマ中の電子が被処理物に入射
し、被処理物の表面に滞在しているイオン化された粒子
と衝突し、電荷の中和が生じ、高周波電源を使用してい
るのと同様な効果が得られる。高周波電源を使用した場
合、大型であるマッチングボックスが必要であるし、そ
のマッチングをとる作業が面倒であり、しかも、高周波
電源は、高価である。しかし、パルス電源の使用によ
り、高周波電源及びマッチングボックスは使用しなくて
もよく、小型で低コストのイオンプレーティング装置を
実現できるし、また、マッチングをとる作業が不要にな
るので、効率的に作業が行える。
【0035】請求項3記載の発明によれば、蒸発材料が
絶縁物であっても、良好にイオンプレーティングを行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態のイオンプレーティング
装置の概略構成図である。
【図2】同イオンプレーティング装置のパルス電源の波
形を示す図である。
【図3】同イオンプレーティング装置におけるパルスバ
イアス電圧とアルミナ膜の硬度との関係を示す図であ
る。
【図4】従来のイオンプレーティング装置の概略構成図
である。
【符号の説明】
20 真空槽 24 蒸発源 34 基板(被処理物) 36 パルス電源 38 熱電子放射フィラメント 40 フィラメント加熱電源 42 フィラメントバイアス電源 44 イオン化電極 46 イオン化電極加熱電源 48 アノード電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が排気される真空槽と、 この真空槽内に配置され、蒸着材料が充填される蒸発源
    と、 この蒸発源と所定距離隔てて配置された被処理物と、 前記蒸発源と前記被処理物との間における前記蒸発源の
    近傍に配置され、前記蒸発源を基準として正電圧が印加
    されるイオン化電極と、 前記蒸発源と前記イオン化電極との間に配置され、前記
    蒸発源を基準として負電圧が印加される熱電子放射フィ
    ラメントとを、具備するイオンプレーティング装置。
  2. 【請求項2】 内部が排気される真空槽と、 この真空槽内に配置され、蒸着材料が充填される蒸発源
    と、 この蒸発源と所定距離隔てて配置された被処理物と、 前記蒸発源と前記被処理物との間における前記蒸発源の
    近傍に配置されたイオン化電極と、 前記蒸発源と前記イオン化電極との間に配置された熱電
    子放射フィラメントとを、具備し、前記被処理物に、接
    地電位を基準として非対称のパルス電圧が印加され、こ
    のパルス電圧は、その負電圧の絶対値が正電圧の絶対値
    よりも大きく、その周波数が10kHz乃至250kH
    zで、前記正電圧に維持される時間の最小値が0.1μ
    sであって、最大値がデューティ比で表して40パーセ
    ントのものであることを特徴とするイオンプレーティン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のイオンプレーテ
    ィング装置において、前記蒸発材料が絶縁物であるイオ
    ンプレーティング装置。
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