JP3073582U - 複合ケーブルの皮むき工具 - Google Patents

複合ケーブルの皮むき工具

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JP3073582U JP2000003553U JP2000003553U JP3073582U JP 3073582 U JP3073582 U JP 3073582U JP 2000003553 U JP2000003553 U JP 2000003553U JP 2000003553 U JP2000003553 U JP 2000003553U JP 3073582 U JP3073582 U JP 3073582U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は複合ケーブルの皮むき工具におい
て、皮むきが安全にできかつ内部芯線を傷めることなく
作業効率よく作業ができる使い勝手のよい工具の開発を
課題とする。従来市販のカッターには、作業上の危険性
や複合ケーブル芯線への傷やこれによる腐食の問題など
による通信・通電品質への影響、さらには作業者の技量
や現場の状況による皮むき処理にバラツキがあるという
課題があった。 【解決手段】 両端に突起状等の係止部(11)を設け
たグリップ(1)を備えたロッド(2)の先端脇に凹状
の刃(3)を前後方向に両刃として設け、前記両刃
(3)の外側にはガイドとなる突起部(4)を設けた。
刃(3)はロッド(2)の先端中心に左右にガイドとな
る突起部(4)を有する大き目の凹状の刃(3)や、そ
の向かい合わせに後方向きの小さ目の刃(3)を設ける
等、数、幅など適宜できる。突起部(4)の長さも用法
に応じ長短にできる。この構成により、複合ケーブル
(5)の皮むきを効率良く正確に所望通りにすることが
出来た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は多芯電線ケーブル等の複合ケーブルを被っている表皮を切り裂いてむく 場合に使う工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、複合ケーブルの撚り線を引出したり、ケーブルの途中から分岐させるた め等で中程の表皮を取り除くためには、はさみ型の表皮カッターや市販のカッタ ーのような道具を使っていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の工具では、たとえばカッターを用いた場合、内部にある複合撚り線を傷 つけてしまい、電力ケーブルなら漏電の、通信ケーブルなら漏話の原因につなが ることがあった。 このようなカット工事では、腐食等による耐久性にも影響がでかねない。
【0004】 又市販のカッターでは作業上の不注意による怪我の原因となることもあり、さら にはカッターでの直線加工は切り過ぎがおきやすく、曲線は思い通りにはなかな かカットが難しいという課題があった。 このように従来市販のカッターには、作業上の危険性や複合ケーブル芯線への傷 やこれによる腐食の問題などによる通信・通電品質への影響、さらには作業者の 技量や現場の状況による皮むき処理にバラツキがあるという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記課題を解決するために、表皮を外側からカットするばかりでなく 、端面方向からもカットできるような皮むき工具を提案するもので、従来の直線 的形状のカッター形状から、複合ケーブルの被覆を切り裂くのに適した曲線的形 状すなわち凹状の刃の形を取り入れて、切りやすくしたものである。
【0006】 本考案は、グリップを備えたロッドの先端脇に凹状の刃を前後方向に向いた両 刃として設け、前記両刃の外側にはガイドとなる突起部を設け、ケーブル等に前 記突起部を差込んで前方に押し出し又は後方に引いて前後にケーブルを切り裂く ことができることを特徴とする多芯複合ケーブルの皮むき工具である。
【0007】 一方向ではなく前後両方向にグリップを持って押し又は引いて表皮剥離を行う 両方向作業ができることが特徴であり、かつ刃の幅やガイドとなる突起部の態様 が、多数の使用形態を採れるような複合配置構成としたことも特徴であり、各種 ケーブルや太いケーブル細いケーブルの皮むき工具として汎用性もある。
【0008】
【考案の実施の形態】
本考案の複合ケーブルの皮むき工具の実施形態を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の一実施形態を示す全体斜視図で突起部を上に向け真横から見た 図である。図2から図4は、異なる実施形態の部分斜視図である。 図5、図6は、本考案にかかる皮むき工具の使用状態図であって、見易いように 複合ケーブルの太さを拡大している。
【0009】 図1の実施形態の複合ケーブル皮むき工具は、グリップ(1)を備えたロッド( 2)の先端脇に凹状の刃(3)を前後方向に向いた両刃として設け、前記両刃( 3)の外側にはガイドとなる突起部(4)を設けたものである。 突起部(4)は、その先端を複合ケーブル(5)の中に差込み、刃(3)が表皮 の端部に対向するようにガイドする。 刃(3)は、前後両方向に設けられ、突起部(4)も前向き後向きの両方向に設 けている。
【0010】 この形態の工具は、複合ケーブル(5)等の被覆表皮の内部に前記前向きの突起 部(4)を差込んで、刃(3)が、表皮(6)に対面し当たるように位置させ、 刃(3)を前方に押し出して表皮(6)を切り開いてゆく用い方をする。
【0011】 又は、手前側に複合ケーブル(5)の端面をおいて、突起部(4)を表皮内部に 差込み、工具の手前側を向いて設けた刃(3)を表皮(6)に対面し当たるよう に位置させ、その刃(3)を引くようにして表皮(6)を切り開いてゆく用い方 もできる。
【0012】 つまり、この工具は前方に押しても或いは後方に引いても使用できるものであり 、前後に複合ケーブル(5)を切り裂くことのできる刃(3)を設けたものであ る。
【0013】 図2は、図1の構成の刃(3)と突起部(4)をロッド(2)の両脇に設けた構 成のものである。 図中、ABCDは、刃(3)の幅を表し、同じ幅や異なる幅に設計できる。 ロッド(2)とガイド突起部(4)間の間隔をそれそれAの幅、Bの幅、Cの幅 、Dの幅、とそれぞれ違わせることにより複合ケーブル(5)の表皮(6)の厚 さや作業形態に対応して作業ができるように工夫されている
【0014】 図3の実施形態は、グリップ(1)を備えたロッド(2)の先端中心に左右にガ イドとなる突起部(4)を有する大き目の幅Eの凹状の刃(3)を設け、その向 かい合わせに後方向きの小さ目の刃(3)をロッド(2)の両脇にそれぞれ一ヶ 所づつ設けるとともに上下にガイドとなる突起部(4)を設けたものである。 3つの刃(3)を形成した形態の複合ケーブルの皮むき工具である。 先端の刃(3)では、複合ケーブル(5)を縦に切断することも可能である。
【0015】 図4は、グリップ(1)を備えたロッド(2)の先端の両脇にガイドとなる突起 部(4)を備えた凹状の刃(3)を前後方向に向いた両刃として二対設け、前記 各突起部(4)の長さを変えて形成した工具を示すもので、先端部分の部分斜視 図である。
【0016】 複合ケーブル等に前記突起部(4)を差込み、前方に押し出し又は後方に引いて 前後両方に複合ケーブル(5)を切り裂くことができる工具であるとともに、突 起部(4)の長さや刃(3)の幅を様々に変えたものを配することで多様性を付 与した構成である。
【0017】 前記突起部(4)の長さが同じ構成では、2本の複合ケーブルを同時に前後に切 り裂く用い方、片方のみ短い突起部(4)とした構成では、複合ケーブル(5) の中間部を切り取ったりすることに用いることができる。 又、突起部(4)短いものは、作業動作はほぼ同じであるが用途的には異なって おり複合ケーブル(5)の表皮(6)を曲線的に切るときに方向を変えやすく、 曲線加工に適する。 又突起部(4)の短いものは、複合ケーブル(5)の表皮(6)を図6のように 取り去りT字形にケーブルを結合する場合に、間隔を置いて一定幅に輪状切れ目 を入れてから、その切れ目の隙間から差込み一定幅の表皮(6)を長手方向に切 り開く時に、表皮(6)の途中から入れやすい機能もある。 突起部(4)の長さや形状は、刃(3)の進路形成や差込み易さに影響するの で、複合ケーブル(5)の線種や性質に応じて多少の工夫は必要である。
【0018】 さて、凹状の刃(3)は、ロッド(2)と突起部(4)ではさまれて凹状の底に あるために、外側に突出していないので持ち運びの際や使用の際にも安全である 。
【0019】 又、凹状の底にあるために、この凹状部にケーブルを引きこみ、刃(3)を圧し て押し付け回転させることでケーブルの表皮(6)を輪状にカットすることもで きる。
【0020】 突起部(4)の長さや形状は特に限定はないが、複合ケーブル(5)特に多芯ケ ーブルに使用する場合は、各芯を傷めないように先端はあまり鋭くないほうが好 ましい。又長さも直線的に切り開く時は長いほうが曲がらないが、曲線的な切り 開き方では短いほうが使い勝手が良い。
【0021】 グリップ(1)は、この工具の用い方の特殊性に対応するように、前後両方に押 し又は引く作業があるので、グリップ(1)は、その両端に突起状等の係止部( 11)を設けて前後に切り裂く時の滑り止めを備えているのが好ましい。 又グリップ(1)には全体にゴム等の滑り止め絶縁素材を設けておくのが良い。
【0022】 ロッド(2)の長さは10〜30Cm位で、金属製である。 基本的には先端の部分と一体加工であるが、刃(3)や突起部(4)と分離でき るように、先端部分を部品として構成し、連結自在に構成してもよい。
【0023】
【実施例】
次に図1のような皮むき工具として作成実施した実施例について説明する。
【0024】 木製で両端を径大にしたグリップ(1)を備えた金属製のロッド(2)の先端 脇に凹状の刃(3)と刃(3)を前後方向に向いた両刃として設け、前記両刃( 3)の外側には前記ロッド(2)と平行にガイドとなる先端を丸く形成した細い 突起部(4)を設けた多芯複合ケーブルの皮むき工具を試作した。
【0025】 グリップ(1)は、直径3Cmの太さで、12Cmの長さ、ロッド(2)は直径6m m径で長さ13Cmである。 刃(3)の幅は5mmとし、突起部(4)は4mm径の太さで長さ2Cmにした。 勿論この寸法は一実施例であって、本考案はこれに限定されるものではない。
【0026】 このような実施例は図5、図6のように多芯複合ケーブルに使用される。 図5は、複合ケーブル(5)等の被覆表皮(6)の内部に後向きの突起部(4) を差込んで、刃(3)が、ケーブル表皮(6)に対面し当たるように位置させ、 刃(3)をグリップ方向に引いて表皮(6)を切り開いてゆく状態を表している 。 用い方はこの他、前方に押して前方の刃(1)で表皮(6)を切り開いてゆく ことができるが、この両者を使えることが特徴である。 最初は引く方向で切開し、切開到達点からは向きを変えて押し出す方向で切開 してゆくという作業ができるので、複合ケーブル(5)の表皮(6)の切開作業 は自由性が増しかつスムーズにできる。
【0027】 図6は、ケーブルの中間部を切り取る手法を示したもので、例えばT字形に2本 のケーブルを結合する場合に、被接続ケーブルに間隔を置いて一定幅に輪状切れ 目(7)を入れてから、その切れ目(7)の隙間から差込み一定幅の表皮(6) を長手方向に切り開く時の作業を示している。 この作業の最初は、凹状の刃(3)をケーブルの表面に当てて回転させて表皮( 6)の所定位置に切れ目(7)を入れる。 刃(3)は、凹状の底に形成してあるので、押す方向又は引く方向に力を入れて も回転させながら切り込み深度をみてゆけるので、切り過ぎはない。 一定幅をおいて2個所で輪状にカットした後は、その切り個所から突起部(4) を差込み切り開いてゆく。 きわめて作業性が良い。
【0028】
【考案の効果】
本考案の複合ケーブルの皮むき工具は、前記のようにグリップを備えたロッドの 先端脇に凹状の刃を前後方向に向いた両刃として設け、前記両刃の外側にはガイ ドとなる突起部を設け、ケーブル等に前記突起部を差込んで前方に押し出し又は 後方に引いて前後にケーブルを切り裂くことができる多芯電線等の複合ケーブル の皮むき工具であるので、次のような技術的効果がある。
【0029】 第一に、工具は刃が凹状の底にあるので、作業者にとっては手を切ることなく安 全な工具となっている。 又、前後の両方向に力を入れることがある工具であるが、グリップには前後に係 止部を設けているのでこの点でも滑りにくい配慮がしてあり、安全である。
【0030】 第二に、複合ケーブルを傷めることなく表皮が切れる。 例えば、線の剥き出しでは、はじめに切り口を必要な長さまで切ったら、工具の 向きを90度変え一周させればスムーズに内部の撚り線を出すことができる。 この時にガイドとなる突起部があるので、刃の進路を表皮と平行な厚さで維持す るので内部の線を傷めることはない。
【0031】 第三に、前後両方に進行させて切り開くことができるので作業性が良い。 例えばV字状にカットする場合は、最初は前方に押して切り、Vの底点で方向を変 えて引いて切れば文字の筆順通りにカットができる。 又複合ケーブルの途中全周を切るのではなく、仮に表面に円形や楕円形に切る必 要が発生した場合には、少しの切れ目から突起部を差込み湾曲進行させれば所望 の形状にもカットして表皮を剥くことができる。
【0032】 このように、本考案に係る複合ケーブルの皮むき工具は、安全であり、作業性が 良く、かつ複合ケーブルを傷めることなく表皮をはがすことができるものである 。 実用的価値はたいへん高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る複合ケーブルの皮むき工具の一実
施形態を示すもので、全体の斜視図である。
【図2】異なる実施形態の一つでガイドとなる突起部と
刃の数を異にするもので、刃をロッドの両脇に前後方向
に設けた構成を示す部分斜視図である。
【図3】刃を三箇所に配したもので異なる一実施形態の
部分斜視図である。
【図4】突起部の長さと刃の幅を変更した一実施形態を
示すもので、ガイドのための短い突起部で、容易に曲線
切りにも対応できるようにしたロッド先端部分の部分斜
視図である。
【図5】本考案の複合ケーブルの皮むき工具を使用して
多芯ケーブルの内部撚り線と表皮の隙間にガイド突起部
を入れようとしている使用状態図である。
【図6】複合ケーブルの皮むき工具を使用して複合ケー
ブルの途中の表皮部分を切ろうとしている使用状態図で
ある。
【符号の説明】
1 グリップ 11 グリップの係止部 2 ロッド 3 刃 4 ガイドのための突起部 5 複合ケーブル 6 ケーブルの表皮 7 切り目 8 芯線

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリップ(1)を備えたロッド(2)の
    先端脇に凹状の刃(3)を前後方向に向いた両刃として
    設け、前記両刃(3)の外側にはガイドとなる突起部
    (4)を設け、複合ケーブル等に前記突起部(4)を差
    込んで前方に押し出し又は後方に引いて前後に複合ケー
    ブルを切り裂くことができることを特徴とする複合ケー
    ブルの皮むき工具。
  2. 【請求項2】 グリップ(1)を備えたロッド(2)の
    先端中心に左右にガイドとなる突起部(4)を有する大
    き目の凹状の刃(3)を設け、その向かい合わせに後方
    向きの小さ目の刃(3)をロッドの両脇にそれぞれ一ヶ
    所づつ設けるとともに上下にガイドとなる突起部(4)
    を設けた複合ケーブルの皮むき工具。
  3. 【請求項3】 前記グリップ(1)は、その両端に突起
    状等の係止部(11)を設けて前後に切り裂く時の滑り
    止めを備えた請求項1又は請求項2記載の複合ケーブル
    の皮むき工具。
  4. 【請求項4】 グリップ(1)を備えたロッド(2)の
    先端の両脇にガイドとなる突起部(4)を備えた凹状の
    刃(3)を前後方向の向かい合わせにして二対設け、前
    記各突起部(4)の長さや刃(3)の幅を変えて形成し
    た複合ケーブルの皮むき工具。
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