JP3072774B2 - N,n’―ジハロイミダゾリジン―4―オウン類およびn−ハロイミダゾリン−4−オウン類の化合物 - Google Patents

N,n’―ジハロイミダゾリジン―4―オウン類およびn−ハロイミダゾリン−4−オウン類の化合物

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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は飲用水、プール、風呂、工業用水、クーリン
グタワー、廃水処理工場、便器、空調システム、宇宙船
や野戦用ユニット、その他衛生用水の殺菌、オイルなど
の有機流体の殺菌、病院、食品加工工場など細菌による
汚染が問題になる施設における硬い表面の殺菌などにま
つわる問題の解決を目的とする。
[従来の技術] 現在、上記諸目的のために用いられている滅菌剤に
は、それぞれ重大な欠陥がある。もっとも広範に用いら
れている市販の滅菌剤は、次亜塩素酸カルシウム、次亜
塩素酸ナトリウム、塩素ガスなど、「遊離ハロゲン」−
−塩素、臭素、沃素−−を発生するものである。遊離ハ
ロゲンは有効な滅菌剤として知られてはいるが、数多く
の有害な特性がある。多くの物質に対して腐食性があ
り、そのため大型空調システムのような閉鎖式循環シス
テムに用いる冷却水の消毒のように、長期間使用する分
野で使用することができない。そのため、在郷軍人病の
原因であるレジョネラ・ニューモフィラ菌(Legionella
pneumophila)の有効な殺菌剤として使用することがで
きない。野営地での水の殺菌に使われる逆浸透法水処理
ユニットのフィルターは、遊離ハロゲンによって急激に
劣化する。さらに、水中の各種有機汚染物質と反応しや
すく、実験動物で癌とのかかわりが認められているクロ
ロホルムなどの有毒性トリハロメタンの生成につなが
る。プールに塩素や臭素を用いると、敏感な人は、皮膚
や目に相当な刺激を感じる。遊離ハロゲンは水中、とく
にプールのように日光にさらされている水中では、非常
に不安定なので、シアヌル酸などの安定化剤を大量に添
加しなければならないが、シアヌル酸自体も濃度が高い
と有害になる。
一方、安定性がはるかに高い「結合ハロゲン」の発生
源であるオキサゾリジノン(カミンスキー他米国特許第
4,000,293号及び第3,931,213号・;S.D.ウォーレー他米
国特許第4,659,484号)、ならびにN,N′−ジハロ−2−
イミダゾリジノン(S.D.ウォーレー他米国特許第4,681,
948号及び第4,767,542号)などには上記欠点はないが、
遊離ハロゲンの放出がないか、あっても非常に少ないた
め、水中の微生物を殺菌するには、一般により長い接触
時間を必要とする。
[発明が解決しようとする課題] 長期安定性があり、腐食や有害なトリハロメタンの生
成につながる物質と強い反応を生じず、妥当な時間接触
させることにより殺菌作用を発揮するような、汎用性が
高く、抗菌スペクトルの広い滅菌剤に対する需要が高ま
っている。すなわち、滅菌を目的とした用途で、遊離ハ
ロゲンと結合ハロゲンそれぞれの好ましい特性を併せ持
つハロゲンが求められている。
[課題を解決するための手段] 本発明を広義にみれば、N,N′−ジハロイミダゾリジ
ン−4−オウン類がかかる目的を満たす。これらの物質
は、殺菌濃度(全ハロゲン量として、1リットルあたり
1から10ミリグラム)では、水中でもほぼ無色で、無
味、無臭の安定した結晶性固体であり、滅菌時間、持続
性が、上記遊離ハロゲンと結合ハロゲンの中間にある。
また、まったく別の合成方法を用いて、従来のオキサゾ
リジノンやイミダゾリジノンよりはるかに容易に合成す
ることができ、商業ベースでの合成が可能である。
[発明の実施の形態] ここに記述する新しいN,N′−ジハロイミダゾリジン
−4−オウン類及びN−ハロイミダゾリジン−4−オウ
ン類は、下記の構造式で表される複素環式有機化合物で
ある: 式中、X、X′はそれぞれ塩素、臭素及びその混合物か
らなるグループから選ばれるハロゲンであるか、あるい
はXが水素で、X′が塩素または臭素から選ばれるハロ
ゲンであり、水素がR1〜R4の中に1つ以上はない条件の
下でR1、R2、R3、R4のそれぞれが水素、C1−C4アルキ
ル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール、置換
フェニールの中から選ばれるか、もしくはR1、R2および
/またはR3、R4が、ペンタメチレン、テトラメチレンと
その混合物からなるグループから選ばれるスピロ置換物
でもよい。
イミダゾリジン−4−オウン類化合物の環に結合する
か、またはアルコキシルのグループとしてフェニール置
換基または酸素に結合するアルキル置換基は、1から4
個の炭素原子を含むもの、すなわちメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ならびにn−ブチル、イソブチ
ル、第二ブチル、第三ブチルなどのブチル類でもよい。
R1、R2のところに置換された炭素またはR3、R4のところ
に置換された炭素、あるいはこれらの両方の位置に置換
されたスピロ置換物はペンタメチレンまたはテトラメチ
レン モアイアティを含む。
(訳注:モアイアティは、moietyの訳で、分子の中に含
まれる一団の原子群であるが、置換基であるものとない
ものとの両方を含む。原子団と訳すことも考えたが、以
上の意味を失うおそれがあるので、発音表記のままとし
た。) 上記化合物の例として、1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テ
トラメチルイミダゾリジン−4−オウン;1−ブロモ−3
−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オウン;1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
ダゾリジン−4−オウン;1,3−ジクロロー2,5−ビス
(ペンタメチレン)イミダゾリジン−4−オウン;1,3−
ジクロロー2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイミダ
ゾリジン−4−オウン;1,3−ジクロロ−2,2−ジメチル
−5−ペンタメチレンイミダゾリジン−4−オウン;1,3
−ジクロロ−2,2,5−トリメチル−5−エチルイミダゾ
リジン−4−オウン;及び1,3−ジクロロ−2−ヒドロ
キシ−2,5,5−トリメチルイミダゾリジン−4−オウン
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R1−R4に対して、他の置換物、たとえばエチル、プロ
ピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヒド
ロキシ、パラ−メチルフェニルなどを置換することによ
ってそれらの名前に対応するN,N′−ジクロロ−、ジブ
ロモ−、又はブロモクロロ−等などのイミダゾリジン−
4−オウン誘導体とすることができる。
本発明のN,N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウン
誘導体は、対応する未ハロゲン化イミダゾリジン−4−
オウンまたはイミダゾリジン−4−チオンを塩素または
臭素の供給源と反応させることによって調製できる。あ
るいは1−ブロモ−3−クロロ誘導体の場合は、まず臭
素供給源と反応させたのち塩素供給源と反応させ、また
1−クロロ−3−ブロモ誘導体の場合は、まず塩素供給
源と次いで臭素供給源と反応させることによって、調製
することができる。塩素ガスまたは液体臭素を用いても
よいが、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシ
ンイミド、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリク
ロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素
酸ナトリウム、第三−ブチル次亜塩素酸塩、N−クロロ
アセトアミド、N−クロロアミン、N−ブロムアミンな
どの穏やかなハロゲン化剤を用いてもよい。ハロゲン化
されていないイミダゾリジン−4−オウン類、イミダゾ
リジン−4−チオン類は、室温で水溶性媒体、すなわち
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などの一般的
な不活性有機溶媒と水の混合液中でハロゲン化できる。
不活性有機溶媒だけをN,N′−ジハロイミダゾリジン−
4−オウン化合物とともに用いてもよい。
ハロゲン化されていないイミダゾリジン−4−チオン
類は、例えば、アセトンなどのような2個の置換されて
いないケトン2モルを、シアン化ナトリウム1モル、硫
化アンモニウム1.3モル、塩化アンモニウム1モルと反
応させ、例えば、2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−チオンを、J.D.Christian著“4−Imidazolidi
nethiones"J.Org.Chem.,22,396(1957)に記載の方法と
同じ方法で生成することにより調製できる。未ハロゲン
化イミダゾリジン−4−オウン類、例えば2,2,5,5−テ
トラメチルイミダゾリジン−4−オウンは、対応する未
ハロゲン化イミダゾリジン−4−チオンと過酸化水素
を、P.G.Ferrini and A.Marxer著“Chemotherapeutic S
tudies in the Heterocyclic Series.XLI.Unexpected R
eaction by Treatment of 2,2,5,5−Tetramethylimidaz
olidine−4−thione with Nitric Acid"Helv.Chem.Act
a,46,1207(1963)に記載のように、アルカリ性の条件
で酸化させることにより調製できる。他のイミダゾリジ
ン−4−チオン、イミダゾリジン−4−オウンの誘導体
も、対応するジアルキルケトンから合成したのち、後者
を酸化させるかあるいは当該技術分野で公知の他の合成
方法を用いて、合成できると考えられる。例えば、1,3
−ジクロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
ジン−4−オウンは、シクロヘキサノン2モルと、シア
ン化ナトリウム1モル、硫化アンモニウム1.3モル、塩
化アンモニウム1モルを反応させた後塩素化するか、ま
たは塩基性溶液中で過酸化水素によって酸化した後で塩
素化させることにより調製できる。
置換イミダゾリジン−4−オウンのハロゲン化誘導体
を殺菌剤として使用するには、有効な量のイミダゾリジ
ン−4−オウン化合物で水性その他液状媒体を処理する
ことによりそれら液状媒体中の望ましくない微生物の滅
菌剤として利用できる。滅菌剤として有用な、本発明に
よるイミダゾリジン−4−オウン化合物は、下記の構造
式によって表わされる: 式中、X、X′はそれぞれ塩素、臭素からなるグループ
から選ばれるハロゲンであるか、あるいはX、X′のい
ずれか一方が水素で、もう一方が塩素と臭素のグループ
から選ばれるハロゲンであって、R1、R2、R3、R4はそれ
ぞれ水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ヒドロ
キシ、フェニール、置換フェニールからなるグループか
ら選ばれるか、もしくはR1、R2および/またはR3、R
4が、ペンタメチレン、テトラメチレンとその混合物か
らなるグループから選ばれるスピロ置換を表わす。但
し、置換基R1−R4のうち水素は1つ以下である。1−ク
ロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ウンは新規な化合物ではなく、T.戸田、E.Nori、H.堀口
及びK.村山が調製し、電子スピン共鳴実験でアミノ基の
供給源として用いられてきたものであるが、“Studies
on Stable Free Radicals.X.Photolysis of Hindered N
−Chloroamines",Bull.Chem.Soc.Japan,45,1802(197
2)に記載されるように、滅菌剤として用いられること
はなかった。
本明細書に滅菌剤として記載されるハロゲン化イミダ
ゾリジン−4−オウン誘導体は、他の滅菌活性を持つハ
ロゲン、たとえば塩素や臭素と組み合わせて用いること
もできる。滅菌活性を持つハロゲンの供給源としては、
塩素ガス、液体臭素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素
酸カルシウム、第三−ブチル次亜塩素酸塩、N−クロロ
スクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N,N′−
ジハロジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル
酸、N−ハロヒダントインまたはN,N′−ジハロシアヌ
レートのナトリウムまたはカリ塩、N−ハロ−2−オキ
サゾリジオン、N−ハログリコルリル、N,N′−ジハロ
−2−イミダゾリジンが含まれるが、これらに限定され
るものではない。これら追加の活性ハロゲン源は、上記
イミダゾリジン−4−オウン誘導体の使用の前、後、あ
るいは同時に用いてもよい。
本発明の他の例においては、水性媒体またはその他の
液状媒体に下記(a)と(b)とを添加することによ
り、媒体中に対応するN,N′−ジハロイミダゾリジン−
4−オウンまたは1−ハロイミダゾリジン−4−オウン
または3−ハロイミダゾリジン−4−オウン誘導体の滅
菌量を生成させて、媒体の滅菌を行うことが意図されて
いる。
(a)構造式IIの化合物に対応する未ハロゲン化または
モノハロゲン化したイミダゾリジン−4−オウン、すな
わち下記構造式IIIで表わされる化合物: 式中、X、X′はそれぞれ水素、塩素、臭素のグループ
から選ばれるが、但しそのうち少なくとも1つは水素で
なければならず、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素、C1
C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニー
ル、置換フェニールからなるグループから選ばれるか、
もしくはR1、R2および/または R3、R4がペンタメチレン、テトラメチレンならびにその
混合物からなるグループから選ばれるスピロ置換を表わ
すが、但し置換基R1−R4のうち水素は1つ以下である。
(b)塩素と臭素からなるグループから選ばれる化学量
論上の少なくとも1化学量のハロゲン供給源塩素。
塩素,臭素源としては、水性またはその他の液状媒体
中でハロゲンを放出し、媒体中で生成されるN,N′−ジ
ハロヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸などのN,
N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウンよりも滅菌条
件下では安定性の低い塩素ガス、液体臭素、次亜塩素酸
ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、第三−ブチル次亜
塩素酸塩、N−ハロゲン化化合物などを用いることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
一般に、構造式IIまたはIIIのN,N′−ジハロイミダゾ
リジン−4−オウンまたはN−ハロイミダゾリジン−4
−オウン(あらかじめ生成されたもの、あるいは媒体中
で生成されたもの)を用いて、溶液1リットルあたり約
0.3から10ミリグラムの陽イオンハロゲン、例えば塩素
を放出させることにより、溶液中で滅菌効果を発揮す
る。ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウン誘導体によ
って得られる塩素などの陽イオンハロゲンの量は、使用
誘導体から得られるハロゲンの理論量に対応するもの
で、溶液1リットルあたり1から60mgのハロゲン化イミ
ダゾリジン−4−オウンが滅菌量として一般に用いられ
る。
水溶液その他溶液中や硬質な表面材の上などに存在
し、遊離塩素などの遊離ハロゲンの滅菌力に弱い微生物
はすべて、ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウン誘導
体の滅菌力にも弱い。これら微生物としては、バクテリ
ア、原生動物、真菌類、ウイルス類、藻類などがある。
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウン誘導体の殺菌力
に弱い微生物のうち主なものとして、Staphylococcus a
ureus,Pseudomonas aeruginosa,Shigella boydii,Salmo
nella enteritidis,Legionella pneumophilaなどのバク
テリア、Giardia lambliaなどの原生動物、Candida alb
icanなどの真菌類、ヘルペスウイルス、ロタウイルスな
どのウイルス、Anabaena cylindrica,Oscillatoria lut
ea,Chlorella pyrenoidosaなどの藻類が挙げられる。バ
クテリアをその環境下で不活性化するのに必要なハロゲ
ン化イミダゾリジン−4−オウン誘導体の量を、殺菌量
と呼ぶ。同様に、原生動物、ウイルス、真菌について
も、消毒に必要なハロゲン化イミダゾリジン−4−オウ
ン誘導体の量を、それぞれ殺菌量、抗ウイルス量、抗真
菌量などと称するが、藻類に関しては、ハロゲン化イミ
ダゾリジン−4−オウン誘導体は水溶液中での藻類の発
育を阻止する効果があるため、殺藻量というよりは藻抑
制量と表現する。本明細書で殺菌量と言った場合、これ
らそれぞれの微生物に応じて、殺菌量、抗ウィルス量、
抗真菌量、藻抑制量のことを指す。
本明細書に記載のハロゲン化イミダゾリジン−4−オ
ウン誘導体は、漂白、殺菌、消毒、その他各種の殺菌目
的に使用できる。特にプールや風呂の微生物汚染を防ぐ
上で効果が期待される。本化合物は長期にわたる安定性
を有し、頻繁に補充することなく長期間殺菌効果を発揮
する。未ハロゲン化またはモノハロゲン化イミダゾリジ
ン−4−オウン誘導体は、遊離ハロゲン混合液中の遊離
ハロゲンの「安定化剤」として有用であり、これら誘導
体は液中でハロゲン化誘導体として存在することにな
る。従って、未ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウン
誘導体と遊離ハロゲンの混合液をプールに添加し、随時
遊離ハロゲンを補充することにより、長期間藻類の生育
を阻止することができる。ハロゲン化イミダゾリジン−
4−オウン誘導体は、N−ハロ−ヒダントインやN−ハ
ロ−イソシアヌレートなどの従来の遊離ハロゲン類に比
べ、直射日光下での安定性がはるかに高く、「安定化」
されたハロゲンの供給源と見なすことができる。ハロゲ
ン化イミダゾリジン−4−オウン誘導体は、レジョネラ
・ニューモフィラ、藻類、閉鎖式冷却システム中の汚染
生物などの望ましくない生物の成長を阻止する。本化合
物は高温、例えば37℃での安定性が際立って高いため、
風呂や食品の殺菌剤として有用である。さらに、これら
化合物は、家禽類の加工業でみられるSalmonella enter
itidis〔サルモネラ菌の1菌種による(特に幼獣の)腸
炎〕などの微生物性疾患に対する殺菌剤として有用であ
る。本化合物は穏やかで腐食性がないため、病院や便器
など硬い表面の消毒剤として有用である。食品加工業用
の殺菌剤や、レストランの食器洗い機用の滅菌洗剤な
ど、広範な用途がある。
本明細書で言及したハロゲン化および未ハロゲン化イ
ミダゾリジン−4−オウン誘導体は、粉体、粒体、溶
液、濃縮物、エマルション、スラリー等の広範囲の液体
および固体の調剤として使用できる。従って、イミダゾ
リジン−4−オウン誘導体は、希釈剤、増量剤、充填
剤、コンディショナー、水性溶剤、有機溶剤などのキャ
リヤーと組み合わせることもできる。スルフォン酸塩、
アルカノール、アルコールなど湿潤剤、乳化剤あるいは
分散剤を含む調剤や、その他の表面活性物質に用いるこ
とができる。この誘導体は緩衝剤およびその他のハロゲ
ン供給源に対して親和性を有する。本明細書で「キャリ
ヤーの有効量」といった場合、イミダゾリジン−4−オ
ウン誘導体とともに用いて、粉体、粒体、溶液、濃縮
物、エマルション、スラリーなどの液体、固体の殺菌力
のある物質を形成するためのキャリヤーの量を意味す
る。
本発明を以下に示す例により、より具体的に説明する
が、これらの例は例示のために挙げたに過ぎず、当該分
野の熟練者であれば、多くの修正変更が可能である。
[代表的な化合物の製法と安定度] 例1 (2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオン
の調製) 1リットル入りのフラスコに、シアン化ナトリウム1
4.7g(0.3モル)、塩化アンモニウム16.1g(0.3モル)2
3.8%、水性硫化アンモニウム111.4g(0.39モル)を80
ミリリットルの水に加えて溶液を調製し、これにアセト
ン34.8g(0.6モル)を20−30分間にわたって撹拌しなが
ら徐々に添加した。湯浴を用いて温度を55−70℃に保ち
ながら、反応フラスコの内容物を6時間撹拌した。反応
生成物の入ったフラスコを氷浴で冷却し、2,2,5,5−テ
トラメチルイミダゾリジン−4−チオンを析出させた。
固体の生成物は吸引濾過によって回収し、残りの生成物
は水溶性成分を排気(evacuation)によって濃縮させた
後、さらに吸引濾過を行って回収した。回収した固体成
分は、水20部に対しアセトン1部の混合液を使って再結
晶化を行って精製した。生成物の全収量は46.9gで、理
論値の97%であった。生成物の融点は153−154℃の範囲
であった。
例2 (2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
の調製) 例1のチオン生成物15.8g(0.1モル)を、500ミリリ
ットル入りのフラスコ内で125ミリリットルの2N水酸化
ナトリウムに添加した。ついで、フラスコを氷浴に入れ
て5−10℃で撹拌しながら、30%過酸化水素57ミリリッ
トルを30−40分間にわたって添加した。反応混合液を雰
囲気温度で2時間放置した。溶液を蒸発乾燥させ、イソ
プロピルアルコールから2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−オウンの固体を再結晶化させた。生成物
の全収量は14.2g理論値の90%であった。生成物の融点
は169−170℃であった。
例3 (1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンの調製) 本生成物は、(a)例1で調製したチオンを、酸化剤
及びハロゲン化剤として作用する塩素を用いて塩素化す
る方法、(b)例2で調製したケトンを塩素化する方
法、の2つの方法で調製した。
(a)法においては、2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−チオン47.4g(0.3モル)を、2リットル
入りのフラスコ内で1.2リットルの3N水酸化ナトリウム
(3.6モル)に溶解させた。フラスコとその内容物を氷
浴を用いて5℃に冷却し、撹拌しながらこれに塩素ガス
をpH7.0になるまで吹き込んだ。この過程においては、
生成物の温度は10℃を上回らないようにした。N,N′−
ジクロロイミダゾリジン4−オウン生成物が白色固体と
して析出した。水800ミリリットルをフラスコに添加し
た後、固体の生成物を吸引濾過によって回収した。その
後、生成物をヘキサンの中に溶解させて、不純物や残水
を沈殿させて純化し、不純物/水の層から揮発性ヘキサ
ン層を分離し蒸発させることによって回収した。生成物
の収量は53.9gで、理論値の85%であった。生成物(1,3
−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
4−オウン)の成分分析の結果は次の通りである。(算
出値/実測値)炭素39.82/39.86%、水素5.73/5.50%、
窒素13.27/13.24%、塩素33.59/32.88%。この生成物の
水溶度は、0.138g(3℃の水100ミリリットルあたり)
から0.224g(37℃の水100ミリリットルあたり)の範囲
であることがわかった。生成物の融点は67から71℃の範
囲であった。プロトンNMRと赤外線分光計による分析で
は次のような結果が得られた。
1H NMR(CC4l)δ=1.36(S,6H)、 δ=1.50(S,6H); IR(KBr)1720,2950cm−1 (b)法においては、2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−チオン5.1g(0.036モル)を、250ミリリ
ットル入りのフラスコ内で88ミリリットルの1N水酸化ナ
トリウム(0.088モル)に溶解させた。フラスコとその
内容物を氷浴に入れ、温度を10℃以下に保って撹拌しな
がら、これに塩素ガスをpH7.0になるまで吹き込んだ。
これによってN,N′−ジクロロイミダゾリジン4−オウ
ン生成物が白色固体として析出した。生成物を吸引濾過
によって回収し、ヘキサンから再結晶化を行って精製し
た。この生成物は(a)法で得られた生成物と同一の特
性を有していた。生成物の収量は6.9gで、理論値の91%
であった。
例4 (1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンの調製) 例2で調製した2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−チオン5.1g(0.036モル)を、250ミリリットル
入りのフラスコ内で88ミリリットルの1N水酸化ナトリウ
ム(0.088モル)に溶解させた。この混合物を氷浴を用
いて10℃以下に保ちながら撹拌し、これに液体臭素12.8
g(0.08モル)を滴下した。生成物1,3−ジブロモ−2,2,
5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンが薄黄
色固体として析出した。これを吸引濾過によって回収
し、ヘキサンから再結晶化を行って精製した。生成物の
収量は9.2gで、理論値の85%であった。生成物(1,3−
ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オウン)の成分分析の結果は次の通りである。(算出
値/実測値) 炭素28.00/27.80%、水素4.00/4.07%、窒素9.33/9.3
9%、臭素53.33/52.09%。この生成物の水溶度は、0.07
2g(3℃の水100ミリリットルあたり)から0.120g(37
℃の水100ミリリットルあたり)の範囲であることがわ
かった。生成物の融点は109から111℃の範囲であった。
プロトンNMRと赤外線分光計による分析では次のような
結果が得られた。
1H NMR(CC4l)δ=1.35(S,6H)、 δ=1.51(S,6H); IR(KBr)1725,2965cm−1 例5 (1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイ
ミダゾリジン−4−オウンの調製) 例2で調製した2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−チオン6.4g(0.045モル)を、250ミリリットル
入りのフラスコ内で55ミリリットルの1N水酸化ナトリウ
ム(0.055モル)に溶解させた。この反応生成物を氷浴
を用いて5〜10℃の温度に保ちながら撹拌し、これに液
体臭素4.0g(0.025モル)を滴下した。この反応生成物
をさらに1時間氷浴温度で撹拌し、その後1〜2時間は
冷水浴温度(10−20℃)で撹拌した。これを再び10℃以
下に冷却した後、50ミリリットルの1N水酸化ナトリウム
(0.05モル)を添加し、温度を5−10℃に保ちながらpH
が6−7になるまで撹拌しながら塩素ガスを吹き込ん
だ。1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウン生成物が白色固体として析
出した。これを吸引濾過によって回収し、ヘキサンから
再結晶化を行って精製した。生成物の収量は11.2gで、
理論値の97%であった。生成物の成分分析の結果は次の
通りである。(算出値/実測値) 炭素32.88/32.68%、水素4.70/4.74%、窒素10.96/1
0.83%、臭素31.31/33.37%、塩素13.89/12.67。実測値
が臭素、塩素それぞれの理論値よりも高かったり低かっ
たことから、生成物が少量の1,3−ジブロモ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンで汚染されて
いることがわかった。この生成物の水溶度は、0.102g
(3℃の水100ミリリットルあたり)から0.193g(37℃
の水100ミリリットルあたり)の範囲であることがわか
った。生成物の融点は88℃±2℃の範囲であった。陽子
NMR赤外分光計による分析では次のような結果が得られ
た。
1H NMR(CCl4)δ=1.34(S,6H)、 δ=1.50(S,6H); IR(KBr)1725,2950cm−1 例6 (1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
−4−オウンの調製) 例2で調製した2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−チオン14.2g(0.1モル)を、250ミリリットル
入りのフラスコ内で100ミリリットルの1N水酸化ナトリ
ウム(0.1モル)に溶解させた。この混合物の入ったフ
ラスコを氷浴に入れて、10℃以下の温度に保ちながら、
pHが7.0になるまで撹拌しながら塩素ガスを吹き込ん
だ。1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウン生成物が白色固体として析出した。これ
を吸引濾過によって回収し、エーテル/ヘキサン混合物
から再結晶化を行って精製した。生成物の収量は17.7g
で、理論値の95%であった。生成物の融点は157.0〜15
7.5℃の範囲であった。プロトンNMRと赤外線分光計によ
る分析では次のような結果が得られた。
1H NMR(CDCl3)δ=1.32(S,6H)、 δ=1.46(S,6H); δ=7.57(Broad,1H); IR(KBr)1670,1720,3160cm−1 例7 (N−ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウンの現場で
の生成) 例2で合成した2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウン50.0mg(3.52×10-4モル)を0.05モルの
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)50.0mgに溶解した溶
液を調製した。緩衝液は次亜塩素酸ナトリウムから1リ
ットルあたり3mgの全塩素で塩素化して、ハロゲン要求
不要にしたその後2日間、滴定可能な塩素がなくなるま
で直射日光に暴露させておいたものである。ハロゲン要
求不要にして水の入ったフラスコに塩素ガスを吹き込
み、pH7.0に緩衝させた遊離塩素の溶液を調製した。そ
の後、1リットルあたり1.31gの遊離塩素を含有する溶
液(陽ハロゲン7.02×10-4モル)19ミリリットルを、2,
2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンを含
有する溶液に大気温度(24±1℃)で撹拌しながら添加
した。
現場で1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−オウン及び/または1−クロロ−2,2,5,
5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンを生成さ
せる時の反応速度は、反応生成物からの遊離塩素濃度の
損失を時間の関数として観察することによって動力学的
に求めた。遊離塩素濃度は、生成物から定期的に飼料の
一部(アリコート)を取り出して滴定することによっ
て、“Standard Methods for the Examination of Wate
r and Wastewater,16th edition,American Public Heal
th Association,Washington,D.C.,1985,pp.306−309に
記されたDPD/FAS(N,N−ジエチル−p−フェニレンジア
ミン/硫酸鉄アンモニウム)法で定量した。反応生成物
中の遊離塩素のモル数は、混合時の7.02×10-4からわず
か48秒後には4.45×10-5に減少し、94%が反応したこと
を示した。その後、遊離塩素は2.87秒後に3.63×10-5
6.07秒後に3.48×10-5、114.6秒後に3.32×10-5とさら
に減少した。従って、114.6秒後には95%の反応が終了
した。この時点で2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンをさらに1.76×10-5モル添加し、遊離塩
素の濃度は全所要時間140分でゼロに減少した。
このデータは、2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンに少量の不活性不純物(5%またはそれ
以下)が含まれていたことを示し、ジクロロ−、および
モノクロロ−イミダゾリジン−4−オウンの比率は決定
できなかったが、未ハロゲン化2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウンを含むpH7.0のDFWに遊離塩
素を添加すると、ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウ
ンが効率よくかつ迅速に(1分未満で)現場で生成され
ることを示している。
例8 (1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンの加水分解平衡定数) 1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンから1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチ
ルイミダゾリジン−4−オウンと遊離塩素 (Cl+)を生成する加水分解反応の平衡定数を、pH7.0、
24±1℃で測定した。これは、1,3−ジクロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンを要求不要
にした0.05モルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に
溶かした溶液を調製し、この溶液を1時間撹拌しながら
平衡させることによって得た。その後(例7の)DPD/FA
S法を用いて、平衡溶液中の遊離塩素濃度と総塩素濃度
を求めた。結合1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウンの濃度を、測定した総塩素
濃度と遊離塩素濃度の差から求めた。次にモル遊離塩素
濃度の二乗をモル結合塩素濃度で割って、加水分解平衡
定数を求めた。開始時のモル数は、総塩素濃度について
は1リットルあたり4.441×10-3モルであったが、平衡
時には結合塩素濃度は1リットルあたり4.428×10-3
ル、遊離塩素濃度は1リットルあたり1.269×10-5であ
った。これらのデータから、ジクロロイミダゾリジン−
4−オウンの加水分解平衡定数は3.64×10-8であること
がわかる。また開始時のモル数は、総塩素濃度では1リ
ットルあたり、1.764×10-3モルであったが、平衡時に
は結合塩素濃度は1リットルあたり1.759×10-3モル、
遊離塩素濃度は1リットルあたり5.360×10-6モルであ
った。これらのデータから、加水分解平衡定数は1.63×
10-8であった。
この1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾ
リジン−4−オウンの加水分解平衡定数は、商業用のN
−ハラミンジクロロジメチルヒダントイン(2.54×1
0-4)やトリクロロイソチアン酸(1.6×10-4)について
報告された値よりずっと低い(G.D.Nelson,“Chloramin
es and Bromamines",Kirk−Othmer Encyclopedia of Ch
emical Technology,3rd ed.,vol.5,Wiley Inter−scien
ce,New York,1979,p.565)。
一方で、この値はD.E.Williams、E.D.Elder、S.D.Wor
leyが“Is Free Halogen Necessary for Disinfection
?"(Appl.Environ.Microbiol.,54,2583(1988))なる
論文で報告した商業用のN−ハラミン3−クロロ−4,4
−ジメチル−2−オキサゾルイジノン(2.3×10-9)値
よりは若干高い。
これらの結果から、1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラ
メチルイミダゾリジノンは、ジクロロジメチルヒダント
インやトリクロロイソシアン酸よりも水(pH7.0)中で
はるかに安定しているが、3−クロロ−4,4−ジメチル
−2−オキサゾルイジノンよりは安定度がやや低いこと
が予想される。このため、使用に際しては有利といえ
る。というのもジクロロジメチルヒダントインやトリク
ロロイソシアン酸の水溶液中での安定性は限られてお
り、頻繁に補給しなければならないのに対し、3−クロ
ロ−4,4−ジメチル−2−オキサゾルイジノンは非常に
安定しているので遊離塩素をほとんど遊離せず、非常に
作用が緩慢な生命破壊体である。この新しい脱ハロゲン
化イミダゾリジン−4−オウンがこれら2つの両極端の
差をなくすことになろう。
例9 (1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンの実験安定度) ハロゲン要求不要にした水の中での1,3−ジクロロ−
2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
(化合物1)の安定性を、温度22℃、pH値4.5、7.0、9.
5で測定し、結果を次亜塩素酸カルシウムから得られる
遊離塩素についての値と比較した。ハロゲン要求不要に
した水(以下DFW)は、適切なpHに緩衝させた蒸留脱イ
オン水を塩素化させた後、遊離塩素がなくなるまで直射
日光に暴露させて、(過剰遊離塩素の)脱塩素化をおこ
なった。この処理により、水中のハロゲン要求はすべて
中和された。次いで、化合物1と次亜塩素酸カルシウム
をそれぞれ、同一条件のDFW(適切なpHに緩衝させた)
溶液に溶解し、最終全塩素濃度を同一に(陽イオン荷電
塩素1リットル当たり10ミリグラム)した。多孔質の滅
菌した綿花で栓をして、室内の空気が自由に出入りでき
るようにしたフラスコに、それぞれの溶液を別々に入
れ、恒温水浴中で温度を22℃に保ったまま数週間おい
た。定期的に(少なくとも週1回)試料の一部(アリコ
ート)を取り出し、標準沃素滴定法により、残っている
陽イオン塩素の全量を3つの標本について調べた。結果
を表Iに示す。
表Iのデータは、pH7.0、22℃のDFW中では、化合物1
の方が遊離塩素に比べはるかに安定していることを示し
ている。化合物1はまた、アルカリ性(pH9.5)のDFW中
でも遊離塩素より安定している。しかし、化合物1は、
酸性DFW(pH4.5)ではかなり不安定で、イミダゾリジン
−4−オウン環が低pH値では分解する可能性の高いこと
を示している。滅菌を目的とする用途では、pH値はほと
んどの場合7.0またはそれ以上に保たれるため、化合物
1のほうが遊離塩素よりDFWでの安定性が高い。
例10 (1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
−4−オウンの実験安定度) 1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンの加水分解生成物は、1−クロロ−2,2,
5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンである
(例8参照)。pH7.0、22℃のDFW中のモノクロロイミダ
ゾリジン−4−オウンの安定性を、例9に記載した手順
に準じて求めた。例6で調製した1−クロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン(化合物
3)をpH7.0に緩衝させたDFWに溶解し、1リットルあた
り10mgの陽イオン荷電塩素全量の開始時濃度を求めた。
この溶液を例9に記載の通り毎週分析した。その結果、
陽イオン荷電塩素の総量は7週間にわたって非常に緩慢
に減少し、7週間後には89.0%が残っていった。この結
果は、化合物3の方が化合物1より安定しており、pH7.
0、22℃のDFW中の遊離塩素(化合物2)よりもかなり安
定していることを示している(例9のデータを参照のこ
と)。
例11 (1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンと1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンの実験安定
度) 1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウン(化物4)と1−ブロモ−3−クロロ−
2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
(化合物5)のDFW中の安定性を、22℃、pH値7.0と9.5
の場合について、例9に記載した手順に準じて求めた。
pH4.5での化合物1の非安定性(例9)からみて、このp
Hでの化合物4と5の試験は不要と見なした。2つの化
合物を別々のフラスコに入れた適切なpHをもつ緩衝DFW
中で溶解させ、定温浴により22℃に保った。2つの溶液
中の陽イオン荷電ハロゲン総量の開始時濃度は、化合物
4については1リットルあたり22.6mg、化合物5は1リ
ットルあたり16.25mgであり、これらの濃度は、陽イオ
ン荷電ハロゲン総量中のモル数が例9で化合物1に用い
たモル数と平衡であることを示している。溶液は例9に
記した方法で分析した。結果は比較のため化合物1と一
緒に表IIに示した。
表IIのデータは、化合物1が、pH7.0及び9.5、22℃の
DFW中で化合物4、5に比べかなり安定していることを
示している。化合物5の安定性は、pH9.5のときに限り
遊離塩素と同じである(例9参照)。
例12 (ハロゲン要求量の高い水におけるハロイミダゾリジン
−4−オウン誘導体の安定度) 以下の物質をDFWと混合させて、合成ハロゲン要求水
(SDW)を調製した:塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウムの無機塩をそれぞれ
1リットルあたり375mg、ベントナイト粘土1リットル
あたり50mg、フミン酸1リットルあたり30mg、最終濃度
0.01%の熱処理した馬の血清、加熱滅菌したSaccharomy
ces cerevisiaeイースト菌細胞1ミリリットルあたり5
×105細胞。このSDW溶液を0.01モル硼酸/水酸化ナトリ
ウムでpH9.5に緩衝させ、実験中4℃に保った。高イオ
ン強度、濁り度、有機物質、ならびに低温時のアルカリ
pHの諸条件を殺菌用としては最悪のケースとして検討
し、新規化合物の安定度を調べる理想的な試験を提供で
きるようにした。
別々のフラスコに化合物1、2、3及び5を溶解し、
開始時濃度を1リットルあたり10mgの陽イオン荷電塩素
総量、または化合物5の陽イオン荷電ハロゲン総量にお
けるモル当量(1リットルあたり16.25mg)にする。ア
リコート(飼料の一部)を90時間以上にわたって度々取
り出し、標準沃素滴定法により、残っている陽イオン荷
電ハロゲン濃度を決定する。結果を表IIIに示す。
表IIIのデータは、化合物3は要求量の高い水のある
ところでは極度に安定しているが、化合物1もこれら条
件下では遊離塩素よりもずっと安定度が高いことを示し
ている。化合物5は、これらの条件下では遊離塩素の安
定度と同程度である。
例13 (直射日光に暴露された水におけるN,N−ジハロイミダ
ゾリジン−4−オウンの安定度) 直射日光に暴露された水における化合物1及び5、な
らびに次亜塩素酸カルシウムからの遊離塩素(化合物
2)の安定度を調べた。1リットルあたり10mgの総塩素
濃度(または化合物5のハロゲン総量に相当するモル
数)の化合物を、それぞれ100ミリリットル入りビーカ
ーに入れたpH7.0に緩衝させたDFW85ミリリットルに溶解
し、これらを温度調節した水浴(22−24℃)に入れ、溶
液の入った水浴をオーバーン大学の化学部館の屋上に置
き、1988年8月に直射日光に暴露した。陽イオン荷電ハ
ロゲン総量の分析評価は、10時間の間に取り出された複
数のアリコートについて、標準沃素滴定法により定期的
に行った。結果を表IVに示す。
表IVのデータは、化合物1が直射日光下では、pH7.
0、22−24℃のとき遊離塩素よりずっと安定しているこ
とを示している。これらの条件下では化合物5は化合物
1よりは安定度が低いが、遊離塩素よりは有意に安定度
が高い。
例14 (直射日光に暴露された水での2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウンの安定度) 2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
(化合物6)112mg(1.00×10-3モル)を、pH7.0に緩衝
させたDFW1.0リットルに溶解した溶液を調製した。この
溶液の試料100ミリリットルずつ(化合物6;1.00×10-1
モル)を、容量100ミリリットルの計量フラスコ5個の
それぞれに入れた。フラスコをすりガラス栓で密閉し、
1989年7月6日から1989年8月2日まで、オーバーン大
学の化学部館の屋上に置いて直射日光に暴露した。本実
験においては、温度調整は行わなかった。本期間中、温
度は概して33℃であった。ゼロ時点及びその後7日ごと
に、フラスコに直射日光が当たらないようにし、例7に
記載したように、緩衝させたDFWに塩素ガスを吹き込ん
で調製したやや過剰の遊離塩素(2.2×10-1モル)で溶
液を反応させた。
化合物6を遊離塩素で反応させて、1,3−ジクロロ−
2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
(化合物1)と1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイ
ミダゾリジン−4−オウン(化合物3)との混合物を1
時間以上撹拌しながら生成し、例8で述べたDPD−FAS手
順を用いてアリコートを分析して塩素総量及び遊離塩素
を求めた。結合塩素の濃度は、塩素総量及び遊離塩素の
濃度の差であり、反応中に生成される化合物1と3の量
を表わしていると考えられた。
4週間の実験期間中に結合塩素の濃度は、6%又はそ
れ以下で変化した。事実、直射日光に4週間暴露した後
の方が、ゼロ時点よりも高濃度であり、これは変化が完
全に分析手順における実験上のミスによるもので、直射
日光により生じた化合物6の分解によるものではないこ
とを示している。これらのデータは、塩素化イミダゾリ
ジン−4−オウンの先駆物質である化合物2,2,5,5−テ
トラメチルイミダゾリジン−4−オウンが、pH7.0で4
週間以上直射日光に暴露したDFW溶液中で安定している
ことを示している。従って、本化合物は長期間の、屋外
のハロゲン化用途に有用であると思われる。
[殺菌剤としての使用方法] 例15 (ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウンの有効殺菌
力) 例3、5及び6で調製したハロゲン化イミダゾリジン
−4−オウン誘導体(それぞれ化合物1、化合物5及び
化合物3)を、pHと温度の関数として要求不要にした水
(DFW)と、pH9.5、4℃の合成要求量の水(SDW)にお
いて、Staphylococcus aureus(ATCC 25923)とPseudom
onas aeruginosa(ATCC 27853)に対する殺菌剤として
試験した。DFWとSDWはそれぞれ例7と例12に記載した方
法で調製した。
殺菌力試験として、DFW又はSDW50ミリリットルずつを
125ミリリットル入りのフラスコに入れ、微生物試料を
接種し、最終密度が約1×106cfu/ml(ミリリットル当
たりのコロニー(註:微生物群体)生成単位)になるよ
うにした。接種溶液を恒温水浴に15分間浸漬し、一定撹
拌しながら、試験温度で平衡させた。次に同じ試験温度
に保ったハロゲン化イミダゾリジン−4−オウン化合物
試料を含有する水溶液を適量とり、接種溶液に加え、混
合物中の陽イオン荷電ハロゲン総量(Cl+またはCl+/Br
+)の濃度が一定レベル(化合物1からCl+10ppm、化合
物3からCl+5ppm、化合物5からCl+/Br+当量)になる
ようにした。1ミリリットルのアリコートを所定の時間
おきに混合物からとり出し、活性ハロゲンを無菌の0.02
Nチオ硫酸ナトリウム1ミリリットルで抑制した。滅菌
塩水を順次濃度の異なる希釈液にし、その結果できる希
釈液の3つのアリコート各25マイクロリットルずつS.au
reus、P.aeruginosaをトリプシン大豆と栄養寒天に接種
した培養基を入れたペトリ皿の乾燥した表面に塗りつけ
た。370℃で48時間おいた後、各希釈液に対する3つの
表面上の微生物を数えて平均値を求めた。この平均値
は、特定のアリコートのcfu/mlを算出するために用い
た。チオ硫酸抑制アリコートの中にコロニーが検出され
ない時は、微生物の不活性化は少なくとも99.9999%に
なっていると考えた。
これらの実験の結果を表Vに示すが、3つのハロゲン
化イミダゾリジン−4−オウン誘導体が異なる程度で殺
菌性を有することがわかる。化合物5は、高いハロゲン
要求量のある時(SDW)でも≦5分接触させると、すべ
ての条件下でa>99.9999%のバクテリアを減少させ
た。化合物1も殺菌剤としては妥当に有効であった。化
合物3は最も効力が低かったが、接触時間を十分にすれ
ば、あらゆる試験条件下で、99.9999%より大きい不活
性化を達成した。
例16 (塩素化イミダゾリジン−4−オウンの藻類生育阻止特
性) 容量10ガロンの水槽2基に、R.C.Starr著“The Cultu
re Collection of Algaeat the University of Texas",
J.Phycology,14,47(1978)に記述されているpH6.8のブ
リストル溶液をそれぞれ35リットル入れ、3種の藻類、
Oscillatoria lutea,Anabaena cylindrica,Chlorellapy
renoidosaを播種した。2基の水槽は絶えず通気し、水
槽の側面から15cmはなしておいた20ワットのグローラッ
クス灯で照明した。実験は21から24℃の周囲温度で行っ
た。
34日間の培養期間の後、藻類の細胞密度を血球計で直
接計数した。この時点での水槽Aの細胞密度は、1ミリ
リットルあたり2.2×107で、水槽Bでは1ミリリットル
あたり6.6×106であった。750ナノメートルでの2溶液
の吸光度もこの時点で測定したところ、水槽Aでは0.27
3、水槽Bでは0.112であった。750ナノメートルでの吸
光度は、藻類のクロロフィル濃度(“Standard methods
for the Examination of Water and Waste−water"第1
6版American Public Health Associ−ation,Washingto
n,D.C.,1985,p.1070)を表わす指数として採用したもの
である。
ついで例3で調整した1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テト
ラメチルイミダゾリジン−4−オウン(化合物1)1.04
2グラムを500ミリリットルのDFWに溶解させたものを水
槽Aに添加したところ、水槽中の初期陽イオン荷電塩素
濃度が1リットルあたり9.9mgになった。同様にDFW500
ミリリットルに、例6で調整した1−クロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン(化合物
3)を0.872g溶解させた液を水槽Bに添加したら、水槽
中の初期陽イオン荷電塩素濃度が1リットルあたり4.9m
gになった。水槽から定期的にサンプルを採取し、Milto
n Roy Spectronic 301分光計で750ナノメートルでの吸
光度を測定して藻類の生育を、また標準沃素滴定法によ
り陽イオン荷電塩素濃度を分析した。実験中、添加後4
時間以内に化合物1の緑色が明らかに褪色し、2日以内
に水槽Aは藻類が漂白された結果、白濁色を呈するにす
ぎない程度になった。同様の現象が水槽Bでも見られた
が、化合物3による褪色のほうが時間を要した。
水槽中の陽イオン荷電塩素がすべてなくなった後、化
合物3を0.87g、水槽Bに、化合物1を1.042g水槽Aに
再び添加した。
測定開始から19日後に滴定可能な陽イオンがすべて水
槽から消失した時、著しい緑色の呈色が見られたことと
750ナノメートルでの吸光度が増大したことから藻類が
再び生育し始めたことが証明された。定量データを表VI
に示す。
上記表VIのデータと定性観察から、化合物1、3は共
に大量の藻類が繁茂する水では長期にわたって藻類抑制
力はあるが、殺藻性はないことがわかる。
例17 (1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オウンによる水中藻類の生育の防止) 容量10ガロンの水槽2基に、例16に記述のpH6.8のブ
リストル溶液をそれぞれ35リットル充填した。水槽Aに
は、例3で調製した1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメ
チルイミダゾリジン−4−オウン(化合物1)0.638gか
らとった1リットルあたり6.14mgの陽イオン荷電塩素を
添加した。水槽Bは、ハロゲン化化合物を添加しない比
較対象として用いた。750ナノメートルでの吸光度が0.1
4のOscillatoria lutea,Anabaena cylindrica,Chlorell
a pyrenoidosaを含む藻類の接種材料5ミリリットルを
両水槽にそれぞれ添加した。実験中は、例16と同様に、
絶えず通気し、照明を行った。実験室の室温は21から24
℃に保った。両方の水槽から定期的に試料を採取し、Mi
lton Roy Spectronic 301分光計を用いて750ナノメート
ルでの吸光度を測定した。水槽Aからはさらに試料を採
取して、標準沃素滴定法による陽イオン荷電塩素総量を
測定した。比較のための水槽Bでは、7日後に緑色の濁
りが著しくなったが、水槽Aは実験期間18日の間、この
ような変色が見られなかった。定量データを表VII示
す。
表VIIと定性観測から、測定可能な量の化合物1が存
在する限り、藻類の生育を阻止する効果があることが証
明された。
例18 (2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン
と遊離塩素とを化学量だけ入れることによる水中での藻
類生育防止) 容量10ガロンの水槽2基に、例16、17に記載したpH6.
8のブリストル溶液をそれぞれ35リットルずつ充填し
た。水槽Aには、例2で調製した2,2,5,5−テトラメチ
ルイミダゾリジン−4−オウン(化合物6)0.702グラ
ム(4.94×10-3モル)を500ミリリットルのDFW(pH7.
0)の中に入れたものを、水槽A中の化合物1、3、4
又は5を1リットルあたり1.39×10-4モルの濃度するた
めの材料として添加した。ついで例7に記載のように緩
衝DFWに塩素ガスを吹き込んで調製した全陽イオン荷電
塩素9.88×10-4モルの遊離塩を含むpH7.0の溶液326リッ
トルを水槽Aに添加し、混合した液を60分反応させて反
応系中で化合物1と3を生成した。
750ナノメートルで0.010の吸光度を有する藻類の接種
材料(例16、17のOscillatoria lutea,Anabaenacylindr
ica,Chlorella pyrenoidosa)のアリコート10ミリリッ
トルをそれぞれの水槽に添加した。例16、17と同様に、
通気と照明を続けながら、温度範囲21から24℃で実験を
おこなった。両方の水槽から定期的に試料を採取し、Mi
lton Roy Spectronic 301分光計を用いて750ナノメート
ルでの吸光度を測定するとともに、水槽Aからさらに試
料を採取して、全陽イオン荷電塩素の濃度を測定した。
化合物6と遊離塩素を初期反応させ60分後に、遊離塩素
の量を測定したところ、1リットルあたり1.08mgが検出
された。この時点で、過剰遊離塩素をすべて完全に反応
させるために化合物6を少量(5.33×10-4)添加した。
藻類接種材料を添加した時点では、遊離塩素は測定でき
るほど存在しなかった。比較用の水槽Bでは、7日後に
濁った緑色がはっきりとみられた。水槽Aは27日間の実
験期間中、かかる呈色が見られなかった。量的なデータ
を表VIIIに示す。
表VIIIと定性観測から、化合物6に化学量の遊離塩素
を混合して生成した化合物1と3とは、測定可能な量の
全陽イオン荷電遊離塩素が存在する間は、水中の藻類の
生育を防止する効果があることがわかる。
例19 (ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウンによる硬質表
面の消毒) 硬質表面の消毒剤としての化合物1および5の効果
を、“Official Methods of Analysis is of the Assoc
i−ation of Official Analytical Chemists",ed.W.Hor
witz,A.O.A.C.,Washington D.C.,1989,pp.58−59に記載
のAOAC Use−Dilution Methodを修正した方法を用いて
調べた。ステンレス製の小型シリンダー(Fisher Scien
tific社のPenicylinders)を1N水酸化ナトリウム溶液で
洗浄し、オートクレーブに入れて0.1%アスパラギン酸
で滅菌したのち、雰囲気温度まで冷却した。24時間放置
したStaphlococcus aureus(ATCC 25932)(ぶどう状球
菌の一種)の培養液内にシリンダーを15分間入れて、接
種させた。シリンダーを培養液から無菌的に(即ち、雑
菌の混入しないように)取り出し、滅菌ペトリ皿の濾紙
の上において水分をきったのち、37℃の培養器内で60分
間乾燥させた。
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オウンを、pH7.0に
緩衝させたDFWに溶解して、化合物1については陽イオ
ン化が可能な塩素の濃度がそれぞれ25、50、100、200pp
m(化合物5については、陽イオン化が可能な塩素のモ
ル当量)になるよう調整したのち、溶液のアリコート2
ミリリットルを滅菌した試験管にそれぞれ添加した。比
較用の溶液であるpH7.0のDFWの入った試験管にも添加し
た。消毒剤の濃度別にそれぞれ少なくとも10本の試験管
を用意した。接種ずみの金属製シリンダーを、消毒剤を
入れた試験管と比較液の試験管に、それぞれ正確に30秒
間隔で挿入していった。正確に10分間接触させた後、入
れたときと同じ順序でかつ30秒間隔で試験管からシリン
ダーを取り出すことにより、すべてのシリンダーについ
て接触時間が10分になるようにした。栄養素入り培養基
3ミリリットルと消毒作用を抑えるための0.01規定のチ
オ硫酸ナトリウムとを入れた培養試験管のそれぞれに金
属シリンダーをそれぞれ挿入して、37℃で48時間培養し
た後、試験管すべてについてバクテリアの生育状態(濁
りの有無)を調べた。
実験の結果、比較用の試験管から出した金属シリンダ
を入れたものではバクテリアの生育が見られたのに対
し、化合物1または5を入れた試験管からの金属シリン
ダを入れたものでは、いずれの濃度のものでもバクテリ
アの生育は見られなかった。1,3−ジクロロ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オウン(化合物1)
と、1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウン(化合物5)は、化合物1
では陽イオン化が可能な塩素の濃度が25ppm、化合物5
では全陽イオン荷電ハロゲンのモル当量(40.7ppm)
と、低濃度でも硬質表面の消毒剤として効果があること
が分かった。
例20 (水質の関数としてみたハロゲン化イミダゾリジン−4
−オウンのSalmonella enteritidisに対する効果) 例3、5で調製したハロゲン化イミダゾリジン−4−
オウン誘導体(化合物1と5)について、3種類の水、
すなわちDFW、日光によって脱塩素化した水道水(T
W)、農村地帯で採取した井戸水(WW)中の微生物Salmo
nella enteritidis(ATCC 13076)に対する効果を試験
した。水の試料はすべて、0.05Mリン酸ナトリウムで緩
衝させてpH6.5とし、試験中温度を25℃に保った。
試験濃度は化合物1については、全塩素1、2.5、10m
g/とし、化合物5については全ハロゲンのモル当量と
した。バクテリアに関する試験のプロトコルは例15で論
じたものと同じであり、S.enteritidisの培養基として
寒天を用いた。消毒剤に暴露された微生物の生菌数(CF
U/ml)が6対数減少を示すのに必要な接触時間(分)を
回帰方程式Log(FCU/ml+1)=時間から計算した。
これらの実験結果を表IXに示す。表IXのデータは、化
合物5がすべての試験条件でS.enterititidisに対し、
きわめて殺菌性の高いことを示している。化合物1は、
全塩素濃度5及び10ml/ではすべての水の試料に対し
適切な殺菌性を示し、接触時間が充分であれば全塩素濃
度1mg/で完全に不活性化が可能であった。井戸水試料
の場合は両化合物とも、接触時間を長くする必要があっ
た。これは不純物によるハロゲン要求量が高くなるため
である。本例から、S.enteritidisが主な病原菌である
家禽類加工業ではこれらの化合物が有用な殺菌剤である
ことがわかる。
例21 (卵殻表面のSalmonella enteritidisに対するハロゲン
化イミダゾリジン−4−オウンの効果) 例3及び5で調製したハロゲン化イミダゾリジン−4
−オウン誘導体(化合物1および5)について、卵殻表
面上の微生物Salmonella enteritidis(ATCC 13076)に
対する殺菌剤としての効果を調べた。S.enteritidisを
約108CFU/ml含む10℃の塩水、即ち接種材料に全卵を浸
漬させた。卵を接種材料から取り出し、生物学的に安全
なキャビネット内の滅菌棚にのせて乾燥した。ついで、
卵に消毒剤水溶液または滅菌塩水を10秒均一に噴霧し、
ヒートガンで熱風を吹き付けて急激に乾燥した。卵をそ
れぞれ滅菌0.02Nチオ硫酸ナトリウム10mlを入れた減菌
ポリエチレンの袋に移し変えて、消毒作用を抑制し、7
分間放置した。うち2分間はそっともんだ。卵を袋から
とりだし、普通寒天で培養した。
2種類の消毒剤の濃度は、化合物1では全塩素にして
190から210mg/、化合物5では全オキシダントのモル
当量であった。16例測定した化合物1の場合、卵殻表面
の生菌数(CFU/cm2)の平均密度は6.82×102で、標準誤
差が2.12×102であった。10例測定した化合物5の場
合、生菌数の平均密度は1.34×103で、1.28×102であっ
た。接種を行った後、滅菌塩水を噴霧した比較用の卵の
場合は、14の測定例で生菌の平均密度は1.50×104で、
標準誤差が5.38×103であった。接種を行わなかった比
較例の場合は、7つの測定例で未確認生物の生菌数が2.
57×101で、標準誤差が1.01×101であった。このデータ
から、化合物1、5ともに、10秒間噴霧することにより
卵殻表面のS.enteritidis生菌数を減らすのに効果があ
ることが明らかである。
膜を除去した場合の卵殻を透過する化合物の拡散速度
も測定した。これらの実験では、殻の上部1/3をはさみ
で切り取り、卵黄、卵白を捨てたのち、膜を殻の内側か
ら除去した。pH6.5で緩衝させたDPD溶液30mlを殻の中に
入れ、化合物1については全塩素にして約200mg/、化
合物5については全オキシダントのモル当量の濃度の消
毒剤溶液中に殻を浸した、空気による酸化を防ぐため
に、DPD溶液表面に窒素ガスを絶えず流した。5から6
時間後、卵殻の中身を取り出し、DPD/FAS法(例7参
照)により遊離塩素、結合塩素についての分析を行っ
た。実験によっては、消毒剤溶液と卵殻の中身について
は±15℃の温度差を設定した。卵殻を透過して5〜6時
間の間に拡散する化合物1および5の量は全ハロゲンに
して0.12mg/以下であることがわかった。このこと
は、試験した消毒剤の濃度が高くても10秒の噴霧では、
消毒剤が卵殻を透過することはほとんどないことがわか
る。
本例の結果は、化合物1および5を用いて、卵殻表面
のS.enteritidisを不活性化できることを示している。
例22 (1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
−4−オウンの高濃度における消毒剤としての効果) 例15において、1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチル
イミダゾリジン−4−オウン(化合物3)が、接触時間
さえ長くすれば低濃度(5mg/)でSaureusを不活性化
できることが明らかとなった。化合物3の濃縮液が、こ
の微生物に対して効果があるか調べるため実験を行っ
た。pH7.0に緩衝させた化合物のDFW液を調製し、これに
1.740g/(全塩素にして350mg/)を含有させた。例1
5と同じ方法で106CFU/mlのSaureusを含む溶液に暴露さ
せたところ、1分以内に生菌が6対数の減少を示した
が、これは試験したなかでは最短接触時間であった。
化合物3は5週間で、絶対エタノール溶液中で全塩素
含有量がわずか1.5%しか失われていず、溶解性も水よ
りエタノールに対してのほうが高い。したがってアルコ
ールなどの有機溶剤の中に高濃度で混入させて有用な消
毒剤であることを示している。
本発明を特定の例について詳細に説明したが、かかる
詳細は本発明の範囲を限定することを意図するものでは
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 233/40 C07D 233/40 235/02 235/02 E04H 4/12 E04H 3/20 B (72)発明者 ウィリアムズ・デルバート・イー アメリカ合衆国 36879 アラバマ州 ウェイバリー93 リーロード 33番 (56)参考文献 特公 昭47−25178(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学構造式 によって表わされる化合物にして、該化学構造式におい
    て: XとX′とがそれぞれ塩素と臭素から成るグループから
    選ばれるハロゲンであるか、Xが水素でX′が塩素と臭
    素とから成るグループから選ばれるハロゲンであり; 水素がR1からR4までの中に1つ以上はないことを前提と
    して、R1,R2,R3およびR4がそれぞれ水素、C1−C4アルキ
    ル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニールおよび
    置換されたフェニールから成るグループから選ばれるも
    のであるか、R1,R2および/又はR3,R4がペンタメチレ
    ン、テトラメチレンおよびそれらの混合物から選ばれた
    スピロ置換物である; ことを特徴とする、N,N′−ジハロイミダゾリジン−4
    −オウン類およびN−ハロイミダゾリジン−4−オウン
    類の化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のN,N′−ジハロイミダゾ
    リジン−4−オウン類の化合物において: XとX′が塩素で、置換物R1−R4がC1−C4アルキル、C1
    −C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール、パラ置換さ
    れたフェニールからなるグループから選ばれるか、もし
    くはR1、R2および/またはR3、R4が、ペンタメチレンと
    テトラメチレンからなるグループから選ばれるスピロ置
    換物であることを特徴とするN,N′−ジクロロイミダゾ
    リジン−4−オウン類の化合物。
  3. 【請求項3】R1、R2、R3、ならびにR4がメチルとエチル
    からなるグループからそれぞれ選ばれるか、もしくは
    R1、R2および/またはR3、R4がスピロ置換されたペンタ
    メチレンであることを特徴とする請求項2に記載のN,
    N′−ジクロロイミダゾリジン−4−オウン類の化合
    物。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の化合物が: 1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
    −4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,5ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ジメチル−5−ペンタメチレンジ
    メチルイミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−2−ジメチル−5,5−ジメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5,5−ジエチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、又は 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5−エチル−5
    −メチルイミダゾリジン−4−オウン類を含むことを特
    徴とするN,N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウン類
    の化合物
  5. 【請求項5】請求項1に記載のN,N′−ジハロイミダゾ
    リジン−4−オウン類の化合物において: X、X′が臭素で、置換物R1−R4がC1−C4アルキル、C1
    −C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニールおよびパラ置
    換されたフェニールからなるグループから選ばれるか、
    もしくはR1、R2および/またはR3、R4がペンタメチレン
    とテトラメチレンからなるグループから選ばれるスピロ
    置換物であることを特徴とするN,N′−ジブロモイミダ
    ゾリジン−4−オウン類の化合物。
  6. 【請求項6】R1、R2、R3およびR4がそれぞれメチルかエ
    チルからなるグループから選ばれるか、もしくはR1、R2
    および/またはR3、R4がスピロ置換されたペンタメチレ
    ンであることを特徴とする請求項5に記載のN,N′−ジ
    ブロモイミダゾリジン−4−オウン類の化合物。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のN,N′−ジブロモイミダ
    ゾリジン−4−オウン類が:1,3−ジブロモ−2,2,5,5−
    テトラメチルイミダゾリジン−4−オウンか、1,3−ジ
    ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリジン
    −4−オウンであることを特徴とする、N,N′−ジハロ
    イミダゾリジン−4−オウン類。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のN,N′ジハロイミダゾリ
    ジン−4−オウン類において: Xが臭素でX′が塩素であるかもしくはXが塩素でX′
    が臭素であり、置換物R1−R4がそれぞれC1−C4アルキ
    ル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール、パラ
    置換されたフェニールからなるグループから選ばれる
    か、もしくはR1、R2および/またはR3、R4が、ペンタメ
    チレンとテトラメチレンからなるグループから選ばれる
    スピロ置換物であることを特徴とするN−ブロモ−N′
    −クロロイミダゾリジン−4−オウン類およびN−クロ
    ロ−N′−ブロモイミダゾリジン−4−オウン類の化合
    物。
  9. 【請求項9】R1、R2、R3およびR4がそれぞれメチルとエ
    チルからなるグループから選ばれるか、もしくはR1、R2
    および/またはR3、R4がスピロ置換されたペンタメチレ
    ンであることを特徴とする請求項8に記載のN−ブロモ
    −N′−クロロイミダゾリジン−4−オウン類およびN
    −クロロ−N′−ブロモイミダゾリジン−4−オウン類
    の化合物。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の化合物が: 1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1ーブロモ−3−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン、 1−クロロ−3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、又は 1−クロロ−3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン を含むことを特徴とする、N,N′−ジハロイミダゾリジ
    ン−4−オウン類の化合物。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の化合物において: Xが水素でX′が塩素であるN−クロロイミダゾリジン
    −4−オウン類と、Xが水素でX′が臭素であるN−ブ
    ロモイミダゾリジン−4−オウン類とを含む、N−ハロ
    イミダゾリジン−4−オウン類の化合物。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のN−クロロイミダゾリ
    ジン−4−オウン類化合物が: 3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、又は 3−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウンであり、 N−ブロモイミダゾリジン−4−オウン類の化合物が; 3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、又は 3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウンであることを特徴とする、N−ハロイ
    ミダゾリジン−4−オウン類の化合物。
  13. 【請求項13】ハロゲン感応性がある好ましくない微生
    物を含む液状媒体又は固体表面を殺菌する方法におい
    て、該方法が; N,N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウン類およびN
    −ハロイミダゾリジン−4−オウン類から成る化合物の
    グループから選ばれる化合物の滅菌効果に有効な量で該
    液状媒体又は固体表面を処理するステップを含むもので
    あって、該化合物が図示の化学構造式で表わされるもの
    であり、該化学構造式において; XとX′とがそれぞれ塩素と臭素とから成るグループか
    ら選ばれるハロゲンであるか、一方が水素で他方が塩素
    と臭素とから成るグループから選ばれるハロゲンであ
    り; 水素がR1からR4までの中に1つ以上はないことを前提と
    して、R1,R2,およびR3およびR4がそれぞれ水素、C1−C4
    アルキル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール
    および置換されたフェニールから成るグループから選ば
    れるものであるか、R1,R2および/又はR3,R4がペンタメ
    チレン、テトラメタレン、およびそれらの混合物から成
    るグループから選ばれるスピロ置換物である; ことを条件とする、N,N′−ジハロイミダゾリジン−4
    −オウン類およびN−ハロイミダゾリジン−4−オウン
    類の化合物であることを特徴とする、ハロゲン感応性の
    ある微生物を殺菌する方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の方法において、ハロゲ
    ン感応性のある好ましくない微生物を含む液状媒体を滅
    菌する方法が: (a)前記N,N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウン
    類、およびN−ハロイミダゾリジン−4−オウン類から
    成る化合物のグループから選ばれる化合物を該液状媒体
    に注入すること; (b)該媒体中に塩素および臭素から成るグループから
    選ばれるハロゲン生成源を注入して、現場で対応するN,
    N′−ジハロイミダゾリジン−4−オウン類又はN−ハ
    ロイミダゾリジン−4−オウン類の化合物を殺菌に有効
    な量生成することと; を含むことを特徴とする、液体媒体を滅菌する方法。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の化合物において、R1,R
    2,R3およびR4がメチルとエチルからなるグループから選
    ばれるか、もしくはR1,R2および/又はR3,R4がスピロ置
    換されたペンタメチレンであることを特徴とする、請求
    項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】請求項13又は14に記載のN,N′−ジハロ
    イミダリジン−4−オウン類化合物が: 1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
    −4−オウン、 1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
    −4−オウン、 1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1−クロロ−3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾ
    リジン−4−オウン、 1,3−ジブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾ
    リジン−4−オウン、 1−ブロモ−3−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン、 1−クロロ−3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,2−ジメチル−5−ペンタメチレンジ
    メチルイミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,2−ジメチル−5,5−ジメチルイミダ
    ゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、 および 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5−エチル−5
    −メチルジメチルイミダゾリジン−4−オウン、 からなるグループから選ばれることを特徴とする13又は
    14に記載の方法。
  17. 【請求項17】請求項13又は14に記載のN−ハロイミダ
    ゾリジン−4−オウン類化合物が: 1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、 3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、 1−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウン、 3−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウン、 1−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、 3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、 1−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウン、 および 3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリ
    ジン−4−オウン からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項
    13又は14に記載の方法。
  18. 【請求項18】液体媒体がプール、風呂、クーリングタ
    ワー、空調システム、廃棄物処理施設、便器、食器洗い
    用溶液、家禽類処理工場あるいは飲料水源などの水性媒
    体であることを特徴とする請求項13又は14に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】硬質表面が、病院、食品加工工場、家禽
    類処理工場、微生物研究室、家庭などで見られるもので
    あることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  20. 【請求項20】塩素ガス、液体臭素、アルカリ金属次亜
    塩素酸エステル、次亜塩素酸カルシウム、第三ブチル次
    亜塩素酸エステル、および水と接触すると遊離ハロゲン
    を放出するN−ハロゲン化化合物からなるグループから
    選ばれる活性遊離ハロゲンの有効量を水性媒体または硬
    質表面に与えることを特徴とする請求項13又は14に記載
    の方法。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の方法において; 前記N−ハロゲン化化合物が、N−ハロスクシンイミド
    の塩素誘導体又は臭素誘導体、N,N′−ジハロジメチル
    ヒダントイン、N,N′−ジハロシアヌル酸ナトリウムま
    たはカリウム、トリハロイソシアヌル酸、N−ハロ−2
    −オキサソリジン、N,N′−ジハロ−2−イミダゾリジ
    ン、およびハログリコルリルを含むグループから選ばれ
    ることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】前記微生物がStaphylococcus aureus、P
    seudomonas aeruginosa、Salmonella entritidis、Shig
    ella boydii、Legionella pneumophilia、Giardia lamb
    lia、Anabaena cylinrica、Oscillatoria lutea、Chlor
    ella pyrenoidosa、Candida albicansを含むことを特徴
    とする請求項13又は14に記載の方法。
  23. 【請求項23】ハロゲン生成源を少くとも1化学量用い
    ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  24. 【請求項24】ハロゲン感応性のある微生物をその生息
    環境の中で不活性化する方法において、該方法が、図示
    の化学構造式において: XとX′とがそれぞれ塩素と臭素とから成るグループか
    ら選ばれるハロゲンであるか、一方が水素で他方が塩素
    と臭素とから成るグループから選ばれるハロゲンであ
    り; 水素がR1からR4までの中に1つ以上はないことを前提と
    して、R1,R2,R3およびR4がそれぞれ水素、C1−C4アルキ
    ル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、フェニールおよび
    置換されたフェニールから成るグループから選ばれるも
    のであるか、R1,R2および/又はR3,R4がペンタメチレン
    とテトラメチレンおよびそれらの混合物から成るグルー
    プから選ばれる、スピロ置換物である; ことを条件とするN,N′−ジハロイミダゾリジン−4−
    オウン類およびN−ハロイミダゾリジン−4−オウン類
    の化合物の殺菌有効量を用いて、該微生物の生息環境を
    処理することによって、該微生物を不活性化することを
    特徴とする方法。
  25. 【請求項25】R1、R2、R3、R4がメチルとエチルからな
    るグループから選ばれるか、もしくはR1、R2および/ま
    たはR3、R4がスピロ基に置換基を持つペンタメチレンで
    あることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】請求項24に記載するN,N′−ジハロイミ
    ダゾリジン−4−オウン類の化合物が: 1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
    −4−オウン、 1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
    −4−オウン、 1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1−クロロ−3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾ
    リジン−4−オウン、 1,3−ジブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾ
    リジン−4−オウン、 1−ブロモ−3−クロロ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン、 1−クロロ−3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレ
    ン)イミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2,2−ジメチル−5−ペンタメチレンジ
    メチルイミダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2、2−ジメチルー5,5−ジエチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレンー5,5−ジエチルイ
    ミダゾリジン−4−オウン、 および 1,3−ジクロロ−2−ペンタメチレン−5−エチル−5
    −メチルイミダゾリジン−4−オウン からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項
    24に記載の方法。
  27. 【請求項27】請求項24に記載する、前記N−ハロイミ
    ダゾリジン−4−オウン化合物が; 1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
    4−オウン、3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミ
    ダゾリジン−4−オウン、1−クロロ−2,5−ビス(ペ
    ンタメチレン)イミダゾリジン−4−オウン、3−クロ
    ロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリジン−4
    −オウン、1−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダ
    ゾリジン−4−オウン、3−ブロモ−2,2,5,5−テトラ
    メチルイミダゾリジン−4−オウン、1−ブロモ−2,5
    −ビス(ペンタメチレン)イミダゾリジン−4−オウ
    ン、および3−ブロモ−2,5−ビス(ペンタメチレン)
    イミダゾリジン−4−オウン、からなるグループから選
    ばれることを特徴とする請求項24に記載の方法
  28. 【請求項28】前記微生物が、Staphylococcus aureu
    s、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella entritidis、
    Shigella boydii、Legionella pneumophilia、Giardial
    amblia、Anabaena cylindrica、Oscillatoria lutea、
    およびChlorella pyrenoidosa、Candida albicansを含
    むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
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