JP3072773U - 斫り用ノミ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 斫り用ノミ本体の交換を可能にすると共に小
型軽量化し、交換作業を簡単にして、スペアの複数携帯
を容易にし、さらに作業中にノミ本体をアダプタに抜け
止めすること。 【解決手段】 斫り用ノミは工具に固定するアダプタ１
と、これに装着されるノミ本体２とから構成する。アダ
プタ１の嵌合筒部４の内壁先端側は先広がりのテーパ状
に形成する。嵌合筒部４には軸方向に長い長孔５を軸線
直交方向に貫通させる。この長孔５は、ノミ本体２の基
部７を嵌合筒部４に挿入したときの基部７の終端が確認
できる位置に設ける。ノミ本体２を嵌合筒部４から取り
外すときには、長孔５から介入片９を差し入れて叩き込
めば、ノミ本体２を嵌合筒部４から押し出すことができ
る。ノミ本体２の基部７はアダプタ１に嵌合させるため
に先細りのテーパ状に形成する。基部７には、抜け止め
用のピン８が差し込まれるピン孔７ａを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、土木・建築や電気・水道工事などにおいて、コンクリート等を削る ために用いる斫り用ノミに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

土木・建築や電気・水道工事などにおいて、コンクリートやレンガ等を削った り、破壊したりする場合に、斫り用ノミが用いられている。この斫り用ノミは電 動式、エアピック式等の動力付き工具や手動工具の柄に装着して使用されるもの がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の斫り用ノミにあっては、使用によってノミ本体の先端が潰れて丸くなる と、その後の使用が不可能になるので、このノミ本体の先端部分を加工し直し再 生して繰り返し用いている。ところで、ノミ本体を再生するには、その先端部分 をガスバーナー等で熱して、ハンマーでたたきながら成形し直し、その後に再度 焼き入れを施す加工が行われている。しかしながら、このような尖端部分の再生 は、刃の角度などが適正な精度をもって形成されていなければならず、加工に熟 練を要している。また、このように再生をすることは、新たにノミを購入するの と等しいほどの費用がかかってしまう。このため、ノミ本体が潰れたノミは、使 い捨てとなって、鉄屑としての価値しかなくなってしまう。

【０００４】 そこで、本考案は、ノミ本体だけを簡単に交換可能にし、使い捨て部分を減少 させることにより、省資源化を図ると共に、ノミ本体を小型軽量化して、スペア の複数携帯を容易にし、さらに作業中にノミ本体がアダプタから不用意に離脱す ることがない斫り用ノミを提供することを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、第１の考案においては、工具に固定されるアダプタ １と、このアダプタ１に対して軸線方向に脱着可能なノミ本体２とで斫り用ノミ を構成し、両者を軸線直交方向に抜き差し可能なピン８で抜け止めした。 第２の考案においては、アダプタ１にノミ本体２の基部７を嵌合するための筒 部４を設け、これに嵌合されたノミ本体２の基部７を抜き出し操作するために、 筒部４に軸線直交方向に長孔５を設け、ノミ本体２の基部７に軸線直交方向の貫 通孔７ａを設け、基部７をアダプタ１の筒部４に軸方向に挿入してアダプタ１に 装着するようにし、アダプタ１の長孔５とノミ本体２の貫通孔７ａとにピン８を 貫通させ、ノミ本体２をアダプタ１に対して軸線方向に抜け止めした。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の一形態を図面を参照して詳細に説明する。 図１乃至図３において、斫り用ノミはアダプタ１とノミ本体２とから構成され る。アダプタ１及びノミ本体２は共に鉄、好ましくは鋼鉄から形成される。

【０００７】 アダプタ１は、図示しない電動式あるいはエアピック式の装置本体のチャック 部に結合される取付部３と、この取付部３に軸方向に―体に形成され、先端の開 口からノミ本体２が挿入される嵌合筒部４とを有する。取付部３の径は例えば装 置本体のチャックへの取付けが可能な寸法になっている。嵌合筒部４の内壁先端 側は、先広がりのテーパ状に形成されている。この嵌合筒部４には後述するノミ 本体２の基部７がクサビ状に挿入されて嵌合し、ノミ本体２をアダプタ１に―体 的に保持する。嵌合筒部４には、軸方向に伸びた長孔５が横方向に貫通している 。この長孔５は、ノミ本体３の基部７を嵌合筒部４に挿入したときの基部７の終 端が確認できる位置に形成されている。ノミ本体２を嵌合筒部４から取り外すと きには、この長孔５からクサビ状の介入片９を差し込んで基部７の終端をこじり 、あるいはハンマーなどで叩き込めば、ノミ本体２を強制的にアダプタ１の嵌合 筒部４から抜き出すことができる。

【０００８】 ノミ本体２は、斫り用のノミの刃に相当する角錐状の尖頭部６と、これと軸方 向に一体的に連続するアダプタ１への取付部たる基部７とを有する。この基部７ は先細りのテーパ状に形成されており、アダプタ１に挿入され嵌合して一体的に 結合する。基部７の端部には、アダプタ１と嵌合した状態で抜け止めするための ピン８が差し込まれるピン孔７ａが横方向に貫通している。

【０００９】 本実施形態に係る斫り斫り用ノミにおいては、先ず、アダプタ１を装置本体の チャック部へ固定しておき、アダプタ１の嵌合筒部４にノミ本体２の基部７を挿 入して嵌合させ、長孔５を通じてピン孔７ａにピン８を差し込んで抜け止めする 。この状態で装置本体のスイッチを入れて打撃動作により斫り作業を行う。ピン ８の作用で、作業中に、ノミ本体２がアダプタ１から離脱するおそれはない。ピ ン８がない場合、ノミの先が斫り対象からそれると、打撃動作によりノミ本体２ がアダプタ１から離脱し、高所から落下する危険もあるが、この実施形態ではこ れを防げる。作業によってノミ本体２の尖頭部６が丸く削れた場合には、ピン８ を抜き出してから、アダプタ１の長孔５から介入片９を差し込んで、ノミ本体２ の基部７の終端をこじり、あるいはハンマーなどで叩き入れれば、ノミ本体２を 容易に押し出すことができ、新しいノミ本体２を装着することができる。ノミ本 体２は、小型軽量であるから、スペアを複数携帯して高所の作業現場へ上り下り しても作業者への負担が少ない。

【００１０】 なお、上記実施形態においては、ノミ本体２を電動式などの装置に取付けるも のを前提にして説明したが、本考案は、斫り用ノミを一方の手でもって、他方の 手にもったハンマーで叩く工具についても適用することができる。この場合には アダプタの取付部３が工具の柄に固定される構成になる。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、ノミ本体を小型軽量化することができるし 、アダプタに簡単に脱着でき、交換作業を簡単に行うことができ、スペアの複数 携帯を容易にし、さらに作業中にノミ本体がアダプタに対してピンで確実に抜け 止めされるため、不用意に離脱して落下する危険がないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る斫り用ノミの分解正面図である。

【図２】斫り用ノミの一部を切り欠いた正面図である。

【図３】斫り用ノミの一部を切り欠いた側面図である。

【符号の説明】

１ アダプタ ２ ノミ本体 ３ 取付部 ４ 嵌合筒部 ５ 長孔 ６ 尖頭部 ７ 基部 ７ａ ピン孔 ８ ピン ９ 介入片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具に固定されるアダプタと、このアダ
   プタに対して軸線方向に脱着可能なノミ本体とを備え、
   両者が軸線直交方向に抜き差し可能なピンで抜け止めさ
   れることを特徴とする斫り用ノミ。
2. 【請求項２】 前記アダプタは、前記ノミ本体の基部を
   嵌合するための筒部と、嵌合されたノミ本体の基部を抜
   き出し操作するために、前記筒部に軸線直交方向に形成
   された長孔とを有し、 前記ノミ本体は、基部に軸線直交方向の貫通孔を有し、
   基部を前記アダプタの筒部に軸方向に挿入してアダプタ
   に装着され、 前記アダプタの長孔と前記ノミ本体の貫通孔を貫通する
   ように、前記ピンが挿入され、ノミ本体がアダプタに対
   して軸線方向に抜け止めされることを特徴とする請求項
   １に記載の斫り用ノミ。