JP3072510B2 - 接着方法 - Google Patents

接着方法

Info

Publication number
JP3072510B2
JP3072510B2 JP10057088A JP5708898A JP3072510B2 JP 3072510 B2 JP3072510 B2 JP 3072510B2 JP 10057088 A JP10057088 A JP 10057088A JP 5708898 A JP5708898 A JP 5708898A JP 3072510 B2 JP3072510 B2 JP 3072510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
reactive silicon
rubber
polymer
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10057088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10245527A (ja
Inventor
道英 本間
敦子 吉原
宏 若林
克彦 諌山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP10057088A priority Critical patent/JP3072510B2/ja
Publication of JPH10245527A publication Critical patent/JPH10245527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3072510B2 publication Critical patent/JP3072510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】珪素原子に結合した水酸基又は加水分解
性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋
し得る珪素原子含有基(以下「反応性珪素基」という)
を少なくとも1個有するゴム系有機重合体とエポキシ樹
脂とを主成分とする硬化性樹脂組成物は、本願出願前公
知である(特開昭61−268720号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該組成物は被着体に対
する優れた接着性能を有している。しかしながら、斯か
る樹脂組成物をコンクリート、モルタル等の被着体上に
接着させる場合、接着性能の点で更に改善が望まれる場
合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、斯かる現状
に鑑み、上記硬化性樹脂組成物を被着体上に良好に接着
させるべく鋭意研究を重ねた結果、接着に当って反応性
珪素基を少なくとも1個有するビニル系重合体をプライ
マーとして用いることにより、本発明の所期の目的を達
成し得ることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基
づき完成されたものである。
【0005】即ち、本発明は、(1) 反応性珪素基を少な
くとも1個有するゴム系有機重合体、(2) エポキシ樹
脂、(3) エポキシ樹脂硬化剤及び(4) 上記ゴム系有機重
合体の硬化触媒を必須成分として含有する硬化性組成物
を被着体上に接着させるに際し、反応性珪素基を少なく
とも1個有するビニル系重合体(長鎖アルキル含有共重
合体をのぞく)をプライマーとして用いることを特徴と
する接着方法に係る。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、本発明で用いる硬化性組成
物につき説明する。該硬化性組成物は、(1)反応性珪素
基を少なくとも1個有するゴム系有機重合体、(2) エポ
キシ樹脂、(3)エポキシ樹脂硬化剤及び(4) 上記ゴム系
有機重合体の硬化触媒を必須成分として含有するもので
ある。
【0007】反応性珪素基を少なくとも1個有するゴム
系有機重合体の骨格をなす重合体としては、例えばプロ
ピレンオキシド、エチレンオキシド、テトラヒドロフラ
ン等の環状エーテルの重合で得られるポリエーテル系;
アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合又はラク
トン類の開環重合で得られるポリエステル系;エチレン
−プロピレン共重合体系;ポリイソブチレン又はイソブ
チレンとイソプレン等との共重合体系;ポリクロロプレ
ン;ポリイソプレン又はイソプレンとブタジエン、スチ
レン、アクリロニトリル等との共重合体系;ポリブタジ
エン又はブタジエンとスチレン、アクリロニトリル等と
の共重合体系;ポリイソプレン、ポリブタジエン又はイ
ソプレンとブタジエンとの共重合体を水素添加して得ら
れるポリオレフィン系;エチルアクリレート、ブチルア
クリレート等のモノマーをラジカル重合して得られるポ
リアクリル酸エステル又は前記アクリル酸エステルと酢
酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等と
の共重合体系;本発明に用いるゴム系有機重合体中でビ
ニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体系;ポ
リサルファイド系等の重合体等が挙げられる。これらの
中ではポリプロピレンオキシド系ポリエーテル等の一般
式: −R−O− 〔式中Rは炭素数2〜4の2価のアルキレン基を示
す。〕で表わされる繰返し単位を有するポリエーテル、
ポリプロピレンオキシド等のポリエーテルの存在下でア
クリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸
ビニル等のビニルモノマーを重合させて得られるグラフ
ト重合体等の重合体又は共重合体、ポリアクリル酸アル
キルエステル又はアクリル酸アルキルエステルを50重
量%以上含有するアクリル酸アルキルエステルと酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等との共
重合体が、反応性珪素基を分子末端に導入させ易く、ま
た無溶剤で液状重合体を製造し易い等の点から、好適で
ある。
【0008】本発明において反応性珪素基としては、特
に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、
例えば一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】〔式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1
〜20の炭化水素基又は(R′)3SiO−(R′は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR′は
同一であってもよく、異なっていてもよい)で表わされ
るトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2が2個以
上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。Xは水酸基又は加水分解性基を示し、X
が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。aは0、1、2又は3を、b
は0、1又は2をそれぞれ示す。またm個の
【0011】
【化2】
【0012】におけるbは同一である必要はない。mは
0又は1〜19の整数を示す。但し、aとbの和≧1を
満足するものとする。〕で表わされる基が挙げられる。
【0013】上記Xが水酸基である場合には、該反応性
珪素基はシラノール縮合触媒の存在下又は非存在下でシ
ラノール縮合反応を起こし架橋する。またXが加水分解
性基である場合には、該反応性珪素基はシラノール縮合
触媒の存在下又は非存在下で水分により加水分解反応及
びシラノール縮合反応を起こし架橋する。
【0014】上記Xで示される加水分解性基としては、
特に限定されず、従来公知の加水分解性基が包含され、
具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち
では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケト
キシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、
メルカプト基及びアルケニルオキシ基が好ましく、加水
分解性がマイルドで取扱い易いという観点から、アルコ
キシ基が特に好ましい。
【0015】該加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子
に1〜3個の範囲で結合することができ、(aとbの
和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基
が反応性珪素基中に2個以上結合する場合には、それら
は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0016】前記反応性珪素基を形成する珪素原子は1
個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結
合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度
まであってもよい。特に一般式(2)
【0017】
【化3】
【0018】〔式中、R2、X及びaは前記と同じ。〕
で表わされる反応性珪素基が入手容易性の点から好まし
い。
【0019】また、上記一般式(1)におけるR1及び
2の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基等を例示でき、より
具体的にはメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロ
ヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリ
ール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。
またトリオルガノシロキシ基としては、具体的にはR′
がメチル基、フェニル基等である(R′)3SiO−で
示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。R1
やR2としてはメチル基が特に好ましい。
【0020】上記反応性珪素基は、ゴム系有機重合体主
鎖と化学的に結合している。反応性珪素基とゴム系重合
体主鎖間の結合において、
【0021】
【化4】
【0022】結合のような結合があることは、水分によ
る結合の開裂があり得るため、望ましくない。反応性珪
素基中、ゴム系有機重合体主鎖に最も近い珪素原子は、
【0023】
【化5】
【0024】結合で結合されていることが好ましい。
【0025】反応性珪素基はゴム系有機重合体1分子中
に少なくとも1個、好ましくは1.2〜6個存在するの
がよい。分子中に含まれる反応性珪素基の数が1個未満
になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動
を発現し難くなる。
【0026】反応性珪素基はゴム系有機重合体分子鎖の
末端に存在してもよく、内部に存在してもよく、或いは
両方に存在してもよい。特に反応性珪素基が分子鎖末端
に存在する場合には、形成される硬化物において架橋点
間の分子鎖長が長くなるため、ゴム弾性特性が効果的に
現れ易く、従って本発明の硬化性組成物に配合されるエ
ポキシ樹脂の脆さが改善され易くなり、一方ゴム系有機
重合体主体のゴム硬化物の場合には高強度が得られ易く
なる等の点から好ましい。
【0027】上記ゴム系有機重合体への反応性珪素基の
導入は、公知の方法で行なえばよく、例えば下記(1) 〜
(3) の方法が挙げられる。これらの方法は、例えば特開
昭61−268720号公報に詳細に記されている。
【0028】(1) 共重合可能な不飽和基と反応性珪素基
とを分子中に有するモノマーを他の重合性モノマーと共
重合させたり、共重合可能なエポキシ基及び反応性珪素
基を分子中に有するモノマーをプロピレンオキシド又は
エチレンオキシド等と共重合させる方法。
【0029】この方法により、分子側鎖に反応性珪素基
を導入することができる。
【0030】(2) ラジカル重合において連鎖移動反応を
起こし得るメルカプト基やジスルフィド基等と反応性珪
素基とを分子中に有する化合物を連鎖移動剤として使用
してラジカル重合性モノマーを重合させる方法。
【0031】(3) 反応性珪素基を含有するアゾ系又は過
酸化物系重合開始剤を使用してラジカル重合性モノマー
を重合させる方法。
【0032】この(2) 及び(3) の方法では、反応性珪素
基が重合体分子末端に導入される。
【0033】(4) 重合体の側鎖及び(又は)末端に水酸
基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基、イソ
シアネート基等の官能基を有する重合体を使用し、この
官能基と反応しうる官能基を分子中に含有し、かつ反応
性珪素基を有する化合物と上記重合体とを反応させる方
法。
【0034】この方法では反応性珪素基を重合体の側鎖
でも末端でも導入できる。
【0035】本発明で用いられる上記ゴム系有機重合体
の具体例は、例えば特開昭61−268720号公報に
記載されている。
【0036】上記反応性珪素基を有するゴム系有機重合
体の数平均分子量は、500〜50000程度であるの
が好ましく、1000〜20000程度が特に好まし
い。本発明では、斯かるゴム系有機重合体を、1種単独
で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0037】上記硬化性組成物中に配合されるエポキシ
樹脂としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば
エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエー
テル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテ
ルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エ
ポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹
脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹
脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシ
ジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレー
ト、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、
ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合
体のエポキシ化物等が挙げられる。これらの中では、特
に式
【0038】
【化6】
【0039】で示されるエポキシ基を少なくとも分子中
に2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また
硬化物が3次元的網目を作り易い等の観点から、好適で
ある。本発明では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及
びノボラック型エポキシ樹脂が最も好適である。本発明
では、斯かるエポキシ樹脂は、1種単独で、又は2種以
上混合して用いられる。
【0040】また、上記硬化性組成物に配合されるエポ
キシ樹脂硬化剤としては、一般に使用されているエポキ
シ樹脂用硬化剤を広く使用できる。具体的には、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチ
ルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジ
ン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール等のアミン類;第3級
アミン塩類;ポリアミド樹脂類;イミダゾール類;ジシ
アンジアミド類;三弗化硼素錯化合物類;無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデ
シニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレ
ン酸等の無水カルボン酸類;アルコール類;フェノール
類;カルボン酸類;ケチミン化合物類等を例示できる。
本発明においては、斯かる硬化剤は、1種単独で、又は
2種以上混合して使用される。
【0041】また本発明の硬化性組成物中に配合される
ゴム系有機重合体の硬化触媒としては、シラノール縮合
触媒として従来公知のものを広く使用できる。その具体
例としては、例えばテトラブチルチタネート、テトラプ
ロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチルス
ズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルス
ズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等の
スズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル
酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセト
ナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、ア
ルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロ
ポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機ア
ルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセ
トナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレ
ート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチル
アミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合
物、或いはこれらのカルボン酸等との塩;過剰のポリア
ミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹
脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成
物;アミノ基を有するシランカップリング剤、例えばγ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の
シラノール縮合触媒、更には他の酸性触媒、塩基性触媒
等の公知のシラノール縮合触媒等が挙げられる。これら
の触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよ
い。
【0042】本発明では、上記硬化性組成物中に配合さ
れる上記ゴム系有機重合体、エポキシ樹脂、エポキシ樹
脂硬化剤及び硬化触媒の配合量としては特に制限される
ものではないが、ゴム系有機重合体を通常10〜95重
量%程度、好ましくは30〜90重量%程度、エポキシ
樹脂を通常5〜90重量%程度、好ましくは10〜70
重量%程度となるように配合するのがよい。またエポキ
シ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂100部(重量部、以下
同じ)に対し、通常0.1〜300部程度、好ましくは
1〜200部程度となるように、また硬化触媒は、ゴム
系有機重合体100部に対し、通常0.1〜15部程
度、好ましくは0.3〜10部程度となるように配合さ
れるのがよい。
【0043】本発明で用いられる上記硬化性組成物に
は、更に必要に応じ、この分野で通常用いられている炭
酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の各種充填剤、シ
リコン化合物、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤、顔料、発泡剤等を配合することもできる。
【0044】特にシリコン化合物としては、エポキシ基
と反応しうる官能基と反応性珪素基とを分子中に含有す
るシリコン化合物が硬化物の強度や被着体への接着性を
更に高めるのに有効に使用しうる。
【0045】このようなシリコン化合物におけるエポキ
シ基と反応しうる官能基としては、具体的には1級、2
級、3級のアミノ基;メルカプト基;エポキシ基;カル
ボキシル基等が挙げられる。また、反応性珪素基として
は、ゴム系有機重合体において使用されたのと同様の反
応性珪素が使用されうるが、特に取扱いの容易さなどの
点からアルコキシシリル基が好ましい。
【0046】このようなシリコン化合物の具体例として
は、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の
エポキシ結合含有シラン類;β−カルボキシエチルトリ
エトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス
(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カル
ボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のカルボキシシラン類等が挙げられ
る。これらシリコン化合物は単独で使用してもよく、2
種以上併用してもよい。
【0047】このようなシリコン化合物を使用する場
合、その使用量はゴム系有機重合体とエポキシ樹脂の合
計量100部に対し0.1〜20部、特には0.2〜1
0部が好ましい。
【0048】本発明において、被着体としては、従来公
知のものを広く使用でき、例えば鉄、銅、アルミニウム
等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ABS樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ベーク
ライト、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアセタール、6−ナイロン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホ
ン、ポリアミドイミド、ポリエチレンフタレート、ポリ
ブチレンフタレート、ポリフェニレンサルファイド、変
性ポリフェニレンホキサイド等の合成樹脂、天然ゴム、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、NBR、シリコンゴム、EPDM、アクリルゴム、
フッ素ゴム等のゴム、木材、ガラス陶磁器、石材、ハー
ドボード、スレート板、硅酸カルシウム板、モルタル、
コンクリート等を挙げることができる。これらの中で
も、特に木材、ガラス、陶磁器、石材、ハードボード、
スレート板、硅酸カルシウム板、モルタル、コンクリー
ト等の多孔質被着体が好適である。
【0049】本発明では、プライマーとして反応性珪素
基を少なくとも1個有するビニル系重合体を使用するこ
とを必須とする。
【0050】上記ビニル系重合体における反応性珪素基
としては、上記ゴム系有機重合体のところで説明した反
応性珪素基と同じものでよい。また該ビニル系重合体1
分子中には反応性珪素基が少なくとも1個、好ましくは
1〜20個存在するのがよい。分子中に含まれる反応性
珪素基の数が1個未満になると、塗膜が弱く耐水性等の
特性が悪くなるという難点が生ずる傾向となる。更にこ
の反応珪素基は、ビニル系重合体分子鎖の末端に存在し
てもよく、内部に存在してもよく、或いは両方に存在し
てもよい。特に反応性珪素基が分子鎖末端に存在する場
合には、塗膜に柔軟性を付与させやすく物性バランスが
よいという点で、好ましい。また該ビニル系重合体への
反応性珪素基の導入は、上記ゴム系有機重合体への反応
性珪素基の導入と同様に行なえばよい。
【0051】本発明で用いられる反応性珪素基含有ビニ
ル系重合体の製造法の一例を以下に示す。
【0052】反応性珪素基含有ビニル系重合体は、例え
ば一般式(3)
【0053】
【化7】
【0054】〔式中R3は水素原子、ハロゲン原子又は
炭素数1〜10の置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭
化水素基を示す。R4はR3と同一の基を示すか、或いは
置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基又はアル
ケニル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、ニトリル基、ピリジル基、アミド基及
びグリシドキシ基なる群から選ばれる炭素数1〜20の
1価の有機基を示す。〕で表わされるビニル系単量体と
一般式(4)
【0055】
【化8】
【0056】〔式中、R1、R2、X、a、b及びmは前
記に同じ。R5は重合性二重結合を有する有機残基を示
す。〕で表わされるビニル系シリコン化合物とを、それ
ぞれ1種又は2種以上共重合させることにより製造され
る。
【0057】上記一般式(3)のビニル系単量体を具体
的に示せば、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ステアリル等のアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸等のカルボン酸や無水マレイン酸等の酸の
無水物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート等のエポキシ基含有単量体;ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ化合物、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、イタコン酸ジアミ
ド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマ
ル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミ
ド等のアミド化合物;2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メ
チロールアクリルアミド、アロニクス5700〔東亜合
成(株)製〕等の水酸基含有ビニル系化合物;アクリロニ
トリル、イミノールメタクリレート、スチレン、α−メ
チルスチレン、クロルスチレン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピリ
ジン、ブタジエン、クロロプレン、イソブチレン、プロ
ピレン、エチレン等を挙げることができる。これらの中
でも、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸
もしくはメタクリル酸エステル、エポキシ基含有単量体
及びアクリルアミドが好適であり、アクリル酸もしくは
メタクリル酸エステルがより好ましい。
【0058】また、上記一般式(4)のビニル系シリコ
ン化合物を具体的に示せば、例えば
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】等を挙げることができる。これらの中で
も、特に
【0064】
【化13】
【0065】が好ましい。
【0066】上記一般式(4)のビニル系シリコン化合
物は、一般式(3)のビニル系単量体に対して、通常
0.001〜50重量%程度の範囲で用いられるが、
0.01〜10重量%程度の範囲で使用するのが好まし
く、0.1〜5重量%程度の範囲で使用するのが特に好
ましい。
【0067】上記一般式(3)のビニル系単量体と一般
式(4)のビニル系シリコン化合物との重合は、通常の
方法で行なうことができ、具体的にはラジカル開始剤に
よる方法、紫外線、X線、γ線等の照射による方法等を
採用することができる。ラジカル開始剤としては、従来
公知のものを広く使用でき、例えばベンゾイルパーオキ
サイド、ベンゾイルハイドロパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、過酸化水素等の過酸化物;アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物;過硫酸塩、ジ−イソプロピ
ルパーオキシ−ジカルボネート等の過酸化化合物等が挙
げられる。溶剤は必要に応じて使用することができる。
溶剤を使用する場合、溶剤としては、一般式(3)のビ
ニル系単量体及び一般式(4)のビニル系シリコン化合
物のいずれに対しても不活性である溶剤が好ましく、例
えばエーテル類、炭化水素類、酢酸エステル類等を挙げ
ることができる。重合温度は、重合方法や用いられるラ
ジカル開始剤の種類等により異なり一概には言えない
が、通常は50〜150℃で重合を行なうのが望まし
い。また必要に応じてn−ノドデシルメルカプタン、t
−ドデシルメルカプタン、反応性珪素基を含有するメル
カプタン(メルカプトシラン)等のメルカプタン類や含
ハロゲン化合物等の連鎖移動剤を使用することにより、
得られるビニル系重合体の重合度を調節することもでき
る。上記ビニル系単量体とビニル系シリコン化合物は、
全量を一括して重合反応系内に仕込んでもよいが、発熱
量の調節等の目的で、数回に分割して又は連続的に仕込
むことも可能である。
【0068】また反応性珪素基を有するラジカル開始剤
や連鎖移動剤を用いると、一般式(4)のビニル系シリ
コン化合物を用いなくても反応性珪素基を含有するビニ
ル系重合体を製造することができる。
【0069】また一般式(4)のビニル系シリコン化合
物を用いずに、予めオレフィン基が側鎖又は末端に残る
ようにビニル系単量体を重合後、得られる重合体に水素
化シリコン化合物と反応させることにより、反応性珪素
基を有するビニル系重合体を製造することもできる。
【0070】上記反応性珪素基を有するビニル系重合体
の数平均分子量は、500〜50000程度であるのが
好ましく、1000〜30000程度が特に好ましい。
本発明では、斯かるビニル系重合体を、1種単独で使用
してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0071】このようなビニル系重合体は、例えば特開
昭54−36595号公報、同54−123192号公
報、同57−179210号公報、同59−16801
4号公報、同60−31556号公報、同63−112
642号公報等に詳述されている。
【0072】本発明で用いられる反応性珪素基含有ビニ
ル系重合体としては、上記したようにアクリル系重合体
が好適である。特に長鎖アルキル基を有するアクリル系
単量体と短鎖アルキル基を有するアクリル系単量体とを
共重合させた共重合体を本発明のプライマーとして使用
すれば、スレートやモルタルへの耐水接着性を大幅に向
上させることができるので、極めて有利である。
【0073】長鎖アルキル基を有するアクリル系単量体
と短鎖アルキル基を有するアクリル系単量体との共重合
体(以下「長鎖アルキル含有共重合体」という)につ
き、以下に説明する。
【0074】長鎖アルキル含有共重合体は、一般式
(5)
【0075】
【化14】
【0076】〔式中R6は炭素数1〜8のアルキル基、
7は水素原子又はメチル基を示す。〕で表わされる短
鎖アルキル基を有するアクリル系単量体単位と、一般式
(6)
【0077】
【化15】
【0078】〔式中R7は前記に同じ。R8は炭素数10
以上のアルキル基を示す。〕で表わされる長鎖アルキル
基を有するアクリル系単量体単位とから実質的に構成さ
れている。
【0079】上記一般式(5)において、R6として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数
1〜8、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2のア
ルキル基が挙げられる。尚、R6のアルキル基は、単独
でもよく、2種以上混合していてもよい。
【0080】上記一般式(6)において、R8として
は、例えばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステ
アリル基、ドコサニル基、ベヘニル基等の炭素数10以
上、通常は10〜30、好ましくは10〜20の長鎖ア
ルキル基が挙げられる。尚、R8のアルキル基は、R6
アルキル基の場合と同様、単独でもよく、例えば炭素数
12と13との混合物のように、2種以上混合したもの
であってもよい。
【0081】上記した通り、本発明では、反応性珪素基
を少なくとも1個有するビニル系重合体をプライマーと
して使用するが、プライマー化に際し、各種溶剤を使用
して作業性のよいプライマーの作成が可能である。湿潤
面に使用する際にはイソプロパノール等のアルコール
類、メチルエチルケトン等のケトン類等極性溶媒を使用
すると更に接着性能を高めることもできる。
【0082】本発明においては、まず被着体上にプライ
マーを塗付し、プライマー層を形成させた後、その上に
上記硬化性組成物を塗付すればよい。プライマーの塗付
方法及び該硬化性組成物の塗付方法としては、特に限定
がなく、従来公知の塗付手段、例えばハケによる塗付、
ロールによる塗付、スプレーによる塗付等を広く採用す
ることができる。プライマーの塗付量としては、被着体
の1m2面積に相当する部分当り、通常20〜400g
程度、好ましくは40〜100g程度とするのがよい。
被着体上にプライマー層を形成させるには、プライマー
塗付後、これを50〜120℃程度に1〜60分程度加
熱してもよいし、又は室温に長時間放置しておいてもよ
い。
【0083】
【発明の効果】本発明の方法によれば、硬化性組成物を
被着体上に強固に接着させることができる。
【0084】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を掲げて本
発明をより一層明らかにする。
【0085】製造例1 ポリプロピレングリコール(数平均分子量2500)9
0重量部及びポリプロピレントリオール(数平均分子量
3000)10重量部を出発原料とし、塩化メチレンを
使用して分子量ジャンプ反応を行なった後、アリルクロ
ライドで分子鎖末端をキャッピングして得られるアリル
エーテル基が全末端の99%に導入された数平均分子量
8000のポリプロピレンオキシド800gを撹拌機
付耐圧反応容器に入れ、メチルジメトキシシラン20g
を加えた。次いで塩化白金酸触媒溶液(H2PtCl6
6H2Oの8.9gをイソプロピルアルコール18ml
及びテトラヒドロフラン160mlに溶解させた溶液)
0.40mlを加えた後、80℃で6時間反応させた。
【0086】反応溶液中の残存水素化珪素基の量をIR
スペクトル分析法により定量したところ、殆ど残存して
いなかった。またNMR法により珪素基の定量をしたと
ころ、分子末端に
【0087】
【化16】
【0088】基を1分子当り約1.75個有するポリプ
ロピレンオキシドが得られた。
【0089】製造例2 ポリプロピレングリコール(数平均分子量2000)を
出発原料とし、塩化メチレンを使用して分子量ジャンプ
反応を行なった後、アリルクロライドで分子鎖末端をキ
ャッピングして得られるアリルエーテル基が全末端の9
5%に導入された数平均分子量5000のポリプロピレ
ンオキシド500gを撹拌機付耐圧反応容器に入れ、ト
リエトキシシラン32gを加えた。次いで塩化白金酸触
媒溶液(製造例1と同様組成)0.40mlを加えた
後、90℃で3時間反応させた。減圧下で過剰のシラン
を除去した後、NMR法により珪素の定量をしたとこ
ろ、分子末端に(CH3CH2O)3SiCH2CH2CH2O−基を1分子
当り約1.8個有するポリプロピレンオキシドが得られ
た。
【0090】製造例3 数平均分子量3000のポリプロピレングリコール30
0gを攪拌機付フラスコに仕込み、次いでトリレンジイ
ソシアネート26gとジブチルスズジラウレート0.2
gとを加え、100℃で5時間窒素ガス気流下にて撹拌
しながら反応させた。その後γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン22.1gを加え、100℃で3時間撹拌
しながら反応させ、平均分子量約6600、末端にトリ
エトキシシリル基を有し、分子中に約2個の反応性珪素
基を有するポリエーテルを得た。
【0091】製造例4 ブチルアクリレート80g、ステアリルメタクリレート
20g、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメ
トキシシラン2.2g、γ−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシラン1.8g及び2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)0.5gを混合、撹拌し、
均一に溶解させた。該混合物25gを攪拌機及び冷却管
付の200ml 4つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じ
ながら油浴で80℃に加熱した。数分後重合が始まり発
熱したが、その発熱が穏やかになってから残りの混合液
を滴下ロートを用いて、3時間かけて徐々に滴下して重
合させた。滴下終了後、15分後及び30分後にそれぞ
れAIBN0.15gずつを追加した。追加終了後、3
0分間撹拌を続け重合反応を終了させた。
【0092】得られた液状ポリマーをゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフ(GPC)で分析したところ、数平
均分子量が約10000であった。
【0093】次にプライマーの合成法を製造例5〜8と
して示す。
【0094】製造例5〜8 攪拌機及び冷却管付4つ口フラスコにキシレンを入れ、
110℃に加熱した後、下記第1表に示すモノマー、重
合開始剤及び連鎖移動剤の混合溶液を6時間かけて滴下
し重合させ、更に2時間の後重合を行なった。得られた
共重合体の分子量及び固形分濃度を第1表に示す。固形
分濃度は第1表の値になるようにキシレンで稀釈して調
製した。
【0095】
【表1】
【0096】実施例1及び比較例1硬化性組成物の調製 製造例1で得られたポリマー100部、エピコート82
8(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポ
キシ(株))75部、2,2′−メチレン−ビス−(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−6)1
部、2,4,6−トリス−(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール(DMP−30)7.5部、N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1部及び
#918(三共有機合成(株)、有機錫化合物)1部をよ
く混合し、硬化性組成物(以下「組成物A」と記す)を
調製する。
【0097】接着性評価方法 製造例5で得られたポリマー溶液をモルタル板(JIS
A 5758準拠、50×50×10mm)に脱脂綿で
2度塗布し、4時間常温で乾燥後、モルタル板にマスキ
ングテープで枠を組み、組成物Aを約4mmの厚さになる
ように流し込み、常温で7日間養生し、硬化させ、接着
性評価サンプルを作製する。その後手剥離で接着性を評
価する(常態接着性)。
【0098】耐水接着性は、常温7日間養生硬化させた
接着性評価サンプルを50℃の温水に7日間浸漬し、そ
の後取り出し手剥離で接着性を評価する(耐水接着
性)。
【0099】湿潤面接着性は、モルタル板を1日間水中
に浸漬した後取り出し、表面を含水ガーゼで拭いて水を
除き、続いて製造例5のポリマー溶液をモルタル板に脱
脂綿で2度塗り、同様な方法で常温7日間養生した接着
性評価サンプルを作製する。その後手剥離で接着性を評
価する(湿潤面接着性)。
【0100】接着性試験結果を下記第2表に示すが、製
造例5のポリマー溶液をプライマーとして使用しなかっ
た以外は同様にして試験を行なった結果を比較例1とし
て第2表に併せて示す。製造例5のポリマー溶液をプラ
イマーとして使用することにより、接着性が大幅に向上
していることが判る。
【0101】
【表2】
【0102】実施例2〜5 実施例1において、プライマー組成を変えた以外は同様
にして試験をした結果を第3表に示す。
【0103】
【表3】
【0104】実施例6〜11 実施例1において、組成物Aの組成を種々変えた以外は
同様にして試験をした結果を第4表に示す。
【0105】
【表4】
【0106】実施例12 実施例1の組成物Aにおいて、製造例1で得られたポリ
マー100部の代わりに製造例4のポリマー60部と製
造例1のポリマー40部との混合物を使用する以外は全
く同様にして硬化性組成物を作製する。また、実施例1
において、製造例5のプライマーを使用する代わりに製
造例8のプライマーを使用する以外は、全く同様にして
接着性評価サンプルを作製し、接着性試験を行なったと
ころ、常態接着性及び耐水接着性共にCFであった。
【0107】実施例13 第1表の製造例5のプライマー作製において、重合は同
様な方法で行なうが、固形分濃度を40%に調整する段
階でキシレンを使用せずに、イソプロパノ―ルを使用し
て固形分濃度40%のプライマーを作製する(製造例
9)。
【0108】実施例1において、製造例5のプライマー
を使用する代りに製造例9のプライマーを使用する以外
は同様にして湿潤面接着性のテストをした結果、CFと
なり湿潤面接着性が改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−162711(JP,A) 特開 昭62−252493(JP,A) 特公 昭47−26415(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 5/02 C09J 163/00 C09J 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 珪素原子に結合した水酸基又は加水分
    解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架
    橋し得る珪素原子含有基を少なくとも1個有するゴム系
    有機重合体、(2) エポキシ樹脂、(3) エポキシ樹脂硬化
    剤及び(4) 上記ゴム系有機重合体の硬化触媒を必須成分
    として含有する硬化性組成物を被着体上に接着させるに
    際し、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有
    し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪
    素原子含有基を少なくとも1個有するビニル系重合体
    (長鎖アルキル含有共重合体をのぞく)をプライマーと
    して用いることを特徴とする接着方法。
JP10057088A 1998-03-09 1998-03-09 接着方法 Expired - Fee Related JP3072510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10057088A JP3072510B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10057088A JP3072510B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 接着方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1024662A Division JP2813801B2 (ja) 1989-02-01 1989-02-01 接着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10245527A JPH10245527A (ja) 1998-09-14
JP3072510B2 true JP3072510B2 (ja) 2000-07-31

Family

ID=13045754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10057088A Expired - Fee Related JP3072510B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3072510B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4843161B2 (ja) * 2001-08-01 2011-12-21 株式会社アルテコ 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用プライマー
JP4843162B2 (ja) * 2001-08-01 2011-12-21 株式会社アルテコ 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用水性プライマー
JP2006348707A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Mitsui Kagaku Sanshi Kk 構造物の表面構造体及びその構築方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10245527A (ja) 1998-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2813801B2 (ja) 接着方法
JP3883215B2 (ja) コンタクト型接着剤
EP0333222B1 (en) Curable polymer composition
JP4886208B2 (ja) 被着体の貼り合せ方法
JP2644861B2 (ja) 2液型硬化性組成物
US20070184290A1 (en) Method of bonding adherend
JPH06172631A (ja) 硬化性組成物
JPH02140220A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3842445B2 (ja) 硬化性組成物
US5336703A (en) Two pack type curable composition comprising epoxy resin and silicon-containing elastomeric polymer
EP1454959A1 (en) Curable composition
JP2634630B2 (ja) 硬化性組成物
JP2964340B2 (ja) 硬化性組成物
WO2006088112A1 (ja) 反応性樹脂組成物
JP4649895B2 (ja) シーリング材組成物
JP3072510B2 (ja) 接着方法
JP2612485B2 (ja) 2液型接着剤
JP4405745B2 (ja) 硬化性接着剤組成物
JP5392564B2 (ja) 複数のポリオキシアルキレン系重合体を用いるスピーカー組立用接着剤
JP2835401B2 (ja) 2液型接着剤
JP2011236363A (ja) (メタ)アクリル系重合体を含む硬化性組成物
JP2009096899A (ja) 硬化性組成物
JP2006002008A (ja) 湿気硬化性組成物および接着剤組成物
JPH04309519A (ja) 硬化性組成物
JPH0859961A (ja) 硬化性の組成物

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees