JP3072397B2 - 光学活性ビシクロアルケノン類の製造方法 - Google Patents

光学活性ビシクロアルケノン類の製造方法

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JP3072397B2
JP3072397B2 JP4055108A JP5510892A JP3072397B2 JP 3072397 B2 JP3072397 B2 JP 3072397B2 JP 4055108 A JP4055108 A JP 4055108A JP 5510892 A JP5510892 A JP 5510892A JP 3072397 B2 JP3072397 B2 JP 3072397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性ビシクロアル
ケノン類〔1〕の製造方法、その前駆体、および該前駆
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】光学活性
ビシクロアルケノン類〔1〕は医農薬、特にプロスタグ
ランディン類、プロスタサイクリン類等の中間体として
有用な化合物である。光学活性ビシクロアルケノン類
〔1〕の製造方法としては、ビシクロアルケノン類
〔4〕にある種の酵母(bakers' yeast)、菌体等を作用
させて不斉加水分解し、対応する光学活性ビシクロアル
ケノール類と、これとは逆の旋光性の光学活性ビシクロ
アルケノン類とを得る方法(J. Chem. Soc. Perkin Tra
ns. I, 1983, 2119 、J. Org.Chem. 1988, 53, 4692)
が知られている。しかしながらこの方法は、目的外の光
学活性ビシクロアルケノール類が生成する、反応条件を
厳しくコントロールする必要がある、容積効率(単位容
積当たりの目的物の収量)が良くない、光学活性ビシク
ロアルケノール類と光学活性ビシクロアルケノン類との
分離操作が煩雑である、等の欠点があり、工業的には満
足できるものではなかった。
【0003】このようなことから、本発明者らは光学活
性ビシクロアルケノン類の製造方法に付き鋭意検討の結
果、ラセミのビシクロアルケノン類〔4〕と光学活性プ
ロパルギルアルコール誘導体〔2〕とを反応させると、
光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕と光学活性プロパ
ルギルアルコール誘導体〔2〕からなる光学活性錯体
〔3〕が結晶として得られることを見出すとともに、該
光学活性錯体を分解することにより、従来の問題点を解
決し、光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕が高光学収
率で、しかも工業的にも有利に製造し得ることを見出し
て本発明にいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一般式
〔4〕 (式中、nは0〜3の整数を表わす。)で示されるビシ
クロアルケノン類と一般式〔2〕 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立してハロゲン化
フェニル基、アルキルフェニル基またはハロゲン原子で
置換されていてもよいアルキル基を表わし、#印は不斉
炭素原子を表わす。)で示される光学活性プロパルギル
アルコール誘導体とを反応させて、一般式〔1〕 (式中、*印は不斉炭素原子を表わし、nは前記と同じ
意味を表わす。)で示される光学活性ビシクロアルケノ
ン類と光学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕か
らなる光学活性錯体〔3〕を得、該光学活性錯体〔3〕
を分解することを特徴とする光学活性ビシクロアルケノ
ン類〔1〕の製造方法、該光学活性錯体〔3〕、および
該光学活性錯体〔3〕の製造方法に関するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。光学活性
ビシクロアルケノン類〔1〕と光学活性プロパルギルア
ルコール誘導体〔2〕からなる光学活性錯体〔3〕は、
ビシクロアルケノン類〔4〕と光学活性プロパルギルア
ルコール誘導体〔2〕とを反応させることにより製造す
ることができる。該反応において用いられるビシクロア
ルケノン類〔4〕としては、ビシクロ〔2.2.0〕ヘ
キサ−2−エン−5−オン、ビシクロ〔3.2.0〕ヘ
プト−2−エン−6−オン、ビシクロ〔4.2.0〕オ
クト−2−エン−7−オン、ビシクロ〔5.2.0〕ノ
ナ−2−エン−8−オン等を挙げることができ、例え
ば、J. Am. Chem. Soc., 63, 1941, 870、J. Am. Chem.
Soc., 73, 1951, 2098 、Tetrahedron, Vol.27, 615(1
971)等に記載された方法により製造することができる。
ビシクロアルケノン類〔4〕は、通常、ラセミ体が用い
られるが、いずれか一方の光学活性体を多く含む光学活
性混合物であってもよい。ビシクロアルケノン類〔4〕
の量は、光学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕
に対し通常、1倍当量以上、好ましくは2〜5倍当量で
ある。
【0006】光学活性プロパルギルアルコール誘導体の
置換基R1 とR2 とは同一でも相異なっていてもよい
が、好ましくは同一のものが使用される。置換基R1
2 としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、ブロ
モプロピル基、フルオロブチル基等のハロゲン原子で置
換されていてもよいアルキル基、クロロフェニル基、フ
ルオロフェニル基、ブロモフェニル基等のハロゲン化フ
ェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロ
ピルフェニル基等のアルキルフェニル基を挙げることが
できる。好ましくはクロロフェニル基、フルオロフェニ
ル基、ブロモフェニル基を挙げることができ、さらに好
ましくはクロロフェニル基を挙げることができる。かか
る具体的化合物としては、例えば、(+)または(−)
−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェ
ニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)
または(−)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o
−ブロモフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベン
ゼン、(+)または(−)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(o−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプ
ロピニル〕ベンゼン、(+)または(−)−1,3−ビ
ス〔1−フェニル−1−(p−クロロフェニル)−1−
ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)または(−)
−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−メチルフェ
ニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)
または(−)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o
−エチルフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベン
ゼン、(+)または(−)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(p−メチルフェニル)−1−ヒドロキシプロ
ピニル〕ベンゼン、(+)または(−)−1,3−ビス
〔1−フェニル−1−(p−プロピルフェニル)−1−
ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)または(−)
−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(2−クロロエチ
ル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)ま
たは(−)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(4−
クロロブチル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼ
ン、(+)または(−)−1,3−ビス〔1−フェニル
−1−プロピル−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼ
ン、(+)または(−)−1,3−ビス〔1−フェニル
−1−メチル−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン、
(+)または(−)−1−〔1−フェニル−1−(o−
クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕−3−
〔1−フェニル−1−(o−ブロモフェニル)−1−ヒ
ドロキシプロピニル〕ベンゼン、(+)または(−)−
1−〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−1
−ヒドロキシプロピニル〕−3−〔1−フェニル−1−
(o−メチルフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕
ベンゼン、(+)または(−)−1−〔1−フェニル−
1−(o−ブロモフェニル)−1−ヒドロキシプロピニ
ル〕−3−〔1−フェニル−1−(o−エチルフェニ
ル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン等を挙げる
ことができる。
【0007】該反応は、通常、溶媒存在下に行われ、か
かる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、リグロイン、石油エーテル等の脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン等の脂環式炭化水素等の炭化水素系溶媒、四
塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハ
ロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
等の芳香族ハロゲン化炭化水素等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、シクロペンタノール等のアルコール系溶媒、エ
チルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエス
テル系溶媒、アセトニトリル等の極性溶媒等を挙げるこ
とができ、これらは単独で、または混合して用いること
ができる。
【0008】反応温度は−20℃から使用する溶媒の沸
点の範囲で任意であるが、通常は0〜80℃の範囲であ
る。必要により、例えば、種晶の添加、結晶化時におけ
る反応液の冷却、溶媒特にヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素の反応液への追加等、を行って光学活性錯体
〔3〕の結晶化を促進させることもできる。反応終了
後、例えば、濾過、洗浄することにより、光学活性錯体
〔3〕が結晶として得られ、必要により精製することも
できる。また、光学活性錯体〔3〕結晶化後の濾液は、
例えばラセミ化後リサイクル使用することもできる。
【0009】前記により得られる光学活性プロパルギル
アルコール誘導体〔2〕と光学活性ビシクロアルケノン
類〔1〕からなる光学活性錯体〔3〕を分解することに
より光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕が得られる。
該分解は、溶融、溶媒等への溶解等により容易に行うこ
とができ、光学活性錯体〔3〕の分解および生成する光
学活性ビシクロアルケノン類〔1〕の分離は、例えば、
以下の方法により行うことができる。 蒸留による方法 クロマトグラフィーによる方法 ゲスト分子を作用させる方法
【0010】まず、について述べる。光学活性錯体
〔3〕を常圧または減圧下に、溶融させ、蒸留すること
により光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕を留出させ
ることができる。通常、該蒸留は減圧下に行われ、その
圧力は通常、0.1〜30mmHgである。また、光学
活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕は、回収、リ
サイクルすることができる。次にについて述べる。光
学活性錯体〔3〕を溶媒等に溶解させ、クロマトグラフ
ィー、例えばカラムクロマトグラフィー等により、光学
活性ビシクロアルケノン類〔1〕を得ることができる。
展開溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、ク
ロロホルム等の溶媒を、単独または混合して用いること
ができる。また、光学活性プロパルギルアルコール誘導
体〔2〕は、回収、リサイクルすることができる。
【0011】次にについて述べる。光学活性錯体
〔3〕にゲスト分子を作用させることにより、光学活性
ビシクロアルケノン類〔1〕を得ることができる。該方
法は、光学活性錯体〔3〕とゲスト分子を混合し、配位
交換により光学活性プロパルギルアルコール誘導体
〔2〕とゲスト分子からなる錯体を結晶として析出させ
て除き、光学活性ビシクロアルケノン〔1〕を得る方法
であり、種々の方法が適用できるが、例えば、下記の方
法を挙げることができる。 (1) 光学活性錯体〔3〕とゲスト分子を混合し均一溶液
とした後、溶媒を添加して、ゲスト分子と光学活性プロ
パルギルアルコール誘導体〔2〕からなる錯体を析出さ
せる。 (2) 光学活性錯体〔3〕およびゲスト分子を溶媒に混合
し、加熱してまたは加熱せずに均一溶液とした後、冷却
してまたは冷却せずにゲスト分子と光学活性プロパルギ
ルアルコール誘導体〔2〕からなる錯体を析出させる。 (3) 光学活性錯体〔3〕と、過剰量のゲスト分子を混合
し加熱して均一溶液とした後、冷却して、ゲスト分子と
光学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕からなる
錯体を析出させる。尚、ここで溶媒とは、前記した光学
活性錯体〔3〕の製造において用いるものと同様の溶媒
を指すものであり、この方法においても該溶媒と同様の
溶媒を使用することができる。
【0012】該反応において、ゲスト分子としては、例
えばメチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトン、
シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン等
の環状エーテル類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイ
ジン、キシリジン、アニシジン等の芳香族アミン、ベン
ズアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド
等の芳香族アルデヒド類、ジメチルスルホキシド、ジエ
チルスルホキシド等の脂肪族スルホキシド類、N,N−
ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類等を挙げるこ
とができ、その使用量は光学活性錯体〔3〕に対し通
常、1倍当量以上、好ましくは2〜10倍当量である。
反応温度は−20℃から使用する溶媒もしくはゲスト分
子の沸点の範囲で任意であり、通常、−10〜100℃
の範囲である。
【0013】反応終了後、析出したゲスト分子と光学活
性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕からなる錯体を
濾過して除いた後、例えば、濾液を濃縮することによ
り、光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕が得られ、必
要によりさらにクロマトグラフィー、蒸留等の精製を行
ってもよい。また、濾取したゲスト分子と光学活性プロ
パルギルアルコール誘導体〔2〕からなる錯体は例え
ば、減圧下の加熱や、カラムクロマトグラフィー等の処
理を行うことにより光学活性プロパルギルアルコール誘
導体〔2〕として回収、リサイクルすることができる。
【0014】また、光学活性プロパルギルアルコール誘
導体〔2〕は、例えば、下記に示すルートにより製造す
ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性ビシクロアル
ケノン類〔1〕を高い光学純度で得ることができる。さ
らに本発明によれば、該目的化合物〔1〕が効率的に、
しかも操作も従来の方法に比べ簡便に製造し得るので工
業的に有利である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 攪拌装置、温度計および冷却管を装着した4ツ口フラス
コに(+)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−
クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼ
ン3.0g、ビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−6
−オン(メルク社製)1.16g およびエーテル−ヘキサン
混合液20mlを仕込み、溶解後、室温で12時間放置する。
析出する針状結晶を濾過して、(+)−1,3−ビス
〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒ
ドロキシプロピニル〕ベンゼン:(+)−ビシクロ
〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−6−オン=1:1の
光学活性錯体2.34g を得る。 m.p. 101〜102 ℃、光学純度 90%ee(GC により測定)1 H-NMR(270MHz, CDCl3) δ(ppm) 1.9(d, 1H)(+B), 2.2
(t, 1H)(+B), 2.3-2.4(dd, 1H)(+B), 2.8-2.9(dd, 1H)
(+B), 3.1(bq, 2H)(+B), 3.3(S, 2H)(+P), 5.0(s,2H)(+
B), 7.2-7.9(m, 22H)(+P) (ここで、+Bは(+)−ビシクロ〔3.2.0〕ヘプト
−2−エン−6−オンに、+Pは(+)−1,3−ビス
〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒ
ドロキシプロピニル〕ベンゼンにそれぞれ由来するピー
クであることを表わす。)
【0017】実施例2 (−)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロ
ロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼンを
用いる以外は実施例1と同様の処理を行えば、(−)−
1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニ
ル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン:(−)−
ビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−6−オン=
1:1の光学活性錯体が得られる。
【0018】実施例3 攪拌装置、温度計および冷却管を装着した4ツ口フラス
コに(+)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−
クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼ
ン3.0g、ビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−7
−オン1.31g およびエーテル−ヘキサン混合液20mlを仕
込み、溶解後、室温で12時間放置する。析出する結晶を
濾過して、(+)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−
(o−クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕
ベンゼン:(+)−ビシクロ〔3.2.0〕オクト−2
−エン−7−オン=1:1の光学活性錯体2.26g を得
る。m.p. 95 〜97℃、光学純度 80%ee(GC により測定)
【0019】実施例4 (−)−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロ
ロフェニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼンを
用いる以外は実施例3と同様の処理を行えば、(−)−
1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニ
ル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン:(−)−
ビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−7−オン=
1:1の光学活性錯体が得られる。
【0020】実施例5 実施例1で得られる(+)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロ
ピニル〕ベンゼン:(+)−ビシクロ〔3.2.0〕ヘ
プト−2−エン−6−オン=1:1の光学活性錯体2.34
g を減圧下(20mmHg)に加熱蒸留して、(+)−ビシク
ロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−6−オン0.37g を
得る。 光学純度92%ee(GCにより測定)
【0021】実施例6 実施例2で得られる(−)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロ
ピニル〕ベンゼン:(−)−ビシクロ〔3.2.0〕ヘ
プト−2−エン−6−オン=1:1の光学活性錯体を用
いる以外は実施例5と同様の処理を行えば、(−)−ビ
シクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−6−オンが得
られる。
【0022】実施例7 実施例3で得られる(+)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロ
ピニル〕ベンゼン:(+)−ビシクロ〔3.2.0〕オ
クト−2−エン−7−オン=1:1の光学活性錯体2.26
g をカラムクロマトグラフィーによる処理を行って、
(+)−ビシクロ〔3.2.0〕オクト−2−エン−7
−オン0.39g を得る。 〔α〕D 25+155°(c=0.30,MeOH) 、光学純度90%ee(GCに
より測定)
【0023】実施例8 実施例4で得られる(−)−1,3−ビス〔1−フェニ
ル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒドロキシプロ
ピニル〕ベンゼン:(−)−ビシクロ〔3.2.0〕オ
クト−2−エン−7−オン=1:1の光学活性錯体を用
いる以外は実施例7と同様の処理を行えば、(−)−ビ
シクロ〔3.2.0〕オクト−2−エン−7−オンが得
られる。
【0024】製造例1 1000mlナスフラスコ中で(+)−1−フェニル−1−
(o−クロロフェニル)−2−プロピン−1−オール
(〔α〕D =+138°)53.5g 、m−ジブロモベンゼ
ン26.0g 、およびトリエチルアミン280ml を混合後、Pd
Cl2(PPh3)2を0.10g、CuI を0.10g 、PPh3を0.52g 添加
し、ジムロート冷却器を接続後、約4 時間還流させる。
放冷後、エーテル300ml を加えて希釈し、生成した臭化
水素とトリエチルアミンとの塩を濾過により除き、該塩
をエーテルで洗浄する。濾液および洗液を水、希塩酸で
洗浄後、さらに重曹水、飽和食塩水で洗浄する。無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、黄色のオイル状物が得
られる。この黄色のオイル状物のうち極少量をトルエン
を用いてクロマト精製後、得られる精製オイルにTHF
とn−ヘキサンを加えて、結晶として(+)−1,3−
ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−1
−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼンとTHFとの錯体を
得る(後述する錯体の結晶化用種晶)。前記した残りの
黄色のオイル状物にTHFとn−ヘキサンを加え、種晶
を添加後、放置し結晶化させる。得られる(+)−1,
3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)
−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼンとTHFとの錯
体の結晶をTHF−n−ヘキサンから数回再結晶を行
う。得られる精製錯体結晶をガラスチューブオーブンで
減圧下加熱してTHFをとばすと、薄黄色結晶の(+)
−1,3−ビス〔1−フェニル−1−(o−クロロフェ
ニル)−1−ヒドロキシプロピニル〕ベンゼン46.0g を
得る。 〔α〕D =+95.2 °(c=1.0, MeOH)
【0025】製造例2 (−)−1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−
2−プロピン−1−オールを用いる以外は製造例1と同
様に反応および後処理を行えば、(−)−1,3−ビス
〔1−フェニル−1−(o−クロロフェニル)−1−ヒ
ドロキシプロピニル〕ベンゼンが得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 45/85 C07C 49/623 C07B 53/00 C07B 57/00 340 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔4〕 (式中、nは0〜3の整数を表わす。)で示されるビシ
    クロアルケノン類と一般式〔2〕 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立してハロゲン化
    フェニル基、アルキルフェニル基またはハロゲン原子で
    置換されていてもよいアルキル基を表わし、#印は不斉
    炭素原子を表わす。)で示される光学活性プロパルギル
    アルコール誘導体とを反応させて、一般式〔1〕 (式中、*印は不斉炭素原子を表わし、nは前記と同じ
    意味を表わす。)で示される光学活性ビシクロアルケノ
    ン類と光学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕か
    らなる光学活性錯体〔3〕を得、該光学活性錯体〔3〕
    を分解することを特徴とする光学活性ビシクロアルケノ
    ン類〔1〕の製造方法。
  2. 【請求項2】光学活性光学活性ビシクロアルケノン類
    〔1〕と光学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕
    からなる光学活性錯体〔3〕。
  3. 【請求項3】ビシクロアルケノン類〔4〕と光学活性プ
    ロパルギルアルコール誘導体〔〕とを反応させること
    を特徴とする光学活性ビシクロアルケノン類〔1〕と光
    学活性プロパルギルアルコール誘導体〔2〕からなる光
    学活性錯体〔3〕の製造方法。
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