JP3071704U - コンクリート床開口部用のカバー体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設中のコンクリート床の開口部を塞ぐカバ
ー体であって、特に、比較的大きな開口部にも使用でき
る汎用性があり、安全性や事故防止に優れ、その取付け
取外しなどが簡易に行え、安定性にも優れ、且つ再利用
可能なリサイクル性があること。 【解決手段】 カバー体１０は、開口部２３を覆う大き
さの支持板１１と、支持板１１の裏面略中央部に固着し
た屈曲状の板バネ１８からなる複数の脚片１２を備える
基板１９とで構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建設中のコンクリート床に構成されるコンクリート床開口部用のカ バー体に係り、特に、汎用性に優れ、作業者の安全性や開口部からの墜落、落下 などの事故防止ができ、その取付け取外しなどが簡易に行え、安定性にも優れ、 且つ再利用可能なリサイクル性に優れるコンクリート床開口部用のカバー体に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

建設中のコンクリートの建物にあっては、床や壁などのコンクリート打ちの段 階で、各種配管や配線のための開口部が予め多数設けられている。この開口部を そのままの状態で放置することは、作業者が開口部に脚を取られたり、物が落下 したりする危険性があるし、下段の床面に雨水が流れ、この床面に雨水が溜まる などの不都合が発生している。

【０００３】 この不都合の解消するため、上記する開口部を塞ぐコンクリート床の開口部に 用いるカバー体として、例えば、実開平４−２６５９１号に係るコンクリート床 開口部用仮止栓の考案が知られている。

【０００４】 この仮止栓１は、開口部２を覆う十分な大きさの上部支持板３と、上部支持板 ３の下面から下方へ突出し、開口部２の内径に適合した外径を有する弾性材料の 円筒状側壁４から構成されている。そして、この側壁４の外面に、側壁１に接す る突条５が突出させてあり、また、支持板３の内部に補強用鉄板６が埋込んであ る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、開口部の大きさは、一定でないため、各種多数の大きさの上部 支持板３が必要となるし、同様に各種大きさに突条５を形成した側壁６が必要に なるなど多様寸法に対応できるように形成した仮止栓１が必要となる。また、こ の支持板３と一体に弾性材料の円筒状側壁４を構成し、支持板３の内部に補強用 鉄板６が埋込んでいるため、その製作が面倒であるし、コスト的にも高価になら ざるを得ない。

【０００６】 本考案は、上記する課題を解決するために、特に、ある程度の大きさの開口部 に対応できる汎用性を有すると共に、開口部による危険性及び墜落や落下などの 事故防止ができ、その取付け取外しなどが簡易に行え、安定性にも優れ、且つ再 利用可能なリサイクル性に優れるコンクリート床開口部用のカバー体を提供する ことを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するため、本考案に係る第１の考案は、コンクリート床 開口部用のカバー体であって、このカバー体は、開口部を覆う大きさの板状の支 持板と、この支持板の裏面に設けた板バネを屈曲状に形成させた複数の脚片を備 える基板とで構成されていることを特徴とするものである。 第２の考案は、支持板の表面に滑り止め模様が施されいることを特徴とし、第 ３の考案は、支持板は、平面形状が多角形状または円形状に形成されていること を特徴とするものである。

【０００８】 また、第４の考案は、脚片は、それぞれ基端部側から外側に向かう外向き傾斜 片と、略中央部において内側に向かって折返した内向き傾斜片とを備える金属製 の板バネで構成されていることを特徴とし、第５の考案は、複数の脚片を備える 基板は、支持板の裏面略中央部に固着されていることを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

第１の考案によれば、コンクリート床開口部は、カバー体の支持板で覆われ、 開口部による作業者の危険性及び事故防止が図れる。しかも、板バネによりある 程度の開口部の大きさに対応できる。第２の考案によれば、滑り止め模様によっ て作業者は、足元の安全性が図れ、第３の考案によれば、開口部を完全に塞ぐこ とができる。

【００１０】 また、第４の考案によれば、板バネの弾性でカバー体は、安定性が増して開口 部を閉鎖でき、弾性ある板バネによりある程度の大きさの開口部に対応できる汎 用性がある。第５の考案によれば、カバー体が、支持板と基板とが一体化され、 堅固な構成となる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。図１は、本考案に係るカ バー体を裏面側から見た斜視図、図２は、同使用状態を示す説明用断面図、図３ は、異なるカバー体を裏面側から見た斜視図、図４は、さらに異なるカバー体を 裏面側から見た斜視図である。

【００１２】 図１及び図２に示すカバー体１０は、支持板１１と脚片１２を備える基板１９ とから構成されている。図示の場合、この支持板１１は、平面形状が略正方形状 に形成され、その表面に縞状などの滑止め模様１３が施されている。しかし、こ の模様１３は、任意であり、必ずしも必要なものでもない。また、支持板１１の ４隅は、カット１４を施してあるが、必ずしも必要なものでもなく、カット１４ を省いて、略正方形状のままでもよい。その材質は、鉄板やステンレス鋼板など の金属材が好ましいが、アクリル系などの合成樹脂材及び合成ゴムなどのゴム材 などで構成してもよい。

【００１３】 一方、脚片１２を備える基板１９は、図示のように基端部側からそれぞれ外側 に向かって傾斜する外向き傾斜片１６と、略中央部においてそれぞれ内側に向か って折返した傾斜する内向き傾斜片１７を備えた帯状の板バネ１８からなり、図 示では、３本の脚片１２が設けられているが、その数は、任意である。また、こ の基板１９は、角形状であり、その表面２０に板バネ１８の基端部が溶接２１で 固着されている。

【００１４】 このようなカバー体１０によれば、図示２のように、コンクリート床の開口部 ２３に沿わせてカバー体１０の脚片１２を挿入させて、その支持板１１を開口部 ２３に被せることにより開口部２３が閉鎖される。

【００１５】 この場合、その脚片１２を構成する各板バネ１８の外径が、開口部２３より若 干大きめのものを使用すると、その板バネ１８の弾性でより安定的に開口部２３ が閉鎖される。なお、図２の使用状態では、開口部２３にカバー体１０の支持板 １１が突出するように被せてある。しかし、図示省略する開口部２３の周縁部を 削って、支持板１１が突出しないようにコンクリート床面と略同一面を構成する ようカバー体１０を被せてもよい。

【００１６】 図３に示すカバー体２５は、その支持板２６が六角形状であり、その他の構成 は、上記するカバー体１０と同じである。また、図４に示すカバー体３０は、そ の支持板３１が円形状からなり、その他の構成は、上記するカバー体１０と同じ であるため、その詳しい説明は省略する。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成からなり、次のような効果がある。 建設中のコンクリート床に構成されるコンクリート床開口部は、カバー体の 支持板で塞がれ、作業者の危険性や開口部からものの墜落、落下などの事故防止 ができる。 カバー体の開口部への取付け、取外しは、その脚片を開口部に沿わせればよ いため、簡易に行えるなどの作業性に優れる効果を発揮する。 カバー体の脚片は、各板バネが弾性を有するため、比較的大きな支持板に脚 片を取付けることができる汎用性があり、また、カバー体の開口部への取付けの 安定性がより増大する。 支持板の表面に縞状などの滑止め模様を施してあり、作業者の滑りを防止で き、安全性に優れる。 カバー体は、支持板に脚片を備える基板が固着されているため、堅固な構成 となる。 カバー体は、上記する材質の支持板と脚片で構成されているため、再利用可 能なリサイクル性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るカバー体を裏面側から見た斜視
図。

【図２】同使用状態を示す断面図。

【図３】異なるカバー体を裏面側から見た斜視図。

【図４】さらに異なるカバー体を裏面側から見た斜視
図。

【図５】従来例の使用状態を示す断面図。

【符号の説明】

１０ カバー体 １１ 支持板 １２ 脚片 １８ 板バネ １９ 基板 ２３ 開口部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート床開口部用のカバー体であ
   って、このカバー体は、開口部を覆う大きさの板状の支
   持板と、この支持板の裏面に設けた板バネを屈曲状に形
   成させた複数の脚片を備える基板とで構成されているこ
   とを特徴とするコンクリート床開口部用のカバー体。
2. 【請求項２】 支持板の表面に滑り止め模様が施されい
   ることを特徴とする請求項１記載のコンクリート床開口
   部用のカバー体。
3. 【請求項３】 支持板は、平面形状が多角形状または円
   形状に形成されていることを特徴とする請求項１又は２
   記載のコンクリート床開口部用のカバー体。
4. 【請求項４】 脚片は、それぞれ基端部側から外側に向
   かう外向き傾斜片と、略中央部において内側に向かって
   折返した内向き傾斜片とを備える金属製の板バネで構成
   されていることを特徴とする請求項１，２又は３記載の
   コンクリート床開口部用のカバー体。
5. 【請求項５】 複数の脚片を備える基板は、支持板の裏
   面略中央部に固着されていることを特徴とする請求項
   １，２，３または４記載のコンクリート床開口部用のカ
   バー体。