JP3071456U - 直列動翼を有するファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の動翼を直列接続してから、各動翼間の
気流干渉を回避して、風圧を増大する直列動翼を有する
ファンを得る。 【解決手段】 フレームと、それぞれインレット側、ア
ウトレット側及び少なくとも一つのブレードを有する複
数の動翼部と、それぞれは対応する少なくとも一つの動
翼部を回転自在に支持し、前記フレーム内に設けられる
少なくとも一つの支持部と、を備え、前記複数の動翼部
が軸方向に直列接続され、第i動翼部に対してアウトレ
ット側より流出する空気の速度ベクトルを、第i動翼部
のブレードが第i+1動翼部のブレードに対する速度ベク
トルに加算した結果は第i+1動翼部のブレードに対して
流入する空気の速度ベクトルであり、その速度ベクトル
は実質的に第i+1動翼部のブレードのインレット側の表
面の大体の接線方向に平行となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は軸流ファンに関し、特に複数の動翼を直列接続する軸流ファンに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

軸流ファンは送風機としてよく使われている。構造が簡単で、コストが低く、 且つ風量が大きい等のメリットがあるので、エアコンやコンピュータシステムの 放熱ファンとして広汎に使われている。

【０００３】 一般に、軸流ファンは全圧が低いので、システムのインピーダンスが大きい場 合、軸流ファンは大風量の特性を十分に発揮できない。従って、大風圧が必要で ある場合、一般に二個以上の軸流ファンを直列接続する。

【０００４】 また、ファンが故障で運転停止することを回避するため、一般に元のファンに 予備ファンを設けるが、二つのファンを直列接続することにより、生成した風圧 はサミングになることが期待できない。実際に、一個のファンが回転して、もう 一個のファンが予備ファンとして止まる場合、予備ファンの存在によって回転中 のファンの全圧が低減する。なぜならば、二つのファンが直列接続し合う場合、 両者のインピーダンスが増えるので、両者の運転効率が劣化する。従って、例え ばエア・コンの風管において、直列接続する軸流ファン同士の干渉を低減するた め、一般に軸流ファン同士を遠く隔たるように配置する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、取付空間が限られる場合、軸流ファン同士を遠く隔たるように配置す ることは無理である。

【０００６】 本考案は前記課題を解決するためになされたものであって、複数の動翼を直列 接続してから、各動翼間の気流干渉を回避することにより、風圧を増大する直列 動翼を有するファンが提供される。

【０００７】 また、本考案は軸方向における占有スペースが小さく、複数の直列動翼を有す るファンを提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案に係る直列動翼を有するファンは、フレーム と、それぞれインレット側、アウトレット側及び少なくとも一つのブレードを有 する複数の動翼部と、それぞれは対応する少なくとも一つの動翼部を回転自在に 支持し、前記フレーム内に設けられる少なくとも一つの支持部と、を備え、前記 複数の動翼部が軸方向に直列接続され、第i動翼部に対してアウトレット側より 流出する空気の速度ベクトルを、第i動翼部のブレードが第i+1動翼部のブレード に対する速度ベクトルに加算した結果は第i+1動翼部のブレードに対して流入す る空気の速度ベクトルであり、その速度ベクトルは実質的に第i+1動翼部のブレ ードのインレット側の表面の大体の接線方向に平行し、iは複数の動翼部の数よ り小さい自然数である。

【０００９】 また、本考案に係る直列動翼を有するファンはそれぞれは前記複数の動翼部の おのおのに対応する支持部に設けられ、前記複数の動翼部のおのおのを回転させ るように駆動する複数の駆動モータを備える。

【００１０】 本考案によって、各動翼部は設計される際、既に気流干渉の問題を考えたため 、前述の原理に基づいて各動翼部のブレードの形状を設計することによって、直 列接続された複数の動翼が生成した風圧を向上することができる。

【００１１】 本考案によって、複数の動翼部を単一のフレーム内に設け、かつ動翼部同士の 間の距離を短くすることができるため、軸方向におけるファンの寸法を抑えるこ とができる。

【００１２】 本考案によって、動翼部同士の間の関係を利用して気流を案内するため、余計 な部材が要らない。従って、製造と取付のコストを抑えることができ、コストダ ウンが可能である。

【００１３】 本考案によって、単一のフレーム内に複数の動翼部が設けられるため、正常に 回転する動翼が生成した風圧に影響を与えないように一部の動翼部が予備動翼と して機能させることができる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、図面に基づき本考案の好適な実施の形態に係わる直列動翼を有するファ ンを説明する。

【００１５】 図1は本考案の好適な実施の形態に係わる直列動翼を有するファン10の斜視図 を示す。図1に示すように、本考案の好適な実施の形態に係わる直列動翼を有す るファン10は、フレーム11と、第1動翼部12と、第2動翼部13とを備え、第1動翼 部12が直列動翼を有するファン10のインレット側に設けられ、三つのブレード12 3を有し、第2動翼部13が直列動翼を有するファン10のアウトレット側に設けられ 、三つのブレード133を有する。フレーム11の内部には、その内周面から大体径 方向に延びて、中心部にある支持部17につなぐ複数の支持リブ14が設けられる。 それぞれファン10のインレット側とアウトレット側とに設けられ、第1動翼部12 と第2動翼部13とを回転させるように駆動する第1駆動モータ15と第2駆動モータ1 6とが設けられる。

【００１６】 図2は第1動翼部12と第2動翼部13とが相対的に回転する際、第1ブレード123と 第2ブレード133との相対関係を示す。その中、121と122とはそれぞれ第1ブレー ド123のインレット側とアウトレット側とを示し、131は第2ブレード133のインレ ット側を示す。第2動翼部13を予備動翼部とする場合、ファン10が正常に運転す る時、第1動翼部12のみが回転する。この時、もし第1ブレード123が矢印50に示 す方向に沿って回転すれば、空気は第1ブレード123のインレット側121でせん断 された後、第1ブレード123に沿ってアウトレット側122から流出する。図2におい て、ベクトル201は第1ブレード123に対してアウトレット側より流出する気流の 方向及び速度を示す。このベクトル201を、第1ブレード123の回転速度ベクトル2 02（第2ブレード133が静止している）に加算した結果であるベクトル203は、第2 ブレード133に対して流入する空気の方向及び速度を示す。

【００１７】 ベクトル204は第2ブレード133のインレット側131の表面の大体の接線方向を示 す。もしベクトル203とベクトル204とは平行を成せば、明らかに気流が最小の空 気抵抗を受け、各動翼部同士の間の干渉が最低限に抑える。実際に、この場合で は予備動翼部とする第2ブレード133の機能は従来の案内ブレードに類似する。気 流の干渉がほぼないと共に、気流の流出方向を調整でき、風量及び風圧が向上さ れる。

【００１８】 第1動翼部12と第2動翼部13が同時に回転することもできる。この場合、望まし い回転速度及び風速に応じて、気流が第1ブレード123から流出した後、前述のよ うに、第2ブレード133のインレット側131の表面の大体の接線方向に平行して第2 ブレード133に流入するように、第1ブレード123及び第2ブレード133の形状を設 計できる。

【００１９】 また、第2駆動モータ16を支持部17に取り付ける代わりに、第2動翼部13を、支 持部17に対して回転自在に支持部17によって支持されるシャフトに取り付けるこ ともできる。この場合、第2動翼部13が駆動モータに駆動されて回転する代わり に、支持部17に対して自在に回転でき、流出案内の機能のみを有する。同様に、 ブレードの形状を適宜に設計することによって、第1駆動モータ15を設けなく、 第1動翼部12が流入案内の機能のみを有することになる。

【００２０】 第1動翼部12と第2動翼部13とは同一のフレーム内に設けられるため、別の案内 部材が要らない。なお、両動翼部間の距離が最小に抑えられるため、本考案に係 る直列動翼を有するファンは軸方向における占有スペースが最小に抑えられる。 この特性は取付空間が限られているが、大風量や大風圧が必要であるファンにと っては大切である。

【００２１】 第1動翼部12と第2動翼部13とは、そのブレードの数、ブレードの形状、回転方 向及び回転速度がいずれも異なることが可能である。従って、これらの条件が異 なることによって、ファンの回転平衡を達成し、回転する時に発生する振動と騒 音を低減するようにした両動翼部を設計する。なお、一台の駆動モータを共用す る両動翼部のブレードを配置することにより、製造及び組立のコストも低く抑え ることが出来る。

【００２２】 なお、ファンの風圧や風量を更に増大するため、三つ以上の動翼部を直列接続 することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適な実施の形態に係わる直列動翼を
有するファンの斜視図である。

【図２】本考案の好適な実施の形態に係わる直列動翼を
有するファンにおいて、両動翼部のブレード間の相対回
転関係である。

【符号の説明】

１０ ファン １１ フレーム １２ 第1動翼部 １２１ 第1ブレードのインレット側 １２２ 第1ブレードのアウトレット側 １２３ 第1ブレード １３ 第2動翼部 １３１ 第2ブレードのインレット側 １３３ 第2ブレード １４ 支持リブ １５ 第1駆動モータ １６ 第2駆動モータ １７ 支持部 ２０１ 第1ブレード123に対してアウトレット側より流
出する気流の方向及び速度 ２０２ 第1ブレード123の回転速度ベクトル ２０３ 第2ブレード133に対してインレット側に流入す
る気流の方向及び速度 ２０４ 第2ブレード133のインレット側131の表面の大
体の接線方向 ５０ 第1ブレード123の回転方向

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【手続補正書】

【提出日】平成１２年４月２０日（２０００．４．２
０）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームと、それぞれインレット側、アウ
   トレット側及び少なくとも一つのブレードを有する複数
   の動翼部と、それぞれは対応する少なくとも一つの動翼
   部を回転自在に支持し、前記フレーム内に設けられる少
   なくとも一つの支持部と、を備え、 前記複数の動翼部が軸方向に直列接続され、第i動翼部
   に対してアウトレット側より流出する空気の速度ベクト
   ルを、第i動翼部のブレードが第i+1動翼部のブレードに
   対する速度ベクトルに加算した結果は第i+1動翼部のブ
   レードに対して流入する空気の速度ベクトルであり、そ
   の速度ベクトルは実質的に第i+1動翼部のブレードのイ
   ンレット側の表面の大体の接線方向に平行し、iは複数
   の動翼部の数より小さい自然数である。
2. 【請求項２】それぞれは前記複数の動翼部のおのおのに
   対応する支持部に設けられ、前記複数の動翼部のおのお
   のを回転させるように駆動する複数の駆動モータを備え
   る、請求項１に記載の直列動翼を有するファン。