JP3071052U - トイレットペーパーロール - Google Patents

トイレットペーパーロール

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JP3071052U
JP3071052U JP2000000753U JP2000000753U JP3071052U JP 3071052 U JP3071052 U JP 3071052U JP 2000000753 U JP2000000753 U JP 2000000753U JP 2000000753 U JP2000000753 U JP 2000000753U JP 3071052 U JP3071052 U JP 3071052U
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隆三 久保田
輔貞 渡邉
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春日製紙工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般家庭用のトイレットホルダーの太軸部に
装着可能な太筒芯を有するトイレットペーパーロールで
あって、巻き戻し音が著しく減少し、前記太筒芯をトイ
レに流すことができ、且つ太筒芯を安価に製造でき、ひ
いてはトイレットペーパーロールの製造価格をも安価に
すること。 【解決手段】 直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサ
イズ紙製の太筒芯1と、該太筒芯1に最初から最後まで
略柔らかく巻き付けられたトイレットペーパー2とから
なること。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、一般家庭用のトイレットホルダーの太軸部に装着可能な太筒芯を有 するトイレットペーパーロールであって、巻き戻し音が著しく減少し、前記太筒 芯をトイレに流すことができ、且つ太筒芯を安価に製造でき、ひいてはトイレッ トペーパーロールの製造価格をも安価にできるトイレットペーパーロールに関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なトイレットペーパーロールは、トイレットペーパーと紙筒芯( コア)とが別々になっており、そのコアはボール紙製の厚紙材にて形成され直径 約3.8cm〜約4.5cm程度の円筒体である。これに対して、近年では上記トイ レットペーパーと、該トイレットペーパーを巻いたロール中心側の一部をコアと した、いわゆるコアレスタイプのトイレットペーパーロールが研究・開発され、 市場に出回っている。
【0003】 このコアレストイレットペーパーロールでは、ロール中心部の孔内径が特に小 さいタイプと、一般家庭用のトイレットペーパーロールホルダーの太軸部に装着 可能な,太い孔内径の大きなタイプとが存在している。その孔内径の小さいタイ プでは、前記ホルダーの軸部も直径の小さいものが使用されているため、これで は一般家庭で使用されるトイレットペーパーロールホルダーの太軸部には使用す ることができず、不向きであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
このコアレストイレットペーパーロールのロール中心部の孔内径の小,大にか かわらず、いずれも、殆ど最初から最後まで略硬く巻き付けたものであり、柔ら かく巻き付けたものは存在しなかった。これはトイレットペーパーを巻いたロー ル中心側の一部をコアとして形成するには、最初から最後まで硬く巻くことが必 須条件だったことによるものである(実公平6−47356号参照)。このため 、一般市場又はユーザーとしては、柔らかく巻き付けたソフトタイプのコアレス トイレットペーパーロールの開発が要望されていた。
【0005】 これらの要望等に基づいて開発されたソフトタイプのコアレストイレットペー パーロールとしては、全体が略柔らかく巻き付けられ、その巻き初めのロール中 心側のトイレットペーパーが接着剤にて接着されて筒状芯部が形成されている。 ソフトタイプとして特定されていないが、接着された筒状芯部が存在することは 特開平7−2395号に開示されている。前記筒状芯部はトイレットペーパーの 柔らかく巻き初められた箇所が接着剤による接着にて成形されているが、整然と して成形されたものは存在しなかった。その孔形状は、外観として見ると一般に 極めて不規則な巻き初めで破損状態となったような孔内径の形状となっており、 市場になじみにくいものであった。このようなソフトタイプのコアレストイレッ トペーパーロールの巻き初めのロール中心部を整然と成形することは技術的に困 難であった。さらに、このソフトタイプのコアレストイレットペーパーロールを 製造する製造機械は特別仕様の機械であって、トイレットペーパーロール製品と して極めて割高となる欠点もあった。
【0006】 また、近年,トイレットペーパーロールに対する要求として、トイレットペー パーロールの使用時において、ガラガラ等の巻き戻し音が発生することを女性等 において極端に嫌う傾向にあり、その開発も要求されている。すなわち、トイレ ットペーパーロールの使用時の巻き戻し音がしない又は極端に小さい巻き戻し音 となるように開発することが要求されている。
【0007】 また、市販されているトイレットペーパーロールでは、特に、使用後において 、そのロール中心部のコアである紙筒芯の処理が問題視されている。すなわち、 そのコアはボール紙製の厚紙材にて形成されているため、女性,子供では容易に 潰すことができず、ゴミとして捨てるにも嵩張る等の欠点があった。さらには、 公共トイレ等では、そのトイレットペーパーロールの紙筒芯が便器に捨てられ、 これがトイレ詰まりの原因となることも多く、紙筒芯対策のために、当該出願人 もコアレスタイプを開発した経緯がある。このようなことから、前記太筒芯なる コアをトイレに流すことができるものも開発されているが、高価であり、一般使 用向けではなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、考案者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本考案 を、直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサイズ紙製の太筒芯と、該太筒芯に最 初から最後まで柔らかく巻き付けられてなるトイレットペーパーとからなるトイ レットペーパーロールとしたことにより、これを一般家庭用のトイレットホルダ ーの太軸部に装着して使用することで、巻き戻し音が著しく減少し、太筒芯をト イレに流すこともでき、且つ太筒芯を安価に製造でき、ひいてはトイレットペー パーロールの製造価格をも安価にでき、上記課題を解決したものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態は、図1及 び図2に示すように、トイレットペーパーロールは、直径約4cm内外の薄紙製の 太筒芯1と、該太筒芯1に最初から最後まで略柔らかく巻き付けられたトイレッ トペーパー2とから構成されている。図1(A),(C)と図2(A)での太筒 芯1の厚さは、トイレットペーパー2の厚さよりも厚いが、薄紙製ゆえに線のみ として表している。これは第2,第3実施形態においても同様である。図1(B )は、特に、前記太筒芯1の紙厚さが前記トイレットペーパー2の紙厚さよりも 厚いことを表している。前記トイレットペーパーロールとは、前記トイレットペ ーパー2をロールにした完成品であり、また該トイレットペーパー2は、ロール 状態或いは非ロール状態を含んだ適宜の長さのものをいう。該トイレットペーパ ーロールの完成品は図1(A)に示すように、断面円形の状態を保持しつつ販売 されることもあるし、図1(C)鎖線のように、全体が柔らかいゆえに偏平楕円 状にして販売されることもある。また、図2(C)は、図2(A)の一部模式図 であり、トイレットペーパー2が巻き付けられた全高さH0 (無荷重時)が略柔 らかく巻き付けられていることを表したものである。すなわち、巻き付けられて 積層されたトイレットペーパー2,2間に空隙部が生じているものである。
【0010】 前記太筒芯1は、内径直径が約4cm内外(実際には、直径約3.8cm〜約4. 5cm)の薄紙製であって、通常約30(g/m2)(1m2当たりの紙の重さgのこ と)乃至約100(g/m2)の薄紙の複数枚が捩じるように重ねられて接着剤で 合紙されて製造される。このように通常の紙の重さのみでは測定できないため、 内径直径が約4cm内外の太筒芯1の1個のトイレットペーパーロールの幅長さ( 約11cm)の1本当たりの重さを測定した。これによると、糊等の重さも含めて 約1(g/本)〜約3(g/本)であった。その太筒芯1の薄紙の材質としては 、水溶性のノーサイズ紙である。また、前記トイレットペーパー2は、通常約1 6(g/m2)乃至約23(g/m2)の重さのノーサイズ紙である。前記直径約4 cm内外とは、直径約3cm乃至約5cm程度のものが含まれる。前記太筒芯1の材質 は、前記トイレットペーパー2の材質とは異なる材質であることが一般である。 ここで、太筒芯1は薄紙製であるが、約70(g/m2)乃至約100(g/m2) は、一般には薄紙の概念ではない。特に、本明細書においては、市販されている 紙筒芯の材質としてのボール紙、すなわち、厚紙の通常約200(g/m2)乃至 約220(g/m2)の重さに対して、太筒芯1は上質紙等で通常約30(g/m2 )乃至約100(g/m2)を薄紙製と称するものである。
【0011】 前記太筒芯1は、トイレットペーパー2が複数枚重ねられて接着剤にて貼着形 成される場合もある。また、前記トイレットペーパー2が複数枚重ねられて噴霧 液等の水にて固着状態に形成される場合もある。さらに、家庭用薄葉紙のティッ シュが複数枚重ねられて接着剤又は水等にて形成される場合もある。前記トイレ ットペーパー2や前記ティッシュ等を総称して薄葉紙という。
【0012】 第2実施態様においては、図3に示すように、トイレットペーパーロールは、 直径約4cm内外の薄紙製の太筒芯1に、トイレットペーパー2が最初の数巻きは 硬く後は最後まで略柔らかく,全体として略柔らかく巻き付けられたトイレット ペーパーロールである。この「全体として略柔らかく巻き付けられた」とは、前 述の「最初から最後まで略柔らかく巻き付けられた」と同等である。また、図3 (C)は、図3(A)の一部模式図であり、トイレットペーパー2が巻き付けら れた全高さH0 (無荷重時)において、硬く巻き付けられた部位H2 と略柔らか く巻き付けられた部位H3 とを表したものである。H2 +H3 =H0 となる。
【0013】 第3実施態様においては、トイレットペーパーロールは、直径約4cm内外の薄 紙製の太筒芯1に、該太筒芯1に最初を除く一部の数巻きを硬く後は略柔らかく ,全体として略柔らかく巻き付けられたトイレットペーパー2とからなるトイレ ットペーパーロールである。具体的には、図4に示すように、最後の数巻きにつ いて硬く巻き付けられ、その他の位置は全て略柔らかく巻き付けられた場合であ る。このような巻き付けであっても、「全体として略柔らかく巻き付けられた」 ものであり、前述の「最初から最後まで略柔らかく巻き付けられた」と同等であ る。また、図示しないが、該トイレットペーパーロールの巻き付けの中間位置の 数巻が硬く巻かれ、その他の位置は全て略柔らかく巻き付けられた場合もある。 これであっても、「全体として略柔らかく巻き付けられた」ものであり、前述の 「最初から最後まで略柔らかく巻き付けられた」と同等である。また、図4(C )は、図4(A)の一部模式図であり、トイレットペーパー2が巻き付けられた 全高さH0 (無荷重時)において、略柔らかく巻き付けられた部位H4 と硬く巻 き付けられた部位H5 とを表したものである。H4 +H5 =H0 となる。
【0014】
【実施例1】 この明細書において、「略柔らかく巻き付けられた」とは、トイレットペーパ ーロールにおいて、荷重13kgの測定用錘21を与えたときに、その荷重変化率 が約36%以上の場合をいう。これは後述の実験によった。 荷重変化率=(H0 −H1 )/H0 ×100 H0 :無荷重の場合の高さ H1 :13kgの測定用錘21による荷重を加えた高さ 実験では、図10(B)のように、製造した本考案実施品のトイレットペーパ ーロールの太筒芯1又は市販のトイレットペーパーロールの紙筒芯又はトイレッ トペーパーロールコア芯の中に測定用軸20を挿入し、前記太筒芯1などの外周 の最大上側位置が高さ0となるようにセットし、これを基準高さ位置とし、無荷 重としたトイレットペーパーロールのトイレットペーパー2の外周の最大頂部位 置までの高さ、すなわち、無荷重の場合の高さをH0 とした。また、重さ13kg の測定用錘21を前記無荷重のトイレットペーパーロール上に載せ、このときに 、前記測定用錘21によってトイレットペーパー2の相互間の間隙が狭くなって 高さが少なくなったときのトイレットペーパー2の外周の最大頂部位置までの高 さ、すなわち、13kgの荷重を加えた場合の高さをH1 とした。
【0015】 実験は、荷重変化率の測定データとして、本考案実施品(図11参照)と、感 触として適宜選択した,センター巻のやや柔らかく巻かれた有芯柔らか巻A(図 12参照)及び有芯柔らか巻B(図13参照)と、サーフェイス巻の普通硬さの 有芯普通巻(図14参照),やや硬く巻かれた有芯硬巻(図15参照),硬く巻 かれた無芯硬巻(図16参照)とにおいて、複数のサンプルのH0 及びH1 を測 定した。その測定データは図11乃至図16であり、その最大荷重変化率,平均 変化率,最小変化率のみを集めて表にしたのが、図10(A)である。これを図 10(C)のように比較グラフにすると、次のようになる。 すなわち、「硬く巻き付けられた」とは、その荷重変化率が0%〜約9%、「 やや硬く巻き付けられた」とは、その荷重変化率が約9%〜約21%、「普通の 固さに巻き付けられた」とは、その荷重変化率が約21%〜約36%、「やや柔 らかく巻き付けられた」とは、その荷重変化率が約36%〜約49%、「柔らか く巻き付けられた」とは、その荷重変化率が約49%以上となる。このように、 「略柔らかく巻き付けられた」とは、「柔らかく巻き付けられた」と「やや柔ら かく巻き付けられた」とを含むため、前述のような「略柔らかく巻き付けられた 」とは、13kg荷重において、荷重変化率が約36%以上の場合をいう。この値 は、トイレットペーパーロールが置かれた状況下において、温度,湿度,気圧な どで約1割内外変化することもある。
【0016】 また、上記の式による(H0 −H1 )は、トイレットペーパーロールにおける 積層されたトイレットペーパー2,2相互間の空隙量を表すことにもなり、前記 式による荷重変化率は、空隙率と略同等とも言える。したがって、空隙率が約3 6%以上の場合には、「略柔らかく巻き付けられた」と言える。ここで注意すべ き点は、表は荷重を13kgとした場合である。例えば、18kgの測定用錘21で は、(H0 −H1 )の値が大きくなるため、その何れの巻き方種類別でも、荷重 変化率は大きくなり、荷重変化率の約40%以上が「略柔らかく巻き付けられた 」となるし、例えば、荷重7kgの測定用錘21では、(H0 −H1 )の値が小さ くなるため、その何れの巻き方種類別でも、荷重変化率は小さくなり、荷重変化 率の約30%以上が「略柔らかく巻き付けられた」となる。
【0017】
【実施例2】 また、図17の本考案実施品のトイレットペーパーロールの巻き戻し音の測定 実験では、本考案実施品のトイレットペーパーロールが、従来の通常のボール紙 製の紙筒芯があるトイレットペーパーロールと比較して格段と静かになったこと が明らかである。具体的な実験では、本考案実施品に関する太筒芯1は、内径直 径が約3.8cmの薄紙製であって、トイレットペーパーロールの長さ(約11cm )の1個当たりの重さは、約1.6(g/本)であり、これは約50(g/m2) の重さの薄紙2枚が適宜捩じられ且つ重ねられて形成されている。該太筒芯1の 薄紙の材質としては、水溶性のノーサイズ紙を使用した。従来品としては、内径 直径が約3.8cmのボール紙製の紙筒芯に硬さを普通巻とした,いわゆる有芯普 通巻のトイレットペーパーロールを使用した。また、その「柔らかく巻き付けら れた」トイレットペーパー2によって製造された本考案実施品のトイレットペー パーロールも、従来品の有芯普通巻のトイレットペーパーロールも共に外形直径 は何れも約110mmとし、一般家庭用のワンタッチ式のトイレットペーパーロー ルホルダーの太軸部10に装着して、該トイレットペーパーロールホルダーの蓋 は外して該蓋とトイレットペーパーとの接触音は無くし、トイレットペーパーを 引き出すときに発生する巻き戻し音を測定した。そのトイレットペーパーロール ホルダー箇所から約50cm,1m,1.5mの位置に集音センサーを設置して測 定した。このとき、トイレットペーパーを巻き戻す速度が一定であっても、トイ レットペーパーロールは、外周側から巻き戻されるため、外径が大きな外周部の 速度が遅く、直径が小さくなる中心部にゆくにしたがって次第に速度が増すため 、外周部,中間部,中心部(太筒芯側)の3箇所の測定を行なった。
【0018】 図17の表で示すように、外周部,中間部,中心部(太筒芯側)のどの位置で あっても、12dB(デシベル)乃至17dBも静かになった。特に、トイレ等 では、他人とは1m以上離れているのが通常であり、これを両者平均してみると 、従来品の有芯普通巻は約65dBであり、本考案実施品は約53dBであった 。12dBのみ少ないといっても、dBは音の大きさを対数で表したものであり 、10dBの違いは音の大きさでは10倍もの相違がある。すなわち、12dB の違いは、音の大きさにすると約16倍、13dBでは約20倍、14dBでは 約25倍、15dBでは約32倍、16dBでは約40倍、17dBでは約50 倍と格段の相違がある。図17の表をグラフ化すると、図18のようになり、従 来品と本考案実施品とのトイレットペーパーロールの巻き戻し音の差は歴然であ る。さらに、図19に示すように、騒音レベルと身近な音との比較表を参考にす ると、約65dBは、普通の会話と騒々しい事務所や電話の音との中間位置であ るが、本考案実施品の約53dBは、静かな事務所に近い音であり、音のみの大 きさからするとその大きさの相違は極めて顕著である。このため、本考案実施品 を使用すれば、トイレットペーパーロールの巻き戻し音が極端に小さくなり、女 性でも安心して気軽に使用できる。
【0019】
【実施例3】 図20は、トイレットペーパーロールの紙管(紙筒芯,本考案の太筒芯1等) 圧縮荷重変位線図である。本考案実施品の太筒芯1は、内径直径が約3.8cmで 、その1個のトイレットペーパーロールの長さ(約11cm)の1本当たりの重さ が1.0(g/本),1.6(g/本),2.0(g/本),2.4(g/本) ,3.0(g/本)を使用した。また、従来のボール紙製の紙筒芯は5.9(g /本),6.4(g/本)を使用し、その太筒芯1の薄紙の材質としては、水溶 性のノーサイズ紙を使用した。前述の1.0(g/本),1.6(g/本),2 .0(g/本),2.4(g/本),3.0(g/本)は、それぞれ約30(g /m2),約50(g/m2),約65(g/m2),約80(g/m2),約100( g/m2)の重さの薄紙2枚が適宜捩じられ且つ重ねられて形成されている。さら に、5.9(g/本),6.4(g/本)は、それぞれ約200(g/m2),約 220(g/m2)の重さの厚紙2枚が適宜捩じられ且つ重ねられて形成されてい る。この実験では、内径直径が約3.8cmの太筒芯1又は紙筒芯に荷重を加えて 0から15mmの高さが変形するときのトイレットペーパーロールの紙管圧縮荷重 変位線図を求めた。 その結果、図20の表に示すように、2.0(g/本)の本考案実施品の太筒 芯1では、6.4(g/本)の従来のボール紙製の紙筒芯に比較して約20分の 1程度の圧力(N)で押圧することができる。以上のように、太筒芯1を潰すの に、従来のボール紙製の紙筒芯に比較して極めて少ない力で簡単に潰すことがで きる(図9参照)。さらに、図20から約3(g/本)程度の上質紙が、本考案 の薄紙製の太筒芯1の範疇と解される。また、該太筒芯1の重さは、糊の量によ って約1〜2割変化し、約4(g/本)程度の上質紙も、本考案の薄紙製の太筒 芯1に包含されることもある。
【0020】
【作用】
以上のような本考案品をトイレットペーパーロールホルダーの太軸部10に装 着して使用する。前述の「最初から最後まで略柔らかく巻き付けられた」又は「 全体として略柔らかく巻き付けられた」とは、トイレットペーパーロールにおけ る積層されたトイレットペーパー2,2相互間の空隙量が増加したこととなるも のであり、このように空隙量が増加することで、トイレットペーパーロールホル ダーの太軸部10に装着したトイレットペーパーを引き出すと、トイレットペー パーロールは回転し、特に、太筒芯1とトイレットペーパーロールホルダーの太 軸部10とが不規則に当接して、トイレットペーパーロールの巻き戻し音が発生 しても、太筒芯1の外周には、「最初から最後まで略柔らかく巻き付けられた」 又は「全体として略柔らかく巻き付けられた」トイレットペーパー2が存在し、 その積層されたトイレットペーパー相互間の空隙部によって音が外側に伝わらず に消音又は減音するものである〔図5(A)のイ部及び図5(B)参照〕。
【0021】 さらに、太筒芯1が薄紙製であり、且つ該太筒芯1には「最初から最後まで略 柔らかく巻き付けられた」又は「全体として略柔らかく巻き付けられた」トイレ ットペーパー2が存在しているため、そのトイレットペーパー2を巻き戻す(引 く)と、トイレットペーパーロールの太筒芯1箇所は楕円状となって〔図5(A )参照〕、図6(A)に示すように、現在、太軸部10と太筒芯1とが密着して いる軸側点Pc2,筒側点Po2と、接触していない軸側点Pc1,筒側点Po1とがあ り、次の瞬間には、軸側点Pc2,筒側点Po2とは接触しつつ、軸側点Pc1,筒側 点Po1とも接触状態となり、回転状態からすると面として接触する。このように 、柔らかいゆえに面接触すると音が出ない又は極めて小さな音となる。しかるに 、図7に示すように、従来品のトイレットペーパーロールのボール紙製の筒芯a では、現在、太軸部10と接触している点と、今だ接触していない点の軸側点P c ,筒側点Po とがあると、次の瞬間には、その軸側点Pc ,筒側点Po 相互は 接触するが、今まで接触していた点相互は離れることとなり、回転状態では、点 接触となっており、この点接触状態下でトイレットペーパーロールの巻き戻し音 が大きく発生するものである。このような欠点を本考案品は、図6の面接触によ る作用にて解決した。 以上のように、本考案品では、トイレットペーパーロールの巻き戻し音を著し く減少させることができるのは、トイレットペーパー2,2間の空隙量の増大と 柔らか面での面接触とが相乗的に作用しているためである。
【0022】 また、トイレットペーパーロールを使用後に、一般家庭等のトイレットペーパ ーロールホルダーの太軸部10に残った前記太筒芯1をトイレに流すと、図8に 示すように、ノーサイズ紙であるため、水に溶ける性質があり、水を含むと柔ら かくなって、太筒芯1は変形し、トイレに流すしてもトイレが詰まることがない ようにできる。
【0023】
【考案の効果】
請求項1の考案においては、直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサイズ紙製 の太筒芯1と、該太筒芯1に最初から最後まで略柔らかく巻き付けられたトイレ ットペーパー2とからなるトイレットペーパーロールとしたことにより、これを 一般家庭用のトイレットホルダーの太軸部に装着することで、第1に巻き戻し音 が著しく減少させることができ、第2に太筒芯1をトイレに流すことができ、第 3に太筒芯1を安価に製造でき、ひいてはトイレットペーパーロールの製造価格 をも安価にでき、第4に筒芯までも全て柔らかく巻いたトイレットペーパーロー ルよりも製品価値を格段と向上させることができる等の効果を奏する。
【0024】 これらの効果の内、特に、巻き戻し音を著しく減少させることができる効果に ついて詳述する。本考案のトイレットペーパーロールを一般家庭等のトイレット ペーパーロールホルダーの太軸部10に装着し、該太軸部10と、太筒芯1とが 廻りながら接触して、そこから接触音やこすれ音等が発生しても、太筒芯1は薄 紙製であるがゆえになじむように回転して面接触することと、前記太筒芯1の外 周には、「略柔らかく巻き付けられた」トイレットペーパー2が存在することで 、その積層されたトイレットペーパー2,2相互間の空隙部との存在によって音 が外側に伝わらずに消音又は減音するものである。このことは、図17及び18 の実験でもはっきりとした実証ができたものである。この実験で約12dB乃至 約17dBの巻き戻し音の低下があるが、実際には殆ど音が聞こえない程度にで きる。これによって、特に、トイレでのトイレットペーパー使用中でのガラガラ 等の巻き戻し音を解消でき、特に女性等にとっては安心して使用できる静音仕様 のトイレットペーパーロールを提供できる最大の利点がある。
【0025】 また、前記太筒芯1が薄紙製で、且つノーサイズ紙製のため、従来のボール紙 製の紙筒芯とは異なり、強度も極端に弱く、トイレットペーパーロールを使用後 に、一般家庭等のトイレットペーパーロールホルダーの太軸部10に残った前記 太筒芯1をトイレに流すにしても、ノーサイズ紙ゆえに、水に溶ける性質がある ためにトイレが詰まるようなことも回避できる(図8参照)。したがって、トイ レットペーパーロールを使用後に、その都度、太筒芯1を一般ゴミとして廃棄す ることがない大きな利便性がある。また、トイレに流さないとしても、前記太筒 芯1が薄紙製であるため、従来のボール紙製の紙筒芯とは異なり、強度も極端に 弱いため、女性や子供であっても、トイレットペーパーロールを使用後に、太筒 芯1をいとも簡単に潰して(図9参照)、一般ゴミとして廃棄することができる 利点がある。
【0026】 さらに、薄紙製の太筒芯1であるため、従来のボール紙製の紙筒芯とは、紙厚 さも薄くなり、且つ紙量も少なくなって、筒芯自体の単価を安価にできる。これ によって、トイレットペーパーロール全体としても、割安にできる利点がある。
【0027】 また、ソフトタイプのコアレストイレットペーパーロールは、一部の市場にお いては存在しているが、糊付けした筒芯箇所は破損したような体裁をしており、 一般人に浸透させにくいものであったり、或いはこのソフトタイプのコアレスト イレットペーパーロールを製造する製造機械は特別仕様の特殊機械であって、ト イレットペーパーロール製品として極めて割高となる欠点があったが、本考案で は、外観的には通常の紙筒芯と略同形であり、その製品価値を格段と向上させる ことができ、且つ前述のように、消音効果,太筒芯1のトイレ流し可能,ゴミ対 策良好のみならず製品単価の低廉化効果を奏するものである。
【0028】 また、請求項2の考案では、直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサイズ紙製 の太筒芯1と、該太筒芯1に最初の数巻きを固く後は最後まで略柔らかく,全体 として略柔らかく巻き付けられたトイレットペーパー2とからなるトイレットペ ーパーロールとしたことにより、請求項1と同等の効果を奏する。この請求項2 の考案では、特に、前記太筒芯1に最初の数巻きを固く後は最後まで略柔らかく 巻かれていても、全体として略柔らかく巻き付けられたことは、請求項1の最初 から最後まで略柔らかく巻き付けられたと同等の構成であって、同等の効果を奏 するためである。
【0029】 さらに、請求項3の考案では、直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサイズ紙 製の太筒芯1と、該太筒芯1に最初を除く一部の数巻きを固く後は略柔らかく, 全体として略柔らかく巻き付けられたトイレットペーパー2とからなるトイレッ トペーパーロールとしたことにより、請求項1と同等の効果を奏する。この請求 項3の考案でも、特に、前記太筒芯1に最初を除く一部の数巻きを固く後は略柔 らかく巻き付けられたことは、請求項1の最初から最後まで略柔らかく巻き付け られたと同等の構成で、同等の効果を奏する。
【0030】 請求項4の考案では、直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサイズ紙製の太筒 芯1と、該太筒芯1に最初から最後まで略柔らかく巻き付けられたトイレットペ ーパー2とからなり、前記薄紙製の太筒芯1は、前記トイレットペーパー2等の 薄葉紙が複数枚重ねられて形成してなるトイレットペーパーロールとしたことに より、前記太筒芯1はトイレットペーパー2と同様に、水に溶ける性質があるた めにトイレが詰まるようなことも回避でき、大きな利点にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本考案の第1実施形態のトイレットペ
ーパーロールの斜視図 (B)は(A)の一部拡大斜視図 (C)は(A)の側面図及び保管時等に偏平楕円状にで
きる想像線図
【図2】(A)は本考案の第1実施形態の側面図 (B)は(A)の一部拡大図 (C)は(A)の一部模式図
【図3】(A)は本考案の第2実施形態の側面図 (B)は(A)の一部拡大図 (C)は(A)の一部模式図
【図4】(A)は本考案の第3実施形態の側面図 (B)は(A)の一部拡大図 (C)は(A)の一部模式図
【図5】(A)は本考案を巻き戻す状態図 (B)は、(A)の(イ部)の拡大断面図であって、音
源が消滅又は減少する状態図
【図6】(A)及び(B)は本考案を巻き戻す過程のト
イレットペーパーロール中心箇所状態図
【図7】(A)及び(B)は従来品を巻き戻す過程のト
イレットペーパーロール中心箇所状態図
【図8】(A)乃至(E)は本考案の太筒芯をトイレに
流した状態図
【図9】(A)は本考案の通常の太筒芯を潰す工程の状
態図 (B)は本考案の太筒芯を潰した別の状態図 (C)は本考案の太筒芯を潰したさらに別の状態図
【図10】(A)は巻き方種類別の荷重変化率表 (B)は荷重変化率を測定するための測定法略図 (C)は巻き方種類別の荷重変化率の比較グラフ
【図11】本考案実施品の荷重変化率の測定データ表
【図12】やや柔らかいトイレットペーパーロールの荷
重変化率の測定データ表
【図13】やや柔らかい別のトイレットペーパーロール
の荷重変化率の測定データ表
【図14】普通硬さのトイレットペーパーロールの荷重
変化率の測定データ表
【図15】やや硬いトイレットペーパーロールの荷重変
化率の測定データ表
【図16】硬いトイレットペーパーロールの荷重変化率
の測定データ表
【図17】トイレットペーパーロールの巻き戻し音測定
比較表
【図18】トイレットペーパーロールの巻き戻し音測定
比較グラフ
【図19】騒音レベルと身近な音との比較表
【図20】本考案実施品と従来品との比較したトイレッ
トペーパーロールの紙管の圧縮荷重変位線図
【符号の説明】
1…太筒芯 2…トイレットペーパー

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサ
    イズ紙製の太筒芯と、該太筒芯に最初から最後まで略柔
    らかく巻き付けられたトイレットペーパーとからなるこ
    とを特徴とするトイレットペーパーロール。
  2. 【請求項2】 直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサ
    イズ紙製の太筒芯と、該太筒芯に最初の数巻きを固く後
    は最後まで略柔らかく,全体として略柔らかく巻き付け
    られたトイレットペーパーとからなることを特徴とする
    トイレットペーパーロール。
  3. 【請求項3】 直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサ
    イズ紙製の太筒芯と、該太筒芯に最初を除く一部の数巻
    きを固く後は略柔らかく,全体として略柔らかく巻き付
    けられたトイレットペーパーとからなることを特徴とす
    るトイレットペーパーロール。
  4. 【請求項4】 直径約4cm内外の薄紙製で、且つノーサ
    イズ紙製の太筒芯と、該太筒芯に最初から最後まで略柔
    らかく巻き付けられたトイレットペーパーとからなり、
    前記薄紙製の太筒芯は、前記トイレットペーパー等の薄
    葉紙が複数枚重ねられて形成してなることを特徴とする
    トイレットペーパーロール。
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