JP3071004B2 - 下顎再建材 - Google Patents

下顎再建材

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JP3071004B2 JP3287379A JP28737991A JP3071004B2 JP 3071004 B2 JP3071004 B2 JP 3071004B2 JP 3287379 A JP3287379 A JP 3287379A JP 28737991 A JP28737991 A JP 28737991A JP 3071004 B2 JP3071004 B2 JP 3071004B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切除、或は、欠損した
下顎骨の再建のために使用する再建材の提供に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、外傷、先天的奇形、あるいは腫瘍
の、外科的処理などにより生じた下顎骨の欠損に対して
は自家骨の移植による再建が行われた。これは、例え
ば、腸骨や肋骨の一部を欠損部に充当させ、骨の再生を
行うものであるが、これを元の骨の形に合わせることが
難しいため、顔面の外観を元に復元することが困難であ
った。また、移植した骨の再吸収や、変形、或は、感染
の可能性もある。
【0003】一方、1960年代にUristらによっ
てU字状の金属トレーに粒子状の新鮮な自家骨髄海綿骨
細片を入れ、これの成長によって下顎欠損部の骨の再建
を行う方法が提案された。かかる方法によると、前記し
た移植骨による欠点を解消できるが、LeakeらがU
SP3,849,805で指摘しているように、金属ト
レーを使用するため再建までに3回の手術を要する。
【0004】即ち、その1回目は、患者個人の下顎形状
に合わせてモールドを作る手術、2回目は、このモール
ドによって作られた金属トレーを埋入するための手術、
3回目は、骨が修復した後にトレーを取り除くための手
術である。このように、金属トレーは3回の手術を必要
とする上、整形性の面でフレキシブルでないため、モー
ルドを正確に作らねばならず、各々の患者に対して一品
生産的にモールドを作らねばならない欠点がある。
【0005】一方、前述したLeakeらの特許には、
ポリエーテルポリウレタンをコーティングしたダクロン
繊維のメッシュをトレーとして用いる方法が示されてい
る。かかる方法は、金属トレーの欠点を解消することを
目的としており、数種のサイズのトレーを作製しておけ
ば、これを手術時に選択でき、また、使用に際しては適
当な大きさに切断して用いればよい利点がある。また、
トレーを取り除く必要がないとされている。
【0006】しかし乍ら、かかるLeakeらの方法で
は組織中にトレーが異物として残り、非吸収性であるた
めに生体からの異物反応が常に生じる。また、口腔粘膜
に近接してトレーが埋入されると露出、感染の可能性が
大きい。加えて、顔面の外観の修復や輪郭の復元という
観点からも、数種のサイズの中から患者の下顎に合わせ
たサイズを選んでも正確にマッチしないという問題や、
顎の発育途上にある若年者に適用できないなどの問題が
残る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の金属、或は、プラスチツクトレーの欠点を解消した、
整形性、正確な形状への下顎の再生性、異物反応性にお
いて優れる新規な下顎再生用の再建材を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明は、そ
の構成において、ポリ乳酸、及び、これと他の生体分解
吸収性ポリマーとの共重合体、もしくは、そのステレオ
コンプレックスを構成素材とし、これを織成、もしく
は、多孔質状に成型して、少なくともその一方向の曲げ
硬さを100g/mm、最大曲げ強力を500g以上と
なるよう構成した下顎再建材の提供に関する。但し、か
かる曲げ硬さ、最大曲げ強力は、JISK−6911法
による3点曲げ治具を使用して測定した値をいう。
【0009】
【作用】本発明は、生体内にて分解吸収されるポリ乳
酸、及び、その共重合体、もしくは、そのステレオコン
プレックスを構成素材として用いたため、骨の修復後は
一定期間経過した後、生体内で分解吸収され、体外へ排
泄される。従って、当然のことながら患部における異物
反応は一時的なものである。かかるポリ乳酸としては、
L体、D体を例示でき、これを単独、もしくは、他の生
体分解吸収性ポリマー、例えば、ポリカプロラクトン、
ポリグリコール酸等との共重合体として、また、L体と
D体のステレオコンプレックスとして用いるものであ
る。尚、かかるポリマーの分子量、或は、共重合化、コ
ンプレックス比率等については、以下の機能を満足でき
れば任意である。
【0010】本発明は、かかる素材を比較的粗く織成
し、或は、パンチングされたシート状とすることによ
り、伸びを抑えて形態の安定化をはかり、また、このよ
うに多孔質化したことにより生体組織を入り込み易くし
た。かかる多孔質化のための孔の大きさとしては、50
μm〜2000μm、より好ましくは、200μm〜1
000μmの範囲にあることが好ましく、その配列は規
則的であることが望まれる。即ち、かかる孔の大きさ、
配列は、充填した骨細片等がこぼれ落ちず、また、血管
の浸入を妨げず、かつこれが均一に行われるために必要
な要件であり、これによって治癒期間を短縮することが
できる。尚、織物にあっては、縦糸とヨコ糸が交絡する
部分にできる空隙を多孔部分とすることもでき、その織
組織としては平織組織が最適である。また、パンチング
シートについては、適宜の方法で孔を穿つ。
【0011】通常、前記のように織成、成型されたシー
ト、即ち、本発明にかかわる再建材は、骨片あるいは骨
髄が充填しやすいよう、U字状、とゆ状あるいは馬蹄形
等に整形してトレーとする。かかる整形は、素材の有す
る特性から、約60℃〜70℃の温度、例えば湯の中
で、自由に形状を変えることができる利点があり、従っ
て、医療現場において正確に、しかも迅速に患者に適し
たものを形作ることができる特徴がある。
【0012】一方、このように患者の下顎骨に合わせて
U字状に整形した後は、欠損部の大きさに合わせて適宜
カットし、その内側に自家骨髄海綿骨細片を入れた後、
U字状、または、逆U字状に欠損部に被せ、両サイドの
骨と連結して固定して骨の再生をはかる。通常はかかる
状態にて約2〜3ヵ月放置すると骨が再生し、以後は使
用した再建材は徐々に分解、吸収される。尚、本発明再
建材の適用面での特徴として、生体にて分解、吸収され
るため、従来と逆の逆U字状での使用ができ、従って、
義歯のための顎堤を再形成することができること、或
は、その上に人工歯根を埋め込んでおいて骨の再生をは
かることができる。
【0013】本発明はまた、少なくともその一方向の曲
げ硬さが100g/mm、最大曲げ強力が500g以上
であることを特徴とする。かかる硬さは初期埋入時にお
いて少なくとも100g/mm以上、望ましくは150
g/mm以上必要であり、これが100g/mm以下で
あるとトレー埋入時、あるいは、骨再生が完了しない間
に変形する恐れがあり目的に合わない。また、かかる硬
さの保持率は約3ヵ月で骨の再生が終了するため、少な
くとも、かかる期間内においては,初期の硬さの75%
以上を保持する必要がある。
【0014】また、最大曲げ強力については、少なくと
も500g、より好ましくは900以上であることが望
まれる。即ち、かかる値を下回ると、曲げ硬さ同様変形
しやすく好ましくない。尚、かかる、曲げ硬さ、曲げ強
度はJISK−6911の3点曲げ試験機により測定し
たもので、再建材をとゆ型や馬蹄形に整形する前のフラ
ットな状態で幅2cm、長さ5cmに切断し、かかる曲
げ試験機にて100mm/minの速度でその中心を押
え、曲げ−ひずみ曲線より傾きを求めてその値を硬さ、
強力の指標とした。
【0015】
【実施例1】ポリ−L−乳酸(分子量205,000)
を245℃で紡糸し、次いで80℃で5〜10倍の範囲
で延伸して直径の異なるモノフィラメント糸を得た。こ
れを用いて3種類の平織地を得、各サンプルの曲げ硬
さ、曲げ強力を前記した方法により測定した。その結果
を表1に示す。尚、表1におけるF点の伸びとは、最大
曲げ強力を与えた時のひずみであり、かかる表における
糸直径欄の上段は縦糸の、下段はヨコ糸の直径を示し、
また、織密度欄の上段は縦糸の、下段はヨコ糸のそれぞ
れ密度を示した。更に、曲げ硬さ、最大曲げ強力、F点
の伸びの各欄における上段は織物の縦方向を、下段はヨ
コ方向を測定した時の値である。また、かかる表におけ
る対照区はポリプロピレンを260℃で紡糸し、100
℃で5倍に延伸したものである。かかる構成による再建
材に於て、本発明機能を有するものはA、B区であり、
これを縦方向に用いる。尚、対照区、C区は当該用途に
適さない。尚、A、B区は、その織密度から当該用途に
必要な空隙を有した。
【0016】
【表1】
【0017】表1におけるサンプルAを用い、体内での
条件に準じ、加速度的に100℃の蒸留水中に浸漬し、
縦方向での物性値の経時変化を測定した。その結果を表
2に示す。かかる結果において、5時間後に織物を構成
するフィラメント糸の引っ張り強力が50%以下となっ
たにもかかわらず、曲げ硬さ、最大曲げ強力はほぼ初期
の約70%以上を保持していた。しかるに、かかる結果
は、分解は進んでいるが実質上必要な初期の曲げ硬さ、
強力を保持していることを表し、これは織物にしたこと
による効果と推測される。また、下顎トレーとして必要
な機能は約2ヵ月間その曲げ硬さ、強度が保持されるこ
とであり、かかる点において、その約70%が保持され
ることは十分その機能を果し得るものである。尚、かか
る100℃,5時間の条件は、37℃では、約17週間
に相当する。
【0018】
【表2】
【0019】かかるサンプルAを動物実験に供し、その
機能について確認した。実験は、成犬の下顎骨を幅2.
5cmに渡って切り取り、両側の骨断端の上縁をフィッ
シャーバーで一層、約1mm厚切除し、サンプルAをト
レーとして適用して口腔側に突出しないよう当てがっ
た。この際、まず、サンプルAを温湯中にて整形し、切
除部に適応するU字状のトレーとした。かかるトレーは
断端の糸がほつれないよう電熱コテで溶接し、欠損部に
U字状、または、逆U字状に被せるに当り、この中に腸
骨部からの骨、骨片、骨髄等を充填した。この際、母骨
の形状に合致するよう更に電熱コテにてトレーの形状を
微調整し、その両端に金属線を通し母骨と固定した。ま
た、周囲の組織をこれに緊密に縫合して手術を完了し
た。その後2ヵ月間流動食を与え続け、かかる2ヵ月経
過後にX線にて透視したところほぼ元のように骨が再生
していることが確認できた。また、3ヵ月後には切断し
た母骨と同化していることが確認できた。更に、1年後
は移植骨髄海綿骨細片は完全に母骨と一体化し、元の下
顎骨の状態に再生されていた。また、トレーは徐々に分
解吸収され、2年後においてほぼ消失した。更に、適用
中炎症反応は極めて軽微であった。尚、前記のような再
建材の固定において金属線に代えてトレーと同一素材に
よる糸を用いてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は、従来の金属、或は、プラスチ
ツクトレーの欠点を解消し、正確な形状に下顎を自家再
生させ、かつ最終的に異物として体内に残らない新規な
下顎再生用の再建材を提供したもので、挿入、取り出し
の再手術を必要とせず、また、人工歯根の適用も可能で
ある等、多大の効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西谷 光司 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グ ンゼ株式会社京都研究所内 審査官 中田 とし子 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸、またはこれと他の生体分解吸
    収性ポリマーとの共重合体、もしくは、そのステレオコ
    ンプレックスを構成素材とし、これを織成、または多孔
    質状に成型し、少なくともその一方向の曲げ硬さを10
    0g/mm、最大曲げ強力を500g以上としたことを
    特徴とする下顎再建材。但し、曲げ硬さ、最大曲げ強力
    とは、JIS K−6911法による3点曲げ治具を使
    用した測定値をいう。
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