JP3070645U - 泥状物圧送用ポンプにおける固定板と摺動板の構造 - Google Patents

泥状物圧送用ポンプにおける固定板と摺動板の構造

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JP3070645U
JP3070645U JP2000000393U JP2000000393U JP3070645U JP 3070645 U JP3070645 U JP 3070645U JP 2000000393 U JP2000000393 U JP 2000000393U JP 2000000393 U JP2000000393 U JP 2000000393U JP 3070645 U JP3070645 U JP 3070645U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 泥状物圧送用ポンプの吸入と吐出の切り換え
部である固定板と摺動板の耐久性及び液密性を向上させ
て、かつ、摩耗時等の交換作業を簡略化することができ
る固定板と摺動板の構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 固定板11に開口された生コンクリート
等の泥状物の供給孔22a,22b及び吐出孔23と、
摺動板2に開口された生コンクリート等の泥状物の給排
口24a,24bの内壁部分に、外周面の幅員方向略中
心位置に摺動板の摺動ラインFを中心として上下対称位
置に固定用ボルトの先端部が嵌合する複数個の溝部40
a,40aが掘設された耐摩耗性リング40を装着して
ある。溝部40aは摺動板2の摺動ラインFと直角方向
の摺動ラインGに対しても左右対称位置に形成され、両
摺動ラインF,Gが交叉する地点近傍のリング本体に、
剪断方向にかかる衝撃力に耐える肉厚が確保された領域
41が形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は生コンクリート等泥状物圧送用ポンプに関し、特には泥状物の吸入と 吐出の切り換え部である固定板と摺動板の耐久性及び液密性を向上させた構造に 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にパイプを用いて生コンクリート等の泥状物を送給するための圧送用ポン プが使用されているが、この圧送用ポンプとして従来からシリンダとそれに係合 するピストンとから成る2本のプランジャポンプを摺動板に直交して平行に接続 し、この摺動板を油圧シリンダによって前記プランジャポンプと同期して固定板 上を水平方向に往復摺動運動するように構成し、この摺動板が摺接する固定板の 中央に吐出管を連結する一方、該吐出管の両側にホッパに一端を接続した供給管 を2本接続して構成した装置例が知られている。
【0003】 上記固定板は、真中に生コンクリート等の泥状物の吐出孔が開口され、左右に ホッパから生コンクリート等の泥状物が送り込まれる供給孔が開口された三ツ穴 面板で構成され、前記摺動板は、供給孔を介して送り込まれる生コンクリートを 吐出孔から吐出する2個の給排口が開口された二ツ穴面板で構成されている。そ してホッパは三ツ穴面板に一体的に固定されており、二ツ穴面板は水平方向に所 定距離だけ移動するようになっている。
【0004】 上記装置の駆動に際しては、何れか一方のシリンダと供給管とを連通させてシ リンダ内に生コンクリートを吸入させる間に、他方のシリンダが吐出管と連通し て、シリンダ内に吸入された生コンクリートを押出し、この吸入と押出し動作を 交互に行うことによって、生コンクリートの連続的圧送を行わしめている。従っ てこのような装置を用いることにより、切換弁などの複雑な構成を要しないので 流路抵抗の急激な増大がなく、生コンクリートの連続的圧送をスムーズに行うこ とができる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このような泥状物圧送用ポンプは、油圧シリンダを用いて摺動板を固定板上で 密接して水平方向に往復摺動させることにより、プランジャポンプに吸入された 泥状物を吐出管に押し出しているので、この摺動板と固定板との液密性、特には 固定板の吐出孔及び供給孔と摺動板の給排口の連通時の液密性を常時良好に保つ ことが不可決である。上記三ツ穴面板と二ツ穴面板の隙間は、平行でありながら 0であることが理想的であるが、両面板を完全な平面にすることは機械的な精度 上から無理であり、若干隙間のある部位と接触している部位が生じることは避け られない。
【0006】 両面板間に隙間が多い場合には、この隙間に泥状物中の砂が介在して面板の摩 耗を早めてしまい、効率の低下とか泥状物の閉塞、最大圧送距離の短縮等の原因 となる。特に摩耗は供給孔等の各孔の縁部に最も発生し易く、液漏れ等の欠陥を 生じることがある。又、逆に両面板が強く接触している場合には、泥状物の吸入 と吐出の切り換えが充分に行われず、その結果閉塞したり、その部分での焼き付 きとか、かじりを生じたり、表面に小さなクラックや歪を生じる惧れがある。
【0007】 上記の難点に対処するため、本出願人は固定板と摺動板とを左右対称形に構成 して、摩耗時に固定板を反転させることによって両面を使用するようにしたり、 特に摩耗の激しい摺動板の給排口間に、耐摩耗性の材料を用いた別体のライナー を固定する等の手段を実施している。例えば図12は二ツ穴面板で成る摺動板2 の平面図であり、図13は三ツ穴面板で成る固定板11の平面図を示している。 これら摺動板2と固定板11は何れも左右対称形に構成されている。摺動板2に はシリンダに連接する給排口24a,24bが開口されているとともに、周縁部 に沿って多数個のボルト孔2a,2a・・・・が開口されており、摩耗の激しい給排 口24a,24bとの間に、耐摩耗性の材料を用いた別体のライナー34がボル ト止め等の手段によって固定されている。同様に固定板11には、生コンクリー ト等の泥状物の供給管に連接する供給孔22a,22bと、生コンクリートの吐 出管に連接する吐出孔23が開口されており、周縁部に沿って多数個のボルト孔 11a,11aが開口されている。
【0008】 また、固定板11の供給孔22a,22bと、摺動板2の給排口24a,24 bの連通時の液密性とともに、固定板11と摺動板2の摺動面と外部との液密性 を維持するため、摺動板2が摺接する固定板11上の供給管と吐出管を囲む部位 に、半硬質の樹脂又はゴム材でなるパッキンを装着している。例えば図14に示 したようにホッパ側に位置して三ツ穴面取台30が配置され、この三ツ穴面取台 30の内側にパッキン押え枠31に支持されたシールパッキン32がはめ込まれ 、該シールパッキン32によって液密された状態として固定板11と摺動板2と が密接して配設されている。上記三ツ穴面取台30にはホッパブラケット33が ボルトにより固定されている。
【0009】 そして固定板11の吐出孔及び摺動板2の給排口24a,24bの各孔の縁部 や他の部分が反転とか交換を必要とする程度に摩耗した場合には、固定板11を 三ツ穴面取台30の一端部に設けた軸着部分を回動中心として上下方向に開放し 、該固定板11を摺動板2から離反してから固定板11の反転或いは交換と、摺 動板2の反転、又はライナー34の反転或いは交換等の煩瑣な作業を実施するこ とによって対処している。通常の泥状物圧送用ポンプにおいて生コンクリートを 圧送する場合、流量が約1500〜2000m毎にライナー34の反転或いは 交換を必要としている。
【0010】 特に固定板11と摺動板2との摺動運動は常時行われているため、生コンクリ ートに含まれる微細な骨材とかセメントの噛込みによって固定板11と摺動板2 の各部の摩耗速度が早くなってしまうという欠点を有している。
【0011】 更に本出願人は特願平4−275076号により、前記固定板11に開口され た泥状物の供給孔22a,22b及び吐出孔23と、摺動板2に開口された泥状 物の給排口24a,24bの内壁部分に耐摩耗性リングを装着した構成を提案し た。図15,図16に示したように、耐摩耗性リング25は一定の幅員Lを持つ 円環状の硬質部材で構成され、該耐摩耗性リング25の外周面で幅員方向の略中 心位置に溝25aがエンドレスの状態に掘設されている。
【0012】 かかる耐摩耗性リング25を用いたことによって供給孔22a,22bと吐出 孔23及び給排口24a,24bの周辺部分、即ち稼働時に最も摩耗が激しい部 分の摩耗を上記耐摩耗性リング25によって受け止めることが可能となり、固定 板11と摺動板2自体の摩耗を防止することが出来る上、組付時に図外の締付ボ ルトの先端がエンドレスの溝25a内に嵌合圧接されるため、この耐摩耗性リン グ25の位置決めは不要であり、又、該耐摩耗性リング25を回転させることに より位置を変えて使用可能であるという効果が得られるが、溝25aが耐摩耗性 リング25の外周面の略中心位置に長く掘設されていることにより、長期使用時 に溝25aの底部が起点となって耐摩耗性リング25の割れが発生しやすいとい う問題点が残っている。
【0013】 そこで本考案は、上記した耐摩耗性リングを用いたことにより固定板及び摺動 板の反転作業とか交換作業を煩瑣に行わなくとも液密性を長期間に渡って良好に 保ち、交換を行う場合の作業を簡略化することができるとともに、該耐摩耗性リ ングの割れを防止して耐用期間を伸ばすことができる泥状物圧送用ポンプにおけ る固定板と摺動板の構造を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するため、前記生コンクリート圧送用ポンプにおける 固定板に開口された生コンクリートの供給孔及び吐出孔と、摺動板に開口された 生コンクリートの給排口の内壁部分に、外周面の幅員方向略中心位置に摺動板の 摺動ラインを中心として上下対称位置に固定用ボルトの先端部が嵌合する複数個 の溝部が掘設された耐摩耗性リングを装着したことを特徴としている。この耐摩 耗性リングは、円環状の硬質部材で構成され、前記溝部は摺動板の摺動ラインと 直角方向の摺動ラインに対しても左右対称位置に形成され、両摺動ラインが交叉 する地点近傍のリング本体に、剪断方向にかかる衝撃力に耐える肉厚が確保され た領域を形成してある。
【0015】 溝部の断面形状をV字型もしくはU字型とし、耐摩耗性リングの原素材として 、WC,Co粉末を混合,プレス,成形,焼結後、熱間静水プレス処理して得ら れた超硬合金とか、高合金高速度鋼を用いる。
【0016】 この耐摩耗性リングは、該耐摩耗性リングの外周面の幅員方向略中心位置に摺 動板の摺動ラインを中心として上下対称に掘設された溝部に対して固定板又は摺 動板の周縁部から螺合された締付ボルトによって各孔の内壁部分に固定される。
【0017】 上記構成の本考案によれば、耐摩耗性リングを固定板に開口された供給孔及び 吐出孔と、摺動板に開口された給排口の内壁部分,即ち最も摩耗が激しい部分に 装着したことにより、上記供給孔,吐出孔及び給排口の周辺部分における摩耗が 上記耐摩耗性リングによって受け止められ、固定板と摺動板の摩耗を防止するこ とが出来る。従って常時摺動板と固定板との液密性が良好に保持され、長期使用 時に溝部に起因する耐摩耗性リングの割れが発生する惧れがなく、かつ、耐摩耗 性リングの交換を必要とする場合の作業は極めて容易であるという作用が得られ る。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下図面に基づいて本考案の実施形態を説明する。尚、説明の便宜上、泥状物 として生コンクリートを用いたケースを以下に例示する。図4は本考案の実施に 用いた生コンクリート圧送用ポンプの概略構造を示す側面図であり、図5及び図 6はその動作説明図である。図4において、1、1aはコンクリートシリンダ、 2はコンクリートシリンダ1、1aが固定された摺動板、11は固定板、3は案 内台、4、4aは生コンクリートの供給管、5は吐出管である。吐出管5は固定 板11の中央に連結され、その両側に一端がホッパ13に接続された供給管4、 4aが連結されている。コンクリートシリンダ1、1aはその一端が開口されて 摺動板2に直交して連結され、その他端に油圧シリンダ14、14aが連結され て2本のプランジャポンプP、Mを構成している。
【0019】 油圧シリンダ14、14aは両端部にピストン6、7、6a、7aを有するピ ストンロッド8、8aがシリンダ12、12a内部の軸線方向に挿入されて構成 されている。9はプランジャポンプPとプランジャポンプMとの連結箱である。 前記摺動板2は案内台3と係合して水平方向に往復動自在となっている。10は これらのプランジャポンプP、Mと摺動板2を一体にして案内台3の内方を水平 方向に移動させるための油圧シリンダである。案内台3は適宜の取付台上に固定 設置されていて、摺動板2と密接する前記固定板11を備えている。
【0020】 上記生コンクリートの供給管4、4aには撹拌機を内蔵するホッパ13が連結 されており、該ホッパ13内に投入された生コンクリートが順次供給管4、4a に供給されるようになっている。そして、固定板11は案内台3の下部に張出す ブラケット27と軸28とを介して上下方向へ回動自在に軸支されている。上記 ホッパ13にはシリンダ15とロッド16とからなる伸縮自在なアーム17を有 してこのロッド16をホッパ13の一端に、又シリンダ15を案内台3上の水タ ンク18に夫々軸着してある。
【0021】 図7,図8に示したように、三ツ穴面板で成る固定板11には、前記供給管4 に連接する供給孔22a、22bと、前記吐出管5に連接する吐出孔23が開口 されている。そして固定板11には周縁部に沿って多数個のボルト孔11a,1 1a・・・・が開口されており、更に該固定板11の厚み方向の略中心部から各供給 孔22a、22bと吐出孔23に貫通する固定用のボルト挿通孔11b,11b・・・・ が形成されている。この供給孔22a、22b及び吐出孔23は、摺動板2 に連結されたコンクリートシリンダ1、1aの開口部と対面する位置にある。
【0022】 他方で図9,図10に示したように、二ツ穴面板で成る摺動板2には、前記シ リンダ1に連接する給排口24a、24bが開口している。そして摺動板2には 周縁部に沿って多数個のボルト孔2a,2aが開口されており、更に該摺動板2 の厚み方向の略中心部から各給排口24a、24bに貫通する固定用のボルト挿 通孔2b,2b・・・・が形成されている。
【0023】 図1は本実施形態の最も特徴的な構成物である耐摩耗性リング40の平面図、 図2は同側面図、図3は同斜視図であって、該耐摩耗性リング40は一定の幅員 Lを持つ円環状の硬質部材で構成され、この耐摩耗性リング40の外周面で幅員 方向の略中心位置に、固定用ボルトの先端部が嵌合可能な複数個の溝部40a, 40aが掘設されている。溝部40a,40aの断面形状はV字型もしくはU字 型が適当である。そして耐摩耗性リング40は、前記固定板11の供給孔22a 、22b及び吐出孔23の内壁部分と、摺動板2の給排口24a、24bの内壁 部分に装着される。
【0024】 図1に示したように、耐摩耗性リング40の溝部40a,40aは、固定板1 1に対する摺動板2の摺動ラインFを中心として上下対称位置に計8個掘設され ている。又、溝部40a,40aは、摺動ラインFと直角方向の摺動ラインGに 対しても左右対称位置となっている。41,41は耐摩耗性リング40と両摺動 ラインF,Gが交叉する地点近傍のリング本体にあって、溝部40a,40aが 掘設されていない領域であり、この領域41,41には摺動板2の摺動時に耐摩 耗性リング40の剪断方向にかかる大きな衝撃力に耐える肉厚が確保されている 。尚、上記溝部40a,40aを必要最小限の個数として計4個だけ掘設しても よい。
【0025】 耐摩耗性リング40に用いられる材料としては、例えば原素材としてのWC, Coその他を混合,プレス,半焼結,成形,焼結した後、熱間静水プレス処理( HIP処理)して得られた超硬合金を用いる。上記WC−Co系超硬合金は、圧 縮強さ,硬度,耐蝕性及び耐摩耗性が他材料に較べて非常に高く、特に炭化物の 粒度が小さく、Co含有量が少ないほど硬度,圧縮強さがともに大きくなり、逆 にCo含有量が多く炭化物の粒度が大きい場合には曲げ強さが大きくなるという 特性を有している。本考案では上記超硬合金の持つ硬度,耐蝕性及び耐摩耗性に 着目して、耐摩耗性リング40として積極的な利用をはかったことが特徴となっ ている。
【0026】 更に耐摩耗性リング40の材料として、耐摩耗性とともに靭性、無方向性に優 れている高合金高速度鋼を用いてもよい。この高合金高速度鋼としてはHRCの 硬度65〜72程度のものが適当である。
【0027】 図11は摺動板2と固定板11の摺接部分を解放した状態を示す斜視図であり 、固定板11と摺動板2との間には、固定板11に開口された供給孔22a、2 2b及び吐出孔23に連通する開口部を有する別体の面板20がボルト等により 固定板11側に固定されている。31はパッキン押え枠、32はシールパッキン であり、このシールパッキン32は、固定板11の供給孔22a、22b及び吐 出孔23を一体として囲む位置に装着されている。
【0028】 組付時には、耐摩耗性リング40を固定板11の供給孔22a、22b及び吐 出孔23と、摺動板2の給排口24a、24b内に挿通し、固定板11の厚み方 向の略中心部に形成された固定用のボルト挿通孔11b,11b・・・・と、摺動板 2の厚み方向の略中心部に形成された固定用のボルト挿通孔2b,2b・・・・に締 付ボルト35,35を螺合固定する。これにより該締付ボルト35,35の先端 部が耐摩耗性リング40の上下,左右対称に掘設された各溝部40a内に嵌合し て、該耐摩耗性リング40の脱落が防止された状態として各孔内に支持固定され る。図示例では1つの孔に締付ボルト35を4本用いているが、溝部40aを8 個掘設した場合には、締付ボルト35を8本用いてもよい。この時に耐摩耗性リ ング40の外周と各孔の内周面との間にシリコンを充填し、固定用のボルト挿通 孔11b,11b内にもシリコンを充填しておくことにより、錆止め、衝撃吸収 、緩み止め等に効果的である。
【0029】 耐摩耗性リング40の摩耗速度は固定板11及び摺動板2自体の摩耗速度に比 して極めて少ないため、複数本の締付ボルト35を用いて耐摩耗性リング40を 取付けたり取外す作業を現場にて容易に行うことができるとともに耐摩耗性リン グ40は繰り返し使用することができる。特に固定板11と摺動板2の幅員は小 さいため、圧入とか焼嵌、冷嵌等の手段では強く締め付けることができないため 、締付ボルト35を利用することが有効である。
【0030】 かかる構成によれば、基本的な動作として、先ず図4に示すホッパ13内に生 コンクリートを投入し、次いで油圧シリンダ10を駆動してプランジャポンプP 、M及び摺動板2を案内台3をガイドとして固定板11に対して摺動させると、 図5に示す如くコンクリートシリンダ1の開口部と供給管4とが連通する。次に プランジャポンプPを駆動してピストン6を矢印Aの如く摺動板2から離反する 方向へ引くと、生コンクリートがコンクリートシリンダ1内に吸入される。次に 再び油圧シリンダ10を駆動してプランジャポンプPと摺動板2を水平方向に移 動させ、図6に示す如くコンクリートシリンダ1の開口部と生コンクリートの吐 出管5を連通させる。ここでピストン6を矢印Bの如く摺動板2側へ押し出すと 、コンクリートシリンダ1内に吸入された生コンクリートが吐出管5内へ圧送さ れる。
【0031】 この時コンクリートシリンダ1a内の開口部は供給管4aと連通しており、プ ランジャポンプMを駆動してピストン6aを矢印Aの如く摺動板2から離反する 方向へ引いて、生コンクリートをコンクリートシリンダ1a内に吸入している。 コンクリートシリンダ1内の生コンクリートが全て押し出されると、次に油圧シ リンダ10を駆動して、再び図5に示す如くコンクリートシリンダ1aの開口部 と吐出管5を連通させ、ピストン6aを矢印Bの如く摺動板2側へ押し出して再 度前記した吐出動作を行う。この間にコンクリートシリンダ1内には供給管4か ら新たな生コンクリートが吸入されている。このようにして生コンクリートの吸 入動作と押出動作を交互にコンクリートシリンダ1とコンクリートシリンダ1a が行うことにより、生コンクリートの圧送が行われる。
【0032】 又、アーム17のロッド16をシリンダ15から突出させ、固定板11を軸2 8を中心として下方へ回動させると、固定板11及びこの固定板11に連結され たホッパ13、吐出管5がともに図4の仮想線に示した位置に、軸28を中心と して回動する。この状態で固定板11と摺動板2とは、その摺動部分がむき出し となるので、前記固定板11,摺動板2及び耐摩耗性リング40の反転或いは交 換調整その他の作業を簡単に行うことが出来る。
【0033】 そして本実施形態では、耐摩耗性リング40が固定板11に開口された供給孔 22a,22b及び吐出孔23と、摺動板2に開口された給排口24a,24b の内壁部分に締付ボルト35,35を用いて固定されており、換言すれば最も摩 耗が激しい部分に耐摩耗性リング40が配置されているため、これら供給孔,吐 出孔及び給排口の周辺部分における摩耗を上記耐摩耗性リング40によって受け 止めることが出来る。従って常時摺動板2と固定板11との液密性を良好に保持 することが出来る上、この耐摩耗性リング40の交換を必要とする場合の作業は 極めて容易であるという特徴が得られる。
【0034】
【考案の効果】
以上説明した本考案に係る泥状物圧送用ポンプにおける固定板と摺動板の構造 によれば、耐摩耗性リングを固定板に開口された供給孔及び吐出孔と、摺動板に 開口された給排口の内壁部分,即ち圧送用ポンプによる稼働時に最も摩耗が激し い部分に装着したので、上記の供給孔,吐出孔及び給排口の周辺部分における摩 耗を上記耐摩耗性リングによって受け止めることが可能となり、しかも長期使用 時に溝部に起因する耐摩耗性リングの割れが発生する惧れがないため、泥状物の 吸入と吐出の切り換え部である固定板と摺動板の液密性、耐久性を高く維持する ことができるとともに、固定板と摺動板自体の摩耗を防止することが出来る。
【0035】 固定板と摺動板の耐久性が飛躍的に向上するため、長期間に渡って部品の反転 とか交換を行う必要がなく、メンテナンスが容易であり、ランニングコストを低 廉化することができる。実験によれば固定板及び摺動板は生コンクリート等の泥 状物の流量が約7500m毎に反転、約15000mで交換すればよい。こ の解きに併せて耐摩耗性リングを回転或いは反転させることにより、該耐摩耗性 リングは約60000mまでの耐久性を有することが確認された。ちなみに従 来は約1500m毎に固定板及び摺動板の交換或いは反転を必要とする。
【0036】 また、耐摩耗性リングを締付ボルトによって固定したことにより、耐摩耗性リ ングの反転或いは交換作業が容易であり、工場に圧送用ポンプを搬入することな く、打設現場で簡単に作業を行うことができる。更に固定板と摺動板は従来の圧 送用ポンプについてもそのまま適用することができる。
【0037】 摺動板と固定板とが完全な平面でなく、多少の隙間を有していても、生コンク リート等の泥状物中の骨材の介在に伴う摩耗をなくして、泥状物の圧送効率の向 上とか最大圧送距離の維持をはかることが出来るとともに、液漏れ等の欠陥を防 止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案で採用した耐摩耗性リングの平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の斜視図。
【図4】生コンクリート圧送用ポンプの概略構造を示す
側面図。
【図5】生コンクリート圧送用ポンプの動作説明図。
【図6】生コンクリート圧送用ポンプの動作説明図。
【図7】本考案を適用した固定板の平面図。
【図8】図7のC矢視図。
【図9】本考案を適用した摺動板の平面図。
【図10】図9のD矢視図。
【図11】本考案を適用した生コンクリート圧送用ポン
プの要部の構造を示す斜視図。
【図12】従来の摺動板の構造を示す平面図。
【図13】従来の固定板の構造を示す平面図。
【図14】生コンクリート圧送用ポンプの摺動部の要部
断面図。
【図15】従来の耐摩耗性リングの構造を示す平面図。
【図16】図15のE矢視図。
【符号の説明】
1、1a…コンクリートシリンダ 2…摺動板 2a…ボルト孔 2b…ボルト挿通孔 4,4a…供給管 5…吐出管 6、6a、7、7a…ピストン 8、8a…ピストンロッド 10…油圧シリンダ 11…固定板 11a…ボルト孔 11b…ボルト挿通孔 13…ホッパ 14、14a…油圧シリンダ 15…シリンダ 17…アーム 20…面板 22a,22b…供給孔 23…吐出孔 24a,24b…給排口 35…締付ボルト 40…耐摩耗性リング 40a…溝部 41…(肉厚の)領域 整理番号 U3013

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生コンクリート等の泥状物を投入するホ
    ッパに連結されて、該泥状物の供給管に連接する供給孔
    と該泥状物の吐出管に連接する吐出孔が開口された固定
    板と、該固定板に摺動可能に装備され、かつ、シリンダ
    とピストンから成るプランジャポンプが直交して接続さ
    れているとともに該シリンダに連接する泥状物の給排口
    が開口された摺動板と、この摺動板と上記プランジャポ
    ンプとを一体として前記固定板と平行な方向へ往復動作
    可能とした油圧シリンダとを具備した泥状物圧送用ポン
    プにおいて、 前記固定板に開口された泥状物の供給孔及び吐出孔と、
    前記摺動板に開口された泥状物の給排口の内壁部分に、
    外周面の幅員方向略中心位置に摺動板の摺動ラインを中
    心として上下対称位置に固定用ボルトの先端部が嵌合す
    る複数個の溝部が掘設された耐摩耗性リングを装着した
    ことを特徴とする泥状物圧送用ポンプにおける固定板と
    摺動板の構造。
  2. 【請求項2】 前記耐摩耗性リングは円環状の硬質部材
    で構成され、前記溝部は摺動板の摺動ラインと直角方向
    の摺動ラインに対しても左右対称位置に形成され、両摺
    動ラインが交叉する地点近傍のリング本体に、剪断方向
    にかかる衝撃力に耐える肉厚が確保された領域を形成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の泥状物圧送用ポン
    プにおける固定板と摺動板の構造。
  3. 【請求項3】 溝部の断面形状をV字型もしくはU字型
    としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の泥状物
    圧送用ポンプにおける固定板と摺動板の構造。
  4. 【請求項4】 前記耐摩耗性リングは、原素材としての
    WC,Co粉末を混合,プレス,成形,焼結後、熱間静
    水プレス処理して得られた超硬合金であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の泥状物圧送用ポンプにおけ
    る固定板と摺動板の構造。
  5. 【請求項5】 前記耐摩耗性リングは、高合金高速度鋼
    からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の泥状
    物圧送用ポンプにおける固定板と摺動板の構造。
  6. 【請求項6】 前記耐摩耗性リングは、該耐摩耗性リン
    グの外周面の幅員方向略中心位置に摺動板の摺動ライン
    を中心として上下対称に掘設された溝部に対して固定板
    又は摺動板の周縁部から螺合された締付ボルトによって
    各孔の内壁部分に固定されたことを特徴とする請求項
    1,2又は3に記載の泥状物圧送用ポンプにおける固定
    板と摺動板の構造。
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