JP3070087B2 - 強誘電体薄膜素子 - Google Patents

強誘電体薄膜素子

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JP3070087B2
JP3070087B2 JP2285634A JP28563490A JP3070087B2 JP 3070087 B2 JP3070087 B2 JP 3070087B2 JP 2285634 A JP2285634 A JP 2285634A JP 28563490 A JP28563490 A JP 28563490A JP 3070087 B2 JP3070087 B2 JP 3070087B2
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賢二 飯島
公一 釘宮
一朗 上田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、強誘電体メモリー素子など強誘電体の分極
反転を利用する素子、デバイスに利用される強誘電薄膜
素子に関するものである。
従来の技術 従来、第4図に示すように、基板1上の強誘電体薄膜
3と上部電極4と下部電極2は、ほぼ同一面積を有して
おり、さらに、強誘電体薄膜の端部面は下部電極2に対
しほぼ垂直になるように処理されている(例えば、エレ
クトロニクス(Electronics)Feb.,18,P91−95(198
9))。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、強誘電体は分極反転にともない体積変
化を生じるが、これは実際の素子構成では膜厚変化とな
って現れる。この時、従来の素子構成では以下のような
課題が生じる。
すなわち、通常の強誘電体薄膜素子では、下部電極
2、強誘電体膜3、および上部電極4よりなる部分の上
に、絶縁膜5、取り出し電極6、パッシベーション膜等
が積層されているが、実際強誘電薄膜素子を駆動した場
合、分極反転に伴う膜厚変化によりそれら取り出し電極
6、絶縁層5などの特に強誘電体膜端部側においてに、
大きな歪が生じることになる。そして、その分極反転の
繰り返しによる疲労により、割れ、あるいは剥離が生じ
素子の寿命が著しく短くなるという課題がある。また、
分極反転を用いない場合でも、強誘電体に電圧を印加す
ることで圧電効果により、同様の変形が生じ、寿命が短
くなるという課題がある。
本発明は、このような従来の強誘電薄膜素子の課題を
考慮し、剥離や割れが生じず、寿命が長い強誘電薄膜素
子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、下部電極と、前記下部電極上に形成された
強誘電体薄膜と、前記強誘電体薄膜上に形成された上部
電極とを備え、 前記上部電極は、前記強誘電体薄膜の中央部に配置さ
れ、かつ、前記強誘電体薄膜の上部面積よりも小さい面
積を持つように形成されることにより、前記強誘電体薄
膜の端部の圧電効果による体積変化を小さくすることを
特徴とする強誘電体薄膜素子強誘電体薄膜素子である。
また、本発明は、下部電極と、前記下部電極上に形成
された、角錐台である強誘電体薄膜と、その強誘電体薄
膜の上底面上に形成されたその上底面と同じ大きさの上
部電極と、を備えたことを特徴とする強誘電体薄膜素子
である。
作用 上記の従来の課題を解決するためには、最も歪の集中
する強誘電体膜端部の体積変化が小さくなるような素子
構成を用いればよい。
すなわち、上下の電極の面積が異なるので、素子とし
て機能するのは強誘電体膜の中央部分であり、最も歪の
大きくかかる強誘電体膜の端部においては実質的体積変
化は非常に小さくなり、その上に形成された絶縁層、電
極等への影響は殆ど無くなり、素子の寿命が大きく改善
される。
また、強誘電体薄膜の端部面が基板に対して傾斜して
いる場合も同様に、端部において実質的体積変化は非常
に小さくなり、その上に形成された絶縁層、電極等への
影響は殆ど無くなり、素子の寿命が大きく改善される。
実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明による強誘電体薄膜素子の断面図であ
る。基板1として表面に300nmのSiO2を成長させた単結
晶Siを用い、その上に、通常の薄膜形成法、エッチング
法等の素子形成法を用いて、強誘電体薄膜素子を作製し
た。なお本実施例では強誘電体膜3として、PbZr0.8Ti
0.2O3を、また下部電極2、および上部電極4としてPt
を用いた。絶縁膜5はSi3N4を、また取り出し電極6と
してはAlを用いた。
第1図の強誘電体薄膜素子は、上部電極4の方が強誘
電体層3より小さいものである。
第2図および第4図は比較のために作製した素子構成
よりなる強誘電体薄膜素子で、下部電極2と強誘電体膜
3と上部電極4がおおよそ同面積で構成されている。
ここで、第1図、第2図、および第3図の強誘電体薄
膜素子の構成をそれぞれ、構成1、構成2、および構成
3と呼ぶこととする。
また、第4図の強誘電体薄膜素子の構成を、構成4と
呼ぶこととする。
構成1,構成2及び構成4の構成の強誘電体薄膜素子の
105個の素子について、交流電圧を印加して分極反転を
行うことで、これらの素子を駆動し、各素子の寿命につ
いて検討した。
このような繰り返し駆動による素子の劣化について調
べた結果を表1に示す。
表1の結果より明らかなように、従来の構成4を用い
た素子では1012回の繰り返しにより、1/3以上の素子が
割れ、剥離により機能しなくなった。
構成4の素子のTEM観察を行ったところ、強誘電体膜
端部においてその上部の絶縁膜の割れ、読みだし電極の
断線、強誘電体膜と電極の剥離が観察された。
一方、本発明の構成を用いた強誘電体薄膜素子では上
部絶縁膜の割れ、剥離は観察されずきわめて良好な結果
を得た。構成2では1012の繰り返しにより欠陥素子が1
個観測された。
ついで、強誘電体層の材料としてPbZrTiO3、Bi4Ti3O
12、BaTiO3、LiTaO3及びPbGe5O11を用い、構成1の素子
を前記の方法で同様に作製し、素子の繰り返し寿命につ
いて検討を行った。いずれの材料を用いた場合でも1012
回の繰り返しでは素子の劣化は認められなかった。
また、蓄えられる電荷量は狭い方の電極で制限される
ために(2ケの電極を精度良く合わせる必要がなく)、
従来に比べて1.5倍の精度の向上が観察された。
第3図は、他の本発明の一実施例を示すもので、その
強誘電体薄膜3の端部面は、基板1に対してテーパー状
に傾斜している。このような傾斜によっても、割れや剥
離の無い寿命の長い強誘電体薄膜素子を製造できる。
上記実施例では、PZT系材料、BaTiO3、ゲルマン酸
鉛、チタン酸ビスマスなどを用いたが、本発明はこれ以
外の強誘電体を用いた場合でももちろん同様の効果が得
られらる。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明による強誘電
体薄膜素子は、素子の寿命を飛躍的に向上させるもの
で、工業的応用の価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例にかかる強誘電体薄膜素子の断
面図、第2図は比較のために作製した強誘電体薄膜素子
の断面図、第3図は別の本発明の一実施例にかかる強誘
電体薄膜素子の断面図、第4図は比較のために作製され
た従来例の構成に基づく強誘電体薄膜素子の断面図であ
る。 1……基板、2……下部電極、3……強誘電体層、4…
…上部電極、5……絶縁層、6……取り出し電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 一朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−48983(JP,A) 特開 昭63−138808(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下部電極と、前記下部電極上に形成された
    強誘電体薄膜と、前記強誘電体薄膜上に形成された上部
    電極とを備え、 前記上部電極は、前記強誘電体薄膜の中央部に配置さ
    れ、かつ、前記強誘電体薄膜の上部面積よりも小さい面
    積を持つように形成されることにより、前記強誘電体薄
    膜の端部の圧電効果による体積変化を小さくすることを
    特徴とする強誘電体薄膜素子。
  2. 【請求項2】下部電極と、前記下部電極上に形成され
    た、角錐台である強誘電体薄膜と、その強誘電体薄膜の
    上底面上に形成されたその上底面と同じ大きさの上部電
    極と、を備えたことを特徴とする強誘電体薄膜素子。
JP2285634A 1990-10-22 1990-10-22 強誘電体薄膜素子 Expired - Lifetime JP3070087B2 (ja)

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JPS6148983A (ja) * 1984-08-16 1986-03-10 Toray Ind Inc 強誘電性高分子薄膜
JPS63138808A (ja) * 1986-11-29 1988-06-10 Toshiba Corp 集積型圧電薄膜機能素子

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