JP3069887U - 使い捨てパンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右両側の接合部がパンツ幅方向と縦方向の
いずれの外力にも高い接合強度を維持でき、しかもヒー
トシールをするための金型制作が容易に行えるように接
合パターンを工夫する。 【解決手段】 吸収体４を含むシート積層体２，３を前
後に２つ折りし、その左右両側を側縁に沿って接合して
接合部９を形成した使い捨てパンツ１であって、上記接
合部９は、ヒートシールによって形成された基本接合部
９ａと追加接合部９ｂとで構成されて、基本接合部９ａ
は上下方向に所定の間隔を隔てた配列された横長直線状
であり、上記間隔の間の少なくとも一方の端側部分に、
基本接合部９ａと追加接合部９ｂとが上下方向にパター
ン化した連続模様を形成するように、追加接合部９ｂが
基本接合部９ａに接触状態で付加されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、左右両側の接合部の接合パターンを工夫した使い捨てパンツに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、使い捨てパンツは、図４に示すように、透液性又は不透液性のバック シート２と、必要により最下層に不透液性シートを備えた吸収体４と、透液性の トップシート３とからなるシート積層体によって構成され、吸収体４を含むシー ト積層体２，３を前後に２つ折りし、その左右両側を側縁に沿ってヒートシール による接合部９により接合している。

【０００３】 これにより、使い捨てパンツ１の上部には胴部開口５が形成され、左右下部に は一対の脚部開口６が形成されると共に、これらの周囲にゴム製の弾性糸８ａ， ８ｃを添設することによって、ウエスト用ギャザー、レッグ用ギャザーが形成さ れるようになる。また、ウェスト用ギャザー及びレッグ用ギャザーの間にボディ フィット用ギャザーの弾性体８ｂが添設されることもある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような使い捨てパンツ１においては、従来から左右両側のヒートシール による接合部９の接合パターンについて様々な工夫がなされている。

【０００５】 第１従来技術（例えば、特開平７−３４８１７号公報参照）の接合パターンの 基本接合部は、上下方向に所定の間隔を隔てて配列された横向きＶ字状であって 、収束部であるＶ字状頂部の接合力が不足ぎみであることから、着用時にパンツ 幅方向の外力が加わると、この部分から剥離して分解するおそれがあるという問 題がある。

【０００６】 第２従来技術（例えば、特開平１０−８０号公報参照）の接合パターンの基本 接合部は、上下方向に所定の間隔を隔てて配列された半円状であって、このよう な接合パターンにヒートシールをするための金型制作が困難であって高価になる という問題がある。

【０００７】 本考案は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、接合部がパンツ 幅方向と縦方向のいずれの外力にも高い接合強度を維持でき、しかもヒートシー ルをするための金型制作が容易に行えるように接合パターンを工夫した使い捨て パンツを提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、吸収体を含むシート積層体を前後に２ つ折りし、その左右両側を側縁に沿って接合して接合部を形成した使い捨てパン ツであって、 上記接合部は、ヒートシールによって形成された基本接合部と追加接合部とで 構成されて、基本接合部は上下方向に所定の間隔を隔てた配列された横長直線状 であり、上記間隔の間の少なくとも一方の端側部分に、基本接合部と追加接合部 とが上下方向にパターン化した連続模様を形成するように、追加接合部が基本接 合部に接触状態で付加されていることを特徴とする使い捨てパンツを提供するも のである。

【０００９】 本考案によれば、基本接合部を上下方向に所定の間隔を隔てた配列された横長 直線状とするとともに、追加接合部を基本接合部の間隔の間で、少なくとも一方 の端側部分に、基本接合部と追加接合部とが上下方向にパターン化した連続模様 を形成するように、追加接合部を基本接合部に接触状態で付加することにより、 第１従来技術の横向きＶ字状頂部のような接合力の不足ぎみ部分が無くなること から、着用時にパンツ幅方向のみならず縦方向の外力が加わっても、外力に高い 接合強度を維持できる一方、基本接合部と追加接合部とが上下方向にパターン化 した連続模様を形成することから、ヒートシールをするための金型制作が容易に 行える。

【００１０】 上記基本接合部の形状としては、上下方向に等間隔を隔てて配列された直線で 形成されている構成（請求項２）、上下方向に等間隔を隔てて配列された斜線で 形成されている構成（請求項３）のいずれか又はこれらの組み合わせを選択する ことができる。

【００１１】 上記追加接合部の付加形態としては、基本接合部の両端部分又は内端部分と外 端部分のいずれか一方に付加されている構成（請求項４）、基本接合部の全域又 は上下端の少なくとも一方の部分域に付加されている構成（請求項５）、基本接 合部の内端部分と外端部分とに上下交互に付加されている構成（請求項６）のい ずれか又はこれらの組み合わせを選択することができる。

【００１２】 また、上記追加接合部の形状としては、基本接合部に対して、Ｌ字状、Ｔ字状 又はＹ字状である構成（請求項７）のいずれか又はこれらの組み合わせを選択す ることができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来技術 と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。

【００１４】 図１〜図３の各実施形態においては、図４の左右両側の接合部９の内、向かっ て右側の接合パターンのみを示してあり、左側の接合パターンは一側の接合パタ ーンと対称となる。上記接合部９は、ヒートシールによって形成された基本接合 部９ａと追加接合部９ｂとで構成されている。

【００１５】 図１（ａ）は第１実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状であって、基本接合部９ａの全ての間隔の間の外端部分に、追加接合部９ ｂの下端のみが基本接合部９ａに接触状態で横Ｌ字状となるように付加されてい る。

【００１６】 上記基本接合部９ａの間隔は必ずしも等間隔である必要はない。

【００１７】 上記追加接合部９ｂは、基本接合部９ａに対して横Ｌ字状である必要はなく、 後述するようなＴ字状、Ｙ字状であっても良い。

【００１８】 上記追加接合部９ｂは、内端部分に付加されていても良く、内外両端部分に付 加されていても良い。また、追加接合部９ｂは基本接合部９ａの上下方向の全域 であっても、上下端の部分域あるいは、上下端のいずれか一方の部分域に付加さ れていても良い。さらに、追加接合部９ｂは、基本接合部９ａの内端部分と外端 部分とに上下交互に付加されていても良い。なお、追加接合部９ｂの付加形態は 、これらのいずれか又はこれらの組み合わせを適宜に選択することができる。

【００１９】 第１実施形態において、基本接合部９ａを上下方向に所定の間隔を隔てた配列 された横長直線状とするとともに、追加接合部９ｂを基本接合部９ａの全ての間 隔の間の外端部分に、基本接合部９ａと追加接合部９ｂとが上下方向に横Ｌ形パ ターンで連続模様を形成するように、追加接合部９ａを基本接合部９ａに接触状 態で付加することにより、第１従来技術の横向きＶ字状頂部のような接合力の不 足ぎみ部分が無くなることから、着用時にパンツ幅方向のみならず縦方向の外力 が加わっても、外力に高い接合強度を維持できるので、パンツが剥離して分解す るおそれがなくなる。

【００２０】 また、基本接合部９ａと追加接合部９ｂとが上下方向に横Ｌ形パターンで連続 模様を形成することから、ヒートシールをするための金型制作が容易に行えて安 価になる。

【００２１】 さらに、基本接合部９ａの間隔の間に追加接合部９ｂを付加することにより、 この間隔にウェスト用ギャザーとボディフィット用ギャザーの各弾性体８ａ，８ ｂが位置していても、ヒートシールによって溶断されることから、各弾性体８ａ ，８ｂによる引っ張り変形が接合部９に生じにくくなって外観性も良好となる。

【００２２】 図１（ｂ）は第２実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下交互に接触状態 で付加されて、横Ｌ形１交互パターンで連続模様を形成する。

【００２３】 図１（ｃ）は第３実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは下向き 縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分に上下１個置きに接触状態で付加さ れて、横Ｌ形１飛ばしパターンで連続模様を形成する。

【００２４】 図１（ｄ）は第４実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状と下向き縦線状の組み合わせであって、基本接合部９ａの内端部分に上向 き縦線状の追加接合部９ｂが接触状態で付加されると共に、基本接合部９ａの外 端部分に下向き縦線状の追加接合部９ｂが接触状態で付加されて、横Ｌ形内外重 複パターンで連続模様を形成する。

【００２５】 図２（ａ）は第５実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下交互に接触状態 で付加されて、横Ｔ形１交互パターンで連続模様を形成する。

【００２６】 図２（ｂ）は第６実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下１個置きに交互 に接触状態で付加されて、横Ｔ形１交互・１飛ばしパターンで連続模様を形成す る。

【００２７】 図２（ｃ）は第７実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは上向き 縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下２個づつで交互 に接触状態で付加されて、横Ｔ形２交互パターンで連続模様を形成する。

【００２８】 図２（ｄ）は第８実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは右下が り斜線状であって、基本接合部９ａの外端部分に接触状態で付加されて、横斜め Ｔ形パターンで連続模様を形成する。

【００２９】 図２（ｅ）は第９実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下方 向に等間隔を隔てて配列された横長直線であると共に、追加接合部９ｂは横向き Ｖ字状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下交互に接触状態 で付加されて、横Ｙ形１交互パターンで連続模様を形成する。

【００３０】 図３（ａ）は第１０実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下 方向に等間隔を隔てて配列された右上がりの横長斜線であると共に、追加接合部 ９ｂは上向き縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分に上下１個置きに接触 状態で付加されて、横Ｌ形１飛ばしパターンで連続模様を形成する。

【００３１】 図３（ｂ）は第１１実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下 方向に等間隔を隔てて配列された右上がりの横長斜線であると共に、追加接合部 ９ｂは横線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下交互に接 触状態で付加されて、変形横Ｌ形１交互パターンで連続模様を形成する。

【００３２】 図３（ｃ）は第１２実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下 方向に等間隔を隔てて配列された右上がりの横長斜線であると共に、追加接合部 ９ｂは縦線状であって、基本接合部９ａの外端部分に接触状態で付加されて、横 斜めＴ形パターンで連続模様を形成する。

【００３３】 図３（ｄ）は第１３実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下 方向に等間隔を隔てて配列された右上がりの横長斜線であると共に、追加接合部 ９ｂは縦線状であって、基本接合部９ａの内端部分と外端部分とに上下交互に接 触状態で付加されて、横斜めＴ形１交互パターンで連続模様を形成する。

【００３４】 図３（ｅ）は第１４実施形態の接合パターンであり、基本接合部９ａは、上下 方向に等間隔を隔てて配列された右上がりの横長斜線であると共に、追加接合部 ９ｂは横線状であって、基本接合部９ａの外端部分に接触状態で付加されて、横 斜めＴ形パターンで連続模様を形成する。

【００３５】 上記第２実施形態〜第１４実施形態においても第１実施形態と同様に、外力に 高い接合強度を維持できるので、パンツが剥離して分解するおそれがなくなると 共に、接合パターンで連続模様を形成するのでヒートシールをするための金型制 作が容易に行えて安価になる。また、引っ張り変形が接合部９に生じにくくなっ て外観性が良好となる。

【００３６】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案は、基本接合部を上下方向に所定の 間隔を隔てた配列された横長直線状とするとともに、追加接合部を基本接合部の 間隔の間で、少なくとも一方の端側部分に、基本接合部と追加接合部とが上下方 向にパターン化した連続模様を形成するように、追加接合部を基本接合部に接触 状態で付加することにより、第１従来技術の横向きＶ字状頂部のような接合力の 不足ぎみ部分が無くなることから、着用時にパンツ幅方向のみならず縦方向の外 力が加わっても、外力に高い接合強度を維持できるので、パンツが剥離して分解 するおそれがなくなる。

【００３７】 また、基本接合部と追加接合部とが上下方向にパターン化した連続模様を形成 することから、ヒートシールをするための金型制作が容易に行えて安価になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の接合部の接合パターン図であり、
（ａ）は第１実施形態の接合パターン図、（ｂ）は第２
実施形態の接合パターン図、（ｃ）は第３実施形態の接
合パターン図、（ｄ）は第４実施形態の接合パターン図
である。

【図２】 本考案の接合部の接合パターン図であり、
（ａ）は第５実施形態の接合パターン図、（ｂ）は第６
実施形態の接合パターン図、（ｃ）は第７実施形態の接
合パターン図、（ｄ）は第８実施形態の接合パターン
図、（ｅ）は第９実施形態の接合パターン図である。

【図３】 本考案の接合部の接合パターン図であり、
（ａ）は第１０実施形態の接合パターン図、（ｂ）は第
１１実施形態の接合パターン図、（ｃ）は第１２実施形
態の接合パターン図、（ｄ）は第１３実施形態の接合パ
ターン図、（ｅ）は第１４実施形態の接合パターン図で
ある。

【図４】 使い捨てパンツの正面図である。

【符号の説明】

１ 使い捨てパンツ ２ バックシート ３ トップシート ４ 吸収体 ９ 接合部 ９ａ 基本接合部 ９ｂ 追加接合部

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸収体を含むシート積層体を前後に２つ
   折りし、その左右両側を側縁に沿って接合して接合部を
   形成した使い捨てパンツであって、 上記接合部は、ヒートシールによって形成された基本接
   合部と追加接合部とで構成されて、基本接合部は上下方
   向に所定の間隔を隔てた配列された横長直線状であり、
   上記間隔の間の少なくとも一方の端側部分に、基本接合
   部と追加接合部とが上下方向にパターン化した連続模様
   を形成するように、追加接合部が基本接合部に接触状態
   で付加されていることを特徴とする使い捨てパンツ。
2. 【請求項２】 上記基本接合部は、上下方向に等間隔を
   隔てて配列された直線で形成されている請求項１に記載
   の使い捨てパンツ。
3. 【請求項３】 上記基本接合部は、上下方向に等間隔を
   隔てて配列された斜線で形成されている請求項１に記載
   の使い捨てパンツ。
4. 【請求項４】 上記追加接合部は、基本接合部の両端部
   分又は内端部分と外端部分のいずれか一方に付加されて
   いる請求項１〜請求項３のいずれかに記載の使い捨てパ
   ンツ。
5. 【請求項５】 上記追加接合部は、基本接合部の全域又
   は上下端の少なくとも一方の部分域に付加されている請
   求項１〜請求項３のいずれかに記載の使い捨てパンツ。
6. 【請求項６】 上記追加接合部は、基本接合部の内端部
   分と外端部分とに上下交互に付加されている請求項１〜
   請求項３のいずれかに記載の使い捨てパンツ。
7. 【請求項７】 上記追加接合部は、基本接合部に対し
   て、Ｌ字状、Ｔ字状又はＹ字状である請求項１〜請求項
   ６のいずれかに記載の使い捨てパンツ。