JP3069803U - 撥水性保温編地 - Google Patents

撥水性保温編地

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JP3069803U
JP3069803U JP1999010190U JP1019099U JP3069803U JP 3069803 U JP3069803 U JP 3069803U JP 1999010190 U JP1999010190 U JP 1999010190U JP 1019099 U JP1019099 U JP 1019099U JP 3069803 U JP3069803 U JP 3069803U
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一歩 藤原
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有限会社藤原興産
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(57)【要約】 【課題】 寒期などにおける降雪時、降雨時、霧発生時
などの低温で、かつ水分が当る状態や湿気があるときに
着用する外衣料用の布地として、外部からの水の滲み込
みを防ぎ、内側においては積極的保温機能のある、二つ
の機能を持つ編み地を案出する。 【解決手段】 表面と裏面とが異なる糸で構成されてい
るリバーシブル編み組織として、表面構成糸である表糸
は、フッソ系樹脂繊維が編み組織として総合的に混用さ
れていて、裏面構成糸である裏糸は、湿潤発熱性ポリア
クリレート系繊維の混紡糸が編み組織として総合的に混
用されている構成とし、表側は撥水性に、裏側は身体か
らの発汗などの水分を利用して発熱する積極的保温性を
発揮するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、複数の繊維の特定機能を相乗的に効率よく有用化、実用化するため の編み地組織に関する考案である。
【0002】
【従来の技術】
雨具用布地、コート用布地あるいはスポーツウエア用布地など、雨水などの水 の滲み込みを防止する手段として布地表面を撥水性にするために、シリコン系樹 脂などのコーティング、フッソ系樹脂などのコーティングにより、布地の繊維表 面にこれら樹脂の皮膜を形成させることによって撥水性機能を与えることは公知 である。これらの加工は繊維表面に薄い皮膜を形成させるので撥水性の維持性能 、つまり使用途上や洗濯などの際に剥離、摩滅などがおこり耐久性については必 ずしも高くはない。
【0003】 またフッソ系樹脂で繊維をつくり、この繊維を混用した糸を用いた布地に撥水 性があることが知られている。かような布地はコーティング法におけるような剥 離、摩滅などがなく撥水性の耐久性が高く、この方法は「工業材料,Vol.4 4,No.10,p.117,日刊工業新聞社(1996.9)」などに記載が あり公知である。
【0004】 一方、防寒衣料用布地などの積極的保温を目的として、高い吸湿性と吸湿発熱 性がある合成繊維の利用が行われている。 元来、羊毛や綿には吸湿発熱性があることは、「日本繊維機械学会公開講座配 布資料;産業資材と機能繊維;羊毛・水に濡れると発熱する秘密,p.5(19 84.7.6)」などで公知である。 ポリアクリレート系合成繊維の一つである塩型カルボキシル基導入架橋アクリ ル系合成繊維がその分子構造によって、理想状態では通常の羊毛の発熱性(48 0J/g程度)の大凡2倍以上(1450J/g程度)の吸湿発熱性があること が知られていて、これら湿潤発熱性合成繊維が積極的保温機能の必要な用途に用 いられている。 これらの使い方は特許公報特公平7−59762、特許公報特開平10−46 457号などに開示されていて公知である。 しかるに、何れの公知技術も撥水性ならびに積極的保温おのおのの単独の技術 であり、単一の布地で両機能をもつものは無かった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
冬季などの寒期における降雪時、降雨時、霧発生時などのときに着用する外衣 料用の布地として水分を通さないゴムびき布などがあり、これを用いた外衣は外 からの水分の浸透は防ぐけれども、発汗による水分で蒸れるという欠点があった 。 表面に通気性のあるフッソ系樹脂のコーティングを施した布地あるいはフッソ 系樹脂繊維を混用した布地を用いた外衣料の着用は、撥水性を発揮して水分の滲 み込みを防止し身体が水に濡れることは防ぐけれども、通気性があるので外部の 冷たい空気が身体に至り寒気を意識することがある。 また、同様な場合に湿潤発熱性繊維の混用布地を身体側に用いた衣料の着用は 、身体の表面から発生する水蒸気や発汗による湿潤によって発熱し、暖かさと保 温性を与えるが、外部からの冷えた水分の滲み込みによってせっかくの発熱が冷 やされてしまうことになる問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
寒期の降雪時、降雨時、霧発生時などの寒くて湿気があるときに着用する外衣 料用の布地において、外部からの水の滲み込みを防ぎ、内側、つまり身体側では 身体の表面から発生する水蒸気や発汗の湿潤を利用して積極的保温をする構成と すれば、身体が外からの水分によって濡れることを防ぎ、内側の積極的保温機能 が妨げられることが無いという着想に考案者は至ったものである。
【0007】 上記目的を達成するために鋭意検討の結果、表面と裏面とが実質的に異なる糸 で構成されている両面編地あるいはそえ糸編地において、表面側構成糸である表 糸はフッソ系樹脂繊維が総合的に混用されていて、裏面側構成糸である裏糸は湿 潤発熱性ポリアクリレート系繊維の混紡糸が総合的に混用されていることを特徴 とする編地の考案に至った。 さらに、表糸におけるフッソ系樹脂繊維の総合混用率は10%程度以上、裏糸 における湿潤発熱性ポリアクリレート系繊維の総合混用率は10%程度以上であ ること、表糸あるいは表糸の一部がフッソ系樹脂繊維と他繊維との混紡糸である こと、表糸の一部にフッソ系樹脂繊維フィラメント糸、あるいは表糸全部かその 一部に該糸と他繊維糸との引揃え糸または交撚糸を用いることなどの要件を見い だした。
【0008】
【考案の実施の形態】
2針床の緯編機における両面編み組織において、表側を実質的に構成する表糸 と裏側を実質的に構成する裏糸とが異なるリバーシブルともいわれる編み組織が ある。 本考案でいうリバーシブルとは、表糸は実質的に表側に、裏糸は実質的に裏側 に現れる編み組織をいう。 かような編み組織において、例えば表糸として黒色糸を用い、裏糸として赤色 糸を用いれば編み地の表面は黒色に、裏面は赤色になり、ここでいう実質的とは このように表側は殆ど表糸が現われ、裏側は殆ど裏糸が現わていることをいう。 2針床の経編機でも両面編み組織でかかる編み組織があり、これらも本考案の 編み地に含まれる。
【0009】 単針床の緯編機においても、針に対して前後の2孔式給糸口を設け、それぞれ に異なる糸を供給して編成するそえ糸編み組織があ。かような方法で二種類の糸 を用いて、表側は実質的に一方の表糸が現れ、裏側は実質的に他方の裏糸が現れ るようにできる。この理由は針頭に近い方の糸は編み目脱出のときにフックの前 面に位置するので、編み地では実質的に裏面のみに現れてリバーシブルとなる。
【0010】 図1は本考案の緯編みのリバーシブル両面編組織の例を示す。すなわち図を描 く紙面の表面側を編み地の表側として、表側には実質的に表糸が現われ、裏側に は実質的に裏糸が現われる。 つまりリバーシブル両面編み組織の例で、実線で示す1は表側を構成する表糸 による編目を示し、フッソ系樹脂繊維またはフッソ系樹脂繊維混用糸が含まれて いる編み目を示す。 点線で示す2は裏側を構成する裏糸による編目を示し、湿潤発熱性ポリアクリ レート系繊維の混紡糸を含む編み目を示す。
【0011】 図2は本考案のリバーシブルそえ糸編組織の例を示す。つまり図を描く紙面の 表面側を編み地の表側として、実質的に表側は殆ど表糸が現われ、裏側は殆ど裏 糸が現われるそえ糸編み組織の例で、塗りつぶし線で示す3は実質的に表側を構 成する表糸による編み目で、フッソ系樹脂繊維またはフッソ系樹脂繊維混用糸が 含まれている糸を示す。 白抜き線で示す4は実質的に裏側を構成する裏糸による編み目を示し、湿潤発 熱性のあるポリアクリレート系繊維の混紡糸を含む編み目である。 図1、図2とも編み組織の形態を分かりやすくするために編み目を細い線で描 いているので、図においては表側から裏の編み目が見えるが、実際の編み地にお いては繊維の巻縮、糸の太さ、糸の膨らみなどで表側からは裏糸が、裏側からは 表糸が互いに殆ど見えない。
【0012】 本考案では実質的に表側に現れる糸を表糸、実質的に裏側に現れる糸を裏糸と 称するが、緯編みにおける丸編機は一般的には給糸口が多口型であるので、実質 的に表側に現れる糸が複数の糸種群で構成する場合も表糸と称し、同様に実質的 に裏側に現れる糸が複数の糸種群で構成する場合も裏糸と称する。 また、経編みにおいては経糸がおのおの独立なので、複数の糸種群で構成する 場合も実質的に表側に現れる糸を表糸と称し、同様に実質的に裏側に現れる糸を 裏糸と称する。
【0013】 本考案でいうフッソ系樹脂繊維とは、PTFE(ポリ4フッ化エチレン)、P FA(4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシ基共重合体)、FEP(フッ 化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体)、ETFE(4フッ化エチレン・エ チレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビ ニル)などが含まれる。
【0014】 前記6種のフッソ系樹脂繊維ならびに綿糸、ポリエステル糸を編み地に編成し 、紡糸工程などで繊維に付着している工程油などを脱落させるために、LAS系 合成洗剤を用いて40℃で洗濯し、水洗、脱水ならびに乾燥して編み地試料とし た。 容積比でイソピルアルコール20%、水80%の混合液を試料表面にピペット で直径2〜3mmの液滴として置く方法で、これら試料の撥水性の評価を行った 。 結果は綿糸の編み地とポリエステルの編み地は布中に浸み込んだが、これら6 種のフッソ樹脂繊維糸による編み地は液滴が球状のままで高度な撥水性が認めら れ、液滴の形状、状態から該6種のフッソ樹脂繊維は同様な撥水性があることが 認められた。 これらの結果から、これらポリマーを主成分とする繊維を本考案では撥水性と いう点ではフッソ系樹脂繊維として同様に扱ってよいことが分かった。
【0015】 表糸はフッソ系樹脂繊維と他繊維、つまり一般的に使われる繊維、例えば、綿 、羊毛、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリエステル・綿などとの混用糸 が用いられる。 フッソ系樹脂繊維との混用方法は、フッソ系樹脂繊維のステープルを用いる場 合は混紡法、同繊維のフィラメント糸を用いる場合には交撚法(含カバリング法 )など繊維加工で一般的に用いられている紡績や糸加工法が適用できる。 また、フッソ系樹脂繊維と他繊維との混紡糸と、他繊維のみの糸との引揃え糸 や交撚糸を適用してもよい。
【0016】 これら混用糸は表糸として単独使用でなくてもよい。つまりこれらのフッソ系 樹脂繊維混用糸と、綿糸、羊毛糸、アクリル紡績糸、ナイロン糸、ポリエステル フィラメント糸、ポリエステル紡績糸、ポリエステル・綿混紡糸などの他の繊維 糸と、引揃え法、交編法などの方法で編み組織として総合混用し、表側全体つま り表糸全体としてフッソ系樹脂繊維が混用されていればよい。
【0017】 表糸はフッソ系樹脂繊維フィラメント糸そのものが使われていてもよい。 かかる場合は他繊維糸、例えば綿糸、羊毛糸、アクリル紡績糸、ナイロン糸、 ポリエステル糸、ポリエステル紡績糸ならびにこれらの繊維の混紡糸など、通常 衣料に用いられる他繊維糸と引揃え編み法や交編法などで、表側全体つまり表糸 の編み組織として総合的に他の繊維糸と混用されている構成とする。
【0018】 フッソ系樹脂繊維の総合的混用が多いと撥水性は高まる方向ではあるが、フッ ソ系樹脂繊維の混用があまりにも多いとフッソ樹脂の特徴が強調され、布地が滑 りやすく、またワキシーなプラスチック的な風合いとなり衣料用としては好まし くなく、40%程度以下が好ましい。 フッソ樹脂繊維の混用率があまりにも低いと混用されているフッソ系樹脂繊維 同士が離れすぎるので撥水性が不良となる。
【0019】 ポリアクリレートという呼称はアクリル酸あるいはそのエステル重合物を指す 。 本考案でいう湿潤発熱性のポリアクリレート系繊維は、塩型カルボキシル基が 導入されている親水性の架橋アクリル系樹脂による合成繊維で、塩の部分、重合 度、架橋構造などの調整によって繊維としての性能を具備するようにしている。 本考案で用いる湿潤発熱性繊維は、かようなポリマーによる湿潤発熱性ポリア クリレート系繊維(WPA)とする。
【0020】 裏糸として用いるWPAは強度的性能が高くないので他繊維、つまり一般的に 使われる繊維、例えば綿、羊毛、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリエス テル・綿などとの混紡糸として用い、WPAの混紡率は高いほど発熱性は高くな るが、強度的観点からおおよそ60%程度以下の混紡とするべきである。 これら混紡糸は裏糸として単独使用でなくてもよく、他繊維糸と引揃え編み、 交編などの方法で編み組織として総合的に混用してもよい。
【0021】 表糸としてフッソ系樹脂繊維の一つであるPFA樹脂繊維(以降、PFAと称 す)とW(ウール)、PFAとCo(綿)、PFAとPET(ポリエステル繊維 )の各混紡糸、ならびにPFAフィラメント糸、同糸とN(ナイロン)フィラメ ント糸との交撚による混用糸をおのおの試作した。 また裏糸としては、WPA(湿潤発熱性ポリアクリレート系繊維)とW混紡糸 、WPAとPET混紡糸を試作した。 さらに、前記のPFA、PFA混用糸ならびにWPA混紡糸と、引揃え編みや 交編による編み組織としての総合混用のための他繊維糸による共通糸としてW、 Co、PETの各紡績糸を用意した。 表1にこれらの糸種と糸番手、使用繊維、混用率(質量比)を示す。なお、糸 番手はdtex(デシテックス)表示とした。なお、208dtexはメートル 番手で1/48(Nm)、197dtexは綿番手で30/1(cc)に相当す る。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】 表2に試作した編み地の明細を示す。表2における表糸ならびに裏糸の構成欄 は表1に示す糸No.〜、▲11▼、▲12▼に対応する。 表2において、編地No.1〜12はリバーシブル両面緯編み地で、編み組織 は図1に示す組織を用い、使用編機は2針床の28ゲージ(針密度;28本/2 5.4mm)の糸供給口が多口の丸編機を用いた。 編地No.13、14は緯編みのリバーシブルそえ糸編地で、天竺編み組織を 用い、使用編機は単針床の20ゲージの多口の丸編機で、編み地は表側に表糸が 、裏側には裏糸が現れるリバーシブルである。 表2で混用率とあるのは、表糸についてはPFAと他繊維との編み組織として の総合混用率、裏糸についてはWPAと他繊維との編み組織としての総合混用率 のことで、2種の糸の交編においての総合混用率の調整法は多口供給を利用して 供給比で行い、総合混用率は各糸の供給量から計算した。
【0025】
【表3】
【0026】 表3は、表2の編み地の表面の撥水性と、裏面の温度上昇度の評価結果である 。 編み地の表面の撥水性の評価方法は、JIS L1092−1992、5.2 はっ水度試験(スプレー試験)によった。 また、編み地の裏面の上昇温度とは20℃の絶乾状態から、20℃90%RH の雰囲気中に移したときの20℃からの温度上昇の最大値であり。温度測定は露 出面の温度測定ができるサーモグラフィによった。測定器はNEC三栄会社製、 測定条件は波長8〜13μm、放射率を1とした。
【0027】 表3の結果を表2の混用率(総合混用率)との関係でみると次の通りであった 。 編み地試料の表面の撥水性については採点数で80以上を撥水性が十分、それ 以下を不十分として判定すると、PFAの総合混用率で大凡10%程度以上が撥 水性が十分といえる結果となった。
【0028】 編み地試料の裏面の上昇温度については、上昇温度1℃以上を通常繊維より積 極的保温性があると判定すると、WPAの総合混用率で大凡10%程度以上が積 極的保温性があることが分かった。
【0029】 次に実用評価として、表2の編み地No.1、2、4、5、6についてパーカ ーを縫製し着用評価を行った。 方法は人工気象室で17℃で微風(3m/s)、霧雨状態の環境で官能評価検 討を行った。この環境は人が通常の綿の長袖アンダーシャツ着用の上にポリエス テルのパーカーを着用してやや寒さと湿り気を感じる程度の環境であった。 編地No.1、2、5については撥水性は満足の行くものであり、寒さを感じ ることなく保温状態も良好であった。 編地No.6については前者らに比較して撥水性は良好であったが、やや寒さ を感じた。編地No.4については着用直後は暖かい感じであったが、撥水性が 不十分であったため次第に湿り気を感じるようになり暖かい感じが損なわれた。 以上のことから、本考案を効果的にする構成は表糸におけるフッソ系樹脂繊維 の総合混用率として、その境界は定かでないが大凡10%程度以上、裏糸におけ る湿潤発熱性ポリアクリレート系繊維の総合混用率が大凡10%程度以上である ことが分かった。
【0030】 表糸についてはフッソ樹脂繊維と混用相手の他の繊維として、精練綿などの親 水性の繊維の場合と、やや撥水性のポリエステル繊維などの場合とでは、編み地 としては撥水性を示す限界混用率には大きな差はないことが分かった。
【0031】
【考案の効果】
本考案は上記の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0032】 (1)本考案の布地を用いて外着衣料とすれば、寒期における降雪時、降雨時、 霧発生時などの寒くて湿気があるときに外部からの水の滲み込みを防ぎ、内側、 つまり身体側では身体の表面から発生する水蒸気や発汗の湿潤を利用して発熱し て積極的保温を行うので、かかる寒くて湿気がある不快な環境時に快適な状態を 維持することができる。 (2)ゴムびき布、ポリウレタンコーティング布などの防水布を用いた外衣は、 外からの水分の浸透は防ぐけれども、発汗による蒸れで不快になる欠点がある。 本考案では組織的には普通の編み組織であり、通気性があるのでかかる欠点が ない。 (3)布地の表側に撥水性を付与する手段として、シリコン系樹脂加工やフッソ 系樹脂加工などがあるが、これらは皮膜形成方式なので通気性が損なわれ、使用 や洗濯などで剥離、摩滅などがおこりやすく耐久性が低いのに対し、本考案では フッソ系樹脂繊維の混用方式なので通気性が損なわれず、耐久性は布地の耐久性 と同じだけ維持される。 以上、本考案は寒くて湿気があるときなどの戸外や水上スポーツ衣料、水上作 業用衣料、雪上作業用衣料などその応用範囲が広く、その機能の耐久性とともに 経済性があり衣料の新しい展開に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】両面編みリバーシブル組織の例
【図2】そえ糸編みリバーシブル組織の例
【符号の説明】
1 表糸によるフッソ系脂繊維混用の編み目 2 裏糸による湿潤発熱性繊維混用の編み目 3 表糸によるフッソ系樹脂繊混用の編み目 4 裏糸による湿潤発熱性繊維混用の編み目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A41D 31/00 503 A41D 31/00 503E

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面と裏面とが実質的に異なる糸で構成
    されている両面編地あるいはそえ糸編地において、表面
    側構成糸である表糸はフッソ系樹脂繊維が総合的に混用
    されていて、裏面側構成糸である裏糸は湿潤発熱性ポリ
    アクリレート系繊維の混紡糸が総合的に混用されている
    ことを特徴とする編地。
  2. 【請求項2】 表糸におけるフッソ系樹脂繊維の総合混
    用率は10%以上、裏糸における湿潤発熱性ポリアクリ
    レート系繊維の総合混用率は10%以上であることを特
    徴とする請求項1の編み地。
  3. 【請求項3】 表糸あるいは表糸の一部がフッソ系樹脂
    繊維と他繊維との混紡糸であることを特徴とする請求項
    1ならびに請求項2の編地。
  4. 【請求項4】 表糸の一部にフッソ系樹脂繊維フィラメ
    ント糸、あるいは表糸全部かその一部に該糸と他繊維糸
    との引揃え糸または交撚糸が用いられていることを特徴
    とする請求項1ならびに請求項2の編地。
JP1999010190U 1999-12-20 1999-12-20 撥水性保温編地 Expired - Lifetime JP3069803U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016141358A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 豊田合成株式会社 内装部品

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