JP3069690B2 - 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子 - Google Patents

日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子

Info

Publication number
JP3069690B2
JP3069690B2 JP10349471A JP34947198A JP3069690B2 JP 3069690 B2 JP3069690 B2 JP 3069690B2 JP 10349471 A JP10349471 A JP 10349471A JP 34947198 A JP34947198 A JP 34947198A JP 3069690 B2 JP3069690 B2 JP 3069690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
rna
seq
base sequence
sequence shown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10349471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000166566A (ja
Inventor
隆男 伊藤
洋之 家城
克己 尾崎
Original Assignee
農林水産省果樹試験場長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 農林水産省果樹試験場長 filed Critical 農林水産省果樹試験場長
Priority to JP10349471A priority Critical patent/JP3069690B2/ja
Publication of JP2000166566A publication Critical patent/JP2000166566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3069690B2 publication Critical patent/JP3069690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物に感染する病
原体であるウイロイドの塩基配列に関し、より詳細に
は、カンキツに感染性を有する日本カンキツウイロイド
1のRNA、そのcDNA、並びに日本カンキツウイロ
イド1の検出方法、及びそれに用いる核酸プローブ及び
核酸プライマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ウイロイド(感染性を持つ環状の1本鎖
RNA)による植物病害は、近年果樹類で多く発生して
おり、その症状の性質又は程度によって様々な被害をも
たらす。カンキツに対して感染性を示すウイロイドとし
て、カラタチ台木に剥皮の症状を示すカンキツエクソコ
ーティスウイロイド(CEVd)、カラタチ台カンキツ
に矮化や果実収量の低下をもたらすカンキツウイロイド
(CVd)I、II、III及びIVの計5つのウイロイドグ
ループが存在することが報告されており、その塩基配列
も決定されている(畑谷、植物防疫、第51巻、第4号、
21-25、1997)。さらに、最近になって、日本カンキツ
ウイロイド1(JCVd1)が新たに発見されたが、そ
の塩基配列は未だに決定されていない。
【0003】従来、これらのウイロイドを検出するため
には、カンキツウイロイドの検定植物であるエトログシ
トロン系統アリゾナ861−S1を用いた木本検定によ
って、現れてくる病徴の観察を行う方法、若しくは罹病
植物より低分子RNAを抽出、純化し、電気泳動法(P
AGE)によってウイロイド様RNAを確認する方法
(N. Duran-Vilaら,Proc. 12th Conf. IOCV, Riversid
e, 343-352, 1993)、又はこれらの方法の組合せ(N. D
uran-vilaら、J. gen. Virol., 69, 3069-3080,1988)
が用いられていた。
【0004】しかしながら、木本検定には観察に6〜9
ヶ月の長期間を要するという欠点があり、また電気泳動
法による方法には十分な感度が得られないという欠点が
ある。さらに、これらの方法では、一度に多数の試料を
取り扱うことが困難であり、正確なウイロイドの同定は
できない。そこで、ウイロイドの検出法として、遺伝子
診断法による検出法が開発された(Maria Esther de No
ronha Fonsecaら,J. Virol. Methods, 57, 203-207, 1
996; N. Yoshikawaら,Ann. Phytopathol. Soc. Jpn.,
62, 119-124, 1996)。この方法によれば、迅速かつ正
確な検定が可能となり、また、一度に多数の試料を取り
扱うことができる。
【0005】しかし、遺伝子診断法による検出法を行う
には、検出対象となるウイロイドの塩基配列が決定され
ていなければならない。上記の5つのウイロイドグルー
プについては塩基配列が決定されているため、この方法
を使用することができるが、上記JCVd1については
未だに塩基配列が決定されていないので、この方法を適
用することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、JC
Vd1の塩基配列を決定し、遺伝子診断法によるJCV
d1の検出に利用できる核酸を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、カンキツから分離
したJCVd1のRNAを鋳型とし、逆転写酵素、DN
Aポリメラーゼを用いてJCVd1由来のRNA遺伝子
をクローニングし、塩基配列を決定することに成功し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、配列
番号1に示される塩基配列を含むRNAを提供する。
【0008】さらに、本発明は、配列番号1に示される
塩基配列において1以上の塩基が置換、欠失、付加若し
くは挿入された塩基配列を含み、かつ、日本カンキツウ
イロイド1の機能を有するRNAを提供する。ここで、
「日本カンキツウイロイド1の機能を有する」とは、配
列番号1に示される塩基配列を含むRNAの示す挙動と
同一の挙動を示すことを意味する。ここでいう挙動とし
ては、例えば、電気泳動したときの泳動度、未変性条件
下での二次構造(ヘアピン構造、ハンマーヘッド構造な
ど)、感染することのできる植物、各感染植物において
示す病徴等が挙げられる。このようなRNAの塩基配列
の、配列番号1に示される塩基配列に対する相同性
(%)は90%以上、好ましくは95%以上である。
【0009】さらに、本発明は、配列番号2に示される
塩基配列において1以上の塩基が置換、欠失、付加若し
くは挿入されていてもよい塩基配列に相補的な配列を含
み、かつ、日本カンキツウイロイド1のRNAにハイブ
リダイズする一本鎖DNAを提供する。前記ハイブリダ
イゼーションの条件は特に制限されないが、好ましくは
M. E. N. Fonsecaら(J. Virol. Methods 57, 203-207,
1996)の方法で用いられる条件である。このようなD
NAの塩基配列の、配列番号2に示される塩基配列に相
補的な配列に対する相同性(%)は特に制限されない
が、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上
である。
【0010】さらに、本発明は、上記の一本鎖DNAを
センス鎖又はアンチセンス鎖として含む二本鎖DNAを
提供する。さらに、本発明は、日本カンキツウイロイド
1のRNAと相補性を有する核酸の一部又は全部を含む
核酸プローブを提供する。核酸プローブは、さらに標識
を含むことが好ましい。前記日本カンキツウイロイド1
のRNAは、好ましくは、(1)配列番号1に示される
塩基配列を含むRNA、又は、(2)配列番号1に示さ
れる塩基配列において1以上の塩基が置換、欠失、付加
若しくは挿入された塩基配列を含み、かつ、日本カンキ
ツウイロイド1の機能を有するRNAのいずれかであ
る。また、前記核酸プローブは、DNAであってもRN
Aであってもよい。さらに、本発明は、上記の核酸プロ
ーブを用いて、日本カンキツウイロイド1を検出する方
法を提供する。該方法では、被検植物中に存在する核酸
が上記の核酸プローブとハイブリダイズするか否かを調
べることにより、被検植物中の日本カンキツウイロイド
1の存否を決定することが好ましい。
【0011】さらに、本発明は、日本カンキツウイロイ
ド1のRNA又はその塩基配列においてウラシルがチミ
ンに置き換わったDNAの一部を含む核酸プライマーを
提供する。前記日本カンキツウイロイド1のRNAは、
好ましくは、(1)配列番号1に示される塩基配列を含
むRNA、又は、(2)配列番号1に示される塩基配列
において1以上の塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入
された塩基配列を含み、かつ、日本カンキツウイロイド
1の機能を有するRNAのいずれかである。前記核酸プ
ライマーは、DNAであることが好ましい。前記核酸プ
ライマーとしては、例えば、配列番号3に示される塩基
配列を含むものが挙げられる。
【0012】さらに、本発明は、日本カンキツウイロイ
ド1のRNAと相補性を有する核酸の一部を含む核酸プ
ライマーを提供する。前記日本カンキツウイロイド1の
RNAは、好ましくは、(1)配列番号1に示される塩
基配列を含むRNA、又は、(2)配列番号1に示され
る塩基配列において1以上の塩基が置換、欠失、付加若
しくは挿入された塩基配列を含み、かつ、日本カンキツ
ウイロイド1の機能を有するRNAのいずれかである。
前記核酸プライマーは、DNAであることが好ましい。
前記核酸プライマーとしては、例えば、配列番号4に示
される塩基配列を含むものが挙げられる。
【0013】さらに、本発明は、日本カンキツウイロイ
ド1のRNA若しくはその塩基配列においてウラシルが
チミンに置き換わったDNAの一部を含む核酸プライマ
ー、及び日本カンキツウイロイド1のRNAと相補性を
有する核酸の一部を含む核酸プライマーを用いて、日本
カンキツウイロイド1を検出する方法を提供する。該方
法では、被検植物中に存在する核酸が日本カンキツウイ
ロイド1のRNA若しくはその塩基配列においてウラシ
ルがチミンに置き換わったDNAの一部を含む核酸プラ
イマー及び日本カンキツウイロイド1のRNAと相補性
を有する核酸の一部を含む核酸プライマーにより増幅さ
れるか否かを調べることにより、被検植物中の日本カン
キツウイロイド1の存否を決定することができる。
【0014】さらに、該方法では、被検植物中に存在す
るRNAから、日本カンキツウイロイド1のRNAと相
補性を有する核酸の一部を含む核酸プライマーによりc
DNAが合成され、さらにこのcDNAが日本カンキツ
ウイロイド1のRNA若しくはその塩基配列においてウ
ラシルがチミンに置き換わったDNAの一部を含む核酸
プライマー及び日本カンキツウイロイド1のRNAと相
補性を有する核酸の一部を含む核酸プライマーにより増
幅されるか否かを調べることにより、被検植物中の日本
カンキツウイロイド1の存否を決定することができる。
cDNAの合成に用いる核酸プライマーとしては、例え
ば、配列番号4に示される塩基配列を含むオリゴヌクレ
オチドが挙げられる。増幅に用いる核酸プライマーとし
ては、例えば、配列番号3に示される塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチド及び配列番号4に示される塩基配列を
含むオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
JCVd1のRNAは、JCVd1感染樹から抽出する
ことができる。該感染樹としては、感染の事実が確認さ
れているものであればよく、発病の有無を問わない。樹
木の種類としては、JCVd1が感染できるものであれ
ばよく、特に限定しないが、好ましくはカンキツ、より
好ましくはウンシュウミカン、オレンジ、エトログシト
ロン等を用いる。「カンキツ」とは、一般的にミカン科
ミカン亜科(Rutaceae Lignosae)に属する植物を意味
し、例としては、ウンシュウミカン、オレンジ、カラタ
チ等が挙げられる。
【0016】樹木がJCVd1に感染しているかどうか
は、公知の方法により確認することができ、例えば、電
気泳動を行うことにより確認することができる。上記の
抽出に使用できるJCVd1感染樹の例としては、例え
ば、JCVd1感染エトログシトロン系統アリゾナ86
1−S1(Citrus medica L. Var. Ethrog Engl.)が挙
げられる。抽出に用いる樹木の部分としては、JCVd
1が存在する可能性のある部分であればよいが、好まし
くは樹皮及び/又は葉を用いる。さらに、これらの樹皮
及び/又は葉は、核酸抽出を効率よく行うことができる
ように粉砕しておくことが好ましく、例えば、液体窒素
を用いて粉砕することができる。
【0017】JCVd1のRNAを抽出する方法として
は、公知のいずれの方法を用いてもよく、特に限定しな
いが、好ましくは抽出用緩衝液として知られる種々の溶
液を用いることができる。本発明に使用する好適な抽出
用緩衝液としては、例えば、0.83%ドデシル硫酸ナトリ
ウム、5%ポリビニルピロリドン、1M塩化リチウム、0.0
17M EDTA pH7.0、1.4%2−メルカプトエタノールを含
む0.13M Tris-HCl緩衝液(pH 8.9)が挙げられる。この
際に、JCVd1のRNAを十分に抽出するためには、
該抽出用緩衝液中で磨砕処理を行うことが好ましい。こ
の処理は公知の方法を用いて行うことができる。このよ
うにして得られる試料から、遠心分離などの公知の方法
を用いて液体だけを回収し、該液体から、エタノール沈
殿又はイソプロパノール沈殿などの公知の方法を用いて
核酸を濃縮することができる。さらに核酸分子を濃縮す
るために、濃縮した核酸を再び抽出緩衝液などの溶液に
懸濁し、フェノール、クロロホルム、フェノール/クロ
ロホルム等によって抽出した後、エタノール沈殿法、イ
ソプロパノール沈殿法等によって沈殿させてもよい。ま
た、抽出用緩衝液によりJCVd1のRNAを抽出した
後に、遠心分離、沈殿及び再懸濁を行うことなく、直接
フェノール、クロロホルム、フェノール/クロロホルム
等による抽出を行ってもよい。以上のようにして、JC
Vd1のRNAを含有する粗抽出核酸試料を得ることが
できる。
【0018】さらに、JCVd1のRNAの純度を上げ
るために、上記の粗抽出核酸試料を精製処理することが
できる。この精製処理は公知の方法を用いて行うことが
でき、特に限定しないが、例えば、塩化リチウム水溶液
を用いる低分子核酸抽出法によって行う。さらに、試料
中のDNAを分解するために、DNase等の酵素を用
いて処理することが好ましく、これは公知の方法により
行うことができる。このような処理によって得られる液
体試料から、上記のフェノール/クロロホルム抽出及び
エタノール沈殿などの方法を適宜用いて、精製核酸試料
を得ることができる。
【0019】精製核酸試料からJCVd1のRNAを単
離するため、該試料をさらに分離する。分離に用いる方
法としては公知の方法を使用することができるが、好ま
しくは電気泳動法を使用することができる。本発明に使
用することのできる分離法の例としては、例えば、シー
クエンシャルポリアクリルアミドゲル電気泳動法(sP
AGE)(Roistacherら、Graft-transmissible diseas
es of citrus: Handbook for detection and diagnosi
s, FAO, Rome, 286pp, 1991)が挙げられる。ウイロイ
ドRNAは、未変性条件ゲル内では分子内結合によって
棒状構造をとるが、変性条件ゲル内では分子内結合の切
断によって環状構造をとる。従って、ウイロイドRNA
は、変性条件ゲルでの電気泳動では、未変性条件ゲルを
用いる場合に比べて著しく遅く泳動される。このウイロ
イドRNAの性質を利用して、JCVd1のRNAを電
気泳動法を用いて特定する方法は、当業者であれば容易
に確立することができる。また、電気泳動における特性
の知られている他のウイロイド分子との比較によって、
JCVd1のRNAを特定することもできる。以上のよ
うにして、JCVd1のRNAを単離することができ
る。
【0020】次いで、単離されたJCVd1のRNAに
基づいてcDNA合成を行い、クローニング及び部分的
な配列決定を行う。cDNA合成の方法としては公知の
方法を用いることができ、特に限定しないが、例えば、
ランダムプライマーを使用する方法を用いることができ
る。この際に、cDNA Synthesis Kits(ベーリンガーマ
ンハイム社製)などの市販のキットを用いてもよい。
【0021】合成したcDNAをクローニングする方法
としては公知の方法を用いることができる。例えば、適
切なベクターにライゲーションした後に、該ベクターを
大腸菌などの適切な宿主に導入してもよい。この場合に
は、ベクターとしては、例えば、pBluescript(Stratag
ene)などの公知のベクターを適切な制限酵素で消化し
たものを用いることができる。ライゲーションの方法と
しては、当業者であれば適切な方法を選択することがで
きるため、特に限定しないが、例えば、ライゲーション
キット(宝酒造社製)などの市販のキットを用いること
ができる。宿主への導入については、当業者に公知のい
ずれの方法をも用いることができ、例えば、E. coli Co
mpetent Cells JM109(宝酒造社製)などの市販のキッ
トを用いてもよい。
【0022】部分的な配列決定は、上述のようにして得
たクローンを用いて、公知の方法により行うことができ
る。通常用いられる方法に従えば、クローンから目的の
インサートを含むプラスミドを抽出し、これを用いて適
切な方法により配列決定を行う。プラスミドの抽出方法
としては、例えば、少量迅速調製法を用いることができ
る。多くの場合には、複数のプラスミドが得られるが、
これらのサイズについては、例えば、電気泳動法などの
公知の方法を用いて確認することができる。得られるプ
ラスミドに含まれるインサートの配列決定の方法として
は、公知のいずれの方法を用いてもよいが、好ましくは
ジデオキシ法を用いる。以上のようにして、JCVd1
のcDNAの部分的な塩基配列を決定することができ
る。また、JCVd1のRNAは、JCVd1のcDN
Aの塩基配列中のTをUに置換したものであるので、J
CVd1のRNAの塩基配列も決定される。
【0023】JCVd1のcDNAの部分的塩基配列に
基づいて1組のプライマーを合成し、該プライマーを用
いてJCVd1のcDNAを増幅する。プライマーの合
成は、公知の方法を用いて行うことができ、その方法に
ついては特に限定しない。合成するプライマーの配列
は、上記の部分的塩基配列に基づいて、適切と思われる
ものでよいが、適切な例を挙げれば、以下のような配列
がある。
【0024】 CB3-CP:5'-CGTCGACGAAGGCATGTGAGCT-3'(配列番号3) CB3-CM:5'-ACGACAGGTGAGTTCTCCTT-3' (配列番号4) CB3-TP:5'-CGTGTGGTTCCTGTGGGTCA-3' (配列番号5) CB3-TM:5'-GAGTTTCCTCCGGGGAAACA-3' (配列番号6) これらのプライマーは、CB3-CPとCB3-CMの組合せ及びCB
3-TPとCB3-TMの組合せで用いることができ、CB3-CP及び
CB3-TPはフォワードプライマー、CB3-CM及びCB3-TMはリ
バースプライマーである。
【0025】増幅用の鋳型となるcDNAは公知の方法
により合成することができる。本発明の場合には、例え
ば、JCVd1のRNAを鋳型として使用し、RNA-
PCRキット(宝酒造社製)などの市販のキットを用い
て合成することができる。この際に使用するプライマー
としては、例えば、ランダムプライマーが挙げられる。
このようにして得られる一本鎖cDNA及びJCVd1
のRNAを鋳型として使用し、上述のプライマーを用い
て、JCVd1のcDNAを増幅する。増幅に用いる方
法としては、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を用いる。PCRを行う方法としては公知の方法を
用いることができ、特に限定しないが、例えば、TaKaRa
Taq(宝酒造社製)などの市販のPCRキットを用いる
ことができる。この際に使用するプライマーとしては、
例えば、上述のCB3-CPとCB3-CMの組合せ、又はCB3-TPと
CB3-TMの組合せが挙げられる。以上のようにして、JC
Vd1のcDNAを増幅することができる。
【0026】次いで、増幅したcDNAの塩基配列を決
定し、最終的にJCVd1のRNAの全塩基配列を決定
する。配列決定は、上述のようにして得た増幅産物を用
いて、公知の方法により行うことができる。このような
方法としては、例えば、それぞれの増幅に用いたプライ
マーセットを使用するダイレクトシークエンス法が挙げ
られる。
【0027】以上のようにして決定される各クローンの
配列を相互に比較することにより、JCVd1のcDN
Aの全塩基配列を決定することができ、したがって、J
CVd1のRNAの全塩基配列を決定することができ
る。この全塩基配列の決定は、当業者であれば容易に行
うことができる。このようにして決定される塩基配列の
例としては、例えば、配列番号1のRNA配列及び配列
番号2のcDNA配列が挙げられる。
【0028】JCVd1のRNAの塩基配列を、カンキ
ツに感染する他のウイロイドの塩基配列と比較した結
果、CVdIIIに属するウイロイド(Rakowskiら、J. Ge
n. Virol., 75, 3581-3584,1994、Stasysら、FEBS Lett
ers, 358, 182-184, 1995)と最も近似していたが、そ
の相同性は約67%という低い値であった。その他の既
知のウイロイドで塩基配列が近似しているもとしては、
apple dimple fruit viroid(Di Serioら、J. Gen. Vir
ol., 77, 2833-2837, 1996)があったが、約69%の相
同性しかなかった。以上のように、JCVd1のRNA
は既知のウイロイドとは異なる新規なRNAである。
【0029】JCVd1のRNA又はcDNAは、以上
のようにして得ることができるが、本発明によって提供
される塩基配列、RNAについては配列番号1の塩基配
列、DNAについては配列番号2の塩基配列、に基づい
て、公知の他の方法により調製することもできる。ま
た、以下のプライマーを用いて、植物から抽出したJC
Vd1のRNAを鋳型として、PCRによる増幅を行っ
てもよい。PCR増幅の具体的な方法としては、好まし
くはRT−PCR(逆転写PCR)を用いる。
【0030】 CB3-CP:5'-CGTCGACGAAGGCATGTGAGCT-3'(配列番号3) CB3-CM:5'-ACGACAGGTGAGTTCTCCTT-3' (配列番号4) CB3-TP:5'-CGTGTGGTTCCTGTGGGTCA-3' (配列番号5) CB3-TM:5'-GAGTTTCCTCCGGGGAAACA-3' (配列番号6) なお、プライマーとしてCB3-CPとCB3-CMの組合せを用い
て得られた第一の増幅産物は、配列番号2中の塩基第8
3番〜第82番(すなわち、配列番号2で示される塩基
配列を有する環状DNAを、塩基第82番と第83番の
間で切断したもの)を含み、CB3-TPとCB3-TMの組合せを
用いて得られた第二の増幅産物は、配列番号2中の塩基
第12番〜第11番(すなわち、配列番号2で示される
塩基配列を有する環状DNAを、塩基第11番と第12
番の間で切断したもの)を含む。これらの増幅産物から
本発明のRNA及び二本鎖cDNAを調製するために
は、上記第一の増幅産物及び上記第二の増幅産物を制限
酵素MspIでそれぞれ消化し、得られる2つの断片をDNA
Ligation Kit Ver2 (Takara)などを用いてライゲー
ションすることができる。
【0031】本発明のRNAの塩基配列は配列番号1に
示されるものに限定されるものではなく、実質的にJC
Vd1として機能するものであれば、1以上の塩基が置
換、欠失、付加又は挿入されていてもよい。ここで、
「日本カンキツウイロイド1の機能を有する」とは、配
列番号1に示される塩基配列を含むRNAの示す挙動と
同一の挙動を示すことを意味する。ここでいう挙動とし
ては、例えば、電気泳動したときの泳動度、未変性条件
下での二次構造(ヘアピン構造、ハンマーヘッド構造な
ど)、感染することのできる植物、各感染植物において
示す病徴等が挙げられる。このようなRNAの塩基配列
の、配列番号1に示される塩基配列に対する相同性
(%)は90%以上、好ましくは95%以上である。同
様に、本発明の一本鎖cDNAの塩基配列は配列番号2
に示されるものに相補的な配列に限定されるものではな
く、本発明のRNAにハイブリダイズするものであれ
ば、1以上の塩基が置換、欠失、付加又は挿入されてい
てもよい。前記ハイブリダイゼーションの条件は特に制
限されないが、好ましくはM. E. N. Fonsecaら(J. Vir
ol.Methods 57, 203-207, 1996)の方法で用いられる条
件(すなわち、0.1%(w/v)M−ラウロイルサルコシン、
0.02%(w/v)SDS、及びDIG nucleic acid detection
kit(ベーリンガーマンハイム社製)に含まれる1%(w/
v)ブロッキング試薬を含む5×SSC)と同一の条件で
ある。このようなDNAの塩基配列の、配列番号1に示
される塩基配列に相補的な配列に対する相同性(%)は
特に制限されないが、好ましくは80%以上、より好ま
しくは90%以上である。また、本発明の二本鎖cDN
Aは、上記一本鎖cDNAをセンス鎖又はアンチセンス
鎖として含むものであるため、その塩基配列において上
記一本鎖cDNAと同様の置換、欠失、付加又は挿入が
あってもよい。このような、配列番号1又は2に示され
る塩基配列に対して1以上の塩基が置換、欠失、付加又
は挿入されている塩基配列を有するRNA又はDNA
は、部位特異的変異誘発法(Zollerら, Nucleic Acids
Res., Vol. 10, No. 20, 6487-6500 (1982))によっ
て、当業者であれば容易に調製することができる。
【0032】すでに、幾つかのカンキツウイロイドで
は、決定された塩基配列を基に、RT−PCRなど様々
な方法で遺伝子診断できることが報告されている(畑谷
ら、植物防疫, 第51巻, 第4号, 21-25,1997)。従っ
て、本発明のJCVd1のRNA遺伝子の塩基配列を利
用することにより、JCVd1の遺伝子診断に利用でき
る核酸プローブやプライマーを設計することができる。
【0033】上記核酸プローブの塩基数は、通常のハイ
ブリダイゼーション解析に用いる塩基数であってよく、
特に制限されないが、好ましくは10塩基以上、より好
ましくは100塩基以上である。上記核酸プライマーの
塩基数は、通常のPCRに用いる塩基数であってよく、
特に制限されないが、好ましくは10塩基以上、より好
ましくは20塩基以上である。
【0034】これらの核酸プローブ又はプライマーは、
JCVd1の塩基配列の部分配列を選択することによっ
て設計することができる。選択される部分配列はどの部
分であってもよく、特に制限されないが、JCVd1の
塩基配列に特異的な部分であることが好ましい。ここで
「JCVd1の塩基配列に特異的な」とは、JCVd1
の塩基配列以外の配列に、分析条件下においてハイブリ
ダイズしないことを意味する。上記核酸プローブは、選
択された部分配列に基づいて、その配列に相補なDNA
又はRNAとすることができ、上記核酸プライマーは、
その配列に相同又は相補なDNAとすることができる。
なお、上記核酸プローブは、JCVd1の全塩基配列に
相補なDNA又はRNAであってもよい。
【0035】植物(例えば、樹木など)からJCVd1
を検出するための遺伝子診断法としては、例えば、RT
−PCR法を応用する方法(X. Yangら、Phytopathol.,
82,No.3, 279,1992; N. Yoshikawaら, Ann. Phytopath
ol. Soc. Jpn., 62, 119-124, 1996)や、非放射性標識
cDNA(cRNAであってもよい)をプローブとして
用いるハイブリダイゼーション法(J. Romero-Durban
ら, J. Virol. Methods, 55, 37-47, 1995; Maria Esth
er de Noronha Fonsecaら, J. Virol. Methods, 57, 20
3-207, 1996)などが挙げられる。また、上記のRT−
PCR法及びマイクロプレートを用いるハイブリダイゼ
ーション法を組合わせた方法(斉藤ら、植物防疫、第48
巻第4号、169-173, 1994)も知られている。このよう
な診断法は、当業者に公知の方法を用いて実施すること
ができる。
【0036】RT−PCRを用いるJCVd1の検出は
以下のようにして行うことができる。第一に、被検植物
から核酸を調製する。これは公知の方法を用いて行うこ
とができ、例えば、上述の方法を用いて行うことができ
る。第二に、調製した核酸中に含まれている可能性のあ
るJCVd1のRNAの一本鎖cDNA合成及び増幅を
行う。
【0037】一本鎖cDNAの合成は、公知の方法によ
り行うことができるが、例えば、次のようにして行うこ
とができる。まず、上述のようにして調製した核酸に、
イオン交換滅菌水及びプライマーを添加する。ここで使
用するプライマーとしては、例えば、ランダムプライマ
ー、配列番号4、6又は8に示される塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチド等を用いることができる。次いで、得
られる混合物を100℃前後で約5分間保持した後に急
冷して熱変性した後、室温で静置することによりJCV
d1のRNAと上記プライマーをアニールさせる。ここ
に反応溶液(一本鎖cDNA緩衝液、2−メルカプトエ
タノール、dNTP及びイオン交換水を含み、必要に応
じてRNaseも含む。)及び逆転写酵素を添加し、逆
転写反応を行う。該逆転写反応の温度条件及び時間はそ
れぞれ、使用する酵素の至適温度及びその温度での活性
に依存する。以上のようにして一本鎖cDNAを合成す
ることができるが、これはFirst-Strand cDNA Synthesi
s Kit(アマシャムファルマシアバイオテク社製)など
の市販のキットを用いて行ってもよい。
【0038】次に、以上のようにして合成した一本鎖c
DNAを増幅する。該増幅は公知の方法により行うこと
ができるが、例えば、上記一本鎖cDNAにPCR緩衝
液(Tris-HCl、KCl、MgCl2、ゼラチン等を含む。)、d
NTP、プライマー及びDNAポリメラーゼを添加し、
サイクル反応を行うことができる。ここで使用するプラ
イマーは、JCVd1の塩基配列(配列番号1)に基づ
いて設計することができ、該プライマーの塩基配列は特
定のものに限定されない。例えば、配列番号3に示され
る塩基配列を含むオリゴヌクレオチド及び配列番号4に
示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを組み合わ
せて用いることができる。また、上述のRT−PCR法
において、配列番号3に示される塩基配列を含むオリゴ
ヌクレオチドに代えて配列番号5又は7に示される塩基
配列を含むオリゴヌクレオチドを用いることができ、配
列番号4に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド
に代えて配列番号6又は8に示される塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドを用いることができる。さらに、一本
鎖cDNA合成に使用するプライマーとしては、ランダ
ムプライマーを使用してもよい。上記サイクル反応の条
件は、使用するプライマーのTm値、DNAポリメラー
ゼの至適温度等に基づいて、当業者であれば容易に設定
することができる。以上のようにして一本鎖cDNAを
増幅して二本鎖cDNAとすることができるが、これは
Takara Taq(宝酒造社製)などの市販のキットを使用し
て行うことができる。
【0039】最後に、このようにして得られるRT−P
CR産物を分析する。これは、RT−PCR産物を分離
し、その後にJCVd1に由来する核酸を検出すること
により行うことができる。分離法としては公知のいずれ
の方法を用いてもよいが、好ましくは電気泳動法、より
好ましくはポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用い
る。ポリアクリルアミドゲル電気泳動法は、例えば、6
%ポリアクリルアミドゲルを使用し、80Vで1時間4
5分電気泳動することによって行うことができる。
【0040】このようにして分離した核酸試料について
JCVd1由来核酸を検出するためには公知の方法を用
いることができるが、例えば、核酸を銀染色によって可
視化する方法又はサザンハイブリダイゼーション分析法
を用いることができる。銀染色による可視化は、例え
ば、Hadidiら(J. Virol. Meth., 30, 261 (1990))の
方法に従って行うことができる。サザンハイブリダイゼ
ーション分析は公知の方法により行うことができるが、
例えば、Hadidiら(Phytopathology, 80, 263-268 (199
0))の方法に従って行うことができる。この場合に使用
するプローブとしては、JCVd1に特異的な核酸プロ
ーブ、好ましくはcDNAプローブ又はcRNAプロー
ブを用いることができる。このようなプローブの合成
は、当業者であれば、本発明に基づいて容易に行うこと
ができる。
【0041】以上のようにして得られるデータから、J
CVd1の存否を判断する。上記のcDNA増幅におい
て、配列番号3に示される塩基配列を含むオリゴヌクレ
オチド及び配列番号4に示される塩基配列を含むオリゴ
ヌクレオチドをプライマーとして使用する場合には約3
30bpの断片、配列番号5に示される塩基配列を含む
オリゴヌクレオチド及び配列番号6に示される塩基配列
を含むオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用する
場合には約330bpの断片、並びに、配列番号7に示
される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド及び配列番号
8に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをプラ
イマーとして使用する場合には約170bpの断片の有
無によって、JCVd1の存否を判断することができ
る。これらの断片の塩基数は、公知の方法により容易に
知ることができる。例えば、電気泳動を行う際に、公知
のDNAサイズマーカーをローディングしておくことに
より、検出される断片の塩基数を知ることができる。
【0042】ハイブリダイゼーション法を用いるJCV
d1の検出は、M.E.N.Fonsecaら(J. Virol. Methods,
57, 203-207 (1996))の方法のような公知の方法により
行うことができるが、例えば、以下のようにして行うこ
とができる。第一に、DNAプローブ又はRNAプロー
ブを調製する。これらのプローブは、検出可能な標識を
含むことが好ましい。標識としては、後の検出が可能で
あれば放射性同位体、ビオチンなどの公知のいずれの標
識を用いてもよいが、好ましくは化学発光標識、より好
ましくはジゴキシゲニン(DIG)を用いる。
【0043】標識DNAプローブは化学的合成法などの
公知の方法により調製することができるが、好ましく
は、本発明のcDNAを含有するプラスミドを用いて調
製する。この場合には、本発明のcDNAを含有するプ
ラスミドDNAを、適当な制限酵素で切断し、生成する
断片を精製することができる。該精製は、フェノール/
クロロホルム処理及びエタノール沈殿などの公知の方法
により行うことができる。標識としてDIGを用いる場
合には、例えば、DIG DNA labeling mixture(ベーリン
ガーマンハイム社製)を使用して標識DNAプローブを
調製することができる。
【0044】標識RNAプローブは化学的合成法などの
公知の方法により調製することができるが、好ましく
は、RNAポリメラーゼを用いて、本発明のcDNA又
はこれを含むプラスミドから調製することができる。R
NAポリメラーゼとしては、公知のポリメラーゼの中か
ら適切なものを選択して使用することができるが、好ま
しくはT7又はT3RNAポリメラーゼを用いる。この
場合には、本発明のcDNAを含有するプラスミドDN
Aを、標識用混合液を含む転写混合液中に添加し、転写
を行う。標識としてDIGを用いる場合には、前記標識
用混合液としては、例えば、RNA labeling kit(ベーリ
ンガーマンハイム社製)を使用することができる。転写
混合液及び反応条件などは、当業者であれば、適切に設
定することができる。
【0045】第二に、核酸試料中に含まれるJCVd1
由来核酸と上記プローブとのハイブリダイゼーションを
行う。上述のようにして被検植物から抽出した核酸試料
を適切な条件下で変性させる(例えば、White B.A. and
Bancroft F.C., J. Biol. Chem. 257, 8569-8572 (198
2)参照)。該変性は、例えば、上記核酸試料にその3倍
の容量の10×SSC(20%(w/v)のホルムアルデヒ
ドを含む)を添加し、65℃で15分間加熱して氷上で
冷却することにより行うことができる。該変性の後、必
要であれば種々の濃度調整を行った後に、適切な膜にス
ポットする。このような膜としては公知のものを用いる
ことができるが、好ましくはナイロン膜を使用する。膜
にスポットした変性核酸試料は、適切な条件下で、例え
ば、80℃で2時間処理し、膜に核酸を固定する。次い
で、膜に固定された核酸と標識プローブのハイブリダイ
ゼーションを行う。これは公知の適切な方法を用いて行
うことができるが、好ましくはM.E.N.Fonsecaら(上
述)の方法に従って行う。この場合には、変性核酸試料
が固定されている膜に対して、プローブを含まないハイ
ブリダイゼーション溶液中でプレハイブリダイゼーショ
ンを行った後に、プローブを含むハイブリダイゼーショ
ン溶液中でハイブリダイゼーションを行う。
【0046】このようなプレハイブリダイゼーション及
びハイブリダイゼーションは、例えば、次のようにして
行うことができる。まず、上記の変性核酸試料固定化膜
を、該膜100cm2当たり20mlのハイブリダイゼーション
緩衝液(5×SSC、0.1%(w/v)M−ラウロイルサルコ
シン、0.02%(w/v)SDSを含み、必要に応じてDIG nuc
leic acid detection kit(ベーリンガーマンハイム社
製)に含まれる1%(w/v)ブロッキング試薬を含む)と
ともに、68℃で1時間、プレハイブリダイズさせる。
その後、100ng/mlのプローブを添加し、68℃で16時
間、インキュベートする。この際、プローブは、予め9
5℃で3分間加熱した後に氷上で冷却することにより変
性させておく。
【0047】必要であれば、M.E.N.Fonsecaら(上述)
の方法に改良を加えて行うことができ、このような改良
は、当業者であれば容易に行うことができる。また、使
用するプローブとしては、DNAであってもRNAであ
ってもよいが、どちらを用いるかによって、上記の各条
件の幾つかが異なることは当業者に理解されよう。この
ような異なる条件の設定は、当業者であれば容易に行う
ことができる。
【0048】最後に、核酸試料にハイブリダイズしたプ
ローブを検出する。必要であれば、ハイブリダイゼーシ
ョンの終わった膜を洗浄してから検出を行ってもよい。
この洗浄処理は、当業者に公知の方法を用いて行うこと
ができる。検出の方法としては、プローブに含有される
標識を検出することができる方法であればよく、各種標
識の検出は、当業者に公知の方法を用いて行うことがで
きる。例えば、標識としてDIGを用いている場合に
は、DIG luminescent detection kit(ベーリンガーマ
ンハイム社製)又はDIG nucleic acid detection kit
(ベーリンガーマンハイム社製)などの市販のキットを
用いて検出することができる。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。ただし、これらの実施例は説明のためのも
のであり、本発明の技術的範囲を制限するものではな
い。 〔実施例1〕JCVd1のRNAの調製 長崎県で採集した、カンキツウイロイド罹病の「不知
火」((Citrus unshiu×C. sinensis)×C. reticulat
a)について、エトログシトロン系統アリゾナ861−
S1(Citrus medica L. Var. Ethrog Engl.)を用いる
木本検定及び電気泳動を行った。その結果としてJCV
d1、CVdII及びCVdIIIの保毒が示唆されたもの
を用いて、ウイロイド純化(JCVd1のRNAの調
製)を以下のようにして行った。
【0050】罹病エトログシトロン系統アリゾナ861
−S1の葉及び樹皮を合計30g採取し、これを70m
lの抽出用緩衝液(0.13M Tris-Cl pH8.9、0.83%ドデシ
ル硫酸ナトリウム、5%ポリビニルピロリドン、1M塩化
リチウム、0.017M EDTA pH7.0、1.4%2−メルカプトエ
タノール)中で磨砕した。次いで、水飽和フェノール・
クロロホルム(1:1)抽出を2回行い、イソプロパノ
ール沈澱によって濃縮した後、2M塩化リチウム10m
lで処理して低分子核酸を抽出した。この抽出液にDN
aseI2.5μl(2.5U)及びDNase緩衝液(0.05
MTris-HCl, pH7.5、0.15MNaCl、0.005MMgCl2)を
添加して、37℃で60分間インキュベートし、該抽出
液中のDNAを分解した。その後、フェノール・クロロ
ホルム(1:1)抽出及びエタノール沈澱によって、J
CVd1のRNAを含む低分子RNAを得た。
【0051】さらに、該低分子RNAをシークエンシャ
ルポリアクリルアミドゲル電気泳動法(sPAGE,Ro
istacherら、Graft-transmissible diseases of citru
s: Handbook for detection and diagnosis, FAO, Rom
e, 286pp, 1991)により、JCVd1の環状分子のみを
分画した。すなわち、該低分子RNAを5%未変性ポリ
アクリルアミドゲルで電気泳動した後、ウイロイド画分
を切り出し、8M尿素変性ポリアクリルアミドゲルに上
層して電気泳動した。次いで、このゲルをSYBR II RNA
Gel Stain (Takara)を用いて染色した。分画したJC
Vd1の環状分子を単離するために、これを含むゲル片
から電気溶出法(Roistacherら、上掲)を用いて溶出し
た。すなわち、ゲル片を透析膜中に入れて緩衝液(8m
MTris、4mM酢酸ナトリウム、0.2mMEDTA、p
H7.2)中で通電後、該ゲル片から透析膜中に溶出した
RNAを回収した。最後に、エタノール沈澱を行って、
JCVd1のRNAを単離した。
【0052】〔実施例2〕cDNAの合成及び塩基配列
の決定 得られたJCVd1のRNAからのランダムプライマー
によるcDNA合成、プライマーによる増幅、プラスミ
ドベクターへの組み込み、及び塩基配列の一部決定を行
った。すなわち、まずJCVd1のRNA1μgにPrim
er-R及びPrimer-AS(10μM:ともにサワディー社
製)各1μlを加え、さらに水を加えて計10μlと
し、80℃で10分間インキュベートした後に4℃で急
冷することにより熱変性を行った。この混合物に5×Ex
pRB4μl、100mMDTT2μl、20mMdNT
P2μl、Expand Reverse(50U/μl)1μl、及
びRNase Inhibitor(10U/μl)0.5μl(これらは
全てベーリンガー・マンハイム社製)を添加し、30℃
で10分間、42℃で1時間及び80℃で10分間の逆
転写反応により、一本鎖cDNAを合成した。この一本
鎖cDNA1μlにPrimer(25μM:サワディー社
製)0.5μlとSuper Taq Premix(サワディー社製)48.
5μlを添加して、PCRを行った。該PCRの条件
は、90℃で1分間を1サイクル、95℃で30秒間
(熱変性)−55℃で30秒間(アニーリング)−68
℃で1分間(伸長)を30サイクル、及び72℃で30
分間を1サイクルとした。得られたPCR増幅産物を、
TA-cloning Kit(プロメガ社製)を用いてpGEM T Vecto
r中にクローニングした。次いで、該ベクターに添付のT
7及びSP6 primerを用いて、ABI377シークエンサーを使
用して行うダイターミネーター法により塩基配列を解析
した。
【0053】得られた配列を基に、2組のプライマーセ
ット: (プライマーセット1); CB3-CP:5'-CGTCGACGAAGGCATGTGAGCT-3'(配列番号3) CB3-CM:5'-ACGACAGGTGAGTTCTCCTT-3' (配列番号4) (プライマーセット2); CB3-TP:5'-CGTGTGGTTCCTGTGGGTCA-3' (配列番号5) CB3-TM:5'-GAGTTTCCTCCGGGGAAACA-3' (配列番号6) を合成し、JCVd1のRNAを鋳型として、初めにR
NA-PCRキット(宝酒造社製)を用いて、説明書に
従ってランダムプライマーによりcDNAの合成を行っ
た。さらに、合成した2組のプライマーセットを用い、
得られたcDNAを鋳型とし、Takara Taq(宝酒造社
製)を使用して、説明書に従ってPCRを行った。該P
CRは、94℃で5分間-55℃で10秒間-72℃で5
秒間を1サイクル、94℃で30秒間(変性)-55℃
で10秒間(アニーリング)-72℃で5秒間(伸長)
を35サイクル、そして72℃で5分間-15℃で5分
間を1サイクルの条件で行った。得られた2種の増幅産
物は、各々の増幅に用いたプライマーセットを用いて各
々両方向からダイレクトシークエンス法により塩基配列
を決定した。すなわち、上記増幅産物100ngに、上
記プライマー4pmolになるように添加し、ABI377シーク
エンサーを使用して行うダイターミネーター法によって
塩基配列を解析した。これらの塩基配列を比較し、JC
Vd1のRNAの全塩基配列(配列番号1)を決定し
た。
【0054】〔実施例3〕樹木のJCVd1感染につい
ての遺伝子診断 JCVd1に感染している可能性のあるエトログシトロ
ンを対象として、RT−PCRによるJCVd1の検出
を行った。対照区では、健全エトログシトロンを対象と
して上記検出を行った。検定すべきカンキツ樹の新梢部
分を0.05〜0.1g採集し、この新梢部分試料から、ISO
GEN(ニッポンジーン社製)を用い、説明書に従って
全RNAを抽出した。この全RNA抽出液1μl(全R
NA約1μgに相当)を95℃で5分間インキュベート
した後に急冷することにより熱変性を行い、RNAの2
次構造を解消した。この溶液を用い、First-Strand cDN
A Synthesis Kit(アマシャムファルマシアバイオテク
社製)を用い、添付のランダムヘキサマーを使用して、
説明書に従ってcDNAを合成した。
【0055】次いで、そのcDNAを鋳型として用い、
以下の塩基配列: CB3-CP:5'-CGTCGACGAAGGCATGTGAGCT-3'(配列番号3) CB3-CM:5'-ACGACAGGTGAGTTCTCCTT-3' (配列番号4) からなるプライマーセット及びTakara Taq(宝酒造社
製)を用い、説明書に従ってPCRを行った。このPC
Rは、DNAサーマルサイクラー480型(PerkinElme
r社)を使用し、94℃で5分間-55℃で10秒間-7
2℃で5秒間を1サイクル、94℃で30秒間(変性)
-55℃で10秒間(アニーリング)-72℃で5秒間
(伸長)を35サイクル、そして72℃で5分間-15
℃で5分間を1サイクルの反応を行った。
【0056】以上のようにして得られたPCR産物をD
NAサイズマーカーとともに6%ポリアクリルアミドゲ
ルにローディングし、80Vで1時間45分電気泳動し
た後に、銀染色法により染色した。こうして得られた電
気泳動写真を図1に示した。図1中のレーンMはDNA
サイズマーカー、レーン1〜13は各供試サンプル由来
の増幅産物、及びレーンHは健全(JCVd1無感染)
サンプル由来の増幅産物をそれぞれ示す。図1におい
て、約330塩基の特異的断片の有無を確認することに
より、JCVd1を検出することができた。
【0057】
【発明の効果】本発明により、JCVd1ゲノムRNA
の全塩基配列が明らかとなり、これにより、他のカンキ
ツウイロイドとの類縁関係を明らかにすることが可能と
なる。さらに、JCVd1ゲノムRNAの塩基配列に基
づいて設計した核酸プローブや核酸プライマーを用いる
ことにより、JCVd1の選択的な遺伝子検出が可能と
なる。これにより、JCVd1に感染したカンキツ樹の
早期診断や迅速な幼苗検定が可能となり、ウイロイドフ
リーのカンキツ苗木供給に大きな効果を発揮する。
【0058】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Tohru Maotani, Director-General of National Institute of Fruit Tree Science, Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries <120> Japanese Citrus Viroid 1 Gene <130> P98-0399 <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 331 <212> RNA <213> Japanese Citrus Viroid 1 <400> 1 cggaggaaac uccguguggu uccugugggu caccccccgg cacccucuaa agaaaagaaa 60 gguaaggaga acucaccugu cgucgucgac gaaggcaugu gagcuucaaa cucgaugaag 120 agcgucagcg gacggccucu gagacgagcg auggacagua gagcucgucu cuaccagucg 180 cgugcugacu cucacgccca cccgcacggc ugcuccgaga gugagagcuc ucugccgcua 240 gucgagcgga cuccagagug acucucccac ccuauuuuca gcggagagcc ggcgguggag 300 uccccagggu aaaacacgau ugguguuucc c 331 <210> 2 <211> 331 <212> DNA <213> Japanese Citrus Viroid 1 <400> 2 cggaggaaac tccgtgtggt tcctgtgggt caccccccgg caccctctaa agaaaagaaa 60 ggtaaggaga actcacctgt cgtcgtcgac gaaggcatgt gagcttcaaa ctcgatgaag 120 agcgtcagcg gacggcctct gagacgagcg atggacagta gagctcgtct ctaccagtcg 180 cgtgctgact ctcacgccca cccgcacggc tgctccgaga gtgagagctc tctgccgcta 240 gtcgagcgga ctccagagtg actctcccac cctattttca gcggagagcc ggcggtggag 300 tccccagggt aaaacacgat tggtgtttcc c 331 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 3 cgtcgacgaa ggcatgtgag ct 22 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 4 acgacaggtg agttctcctt 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 5 cgtgtggttc ctgtgggtca 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 6 gagtttcctc cggggaaaca 20 <210> 7 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 7 cgtcgacgaa ggcatgtgag ctt 23 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed oligonucleotide based on the sequence of Japanese Citrus Viroid 1 gene <400> 8 gtccgctcga ctagcggcag agagc 25
【0059】
【配列表フリーテキスト】
【0060】
【配列番号3〜8】 日本カンキツウイロイド1遺伝子
の配列に基づいて設計したオリゴヌクレオチドである。
【図面の簡単な説明】
【図1】RT−PCRによるJCVd1の検出結果を示
す電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Gen.Virol.,Vol. 75,No.12(1994)p.3581−3584 FEBS Lett.,Vol.358, No.2(1995)p.182−184 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/11 C12Q 1/68 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq SwissProt/PIR/GeneS eq BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示される塩基配列を含むR
    NA。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示される塩基配列において
    1以上の塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩
    基配列を含み、かつ、カンキツに対して感染性を有する
    RNA。
  3. 【請求項3】 配列番号2に示される塩基配列において
    1以上の塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩
    基配列に相補的な塩基配列を含み、かつ、配列番号1に
    示される塩基配列を含むRNAに、0.1%(w/v)のM−
    ラウロイルサルコシン及び0.02%(w/v)のSDSを含
    む5×SSC中68℃という条件下でハイブリダイズす
    、下記の(1)又は(2)のRNAの検出用プローブ
    として機能し得る一本鎖DNA。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の一本鎖DNAをセンス鎖
    又はアンチセンス鎖として含む二本鎖DNA。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示される塩基配列を含む
    NAと相補性を有する核酸の全部又は該RNAに特異的
    な部分を含む、下記の(1)又は(2)のRNAを検出
    し得る核酸プローブ。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  6. 【請求項6】 さらに標識を含む請求項5記載の核酸プ
    ローブ。
  7. 【請求項7】 前記核酸プローブがDNAである請求項
    又は6記載の核酸プローブ。
  8. 【請求項8】 前記核酸プローブがRNAである請求項
    又は6記載の核酸プローブ。
  9. 【請求項9】 請求項5〜のいずれか1項に記載の核
    酸プローブを用いて、下記の(1)又は(2)のRNA
    を検出する方法。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  10. 【請求項10】 被検植物中に存在する核酸が請求項5
    のいずれか1項に記載の核酸プローブとハイブリダ
    イズするか否かを調べることにより、被検植物中の前記
    RNAの存否を決定する請求項記載の方法。
  11. 【請求項11】 配列番号1に示される塩基配列を含む
    RNA又はその塩基配列においてウラシルがチミンに置
    き換わったDNAの、該RNA又はDNAに特異的な部
    を含む、下記の(1)又は(2)のRNAを増幅し得
    核酸プライマー。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  12. 【請求項12】 前記核酸プライマーがDNAである請
    求項11記載の核酸プライマー。
  13. 【請求項13】 前記核酸プライマーが、配列番号3に
    示される塩基配列を含む請求項12記載の核酸プライマ
    ー。
  14. 【請求項14】 配列番号1に示される塩基配列を含む
    RNAと相補性を有する核酸の、該RNAに特異的な部
    を含む、下記の(1)又は(2)のRNAを増幅し得
    核酸プライマー。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  15. 【請求項15】 前記核酸プライマーがDNAである請
    求項14記載の核酸プライマー。
  16. 【請求項16】 前記核酸プライマーが、配列番号4に
    示される塩基配列を含む請求項15記載の核酸プライマ
    ー。
  17. 【請求項17】 請求項11〜13のいずれか1項に記
    載の核酸プライマー及び請求項14〜16のいずれか1
    項に記載の核酸プライマーを用いて、下記の(1)又は
    (2)のRNAを検出する方法。(1)配列番号1に示される塩基配列を含むRNA。 (2)配列番号1に示される塩基配列において1以上の
    塩基が置換、欠失、付加若しくは挿入された塩基配列を
    含み、かつ、カンキツに対して感染性を有するRNA。
  18. 【請求項18】 被検植物中に存在する核酸が請求項
    1〜13のいずれか1項に記載の核酸プライマー及び請
    求項14〜16のいずれか1項に記載の核酸プライマー
    により増幅されるか否かを調べることにより、被検植物
    中の前記RNAの存否を決定する請求項17記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 被検植物中に存在するRNAから、請
    求項14〜16のいずれか1項に記載の核酸プライマー
    によりcDNAが合成され、さらにこのcDNAが請求
    11〜13のいずれか1項に記載の核酸プライマー及
    び請求項14〜16のいずれか1項に記載の核酸プライ
    マーにより増幅されるか否かを調べることにより、被検
    植物中の前記RNAの存否を決定する請求項17又は
    記載の方法。
JP10349471A 1998-12-09 1998-12-09 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子 Expired - Lifetime JP3069690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10349471A JP3069690B2 (ja) 1998-12-09 1998-12-09 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10349471A JP3069690B2 (ja) 1998-12-09 1998-12-09 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000166566A JP2000166566A (ja) 2000-06-20
JP3069690B2 true JP3069690B2 (ja) 2000-07-24

Family

ID=18403979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10349471A Expired - Lifetime JP3069690B2 (ja) 1998-12-09 1998-12-09 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3069690B2 (ja)

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FEBS Lett.,Vol.358,No.2(1995)p.182−184
J.Gen.Virol.,Vol.75,No.12(1994)p.3581−3584

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000166566A (ja) 2000-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nakahara et al. A simple, rapid method of nucleic acid extraction without tissue homogenization for detecting viroids by hybridization and RT-PCR
Kojoma et al. DNA polymorphisms in the tetrahydrocannabinolic acid (THCA) synthase gene in “drug-type” and “fiber-type” Cannabis sativa L.
Roberts et al. Real-time RT-PCR fluorescent detection of tomato spotted wilt virus
Bernad et al. A novel RT-PCR approach for detection and characterization of citrus viroids
Crowley et al. Sequence variability and function of measles virus 3′ and 5′ ends and intercistronic regions
Liu et al. Rapid detection of tobacco mosaic virus using the reverse transcription loop-mediated isothermal amplification method
HU216105B (hu) Amplifikációs eljárás önfenntartó szekvenciareplikációs rendszerrel
Magome et al. Single-strand conformation polymorphism analysis of apple stem grooving capillovirus sequence variants
Kummert et al. Sensitive detection of apple stem grooving and apple stem pitting viruses from infected apple trees by RT-PCR
US7074558B2 (en) Nucleic acid amplification using an RNA polymerase and DNA/RNA mixed polymer intermediate products
Faggioli et al. Simultaneous detection of stone or pome fruit viroids by single tube-RT-PCR
JP3069691B2 (ja) 日本カンキツウイロイド2(JCVd2)遺伝子
JP3069690B2 (ja) 日本カンキツウイロイド1(JCVd1)遺伝子
EP2046981B1 (en) Methods of detecting root knot nematodes
Gandia et al. Variability of the progeny of a sequence variant Citrus bent leaf viroid (CBLVd)
JP3494509B2 (ja) 核酸合成法
JP3118572B2 (ja) Rt−pcrによるカンキツタターリーフウイルス及びカンキツウイロイドの同時検出方法
JP5315519B2 (ja) コイヘルペスウイルス(khv)の検出方法
Ma et al. Detection of three pear viruses by multiplex RT-PCR assays with co-amplification of an internal control
Gago-Zachert et al. Sequence variability in p27 gene of Citrus Tristeza Virus (CTV) revealed by SSCP analysis
JP7488519B2 (ja) Lampプライマーセット及びプライマー対
JP3103882B2 (ja) バベシア・オバタに特異的な塩基配列とそれを利用したバベシア・オバタの検出方法
JP2931970B2 (ja) リンゴゆず果ウイロイド遺伝子
JP3459976B2 (ja) リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの検出方法及び検出用プライマー
WO1999014364A1 (en) METHOD FOR SYNTHESIZING cDNA FROM mRNA SAMPLE

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

EXPY Cancellation because of completion of term