JP3069579B2 - 双極子電極プローブと同プローブを用いた微小物操作方法 - Google Patents

双極子電極プローブと同プローブを用いた微小物操作方法

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JP3069579B2
JP3069579B2 JP7018259A JP1825995A JP3069579B2 JP 3069579 B2 JP3069579 B2 JP 3069579B2 JP 7018259 A JP7018259 A JP 7018259A JP 1825995 A JP1825995 A JP 1825995A JP 3069579 B2 JP3069579 B2 JP 3069579B2
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武志 今野
満 江頭
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科学技術庁金属材料技術研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、双極子電極プローブ
とこのプロ−ブを用いた微小物操作方法に関するもので
ある。さらに、詳しくは、この発明は微小電子部品や精
密機械部品の組み立て工程に有用な、微小物を吸着、脱
離させる機能をもった双極子電極プロ−ブによる微小物
操作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、極微小スケールで
対象の原子や分子を吸着させて移動し、所定の位置で脱
離させる方法として、タングステンプローブを用いたS
TM(走査型トンネル顕微鏡)法が知られている。しか
しながら、この従来のSTMによる方法は、プローブと
基板との間に高電界を発生させるため、導電性の基板上
に置かれた微小物は帯電し、基板に対して反発力を持つ
ことになり、基板上に微小物を保持することが困難であ
る。また、同様の現象により、微小物がプロ−ブに吸着
されても、プロ−ブから電界を受け同極となり反発力を
持つことで、微小物をプローブに保持できなくなり、微
小物の操作は著しく制限されるという問題がある。ま
た、吸着・脱離の手法としては磁石を用いる方法が考え
られないではないが、この方法では扱える対象が強磁性
である必要があり、また、微小化には適さない。
【0003】一方、電子デバイスやマイクロマシンを製
造する技術の主流は、光や電子線リソグラフィによる微
細加工であり、リソグラフィだけでは扱える材料が制限
されることから電子デバイスの三次元化は困難である。
そのため、微小物のアセンブル化を目的として、微小な
機械制御式のピンセットなどが研究されているが、操作
性や安定性が悪く、部品を傷める危険性が高い等の問題
がある。
【0004】この発明は、以上通りの事情を鑑みてなさ
れたものであり、従来の方法の欠点を解消し、対象物で
ある微小物の材質、形状、大きさを問わず、微小物を帯
電させたり、放電によって傷めることもなく、微小物を
吸着させて移動し、所定の位置で脱離させることができ
る、新しい微小物操作のためのプロ−ブとこれを用いた
微小物操作方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、針状もしくは棒状の内部導体の
外周部に絶縁体が配設され、さらにその外周部に外部導
体が配設されて絶縁体被覆されていることを特徴とする
双極子電極プロ−ブを提供する。そして、また、この発
明は、このプロ−ブによって微小物を吸着、脱離させ、
プローブの位置制御により微小物を目的の位置に配置さ
せることを特徴とする双極子電極プローブによる微小物
操作方法をも提供する。
【0006】
【作用】この発明における双極子電極プロ−ブは、たと
えば図1に例示した構造として特徴づけられる。すなわ
ち、針状もしくは棒状の内部導体(1)の外周部に内部
絶縁体(2)が配設され、さらに外部導体(3)が設け
られ、このものは外部絶縁体(4)によって被覆された
構造を有している。
【0007】このような双極子電極プロ−ブを用いるこ
とで、この発明の微小物操作が可能となる。すなわち、
たとえばその方法の概要を図2に沿って説明すると、こ
のプロ−ブ(10)の双極子電極(11)(12) 間に電
圧を印加することでプローブ(10)先端部に静電界が
生じ、微小物(13)にプロ−ブ(10)を近づけるこ
とによる静電誘導に伴うグラディエーション力により微
小物(13)はプロ−ブ(10)に吸着され、保持され
る。
【0008】次に、微小物(13)を保持したままプロ
ーブ(10)を移動し、双極子電極(11)( 12)間
の電圧を降下、あるいは逆電圧を印加することで重力あ
るいは反発力によって微小物(13)を目的の位置に脱
離させる。プローブ(10)と微小物(13)の間では
電荷の移動がないので、微小物(13)の保持は安定し
て行うことができる。また、微小物(13)を帯電させ
たり、放電により傷めたり変質させることなくマニピュ
レートすることが可能である。さらに、対象となる微小
物の大きさもナノオーダーからミリオーダーまで広い範
囲にわたって可能であり、金属、セラミックス、高分子
等の様々な材質の微小物を操作することができる。
【0009】プローブの構成については特に限定はない
が、双極子電極が形成されるようにする。つまり、たと
えば、前記の通り、内部電極と外部電極とを絶縁体によ
って対向させ、かつ、全体を別の絶縁体で被覆すればよ
い。この場合、対象とする微小物の大きさに応じてプロ
ーブ先端の形状、大きさを決めればよく、また、導体、
絶縁体の種類についても、たとえばタングステン、ステ
ンレス、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属導体
や、セラミックス、樹脂等の絶縁体を適宜に用いること
ができる。
【0010】以下、さらに詳しくこの発明の実施例を説
明する。
【0011】
【実施例】実施例1 図1に例示した構造としてこの発明の双極子電極プロー
ブを形成した。内部導体(1)は径0.66mmのタン
グステン針で、内部絶縁体(2)は内径0.7mm、外
径1.3mmのアルミナセラミックスチューブとし、さ
らに外部導体(3)を内径1.5mm、外径2.5mm
のステンレスチューブとし、外部絶縁体(4)としての
エポキシ樹脂で覆った。
【0012】この際に、図1より明らかなように、プロ
ーブ先端の形状は、外部導体(3)としてのステンレス
チューブの先端は、内部導体(1)のタングステン針と
同程度の面積を1ケ所残し、残りは削り落とし加工し、
内部導体(1)のタングステン針と外部導体(3)のス
テンレスチューブの先端が同一平面上になるようにし
た。
【0013】また、たとえば、内部絶縁体(2)として
のセラミックスチューブは内部導体(1)のタングステ
ン針先端よりも1mm下げた位置に固定した。プロ−ブ
先端の絶縁体は、内部導体(1)であるタングステン針
と外部導体(3)であ るステンレスチューブの双極
子電極を完全に覆い隠す形状としている。この双極子電
極プローブ(10)を用いた場合、対向する双極子電極
間の印加直流電圧2〜2.5kVで、プローブ先端に生
じる静電誘導現象により、誘電体としての発泡スチロー
ル球(直径約2.5mm)をプローブ先端に吸着させ、
浮上させることができた。また、印加電圧5〜7kVで
は、導電体としての金球(直径約0.4mm)を同様に
してプローブ先端に吸着させ、浮上させることができ
た。
【0014】また、プローブ先端に吸着されたこれら微
小物は、所定の位置にプローブを移動後に、たとえば図
2に示した静電型電極板への印加電圧を1.2kVとす
ることで脱離させることができた。すなわち、静電型電
極板として、図3に例示したように、所定の位置に微小
物を脱離させて配置するために、1.2mm厚の石英ガ
ラス(5)に直径0.3mmの穴をあけ、その穴の中に
静電吸着用の金線(線径0.2mm)(6)を石英ガラ
ス(5)表面と同一面なる程度まで通し、石英ガ ラス
(5)表面をエポキシ樹脂(7)で被覆した構造を持つ
静電型電極板を作製し、これを用いた。所定の位置に移
動させた微小物(8)は、プローブ電圧の降 下、ある
いは逆電圧を印加することにより、プローブから脱離
し、電圧印加された静電型電極板上で起こる静電誘導現
象により所定の位置に配置した。実施例2 (電子素子の製作)この発明のプロ−ブによる微小物操
作方法を用いて、電子デバイスを作製した。電子デバイ
ス用基板は、実施例1で用いた静電型電極板の静電吸着
用金線上に石英ガラス表面と平行に計測用金線(線径
0.2mm)を接着し、石英ガラスにあけた穴の同一位
置に0.3mmの穴を計測用金線のみにあけ、基板全体
をエポキシ樹脂で被覆して作製した。
【0015】導電性樹脂(ポリピロ−ル)被覆粒子(金
粒子、直径0.5mm)を用い、プロ−ブ側印加電圧7
kV、電極板印加電圧1.2kVで、被覆金粒子を計測
用金線の穴に配置し、さらに、電子デバイス全面をエポ
キシ樹脂でモ−ルドした。この電子デバイスのバリスタ
特性を測定した。バリスタ特性の測定回路は、図4に示
すように、電子デバイスに精密定電圧電流電源により電
圧を負荷し、その回路に流れる電流を読みとることによ
って行った。その測定結果は図5の通りであった。
【0016】また、図6に示した回路によって、静電誘
導効果を加えたバリスタ特性を測定した。その方法で
は、静電吸着用金線に高電圧を接続し、正、負、どちら
かの電圧を負荷することにより、非線形な電圧−電流特
性部分を閉口移動させ、その特性の制御が可能であるこ
とが確認された。その結果を示したものが図7である。
この発明の方法による微小物の吸着・移動・脱離による
プロセスが、電子デバイスの作製に有効であることが確
認された。実施例3 (微小機械部品の組立)実施例1および実施例2におい
ては、操作対象物を任意の位置に配置するための補助と
して静電用電極を配した基板を用いた例について記述し
たが、この実施例では組み立てライン途中にある微小機
械に微小部品を組み込む過程に応用した。すなわち。腕
時計用の微小歯車(プラスチック製、直径約3mm)の
組立が行われた。この発明のプロ−ブに約7kVの高電
圧を印加することにより、微小歯車は静電誘導によりプ
ロ−ブに吸着され、所定の位置にプロ−ブを移動後、プ
ロ−ブの電圧を7kV〜2kVまで降下することによ
り、微小歯車は腕時計の所定の位置に装着可能となっ
た。
【0017】このことからも、精密機械の組立にもこの
発明が有効であることが確認された。もちろん、この発
明は、以上の方法に限定されることはなく、その細部に
おいて、たとえば、電子回路の修正、補修や微小部品の
積層化、立体化といった様々 な態様が可能である。
【0018】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明の
双極子電極プローブによる微小物操作方法によって、微
小物を安定して保持し、帯電させたり、放電により傷め
たり変質させたりすることなく微小物を操作することが
可能となる。また、ピンセットなどの機械的手法では扱
えない1〜50μm程度の微小な機能素子を電子回路上
の任意の位置に配置させることができるため、三次元化
も含めた電子部品の高機能化とマイクロ化が可能とな
る。
【0019】微小物を所定の位置に配置させることが可
能となるため、マイクロマシンのアセンブル化、立体構
造化に応用できる。さらに、金属、セラミックス、高分
子の材料を容易に操作することができ、しかも材料を傷
めたり、変質させることがないので、微小試料の計測の
ためのセット、電子回路の補修など幅広い用途がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の双極子電極プローブの構造を例示し
た斜視図である。
【図2】この発明の操作法の概要を示した図である。
【図3】静電型電極板の構成を例示した斜視図と断面図
である。
【図4】実施例としてのバリスタ特性の測定回路図であ
る。
【図5】実施例としてのバリスタ特性図である。
【図6】実施例としての静電誘導効果を加えたバリスタ
特性の測定回路図である。
【図7】実施例としての静電誘導効果を加えたバリスタ
特性の測定回路図である。
【符号の説明】
1 内部導体 2 内部絶縁体 3 外部導体 4 外部絶縁体 5 石英ガラス 6 金線 7 エポキシ樹脂 10 プロ−ブ 11,12 双極子電極 13 微小物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 結田 純次 審判官 祖父江 栄一 審判官 藤原 敬士 審判官 大森 蔵人 審判官 川端 修 (56)参考文献 特開 平4−206545(JP,A) 特開 昭61−192435(JP,A) 特開 平7−60675(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針状もしくは棒状の内部導体の外周部に
    絶縁体が配設され、さらにその外周部に外部導体が配設
    されて絶縁体被覆されていることを特徴とする微小物操
    作用の双極子電極プローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の双極子電極プローブの
    極子電極間の電圧制御による静電誘導に伴うグラディエ
    ント力により、プローブ先端部に微小物を吸着、脱離
    し、プローブの位置制御により、微小物を所要の位置に
    配置させることを特徴とする双極子電極プローブによる
    微小物操作方法。
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JP3064409B2 (ja) * 1990-11-30 2000-07-12 株式会社日立製作所 保持装置およびそれを用いた半導体製造装置
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