JP3068828B2 - 緩減速機能を有する液圧アクチュエータ回路 - Google Patents

緩減速機能を有する液圧アクチュエータ回路

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JP3068828B2
JP3068828B2 JP63335510A JP33551088A JP3068828B2 JP 3068828 B2 JP3068828 B2 JP 3068828B2 JP 63335510 A JP63335510 A JP 63335510A JP 33551088 A JP33551088 A JP 33551088A JP 3068828 B2 JP3068828 B2 JP 3068828B2
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稔郎 玉田
裕之 鈴木
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は液圧アクチュエータを作動させるための液圧
回路に関するものであり、特に液圧アクチュエータの作
動速度を緩やかに低減させる緩減速機能を有する液圧ア
クチュエータ回路に関するものである。
従来の技術 液圧アクチュエータ回路は、液圧アクチュエータの第
一ポートおよび第二ポートにそれぞれ接続される第一通
路および第二通路と、外部から作動液が供給される液圧
源側通路と、作動液が外部へ流出する戻り側通路と、第
一通路および第二通路と液圧源側通路および戻り側通路
との連通状態を切り換えることにより液圧アクチュエー
タの作動状態を切り換える作動状態切換装置とを含むよ
うに構成されるのが普通である。そして、液圧アクチュ
エータを正逆両方向に作動させ、かつ、停止または減速
させる必要がある場合には、作動状態切換装置は、第一
通路を液圧源側通路に連通させる一方、第二通路を戻り
側通路に連通させて液圧アクチュエータを正方向に作動
させる第一状態と、第二通路を液圧源側通路に連通させ
る一方、第一通路を戻り側通路に連通させて液圧アクチ
ュエータを逆方向に作動させる第二状態と、第一通路と
第二通路との少なくとも一方の作動液の流量を第一状態
における流量より小さく制限するかまたは零にすること
によって液圧アクチュエータの作動速度を小さくするか
または零にする第三状態とに切換えが可能なものとされ
る。
液圧アクチュエータへの作動液の流入およびそこから
の作動液の流出を完全に阻止することによって液圧アク
チュエータを停止させるタイプの液圧アクチュエータ回
路の一例は、中立位置において第一および第二通路をと
もに遮断する方向切換弁を作動状態切換装置とした回路
である。
また、液圧アクチュエータからの作動液の流出量を制
限することによって液圧アクチュエータを停止させるタ
イプの液圧アクチュエータ回路の一例は特開昭63−1401
01号公報に記載されている。第13図ないし第15図はその
一具体例を示す。
この例は、シリンダ固定形ラジアルピストンモータ
(以下、単にモータと称する)を特定の回転位置で停止
させる機能(以下、割出機能と称する)を有する液圧回
路であり、この割出時にモータからの作動液の流出量が
小さく制限されるのである。このモータは実際には第14
図および第15図に示すように、偏心カム118および出力
軸119から成るロータ120のまわりに放射状に複数個のピ
ストン122が配設され、各ピストン122に対応する液圧室
124への作動液の流入およびそれらからの流出がロータ
リバルブ126により制御されることによって、ロータ120
が回転し続けるものである。ロータリバルブ126はバル
ブケーシング128と弁子129とを備え、弁子129がロータ1
20と一体的に回転させられることによって、弁子129の
切換通路130,131が、第一ポート132および第二ポート13
4と、複数の連通路136およびそれらに連通している各液
圧室124との連通状態を切り換えるものである。第13図
にはこのロータリバルブ126が概念的に示されている
が、この図は、弁子129がロータ120と共に矢印で示す方
向に回転するとき、円弧状の長穴として描かれている切
換通路130,131が矢印で示す方向に回転して、第一ポー
ト132および第二ポート134と複数本の連通路136との連
通状態を切り換えることを示している。
上記第一ポート132と第二ポート134とにはそれぞれ第
一通路140と第二通路142とが接続され、これら両通路
と、液圧ポンプ144に接続された液圧源側通路143とタン
ク146に接続された戻り側通路145との連通状態が電磁方
向切換弁148によって切り換えられるようになってい
る。液圧ポンプ144とリリーフ弁149とから成る作動液供
給装置の供給液圧の上限はリリーフ弁149の設定圧(リ
リーフ弁が作動液の流れを許容する状態となる液圧)に
よって規定されている。
以上は通常のシリンダ固定形ラジアルピストンモータ
駆動用液圧回路と同様であるが、さらに割出用通路150,
152および割出制御弁154が設けられることによって、ロ
ータ120が第13図に示す割出位置において停止させられ
るようになっている。割出用通路150の割出制御弁154に
接続された側とは反対側の端は連通路136の1本に接続
されている。一方、割出用通路152は割出制御弁154に接
続された側とは反対側の端が二股に分岐させられ、各分
岐部がそれぞれ前記第一通路140および第二通路142に接
続されているが、これら分岐部にそれぞれ逆止弁156お
よび可変絞り158と逆止弁160および可変絞り162とが設
けられている。
第16図ないし第18図を参照しつつ、この具体例の作動
を説明する。ただし、これらの図においてはモータのロ
ータバルブ126以外の部分は省略されている。
通常の運転状態においては、割出制御弁154が割出用
通路150,152を遮断した状態にあり、電磁方向切換弁148
が左側または右側の切換位置にあってモータが正方向ま
たは逆方向に回転している。ここでは、電磁方向切換弁
148が左側の切換位置にあって、モータが図中矢印で示
す正方向に回転しているものとする。この状態において
は、第16図において太い実線で描かれている経路を経て
液圧ポンプ144から高圧の作動液が供給され、モータか
ら流出した作動液は太い破線で示されている経路を経て
タンク146へ還流する。
モータを割出位置に停止させる必要が生じた場合に
は、電磁方向切換弁148が中央の遮断位置へ切り換えら
れて第一通路140および第二通路142を遮断すると同時
に、割出制御弁154が左側の切換位置に切り換えられ
る。その結果、液圧ポンプ144から圧送された高圧の作
動液が割出用通路150を経て連通路136へ供給され、モー
タから流出する作動液は第一通路140または第二通路142
と割出用通路152とを経てタンク146へ還流する状態とな
る。
上記両弁148および154の切換時に、モータ(正確には
ロータ120)が割出位置の手前にあれば、第17図に示す
ように、割出用通路150と連通している連通路136が切換
通路130に連通しているため、切換通路130に高圧の作動
液が供給される。切換通路130は第一通路140および割出
用通路152を経てタンク146に連通しているため、切換通
路130に供給された作動液の一部はこの経路を経てタン
ク146に還流するが、その流量は可変絞り158によって制
限されるため、第17図に太い実線で示す部分の液圧はリ
リーフ弁149の設定圧までは上昇可能であり、切換通路1
30に連通している液圧室124の液圧も同様に上昇可能で
ある。それに対して、切換通路131は割出用通路150に連
通しておらず、第二通路142および割出用通路152を経て
タンク146にのみ連通しているため、太い破線で示す部
分の液圧はほぼ大気圧となり、切換通路131に連通して
いる液圧室124の液圧もほぼ大気圧となる。これら液圧
室124の液圧差によってモータはそれまで通り正方向に
回転させられる。このときの回転トルクは通常運転時の
回転トルクとほぼ同じ大きさである。切換通路130が第1
3図に示すように、連通路150と連通している連通路136
に連通しない状態となったとき、モータの回転が停止す
る。
これに対して、電磁方向切換弁148および割出制御弁1
54の切換時にモータが割出位置を行き過ぎていれば、第
18図に示すように、切換通路131が連通路1336を経て割
出用通路150に連通する。そのため、太い実線で示され
ている部分の液圧が高くなり、太い破線で示されている
部分の液圧が低くなって、この液圧差によりモータが逆
方向に回転させられることとなる。そして、この場合も
第13図に示す割出位置に停止する。
この停止状態からモータが被駆動装置からの力によっ
て正方向あるいは逆方向に小角度回転させられれば、そ
れぞれ第18図と第17図とに関して説明したのと同様な液
圧差が生じ、モータは割出位置へ戻される。このときの
回転トルクも通常運転時の回転トルクとほぼ同じ大きさ
であり、結局、モータは通常運転時とほぼ同じトルクで
割出位置に維持されることとなる。
液圧アクチュエータからの作動液の流出量を制限する
ことによって作動速度を小さくする液圧アクチュエータ
回路の一例は、作動状態切換装置が第19図に示すように
高速運転用の電磁方向切換弁166と低速運転用の電磁方
向切換弁167とを備えたものである。液圧モータ168を高
速で運転する必要がある間は電磁方向切換弁166および1
67が共に左側または右側の切換位置に保たれているが、
液圧モータ168の回転速度を小さくする必要が生じた場
合には、電磁方向切換弁166が中央の遮断位置へ切り換
えられ、液圧モータ168から第一通路170または第二通路
171へ流出する作動液が2個の絞り172のいずれかを通過
してタンク173へ還流することとなるため、液圧モータ1
68から流出可能な作動液の流量か低下し、液圧モータ16
8の回転速度が小さくなるのである。なお、液圧ポンプ1
74から液圧モータ168に供給される作動液は、逆止弁175
を経て十分な流量で流れる。
液圧アクチュエータへの作動液の流入量を制限するこ
とにより液圧クチュエータを停止させるタイプの液圧ア
クチュエータ回路の一例も前記特開昭63−140101号公報
に記載されている。例えば、第13図に示した液圧回路に
おいて、割出制御弁154を左側の切換位置において割出
用通路152に作動液を供給し、割出通路150からタンク14
6への作動液の流出を許容するものに変えるとともに、
逆止弁156,160の向きを逆にすれば、そのような液圧ア
クチュエータとなるのである。
液圧アクチュエータへの作動液の流入量を制限するこ
とにより作動速度を小さくするタイプの液圧アクチュエ
ータ回路の一例は、前記第19図において逆止弁175の方
向を逆にしたものである。このようにすれば、電磁方向
切換弁167が右側または左側の切換位置に切り換えられ
た際、液圧モータ168に流入する作動液の流量が絞り172
によって制限され、液圧モータ168の作動速度が小さく
なるのである。
以上の説明においては、理解を容易するために、作動
状態切換装置が第一状態(または第二状態)から第三状
態に切換られた場合に被駆動装置からモータに加えられ
る慣性力を無視したが、実際にはこの慣性力によってモ
ータがそれまでの回転方向と同方向に駆動されることと
なる。例えば、第13図ないし第15図の液圧モータ回路に
おいて、正方向に回転していたモータが、第17図に示す
ように、割出位置の手前にある状態で電磁方向切換弁14
8および割出制御弁154が切り換えられ、割出制御が開始
された場合を考えると、モータは被駆動装置の慣性力に
よってそれまで通り正方向に回転させられ、切換通路13
1に連通している液圧室124の容積が減少するため、これ
ら液圧室124から作動液が第二通路142に流出する必要が
あるが、この第二通路142の流量は可変絞り162によって
制限されているため、切換通路131に連通している液圧
室124から作動液が十分に流出し得ず、モータの回転速
度が急激に低減させられ、衝撃,騒音が発生するととも
に被駆動装置の慣性力が極めて大きくなり、その分装置
各部の強度を大きくしなければならなくなる。可変絞り
162が許容する流量を大きく設定しておけば、この慣性
力を小さくし得るのであるが、反面、割出制御に必要な
液圧差が切換通路130,131間に生じにくくなるため、可
変絞り162の流量をあまり大きく設定することはできな
いのである。
作動状態切換装置の第三状態への切換時に減速度が大
きくなり過ぎる問題は、第19図の液圧アクチュエータ回
路等他の回路においても同様に発生する。
従来、このような場合には、電磁方向切換弁の代わり
に、作動液の流路面積を徐々に小さくすることにより作
動液の流量を緩減させてその後少流量を維持し、あるい
は流量を緩減させた上で作動液の流通方向を切り換え、
もしくは流通を遮断する流量制御装置を使用することが
行われていた。しかし、この流量制御装置は構造が複雑
であるため、コストが高くなることを避け得ない。
それに対して、第20図に示すように、リリーフ弁176,
178を設けることも行われており、この場合にはコスト
の上昇を低く抑えることができる。電磁方向切換弁148
が左側の切換位置から中央の遮断位置へ切り換えられる
と同時に割出制御弁154が左側の切換位置へ切り換えら
れた場合に、第二通路142の液圧が上昇すれば、リリー
フ弁176が開いて第二通路142から第一通路140へ向かう
作動液の流れを許容するため、モータは正方向の回転を
続行することができる。ただし、リリーフ弁176が作動
液の流れに抵抗を与えるため、モータにはブレーキ力が
加えられることとなり、その回転速度が低下する。
電磁方向切換弁148が右側の切換位置にあってモータ
が逆方向に回転させられている状態から停止させられる
場合には、リリーフ弁178が同様な役割を果たすことと
なる。
これら両リリーフ弁176,178は、モータの通常運転状
態においては作動液の流れを阻止することが必要である
ため、リリーフ弁176,178の設定圧はモータの通常運転
時における両通路140,142間の液圧差よりやや高く設定
されなければならない。
発明が解決しようとする課題 上記のように、リリーフ弁を利用して液圧アクチュエ
ータの作動速度を徐々に低減させる場合(この場合に使
用されるリリーフ弁を、以下、緩衝用リリーフ弁と称す
ることとする)には装置コストを低く抑えることができ
るのであるが、リリーフ弁の設定圧を、液圧アクチュエ
ータ回路の使用条件、例えば液圧源側通路の液圧に応じ
て変更しなければならないという問題があった。液圧源
側通路の液圧との関係において、設定圧が低すぎれば通
常運転時にリリーフ弁が作動液の流通を許容する状態と
なって液圧アクチュエータが十分な駆動力を発生し得な
いこととなり、逆に設定圧が高すぎれば、液圧アクチュ
エータの減速時に過大なブレーキ力が生じてしまうから
である。
本発明は以上の事情を背景として、減速(停止,割出
等のための減速も含む)時に液圧アクチュエータへの作
動液の流入またはそれからの流出が制限もしくは阻止さ
れるタイプの液圧アクチュエータ回路であって、流量制
御装置を使用するものより安価なものでありながら、使
用条件に応じて調節操作を行う必要がないものを得るこ
とを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 そして、本願の請求項1に係る発明の要旨は、前記第
一通路,第二通路,液圧源側通路および戻り側通路と、
第一状態,第二状態および第三状態に切換え可能な作動
状態切換装置とを含む液圧アクチュエータ回路に、作動
状態切換装置が第三状態であり、かつ、第一通路と第二
通路との間の液圧差が液圧源側通路の液圧とは無関係に
決まる一定値を超える間、第一通路への作動液の流入と
第二通路からの流出とを許容することにより、液圧アク
チュエータを緩やかに減速させる緩減速装置を付加し、
かつ、その緩減速装置を、液圧源側通路と第二通路とを
接続するとともに、第二通路から液圧源側通路に向かう
作動液の流れは許容するが逆向きの流れは阻止する逆止
弁を備えた流出許容通路と、第三状態において第一通路
を液圧源側通路に連通させ、液圧源側通路の液圧で作動
液が第一通路に流入することを許容する流入許容通路と
を含むものとしたことにある。
なお、液圧アクチュエータが逆方向に作動している状
態から減速させられる際にも、減速度を小さくする必要
がある場合には、上記緩減速装置とは作用方向が逆であ
る別の緩減速装置を設ければよい。
また、本願の請求項2に係る発明の要旨は、上記請求
項1に係る発明における緩減速装置を、戻り側通路と第
一通路とを接続するとともに、戻り側通路から第一通路
に向かう作動液の流れは許容するが逆向きの流れは阻止
する逆止弁を備えた流入許容通路と、第三状態において
第二通路を戻り側通路に連通させ、第二通路から戻り側
通路への作動液の流出を許容する流出許容通路とを含む
ものに置換したことにある。
また、本願の請求項3に係る発明の要旨は、上記請求
項1に係る発明における緩減速装置を、第一通路と第二
通路とを互いに接続するとともに、常には遮断状態にあ
るが第二通路の液圧がパイロット圧室のパイロット圧よ
り設定値だけ高い状態においては第二通路から第一通路
への作動液の流れを許容する流通許容状態となるパイロ
ット式リリーフ弁と、液圧源側通路を前記パイロット圧
室に接続するパイロット通路とを含むものに置換したこ
とにある。
作用 上記請求項1の発明に係る液圧アクチュエータ回路に
おいては、作動状態切換装置が第三状態に切り換えられ
た際に液圧アクチュエータが被駆動装置の慣性力により
駆動されても、緩減速装置により第一通路には作動液の
流入が、また、第二通路からは作動液の流出が、第一通
路と第二通路との間の液圧差が液圧源側通路の液圧の高
さとは無関係に決まる一定値を超える間、許容される。
したがって、液圧源側通路の液圧の高さに応じた調節操
作が為されなくても、作動状態切換装置が流出量を制限
することにより液圧アクチュエータを減速させるタイプ
のものである場合に、第二通路に逆方向の通常運転時よ
り著しく高い液圧が発生することがなく、流入量を制限
するタイプのものである場合に、第一通路に大きな負圧
が発生することがない。そして、液圧アクチュエータに
は、液圧源側通路の液圧の高さとは無関係に決まる第二
通路と第一通路との間の液圧差に対応する一定のブレー
キ力が作用することとなる。また、緩減速装置が、逆止
弁を備えて液圧源側通路に接続された流出許容通路を含
むものであるため、第二通路の液圧が逆止弁の開弁圧と
作動液の液通路内における流動抵抗との和に等しい極め
て低い液圧だけ液圧源側通路の液圧より高くなるのみで
あり、第一通路には液圧源側通路の液圧とほぼ等しい液
圧が伝達される。
また、請求項2の発明に係る液圧アクチュエータ回路
においては、緩減速装置が、逆止弁を備えて戻り側通路
に接続された流入許容通路を含むものであるため、第一
通路の液圧が逆止弁の開弁圧と作動液の液通路内におけ
る流動抵抗との和に対応する極めて低い液圧だけ戻り側
通路の液圧より低くなるのみであり、第二通路には戻り
側通路の液圧とほぼ等しい液圧が発生するのみである。
また、請求項3の発明に係る液圧アクチュエータ回路
においては、緩減速装置が、パイロット式リリーフ弁を
含むものであるため、第二通路の液圧が第一通路の液圧
より任意に設定し得る一定値より高くなったとき、パイ
ロット式リリーフ弁が第二通路から第一通路への作動液
の流れを許容する状態となる。
なお、いずれの場合にも、液圧アクチュエータが被駆
動装置の慣性力により駆動されない状態となった後は、
作動状態切換装置による本来の制御が為され、液圧アク
チュエータは低速で回転させられ、停止させられ、ある
いは割り出される。
発明の効果 請求項1ないし3の発明に従えば、液圧アクチュエー
タの停止,割出や速度低減時に、液圧に基づいて発生す
るブレーキ力が、液圧源側通路や戻り側通路の液圧の高
さとは無関係にほぼ一定に決まる。したがって、アクチ
ュエータ回路の使用条件に応じてリリーフ弁の設定圧調
節のような調節操作を行う必要がなくなり、液圧アクチ
ュエータ回路の使い勝手がよくなる効果が得られる。
また、緩減速装置は逆止弁やパイロット式リリーフ弁
を含む簡単な構造のものでよいため、装置コストを低減
させることができる。
さらに、第一通路と第二通路との液圧差を緩衝用リリ
ーフ弁による場合より小さくすることが可能となるた
め、減速時に液圧アクチュエータに加えられるブレーキ
力を小さくし、液圧アクチュエータの減速度を小さくす
ることが容易となる効果も得られる。
緩減速装置が流出許容通路と流入許容通路とを含むも
のである請求項1および2に係る発明においては、特に
構造が簡単であって装置コストを低減し得るとともに、
第一通路と第二通路との液圧差を著しく小さくすること
が可能であるため、液圧アクチュエータに加えられるブ
レーキ力を特に小さくすることができる。
また、緩減速装置が液圧源側通路の液圧を外部パイロ
ット圧をする外部パイロット式リリーフ弁を含む請求項
3の発明においては、第一通路と第二通路との液圧差を
任意の高さに設定することができるため、液圧アクチュ
エータの減速度を所望の大きさにすることが容易である
という特有の効果が得られる。緩減速装置が逆止弁を利
用するものである場合でも、特に開弁圧の高い逆止弁を
使用すれば外部パイロット式リリーフ弁に似た機能を果
たさせることができるのであるが、開弁圧の低い通常の
逆止弁を使用する場合には、逆止弁と直列に絞りを設
け、あるいは液通路全体を細くすることによって、減速
度を所望の値にしなければならない。しかし、絞りまた
は細い液通路の絞り作用はそこを通過する作動液の流量
によって大きく変化するため、汎用的な液圧アクチュエ
ータ回路において所望の減速度を得難いのに対して、外
部パイロット式リリーフ弁による場合にはこの不都合を
回避し得るのである。
さらに、従来使用されていたばね付勢の緩衝用リリー
フ弁は、一般に設定圧に近づくに従って液漏れが大きく
なるのであるが、請求項1ないし3の発明において使用
される逆止弁や外部パイロット式リリーフ弁にはこの液
漏れが発生し難いため、前述の割出し可能な液圧アクチ
ュエータ回路に使用した場合に、割出時における作動液
の消費量を少なくし得るという特有の効果が得られる。
割出時には、絞り(例えば第13図の可変絞り158162)に
より絞られはするものの、ある程度の流量で作動液がタ
ンクへ還流し続けるのであり、緩減速装置の液漏れ量が
大きい場合には割出位置にある液圧アクチュエータを通
過する作動液の流量も大きく(割出位置における割出用
通路と切換通路との連通面積を大きくして)しなければ
ならず、割出位置の精度が悪くなり、かつ、作動液の消
費量が多くなることを避け得ないのであるが、逆止弁や
外部パイロット式リリーフ弁によればこれらの不都合を
軽減できるのである。
また、液圧アクチュエータが被駆動装置の慣性力で駆
動される際に液圧アクチュエータから流出した作動液が
液圧源側通路に戻される請求項1の発明においては、作
動液がタンクに戻される場合に比較して無駄なエネルギ
の消費を回避し得る効果が生ずる。高圧の作動液がタン
クに戻されて低圧になってしまえば、これを再び加圧す
るためにエネルギが必要なのであるが、高圧の作動液が
液圧源側通路に戻されれば、加圧の必要がないため無駄
なエネルギ消費が回避されるのである。
さらに付言すれば、請求項1ないし3の発明は前記割
出しの可能な液圧アクチュエータ回路に適用した場合に
特に有効である。これらの発明によれば、液圧アクチュ
エータを緩やかに減速させて停止させることができるの
であるが、この減速の過程においては液圧アクチュエー
タおよび被駆動装置がいわば惰性で作動し続けることを
許すのであるため、正確に所望の位置で停止させること
は難しい。しかし、割出し可能な液圧アクチュエータ回
路は、減速過程の終了時に液圧アクチュエータが割出位
置の手前にある場合はさらにその作動を継続させて割出
位置に停止させ、割出位置を行き過ぎている場合には逆
方向に作動させて割出位置に停止させることができるか
らである。つまり、割出しが可能な液圧アクチュエータ
回路に請求項1ないし3の発明を適用すれば、液圧アク
チュエータを衝撃少なく所望の位置に正確に停止させ得
るのである。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図の実施例は、第13図ないし第15図の液圧モータ
回路に低速運転用の電磁方向切換弁10,流出許容通路12,
流入許容通路14等を付加したものである。前記液圧モー
タ回路の各構成要素に対応する要素には、同一の符号を
付して詳細な説明は省略するが、本実施例においては作
動液として油を使用するため、液圧,作動液等は油圧,
作動油等と読み替えるものとする。
低速運転用の電磁方向切換弁10は、高速運転用の電磁
方向切換弁148と並列に第一通路140および第二通路142
に接続されている。第一通路140および第二通路142がそ
れぞれ二股に分岐させられて、2個の電磁方向切換弁14
8および10に接続されているのであるが、この分岐部の
うち、電磁方向切換弁148に接続された各分岐部に逆止
弁16と可変絞り18との並列回路が設けられており、電磁
方向切換弁10に接続された各分岐部にも逆止弁20と可変
絞り22との並列回路がそれぞれ設けられている。可変絞
り18および22はそれぞれモータのロータリバルブ126か
らタンク146へ還流する作動油の流量を制限することに
よりモータの回転速度を制御するものであり、可変絞り
22の流量は可変絞り18のそれより小さくされていて、電
磁方向切換弁148および10がともに左側の切換位置にあ
って作動油が可変絞り18および22を通過する状態から電
磁方向切換弁148の遮断位置への切換えにより可変絞り2
2のみを通過する状態に切り換えられたとき、モータの
回転速度が低減させられる。いわゆるメータアウトタイ
プとなっているのである。逆止弁16および20は、モータ
へ供給される作動油が可変絞り18および22をバイパスし
て充分な流量で流れることを許容するために設けられて
いるものである。
流出許容通路12は一端が油圧源側通路143に接続さ
れ、他端が二股に分岐させられて各分岐部がそれぞれ第
一通路140と第二通路142とに接続されているが、各分岐
部には逆止部24,26が設けられている。これら逆止弁24,
26はモータから油圧源側通路143に向かう方向の流れは
許容するが、逆向きの流れは阻止するものである。
流入許容通路14の一端は戻り側通路145に接続され、
他端が二股に分岐させられて各分岐部がそれぞれ第一通
路140と第二通路142とに接続されており、各分岐部に逆
止弁28,30が設けられている。これら逆止弁28,30は戻り
側通路145からモータへ向かう作動油の流れは許容する
が、逆向きの流れは阻止するものである。
上記逆止弁24,26,28および30は、第2図に示すブロッ
ク36内に組み込まれている。ブロック36には2本の段付
穴38,40が互いに平行に形成されており、それらの両端
開口部がプラグ42によって閉塞されている。段付穴38は
中央部が小径部となっており、この小径部内にスプリン
グ44を間に挟んで2個のボール46がが配設され、これら
のボール46が大径部に圧入された円筒状の弁部材48の開
口周縁に着座させられることによって、逆止弁24,26が
構成されている。段付穴40も中央部が小径部とされてい
るが、2組のスプリング50およびボール52はそれぞれ両
端の大径部に収容されており、各ボール52が各スプリン
グ50により小径部の開口周縁に着座させられることによ
り、逆止弁28および30が構成されている。段付穴38およ
び40の中央部とそれぞれ直交する貫通穴がブロック36を
厚さ方向に貫通して形成され、これら貫通穴がそれぞれ
前記流出許容通路12および流入許容通路14の一部を形成
している。これら貫通穴の近傍に更に2本の貫通穴が形
成され、これら貫通穴がそれぞれ前記第一通路140およ
び第二通路142の一部を形成している。これら第一通路1
40および第二通路142はそれぞれ、互いに直交する行き
止まり穴54,56によって段付穴38,40に連通させられてお
り、行き止まり穴54,56の開口端はプラグ42により閉塞
されている。
上記ブロック36は、前記逆止弁16,20および可変絞り1
8,22周辺の液通路が形成された別のブロックと、前記可
変絞り158,162および逆止弁156,160の周辺の液通路が形
成されたさらに別のブロックとの間に挟んで使用され
る。このブロック36は後の説明から明らかなように、速
度低減制御時あるいは割出制御時に作動油の流出量を制
限するタイプと、作動油の流入量を制限するタイプとの
両方に共用可能で、かつ、液圧アクチュエータが正方向
に作動する場合と逆方向に作動する場合との両方におい
て機能する汎用ブロックとなっている。
次に作動を説明する。
第4図はモータが高速で運転されている状態を示す図
であり、電磁方向切換弁148および10が左側の切換位置
に切り換えられ、油圧ポンプ144から圧送された作動油
は図中に太い実線で示されている経路を経てモータのロ
ータリバルブ126へ流入し、ロータリバルプ126から流出
した作動油は太い破線で示されている経路を経てタンク
146へ還流する。この状態においては作動油の流量は可
変絞り18および22によって規定され、モータは高速で正
方向に回転する。電磁方向切換弁148および10が右側の
切換位置に切り換えられれば、モータは逆方向に回転す
ることとなるが、逆方向の作動は正方向の作動と同様で
あるため、以下においては正方向についてのみ説明す
る。
モータが正方向に回転している状態において、電磁方
向切換弁148が中央の遮断位置に切り換えられれば、最
終的には、油圧ポンプ144から圧送された作動油が第5
図に太い実線で示す経路を経てロータリバルプ126に流
入し、太い破線で示す経路を経てタンク146へ還流する
状態となり、この還流する作動油の流量が可変絞り22に
より小さく制限されることによって、モータが低速で回
転させられることとなるのであるが、その過程において
モータが被駆動装置の慣性力により駆動される状態が発
生する。
第6図はその状態における作動油の流れを示すもので
ある。モータが被駆動装置により正方向に回転させられ
る際には、切換通路131を経て第二通路142へ多量の作動
油が流出するのであるが、上述のようにこの作動油がタ
ンク146へ還流し得る流量は可変絞り22によって小さく
制限されているため、第二通路142の油圧が上昇して油
圧ポンプ144の供給油圧、すなわちリリーフ弁149の設定
圧を超えるに至る。そのため、作動油は太い二点鎖線で
示すように逆止弁26および流出許容通路12を経て油圧ポ
ンプ144側へ戻される。この間、切換通路130側へは逆止
弁20を経て十分な流量の作動油が第6図に太い実線で示
す経路を経て供給されるため、切換通路130側の油圧は
油圧ポンプ144の供給油圧とほぼ等しい高さに保たれ
る。なお、第二通路142から流出許容通路12へ流出した
作動油は、電磁方向切換弁10および逆止弁20を経て第一
通路140へ流入する。
したがって、切換通路131と切換通路130との油圧差
が、油通路各部の流動抵抗と逆止弁26および20の開弁圧
との和に等しい極く小さいものとなり、この油圧差によ
ってモータに加えられるブレーキ力も極く小さいものと
なる。そのため、被駆動装置およびモータはほとんど各
部の摩擦抵抗のみによって減速させられることとなり、
減速度は充分に小さなものとなる。また、上述のように
第二通路142の油圧は油圧ポンプ144の供給油圧より僅か
に高くなるのみであって、この第二通路142に極端に高
い油圧が発生することもない。
この態様の作動時には、逆止弁20を備えて可変絞り22
をバイパスしている油通路が流入許容通路として機能
し、逆止弁26を備えた流出許容通路12と共同して緩減速
装置を構成することとなる。
上記速度低減制御時におけるモータの入口側油圧(第
一通路140の油圧)と出口側油圧(第二通路142の油圧)
との変化を第3図に示すが、出口側油圧は第3図に破線
で示すように、高速運転から低速運転への切換えと殆ど
同時に入口側油圧より僅かに高い油圧まで上昇した後、
モータの作動速度の低減に伴って入口側油圧より低くな
る。従来の緩衝用リリーフ弁による緩減速制御に際して
は、第3図に二点鎖線で示すように、出口側油圧が極め
て高い値まで上昇していたのと対照的である。
モータの作動速度が充分低減させられた後、電磁方向
切換弁10が中央の遮断位置に切り換えられると同時に、
割出制御弁154が右側の切換位置に切り換えられる。こ
のとき、モータが割出位置より手前側にあれば、最終的
には、第7図に示すように、油圧ポンプ144から圧送さ
れた作動油が太い実線で示す経路を経てモータの油圧室
に流入する一方、別の油圧室から流出する作動油は太い
破線で示す経路を経てタンク146へ還流する状態とな
り、切換通路130と131との間に発生する油圧差に基づい
てモータが更に正方向へ回転させられる。しかし、この
割出制御時においても当初モータは被駆動装置の慣性力
によって駆動される状態となり、切換通路131から第二
通路142へ相当量の作動油が流出する。そして、この作
動油の流れは可変絞り162によって制限されるため、第
3図に破線で示すように、出口側油圧、すなわち第二通
路142の油圧が一時的に上昇し、その後低下する。それ
に対して、入口側油圧、すなわち第一通路140の油圧は
割出用通路150の流動抵抗によって第3図に実線で示す
ように一旦低下し、モータが被駆動装置により駆動され
ない状態となったとき、再び増大して出口側油圧より大
きくなり、モータを更に正方向に小角度回転させる。そ
して、切換通路130が連通路136と連通しない状態となっ
たとき、モータが割出位置に停止する。
以上は割出制御開始前にモータの速度が既に十分小さ
くなっており、割出制御時に被駆動装置からモータに加
えられる慣性力が比較的小さい場合の作動であるが、こ
の慣性力が大きい場合には第二通路142へ多量の作動油
が流出して第二通路142の油圧が上昇するため、作動油
の一部が第8図に太い二点鎖線で示す経路を経て油圧ポ
ンプ144側へ還流する状態となる。この際、もし割出用
通路150から供給される作動油の流量が不足すれば、太
い一点鎖線で示す経路を経て不足分の作動油がタンク14
6からモータへ補給されることとなり、この状態におい
ては、第一通路140および切換通路130がやや負圧となる
一方(ただし、これは流入許容通路14が戻り側通路145
のタンク146に近い部分に接続された場合であって、タ
ンク146から遠い部分に接続された場合には、戻り側通
路145内の流動抵抗によって流入許容通路14の接続点の
油圧が大気圧より高くなるため、切換通路130内が負圧
となることはない。)、切換通路131および第二通路142
の油圧が油圧ポンプ144の供給油圧より僅かに高くなっ
て、モータには起動時の駆動トルクとほぼ等しい大きさ
のブレーキ力が加えられ、モータは大きな減速度で減速
されることとなる。したがって、被駆動装置の慣性力が
大きく、かつ、減速度を十分に小さくしたい場合には、
割出用通路150を十分太くして、切換通路130側に油圧ポ
ンプ144からの供給油圧に近い油圧が伝達されるように
することが必要である。この態様においては、十分な太
さの割出用通路150とそれに連通している連通路136と切
換通路130とが流入許容通路として機能し、逆止弁26を
備えた流出許容通路12と共同して緩減速装置を構成する
こととなる。
本油圧モータ回路は一般的には上述のように作動する
のであるが、緊急時には電磁方向切換弁148,10が同時に
中央の遮断位置に切り換えられ、割出制御弁154も遮断
位置に保たれる。この場合には第一および第二通路の油
圧源側通路143および戻り側通路145との連通が完全に遮
断されることとなり、第8図中太い一点鎖線で示す経路
を経てタンク146からモータへ作動油が吸入され、モー
タから流出した作動油は太い二点鎖線で示す経路を経て
油圧源側通路143へ戻される。この態様においては、逆
止弁28を備えた流入許容通路14と逆止弁26を備えた流出
許容通路12とが緩減速装置として機能するのであり、モ
ータにリリーフ弁149の設定圧に対応する大きなブレー
キ力が作用し、モータが速やかに停止させられることと
なる。
第9図に本発明の別の実施例を示す。本実施例は、割
出制御時に割出用通路152からモータへ作動油が流入
し、割出用通路150へ流出するようになっている点にお
いて、前記実施例と異なっている。すなわち、割出制御
弁60が割出制御時に割出用通路152に作動油を供給する
ものとされるとともに、逆止弁156,160の代わりにパイ
ロット式切換弁62が設けられているのである。
本実施例における高速運転状態から低速運転状態への
切換時における作動は前記実施例と同様であるため、詳
細な説明を省略する。
モータが矢印で示す正方向に低速で回転している状態
から割り出される割出制御の後半においては、第9図に
太い実線で示す経路を経て作動油がモータに流入し、太
い破線で示す経路を経てタンク146へ流出する状態とな
る。この状態においては割出用通路152と第二通路142と
の連通はパイロット式切換弁62によって遮断されている
ため、作動油が第二通路142から切換通路131を経て割出
用通路150へ無駄に流れることが回避される。第1図の
実施例において逆止弁156,160の向きを逆にすることに
よってパイロット式切換弁62に代えることも可能である
が、この場合には上記無駄な作動油の流れが生じ、エネ
ルギの無駄が生ずるのであるが、本実施例においてはそ
の無駄が回避できるのである。
割出制御の後半においては本実施例装置は上記のよう
に作動するが、割出制御の前半においてモータが被駆動
装置の慣性力により駆動される状態においては、第一通
路140からモータに供給される作動油の流れが可変絞り1
58によって制限されるため、モータへの作動油の流入量
が不足し、第一通路140の油圧がやや負圧となり、作動
油は流入許容通路14および逆止弁28を経てモータに吸入
されることとなる。一方、第二通路142側においては切
換通路131,連通路136および割出用通路150を経て十分な
流量で作動油が流出するため、第二通路142の油圧が特
に高くなることはない。
このように割出制御の前半に、切換通路130と131とは
共に大気圧に近い油圧に保たれ、両者の間には僅かな油
圧差を生ずるのみであって、モータに加えられるブレー
キ力も小さくなり、モータは比較的緩やかに減速され
る。この態様においては、逆止弁28を備えた流入許容通
路14と、切換通路131,連通路136および割出用通路150か
ら成る流出許容通路とが緩減速装置を構成することとな
るのである。
第10図に本発明の別の実施例を示す。この実施例は、
電磁方向切換弁148および10に付随した逆止弁70および7
2の向きを前記第1図の回路とは逆にしたものである。
これによって、可変絞り18および22は油圧ポンプ144か
らモータに供給される作動油の流量を制限することとな
り、いわゆるメータインタイプの回路となる。
本実施例においては、モータが正方向に回転している
状態で速度低減制御が行われれば、油圧ポンプ144から
圧送された作動油は太い実線で示す経路を経てモータへ
流入し、モータから流出した作動油は太い破線で示す経
路を経てタンク146へ還流するのが基本的な作動油の流
れである。しかし、モータが被駆動装置の慣性力によっ
て駆動される間は第一通路140から多量の作動油が吸入
される一方、第二通路142には多量の作動油が流出す
る。第二通路142に流出した作動油は逆止弁72を経て充
分な流量でタンク146へ還流するため、第二通路142の液
圧はほぼ大気圧に保たれる。それに対して、第一通路14
0を流れる作動油の流量は可変絞り22によって制限され
ているため、第一通路140および切換通路130の液圧がや
や負圧となり、第10図に太い一点鎖線で示すように流入
許容通路14および逆止弁28を経てタンク146から作動油
が流入する。本実施例においては、速度低減制御時にモ
ータには逆止弁28,72の開弁圧および作動油の流動抵抗
分のブレーキ力が作用するのりであり、被駆動装置およ
びモータは主として摩擦抵抗により減速されることとな
って、減速度は小さくなる。また、第二通路142の液圧
が極端に高くなることも回避される。逆止弁28を備えて
いる流入許容通路14と、逆止弁72を備えて流出許容通路
として機能する液通路とが、緩減速装置を構成している
のである。
第11図に本発明の別の実施例を示す。本実施例は実質
的に、前記第1図の実施例から割出制御に関する部分を
除いたものに相当するので、対応する要素に同一の符合
を付して詳細な説明を省略する。
本実施例においても、速度低減制御の当初に第二通路
142の液圧が上昇した場合には、流出許容通路14から油
圧ポンプ144側へ作動油が還流させられることによっ
て、第二通路142の油圧が過大となることが回避され
る。また、第一通路140側には逆止弁20を経て十分な量
の作動油が供給されるため、モータの入口側と出口側と
の間には僅かな油圧差しか発生せず、モータに加えられ
るブレーキ力が小さいためその減速度が小さくなる。逆
止弁26を備えた流出許容通路14が、逆止弁20を備えて流
入許容通路として機能する液通路と共同して緩減速装置
を構成しているのである。
本発明の別の実施例を第12図に示す。本実施例は、外
部パイロット式リリーフ弁を利用して緩減速装置を構成
したものである。すなわち、第一通路140と第二通路142
との間に正方向短絡用回路80および逆方向短絡用回路82
が設けられ、各短絡用回路80,82にそれぞれパイロット
式リリーフ弁84,86が設けられている。パイロット式リ
リーフ弁84,86はパイロット通路88により、油圧源側通
路143と接続されており、油圧ポンプ144とリリーフ弁14
9とから成る作動油圧供給装置の供給油圧がパイロット
圧として導かれている。
本実施例においては、第二通路142の油圧が作動油供
給装置の供給油圧より任意の値だけ高くなったときパイ
ロット式リリーフ弁84が開くようにすることが可能であ
り、速度低減制御の開始当初にモータに加えられるブレ
ーキ力を適宜設定してモータの減速度を所望の大きさに
することが容易である。速度低減制御時に第二通路142
に過大な油圧が発生することも回避し得る。上記両短絡
用回路80,82がそれぞれ正方向用および逆方向用の緩減
速装置を構成しているのである。
以上、いくつかの実施例を図面に基づいて詳細に説明
したが、これらは文字通り例示であり、本発明はこの他
にも当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である油圧モータ回路を示す
油圧回路図である。第2図は上記回路の要部の具体的な
構造を示す正面断面図である。第3図は上記回路の作用
を説明するためのグラフである。第4図,第5図,第6
図および第7図は上記回路の互いに異なる作動状態にお
ける作動油の流れを示す説明図である。第8図は上記回
路の別の作動態様を説明するための図である。第9図,
第10図,第11図および第12図はそれぞれ本発明の別の実
施例である油圧モータ回路を示す油圧回路図であり、同
時に作動油の流れを示す説明図でもある。第13図は従来
の液圧モータ回路の一例を示す液圧回路図であり、第14
図はその中のモータを示す正面断面図、第15図は第14図
における15−15断面図である。第16図,第17図および第
18図は第13図の回路のそれぞれ別の作動状態における作
動油の流れを示す説明図である。第19図および第20図は
それぞれ従来の液圧モータ回路の別の例を示す液圧回路
図である。 10,148:電磁方向切換弁 12:流出許容通路、14:流入許容通路 16,20,24,26,28,30,156,160:逆止弁 18,22,158,162:可変絞り 60,154:割出制御弁 62:パイロット式切換弁 80:正方向短絡用回路 82:逆方向短絡用回路 84,86:パイロット式リリーフ弁 88:パイロット通路 120:ロータ、122:ピストン 124:液圧室(油圧室) 126:ロータリバルブ 130,131:切換通路 132:第一ポート、134:第二ポート 140:第一通路、142:第二通路 143:液圧源側通路(油圧源側通路) 144:液圧ポンプ(油圧ポンプ) 145:戻り側通路、146:タンク 150,152:割出用通路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧アクチュエータの第一ポートおよび第
    二ポートにそれぞれ接続される第一通路および第二通路
    と、 外部から作動液が供給される液圧源側通路と、 作動液が外部へ流出する戻り側通路と、 前記第一通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前
    記第二通路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アク
    チュエータを正方向に作動させる第一状態と、前記第二
    通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前記第一通
    路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アクチュエー
    タを逆方向に作動させる第二状態と、前記第一通路と第
    二通路との少なくとも一方の作動液の流量を前記第一状
    態における流量より小さく制限するかまたは零にするこ
    とによって液圧アクチュエータの作動速度を小さくする
    かまたは零にする第三状態とに切換えが可能な作動状態
    切換装置と、 その作動状態切換装置が前記第三状態にあり、かつ、前
    記第一通路と前記第二通路との間の液圧差が前記液圧源
    側通路の液圧とは無関係に決まる一定値を超える間、前
    記第一通路への作動液の流入と前記第二通路からの流出
    とを許容することにより、液圧アクチュエータを緩やか
    に減速させる緩減速装置と を含む液圧アクチュエータ回路であって、 前記緩減速装置が、 前記液圧源側通路と前記第二通路とを接続するととも
    に、第二通路から液圧源側通路に向かう作動液の流れは
    許容するが逆向きの流れは阻止する逆止弁を備えた流出
    許容通路と、 前記第三状態において前記第一通路を前記液圧源側通路
    に連通させ、液圧源側通路の液圧で作動液が第一通路に
    流入することを許容する流入許容通路と を含むことを特徴とする液圧アクチュエータ回路。
  2. 【請求項2】液圧アクチュエータの第一ポートおよび第
    二ポートにそれぞれ接続される第一通路および第二通路
    と、 外部から作動液が供給される液圧源側通路と、 作動液が外部へ流出する戻り側通路と、 前記第一通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前
    記第二通路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アク
    チュエータを正方向に作動させる第一状態と、前記第二
    通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前記第一通
    路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アクチュエー
    タを逆方向に作動させる第二状態と、前記第一通路と第
    二通路との少なくとも一方の作動液の流量を前記第一状
    態における流量より小さく制限するかまたは零にするこ
    とによって液圧アクチュエータの作動速度を小さくする
    かまたは零にする第三状態とに切換えが可能な作動状態
    切換装置と、 その作動状態切換装置が前記第三状態にあり、かつ、前
    記第一通路と前記第二通路との間の液圧差が前記液圧源
    側通路の液圧とは無関係に決まる一定値を超える間、前
    記第一通路への作動液の流入と前記第二通路からの流出
    とを許容することにより、液圧アクチュエータを緩やか
    に減速させる緩減速装置と を含む液圧アクチュエータ回路であって、 前記緩減速装置が、 前記戻り側通路と前記第一通路とを接続するとともに、
    戻り側通路から第一通路に向かう作動液の流れは許容す
    るが逆向きの流れは阻止する逆止弁を備えた流入許容通
    路と、 前記第三状態において前記第二通路を前記戻り側通路に
    連通させ、第二通路から戻り 側通路への作動液の流出を許容する流出許容通路と を含むことを特徴とする液圧アクチュエータ回路。
  3. 【請求項3】液圧アクチュエータの第一ポートおよび第
    二ポートにそれぞれ接続される第一通路および第二通路
    と、 外部から作動液が供給される液圧源側通路と、 作動液が外部へ流出する戻り側通路と、 前記第一通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前
    記第二通路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アク
    チュエータを正方向に作動させる第一状態と、前記第二
    通路を前記液圧源側通路に連通させる一方、前記第一通
    路を前記戻り側通路に連通させて前記液圧アクチュエー
    タを逆方向に作動させる第二状態と、前記第一通路と第
    二通路との少なくとも一方の作動液の流量を前記第一状
    態における流量より小さく制限するかまたは零にするこ
    とによって液圧アクチュエータの作動速度を小さくする
    かまたは零にする第三状態とに切換えが可能な作動状態
    切換装置と、 その作動状態切換装置が前記第三状態にあり、かつ、前
    記第一通路と前記第二通路との間の液圧差が前記液圧源
    側通路の液圧とは無関係に決まる一定値を超える間、前
    記第一通路への作動液の流入と前記第二通路からの流出
    とを許容することにより、液圧アクチュエータを緩やか
    に減速させる緩減速装置と を含む液圧アクチュエータ回路であって、 前記緩減速装置が、 前記第一通路と第二通路とを互いに接続するとともに、
    常には遮断状態にあるが第二通路の液圧がパイロット圧
    室のパイロット圧より設定値だけ高い状態においては第
    二通路から第一通路への作動液の流れを許容する流通許
    容状態となるパイロット式リリーフ弁と、 前記液圧源側通路を前記パイロット圧室に接続するパイ
    ロット通路と を含むことを特徴とする液圧アクチュエータ回路。
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US9690304B2 (en) 2012-05-24 2017-06-27 Air Products And Chemicals, Inc. Method of, and apparatus for, providing a gas mixture
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