JP3068616U - 電動機の回転子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易な電動機の回転子を提供する。 【解決手段】 ２つの端部蓋３０は、巻銅線２５を覆う
よう２つのサンプレート２２にそれぞれ固着される。各
端部蓋３０は、サンプレート２２に端部蓋３０を固着し
て巻銅線２５を端部蓋３０に固定するため、各サンプレ
ート２２に挿入される複数のプラグ３４が設けられてい
る。端部蓋３０は、外壁に収容くぼみ３８を複数有し、
収容くぼみ３８はそれぞれ複数の釣合いおもり３７を収
容している。回転子の重心は、釣合いおもり３７の数を
増減して調整される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、回転子に関し、特に電動機の回転子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１に示すように、従来の電動機の回転子は、複数のけい素鋼部品１５と、２ つのサンプレート１１と、２つのサンプレート１１にそれぞれ固着された複数の 絶縁部品１４と、２つのサンプレート１１にそれぞれ巻きつけられた複数の巻銅 線１０と、複数の巻銅線１０を束ねている結束線１２と、巻銅線１０および結束 線１２の周縁部を被覆しているエポキシ層１３と、電動機回転子の本体とからな る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の回転子において、エポキシ層１３は有毒であり 、作業者に危害を及ぼしたり、あるいは環境汚染の原因となることがある。また 、エポキシ層１３は高価であり、回転子の製作費を増大させる。絶縁部品１４は 、サンプレート１１に順に固着するため、作業時間が増加し、電動機回転子の製 造工程が複雑になる。電動機回転子を組み立てるとき、電動機回転子のバランス をとるため、けい素鋼部品１５の一部を切断し、電動機回転子の重心を調整する ことが必要であり、その結果、作業時間が大幅に増加し、電動機回転子の生産工 程が複雑になる。さらに、高価なけい素鋼部品１５を切断することは、電動機回 転子の製作費の増大の原因となる。

【０００４】 したがって、本考案は上記の問題を解決するためになされたものであり、製造 が容易な電動機の回転子を提供することを目的とする。 本考案の他の目的は、有毒なエポキシ層を用いない電動機の回転子を提供する ことにある。 本考案の他の目的は、製作費を低減する電動機の回転子を提供することにある 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するための本考案の電動機の回転子によると、２つの側面を 有する回転子本体と、側面にそれぞれ組付けられ、巻銅線をそれぞれ有する２つ のサンプレートと、サンプレートに挿入される複数のプラグをそれぞれ有し、外 壁にらせん状に配され外部に突出している複数の案内肋材をそれぞれ有する２つ の端部蓋とを備えている。端部蓋は、サンプレートに固着され、銅線を囲い込ん でいる。端部蓋は、第１蓋本体と第２蓋本体とを有する。第１蓋本体および第２ 蓋本体は、それぞれの２つの側面に嵌合部材が設けられ、嵌合部材により第１蓋 本体と第２蓋本体とが結合されている。端部蓋が従来のエポキシ層の代わりとな るので、有毒なエポキシ層を用いる必要がない。

【０００６】 端部蓋は、外壁に収容くぼみを複数有し、収容くぼみはそれぞれ複数の釣合い おもりを収容している。釣合いおもりの数を調整して回転子の重心を調整できる ので、けい素鋼部品を無駄にすることがない。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図２から図７に示すように、本考案の一実施例による電動機の回転子は、軸２ １を有する回転子本体２０と、２つのサンプレート２２と、複数のけい素鋼部品 ２３と、整流器２４と、複数の巻銅線２５と、２つの軸受け２６とからなる。前 記の構造は従来のものであるので詳述しない。

【０００８】 ２つの端部蓋３０は、巻銅線２５を覆うよう２つのサンプレート２２にそれぞ れ固着される。各端部蓋３０は、サンプレート２２に端部蓋３０を固着して巻銅 線２５を端部蓋３０に固定するため、各サンプレート２２に挿入される複数のプ ラグ３４が設けられている。端部蓋３０は、従来のエポキシ層１３および複数の 絶縁部品１４にとって変わるものである。

【０００９】 ２つの端部蓋３０は、それぞれ第１蓋本体３１と第２蓋本体３２とを有する。 第１蓋本体３１と第２蓋本体３２とはそれぞれの側壁の端部に部材３３を有し、 部材３３を介して第１蓋本体３１と第２蓋本体３２とが接続される。第１蓋本体 ３１および第２蓋本体３２の内壁は弧状である。第１蓋本体３１と第２蓋本体３ ２とを互いに結合するため、端部蓋３０はそれぞれ２つのＣ字型の留め金材４０ を有する。

【００１０】 ２つの端部蓋３０の外壁は、それぞれ複数の案内肋材３６と、複数の通気口３ ５とが設けられている。案内肋材３６は、回転子が回転するとき空気の流れを導 くため、らせん状に配され、外側に突出している。通気口３５は、隣接する案内 肋材３６の間にそれぞれ傾斜して配置され、巻銅線２５の冷却のため端部蓋３０ の内部の空気を循環させる。

【００１１】 ２つの端部蓋３０の外壁は、それぞれ複数の収容くぼみが形成されている。各 収容くぼみ３８は、それぞれ複数の釣合いおもり３７を収容している。回転子の バランスをとるとき、釣合いおもり３７をそれぞれの収容くぼみ３８から直接取 り除くことで、けい素鋼部品２３を切断せずに回転子の重心を調整できるので、 生産工程が単純化される。また、高価なけい素鋼部品２３の消耗を妨ぐ。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例による電動機回転子を示す正面図であ
る。

【図２】本実施例による電動機の回転子を示す分解斜視
図である。

【図３】本実施例による電動機の回転子を示す斜視図で
ある。

【図４】本実施例による回転子の端部蓋を示す斜視図で
ある。

【図５】本実施例による回転子の端部蓋を示す斜視図で
ある。

【図６】本実施例による回転子の端部蓋を示す側面図で
ある。

【図７】本実施例による回転子の端部蓋を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

２０ 回転子本体 ２２ サンプレート ２５ 巻銅線 ３０ 端部蓋 ３１ 第１蓋本体 ３２ 第２蓋本体 ３４ プラグ ３７ 釣合いおもり ３８ 収容くぼみ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つの側面を有する回転子本体と、 前記側面にそれぞれ組付けられ、それぞれ巻銅線を有す
   る２つのサンプレートと、 前記サンプレートに挿入される複数のプラグを有し、外
   壁に外方向に突出している複数の案内肋材がらせん状に
   配されている２つの端部蓋とを備え、 前記端部蓋は、前記サンプレートにそれぞれ固着され、
   前記巻銅線を覆っていることを特徴とする電動機の回転
   子。
2. 【請求項２】 前記端部蓋は、第１蓋本体と第２蓋本体
   とを有し、 前記第１蓋本体および前記第２蓋本体は、それぞれの２
   つの側面に嵌合部材が設けられ、前記嵌合部材により前
   記第１蓋本体と前記第２蓋本体とが結合されていること
   を特徴とする請求項１記載の電動機の回転子。
3. 【請求項３】 前記端部蓋は、外壁に収容くぼみを複数
   有し、前記収容くぼみはそれぞれ複数の釣合いおもりを
   収容していることを特徴とする請求項１記載の電動機の
   回転子。