JP3068496U - バッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フォーウェイ（４種）の使用形態を実現でき、
また、使用形態の変更の際に、長さ調節金具等を用いた
手間のかかるベルトの長さ調節も不用であり、しかも、
何れの使用形態においても、バッグ本体の型崩れが生じ
ない、高品位なマルチウェイバッグを提供する。 【解決手段】バッグ本体と、バッグ本体の上面の両端部
近傍に配置される上部環体と、バッグ本体の両側面の下
端部近傍に配置される下部環体と、上部環体および下部
環体に挿通可能なベルトと、ベルトの両端部に配置され
る、下部環体に係合可能なフックとを有することによ
り、前記課題を解決する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、バッグ（かばん）の技術分野に属し、詳しくは、手提げバッグ、シ ョルダーバッグ、リュック等の各種の形態で使用可能なバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、手提げバッグ、肩掛けバッグ（ショルダーバッグ）、および背負い バッグ（背のう、リュック）等、複数の使用形態が自由に選択できるマルチウェ イバッグが知られている。

【０００３】 例えば、実公平１−２２５２６号公報には、ショルダーバッグとリュックとに 使用可能なバッグ（いわゆる、ツーウェイバッグ）が開示されている。 このバッグは、バック本体とベルトとから構成される。バッグ本体は、背面の 上部中央の台形状リングと三角形状リングを組合せてなるリュック用リング、背 面側下部の両端部近傍の補助リング、および両側面の上部近傍のショルダ用リン グの、３種のリングを有する。また、ベルトの両端には、これらの各リングに係 合可能なフックを有する。

【０００４】 このバッグは、ベルトの両端のフックを、それぞれショルダ用リングに係合す ることにより、ショルダバッグとして用いることができる。他方、リュック用リ ングを通して、ベルトの両端のフックをそれぞれ補助リングに係合することによ り、リュックとして使用することができる。 さらに、バッグとしての使用形態で、ベルトの長さを最大限に短くすることに より、手提げバッグとして利用することも考えられる。

【０００５】 ここで、このようなマルチウェイバッグでは、使用形態に応じて、適正なベル トの長さが異なる。 例えば、リュックとして適正な長さのベルトを、前述のショルダ用リングに係 合して、ショルダーバッグとして用いると、ベルトが長過ぎてしまい、バッグを 快適に使用することができない。まして、この長さのベルトを手提げバックに使 用することは、不可能である。逆に、ショルダーバッグとして適正な長さのベル トをリュックとして用いると、ベルトが短過ぎて、背負った際に非常に窮屈な状 態になってしまう。 そのため、マルチウェイバッグでは、ベルトの長さ調節手段を設け、バッグの 使用形態に応じて、ベルトの長さを調整する必要がある。

【０００６】 このベルトの長さ調整は、例えば、矩形状の環体の中央にベルトの幅方向に延 在する棒体を有し、この棒体にベルトの端部を固定してなる、ベルトの長さ調節 金具を用いて行われる。このような、長さ調節金具を用いたベルトの長さ調節は 、周知のように、殊の外、手間のかかる作業であり、マルチウェイバッグの使い 勝手を低減させる原因の一つになっている。 しかも、このようなマルチウェイバッグは、使用形態によっては、バッグが型 崩れしてしまう場合が多く、ファッション性を著しく損ってしまう結果となり、 使用者の不満も大きい。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、ショルダーバ ッグ、手提げバッグ、リュック等の３種に加え、例えば、ショルダーストラップ の長さの異なる２種のショルダーバッグ等、スリーウェイを超える使用形態を実 現でき、また、使用形態の変更の際に、長さ調節金具等を用いた手間のかかるベ ルトの長さ調節も不用であり、しかも、何れの使用形態においても、バッグ本体 の型崩れが生じない、高品位なマルチウェイバッグを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案は、バッグ本体と、前記バッグ本体の上面 の両端部近傍に配置される上部環体と、前記バッグ本体の両側面の下端部近傍に 配置される下部環体と、前記上部環体および下部環体に挿通可能なベルトと、前 記ベルトの両端部に配置される、前記下部環体に係合可能なフックとを有するこ とを特徴とするバッグを提供する。

【０００９】 また、本考案において、前記ベルトが平板状であり、前記上部環体が、その内 周に、対向して位置する直線部を有すると共に、前記直線部間の距離は直線部の 長さよりも短いものであり、さらに、前記下部環体がＤ環であるのが好ましく、 また、前記上部環体の直線部の一方の長さと前記ベルトの幅とが略同一であり、 かつ、前記直線部の長さが互いに異なる場合には、前記上部環体は、ベルト幅と 略同一でない直線部がバッグ本体に保持されるのが好ましく、また、バッグ本体 が、略直方体形状もしくは略四角錐台形状を有するのが好ましく、また、前記フ ックが、ベルトを直線状にした際に、ベルトの延在方向を軸として回転自在であ るのが好ましく、さらに、前記バッグ本体は、外面が布で形成され、かつ、前記 布より内側の全面に防水性材料を有するのが好ましい。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案のバッグについて、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳 細に説明する。

【００１１】 図１に、本考案のバッグの一例の概略斜視図を示す。 本考案のバッグは、リュック、ショルダーストラップの長いショルダーバッグ 、ショルダーストラップの短いショルダーバッグ、および手提げバッグの、４種 の形態で使用することができる、いわゆるフォーウェイバッグで、図示例のバッ グ１０は、基本的に、バッグ本体１２と、ベルト１４とを有して構成される。

【００１２】 図示例において、主たる収納部を有するバッグ本体１２は、略四角錐台形状を 有するものであり、最大面を前面１２ａおよび背面１２ｂ（リュックとして背負 った際に、背中に当接する面を背面とする）として、前面１２ａには、小物を収 容できる外ポケット１６が取り付けられている。 バッグ本体１２には、収納部の内部を開閉するためのファスナ１８が側面上部 〜上面〜逆側面上部に延在するように取り付けられる。さらに、外ポケット１６ にも、同様のファスナ２０が取り付けられる。

【００１３】 バッグ本体１２の内部には、一例として、前面１２ａ側の内面に蓋の無い内ポ ケットが、背面１２ｂ側の内面にはファスナによって開閉可能な内ポケット（好 ましくは、パスポートが収納できるサイズ）が、それぞれ設けられる。さらに、 外ポケット１６の内面には、携帯電話やＰＨＳ等の移動電話を収納する内ポケッ ト（底あり、もしくは底無し）が設けられる。 図示例のバッグ１０においては、このように多種多様な内ポケットを有するこ とにより、使い勝手を大幅に向上している。しかも、パスポート等の貴重品は、 ファスナ付の内ポケットに収納することができるので、海外旅行等における安全 性も確保している。

【００１４】 バッグ本体１２（およびポケット１６）は、好ましい態様として、外面は、デ ニム(denim) 等の布地で形成され、内面（あるいは、内面と外面との間）全面は 、ビニールや防水加工を施した布地等の防水性材料で形成される。 このような構成とすることにより、降雨時にも収納物およびバッグ内が濡れる のを防ぐことができ、しかも、軽量で使いやすいバッグを実現できる。

【００１５】 バッグ本体１２上面の両端（リュックとして背負った際の肩幅方向の両端）部 近傍には、上部環体２２（２２ａおよび２２ｂ）が、それぞれ配置される。また 、バッグ本体１２の両側面の下端部近傍には、下部環体２４（２４ａおよび２４ ｂ）が、それぞれ配置される。なお、これらの環体の固定方法には特に限定はな く、バッグ本体１２に布製のループを固定して、このループに環体を通す方法等 、各種のバッグで用いられている公知の方法によればよい。 また、ベルト１４の両端には、下部環体２４、あるいはさらに上部環体２２に 、係合および取り外し自在なフック２６（２６ａおよび２６ｂ）が、それぞれ配 置される。なお、本考案のバッグ１０のベルト１４には、基本的に、従来のマル チウェイバッグのような長さ調整手段は不用である。

【００１６】 本考案のバッグ１０においては、その使用形態に応じて、ベルト１４を環体に 挿通し、フック２６を下部環体２４に係合することにより、バッグ１０が構成さ れる。 従って、ベルト１４の挿通を容易に行えるように、各環体の開口部は、フック ２６（ベルトへの取り付け金具も含む）よりも若干大きくするのが好ましい。

【００１７】 本考案のバック１０においては、ベルト１４を挿通し、かつフック２６を係合 する環体を、バッグ本体１２の上面両端部近傍および両側面の下端近傍に設ける ことにより、従来のスリーウェイを超え、前述のようなフォーウェイの使用形態 が可能である（使用形態は、後に詳細に説明する）。また、このようなフォーウ ェイでの使用形態を実現したにもかかわらず、長さ調整金具等を用いたベルト１ ４の長さ調整も不用で、環体へのベルト１４の挿通およびフック２６の係合のみ で、使用形態を変更することができる。 しかも、ベルト１４を挿通およびフック２６を係合する環体を、バッグ本体１ ２の背面１２ｂに設けることなく、両側面および上面にのみ設けることにより、 何れの使用形態であっても型崩れを起こすことがなく、全ての使用形態において 、高いファッション性を保つことができる。

【００１８】 図示例のバッグ１０においては、好ましい態様として、ベルト１４は平板状で あり、かつ、フック２６は、ベルト１４を直線状に延ばした際に、その延在方向 を軸として回転自在である（ベルト１４のねじれ方向に回転自在）。 バッグ１０においては、一例として、図２（Ａ）に示されるように、フック２ ６は、フック部２８ａとＤ環２８ｂとから構成され、Ｄ環２８ｄの曲部頂点にフ ック部２８ａが回転自在に固定されている。

【００１９】 また、図示例においては、好ましい態様として、上部環体２２は、図２（Ｂ） に示されるような略長方形等、対向する直線部３０を環の内周に有し、かつ、直 線部３０の長さは直線部の間隔よりも短い形状を有する。さらに、直線部３０は 、ベルト１４の幅と、ほぼ同一の長さを有し、かつ、この直線部３０によってバ ッグ本体１２に固定される。なお、直線部３０は、少なくとも一方がベルト幅と 略同一長であれば、他方は異なる長さであってもよく、この際には、異なる長さ の方がバッグ本体１２に固定される。 さらに、図示例は好ましい態様として、図２（Ｃ）に示されるように、下部環 体２４はＤ環であり、その直線部においてバッグ本体１２に固定される。

【００２０】 このような構成を有することにより、バッグ１０の使用時には、ベルト１４は 、ほぼ長さが等しい上部環体２２の直線部３０に幅方向で支持されるので、幅方 向にずれたり、縒れたりすることがなく、常に適正な状態を保てる。また、使用 形態に応じて、ベルト１４がねじれ、あるいは下部環体２４への係合方向が変化 しても、フック２６（フック部２８ａ）の回転、およびＤ環である下部環体２４ の曲部におけるフック部２８ａの移動が、これを吸収する。 従って、各環体およびフック２６、ベルト１４を上記構成とすることにより、 いかなる使用形態であっても、ベルト１４の不自然なねじれ等が生じることなく 、全ての使用形態において、常にベルト１４を自然な状態として、ワンウェイの 通常のバックのように、快適に使用することができる。

【００２１】 前述のように、本考案のバッグ１０は、リュック、ショルダーストラップの長 いショルダーバッグ、ショルダーストラップの短いショルダーバッグ、および手 提げバッグの、４種の形態での使用が可能なフォーウェイバッグである。

【００２２】 例えば、図１に示されるように、ベルト１４を上部環体２２に挿通して、両端 のフック２６ａおよび２６ｂを、それぞれ、下部環体２４ａおよび２４ｂに係合 した状態とし、上部環体２２ａおよび下部環体２４ａの間、ならびに上部環体２ ２ｂおよび下部環体２４ｂの間で、ベルト１４を背面側１２ｂ方向に引き出すこ とにより、リュックとして使用することができる。 あるいは、ベルト１４の挿通およびフック２６の係合は図１と同様の状態とし て、図３のように、上部環体２２ａおよび２２ｂの間でベルト１４を上方に引き 出すことにより、ショルダーストラップの長いショルダーバッグとして使用する ことができる。

【００２３】 また、図４（Ａ）に模式的に示すように、図２に示される状態から、例えば、 下部環体２４ａに係合するフック２６ａを外して（逆側でも可）、ベルト１４を 下部環体２４ａに挿通し、フック２６ａを、逆側の下部環体２４ｂに係合するこ とにより、ショルダーストラップの短いショルダーバッグとして使用することが できる。 さらに、図４（Ａ）に示される状態から、図４（Ｂ）に模式的に示すように、 下部環体２４ｂに係合するフック２６ｂを外して、ベルト１４を下部環体２４ｂ に挿通し、フック２６ｂを、逆側の下部環体２４ａに係合することにより、手提 げバッグとして使用することができる。

【００２４】 なお、本考案のバッグにおいて、ベルト１４の長さ（フック２６を含む）には 特に限定はなく、各環体の間隔、下部環体２４ａ〜上部環体２２ａ〜上部環体２ ２ｂ〜下部環体２４ｂの全長等に応じて、前記各使用形態を適正に実現できる長 さを適宜決定すればよいが、バッグ本体１２の全周（上下面および側面の合計） の１．５倍〜２倍程度、特に、１．６倍〜１．７倍程度が好ましい。

【００２５】 以上、本考案のバッグについて詳細に説明したが、本考案は上記実施例に限定 はされず、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行 ってもよいのはもちろんである。

【００２６】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、本考案は、従来のスリーウェイを超えるフォー ウェイでの使用が可能であるばかりか、手間のかかるベルトの長さ調整を行うこ となく使用形態の変更を行うことができる。 しかも、何れの使用形態であっても、バッグの型崩れがなく、良好なファッシ ョン性を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のバッグの一例を示す概略斜視図であ
る。

【図２】 （Ａ）は本考案のバッグのフックの一例を、
（Ｂ）は本考案のバッグの上部環体の一例を、（Ｃ）は
本考案のバッグの下部環体の一例を、それぞれ示す概略
図である。

【図３】 図１に示されるバッグの別の使用形態を示す
概略斜視図である。

【図４】 （Ａ）および（Ｂ）は、それぞれ、図１に示
されるバッグの別の使用形態を説明するための概念図で
ある。

【符号の説明】

１０ バッグ １２ バッグ本体 １４ ベルト １６ 外ポケット １８，２０ ファスナ ２２（２２ａ，２２ｂ） 上部環体 ２４（２４ａ，２４ｂ） 下部環体 ２６（２６ａ，２６ｂ） フック ２８ａ フック部 ２８ｂ Ｄ環 ３０ 直線部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バッグ本体と、前記バッグ本体の上面の両
   端部近傍に配置される上部環体と、前記バッグ本体の両
   側面の下端部近傍に配置される下部環体と、前記上部環
   体および下部環体に挿通可能なベルトと、前記ベルトの
   両端部に配置される、前記下部環体に係合可能なフック
   とを有することを特徴とするバッグ。
2. 【請求項２】前記ベルトが平板状であり、前記上部環体
   が、その内周に、対向して位置する直線部を有すると共
   に、前記直線部間の距離は直線部の長さよりも短いもの
   であり、さらに、前記下部環体がＤ環である請求項１に
   記載のバッグ。
3. 【請求項３】前記上部環体の直線部の一方の長さと前記
   ベルトの幅とが略同一であり、かつ、前記直線部の長さ
   が互いに異なる場合には、前記上部環体は、ベルト幅と
   略同一でない直線部がバッグ本体に保持される請求項２
   に記載のバッグ。
4. 【請求項４】前記バッグ本体が、略直方体形状もしくは
   略四角錐台形状を有する請求項１〜３のいずれかに記載
   のバッグ。
5. 【請求項５】前記フックが、ベルトを直線状にした際
   に、ベルトの延在方向を軸として回転自在である請求項
   １〜４のいずれかに記載のバッグ。
6. 【請求項６】前記バッグ本体は、外面が布で形成され、
   かつ、前記布より内側の全面に防水性材料を有する請求
   項１〜５のいずれかに記載のバッグ。