JP3068099U - 患者の治療又は介護用補助パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者がある特定の姿勢を楽に維持できるよう
に、その姿勢で患者の体を安定的に支えることができ、
かつ、通気性が良好で患者の体が蒸れる等の弊害がなく
患者が快適に使用できる患者の治療又は介護用補助具を
提供する。 【解決手段】 合成樹脂製の複数の線状体２を皺曲させ
て互いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させながらそ
の間に空隙を形成するように集合させて形成した立体網
状構造のパッド本体１に、治療又は介護姿勢の患者の体
にあてがってその患者の姿勢を維持可能とする姿勢制御
面７を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は患者の治療又は介護用補助パッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

手術等を行なう場合は、患者は手術等をしやすい姿勢を長時間維持しなければ ならないが、患者がその姿勢を長時間維持するのは困難である。また、寝たきり 患者は床ずれが大きな苦痛となっていて、これを防ぐには体圧を分散させる姿勢 をとらなければならない。このような問題を解決するために、患者がある特定の 姿勢を楽に維持できるようにする各種の補助パッドが考案されている。しかしな がら、従来の補助パッドは、ウレタンフォーム製やエアーマット構造になってい るので、通気性が悪く、患者の体が蒸れて、体が痒くなる等の不快感を患者に与 えるという弊害があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、患者がある特定の姿勢を楽に維持できるように、その姿勢で 患者の体を安定的に支えることができ、かつ、通気性が良好で患者の体が蒸れる 等の弊害がなく患者が快適に使用できる患者の治療又は介護用補助パッドの提供 を課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本願の考案者は、合成樹脂製の複数の線状体２， ４を皺曲させて互いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させながらその間に空隙 を形成するように集合させて形成した立体網状構造のパッド本体１，３に、治療 又は介護姿勢の患者の体にあてがってその患者の姿勢を維持可能とする姿勢制御 面７，１２を設けたことを特徴とする患者の治療又は介護用補助パッドを考案し た。

【０００５】 同じく上記課題を解決するために、本願の考案者は、立体的に組み立て可能で 且つ扁平に折畳み可能な支持フレーム６と、その支持フレーム６の表面を覆って 支持フレーム６に従って変形可能なパッド本体５とから成り、そのパッド本体５ は合成樹脂製の複数の線状体９を皺曲させて互いに絡ませ且つ接触部位を互いに 接着させながらその間に空隙を形成するように集合させて形成した立体網状構造 を有し、支持フレーム６を組み立ててその支持フレーム６を覆うパッド本体５を 治療又は介護するためにある特定の姿勢をとらせた患者の体にあてがうことによ りその患者の姿勢を維持可能としたことを特徴とする患者の治療又は介護用補助 パッドも考案した。

【０００６】

【実施例】

以下、図示した実施例について説明する。まず、図１は請求項１記載の考案の 第１実施例を示したものである。この補助パッドは、パッド本体１を折り曲げた 膝の下にあてがって膝を上に載せることができるように、パッド本体１の断面形 状が略二等辺三角形を呈するように成形されていて、そのパッド本体１の上面側 の２つの斜面が姿勢制御面７となっている。このパッド本体１は、全体が合成樹 脂製の複数の線状体２を皺曲させて互いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させ ながらその間に空隙を形成するように集合させて形成した立体網状構造を有する ものである。なお、この補助パッドの図面に垂直な方向の長さは、ほぼベッド１ ０の幅と同一になっている。この補助パッドは、患者の膝等の手術等を行なう場 合に使用するもので、患者は膝を折り曲げた姿勢を楽に安定的に維持することが できる。この補助パッドは上記の構造を有することにより、通気性が良好で、か つ、弾力性や耐圧性も優れている。

【０００７】 次に、図２は請求項１記載の考案の第２実施例を示したものである。この補助 パッドは、パッド本体３を斜めに傾斜させた患者の背中の下にあてがって、患者 の体を斜めに傾けた姿勢で支えることができるように、パッド本体３の断面形状 が略直角三角形を呈するように成形されていて、そのパッド本体３の上面側の斜 面が姿勢制御面１２となっている。このパッド本体３は、全体が合成樹脂製の複 数の線状体４を皺曲させて互いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させながらそ の間に空隙を形成するように集合させて形成した立体網状構造を有するものであ る。なお、この補助パッドの図面に垂直な方向の長さは、ほぼ患者の身長と同じ 長さになっている。この補助パッドは、寝たきり患者の体を斜めに傾けることに より体圧を分散させて、患者の体の床ずれを防止するために使用するものである 。この補助パッドも上記の構造を有することにより、通気性が良好で、かつ、弾 力性や耐圧性も優れている。

【０００８】 次に、図３及び図４は請求項２記載の考案の実施例を示したものである。この 補助パッドも上記の請求項１記載の考案の第１実施例と同様に、折り曲げた膝の 下にあてがって膝を上に載せることができるように、断面形状が略二等辺三角形 を呈するように形成されていて、患者の膝等の手術等を行なう場合に使用するも のである。この補助パッドを使用することにより、患者は膝を折り曲げた姿勢を 楽に安定的に維持することができる。しかしながら、この補助パッドは上記の請 求項１記載の考案の第１実施例とは異なり、支持フレーム６とパッド本体５の２ 部品で構成されている。そして支持フレーム６は硬質のプラスチック成形品で、 ヒンジ８で所定の角度に折り曲げることにより、図３に示すように略二等辺三角 形に組み立てることができ、又、折り畳むことにより、図４に示すようにコンパ クトな扁平形状に変形できるようになっている。また、パッド本体５は上記の支 持フレーム６の表面を覆うもので、合成樹脂製の複数の線状体９を皺曲させて互 いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させながらその間に空隙を形成するように 集合させて形成した立体網状構造を有して、支持フレーム６に従って変形可能に なっている。なお、この補助パッドの支持フレーム６とパッド本体５の図面に垂 直な方向の長さは、ほぼベッド１１の幅と同一になっている。

【０００９】 因みに、上記の請求項１記載の考案の第１実施例及び第２実施例の補助パッド 及び請求項２記載の考案の実施例の補助パッドにおける各パッド本体１，３，５ は次のように製造されるものである。すなわち、複数の下向きノズルを設けた押 出機によってポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂を加熱溶融してから上記のノ ズルにより下方へ向けて連続的に押し出すことにより複数の線状体２，４，９を 形成して降下させ、その下方位置で上記の線状体２，４，９をを未だ固まらない うちにその降下速度より遅い速度で引き取ることにより各線状体２，４，９をそ れぞれ皺曲させて互いに絡ませ且つその接触部位をそれらの粘着性を利用して接 着させながら集合させて立体網状構造となし、次にそれを冷水に浸す等の方法に より冷却して固めてから引き上げて適宜な形状及び大きさに切断することによっ て製造されるものである。なお、各線状体２，４，９の太さは１乃至２ミリ程度 であり、断面形状はほぼ円形である。

【００１０】 ところで、上記の各実施例における補助パッドは、断面形状が略二等辺三角形 や略直角三角形を呈しているが、形状はこれらに限定するものではない。すなわ ち、患者を治療する場合や介護をする場合に患者のとる様々な姿勢に適合した形 状にする。なお、上記の各実施例の補助パッドは、いずれも患者の体の下にあて がうものであるが、本考案の補助パッドは患者の体の下にあてがうものに限定す るものではない。例えば、開いた状態の両脚の間に挟むようにあてがうものや、 横腹部と腕の間を開いてその間に挟むようにあてがうものなども、勿論対象とす るものである。

【００１１】

【考案の効果】

請求項１記載の考案の患者の治療又は介護用補助パッドは上記の通りであり、 患者の体にあてがって体を支えることにより患者がその姿勢を楽に維持すること ができ、また、医師や看護者による治療や介護をしやすくする。そして、特に、 パッド本体は通気性が良好なので患者の体が蒸れて痒くなる等の弊害がなく、又 、立体網状構造を呈して柔軟性に優れているので患者に痛みを与えることがなく 、又、線状体は表面がスポンジのようにザラザラしていないので感触が良くて患 者の肌にやさしく、さらに、臭いなども付着しにくい等の利点があり、患者が快 適に使用することができる。また、パッド本体は立体網状構造を呈するので、洗 浄や消毒が容易で清潔に保つことができ、院内感染なども防止することができる 。 次に、請求項２記載の考案の患者の治療又は介護用補助パッドは、上記の請求 項１記載の考案が奏する効果に加えて、支持フレーム及びパッド本体を一緒に折 り畳むことによりコンパクトな扁平形状に変形できるので、不使用時に保管する 場合に小さなスペースで足りるという利点があり、又、洗浄や消毒も更に容易と なる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に記載した考案の第１実施例の使用状
態を示す側面図である。

【図２】請求項１に記載した考案の第２実施例の使用状
態を示す正面図である。

【図３】請求項２に記載した考案の実施例の使用状態を
示す側面図である。

【図４】請求項２に記載した考案の実施例の折畳状態を
示す側面図である。

【符号の説明】

１ パッド本体 ２ 線状体 ３ パッド本体 ４ 線状体 ５ パッド本体 ６ 支持フレーム ７ 姿勢制御面 ８ ヒンジ ９ 線状体 １０ ベッド １１ ベッド １２ 姿勢制御面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製の複数の線状体２，４を皺曲
   させて互いに絡ませ且つ接触部位を互いに接着させなが
   らその間に空隙を形成するように集合させて形成した立
   体網状構造のパッド本体１，３に、治療又は介護姿勢の
   患者の体にあてがってその患者の姿勢を維持可能とする
   姿勢制御面７，１２を設けたことを特徴とする患者の治
   療又は介護用補助パッド。
2. 【請求項２】 立体的に組み立て可能で且つ扁平に折畳
   み可能な支持フレーム６と、その支持フレーム６の表面
   を覆って支持フレーム６に従って変形可能なパッド本体
   ５とから成り、そのパッド本体５は合成樹脂製の複数の
   線状体９を皺曲させて互いに絡ませ且つ接触部位を互い
   に接着させながらその間に空隙を形成するように集合さ
   せて形成した立体網状構造を有し、支持フレーム６を組
   み立ててその支持フレーム６を覆うパッド本体５を治療
   又は介護するためにある特定の姿勢をとらせた患者の体
   にあてがうことによりその患者の姿勢を維持可能とした
   ことを特徴とする患者の治療又は介護用補助パッド。