JP3067731B2 - データ加工装置および加工方法 - Google Patents

データ加工装置および加工方法

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JP3067731B2
JP3067731B2 JP7400098A JP7400098A JP3067731B2 JP 3067731 B2 JP3067731 B2 JP 3067731B2 JP 7400098 A JP7400098 A JP 7400098A JP 7400098 A JP7400098 A JP 7400098A JP 3067731 B2 JP3067731 B2 JP 3067731B2
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明宏 武藤
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株式会社ディジタル・ビジョン・ラボラトリーズ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタルデータと
して提供されるコンテンツに電子透かしを挿入するため
のデータ加工装置および加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出所を明らかにするために、あるいは、
盗用を防ぐために、利用者には容易に検出できないよ
う、ディジタルコンテンツに副次的な情報を付加する電
子透かしと呼ばれる技術が提案されている。
【0003】そして、現在、多くの電子透かしアルゴリ
ズムが研究発表され、また一部で商業的運用が行われよ
うとしているが、対象とするデータ種や処理内容に柔軟
性がない場合がほとんどである。
【0004】すなわち、現行の電子透かしアルゴリズム
はデータ種依存性が強く、処理の柔軟性がほとんどな
い。そのため、複数のデータ種により構成されたマルチ
メディアデータへの対応や、複数の電子透かしアルゴリ
ズムが混在するようなオープンな環境での適用を考えた
場合に制約が大きく、コンテンツ提供者の意図が十分に
反映できないことも多い。
【0005】この問題を解決する手段として、コンテン
ツ以外にある種の属性情報を電子透かし挿入機構が受け
入れて処理に反映されるようにしておくことが考えられ
る。このような属性情報によりデータ種に応じた処理の
対応やコンテンツ提供者による処理動作の指定などが行
えるようになるが、セキュリティ対策やその他の理由に
よるアルゴリズムの更新、使いまわし、あるいはアルゴ
リズムの適用などのオープンな環境下における相互運用
性、また電子透かしアルゴリズムのデータ種依存性の強
さなどのアルゴリズム多様化要因により複数のアルゴリ
ズムに対する対応が考慮されなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電子透かしアルゴリズムはデータ種依存性が強く、処
理の柔軟性がほとんどない。そのため、複数のデータ種
により構成されたマルチメディアデータへの対応や、複
数の電子透かしアルゴリズムが混在するようなオープン
な環境での適用を考えた場合に制約が大きく、コンテン
ツ提供者の意図が十分に反映できないことも多い。
【0007】この問題を解決する手段として、コンテン
ツ以外にある種の属性情報を電子透かし挿入機構が受け
入れて処理に反映されるようにしておくことが考えられ
る。そして、このような属性情報により、データ種に応
じた処理の対応やコンテンツ提供者による処理動作の指
定などが行えるようになるが、アルゴリズムのアップグ
レード、使いまわし、あるいはオープンな環境下におけ
るアルゴリズムの適用、また電子透かしアルゴリズムの
データ種依存性の強さなどのアルゴリズム多様化要因に
より複数のアルゴリズムに対する対応が考慮されなけれ
ばならない等の問題はあり、コンテンツ提供者にとって
負担が大きい。
【0008】従って、コンテンツ提供者にこのような負
担をかけることのない、しかも、アルゴリズムのアップ
グレードや異なるアルゴリズムの並立するようなオープ
ンな環境下において処理系の持つアルゴリズムの違いを
超えて、コンテンツ提供者の意図を反映させた副次的デ
ータ、例えば、電子透かしを挿入加工したコンテンツ流
通を可能にするデータ加工装置の出現が嘱望される。
【0009】そこで、この発明の目的とするところは、
情報提供者の意図を、処理系の内容に制約されずに表現
することができ、また、複数の電子透かしアルゴリズム
共存下の環境においても情報提供者の意図を反映したか
たちで、利用することが可能な電子透かし挿入処理が可
能なデータ加工装置および加工方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、システム
の外部より与えられたディジタルコンテンツに、所定の
処理アルゴリズムを実行して副次的なデータを付加し、
出力するコア(データ加工手段)を有するデータ加工装
置において、副次的データを付加する際の各種要件を定
義した制御用のデータを受け、これを解釈して前記コア
における処理アルゴリズムに適合したパラメータに変換
して当該コアに与える解釈手段を備えると共に、前記コ
アの持つ処理アルゴリズムは、与えられたパラメータ対
応に前記ディジタルコンテンツに対し、所要の処理を実
行して副次的なデータを付加する機能を備える構成とす
ることを特徴とする。
【0011】更には、前記解釈手段は、前記外部より入
力される制御用のデータを前記コアの持つ処理アルゴリ
ズムが規定するデータ形式に変換して与える機能を持つ
ことを特徴とする。
【0012】また、前記コアを複数有し、それぞれのコ
アの持つ処理アルゴリズムそれぞれは異種のものとする
と共に、前記解釈手段は、前記外部より入力される制御
用のデータを前記コアの持つ処理アルゴリズムが規定す
るデータ形式に変換して与える機能を持つことを特徴と
する。
【0013】また、システムの外部より与えられたディ
ジタルコンテンツに、所定の処理アルゴリズムを実行し
て副次的なデータを付加し、出力するコアを有するデー
タ加工装置において、入力データ形式対応にそれぞれコ
アを有すると共に、副次的データを付加する際の各種要
件を定義した制御用のデータを受け、これを解釈して前
記コアにおける処理アルゴリズムに適合したパラメータ
に変換して当該コアに与える解釈手段を備えることを特
徴とする。
【0014】本発明は、コンテンツに副次的データ付加
加工(例えば、電子透かし挿入)するにあたり、複数の
電子透かし挿入アルゴリズムを併存させて利用可能にす
る情報提供サービスにおいて、コンテンツ提供者がコン
テンツに対する透かし挿入の意図を記述したコンテンツ
属性情報(外部メッセージ)を作成して与えることによ
り、これを解釈して各アルゴリズムが要求する処理パラ
メータに変換できるようにすると共に、この変換したパ
ラメータを対応の電子透かし挿入アルゴリズムに与える
ことで、上記意図を反映させたかたちでコンテンツに電
子透かしを挿入できるようにした。
【0015】また、情報提供者意図の解釈時に、利用者
意図の無制限な解釈が行われないよう情報提供者が制限
できるようにした。
【0016】従って、本発明により、情報提供者が行う
コンテンツに対する処理意図の記述が、異なるアルゴリ
ズムを持つ処理系それぞれで解釈実行できるようにな
る。
【0017】この結果、アルゴリズムのアップグレード
や異なるアルゴリズムの並立するようなオープンな環境
下において処理系の持つアルゴリズムの違いを超えて、
コンテンツ提供者の意図を反映させた電子透かしを挿入
加工したコンテンツ流通を可能にするデータ加工装置が
得られるようになり、コンテンツ情報提供者にとって極
めて有用である。
【0018】特に、本発明では、情報提供者の意図を副
次的データの付加、例えば、電子透かし挿入においてそ
の透かし挿入処理系の内容に制約されずに表現すること
ができる。従って、電子透かし挿入アルゴリズムの内容
の更新や異なる処理アルゴリズムの並立、あるいは多様
なデータ形式が混在するマルチメディアデータに対する
電子透かし付加処理に対する処理意図の表明を容易に実
現できる。また、複数の処理アルゴリズムの共存が容易
になるため、オープンなネットワーク環境や不特定多数
に対する情報提供サービスなどにおける電子透かし挿入
の適用性を広げる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。 (基本的構成)図1に、コンテンツ提供者側が意図する
状態となるように副次的データ(例えば、電子透かし)
を挿入するための指示用のメッセージを、システム側で
適用可能な設定形式になるように翻訳してデータ加工系
に引き渡すためのメッセージ解釈系を組み込んでなるデ
ータ加工装置としての電子透かし挿入装置の基本的な概
略ブロック構成図を示す。
【0020】図1において、100は電子透かし挿入装
置であり、10はメッセージ解釈系、20はデータ加工
系としての電子透かし挿入コアである。電子透かし挿入
装置100はメッセージ解釈系10と電子透かし挿入コ
ア20を含み、メッセージ解釈系10はメモリ11およ
びコントローラ12を備える。
【0021】これらのうち、メッセージ解釈系10にお
けるコントローラ12は、電子透かし挿入装置100
が、外部より受け取った処理メッセージを、メッセージ
解釈系10におけるメモリ11に保持された情報に基づ
いて解釈し、電子透かし挿入コア20が処理できるパラ
メータとして当該電子透かし挿入コア20に引き渡す機
能を有するものであり、電子透かし挿入コア20は、コ
ンテンツに電子透かしの挿入処理を行って出力するもの
であって、メッセージ解釈系10におけるコントローラ
12より処理に必要なパラメータ値を受け取り、入力さ
れたコンテンツに対して“電子透かし”の挿入処理を行
って電子透かし入りのコンテンツとして出力する機能を
有する処理ブロックである。
【0022】メッセージ解釈系10におけるメモリ11
は、電子透かし挿入装置100が、外部より受け取った
処理メッセージを、電子透かし挿入コア20が処理でき
るパラメータに変換すべく、コントローラ12が解釈で
きるようにするための必要な情報を保持するものであ
る。
【0023】このような構成の電子透かし挿入装置10
0は、電子透かしを挿入したい対象のコンテンツのデー
タと、どのように電子透かしを入れるかを指示するため
のメッセージとを外部より入力する。
【0024】すると、メッセージ解釈系10におけるコ
ントローラ12は、電子透かし挿入装置100が、外部
より受け取った処理メッセージを、メモリ11に保持さ
れた情報に基づいて解釈し、電子透かし挿入コア20が
処理できるパラメータとして電子透かし挿入コア20に
引き渡す。
【0025】一方、電子透かし挿入コア20は、メッセ
ージ解釈系10におけるコントローラ12より処理に必
要なパラメータ値を受け取ると、コンテンツに対して
“電子透かし”の挿入処理を行って電子透かし入りのコ
ンテンツとして出力する。以上が、本装置の大まかな動
作である。
【0026】<メッセージ解釈系10の処理手順>さ
て、図2に本電子透かし挿入装置100におけるメッセ
ージ解釈処理に関連する情報の流れを示し、図3にこれ
を利用したメッセージ解釈系での解釈処理の手順の例を
示す。
【0027】コンテンツの製作者あるいはコンテンツの
提供者は、電子透かし挿入装置100を使用しての電子
透かし挿入を実施するにあたり、コンテンツに対する電
子透かし挿入処理のためのメッセージデータを記述して
これを外部メッセージとして本電子透かし挿入装置10
0に入力する。当該メッセージデータは、メッセージパ
ラメータID(MEI;Message Parameter ID)、メッセ
ージパラメータスコープ(MES;Message Parameter Sco
pe)、メッセージパラメータバリュ(MEV;Message Par
ameter Value)からなるデータとして記述する。
【0028】ここで、“MEI”,“MES”,“ME
V”は次の通りである。まず第1番目の“MEI(メッ
セージパラメータID)”は、「メッセージの種類を区
別するためのID(識別情報)」である。また、第2番
目の“MES(メッセージパラメータスコープ)”は、
「メッセージの解釈の許容度を示すパラメータ」であ
り、メッセージ解釈系10において用いられる(詳細は
後述する)。第3番目の“MEV(メッセージパラメー
タバリュ)”は、「メッセージの値」を示す。
【0029】また、メッセージパラメータレベル(ME
L;Message Parameter Level)、メッセージパラメータ
スケーリングプリンシプル(MESP;Message Parameter
Scaling Principle)を別途用意する。
【0030】ここで、“MEL(メッセージパラメータ
レベル)”とは、「メッセージ解釈系10がパラメータ
の解釈を行う際に、解釈許容度を評価する尺度として用
いる値」である(後述)。
【0031】また、“MESP(メッセージパラメータ
スケーリングプリンシプル)”は、「MEV(メッセー
ジパラメータバリュ)が持つ値の意味付けを行う」ため
のものである。
【0032】一方、電子透かし挿入装置100の処理ア
ルゴリズム作成者は、電子透かし挿入を行う部分である
電子透かし挿入コア20を提供する際、当該電子透かし
挿入コア20が必要とするパラメータのIDを、マーキ
ングパラメータID(MAI;Marking Parameter ID)と
して予め用意する。
【0033】また、電子透かし挿入装置100の処理ア
ルゴリズム作成者は、この他に、マーキングパラメータ
レベル(MPL;Marking Parameter Level)、マーキング
スケーリングプリンシプル(MASP;Marking Scalin
g)、マーキングパラメータインタプリティーションプ
リンシパル(MPIP;Marking Parameter Interpretation
Principal)を用意する。
【0034】ここで、マーキングパラメータレベルMP
Lとは、「メッセージ解釈系10がパラメータの解釈を
行う際に解釈許容度を評価する尺度として用いる値」で
あり(後述)、“MASP(マーキングスケーリングプ
リンシプル)”とは「電子透かし挿入コア20が必要と
する各パラメータ値の意味付けを行うためのもの」であ
る。
【0035】なお、“MPL”(あるいは“MEL”)
は、解釈許容度判断のパラメータとなるデータであるた
め、直接の当事者であるアルゴリズム作成者(あるいは
コンテンツ作成者)ではなく、TTP(信頼のおける第
三者機関)等の第三者が用意する運用とすれば、判断の
公平性保証などの点から有用である。
【0036】また、“MPIP(マーキングパラメータ
インタプリティーションプリンシパル)”は、「電子透
かし挿入コア20が必要とする各パラメータ値の算出を
行う場合の規則が記述されたもの」であって、具体的に
は解釈可能な“MEI(メッセージパラメータID)”
とその“MEV(メッセージパラメータバリュ)”より
マーキングパラメータバリュ(MAV;Marking Parameter
Value)を算出する。
【0037】コントローラ12において解釈されたメッ
セージは、電子透かし挿入コア20に対して、“MAI
(マーキングパラメータID)”と“MAV(ワーキン
グパラメータバリュ)”の対として与えられる。
【0038】ここで、“MAV(ワーキングパラメータ
バリュ)”とは、「電子透かし挿入コア20が実際に処
理に必要とするパラメータ値」である。
【0039】このような、各種データを用いて行うコン
テンツの電子透かし挿入処理に伴うメッセージ解釈系1
0の処理手順を図3、図4を参照して説明する。コンテ
ンツ製作者あるいは提供者は、電子透かし挿入の処理方
針を、メッセージ化する。このメッセージには“ME
I”,“MES”,“MEV”、すなわち、「メッセー
ジの種類を区別するためのID(識別情報)」である
“MEI(メッセージパラメータID)”、「メッセー
ジの解釈の許容度を示すパラメータ」である“MES
(メッセージパラメータスコープ)”、「メッセージの
値」である“MEV(メッセージパラメータバリュ)”
を含む。
【0040】そして、コンテンツ製作者あるいは提供者
は、これら“MEI”,“MES”,“MEV”を含む
メッセージを、電子透かし挿入装置100のメッセージ
解釈系10に与えると共に、電子透かし挿入処理の対象
となるコンテンツを電子透かし挿入装置100の電子透
かし挿入コア20に与えて処理をスタートさせることに
なる。
【0041】すると、まずはじめに、メッセージ解釈系
10の備えるコントローラ12は、電子透かし挿入コア
20より、電子透かし挿入処理上、必要となるパラメー
タのID(MAI)を受け取る(図4のステップS
1)。
【0042】すなわち、電子透かし挿入装置100のア
ルゴリズム作成者は、電子透かし挿入コア20で使用す
る挿入コアパラメータのID(MAI)を予め電子透か
し挿入コア20に与えてある。そして、コンテンツの処
理に先立って電子透かし挿入装置100におけるメッセ
ージ解釈系10の備えるコントローラ12は、このパラ
メータのID(MAI)を電子透かし挿入コア20から
受け取る。この状態が図3のt1である。
【0043】次に、メッセージ解釈系10の備えるコン
トローラ12は、外部より与えられた上述のコンテンツ
処理の方式に関する処理方針(処理メッセージ)を取り
込む(図4のステップS2)。この状態が図3のt2で
ある。
【0044】この後、コントローラ12はメッセージ解
釈系10の備えるメモリ11内にある各“MAI”に関
する情報セットとしての“MPL”,“MASP”,
“MPIP”の中から、“MAI(パラメータのI
D)”が要求する形式に変換可能な“MEI(メッセー
ジパラメータID)”であるか否かの判断を行う。具体
的にはメモリ内にある“MPIP(マーキングパラメー
タインタプリティーションプリンシパル)”の中に該当
の“MEI(メッセージパラメータID)”で特定され
るメッセージの形式に、解釈可能なものが存在するかど
うかを検索する(図4のステップS3)。
【0045】そして、“MAI(パラメータのID)”
の要求する“MEI(メッセージパラメータID)”
が、存在するか否かを判定する。その結果、“MAI
(パラメータのID)”の要求する“MEI(メッセー
ジパラメータID)”が存在しない場合には、電子透か
し挿入コア20が対象外のものであることから、処理を
中止することになるが(図4のステップS4)、もし、
“MAI(パラメータのID)”の要求する“MEI
(メッセージパラメータID)”が存在すれば、電子透
かし挿入コア20が目的の電子透かし挿入を行う対象の
ものであることから、目的の電子透かし挿入を実施可能
であるため、次の段階であるメッセージ解釈の実作業に
移る(図4のステップS4)。
【0046】メッセージ解釈の実作業は、次のように行
われる。メッセージ解釈系10のコントローラ12は、
まず、コンテンツ製作者あるいはコンテンツ提供者の意
図をアルゴリズム作成者が指定する手順で解釈すること
が可能かどうか判定する(図4ステップS5)。
【0047】具体的には、該当の処理コアパラメータの
MPLと解釈対象のメッセージのMELを、ある特定の
関数で評価し、その評価値がコンテンツ作成者あるいは
コンテンツ提供者の指定する許容レベル(MES)に収
まっているか否かを判定する(図4ステップS6)。そ
して、許容レベル(MES)に収まっていれば実際の解
釈に入り、もし、許容範囲外であれば処理を中止する。
【0048】ステップS6において、“許容レベル(M
ES)に収まっている”と判定されたならば、実際の解
釈に入る。
【0049】この実際の解釈作業は、まず、「電子透か
し挿入コア20が必要とする各パラメータ値の算出を行
う場合の規則」を記述したものであるMPIP中に記述
されている規則に従って、“MESP(メッセージパラ
メータスケーリングプリンシプル)”で記述された“M
EV(メッセージパラメータバリュ)”を“MASP
(マーキングスケーリングプリンシプル)”で記述され
た“MAV(ワーキングパラメータバリュ)”に変換す
ることから始める(図4のステップS7)。この状態が
図3のt3である。
【0050】そして、その変換結果を“MAI(マーキ
ングパラメータID)”と対にして電子透かし挿入コア
20に通知する(図4のステップS8)。この状態が図
3のt4である。
【0051】このようにして、変換結果と“MAI”と
を対にしたものを受けた電子透かし挿入コア20は、こ
れを元にコンテンツに対して電子透かしの挿入処理を行
い、電子透かし入りのコンテンツを作成して出力するこ
とになる。
【0052】以上は、本発明の概略的な説明であり、基
本的な透かし挿入装置の例であった。次に実際の適用例
を説明する。以下に説明する第1および第2の適用例
は、MPEG2動画像データに対する適用例であって、
情報提供者が記述した電子透かし処理意図に関するパラ
メータを、異なるアルゴリズムを持つ2つの処理系が要
求するパラメータに変換して引き渡す場合に関するもの
である。また、第3の適用例は動画、静止画、音声の3
データが複合したコンテンツに対して、情報提供者が記
述した1セットの電子透かし処理意図に関するパラメー
タをそれぞれのデータ処理用のパラメータに変換して引
き渡す場合に関するものである。また、第4乃至第6の
適用例はこれらの拡大応用例である。
【0053】また、第7の適用例は、メッセージ解釈系
の中に、処理コアの入力、出力情報を比較する(モニタ
する)機能を持ち、処理コアの処理内容が権利保持者の
意図を逸脱した場合に、処理を中止する機能を持つよう
にした場合の例である。
【0054】(第1の適用例)第1の適用例は、図5の
構成をとる。すなわち、図において100aは第1の電
子透かし挿入装置であり、100bは第2の電子透かし
挿入装置である。これらのうち、第1の電子透かし挿入
装置100aは、メッセージ解釈系10aと、電子透か
し挿入コア20aからなり、第2の電子透かし挿入装置
100bは、メッセージ解釈系10bと、電子透かし挿
入コア20bからなる。
【0055】第1の電子透かし挿入装置100aと第2
の電子透かし挿入装置110bは、基本的には同一で、
上述した如きのものであるが、ここでは、電子透かし挿
入コア20a,20bがそれぞれ方式の異なる電子透か
しアルゴリズムを採用したコアとなっている。そのた
め、メッセージ解釈系10a,10bはそれらに対応し
たものとなるようにしてある。
【0056】ここで説明する適用例は、MPEG2によ
る動画像コンテンツに対して電子透かしデータを入れて
配布する際に、メッセージ解釈機構が実装された2方式
の電子透かしアルゴリズムの処理装置で、それぞれ処理
を行ってコンテンツの配布を行うことができるシステム
に関する例である。
【0057】透かし挿入処理のアルゴリズムの異なる挿
入処理装置が2種類あり、これらのうち、コンテンツの
製作者あるいは提供者が指定する方式の電子透かし挿入
処理を選択指定して実施させることができるように、メ
ッセージを記述し、電子透かし挿入機構である電子透か
し挿入装置100a,100bに与えると、それぞれの
持つメッセージ解釈系10a,10bがそれぞれそれを
解釈してそれらのメッセージをコア部分が要求するパラ
メータに変換する変換規則が準備されていれば、コンテ
ンツに対して電子透かし挿入処理を実施することができ
るようにしている。
【0058】すなわち、電子透かし挿入装置100a,
100bがあり、これらのうち、電子透かし挿入装置1
00aは、外部メッセージ中に自己のコアブロックが要
求するパラメータに変換可能なメッセージが指定されて
いるかを判断する機能を、図1の構成におけるメッセー
ジ解釈系10の機能に加えて更に併せ持つメッセージ解
釈系10aと、メッセージパラメータIDが“MEI
50”のパラメータを要求するアルゴリズムによる電子
透かし挿入コア20aを持ち、また、電子透かし挿入装
置100bは、メッセージ中に自己のコアブロックが要
求するパラメータに変換可能なメッセージが指定されて
いるかを判断する機能を、図1の構成のメッセージ解釈
系10の機能に加えて更に併せ持つメッセージ解釈系1
0bと、メッセージパラメータIDが“MEI 51”
を要求するアルゴリズムによる電子透かし挿入コア20
bを持つ。
【0059】この場合での、すなわち、電子透かし挿入
の処理速度を指示できるようにした本システムでの、要
求処理パラメータ、および“MEL”,“MESP”,
“MPL”、“MASP”、“MPIP”などの判断パ
ラメータの構成例を、図6(a)に示す。また、電子透
かし挿入コア20aの要求する要求処理パラメータ、お
よび“MPL”、“MASP”、“MPIP”などの判
断パラメータを図6(b)に、また、電子透かし挿入コ
ア20bの要求する要求処理パラメータ、および“MP
L”、“MASP”、“MPIP”などの判断パラメー
タを図6(c)に示す。
【0060】すなわち、外部メッセージは、図6(a)
に示すように、“MEI 1”(これは“MEI”が
“1”の意),“MES”が“2”,“MEV”が
“5”である旨が記述されている。“MEI 1”は透
かし挿入の強度を指定するパラメータである。
【0061】電子透かし挿入コア20aが要求する要求
処理パラメータおよび関連の“MEL”,“MES
P”,“MPL”,“MASP”,“MPIP”などの
判断パラメータは図6(b)に示す如く、“MAI 5
0”(これは“MAI”が“50”の意),“MPL”
が“2”,“MASP”が“「選択1」”および“「選
択2」”および“「選択3」”、そして、“MPIP”
として“MEI”が“1”のメッセージの“MEV”が
“0”〜“3”の場合に“「選択3」”、“MEI”が
“1”のメッセージの“MEV”が“4”〜“6”の場
合に“「選択2」”、“MEI”が“1”のメッセージ
の“MEV”が“7”〜“9”の場合に“「選択1」”
である旨が記述されている。
【0062】ここで、“MAI 50”は「MPEG2
動画像用透かし挿入アルゴリズムのパラメータ」である
ことを示し、同一透かしデータを何フレーム単位で入れ
るかを指定する意味を持っている。
【0063】また、メッセージ解釈系10aは、「メッ
セージ解釈系10aがパラメータの解釈を行う際に解釈
許容度を評価する尺度として用いる値」である“MPL
(マーキングパラメータレベル)”,「電子透かし挿入
コア20aが必要とするパラメータ値の意味付けを行う
ためのもの」である“MASP(マーキングスケーリン
グプリンシプル)”,「電子透かし挿入コア20aが必
要とするパラメータ値の算出を行う場合の規則が記述さ
れたもの」である“MPIP(マーキングパラメータイ
ンタプリティーションプリンシパル)”を持ち、その内
容は上述図6(b)の場合、“MPL”がレベル
“2”,“MASP”は全てのフレームを対象とする
“「選択1」”およびI,Pフレームを対象とする
“「選択2」”およびIフレームのみを対象とする
“「選択3」”の3種が可能であり、「電子透かし挿入
コア20が必要とするパラメータ値の算出を行う場合の
規則としての“MPIP”は“MEI”が“1”のパラ
メータの“MEV”が“0”〜“3”の場合に“「選択
3」”、“MEV”が“4”〜“6”の場合に“「選択
2」”、“MEV”が“7”〜“9”の場合に“「選択
1」”であることを示している。
【0064】また、電子透かし挿入コア20bに設定し
た要求処理パラメータおよび関連の判断パラメータは図
6(c)に示す如く、“MAI 51”(これは“MA
I”が“51”の意),“MPL”がレベル“3”,
“MASP”が“「選択1」”および“「選択2」”お
よび“「選択3」”、そして、“MPIP”として“M
EI”が“1”のメッセージの“MEV”が“0”〜
“2”の場合に“「選択1」”、“MEI”が“1”の
メッセージの“MEV”が“3”〜“4”の場合に
“「選択2」”、“MEI”が“1”のメッセージの
“MEV”が“5”〜“9”の場合に“「選択3」”で
ある旨が記述されている。
【0065】ここで、“MAI 51”は「MPEG2
動画像用透かし挿入アルゴリズムのパラメータ」である
ことを示し、「電子透かしデータをどのような強度で暗
号化するかを指定する」という意味を持っている。
【0066】また、「電子透かしデータを指定の強度で
暗号化する」ことのできるアルゴリズムを持つ電子透か
し挿入コア20bは、メッセージパラメータIDが“M
AI51”を要求するものである。
【0067】また、メッセージ解釈系10bは、「メッ
セージ解釈系10がパラメータの解釈を行う際に解釈許
容度を評価する尺度として用いる値」である“MPL
(マーキングパラメータレベル)”,「電子透かし挿入
コア20bが必要とする各パラメータ値の意味付けを行
うためのもの」である“MASP(マーキングスケーリ
ングプリンシプル)”,「電子透かし挿入コア20bが
必要とする各パラメータ値の算出を行う場合の規則が記
述されたもの」である“MPIP(マーキングパラメー
タインタプリティーションプリンシパル)”を持ち、そ
の内容は上述図6(c)の場合、“MPL”がレベル
“3”,“MASP”は「4ビットの鍵で暗号化する」
を指示する“「選択1」”および「8ビットの鍵で暗号
化する」を指示する“「選択2」”および「16ビット
の鍵で暗号化する」を指示する“「選択3」”の3種が
可能であり、「電子透かし挿入コア20bが必要とする
各パラメータ値の算出を行う場合の規則としての“MP
IP”は、“MEI”が“1”のメッセージの“ME
V”が“0”〜“2”の場合に“「選択1」”、“ME
I”が“1”のメッセージの“MEV”が“3”〜
“4”の場合に“「選択2」”そして、“MEI”が
“1”のメッセージの“MEV”が“5”〜“9”の場
合に“「選択3」”であることを示している。
【0068】外部から与えられるメッセージを解釈して
メッセージ内容を要求処理パラメータ対応に変換できる
ようにするため、メッセージ解釈系10a,10bの持
つメモリ11には、“MEL”,“MESP”,“MP
L”,“MASP”,“MPIP”等の必要情報をライ
ブラリとして保持させてある。
【0069】すなわち、メモリは電子透かし挿入装置1
00が内蔵する電子透かし挿入コア20の条件や可能な
設定範囲などの情報を、電子透かし挿入コアパラメータ
IDライブラリとして有している。
【0070】本システムでは、2種の異なる方式のアル
ゴリズムによる電子透かし挿入処理が選択できる。電子
透かし挿入装置100aにおける電子透かし挿入コア2
0aは、“MEI 50”のパラメータを要求する電子
透かし挿入コアが実装されているが、この“MEI 5
0”なるパラメータは、図6(b)に示した如きの構造
を持つわけで、これにより、透かしデータを [i] MPEG2のIフレームのみ、挿入する場合 [ii] I,Bフレームにのみ、挿入する場合 [iii] 全フレームに挿入する場合 の3通りのうちのいずれかに指定できる。
【0071】メッセージパラメータIDが“MEI
1”であるパラメータに対しては、メッセージパラメー
タバリュMEVの変換を行って本パラメータの指定値(M
ASP)に変換することがマーキングパラメータインタープ
リテーョンプリンシパルMPIPで指定される。
【0072】一方、電子透かし挿入機構である電子透か
し挿入装置100bには、マーキングパラメータIDで
ある“MAI 51”のパラメータを必要とするMPE
G2の動画像用の電子透かし挿入コア20bが実装され
ている。ここで必要とするパラメータは図6に示す如き
の構造を持ち、電子透かしデータを暗号化する際の、鍵
の長さを指定できる。
【0073】透かし挿入の強度を指定する“MEI
1”のパラメータに対してはメッセージバリュMEVの
変換を行って、本パラメータの指定値(MASP)に変換する
ことがMPIPで指定される。
【0074】さて、電子透かし挿入装置100aのメッ
セージ解釈系10aは電子透かし挿入コア20aよりM
AIの値を受け取り、その値である“50”に該当する
挿入コアパラメータIDライブラリを、自身の内蔵する
メモリより検索する。
【0075】該当する情報が得られない場合には処理を
中止する。得られた場合にはコンテンツのメッセージを
待ち受ける。“MEI 1”メッセージを受け取ったメ
ッセージ解釈系10aはコアパラメータIDライブラリ
の中に、“MEI 1”用のMPIPが存在するかどう
かを検索する。
【0076】検索の結果、存在しない場合には、処理を
終了する。存在する場合には変換処理実行可能性評価を
行う。具体的には、メッセージのMELと処理パラメー
タのマーキングパラメータレベルMPLの差分の絶対値
をとり、その値がメッセージの“MES(許容レベ
ル)”の範囲内でなければ処理を終了することになる
が、一方、“MEL(メッセージパラメータレベル)”
と“MPL(マーキングパラメータレベル)”の差分の
値が“MES”の範囲内であったならば、処理を続行す
る。
【0077】図6の例の場合、“MEI 1”メッセー
ジの“MEL”は“5”であり、電子透かし挿入コア2
0aにおける処理パラメータの“MPL”は図6(b)
に示す通り“2”であるから、“MEL”と“MPL”
との差分の絶対値は“3”である。これに対して、図6
(a)に示すメッセージの“MES”の値は“2”であ
り、上記絶対値は“3”であるからこれは“MES”の
値“2”の範囲外ということになるので、本例のパラメ
ータは処理続行条件に合っていないことになる。
【0078】仮に、処理続行条件に合っていたとする
と、その場合には、メッセージ解釈系10aは次に挿入
コアパラメータのMPIPに従い、メッセージパラメー
タバリュMEVの変換を行う。
【0079】図6の例においては、透かし挿入の強度を
指定する“MEI 1”のパラメータにおけるメッセー
ジパラメータバリュMEVの値は“5”であることか
ら、MPIPによりMASPは「選択2」が選ばれ、電
子透かし挿入コア20aに通知される。そして、電子透
かし挿入コア20aは入力されるMPEG2ビデオスト
リームのIフレームとPフレームに対し、所定の電子透
かしを挿入する処理を施す。
【0080】一方、強度が選択できる電子透かし挿入装
置20bを持つ電子透かし挿入装置100b側において
は、そのメッセージ解釈系10bは、電子透かし挿入コ
ア20bよりMAI(マーキングパラメータID)の値
を受け取り、その値である“51”に該当する挿入コア
パラメータIDライブラリを、自身の内蔵するメモリよ
り検索する。
【0081】その検索の結果、該当する情報が得られな
い場合には処理を中止する。一方、該当する情報が得ら
れた場合にはコンテンツのメッセージを待ち受ける。
“MEI 1”メッセージを受け取ったメッセージ解釈
系20bはコアパラメータIDライブラリの中に“ME
I 1”用の“MPIP”が存在するかどうかを検索す
る。
【0082】その検索の結果、存在しない場合には、処
理を終了する。存在する場合には変換処理実行可能性評
価を行う。
【0083】これは上述同様、メッセージの“MEL”
と処理パラメータの“MPL”の差分の絶対値をとり、
その値がメッセージ中に示された“MES(許容レベ
ル)”の範囲内であるか否かを調べ、範囲内でなければ
処理を終了し、“MES”の範囲内であるならば処理を
続行する。
【0084】図6の例の場合、メッセージの“MEL”
は“5”であり、処理パラメータの“MPL”は“3”
であるからその差分の絶対値は“2”である。メッセー
ジの“MES”の値は“2”であり、上記絶対値は
“2”で“MES”の値“2”の範囲内ということにな
るから、本例のパラメータは処理続行条件に合っている
ことになる。そのため、メッセージ解釈系10bは次に
挿入コアパラメータの“MPIP”に従い、メッセージ
における“MEV”の変換を行う。
【0085】図6の例の場合、“MEV”の値は“5”
であることから、“MEV”が“5”〜“9”に該当
し、これは図6(c)では『16ビットの鍵で暗号化す
る』を指示する“「選択3」”であることから、“MP
IP”により、“MASP”は“「選択3」”が選ばれ
て、電子透かし挿入コア20bに通知され、当該電子透
かし挿入コア20bは入力されるMPEG2ビデオスト
リームに対して、16ビットの鍵による暗号化による電
子透かし挿入処理を行うことになる。そして、電子透か
し挿入処理済みのMPEG2ビデオストリームを外部へ
と出力する。
【0086】このようにして、この例では、それぞれ異
なる電子透かし挿入アルゴリズムを有する2種の電子透
かし挿入装置を用意し、これら電子透かし挿入装置に
“MEI”を入力し、また、コンテンツを入力すると、
各電子透かし挿入装置では“MEI”を解釈し、自己の
電子透かし挿入アルゴリズムにて処理可能なメッセージ
に変更して当該電子透かし挿入アルゴリズムによる処理
コアに与え、メッセージにて指示される対応の電子透か
し挿入処理をコンテンツに施して当該コンテンツを出力
するようにしたものである。
【0087】(第2の適用例)次に、コンテンツの製作
者あるいは提供者が指定する電子透かし挿入の処理速度
に関するメッセージを、電子透かし挿入機構である電子
透かし挿入装置100a,100bが、それぞれ個別に
解釈するようにした例について第2の適用例として述べ
る。
【0088】第2の適用例は、図7に示す如きの構成を
とる。この図7の構成は、第1の適用例である図6の構
成と基本的には同じであるが、ここでは、コンテンツの
製作者あるいは提供者が指定する電子透かし挿入の処理
速度に関するメッセージを、電子透かし挿入機構である
電子透かし挿入装置100a,100bが、それぞれ個
別に解釈することができるようにしている。
【0089】すなわち、電子透かし挿入装置100a,
100bがあり、これらのうち、電子透かし挿入装置1
00aは、電子透かし挿入の処理速度に関するメッセー
ジを解釈する機能を更に持つメッセージ解釈系10a
と、メッセージパラメータIDが“MEI 50”の処
理要求パラメータを要求するアルゴリズムによる電子透
かし挿入コア20aを持ち、また、電子透かし挿入装置
100bは、電子透かし挿入の処理速度に関するメッセ
ージを解釈する機能を更に持つメッセージ解釈系10b
と、メッセージパラメータIDが“MEI 52”を要
求するアルゴリズムによる電子透かし挿入コア20bを
持つ。
【0090】この場合、すなわち、電子透かし挿入の処
理速度を指示できるようにした本システムでの要求処理
パラメータの構成例を図8(a)に示す。また、電子透
かし挿入コア20aが要求する要求処理パラメータ、お
よび“MEL”,“MESP”,“MPL”,“MAS
P”、“MPIP”などの判断パラメータを図8(b)
に、また、電子透かし挿入コア20bに設定した要求処
理パラメータおよび判断パラメータを図8(c)に示
す。
【0091】図8の(a)に示すように、“MEI”メ
ッセージは“MEI 2”(これは“MEI”が“2”
の意),“MES”が“2”,“MEV”が“5”そし
て、“MESP”として“Min”が“0”、“Ma
x”が“9”である旨が規定されている。“MEI
2”は透かし挿入処理速度を指定するパラメータである
ことを示している。
【0092】一般に、透かしの挿入速度と透かし除去の
し難さはトレードオフとなっており、情報提供者が速度
の指定を行うことは意味がある。
【0093】電子透かし挿入コア20aの要求する要求
処理パラメータ、および“MEL”,“MESP”,
“MPL”,”MASP”,“MPIP”等の判断パラ
メータは図8(b)に示す如く、“MAI 50”(こ
れは“MAI”が“50”の意),“MPL”が
“2”,“MASP”が“「選択1」”および“「選択
2」”および“「選択3」”、そして、“MPIP”と
して“MEV”が“0”〜“3”の場合に“「選択
3」”、“MEV”が“4”〜“6”の場合に“「選択
2」”、“MEV”が“7”〜“9”の場合に“「選択
1」”である旨が規定されている。
【0094】ここで、“MAI 50”は「MPEG2
動画像用透かし挿入アルゴリズムのパラメータ」である
ことを示し、同一透かしデータを何フレーム単位で入れ
るかを指定する意味を持っている。また、電子透かし挿
入コア20aは、メッセージパラメータIDが“MEI
50”を要求するアルゴリズムによる電子透かし挿入
コアである。
【0095】メッセージ解釈系10aは、「メッセージ
解釈系10がパラメータの解釈を行う際に解釈許容度を
評価する尺度として用いる値」である“MPL(マーキ
ングパラメータレベル)”,「電子透かし挿入コア20
が必要とする各パラメータ値の意味付けを行うためのも
の」である“MASP(マーキングスケーリングプリン
シプル)”,「電子透かし挿入コア20が必要とする各
パラメータ値の算出を行う場合の規則が規定されたも
の」である“MPIP(マーキングパラメータインタプ
リティーションプリンシパル)”が規定されており、そ
の内容は上述図8(b)の場合、“MPL”がレベル
“3”,“MASP”は全てのフレームを対象とする
“「選択1」”およびI,Pフレームを対象とする
“「選択2」”およびIフレームのみを対象とする
“「選択3」”の3種が可能であり、「電子透かし挿入
コア20が必要とする各パラメータ値の算出を行う場合
の規則としての“MPIP”は、“MEI”が“1”の
メッセージの“MEV”が“0”〜“3”の場合に
“「選択3」”、“MEI”が“1”のメッセージの
“MEV”が“4”〜“6”の場合に“「選択2」”、
“MEI”が“1”のメッセージの“MEV”が“7”
〜“9”の場合に“「選択1」”であることを示してい
る。
【0096】また、電子透かし挿入コア20bの要求す
る要求処理パラメータ、および“MEL”,“MES
P”,“MPL”,“MASP”,“MPIP”等の判
断パラメータは図8(c)に示す如く、“MAI 5
2”(これは“MAI”が“52”の意),“MPL”
がレベル“4”,“MASP”が“「選択1」”および
“「選択2」”、そして、“MPIP”として“ME
V”が“0”〜“5”の場合に“「選択1」”、“ME
V”が“6”〜“9”の場合に“「選択2」”である旨
が記述されている。
【0097】ここで、“MAI 52”は「MPEG2
動画像用透かし挿入アルゴリズムのパラメータ」である
ことを示し、「電子透かしデータの挿入速度の異なる2
つの処理系を選択する」という意味を持っている。ま
た、電子透かし挿入コア20bは、メッセージパラメー
タIDが“MAI 52”のパラメータを要求するアル
ゴリズムによる電子透かし挿入コアである。
【0098】メッセージ解釈系10bは、「メッセージ
解釈系10がパラメータの解釈を行う際に解釈許容度を
評価する尺度として用いる値」である“MPL(マーキ
ングパラメータレベル)”,「電子透かし挿入コア20
が必要とする各パラメータ値の意味付けを行うためのも
の」である“MASP(マーキングスケーリングプリン
シプル)”,「電子透かし挿入コア20が必要とする各
パラメータ値の算出を行う場合の規則が規定されたも
の」である“MPIP(マーキングパラメータインタプ
リティーションプリンシパル)”が規定されており、そ
の内容は上述図8(c)の場合、“MPL”がレベル
“4”,“MASP”は「速度の遅い処理」を指示する
“「選択1」”および「速度の速い処理」を指示する
“「選択2」”の2種が可能であり、「電子透かし挿入
コア20が必要とする各パラメータ値の算出を行う場合
の規則としての“MPIP”は“MEV”が“0”〜
“5”の場合に“「選択1」”、“MEV”が“6”〜
“9”の場合に“「選択2」”であることを示してい
る。
【0099】図8(a)に示すように、コンテンツの作
成者あるいは提供者のメッセージおよび電子透かし挿入
コア20a,20bの要求処理パラメータにおいて、
“MEI 2”なるメッセージは透かし挿入の処理速度
を指定するパラメータであり、このメッセージにおける
“MESP”にあるように、“0”から“9”までの値
を取る。因みに、“MESP(マーキングスケーリング
プリンシプル)”とは「各“MEV”の値の意味付けを
行うためのもの」である。
【0100】また、電子透かし挿入装置100aの電子
透かし挿入コア20aが要求する“MAI 50”のパ
ラメータの機能は、上述の第1の適用例で説明した通り
である。
【0101】一方、電子透かし挿入装置100bの電子
透かし挿入コア20bが要求するマーキングパラメータ
ID“MAI 52”のパラメータは、このパラメータ
の“MAV(マーキングパラメータバリュ)”を受けて
電子透かし挿入コア20が持つ処理動作の異なる2つの
処理系の中から1つが選択される機能を持つものであ
る。
【0102】さて、電子透かし挿入装置100aにおい
ては、そのメッセージ解釈系10aは、電子透かし挿入
コア20aより当該電子透かし挿入コア20aの“MA
I(マーキングパラメータID)”の値を受け取る。当
該電子透かし挿入コア20aの“MAI”の値は“5
0”であり、マーキングパラメータIDが“50”であ
る挿入コアパラメータIDライブラリを自身(メッセー
ジ解釈系10a)の持つメモリより検索する。
【0103】その結果、該当する情報が得られない場合
には処理を中止する。一方、該当する情報が得られた場
合には、メッセージ解釈系10aはコンテンツのメッセ
ージを待ち受ける。
【0104】コンテンツの電子透かし挿入処理のための
外部メッセージとして、ここでの例においては、図8
(a)の“MEI 2”メッセージが送られてくる。こ
の“MEI 2”メッセージを受け取ったメッセージ解
釈系10aは自己のメモリ中にあるマーキングパラメー
タIDが“50”である挿入コアパラメータIDライブ
ラリの中に“MEI 2”用のMPIPが存在するかど
うかを検索する。
【0105】その結果、存在しない場合には、処理を終
了し、存在する場合には変換処理実行可能性評価を行
う。
【0106】この変換処理実行可能性評価は、具体的に
は、次の通りである。メッセージ解釈系10aは、ま
ず、メッセージの“MEL”と処理パラメータの“MP
L”の差分の絶対値をとる。そして、その差分値がメッ
セージの“MES(メッセージパラメータスコー
プ)”、すなわち、「メッセージの解釈の許容度を示す
パラメータ」である“MES”の範囲内でなければ処理
を終了し、範囲内ならば処理を続行する。
【0107】図8の例の場合、メッセージの“MEL”
は“5”であり、電子透かし挿入コア20aにおける処
理パラメータの“MPL”は図8(b)に示す通り
“2”であるから、“MEL”と“MPL”との差分の
絶対値は“3”である。これに対して、図8(a)に示
すメッセージの“MES”の値は“2”であり、上記絶
対値は“3”であるからこれは“MES”の値“2”の
範囲外ということになるので、本例のパラメータは処理
続行条件に合っていないことになる。
【0108】そのため、処理はこの段階で終了し、電子
透かし挿入処理は行われない。
【0109】なお、仮に許容レベル“MES”が“3”
以上であったならば、メッセージ解釈系10aは次に挿
入コアパラメータの“MPIP(マーキングパラメータ
インタプリティーションプリンシパル)”に従い、“M
EV(メッセージパラメータバリュ)”の変換を行う。
【0110】すなわち、“MPIP”は、「電子透かし
挿入コア20aが必要とする各パラメータ値の算出を行
う場合の規則が記述されたもの」であって、具体的には
解釈可能なMEI(メッセージパラメータID)とその
MEV(メッセージパラメータバリュ)より“MAV
(マーキングパラメータバリュ)”を算出する。
【0111】本例では、受け取った“MEI 2”メッ
セージにおける“MEV(メッセージパラメータバリ
ュ)”の値は“5”であることから、『“MEV”が
“4”〜“6”のときに“「選択2」”』のケースに該
当し、従って、メッセージ解釈系10aは“MPIP”
により、“MASP”は『Iフレーム,Pフレームに所
定の電子透かしを挿入する』処理である“「選択2」”
を選択し、これを電子透かし挿入コア20aに通知する
結果、電子透かし挿入コア20aはコンテンツとして入
力されるMPEG2ビデオストリームのIフレーム,P
フレームに対し、所定の電子透かしを挿入する処理を実
施する。そして、電子透かし挿入処理済みのMPEG2
ビデオストリームを外部へと出力する。
【0112】一方、電子透かし挿入装置100bにおい
ては、そのメッセージ解釈系10bは電子透かし挿入コ
ア20bより“MAI”の値を受け取り、その値である
“52”に該当する挿入コアパラメータIDライブラリ
を自身のメモリより検索する。
【0113】その結果、該当する情報が得られない場合
には処理を中止し、一方、得られた場合にはメッセージ
解釈系10bはコンテンツのメッセージを待ち受ける。
【0114】送られてくるコンテンツのメッセージはこ
の例の場合、“MEI 2”である。
【0115】従って、“MEI 2”メッセージを受け
取ったメッセージ解釈系10bはコアパラメータIDラ
イブラリの中に“MEI 2”用のMPIPが存在する
かどうかを検索する。その結果、存在しない場合には、
処理を終了し、存在する場合には変換処理実行可能性評
価を行う。
【0116】変換処理実行可能性評価は具体的には、メ
ッセージの“MEL”と処理パラメータの“MPL”の
差分の絶対値をとると云うものであり、その結果、得ら
れた値がメッセージの“MES”の範囲内でなければ処
理を終了し、範囲内ならば処理を続行する。
【0117】図8の例の場合、メッセージの“MEL”
は“5”であり、処理パラメータの“MPL”は“4”
であるからその差分の絶対値は“1”である。メッセー
ジの“MES”の値は“2”であり、上記絶対値は
“1”で“MES”の値“2”の範囲内ということにな
るから、本例のパラメータは処理続行条件に合っている
ことになる。そのため、メッセージ解釈系10bは次に
挿入コアパラメータの“MPIP”に従い、メッセージ
における“MEV”の変換を行う。
【0118】図8の例の場合、“MEV”の値は“5”
であることから、“MEV”が“0”〜“5”に該当
し、これは図8(c)では『速度の速い処理』を指示す
る“「選択1」”であることから、“MPIP”によ
り、“MASP”は“「選択1」”が選ばれて、電子透
かし挿入コア20bに通知され、当該電子透かし挿入コ
ア20bは入力されるMPEG2ビデオストリームに対
して、処理速度の遅い電子透かし挿入処理を行うことに
なる。そして、電子透かし挿入処理済みのMPEG2ビ
デオストリームを外部へと出力する。
【0119】このように、第2の適用例によれば、コン
テンツの製作者あるいは提供者が指定する電子透かし挿
入の処理速度に関するメッセージを、電子透かし挿入機
構である電子透かし挿入装置100a,100bが、そ
れぞれ個別に解釈して、指定速度で電子透かし挿入処理
を実施することができるシステムとなる。
【0120】次に、情報提供者がMPEG2フォーマッ
トの動画像データ、JPEGフォーマットの静止画デー
タ、MPEG2フォーマットのオーディオデータの3種
類のデータが複合したマルチメディアデータに対して、
1つのメッセージでそれぞれのコンテンツへの電子透か
しの付加を行う例を第3の適用例として説明する。
【0121】(第3の適用例)第3の適用例は、図9の
構成をとる。すなわち、図において100は電子透かし
挿入装置であり、この電子透かし挿入装置100は、メ
ッセージ解釈系10と、電子透かし挿入コア20からな
る。
【0122】この適用例は情報提供者がMPEG2フォ
ーマットの動画像データ、JPEGフォーマットの静止
画データ、MPEG2フォーマットのオーディオデータ
の3種類のデータが複合したマルチメディアデータに対
して、1つのメッセージでそれぞれのコンテンツへの電
子透かしの付加を行う例であり、電子透かし挿入コア2
0は、MPEG2フォーマットの動画像データ、JPE
Gフォーマットの静止画データ、MPEG2フォーマッ
トのオーディオデータの3種類のデータが複合したマル
チメディアデータに対して、1つのメッセージでそれぞ
れのコンテンツへの電子透かしの付加を行うことができ
る構成である。
【0123】情報提供者の指定するメッセージ例を図1
0(a)に示す。図に示すように、このメッセージは、
“MEI 3”(これは“MEI”が“3”の意),
“MES”が“5”,“MEV”が“5”と指定されて
おり、“MEL”が“5”、そして、“MESP”とし
て“Min”が“0”、“Max”が“9”である旨が
規定されている。
【0124】この“MEI 3”のメッセージは、透か
しの挿入強度を指定するパラメータで“MESP”にあ
るように“0”から“9”までの値を取る。
【0125】なお、“MPL”(あるいは“MEL”)
は、解釈許容度判断のパラメータとなるデータであるた
め、直接の当事者であるアルゴリズム作成者(あるいは
コンテンツ作成者)ではなく、TTP(信頼のおける第
三者機関)等の第三者が用意する運用とすれば、判断の
公平性保証などの点から有用である。
【0126】一方、本適用例の電子透かし挿入コア20
が受け入れる3パラメータの例を図10(b),
(c),(d)に示す。
【0127】“MAI 50”で識別される図10
(b)の要求処理パラメータに関しては第1の適用例で
説明した通りである。
【0128】“MAI 60”で識別される図10
(c)の要求処理のパラメータは、MPEG2オーディ
オデータに関して電子透かし挿入処理を行う挿入コアが
要求するもので、“MAV”で指定された値の秒数単位
で、電子透かしデータを挿入処理する。
【0129】電子透かし挿入コア20が要求するこの要
求処理パラメータ、および“MEL”,“MESP”,
“MPL”、“MASP”、“MPIP”などの判断パ
ラメータ(図6(b))は、“MAI 60”(これは
“MAI”が“60”の意),“MPL”が“2”,
“MASP”が“1”秒から“10”秒、そして、“M
PIP”として「“MEI 3”の“MEV”に“1”
を加える」、という旨が規定されている。
【0130】“MAI 61”で識別される図10
(d)の要求処理パラメータは、JPEG静止画像用の
電子透かし挿入アルゴリズムで、1枚の静止画を構成す
る最小の単位ブロックである“MCU”を対象として
“MAV”による秒数単位にて当該MCUでの電子透か
し付加処理を行う。
【0131】電子透かし挿入コア20に設定したこの要
求処理パラメータ(図6(d))は、“MAI 61”
(これは“MAI”が“61”の意で、ここでは、JP
EG静止画用透かし挿入アルゴリズムのパラメータであ
り、透かしの挿入間隔を“MCU”単位で指定するもの
を指している),“MPL”が“1”,“MASP”が
“1”MCU間隔から“100”MCU間隔、そして、
“MPIP”として「“MEI 3”の“MEV”に
“1”を加えて10倍した値を“MAV”とする」、と
いう旨が記述されている。
【0132】さて、電子透かし挿入装置100における
メッセージ解釈系10は、電子透かし挿入コア20より
“MAI”の値を受け取り、その値である“50”、
“60”、“61”に該当する挿入コアパラメータID
ライブラリを自身のメモリより検索する。
【0133】そして、メッセージ解釈系10は、その検
索の結果、該当する情報が得られない場合には処理を中
止する。一方、得られた場合にはコンテンツの提供者が
与える外部メッセージを待ち受ける。
【0134】当該外部メッセージとして電子透かし挿入
装置100が“MEI 3”メッセージを受け取ったと
すると、メッセージ解釈系10はコアパラメータIDラ
イブラリの中に“MEI 3”用の“MPIP”が存在
するかどうかを検索する。その結果、存在しない場合に
は、処理を終了する。しかし、存在する場合には変換処
理実行可能性評価を行う。
【0135】具体的には、外部メッセージの“MEL”
と処理パラメータの“MPL”の差分の絶対値をとる。
そして、その絶対値がメッセージの“MES(許容レベ
ル)”の範囲内でなければ処理を終了し、範囲内ならば
処理を続行する。
【0136】図10の例の場合、外部メッセージの“M
EL”は“5”であり、処理パラメータの“MPL”は
動画像用およびオーディオ用の場合、“2”であるから
その差分の絶対値は“3”である。メッセージの“ME
S”の値は“5”であり、上記絶対値は“3”で“ME
S”の値“5”の範囲内ということになる。また、静止
画用の処理パラメータの“MPL”は“1”であるか
ら、メッセージの“MEL”の持つ“5”に対しての差
分の絶対値は“4”であり、メッセージの“MES”の
値は“5”の範囲内ということになる。
【0137】従って、本例のパラメータは電子透かし挿
入コア20での処理続行条件に適合しているため、処理
を続行する。
【0138】そして、“MEV”の値は“5”であるこ
とから、MPEG2動画像の場合には“MPIP”によ
り、“MASP”は“「選択2」”が選ばれ、電子透か
し挿入コア20に通知される。そして、この通知を受け
た電子透かし挿入コア20は、入力されるMPEG2ビ
デオストリームに対してはそのIフレームおよびPフレ
ームに、所定の電子透かしを挿入する。
【0139】MPEG2オーディオデータの場合には、
“MPIP”より“MAV 6”が電子透かし挿入コア
20に通知され、電子透かし挿入コア20は入力される
MPEG2オーディオデータに対して、6秒単位で電子
透かし挿入処理を行う。つまり、メッセージの“ME
V”が“5”で、図10の(c)では“MPIP”が
“MEI 2”メッセージにおける当該“MEV”の値
に“1”を加算した値すなわち、“6”が電子透かし挿
入処理を行う間隔であるということになるので、電子透
かし挿入コア20は入力されるMPEG2オーディオデ
ータに対して、6秒単位で電子透かし挿入処理を行うこ
とになる。
【0140】JPEG静止画像データの場合には、“M
PIP”より“MAI 2”における“MEV”の値
“5”に“1”を加えて10倍した値、すなわち、“6
0”を“MAV”とすることがメッセージ解釈系10よ
り電子透かし挿入コア20に通知され、当該電子透かし
挿入コア20は、入力されたJPEG静止画データに対
して“60” MCU単位で電子透かし挿入処理を行
う。
【0141】このように、第3の適用例によれば、情報
提供者がMPEG2フォーマットの動画像データ、JP
EGフォーマットの静止画データ、MPEG2フォーマ
ットのオーディオデータの3種類のデータが複合したマ
ルチメディアデータに対して、1つの外部メッセージで
それぞれのコンテンツへの電子透かしの付加処理を、コ
ンテンツ提供者の意図対応に行うことができるようにな
る。
【0142】(第4の適用例)第4の適用例を図11に
示す。図11の構成は情報提供者がメッセージとコンテ
ンツをデータ転送手段110を介して情報利用者に提供
し、情報利用者側ではメッセージ解釈系10と電子透か
し挿入コア20とを備えた電子透かし挿入装置100を
介して取り込むことにより、情報提供者の送ったメッセ
ージ対応に電子透かしがコンテンツに挿入されて利用者
に提供される構成としたものである。
【0143】メッセージ解釈系10と電子透かし挿入コ
ア20の機能は基本構成あるいは第1乃至第3の適用例
で説明した如きのものを利用する。
【0144】このようにすると、情報提供者はメッセー
ジとコンテンツを利用者に送るだけで、情報利用者側で
は情報提供者の送ったメッセージ対応に電子透かしがコ
ンテンツに挿入されて提供されることになり、情報提供
者は利用者対応にメッセージ内容を変えることで提供す
るコンテンツの電子透かし挿入を種々変えることができ
るようになる。そのため、利用者に対してサービスレベ
ルを種々変えたコンテンツ提供を可能にする。
【0145】また、複数の利用者が、別々の電子透かし
処理アルゴリズムの実装された環境下で情報を利用する
に当たっても、情報提供者は1種類のメッセージを記述
するだけで意図を履行させることができる。
【0146】(第5の適用例)第5の適用例を図12に
示す。図12の構成は情報提供者側がメッセージと電子
透かし挿入処理済みのコンテンツとをデータ転送手段1
10を介して情報利用者に提供し、情報利用者側ではメ
ッセージ解釈系10Bと電子透かし挿入コア20Bとを
備えた電子透かし挿入装置100Bを介してこれを取り
込むことにより、情報提供者の送ったメッセージに対応
して電子透かしが更にコンテンツに挿入された上で利用
者に提供される構成としたものである。
【0147】情報提供者側において、電子透かし挿入処
理済みのコンテンツを得るために、当該情報提供者側に
も、メッセージ解釈系10Aと電子透かし挿入コア20
Aとを備えた電子透かし挿入装置100Aを設けると共
に、電子透かし挿入コア20Aを通して電子透かし挿入
処理されたコンテンツを、上記メッセージと共にデータ
転送手段110を介して情報利用者に提供する。
【0148】メッセージ解釈系10A,10Bと電子透
かし挿入コア20A,20Bの機能は基本構成あるいは
第1乃至第3の適用例で説明した如きのものを利用す
る。
【0149】このようにすると、情報提供者はメッセー
ジと電子透かし挿入処理済みコンテンツを利用者に送る
ことができ、情報利用者側では情報提供者の送ったメッ
セージ対応に電子透かしが更にコンテンツに挿入されて
提供されることになり、情報提供者は利用者に対応して
メッセージ内容を変えることで提供するコンテンツの電
子透かし挿入の状態を種々変えることができるようにな
る。そのため、利用者に対してサービスレベルを種々変
えたコンテンツ提供を可能にする。
【0150】また、複数の利用者が、別々の電子透かし
処理アルゴリズムの実装された環境下で情報を利用する
に当たっても、情報提供者は1種類のメッセージを記述
するだけで意図を履行させることができる。
【0151】以上はシステムの提供する電子透かしをコ
ンテンツに挿入して利用者に提供するものであるが、情
報の利用者の固有の透かしを電子透かし情報として挿入
できるようにし、コンテンツ利用者の特定を可能にする
システムとしての応用もある。そこで、次にその例を第
6の適用例として説明する。
【0152】(第6の適用例)第6の適用例を図13に
示す。図13の構成は情報提供者側がメッセージと電子
透かし挿入処理済みのコンテンツとをデータ転送手段1
10を介して情報利用者に提供し、情報利用者側ではメ
ッセージ解釈系10Bと電子透かし挿入コア20Cとを
備えた電子透かし挿入装置100Cを介してこれを取り
込むことにより、情報提供者の送ったメッセージに対応
して利用者固有の電子透かしが更にコンテンツに挿入さ
れた上で利用者に提供される構成としたものである。
【0153】情報提供者側においても、電子透かし挿入
処理済みのコンテンツを得ることができるようにするた
めに、当該情報提供者側にも、メッセージ解釈系10A
と電子透かし挿入コア20Aとを備えた電子透かし挿入
装置100Aを設けると共に、電子透かし挿入コア20
Aを通して電子透かし挿入処理されたコンテンツを、上
記メッセージと共にデータ転送手段110を介して情報
利用者に提供する。
【0154】メッセージ解釈系10A,10Bと電子透
かし挿入コア20A,20Cの機能は基本構成あるいは
第1乃至第3の適用例で説明した如きのものを利用する
が、利用者固有の電子透かしを挿入できるようにするた
めに、電子透かし挿入コア20Cは、挿入部構成系21
と電子透かし挿入部22を備える。
【0155】ここで、挿入部構成系21は利用者固有の
透かし情報を生成する手段であり、電子透かし挿入部2
2は、利用者固有の透かし情報を、情報提供者側から受
け取ったコンテンツに挿入して出力する機能を有する。
【0156】従って、利用者側の電子透かし挿入装置1
00Cのメッセージ解釈系10Bは、データ転送手段1
10を介して提供者側から受け取ったメッセージを解釈
して電子透かし挿入コア20Cでの処理続行条件に適合
しているか否か(電子透かし挿入コア20Cの処理可能
な条件であるか否か)を調べ、適合している場合に、た
メッセージ解釈系10Bからの変換済みパラメータを電
子透かし挿入コア20Cに与え、これを受けた電子透か
し挿入コア20Cは、パラメータ対応に受信コンテンツ
の任意あるいは固有の位置に、利用者固有の透かし情報
を挿入すべく処理する。
【0157】このようにすると、情報提供者はメッセー
ジと電子透かし挿入処理済みコンテンツを利用者に送る
ことができ、情報利用者側では情報提供者の送ったメッ
セージ対応に利用者固有の電子透かしが更にコンテンツ
に挿入されて提供されることになり、コンテンツの出所
とコンテンツの配布先が透かし情報として埋め込まれた
かたちでコンテンツを提供できる。しかも、情報提供者
は利用者に対応してメッセージ内容を変えることで提供
するコンテンツの電子透かし挿入の状態を種々変えるこ
とができるようになり、そのため、利用者に対してサー
ビスレベルを種々変えたコンテンツ提供を可能にする。
【0158】また、複数の利用者が、別々の電子透かし
処理アルゴリズムの実装された環境下で情報を利用する
に当たっても、情報提供者は1種類のメッセージを記述
するだけで意図を履行させることができる。
【0159】次に、指定の条件での電子透かし挿入処理
が実施可能かをモニタリングして、適合しない場合に
は、処理を中止させるようにして、無駄な処理の続行を
しないようにした具体例を次に第7の適用例として説明
する。
【0160】(第7の適用例)第7の適用例のメッセー
ジ解釈系の構成例を図14に示す。図14の構成は、電
子透かし挿入装置100のメッセージ解釈系10に、コ
ンテンツモニターと呼ぶ機能ブロックを追加したものと
なっている。
【0161】13がこのコンテンツモニターであって、
当該コンテンツモニター13は電子透かし挿入コア20
への入力前のコンテンツのデータと、電子透かし挿入コ
ア20で電子透かしを挿入されたコンテンツのデータの
双方を解釈することができ、利用者がメッセージとして
指定した意図がコンテンツに反映されているか否かをモ
ニタリングし、その結果をコントローラ12に返すこと
ができるようにしてある。
【0162】また、コントローラ12はこれにより、電
子透かし挿入の処理の継続と中止を電子透かし挿入コア
20に対してコントロールすることができるようになっ
ている。
【0163】本システムでは、このことにより、利用者
がメッセージとして指定した意図が履行されているかど
うかをメッセージの解釈時のみならず、実際の履行時に
確認することが可能となり、仮に意図通りの履行がされ
ていない場合にはコントローラ12経由で電子透かし処
理コア20にコンテンツの処理内容の変更を行うように
指令することができる。
【0164】具体的な実行の手順を以下に述べる。本例
は、MPEG2による動画コンテンツの提供者が例え
ば、図15(a)で示した如きの電子透かし挿入による
動画像データの劣化許容度をS/N比として指定する内
容を含むメッセージをコントローラに12に与えること
で、処理内容を指示する。
【0165】図15においては、電子透かし挿入装置1
00は一つしか示していないが、以下の例では例えば、
図5に示す如く、透かし挿入処理アルゴリズムの異なる
2種類の電子透かし挿入装置100a,100bを用意
してあるシステムを念頭におく。
【0166】2種類のうち、一方の電子透かし挿入装置
100aは第1の透かし挿入処理アルゴリズムで動画コ
ンテンツに対し、電子透かしを挿入して出力する電子透
かし挿入コア20aを備えるもので、例えば、『MPE
Gデータの構成要素である動ベクトルのデータを一定間
隔で置き換えることで電子透かしを挿入する』と云った
内容のMPEG2動画像用透かし挿入アルゴリズムが実
装されたものである。当該電子透かし挿入装置100a
の電子透かし挿入コア20aは、図15(b)に示す如
きの要求処理パラメータと判断パラメータを要求するも
のとなっている。
【0167】また、他方の電子透かし挿入装置100b
は、第2の透かし挿入処理アルゴリズムで動画コンテン
ツに対し、電子透かしを挿入して出力する電子透かし挿
入コア20bを備えるもので、例えば、『MPEGデー
タの構成要素である輝度成分のVLCコードを、一定間
隔で置き換えることで電子透かしを挿入する』と云った
動作内容のMPEG2動画像用透かし挿入アルゴリズム
が実装されているものである。
【0168】そして、当該電子透かし挿入装置100b
の電子透かし挿入コア20bは、図15(c)に示すの
如きの要求処理パラメータと判断パラメータを要求する
ものとなっている。
【0169】コンテンツ提供者が指定を行う要求処理パ
ラメータおよび関連する判断パラメータを図15の
(a)に示す。本要求処理パラメータは、“MEI
2”で識別されるものであって、透かし挿入による画像
の劣化度をどの程度まで容認するかをコンテンツ提供者
が指定するためのものである。図に示すように、この
“MEI 2”で識別される要求処理パラメータは、
“MEV”として“0”から“9”のレベルをとること
が“MESP”に規定されている。また、このメッセー
ジの“MEL”は“2”である。
【0170】次に、電子透かし挿入コア20aの要求処
理パラメータと関連の判断パラメータを図15の(b)
に示す。電子透かし挿入コア20aには、MPEG2動
画像用透かし挿入アルゴリズムが実装されており、その
動作の概要は『MPEGデータの構成要素である動ベク
トルのデータを一定間隔で置き換えることで電子透かし
を挿入する』と云うものであることは先に述べた。
【0171】この電子透かし挿入コア20aの要求パラ
メータは、“MAI 50”で識別され、電子透かしを
挿入する「選択1」,「選択2」,「選択3」の3つの
“MAV(マーキングパラメータバリュ)”を採ること
ができる。それぞれの“MAV”の値の意味は“MAS
P(マーキングスケーリングプリンスプル)”に記述さ
れている通り、「選択1」の場合、『“10”動ベクト
ルおきの置き換え』を、また、「選択2」の場合、
『“50”動ベクトルおきの置き換え』を、そして、
「選択3」の場合、『“100”動ベクトルおきの置き
換え』を行う。“MEI 2”のメッセージに対する解
釈系は“MPIP”にあげた通りであり、“MEV”が
“0”〜“3”までは「選択1」を、また、“MEV”
が“4”〜“6”までは「選択2」を、そして、“ME
V”が“7”〜“9”までは「選択3」を、それぞれ選
ぶ。また、“MPL”は“2”に規定されている。
【0172】電子透かし挿入コア20bの要求処理パラ
メータと関連の判断パラメータを図15の(c)に示
す。電子透かし挿入コア20bには、MPEG2動画像
用透かし挿入アルゴリズムが実装されており、その動作
の概要は『MPEGデータの構成要素である輝度成分の
VLCコードを、一定間隔で置き換えることで電子透か
しを挿入する』と云うものである。電子透かし挿入コア
20bの要求パラメータは、“MAI 52”で識別さ
れ、電子透かしを挿入する「選択1」,「選択2」の
“MAV”を採ることができる。
【0173】それぞれの“MAV”の値の意味は“MA
SP”にかかれているとおり、「選択1」が『100輝
度成分おきの置き換え』の指示に対応し、「選択2」が
『10輝度成分おきの置き換え』の指示に対応する。
【0174】“MEI 2”のメッセージに対する解釈
系は“MPIP”に示した通りであり、“MEV”が
“0”〜“5”までは「選択1」を、そして、“ME
V”が“6”〜“9”までは「選択2」を、それぞれ選
ぶ。ある。また,“MPL(マーキングパラメータレベ
ル)”は“4”に規定されている。
【0175】実際の処理動作は以下のように進行する。
コンテンツ提供者は“MES”を“2”に指定してMP
EG2の動画コンテンツを流通させたとする。すると、
動画透かし挿入用の電子透かし挿入装置100では、コ
ンテンツ提供者の“MES”が“2”であり、“ME
L”、“MPL”の値が“2”であることから、解釈許
容度評価(“MEL”と“MPL”の差分の絶対値)は
“MES”の基準を満たし、従って、メッセージ解釈系
10aの処理はメッセージの解釈段階に進む。
【0176】コンテンツ提供者は“MEV 5”を指定
しており、従って、“MEI 2”のメッセージに対す
る“MPIP”より「選択2」が“選ばれて電子透かし
挿入コア20aに伝達される。これにより、電子透かし
処理コア20aは「選択2」での処理操作である『50
動ベクトルおき』にコンテンツに対しての電子透かしの
挿入を行う。
【0177】一方、動画透かし挿入用の電子透かし挿入
装置100bでは、コンテンツ提供者の“MES”が
“2”であり、“MEL”、“MPL”の値がそれぞれ
“2”、“4”であることから解釈許容度評価(“ME
L”と“MPL”の差分の絶対値)は“MES(メッセ
ージパラメータスコープ)”の基準を満たしていること
から、従って、メッセージ解釈系10bでの処理は、メ
ッセージの解釈段階に進む。
【0178】コンテンツ提供者は“MEV 5”を指定
しており、従って、“MEI 2”のメッセージに対す
る“MPIP”より「選択1」が“MAV”として選ば
れて電子透かし挿入コア20bに伝達される。
【0179】“MAV”としての「選択1」は『100
輝度成分おきの電子透かしの挿入』である。そのため、
電子透かし挿入コア20は100輝度成分置きに電子透
かしの挿入を行う。
【0180】電子透かし挿入装置100aのコンテンツ
モニター13はコンテンツの電子透かし挿入コア20a
による加工内容を比較し、コンテンツ提供者の意図に見
合わない加工状況となった場合にはコントローラ12経
由で電子透かし挿入コア20aに対して処理を中止する
ように命令を出す機能を持ち、電子透かし挿入装置10
0bのコンテンツモニター13はコンテンツの電子透か
し挿入コア20bによる加工内容を比較し、コンテンツ
提供者の意図に見合わない加工状況となった場合にはコ
ントローラ12経由で電子透かし挿入コア20bに対し
て処理を中止するように命令を出す機能を持つ。
【0181】コンテンツモニター13によるこのような
具体的な処理機能は動作プログラムMprocで実現さ
れ、この動作プログラムMprocによる判断を行う際
に必要な値は、Mvalとして与えられる。これらは、
それぞれコントローラ13経由でコンテンツモニター1
3に受け渡される。
【0182】本適用例の場合には、上記の動作プログラ
ムMprocは『電子透かし挿入コアの入力前、入力後
のMPEGデータをデコードしてS/N比の劣化を評価
する』という機能を持つものとしてある。そして、S/
N比評価の結果、劣化が値Mvalによる指定値以内に
収まらない場合にはコンテンツモニター13はコントロ
ーラ13に対して電子透かし挿入処理の中止を伝え、こ
れにより、コントローラ13は電子透かし挿入コア20
a(20b)に対して処理の中止を命令する。そして、
この中止命令により、電子透かし挿入コア20はコンテ
ンツに対しての電子透かし挿入処理を中止する。
【0183】なお、ここでは、説明の簡易化を図るため
に、コンテンツモニター13はコントローラ12を通し
て挿入コア20の処理の中止を命令することとしたが、
コントローラ12を通じて挿入コア20に与える指令
が、処理中止命令だけでなく、複数の選択肢がある場
合、例えば、コントローラ12を通じて挿入コア20に
透かし挿入の頻度を適応的に下げる命令を備え、ただ単
に中止命令を出すだけではなく、例えば、「S/Nの劣
化がどの程度の条件のときにS/Nの劣化度を下げるた
めに電子透かしによる挿入頻度をどの程度下げるのか
を、コントローラ12を通じて挿入コア20に指示す
る」というような処理手順を与えるようにすることもで
きる。
【0184】また、動作プログラムMprocおよび値
Mvalについては、メモリ11に格納されていてもよ
いし、コンテンツ提供者が与える形としてもよい。
【0185】このように、この具体例によれば、指定の
条件での電子透かし挿入処理が実施できているか否かを
モニタリングして、適合しない場合には、処理内容を適
応的に変化させるよう、外部から設定できるようにした
システムを実現できる。
【0186】以上、種々の具体例を説明したが、要する
に本発明は、複数の電子透かし挿入アルゴリズムが併存
する情報提供サービスにおいて、コンテンツ提供者がコ
ンテンツに対する透かし挿入の意図を記述したコンテン
ツ属性情報(外部メッセージ)を作成して与えることに
より、これを解釈して各アルゴリズムが要求する処理パ
ラメータに変換できるようにすると共に、この変換した
パラメータを対応の電子透かし挿入アルゴリズムに与え
ることで、上記意図を反映させたかたちでコンテンツに
電子透かしを挿入できるようにしたものである。
【0187】また、情報提供者意図の解釈時に、利用者
意図の無制限な解釈が行われないよう情報提供者が制限
できるようにしたものである。
【0188】従って、本発明により、情報提供者が行う
コンテンツに対する処理意図の記述が、異なるアルゴリ
ズムを持つ処理系それぞれで解釈実行できるようになる
結果、アルゴリズムのアップグレードや異なるアルゴリ
ズムの並立するようなオープンな環境下において処理系
の持つアルゴリズムの違いを超えて、コンテンツ提供者
の意図を反映させた電子透かしを挿入加工したコンテン
ツ流通を可能にするデータ加工装置が得られるようにな
り、コンテンツ情報提供者にとって極めて有用である。
【0189】なお、種々の例を説明したが、これに限定
されるものではなく、種々変形して実施可能である。ま
た、上記した例ではいずれも情報利用者を情報の最終的
な利用者としたが、それに限らず情報の一次利用者、あ
るいはサービスプロバイダであっても有効であることは
もちろんである。
【0190】また、発明の実施の形態で説明した本発明
の手法は、コンピュータに実行させることのできるプロ
グラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハ
ードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DV
Dなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布
することもできる。
【0191】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、情報提供者の意図を電子透かし挿入処理系の内容に
制約されずに表現することができる。従って、電子透か
し挿入アルゴリズムの内容の更新や異なる処理アルゴリ
ズムの並立、あるいは多様なデータ形式が混在するマル
チメディアデータに対する電子透かし付加処理に対する
処理意図の表明を容易に実現できる。また、複数の処理
アルゴリズムの共存が容易になるため、オープンなネッ
トワーク環境や不特定多数に対する情報提供サービスな
どにおける電子透かし挿入の適用性を広げる。
【0192】また、電子すかし挿入処理など著作権保護
システムにおいては権利保持者の意図の履行が重要な問
題であるが、システムがメッセージの普遍的な解釈許容
度を持つことで、複数の電子透かしアルゴリズム共存化
の環境において、権利保持者意図の履行保証機能を持た
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、本発明の
基本構成を説明するためのブロック構成図である。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明の
基本構成におけるシステムのメッセージとコアパラメー
タを説明するための図である。
【図3】本発明を説明するための図であって、本発明の
基本構成におけるシステムのメッセージ解釈系の処理を
説明するための図である。
【図4】本発明を説明するための図であって、本発明の
基本構成におけるシステムのコントローラ12での処理
パラメータ値計算手順を説明するためのフロー図であ
る。
【図5】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の適用例を説明するためのブロック構成図である。
【図6】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の適用例におけるメッセージおよびパラメータの構
成例を説明するための図である。
【図7】本発明を説明するための図であって、本発明の
第2の適用例を説明するためのブロック構成図である。
【図8】本発明を説明するための図であって、本発明の
第2の適用例におけるメッセージおよびパラメータの構
成例を説明するための図である。
【図9】本発明を説明するための図であって、本発明の
第3の適用例を説明するためのブロック構成図である。
【図10】本発明を説明するための図であって、本発明
の第3の適用例におけるメッセージおよびパラメータの
構成例を説明するための図である。
【図11】本発明を説明するための図であって、本発明
の第4の適用例を説明するためのブロック構成図であ
る。
【図12】本発明を説明するための図であって、本発明
の第5の適用例を説明するためのブロック構成図であ
る。
【図13】本発明を説明するための図であって、本発明
の第6の適用例を説明するための図である。
【図14】本発明を説明するための図であって、本発明
の第7の適用例を説明するためのブロック構成図であ
る。
【図15】本発明を説明するための図であって、本発明
の第6の適用例におけるメッセージおよびパラメータの
構成例を説明するための図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10A,10B…メッセージ解
釈系 20,20a,20b,20A,20B,20C…電子
透かし挿入コア 100,100a,100b,100A,100B,1
00C…電子透かし挿入装置 110…データ転送手段。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 7/081 H04N 7/133 Z 7/30 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/38 -1/393 G06T 1/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】システムの外部より与えられたディジタル
    コンテンツに、所定の処理アルゴリズムを実行して副次
    的なデータを付加し、出力するデータ加工手段を有する
    データ加工装置において、 副次的データを付加する際の各種要件を定義した制御用
    のデータを受け、これを解釈してこの制御用のデータを
    前記データ加工手段における処理アルゴリズムに適合し
    たパラメータに変換して当該データ加工手段に与える解
    釈手段を備えると共に、前記データ加工手段の持つ処理
    アルゴリズムは、前記ディジタルコンテンツに対し、
    記与えられたパラメータにて定まるデータ加工の処理を
    実行して副次的なデータを付加する機能を備える構成と
    することを特徴とするデータ加工装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のデータ加工装置において、 前記解釈手段は、前記外部より入力される制御用のデー
    タを前記データ加工手段の持つ処理アルゴリズムが規定
    するデータ形式に変換して与える機能を持つことを特徴
    とするデータ加工装置。
  3. 【請求項3】前記データ加工手段を複数有し、それぞれ
    には同じディジタルコンテンツおよび制御用データが与
    えられると共に、それぞれのデータ加工手段の持つ処理
    アルゴリズムそれぞれは付加する副次的なデータが異な
    異種のものとし、前記解釈手段は、前記外部より入力
    される制御用のデータを前記データ加工手段の持つ処理
    アルゴリズムが規定するデータ形式に変換して与える機
    能を持つことを特徴とする請求項1記載のデータ加工装
    置。
  4. 【請求項4】システムの外部より与えられたディジタル
    コンテンツに、所定の処理アルゴリズムを実行して副次
    的なデータを付加し、出力するデータ加工手段を有する
    データ加工装置において、 入力データ形式対応にそれぞれデータ加工手段を有する
    と共に、副次的データを付加する際の各種要件を定義し
    た制御用のデータを受け、これを解釈してこの制御用の
    データを前記データ加工手段における処理アルゴリズム
    に適合したパラメータに変換して当該データ加工手段に
    与える解釈手段を備えることを特徴とするデータ加工装
    置。
  5. 【請求項5】外部より入力される制御用のデータには、
    前記データ加工手段が実施する変換作業に関して変換許
    容度を指定する情報を付加すると共に、解釈手段はこの
    変換許容度に応じてコンテンツに対するデータ加工手段
    側でのデータ加工の実行を選択する機能を備えることを
    特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のデータ加
    工装置。
  6. 【請求項6】システムの外部より与えられたディジタル
    コンテンツに、所定の処理アルゴリズムを実行して副次
    的なデータを付加し、出力するデータ加工方法におい
    て、 副次的データを付加する際の各種要件を定義した制御用
    のデータを受け、これを解釈してこの制御用のデータを
    前記データ加工における処理アルゴリズムに適合したパ
    ラメータに変換し、当該データ加工の処理アルゴリズム
    に与えると共に、前記処理アルゴリズムには、与えられ
    たパラメータに対応して前記ディジタルコンテンツに対
    し、前記与えられたパラメータにて定まるデータ加工
    処理を実行して副次的なデータを付加させることを特徴
    とするデータ加工方法。
  7. 【請求項7】前記データ加工の処理アルゴリズムを複数
    有し、これら処理アルゴリズムそれぞれは前記外部より
    入力されるディジタルコンテンツに対して付加する副次
    的なデータが異なようにした異種のものとすると共に、
    前記外部より入力される制御用のデータをそれぞれ前記
    処理アルゴリズムが規定するデータ形式に変換して与え
    ることを特徴とする請求項6記載のデータ加工方法。
  8. 【請求項8】システムの外部より与えられたディジタル
    コンテンツに、所定の処理アルゴリズムを実行して副次
    的なデータを付加し、出力するデータ加工手段を有する
    データ加工装置において、 副次的データを付加する際の各種要件を定義した制御用
    のデータを受け、これを解釈してこの制御用のデータを
    前記データ加工手段における処理アルゴリズムに適合し
    たパラメータに変換して当該データ加工手段に与える解
    釈手段を備えると共に、前記データ加工手段の持つ処理
    アルゴリズムは、与えられたパラメータに対応して前記
    ディジタルコンテンツに対し、前記与えられたパラメー
    タにて定まるデータ加工の処理を実行して副次的なデー
    タを付加する機能を備え、また、システムの外部より与
    えられた前記ディジタルコンテンツと前記副次的なデー
    タ付加したディジタルコンテンツとから、前記制御用の
    データに基づく副次的データの付加処理が要求を満たす
    ものとなっているかモニタするモニタ手段を備える構成
    とすることを特徴とするデータ加工装置。
  9. 【請求項9】モニタ手段は、モニタ結果が副次的データ
    の付加処理が要求を満足しないとき、前記データ加工手
    段での処理の中止指令を発令する構成であることを特徴
    とする請求項8記載のデータ加工装置。
  10. 【請求項10】モニタ手段は、副次的データの付加処理
    が指定条件に合うか否かを評価すると共に、評価手順と
    評価値などの評価条件は外部から任意に指定可能である
    ことを特徴とする請求項8記載のデータ加工装置。
  11. 【請求項11】モニタ手段は、副次的データの付加処理
    が指定条件に合うか否かを評価すると共に、その評価結
    果に応じて前記データ加工手段での処理動作に対する指
    令を発令する構成であり、評価手順と評価値などの評価
    条件と指令内容は外部から任意に指定可能であることを
    特徴とする請求項8記載のデータ加工装置。
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