JP3067624B2 - 干渉フィルタモジュール - Google Patents
干渉フィルタモジュールInfo
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Description
ルタを直列に配置した干渉フィルタモジュールに関し、
更に詳しく述べると、対となる2枚の干渉フィルタを直
交配置することにより、遮断特性が良好で且つ挿入損失
偏光依存性及び偏波分散を低減できる干渉フィルタモジ
ュールに関するものである。この干渉フィルタモジュー
ルは、例えば波長多重光通信等の分野で使用するフィル
タ装置として有用である。
は透過させるが他の波長の光は遮断する特性を持つ光部
品であり、光通信の分野などにおいて多用されている。
フィルタには多くの種類があるが、その一つに干渉フィ
ルタがある。干渉フィルタは、干渉膜(薄膜層)によっ
て生じる光の干渉を利用したフィルタであり、基板上に
形成する膜の厚さ、膜形成物質の屈折率、膜の層数、各
層の厚さ等の組み合わせによって、帯域通過フィルタ
(BPF)、短波長帯通過フィルタ(SWPF)、長波
長帯通過フィルタ(LWPF)などを作製できる。一般
に干渉膜としては誘電体多層膜等が用いられ、高屈折率
の薄膜(例えばTiO2 )と低屈折率の薄膜(例えばS
iO2 )をガラス基板上などに交互に数十層にわたって
蒸着する構成などが採用されている。
渉フィルタを光軸に対して数度傾けて設置し、その前後
にファィバーコリメータを配置した構成となる。干渉フ
ィルタを傾けて設置するのは、フィルタ表面等での反射
光が入力側に戻らないようにするためである。
等の技術的進歩によって、光通信における透過使用波長
が複数化しており、それに伴って、ある波長の光を透過
させながら他の波長の光の遮断特性をより高めることが
重要となっている。しかし、上記のような1枚の干渉フ
ィルタを用いる従来構成では、十分な遮断特性を得るこ
とができない。
は、複数枚の干渉フィルタを直列に配置することが考え
られる。しかし、光軸に対して傾いた干渉フィルタは、
挿入損失偏光依存性(P波とS波の光強度の差)を有
し、偏波分散(P波とS波の伝搬速度の差)が生じる。
従って、単に干渉フィルタを複数枚平行に配列しただけ
では、遮断特性は向上するものの、配列した数だけ挿入
損失偏光依存性が増大し、偏波分散も大きくなってしま
う。
つつ、挿入損失偏光依存性及び偏波分散が増大しないよ
うな干渉フィルタモジュールを提供することである。
フィルタを光軸に対して傾けて直列に配置した干渉フィ
ルタモジュールである。ここで複数枚の干渉フィルタ
を、できるだけ多くの対として、対となる2枚の干渉フ
ィルタが直交配置となるように組み合わせる。直交配置
とは、光軸に対する干渉フィルタの傾き方向を光軸に沿
う方向に見た時に互いに直交するような位置関係をい
う。
を直列に配置した場合である。その場合、両干渉フィル
タは、光軸に対する傾き方向を光軸に沿って見た時に、
互いに直交するような位置関係で組み合わされる。具体
的には、長手方向に沿って貫通孔を有すると共に該貫通
孔に直交するようにフィルタホルダ取付け孔を有する筐
体と、傾斜端面に第1の干渉フィルタを固定し前記筐体
の貫通孔内に装着される第1のフィルタホルダと、側面
に第2の干渉フィルタを固定し前記筐体のフィルタホル
ダ取付け孔に装着される第2のフィルタホルダとを備
え、前記貫通孔の両端部にそれぞれファイバコリメータ
を装着することで製作できる。
すると、使用した枚数に比例して遮断特性は向上する。
しかし光軸に対して傾いた干渉フィルタに光が入射する
と、P偏光及びS偏光の透過損失及び透過伝搬速度が若
干異なり、挿入損失偏光依存性及び偏波分散が生じる。
従って、例えば2枚の干渉フィルタを平行配置すると、
P偏光及びS偏光の透過損失の差及び透過伝搬速度の差
は2倍となり、挿入損失偏光依存性及び偏波分散は増大
する。ところが、対となる2枚の干渉フィルタを直交配
置すると一方の干渉フィルタを透過するP偏光は他方の
干渉フィルタではS偏光となり、一方の偏光フィルタを
S偏光として透過する光は他方の干渉フィルタではP偏
光となるため、対をなす2枚の干渉フィルタによって挿
入損失偏光依存性及び偏波分散が打ち消され遮断特性の
みが向上する結果が得られる。
いると、2枚ずつ対にして直交配置することで、挿入損
失偏光依存性及び偏波分散をほぼ完全に打ち消すことが
できる。また、奇数枚の干渉フィルタを用いた場合で
も、1枚の干渉フィルタを用いたのと同程度の挿入損失
偏光依存性及び偏波分散が生じるだけで済み、遮断特性
は著しく向上することになる。
の一実施例を示す概念図であり、干渉フィルタを2枚直
交配置する最も単純な例である。説明の便宜上、図示の
ように座標軸を仮定する。即ち、光軸方向にz軸をと
り、それに対して垂直な水平方向にx軸、垂直方向にy
軸をとる。光軸(z軸)に対して角度θ傾いた2枚の干
渉フィルタ10a,10bを光軸上で直列に配置する。
第1の干渉フィルタ10aは、x軸を回転中心としてx
y面を角度θだけ傾けた状態(傾き方向を矢印Aで示
す)となっている。また第2の干渉フィルタ10bは、
y軸を回転中心としてxy面を角度θだけ傾けた状態
(傾き方向を矢印Bで示す)となっている。これによっ
て、両干渉フィルタ10a,10bは、光軸(z軸)に
対する傾き方向(矢印Aと矢印B)を光軸(z軸)に沿
って見た時に、互いに直交するように組み合わされてい
ることになる。これが直交配置ということである。そし
て、両干渉フィルタ10a,10bの前後にファイバコ
リメータ12a,12bを配置する。
0bは同一構成であり、例えばガラス基板上にTiO2
薄膜とSiO2 薄膜を30〜40層にわたって交互に蒸
着したものである。それぞれの干渉フィルタ10a,1
0bの光軸(z軸)に対する傾き角θは数度(例えば4
〜8度程度)である。
と、2枚の干渉フィルタを上記のように組み合わせた本
発明モジュールとの挿入損失特性の比較結果を図2に示
す。使用した干渉フィルタは、使用中心波長が1537
nmで半値幅3nmの帯域通過フィルタ(BPF)である。
従来技術では、中心波長から2nmずれた波長での遮断特
性は7dB程度にすぎない。それに対して本発明の構成
では、中心波長から2nmずれた波長での遮断特性は14
dB程度となり、干渉フィルタの使用枚数が2倍になっ
たのに比例して遮断特性も約2倍に向上しているのが分
かる。
成の場合、挿入損失偏光依存性は約0.05dB、偏波
分散は約0.04ps(ピコ秒)である。それに対して上
記実施例の構成では、干渉フィルタを2枚使用している
にもかかわらず、挿入損失偏光依存性及び偏波分散はほ
ぼ無くなり、傾けて配置した1枚の干渉フィルタによる
悪影響を他方の干渉フィルタで打ち消すことができた。
因に、2枚の干渉フィルタを単に平行に配置した場合、
挿入損失偏光依存性は約0.1dB、偏波分散は約0.
08psであった。このことから、本発明の干渉フィルタ
モジュールは、遮断特性が向上し、それでいて挿入損失
偏光依存性及び偏波分散という悪影響を最小限にとどめ
うることが分かる。
ルの一実施例を示す組立説明図であり、図4は組立後の
状態を示す縦断面図である。ここでは長手方向(光軸方
向)に貫通孔20を有すると共に、該貫通孔20に直交
するようにフィルタホルダ取付け孔22を設けた筐体2
4を用いる。フィルタホルダ取付け孔22は貫通構造で
もよいし、非貫通構造でもよい。該筐体24は、例えば
ステンレス鋼製ブロック等を加工したものでよい。筐体
24の貫通孔20に嵌入する外径の円筒状をなし、一方
の端面を角度θで斜切した第1のフィルタホルダ26を
用意する。そして、その斜切端面に第1の干渉フィルタ
10aを貼り付ける。またフィルタホルダ取付け孔22
に嵌入する外径を有し、側面にフィルタ取付け用の切欠
き面28を形成すると共に該切欠き面28に対して垂直
横方向に光の透過穴30を形成した第2のフィルタホル
ダ32を用意する。そして、その側面の切欠き面28に
第2の干渉フィルタ10bを貼り付ける。
孔20内に嵌入して所定の位置で固定し、第2のフィル
タホルダ32をフィルタホルダ取付け孔22に嵌入して
所定の位置で固定する。それぞれのフィルタホルダ2
6,32は、端面に回転位置合わせ用の溝34を有し、
嵌入後に調整用治具を差し込み回転することで、それぞ
れ所定の向きに設置できるようにし、その位置で溶接や
半田付け等により固定する。例えば半田付けの場合に
は、筐体24やフィルタホルダ26,32の接合箇所に
半田付け可能な層(例えば金メッキ層)を設け、半田を
挿入可能な孔(図4で符号36で示す)を設けておいて
半田を挿入して固定すればよい。
に、それぞれ第1のファイバコリメータ12aと第2の
ファイバコリメータ12bを挿入し固定する。その際、
ファイバコリメータの外径が小さい場合には、図示の如
く、貫通孔20の両端に円筒状のブッシュ30を嵌め込
み、そのブッシュ30内にファイバコリメータ12a,
12bを挿入して組み立てる。これによって、光軸が一
致するように容易に組み立てることが可能となる。
組み合わせる例であるが、本発明はそのような構成のみ
に限定されるものではない。挿入損失偏光依存性及び偏
波分散といった悪影響を完全に打ち消すには、上記のよ
うに同種の干渉フィルタを組み合わせるのが望ましい。
奇数枚(2n+1:但しnは整数)の干渉フィルタを用
いる構成の場合には、それらの干渉フィルタができるだ
け多くの対(即ち、n対)となるようにし、対となる2
枚の干渉フィルタは光軸に対する傾き角を光軸に沿う方
向に見た時に互いに直交するように組み合わせる。これ
によって、奇数枚の干渉フィルタを組み合わせる場合で
も、挿入損失偏光依存性及び偏波分散は枚数分だけ増大
せず、せいぜい1枚の場合と同程度に抑えることができ
る。
た複数枚の干渉フィルタを直列に配置し、対となる2枚
の干渉フィルタを直交配置したことにより、挿入損失偏
光依存性及び偏波分散が増大することなく遮断特性のみ
を著しく向上させることが可能となる。これによって、
例えば波長多重光通信等の分野で性能向上に大きく貢献
することができる。
例を示す概念図。
フ。
例を示す組立説明図。
Claims (1)
- 【請求項1】 長手方向に延びる貫通孔を有すると共に
該貫通孔に直交するようにフィルタホルダ取付け孔を有
する筐体と、円筒状をなし一方の端面が斜切されていて、その 傾斜端
面に第1の干渉フィルタを固定し前記筐体の貫通孔内に
装着される第1のフィルタホルダと、前記フィルタホルダ取付け孔に嵌入する外径を有し、側
面にフィルタ取付け用の切欠き面が形成され、該切欠き
面に対して垂直横方向に光の透過穴を有する構造をな
し、その切欠き面 に第2の干渉フィルタを固定し前記筐
体のフィルタホルダ取付け孔に装着される第2のフィル
タホルダと、 前記貫通孔の両端部にそれぞれ装着されるファイバコリ
メータとを具備し、 両干渉フィルタは光軸に対して傾いて直列に配置され、
且つ光軸に対する傾き方向を光軸に沿う方向に見たとき
に互いに直交するように調整されていることを特徴とす
る干渉フィルタモジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7350441A JP3067624B2 (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 干渉フィルタモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7350441A JP3067624B2 (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 干渉フィルタモジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09178970A JPH09178970A (ja) | 1997-07-11 |
JP3067624B2 true JP3067624B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=18410523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7350441A Expired - Lifetime JP3067624B2 (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 干渉フィルタモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3067624B2 (ja) |
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JP2012189948A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-04 | Mitsubishi Electric Corp | 光送受信モジュール |
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-
1995
- 1995-12-22 JP JP7350441A patent/JP3067624B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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