JP3067226U - 乾燥機に於ける給気機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量に水分を含んだ被乾燥物を乾燥させる
乾燥機において、被乾燥物に効果的に空気を吹き込むこ
とにより、乾燥速度の向上を図り、乾燥機のコンパクト
化を目的とする。 【構成】 乾燥機内部の回転軸を空気を通すために中
空回転軸２とし、それに枝管４と攪拌翼６を設け、その
枝管４内部にフリーピストン弁体８を内蔵することによ
って被乾燥物への空気噴出を適時噴出及び停止させるべ
く給気機構を備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、多量に水分を含んだ被乾燥物３を攪拌させ乾燥する乾燥機に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

乾燥機内部に水分を多く含む被乾燥物３を攪拌しながら加熱し、乾燥させる乾 燥機において、従来、熱源より被乾燥物３に熱を与え蒸発乾燥させる過程におい ては単に加熱のみにより、被乾燥物３を攪拌させ蒸発乾燥させるか、空気を吹き 込む場合でも、被乾燥物３が攪拌されている乾燥機内部の上層部に単に吹き込む 程度であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で特に、被乾燥物３が乾燥機内部にある高さ或いは深さ（約２０ｍ ｍ以上）をもって滞留し攪拌されている乾燥機においては、次のような課題を有 していた。

【０００４】 Ａ．単に加熱のみにより、被乾燥物３を攪拌させ蒸発乾燥させる場合、下部 加熱面より熱が与えられ被乾燥物３より蒸発した水分は速やかに乾燥機内部 から排出されず、結果として、乾燥速度が遅くなりそのために乾燥機の容量 を大きくする必要があった。

【０００５】 Ｂ．被乾燥物３が攪拌されている乾燥機内部の上層部に単に空気を吹き込む 場合、蒸発した水分を持ち去り乾燥機内部から排出されやすくなるものの、 被乾燥物３には下部加熱面より熱が与えられ、蒸発した水分は下部より上層 部へ移動する間に、被乾燥物相互に水分のやり取りが起こり、効率的に蒸発 水分が被乾燥物３より除去されず、結果として、乾燥速度が遅くなる。被乾 燥物３が乾燥機内部に滞留する高さ或いは深さを持てば持つほど乾燥速度が 遅くなりそのために乾燥機の容量を大きくし、被乾燥物３の乾燥機内部に滞 滞留する高或いは深さを浅くする必要があった。

【０００６】 考案者はこれらの課題を解決すべく下部加熱面より被乾燥物３に熱が与えらて 蒸発した水分を空気によって速やかに除去すべく給気機構の開発に取り組んだ。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

以上のような課題を解決するために、本考案は次のような構成となっている。 乾燥機本体中央部に回転軸を設け、その回転軸は内部に空気を通すために中空回 転軸２とする。被乾燥物３の下部加熱面付近まで到達するのに必要な長さをもっ た枝管４を中空回転軸２より分岐装着し、この枝管４は中空回転軸２より半径方 向に延ばした垂直枝管４−１と乾燥機加熱面に平行に沿う平行枝管４−２より構 成されている。また、この垂直枝管４−１内部には、重力だけで上下移動可能な 一定重量を持ったフリーピストン弁体８と固定弁座９及びフリーピストン弁体８ の移動を制限する弁体ストッパー１０を内蔵し、平行枝管４−２には複数の空気 噴気口５を設ける。更に、この空気噴気口５に隣接して、加熱面７に沿って被乾 燥物３を攪拌するための攪拌翼６を設置した給気機構。

【０００８】

【作 用】

被乾燥物３が滞留し攪拌されている乾燥機内部において、被乾燥物３の下部加 熱面付近では、与えられた熱により被乾燥物３から水分は蒸発していくが、本考 案の給気機構によれば、次のように作用する。 空気は中空回転軸２を通って垂直枝管４−１内部のフリーピストン弁体８付近 まで行く。この時、垂直枝管４−１が下側に回転位置した場合、フリーピストン 弁体８は重力によって固定弁座９の下へ移動し弁体ストッパー１０にて支えられ 、固定弁座９とフリーピストン弁体８との間にできた隙間より空気は平行枝管４ −２にある複数の空気噴気口５を通って被乾燥物３の下部加熱面付近に噴出され る。 更に、この空気噴気口５に隣接して、加熱面７に沿って被乾燥物３を攪拌する ための攪拌翼６が設置されているので、攪拌されている被乾燥物３の加熱面７付 近に空気を吹きつけることが可能となる。 一方、垂直枝管４−１が上側に回転位置した場合、フリーピストン弁体８が固 定弁座９の上に移動し、中空回転軸２を通って垂直枝管４−１内部のフリーピス トン弁体８付近まで来ている空気は遮断され、空気噴気口５からの噴出は停止さ せられる。

【０００９】

【考案の効果】

この被乾燥物３の下部加熱面付近における本考案の作用は、熱力学上極めて理 に適った作用である。即ち、加熱面７付近において被乾燥物３が攪拌されること は被乾燥物３のレイノズル係数が増加されることになり、加熱面７における総括 熱伝達係数が増し、熱移動がし易くなることを意味し、加熱によって被乾燥物３ からの水分蒸発が盛んになる。次に、その部分に隣接した空気噴気口５からの空 気を吹きつけることにより、蒸発した水分の移動、除去が空気によって的確且つ スムーズに行われ、物質（水分）移動係数の向上が図られる。熱移動と物質（水 分）移動にとって良い条件が被乾燥物３の下部加熱面付近で同時に作用し、被乾 燥物３の乾燥速度を上げる効果をもたらす。 また、垂直枝管４−１が上側に回転位置した場合即ち枝管４が被乾燥物から離 れている部分においては、フリーピストン弁体８の移動により空気の噴出が停止 され、余り効果的ではない空気の使用を抑え省力化が図られる。

【００１０】 本考案の給気機構をもった乾燥機によれば、従来の乾燥機に比べ、単位時間当 たり及び単位被乾燥物重量当たりの乾燥機能力は、同一な加熱面積において、約 １．２倍から１．５倍に向上した。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】乾燥機内部の給気機構を示す乾燥機の斜視図で
ある。

【図２】枝管装着の第１実施例を示す乾燥機の断面図で
ある。

【図３】枝管装着の第２実施例を示す乾燥機の断面図で
ある。

【図４】枝管が上側に回転位置した時のフリーピストン
弁体を示すの断面図である。

【図５】枝管が下側に回転位置した時のフリーピストン
弁体を示すの断面図である。

【符号の説明】

１ 乾燥機本体 ２ 中空回転軸 ３ 被乾燥物 ４ 枝管 ４−１ 垂直枝管 ４−２ 平行枝管 ５ 空気噴気口 ６ 攪拌翼 ７ 加熱面 ８ フリーピストン弁体 ９ 固定弁座 １０ 弁体ストッパー １１ 熱源

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空回転軸２に垂直枝管４−１及び平行
   枝管４−２から構成された枝管４と、枝管４に隣接し被
   乾燥物３を攪拌させる攪拌翼６を設け、垂直枝管４−１
   内部に上下移動可能なフリーピストン弁体８と固定弁座
   ９を内蔵し枝管４より空気噴出を適時噴出及び停止させ
   るべく乾燥機に於ける給気機構。