JP3067101B2 - ウィングのキャッチ装置 - Google Patents

ウィングのキャッチ装置

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JP3067101B2
JP3067101B2 JP9340139A JP34013997A JP3067101B2 JP 3067101 B2 JP3067101 B2 JP 3067101B2 JP 9340139 A JP9340139 A JP 9340139A JP 34013997 A JP34013997 A JP 34013997A JP 3067101 B2 JP3067101 B2 JP 3067101B2
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洋士 奥田
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株式会社シュア製作所
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05CBOLTS OR FASTENING DEVICES FOR WINGS, SPECIALLY FOR DOORS OR WINDOWS
    • E05C19/00Other devices specially designed for securing wings, e.g. with suction cups
    • E05C19/02Automatic catches, i.e. released by pull or pressure on the wing
    • E05C19/04Ball or roller catches
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05BLOCKS; ACCESSORIES THEREFOR; HANDCUFFS
    • E05B15/00Other details of locks; Parts for engagement by bolts of fastening devices
    • E05B15/04Spring arrangements in locks
    • E05B2015/0431Modifying spring characteristic or tension

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Support Devices For Sliding Doors (AREA)
  • Specific Sealing Or Ventilating Devices For Doors And Windows (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玄関サッシ等に使
用可能なウィングのキャッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】玄関サッシや窓サッシ等、戸枠に引き戸
がスライド自在に嵌め付けられたものにおいて、引き戸
を勢いよく閉じると、引き戸が戸枠の立内面に衝突・反
射して跳ね返り、半開き状態のまま止まってしまうとい
うことがある。そのため、引き戸を慎重に閉じるように
しないと、引き戸と戸枠の立内面との間にできる隙間が
冷暖房の妨げとなるだけでなく、特に、冬季では冷気や
風雨、雪等の吹き込みを許し、夏季では虫等の侵入を許
す結果となり、不都合であった。
【0003】従来、これらを防止する方法として、例え
ば戸枠の下辺部材に傾斜をつけたり、又は上下動するウ
エイトの自重を紐と滑車とを介して横方向に変換して、
引き戸に伝達すること等により、引き戸を常時その閉側
へ付勢する手段が採用されていたが、これらの方法で
は、いずれも、外気を取り入れる等のために引き戸を意
図的に半開状態にしたい場合に、新たにストッパ手段を
設けなければならないといった矛盾が生じるものであっ
た。
【0004】なお、戸枠の下辺部材に傾斜をつける方法
は、既設の窓枠等では採用し難いといった欠点もあっ
た。そこで、本出願人は、先端部を戸枠の立内面へ向け
た状態で引き戸に取り付けられる挿脱部材と、引き戸の
閉鎖時に上記挿脱部材の先端部を挿入可能な状態で戸枠
に取り付けられる受部材とを有し、受部材には挿入され
た挿脱部材の先端部を上下対向状に押圧付勢可能になる
一対の挟持ローラが内装され、挿脱部材にはその先端部
の上下部に上記各挟持ローラと係脱可能とされる嵌合凹
部が設けられた引き戸のキャッチ装置を開発し、提案し
ている(特公平6−78698号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したキャッチ装置
では、引き戸を閉めるに際して挿脱部材が受部材へ挿入
されるときに、挿脱部材の先端部により、受部内の上下
の挟持ローラをそれらの対向付勢力に抗して一旦、押し
開く必要がある。そのため、挟持ローラの押し開きを容
易にして挿脱部材の挿入及び嵌合凹部への挟持ローラの
係合(即ち、引き戸のキャッチ)を確実化しようとすれ
ば、挟持ローラの対向付勢力を弱く設定する必要がある
が、このようにすると、引き戸を強く閉じた場合の強大
な衝突・反射力に対しては、挟持ローラの対向付勢力及
び嵌合凹部との係合力だけでは対抗できず、その結果、
引き戸の跳ね返りを許すことになってしまう。
【0006】しかし、反対に挟持ローラの対向付勢力を
強く設定しすぎた場合には、引き戸を強い力で閉じない
と、挿脱部材による挟持ローラの押し開きを確実にでき
ないということに繋がり、しかも、挟持ローラが挿脱部
材の嵌合凹部へ係合した後では、引き戸を開けようとす
るときに、再び強い力を要するといったことが起こるこ
とになる。
【0007】このように、上記した引き戸のキャッチ装
置では、受部材における挟持ローラの対向付勢力の設定
が微妙であり、難しいという一面があった。本発明は、
上記事情に鑑みてなされたものであって、引き戸等のウ
ィングを確キャッチしかつ可及的に少ない力でそのキャ
ッチを解除できるようにしたウィングのキャッチ装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係るウィングのキャッチ装置では、挿脱部材と、ウ
ィングの閉鎖時に上記挿脱部材の先端部が挿入される受
部材とを有し、この受部材に挿入された挿脱部材の先端
部を上下対向状に押圧付勢可能になる一対の挟持部材が
当該受部材に内装され、挿脱部材の先端部の上下部に上
記各挟持部材と係脱可能とされる嵌合凹部が設けられた
ウィングのキャッチ装置において、挿脱部材の先端部
は、嵌合凹部より先端側に上下両側へ向けて拡縮自在と
なる上下一対の楔片が設けられていると共に、これら両
楔片が相対的な拡開方向へ付勢されているものである。
【0009】このような構成であると、ウィングを閉め
るに際して挿脱部材が受部材へ挿入されるときに、挿脱
部材の先端部が上下の挟持部材を押し開くのと同時に、
この挿脱部材の先端部に設けられた上下一対の楔片も、
それらの拡開方向への付勢力に抗して相対的なしぼみ方
向へ縮小するようになる。従って、挟持部材の押し開き
作用と楔片の縮小作用とが相乗して、受部材に対する挿
脱部材の挿入(挟持部材と嵌合凹部との係合)が容易且
つ確実に行われることになる。
【0010】一旦、ウィングが閉まった後は、受部材内
において挟持部材が挿脱部材の嵌合凹部と係合している
ため、ウィングに対して開き方向へ向けた静的な力が作
用しても、これを確実に抑制でき、ウィングが開くこと
はない。上記の本発明において、受部材内に、両挟持部
材を上下動自在にガイドするガイド溝を設けると共に、
このガイド溝に、前記挿脱部材が両挟持部材間から脱出
するにしたがって各挟持部材の枢軸端部を相互離反方向
へ誘導すべく傾斜した逃げ部を設けておくことが好まし
い。
【0011】この場合、ウィングを開く際に、挟持部材
がガイド溝の逃げ部に沿って移動するようになるので、
より少ない力で挟持部材を挿脱部材の嵌合凹部から離脱
させることができる。なお、本明細書において、「ウィ
ング」とは、揺動、滑動または他の移動できる戸(ド
ア)また窓に対する一般的用語として使用している。ま
た、「フレーム」とは、上記「ウィング」が取り付けら
れる側の部材を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。本発明に係るキャッチ装置1は、
図4に示すように引き戸(ウィング)2における縦部材
3の上部へ横向きに取り付けられる挿脱部材4と、戸枠
(フレーム)6を構成する構成部材のうちの柱部材7に
対してその上部寄りで上記挿脱部材4に対向するように
取り付けられる受部材8と、を備えている。
【0013】図1乃至図3に示すように、受部材8は、
ベース体10とこのベース体10を覆う箱蓋状をしたケ
ース体11とを有してこれら両者間へ収容空間12を形
成させており、この収納空間12内に、付勢手段13を
介して相互近接方向へ付勢された上下一対の挟持ローラ
(挟持部材)14が内装されたものである。ベース体1
0及びケース体11は、金属材等により形成されてい
る。
【0014】図5に示すようにベース体10には、その
正面部の上下中間位置に、左右方向へ向けて挿脱部材4
の軸移動路を形成させる通路凹部17が設けられてい
る。そして、この通路凹部17の上下両側には、ガイド
溝18a,19aが設けられている。また、図6に示す
ようにケース体11には、その内面側奥底部の上下中間
位置に、左右方向へ向けて挿脱部材4の軸移動路を形成
させる通路凹部22が設けられている。そして、この通
路凹部22の上下両側には、ガイド溝18b,19bが
設けられている。
【0015】なお、このケース体11では、通路凹部2
2の一端側だけに対応して挿通口23が形成されてお
り、他端側は閉塞されている。ベース体10とケース体
11とを互いに組み合わせると、通路凹部17と22、
ガイド溝18aと18b、及びガイド溝19aと19b
とが、それぞれ対向し合うようになっている。
【0016】そして、このベース体10とケース体11
との間で形成される収容空間12内において、各ガイド
溝18a,18b間へ渡るように設けられる上部枢軸2
5により、上側の挟持ローラ14が回動自在に支持さ
れ、各ガイド溝19a,19b間へ渡るように設けられ
る下部枢軸26により、下側の挟持ローラ14が回動自
在に支持される。
【0017】ベース体10のガイド溝18a,19a
は、通路凹部17に臨んだ部位から相互離反するにした
がって左右方向の内法が拡大される形状を有しており、
このうち通路凹部17寄りで、且つ挿脱部材4が挿入さ
れる向き(図1及び図5の各左側)となる部分が、傾斜
した逃げ部28aとして形成されている。またカバー体
11のガイド溝18b,19bについても同様に、通路
凹部22に臨んだ部位から相互離反するにしたがって左
右方向の内法が拡大される形状を有しており、このうち
通路凹部22寄りで、且つ挿脱部材4が挿入される向き
(図1左側及び図6右側)となる部分が、傾斜した逃げ
部28bとして形成されている。
【0018】このようなことから、上部枢軸25の両端
部はガイド溝18a,18b内において、また下部枢軸
26の両端部はガイド溝19a,19b内において、そ
れぞれ、上下方向へ向けて真っ直ぐに移動自在であると
共に、各逃げ部28a,28bに沿って斜め方向にも移
動自在になっている。挟持ローラ14は、所定厚を有し
て形成された中央孔付きの正方形状チップに対して、そ
の一つの隅角部を斜めに切除すると共に、これに隣接す
る一つの隅角部に比較的大きなアール面を施したもの
で、中央孔を枢軸25,26の挿通用孔としてある。
【0019】そして、この挟持ローラ14は、斜めに切
除された部位同士、及びアール面とされた部位同士を上
下で正対させるように、対称配置とされている。なお、
この挟持ローラ14は、金属、樹脂、ゴム等によって形
成することができる。付勢手段13は、挟持ローラ14
に当接可能な平板状の押圧部30を具備して有底筒状に
形成された可動筒体31と、この可動筒体31を挟持ロ
ーラ14へ向けて押圧するコイルスプリング等より成る
弾性部材32とを有している。
【0020】従って、この弾性部材32の弾発力によ
り、可動筒体31の押圧部30が挟持ローラ14に背圧
を付与して、上下の挟持ローラ14を相互近接させるよ
うに付勢するものである。なお、可動筒体31の押圧部
30は、挟持ローラ14に対して付勢力を付加しつつ当
接しているだけであるので、挟持ローラ14は、この押
圧部30の面上を左右方向へ摺動することが可能になっ
ている。
【0021】挿脱部材4は、基部本体36と、この基部
本体36に対して水平進退自在に保持された進退部材3
7と、この進退部材37の先端部に設けられた上下一対
の楔片38,39とを有している。基部本体36には取
付板40が設けられており、この取付板40を介して引
き戸2の適所へねじ止めされる。
【0022】この基部本体36の内部には、進退部材3
7を挿通するための中央孔41が設けられており、この
中央孔41は、基部本体36の他端側へ貫通している。
この中央孔41は、内部に複数の段部が形成されるよう
に軸方向で内径が種々に変えられている。このうち、軸
方向中央部あたりに最も径小となる部分が形成され、こ
の径小部分の両側に、進退部材37の引込み付勢に用い
られるコイルスプリング等の弾性部材42と係合可能な
内向きの段部41aと、進退部材37の引込み度合を規
制するための外向きの段部41bとが設けられている。
【0023】これに対し、進退部材37には、その根元
部に、基部本体36の中央孔41内へ差し込まれる摺動
機軸45が設けられており、この摺動機軸45には、上
記した段部41a,41b間の径小部内へ挿通されるナ
ット尾端46が突出して設けられている。そして、進退
部材37の摺動機軸45には、その軸方向に交差して貫
通しつつ、それでいて軸方向に沿って長い長孔47が設
けられており、基部本体36には、この長孔47内を横
切る状態でガイド軸48が貫設されている。これによ
り、基部本体36に対する進退部材37の進退ストロー
クが制限されている。
【0024】また、進退部材37のナット尾端46に
は、上記弾性部材42を基部本体36の内向きの段部4
1aへ当接させた状態で、これを圧縮可能にしたねじ等
より成る弾力設定具50が連結されている。従って、こ
の進退部材37は、弾力設定具50により基部本体36
の基端側へ引き込まれる方向へ常時付勢されるものであ
る。
【0025】なお、基部本体36における中央孔41の
後部側開口部は、盲ねじ等より成る栓体51により、閉
塞されている。なお、弾力設定具50と栓体51との間
には、両者の干渉を防止するためのクッション材52が
詰められている。進退部材37の先端部には、その上下
両側に、上記した受部材8の挟持ローラ14と係合可能
になる嵌合凹部54(図1参照)が形成されている。ま
た、この嵌合凹部54より先方には、前後方向で二股状
に突出する一対の支持部55(図2参照)が設けられて
いる。
【0026】そして、これら支持部55の相互間で、上
記した両楔片38,39が枢軸56により串刺し状に挟
持保持されている。楔片38,39は、枢軸56を中心
に支持部55の上方及び下方へ向けて揺動自在になって
いる。また両楔片38,39の相互間には、コイルスプ
リング等より成る弾性材58が組み込まれており、相互
離反方向へ付勢されている。
【0027】すなわち、これら楔片38,39は、上下
両側へ張り出して拡開した状態が常時付勢保持され、上
下両側から相互近接方向の外圧が加えられたときに、そ
れらの付勢力に抗してしぼみ方向へ揺動し、縮小するよ
うになる。なお、挿脱部材4は、その軸心をちょうど挟
持ローラ14の間の中央に位置付けるように引き戸2へ
取り付けられるものとなっており、これにより、引き戸
2を戸枠6に対してスライドさせると、挿脱部材4の先
端部が挟持ローラ14間へ確実に挿脱されるようになっ
ている。
【0028】次に、図7乃至図10に基づいて、キャッ
チ装置1の作用を説明する。まず、挿脱部材4を有する
引き戸2を戸枠6内でスライドさせて閉じてゆくと(図
4参照)、図7から図8への移り変わりによって明らか
なように、挿脱部材4の先端部が、両楔片38,39に
おける弾性材58に抗したしぼみ方向への縮小を伴いな
がら受部材8の両挟持ローラ14間へ挿入されてゆく。
【0029】そして、このとき両挟持ローラ14もま
た、付勢手段13に抗して相互離反方向へ押し開かれる
ようになる。なお、このときの両挟持ローラ14の相互
離反移動は、上部枢軸25が上部ガイド溝18a,18
b内を真っ直ぐに上昇し、また下部枢軸26が下部ガイ
ド溝19a,19b内を真っ直ぐに下降するようになっ
ている。
【0030】このようにして、図9に示すように挿脱部
材4の両嵌合凹部54が両挟持ローラ14間の位置に達
すると、挿脱部材4においては弾性材58によって両楔
片38,39が元の拡開状態に戻り、また受部材8にお
いては付勢手段13によって両挟持ローラ14が元の相
互近接状態に戻るので、これら両挟持ローラ14が上下
の各嵌合凹部54と係合する状態になる。
【0031】次に、この状態から今度は引き戸2を開け
ようとすると、図10に示すように挿脱部材4の先端部
が、両楔片38,39における弾性材58に抗したしぼ
み方向への縮小を伴いながら受部材8の両挟持ローラ1
4間から抜け出そうとする。そして、このとき両挟持ロ
ーラ14もまた、付勢手段13に抗して相互離反方向へ
押し開かれるようになる。
【0032】なお、このときの両挟持ローラ14の相互
離反移動において、上部枢軸25は、上部ガイド溝18
a,18b内を逃げ部28a,28bに誘導されつつ、
挿脱部材4の脱出方向(図中左側)へ向けて斜めに上昇
するようになる。また同様に、下部枢軸26は、下部ガ
イド溝19a,19b内を逃げ部28a,28bに誘導
されつつ、挿脱部材4の脱出方向(図中左側)へ向けて
斜めに下降するようになる。
【0033】このようなことから、各嵌合凹部54と挟
持ローラ14との係合は比較的軽い力でも簡単に解除で
きるようになっているので、引き戸2を開けるのに要す
る力も、キャッチ装置1を具備していない状態で引き戸
2を開く場合と殆ど同じ程度で十分となる。ところで、
本実施形態では、受部材8から挿脱部材4を引き抜く段
階において、挿脱部材4の楔片38,39と受部材8の
両挟持ローラ14とが比較的急角度で当接するものとし
てあるし、また両楔片38,39の揺動支点となる枢軸
56は、両挟持ローラ14に対して挿脱部材4の脱出方
向(図10左方)に対する後方側に位置付けられてあ
る。
【0034】そのため、上記したような両楔片38,3
9の縮小や両挟持ローラ14の相互離反移動は、引き戸
2を閉めるときに比べると、やや大きめの力を必要とす
るかのような誤解を生むおそれもある。しかし、本実施
形態ではこれに対処するため、挿脱部材4の先端部が、
弾性部材42を介して進退部材37が基部本体36から
進退自在な構造にしてある。そのため、引き戸2を開き
はじめる最初の段階では、上記した両楔片38,39の
縮小、及び両挟持ローラ14の相互離反移動がすぐに開
始されることにはならず、まず進退部材37が弾性部材
42に抗して基部本体36から突出する(実際には、進
退部材37が受部材8側に引き止められた状態で基部本
体36側が脱出方向へ移動する)状態が、先に起こるよ
うになる。
【0035】すなわち、これによって引き戸2が単独で
少しだけ開く状態となるので、両楔片38,39の縮
小、及び両挟持ローラ14の相互離反移動は、引き戸2
を開く力として勢いが乗りはじめた段階で(動的な力の
作用下において)行われることになる。従って、それだ
け各部の動作が円滑となり、引き戸2を開けるのに要す
る力にとって何ら負担となるものではない。
【0036】ところで、本発明は、上記実施形態に限定
されるものではない。例えば、図11に示すように挿脱
部材4において、基部本体36に対して支持部55を一
体的に設け、この支持部55に対して小型化した進退部
材37を設け、この進退部材37に楔片38,39を設
けるようにしてもよい。この場合、進退部材37の長孔
47内を、支持部55に設けたガイド軸48によって横
切らせるようにして、進退部材37の進退ストロークを
規制してある。
【0037】すなわち、この構造において、嵌合凹部5
4は、進退部材37に対して設けられたものではなく、
基部本体36に対して設けられることになる。なお、図
11に示した状態では、支持部55のガイド軸48に対
し、進退部材37の長孔47がその長手方向の中間位置
で停止するように、弾力設定具50の締め込み具合を調
節してある。すなわち、進退部材37は、左右両側へ向
けて進退自在な状態とされており、受部材8に対して挿
脱部材4を挿入する時点でも、ある程度の緩衝作用が得
られるようになっている。
【0038】一方、受部材8において、図示は省略する
が、挟持ローラ14は、前記実施形態で示したような傾
斜面を一つだけとしたものに限らず、対向する二方、或
いは三方以上に設けたり、円形にしたりして、積極的に
回転を期待させるものとすることが可能である。また、
場合によっては、挟持ローラ14を回転しないものとし
てもよい。
【0039】更に、受部材8や挿脱部材4の取付位置に
ついては、引き戸2の閉鎖時にこれらが互いに係合でき
るような位置であればよく、上記実施形態の場合に限定
されない。即ち、上記実施形態では挿脱部材4を引き戸
2にかつ受部材8を戸枠6に取り付けているが、その逆
に、挿脱部材4を戸枠6にかつ受部材8を引き戸2に取
り付けるようにしてもよい。
【0040】また、戸枠6内に一方の引き戸が固定さ
れ、他方の引き戸2がその一方の引き戸に対して開閉自
在に設けられている場合には、挿脱部材4を固定側の引
き戸又は移動側の引き戸2のいずれか一方に取り付け、
かつ、受部材8を残りの引き戸に取り付けるようにする
こともできる。更に、上記実施形態では、ウィングが滑
動自在な引き戸2である場合に本発明を適用した場合を
例示したが、本発明は、ウィングが揺動自在なドアであ
る場合にも適用することができる。この場合、挿脱部材
4を揺動自在なドアに取り付け、受部材8をそのドアが
開閉自在に枢着されるボックス側に取り付けるようにす
れば、本発明のキャッチ装置を揺動自在なドアのラッチ
装置として機能させることができる。
【0041】また、本発明は、挟持ローラ14の代わり
に板バネ等よりなる挟持部材を採用する場合にも適用す
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
挿脱部材の先端部に上下一対の楔片を拡縮自在に設ける
とともに、これら両楔片を相対的に拡開方向へ付勢する
ようにしたので、ウィングを強く閉じてもこれを戸枠等
のフレームに確実にキャッチできながら、可及的に小さ
い静的力でウィングのキャッチ状態を解除できるように
なり、ウィングの開閉操作を簡便にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャッチ装置を示す正面断面図で
ある。
【図2】図1のA−A線に対応する断面図である。
【図3】図1のB−B線に対応して受部材を示す断面図
である。
【図4】キャッチ装置の使用例を示した正面図である。
【図5】(a)は受部材におけるベース体を示す正面図
であり、(b)は同右側面図である。
【図6】(a)は受部材におけるカバー体を示す裏面図
であり、(b)は同右側面図である。
【図7】キャッチ装置において挿脱部材を受部材へ挿入
させる場合の動作説明図である。
【図8】図7に続く動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】キャッチ装置において挿脱部材を受部材から
脱出させる場合の動作説明図である。
【図11】挿脱部材における先端部の別実施形態を示す
部分正面図である。
【符号の説明】
6 戸枠(フレーム) 2 引き戸(ウィング) 4 挿脱部材 8 受部材 14 挟持ローラ(挟持部材) 54 嵌合凹部 38 楔片(上部) 39 楔片(下部) 1 キャッチ装置 25 枢軸(上部の挟持ローラ用) 26 枢軸(下部の挟持ローラ用) 18a,18b ガイド溝(上部) 19a,19b ガイド溝(下部) 28a 逃げ部(ベース体のもの) 28b 逃げ部(カバー体のもの)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿脱部材(4)と、ウィング(2)の閉
    鎖時に上記挿脱部材(4)の先端部が挿入される受部材
    (8)とを有し、この受部材(8)に挿入された挿脱部
    材(4)の先端部を上下対向状に押圧付勢可能になる一
    対の挟持部材(14)が当該受部材(8)に内装され、
    挿脱部材(4)の先端部の上下部に上記各挟持部材(1
    4)と係脱可能とされる嵌合凹部(54)が設けられた
    ウィングのキャッチ装置において、 前記挿脱部材(4)の先端部に、嵌合凹部(54)より
    先端側に上下両側へ向けて拡縮自在となる上下一対の楔
    片(38,39)が設けられていると共に、これら両楔
    片(38,39)が相対的な拡開方向へ付勢されている
    ことを特徴とするウィングのキャッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記受部材(8)内には、両挟持部材
    (14)を上下動自在にガイドするガイド溝(18a,
    18b)(19a,19b)が設けられ、このガイド溝
    (18a,18b)(19a,19b)には、前記挿脱
    部材(4)が両挟持部材(14)間から脱出するにした
    がって各挟持部材を相互離反方向へ誘導すべく傾斜した
    逃げ部(28a)(28b)が設けられている請求項1
    に記載のウィングのキャッチ装置。
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