JP3066367B1 - 軸封装置 - Google Patents

軸封装置

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JP3066367B1
JP3066367B1 JP11057763A JP5776399A JP3066367B1 JP 3066367 B1 JP3066367 B1 JP 3066367B1 JP 11057763 A JP11057763 A JP 11057763A JP 5776399 A JP5776399 A JP 5776399A JP 3066367 B1 JP3066367 B1 JP 3066367B1
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seal ring
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Abstract

【要約】 【課題】 高粘度流体の漏れを完全に阻止することがで
き、且つシール寿命の大幅な向上を図りうる軸封装置を
提供する。 【解決手段】 回転軸2に設けた回転密封環6とその機
内領域側端面9に対向してシールケース5に設けられた
第一静止密封環7とが非接触状態で相対回転するように
構成された第一非接触形メカニカルシール3と、回転密
封環6とその機外領域側端面10に対向してシールケー
ス5に設けられた第二静止密封環8とが非接触状態で相
対回転するように構成された第二非接触形メカニカルシ
ール4とからなる。シールケース5内には、機内領域H
との間を第一非接触形メカニカルシール3によりシール
され且つ機外領域Lとの間を第二非接触形メカニカルシ
ール4によりシールされたシール領域Sが形成されてい
る。このシール領域Sには、所定圧のシール液52が充
満される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高粘度流体を扱う
回転機器(ラテックスポンプ,高粘度流体ポンプ等)に
使用される軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高粘度流体を扱うラテックスポンプ等の
回転機器における軸封手段としては、一般に、グランド
パッキン、接触形メカニカルシールやナイフエッジシー
ルが使用されている。
【0003】しかし、グランドパッキンを使用した場合
には、機内流体の漏れを完全に阻止することができな
い。また、接触形メカニカルシールは、回転軸に設けた
回転密封環とシールケースに設けた静止密封環との相対
回転摺接作用によりシールするように構成されたもので
あり、グランドパッキンに比して優れたシール機能を発
揮するが、機内流体がラテックス等の高粘度流体である
ために、両密封環間にラテックス等が付着,凝固して、
両密封環が接触不良となる虞れがあり、機内流体の漏れ
を完全に阻止することはできない。また、ナイフエッジ
シールは、両密封環の対向端部の一方を尖端形状をなす
ナイフエッジに形成して、このナイフエッジにより両密
封環間に付着するラテックス等を削り取るように工夫さ
れた接触形メカニカルシールであり、ラテックス等の高
粘度流体を良好にシールしうるものであるが、ナイフエ
ッジが摩耗し易く、長期に亘って良好なシール機能を発
揮することができず、シール寿命が短い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたもので、ラテックス等の高粘度流体
を長期に亘って良好にシールすることができる軸封装置
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、シールケースを洞貫する回転軸に設けた回
転密封環とその機内領域側端面に対向してシールケース
に設けられた第一静止密封環とが非接触状態で相対回転
するように構成された第一非接触形メカニカルシール
と、前記回転密封環とその機外領域側端面に対向してシ
ールケースに設けられた第二静止密封環とが非接触状態
で相対回転するように構成された第二非接触形メカニカ
ルシールとからなる軸封装置を提案する。そして、かか
る軸封装置においては、シールケース内に、回転密封環
の外周側領域であって、機内領域との間を第一非接触形
メカニカルシールによりシールされ且つ機外領域との間
を第二非接触形メカニカルシールによりシールされたシ
ール領域を形成して、このシール領域に所定圧のシール
液を充満させてあり、且つ第一非接触形メカニカルシー
ルが、回転密封環の機内領域側端面である密封端面の外
周側部分に回転密封環の外周面に開口する動圧発生溝を
形成して、回転密封環と第一静止密封環との対向端面間
を非接触状態に保持すべく、当該対向端面間に動圧発生
溝によりシール液による動圧を発生させるように構成さ
れている。シール領域の圧力は、一般に、機内領域より
高圧若しくは同圧となるように設定される。シール液と
しては、機内領域の流体(以下「機内流体」という)の
性状等に応じて機内領域に漏洩しても問題のないもの、
つまり機内流体の組成の一部と同質の低粘性・非凝固性
液が使用される。一般には、機内流体たる高粘度液の溶
媒と同一成分の液体、例えば機内流体が高粘度水溶液で
ある場合には清水がシール液として使用される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明に係る軸封装
置の実施の形態を示したもので、この実施の形態におけ
る軸封装置は、ラテックスポンプ等の高粘度流体を扱う
回転機器のハウジング(以下「機器ハウジング」とい
う)1とポンプ軸等の回転軸2との間に介装されてお
り、回転軸2の軸線方向に並列する第一及び第二非接触
形メカニカルシール3,4により、両メカニカルシール
3,4間に形成されたシール領域Sを介して高粘度流体
領域である機内領域Hと大気領域である機外領域Lとを
遮蔽シールするように構成されている。なお、以下の説
明において左右とは図1(又は図5)における左右を意
味するものとする。
【0007】第一非接触形メカニカルシール3は、回転
軸2に設けられた回転密封環6とその機内領域側(右
側)に配してシールケース5に設けられた第一静止密封
環7とを、後述する如く両密封環6,7の対向端面であ
る密封端面9,23をその間に発生させた動圧により非
接触に保持した状態で、相対回転させることにより、そ
の相対回転部分の内周側領域である機内領域Hとその外
周側領域であるシール領域Sとをシールするように構成
されている。また、第二非接触形メカニカルシール4
は、前記回転密封環6とその機外領域側(左側)に配し
て前記シールケース5に設けられた第二静止密封環8と
を、後述する如く両密封環6,8の対向端面である密封
端面10,27をその間に発生させた動圧により非接触
に保持した状態で、相対回転させることにより、その相
対回転部分の内周側領域である機外領域Lとその外周側
領域であるシール領域Sとをシールするように構成され
ている。
【0008】シールケース5は円筒状をなしており、回
転軸2が同心状に洞貫する状態で機器ハウジング1に取
り付けられている。シールケース5内には、後述する密
封環6,7,8(及びOリング26,30)によりシー
ルされた空間であるシール領域Sが形成されるが、この
シール領域Sには、シールケース5に設けた給液口51
から所定圧のシール液52が供給,充満される。シール
液52としては、高粘度流体(機内流体)に悪影響を及
ぼすことのない液体が使用される。例えば、高粘度流体
の溶媒と同一成分の液体であって機外の大気領域Lに漏
洩しても問題のない清水等が使用される。シール領域S
に充満させるシール液52の圧力は、回転機器の運転中
においてシール領域Sの圧力を機内領域Hの圧力と同一
若しくは若干高くなるように加圧,保持すべく、制御さ
れる。シール領域Sの加圧は回転機器の運転開始に先駆
けて行われ、シール領域Sの加圧解除は回転機器の運転
停止後に行われる。なお、シール液52のシール領域S
への供給手段及び圧力制御手段は周知であり、格別のも
のではないから、その構成等についての説明は省略す
る。
【0009】回転密封環6は、左右両側面を当該密封環
6の軸線に直交する平滑平面たる密封端面9,10に形
成した円環状体であり、回転軸2の外周部に形成した環
状凹部11に、径方向及び軸線方向に変位可能に遊嵌保
持されている。すなわち、回転軸2のシールケース5内
に位置する部分にはスリーブ12が嵌合固定されてお
り、このスリーブ12には、回転軸2と同心状の環状凹
部11が形成されている。この環状凹部11は、その底
面13の径を回転密封環6の内周面14の径より若干小
さく設定すると共にその両側面15,16の対向間隔
(軸線方向間隔)を回転密封環6の軸線方向長さ(厚
み)より若干大きく設定されたもので、回転密封環6を
径方向及び軸線方向に一定範囲で変位可能に遊嵌保持さ
せている。
【0010】また、回転密封環6と環状凹部11との対
向面間には、回転密封環6の径方向及び軸線方向への変
位を弾性変形のみによって許容する複数の環状の弾性部
材、この例では第一及び第二Oリング17,18が装填
されている。すなわち、第一Oリング17は、回転密封
環6の内周面14に圧接された状態で、環状凹部11の
底面13に形成された環状溝19に係合保持されてお
り、回転密封環6の径方向変位を弾性変形により許容す
る。第二Oリング18は、回転密封環6の機外領域側の
側面(左側面)10の内周側部分に圧接された状態で、
環状凹部11の機外領域側の側面(左側面)16に形成
した環状溝20に係合保持されており、回転密封環6の
軸線方向変位を弾性変形により許容する。なお、機内領
域H及びシール領域Sが加圧されない運転停止状態にお
いては、図3に示す如く、回転密封環6の機内領域側の
側面(右側面)9の内周側部分は、第二Oリング18の
弾性力により環状凹部11の機内領域側の側面(右側
面)15に当接されている。
【0011】また、回転密封環6の内周部には、環状凹
部11の底面13に突設したドライブピン21が係合す
る係合凹部22が形成されていて、この係合凹部22と
ドライブピン21との係合作用により、回転軸2(及び
スリーブ12)に対する回転密封環6の相対回転が阻止
されている。係合凹部22は、ドライブピン21が余裕
をもって係合しうる大きさのものとされていて、両者2
1,22の係合作用によっては、第一及び第二Oリング
17,18の弾性変形による回転密封環6の径方向及び
軸線方向への変位が妨げられないように工夫されてい
る。
【0012】また、回転密封環6の密封端面9,10の
外周側部分には、当該密封環6の外周面に開口する適宜
形状の動圧発生溝9a,10aが形成されていて、後述
する如く、静止密封環7,8の密封端面23,27との
間にシール液52による動圧を発生させるようになって
いる。
【0013】第一静止密封環7は、回転密封環6に対向
する端面(左側面)を当該密封環7の軸線に直交する平
滑平面である密封端面23に形成した円環状体であり、
シールケース5の右端部に形成された第一リテーナ部2
4に軸線方向移動可能に内嵌保持されている。第一静止
密封環7とこれを保持する第一リテーナ部24との間に
は、当該密封環7を回転密封環6へと押圧附勢する第一
スプリング25と、当該密封環7の軸線方向移動を許容
しつつ両者7,24間を二次シールするOリング26
と、当該密封環7の軸線方向移動を許容しつつ両者7,
24間の相対回転を阻止するドライブピン手段(図示せ
ず)とが介装されている。
【0014】第二静止密封環8は、第一静止密封環7と
は、配置が左右対象となっている点を除いて、同一の形
状,保持構造をなすものである。すなわち、第二静止密
封環8は、回転密封環6に対向する端面(右側面)を当
該密封環8の軸線に直交する平滑平面である密封端面2
7に形成した円環状体であり、シールケース5の左端部
に形成された第二リテーナ部28に軸線方向移動可能に
内嵌保持されている。第二静止密封環8とこれを保持す
る第二リテーナ部28との間には、当該密封環8を回転
密封環6へと押圧附勢する第二スプリング29と、当該
密封環8の軸線方向移動を許容しつつ両者8,28間を
二次シールするOリング30と、当該密封環8の軸線方
向移動を許容しつつ両者8,28間の相対回転を阻止す
るドライブピン手段(図示せず)とが介装されている。
【0015】なお、シールケース5の第一リテーナ部2
4と回転軸2のスリーブ12との対向周面間には、当該
対向周面間を近接させると共にその一方であるスリーブ
12の外周面に軸線方向に並列する複数の環状溝32…
を形成してなるラビリンスシール31が設けられてい
て、機内流体である高粘性流体の密封端面9,23への
侵入を可及的に防止している。かかる流体侵入防止手段
としては、ラビリンスシール31の他、ネジシールを採
用することも可能である。
【0016】以上のように構成された軸封装置によれ
ば、シール領域Sにシール液52を供給,充満させた状
態で回転機器の運転(回転軸2の回転)を開始すると、
回転密封環6と第一及び第二静止密封環7,8との対向
端面である密封端面9,23及び9,27間に動圧発生
溝9a,10aによりシール液52による動圧が発生し
て、密封端面9,23及び9,27間が非接触状態に保
持される。すなわち、密封端面9,23及び9,27間
に動圧によるシール液膜が形成されて、密封端面9,2
3間に形成されるシール液膜によりシール領域Sと機内
領域Hとの間がシールされると共に、密封端面10,2
7間に形成されるシール液膜によりシール領域Sと機外
領域Lとの間がシールされる。
【0017】このとき、機内領域Hと大気領域Lとの間
には、これらとの間を非接触形メカニカルシール4,5
でシールされるシール領域Sが介在していることから、
シール領域Sが機内領域Hより高圧若しくは同圧として
おくことにより、機内流体の漏れが確実に防止される。
しかも、シール液52として機内流体の溶媒と同一成分
の清水等を使用していることから、これが機内領域Hに
漏洩しても、機内流体が汚染されることがない。
【0018】ところで、密封端面9,23及び10,2
7は非接触状態にあるが、高速で相対回転するために密
封端面間の介在流体の剪断熱により発熱する。したがっ
て、機内領域側の密封端面9,23及びその周辺におい
ては、かかる剪断熱によって機内流体である高粘度流体
が凝固し易く、その凝固物によりシール機能が阻害され
る虞れがある。また、密封端面9,23及び10,27
の発熱により、それらに熱歪が生じる虞れがあり、かか
る熱歪によってシール機能が低下する。さらに、これら
が原因となってシール寿命も低下する。
【0019】しかし、このような剪断熱はシール領域S
に充満するシール液52によって効果的に冷却されるこ
とになるから、剪断熱による上記した問題は生じず、シ
ール機能及びシール寿命の低下は防止される。なお、機
内流体の漏れや汚染はシール領域Sに窒素ガス等のシー
ルガスを供給,充満させておくことによっても防止する
ことが可能であるが、このようなシールガスによっては
シール液52のような効果的な冷却機能は発揮されな
い。
【0020】また、運転停止中において、機内領域側の
密封端面9,23間に機内流体(高粘度流体)が侵入,
凝固する場合があり、かかる場合、運転再開時における
密封端面9,23の相対回転トルクが大きくなり、密封
端面9,23が損傷する虞れがある。しかし、シール液
52として高粘度流体の溶媒と同一成分の清水等を使用
して、運転再開に先駆けてシール領域Sを加圧させるよ
うにしておくと、シール領域Sの加圧と共に、密封端面
9,23間の凝固物がシール液52によって洗い流され
ることになり、上記した虞れは全く生じない。
【0021】ところで、非接触形メカニカルシール3,
4にあっては、両密封端面9,23又は10,27が平
行に保持されていること(以下「密封端面の平行性」と
いう)がシール機能を発揮する上で極めて重要であり、
密封端面の平行性が損なわれると、密封端面9,23又
は10,27間に発生する動圧が不均一となったり、極
端な場合には、動圧発生不良や密封端面9,23又は1
0,27の局部的接触といった不測の事態を生じて、シ
ール機能が低下,喪失することになる。一方、かかる密
封端面の平行性は、当該メカニカルシール構成部材の加
工精度や組み立て精度が低い場合には勿論、メカニカル
シール3,4自体の精度が高い場合にも、種々の外乱的
要因によって損なわれることがある。例えば、シールケ
ース5が取り付けられる機器ハウジング1や回転密封環
6が取り付けられる回転軸2の精度が低い場合には、メ
カニカルシール3,4自体の加工精度や組み立て精度を
如何に高くしても、密封端面の平行性を確保することが
できない。また、メカニカルシール3,4及び回転機器
(機器ハウジング1や回転軸2)の精度が高い場合に
も、機内流体が高温,高圧であるときには、回転機器側
からの熱や圧力等の外乱要因により密封環等のメカニカ
ルシール構成部材や回転機器におけるメカニカルシール
取付部分が変形して、密封端面の平行性が損なわれる虞
れがある。
【0022】しかし、回転密封環6を上記した如くOリ
ング17,18で軸線方向及び径方向に変位可能に保持
させておくと、回転密封環6の姿勢が静止密封環7,8
の姿勢変化に追従変化して、上記したメカニカルシール
3,4自体の精度不良やこれに直結しない外乱要因があ
る場合にも、密封端面の平行性が損なわれることがな
い。
【0023】すなわち、運転開始(回転軸2の回転開
始)に伴って、機内領域Hの圧力が上昇すると、これに
伴って、回転密封環6は機内流体の圧力による押圧力に
よって第二Oリング18を圧縮変形させつつ機外領域側
(左側)へと押圧移動し、図2に示す如く、回転密封環
6の右側面9と環状凹部11の右側面15との間に隙間
が生じ、第一及び第二Oリング17,18の弾性変形の
範囲内で回転密封環6が径方向及び軸線方向に変位でき
る状態となる。
【0024】したがって、例えばシールケース5の機器
ハウジング1への取付精度が不良であったり、シールケ
ース5が熱変形する等により、静止密封環7,8が回転
軸2に対して傾くようなことがあると、図4に例示する
如く、かかる静止密封環7,8の傾きに追従して回転密
封環6が第一及び第二Oリング17,18を弾性変形さ
せつつ径方向及び軸線方向に変位して、その密封端面
9,10が静止密封環7,8の密封端面23,27と平
行となるように傾くことになる。かかる回転密封環6の
変位は、非接触形メカニカルシール3,4の組込時にお
いては静止密封環7,8による直接的な押圧力により、
また運転中においては、発生動圧によるシール液膜を介
した静止密封環7,8による間接的な押圧力によって行
われる。このように、シール組込時又は運転時の何れに
おいても、密封端面の平行性が損なわれるような状態と
なったときは静止密封環7,8の姿勢に応じて回転密封
環6の姿勢が自動的に変更されて、密封端面の平行性が
確保されることになり、非接触形メカニカルシール3,
4によるシール機能が良好に発揮されることになる。そ
して、シールケース5等の加工精度や取付精度を必要以
上に高くしておく必要がなく、また回転機器側からシー
ルケース5等への熱的,圧力的な影響を格別配慮してお
く必要がないから、コスト的にも極めて有利となる。
【0025】また、回転密封環6が上記した如く変位し
た場合(傾いた場合)にも、回転軸2のスリーブ12と
回転密封環6との間は、第一及び第二Oリング17,1
8の少なくとも一方により二次シールされることにな
り、回転密封環6が傾くことにより非接触形メカニカル
シール3,4によるシール機能が損なわれることもな
い。
【0026】なお、本発明は上記した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範
囲において適宜に改良,変更することができる。上記し
たように、非接触形メカニカルシール3,4における密
封端面の平行性を確保するために、回転密封環6と環状
凹部11との対向面間には、回転密封環6の径方向及び
軸線方向への変位を弾性変形のみによって許容する複数
の弾性部材を装填しておくことが好ましいが、かかる弾
性部材の数は任意である。例えば、図5及び図6に示す
如く、上記した第一及び第二Oリング17,18に加え
て、第三Oリング33を、回転密封環6の機内領域側の
側面(右側面)9の内周側部分に圧接させた状態で、環
状凹部11の機内領域側の側面(右側面)15に形成し
た環状溝34に係合保持させて、第二及び第三Oリング
18,33の弾性変形により回転密封環6の軸線方向変
位が許容されるようにしておいてもよい。かかる構成と
した場合にも、上記した場合と同様に、図7に例示する
如く、静止密封環7,8の姿勢に追従して回転密封環6
が径方向及び軸線方向に自動的に変位されることになり
(傾くことになり)、シールケース5の精度不良等に拘
わらず、密封端面の平行性を確保することができる。ま
た、図8に示す如く、回転密封環6の内周角部に環状溝
35を形成して、この環状溝35に環状凹部11の底面
13及び側面15に圧接するOリング36を保持させて
おくことができる。このようにすれば、一つのOリング
36により軸線方向及び径方向の両方向における弾性保
持を行うことができ、弾性部材(Oリング)の数を削減
することができる。また、回転密封環6と環状凹部11
との対向面間に装填される複数の弾性部材は、その少な
くとも一つが回転密封環6と回転軸12との間を二次シ
ールしうるOリングであればよく、すべてをOリングと
しておく必要はない。例えば、二次シールとして機能さ
せる少なくとも一つを除いて、回転密封環6と環状凹部
11との対向面間に装填される弾性部材として、二次シ
ール機能を有しないトレランスリング等の金属スプリン
グ部材を使用しておくことができる。
【0027】また、各非接触形メカニカルシール3,4
は、上記した如く、密封端面9,23又は10,27間
に動圧を発生させるように構成する他、密封端面9,2
3又は10,27をその間に静圧を供給させることによ
り非接触状態に保持するように構成しておくこともでき
る。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明の軸封装置によれば、高粘度流体の漏れを完全に阻止
することができ、しかもシール寿命の大幅な向上を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す半截の縦断側面図で
ある。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断側面図である。
【図3】図2と異なる状態を示す図2相当の縦断側面図
である。
【図4】図2及び図3と異なる状態を示す図2相当の縦
断側面図である。
【図5】変形例を示す図1対応の半截の縦断側面図であ
る。
【図6】図5の要部を拡大して示す縦断側面図である。
【図7】図6と異なる状態を示す図6相当の縦断側面図
である。
【図8】他の変形例を示す図6対応の縦断側面図であ
る。
【符号の説明】 1…機器ハウジング、2…回転軸、3…第一非接触形メ
カニカルシール、4…第二非接触形メカニカルシール、
5…シールケース、6…回転密封環、7…第一静止密封
環、8…第二静止密封環、9,10,23,27…密封
端面、9a,10a…動圧発生溝、52…シール液、H
…高粘度流体領域(機内領域)、L…大気領域(機外領
域)、S…シール領域。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールケースを洞貫する回転軸に設けた
    回転密封環とその機内領域側端面に対向してシールケー
    スに設けられた第一静止密封環とが非接触状態で相対回
    転するように構成された第一非接触形メカニカルシール
    と、前記回転密封環とその機外領域側端面に対向してシ
    ールケースに設けられた第二静止密封環とが非接触状態
    で相対回転するように構成された第二非接触形メカニカ
    ルシールとからなる軸封装置であって、 シールケース内に、回転密封環の外周側領域であって、
    機内領域との間を第一非接触形メカニカルシールにより
    シールされ且つ機外領域との間を第二非接触形メカニカ
    ルシールによりシールされたシール領域を形成して、こ
    のシール領域に所定圧のシール液を充満させてあり、 第一非接触形メカニカルシールが、回転密封環の機内領
    域側端面の外周側部分に回転密封環の外周面に開口する
    動圧発生溝を形成して、回転密封環と第一静止密封環と
    の対向端面間を非接触状態に保持すべく、当該対向端面
    間に動圧発生溝によりシール液による動圧を発生させる
    ように構成されていることを特徴とする軸封装置。
JP11057763A 1999-03-04 1999-03-04 軸封装置 Expired - Fee Related JP3066367B1 (ja)

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