JP3066005B1 - 内燃機関の失火検出方法及び装置 - Google Patents
内燃機関の失火検出方法及び装置Info
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- JP3066005B1 JP3066005B1 JP11043068A JP4306899A JP3066005B1 JP 3066005 B1 JP3066005 B1 JP 3066005B1 JP 11043068 A JP11043068 A JP 11043068A JP 4306899 A JP4306899 A JP 4306899A JP 3066005 B1 JP3066005 B1 JP 3066005B1
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Abstract
【要約】
【課題】 信頼性の高い失火判別基準を得る。
【解決手段】 出力軸の回転角速度を、その計測各時点
の回転角に対応して計測するとともに、平均回転角速度
との差を角速度変動量Fnとして求め、さらに、予め求
められている角速度変動量基準Fsと、角速度変動量F
nとに基づいて、角速度変動差Gを導出するとともに、
導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内
にある角速度変動差量Daを導出し、この角速度変動差
量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別するに、
正常運転状態と見なせる第1運転状態において、角速度
変動差量Daを複数回検出し、角速度変動差量Daを確
率関数とする角速度変動差量Daの確率分布を求め、求
められる確率分布に基づいて、異常燃焼領域を判別する
ための角速度変動差量基準値Dtを設定し、内燃機関の
失火を検出する。
の回転角に対応して計測するとともに、平均回転角速度
との差を角速度変動量Fnとして求め、さらに、予め求
められている角速度変動量基準Fsと、角速度変動量F
nとに基づいて、角速度変動差Gを導出するとともに、
導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内
にある角速度変動差量Daを導出し、この角速度変動差
量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別するに、
正常運転状態と見なせる第1運転状態において、角速度
変動差量Daを複数回検出し、角速度変動差量Daを確
率関数とする角速度変動差量Daの確率分布を求め、求
められる確率分布に基づいて、異常燃焼領域を判別する
ための角速度変動差量基準値Dtを設定し、内燃機関の
失火を検出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用多気筒内燃
機関の燃焼不良及び失火を検出するためのものである。
機関の燃焼不良及び失火を検出するためのものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の失火を検出する従来の装置と
して、特殊なセンサを取付けて燃焼状態を検出したり、
排気ポート近傍に温度センサを取り付けて失火時におけ
る排気温度の低下を判定したりするもの、あるいは回転
変動を検出して回転速度の低下を検出して失火検出を行
うものがある。
して、特殊なセンサを取付けて燃焼状態を検出したり、
排気ポート近傍に温度センサを取り付けて失火時におけ
る排気温度の低下を判定したりするもの、あるいは回転
変動を検出して回転速度の低下を検出して失火検出を行
うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
よれば、 1.回転変動検出型の失火検出装置において、失火以外
の負荷変動等の要因から回転角速度が変化した場合に、
これを誤検出する場合がある。 2.発電機のエンジンのように通常失火が発生していて
もある程度の運転が可能な場合、エンジンを緊急に停止
し故障を回復することは、電力供給の安定性を欠くこと
になる。換言すると、合理的に判定基準の設定をおこな
う必要がある。但し、エンジンの故障、事故が発生する
ような状態では電力供給を停止してでもエンジンを停止
しなければならない。このために失火、燃焼不良のよう
に失火の度合いを示す量(本願において失火量と呼ぶ)
の検出が必要となるため、できるだけ各気筒の爆発力に
依存する値を使用することが要求される。単に回転変動
の絶対値を用いていると負荷毎に通常に発生する爆発力
も異なるために失火量をその変動量から直接推定するこ
とができない。 3.回転変動検出において、負荷の状態によりエンジン
の回転変動の傾向が異なるため、一つの方法によって回
転変動を検出するとある負荷では精度がよいが別の負荷
では精度が悪くなることがある。これはエンジンの負荷
量により、エンジンの回転特性が変化するからであり、
またエンジンの回転数が変化すると負荷側に影響が及び
さらに負荷が変動するためである。このために固定され
た解析方法だけでは必要とするパラメータが大きくなり
すぎ対応しにくいという欠点がある。
よれば、 1.回転変動検出型の失火検出装置において、失火以外
の負荷変動等の要因から回転角速度が変化した場合に、
これを誤検出する場合がある。 2.発電機のエンジンのように通常失火が発生していて
もある程度の運転が可能な場合、エンジンを緊急に停止
し故障を回復することは、電力供給の安定性を欠くこと
になる。換言すると、合理的に判定基準の設定をおこな
う必要がある。但し、エンジンの故障、事故が発生する
ような状態では電力供給を停止してでもエンジンを停止
しなければならない。このために失火、燃焼不良のよう
に失火の度合いを示す量(本願において失火量と呼ぶ)
の検出が必要となるため、できるだけ各気筒の爆発力に
依存する値を使用することが要求される。単に回転変動
の絶対値を用いていると負荷毎に通常に発生する爆発力
も異なるために失火量をその変動量から直接推定するこ
とができない。 3.回転変動検出において、負荷の状態によりエンジン
の回転変動の傾向が異なるため、一つの方法によって回
転変動を検出するとある負荷では精度がよいが別の負荷
では精度が悪くなることがある。これはエンジンの負荷
量により、エンジンの回転特性が変化するからであり、
またエンジンの回転数が変化すると負荷側に影響が及び
さらに負荷が変動するためである。このために固定され
た解析方法だけでは必要とするパラメータが大きくなり
すぎ対応しにくいという欠点がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑
み、電子制御エンジンで使用されている回転速度検出セ
ンサ等や発電電力信号を流用し、低コストで精度良くエ
ンジンの異常燃焼、失火の量を測定し、判別できる失火
検出装置を提供することを目的とする。
み、電子制御エンジンで使用されている回転速度検出セ
ンサ等や発電電力信号を流用し、低コストで精度良くエ
ンジンの異常燃焼、失火の量を測定し、判別できる失火
検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による内燃機関の失火検出方法の特徴構成は、
請求項1に記載されているように、内燃機関の出力軸の
回転角速度を、その計測各時点の回転角に対応して、波
形として計測するとともに、前記計測される回転角速度
と、前記回転角速度を計測する計測時点以前の一定期間
の平均回転角速度との差を角速度変動量Fnとし、正常
な回転であることが明らかな状態で、前記計測各時点の
出力軸の回転角に対応して、波形として予め求められて
いる角速度変動量基準Fsと、前記計測各時点で導出さ
れる前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変動差
Gを導出するとともに、導出される前記角速度変動差G
に基づいて、所定行程内にある角速度変動差量Daを導
出するとともに、前記角速度変動差量Daに基づいて、
内燃機関の失火状態を判別する内燃機関の失火検出方法
であって、正常運転状態と見なせる第1運転状態におい
て、前記角速度変動差量Daを複数回検出し、前記角速
度変動差量Daを確率関数とする前記角速度変動差量D
aの確率分布を第1確率分布として求め、求められる前
記角速度変動差量Daの第1確率分布に基づいて、異常
燃焼領域を判別するための角速度変動差量基準値Dtを
設定し、前記角速度変動差量基準値Dtに基づいて内燃
機関の失火を検出する。この手法を採用する場合は、失
火の判別指標として、角速度変動差量を採用し、予め正
常な運転状態にある内燃機関の運転を行い、この運転状
態において得られる角速度変動差量Daの統計的データ
を、確率変数と見なして、その発生確率が非常に低い場
合に、異常が発生しているとみなす。このようにするこ
とにより、検出対象の内燃機関の実情に合致した失火検
出をおこなうことができる。この場合にあって、角速度
変動差量Daの導出にあたって、後に示す実施の形態で
示すように、内燃機関にかかる負荷変動による角速度変
動を除く、異常な変動を検出して判別を行うものとする
と、判別の信頼性を高めることができる。
の本発明による内燃機関の失火検出方法の特徴構成は、
請求項1に記載されているように、内燃機関の出力軸の
回転角速度を、その計測各時点の回転角に対応して、波
形として計測するとともに、前記計測される回転角速度
と、前記回転角速度を計測する計測時点以前の一定期間
の平均回転角速度との差を角速度変動量Fnとし、正常
な回転であることが明らかな状態で、前記計測各時点の
出力軸の回転角に対応して、波形として予め求められて
いる角速度変動量基準Fsと、前記計測各時点で導出さ
れる前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変動差
Gを導出するとともに、導出される前記角速度変動差G
に基づいて、所定行程内にある角速度変動差量Daを導
出するとともに、前記角速度変動差量Daに基づいて、
内燃機関の失火状態を判別する内燃機関の失火検出方法
であって、正常運転状態と見なせる第1運転状態におい
て、前記角速度変動差量Daを複数回検出し、前記角速
度変動差量Daを確率関数とする前記角速度変動差量D
aの確率分布を第1確率分布として求め、求められる前
記角速度変動差量Daの第1確率分布に基づいて、異常
燃焼領域を判別するための角速度変動差量基準値Dtを
設定し、前記角速度変動差量基準値Dtに基づいて内燃
機関の失火を検出する。この手法を採用する場合は、失
火の判別指標として、角速度変動差量を採用し、予め正
常な運転状態にある内燃機関の運転を行い、この運転状
態において得られる角速度変動差量Daの統計的データ
を、確率変数と見なして、その発生確率が非常に低い場
合に、異常が発生しているとみなす。このようにするこ
とにより、検出対象の内燃機関の実情に合致した失火検
出をおこなうことができる。この場合にあって、角速度
変動差量Daの導出にあたって、後に示す実施の形態で
示すように、内燃機関にかかる負荷変動による角速度変
動を除く、異常な変動を検出して判別を行うものとする
と、判別の信頼性を高めることができる。
【0006】このような手法により内燃機関の失火の判
別をおこなう装置としては、請求項4に記載しているよ
うに、内燃機関の出力軸の回転角速度を、その計測各時
点の回転角に対応して、波形として計測するとともに、
前記計測される回転角速度と、前記回転角速度を計測す
る計測時点以前の一定期間の平均回転角速度との差を角
速度変動量Fnとして導出する角速度変動量導出手段
と、前記角速度変動量導出手段により、正常な回転であ
ることが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回
転角に対応して、波形として予め求められている角速度
変動量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角
速度変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出す
る角速度差導出手段と、前記角速度差導出手段により導
出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内に
ある角速度変動差量Daを導出するとともに、前記角速
度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別
する失火判別手段を備えた内燃機関の失火検出装置であ
って、正常運転状態と見なせる第1運転状態において、
前記角速度変動差量Daを確率関数とする前記角速度変
動差量Daの確率分布を求め、求められる前記角速度変
動差量Daの確率分布に基づいて、異常燃焼領域を判別
するための角速度変動差量基準値Dtを設定するととも
に、失火判別手段が前記角速度変動差量基準値Dtに基
づいて内燃機関の失火を検出する構成とすることで、目
的を達成できる。
別をおこなう装置としては、請求項4に記載しているよ
うに、内燃機関の出力軸の回転角速度を、その計測各時
点の回転角に対応して、波形として計測するとともに、
前記計測される回転角速度と、前記回転角速度を計測す
る計測時点以前の一定期間の平均回転角速度との差を角
速度変動量Fnとして導出する角速度変動量導出手段
と、前記角速度変動量導出手段により、正常な回転であ
ることが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回
転角に対応して、波形として予め求められている角速度
変動量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角
速度変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出す
る角速度差導出手段と、前記角速度差導出手段により導
出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内に
ある角速度変動差量Daを導出するとともに、前記角速
度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別
する失火判別手段を備えた内燃機関の失火検出装置であ
って、正常運転状態と見なせる第1運転状態において、
前記角速度変動差量Daを確率関数とする前記角速度変
動差量Daの確率分布を求め、求められる前記角速度変
動差量Daの確率分布に基づいて、異常燃焼領域を判別
するための角速度変動差量基準値Dtを設定するととも
に、失火判別手段が前記角速度変動差量基準値Dtに基
づいて内燃機関の失火を検出する構成とすることで、目
的を達成できる。
【0007】更なる上記の目的を達成するとめの本願の
内燃機関の失火検出方法の特徴構成は、請求項2に記載
されているように、内燃機関の出力軸の回転角速度を、
その計測各時点の回転角に対応して、波形 として計測す
るとともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角
速度を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速
度との差を角速度変動量Fnとし、正常な回転であるこ
とが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回転角
に対応して、波形として予め求められている角速度変動
量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角速度
変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出すると
ともに、導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所
定行程内にある角速度変動差量Daを導出するととも
に、前記角速度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失
火状態を判別する内燃機関の失火検出方法であって、正
常運転状態と見なせる第1運転状態において、前記角速
度変動差量Daを複数回検出し、前記角速度変動差量D
aの代表値(例えば平均値)である第1代表値を求める
とともに、強制失火運転状態と見なせる第2運転状態に
おいて、前記角速度変動差量Daを複数回検出し、前記
角速度変動差量Daの代表値(例えば平均値)である第
2代表値を求め、前記第1代表値と前記第2代表値との
差である単位失火平均角速度変動差量Dmと、運転状態
にある内燃機関において計測される角速度変動差量Da
との関係から、失火量を求めることにある。この方法に
おいて、失火量として定義される量は、失火頻度と呼べ
るものであり、従来、このような失火量は知られていな
い。この手法にあっては、第1運転状態における角速度
変動差量Daの統計的分布を求めるとともに、例えば、
その平均値を第1代表値として求める。この第1代表値
は、機関が正常な運転状態にある場合に発生する回転変
動から求まる角速度変動差量である。一方、第2運転状
態における角速度変動差量Daの統計的分布を求めると
ともに、例えば、その平均値を第2代表値として求め
る。この第2代表値は、機関が単位失火を発生する場合
に発生する回転変動から求まる角速度変動差量である。
例えば、このデータは、多気筒内燃機関において、単一
の気筒を強制的に失火させて、その状態に於けるデータ
を収集し、角速度変動差量の平均値を求めることで、こ
れを得ることができる。さて、ここで、第1代表値と第
2代表値との差は、単位失火平均角速度変動差量Dmと
見なせるため、この単位失火平均角速度変動差量Dm
と、運転状態にある内燃機関において計測される角速度
変動差量Daとの関係(例えば、その比)を取ると、こ
の値が、失火頻度を代表する値となる。このようにして
失火量を知ることにより、この失火基準で、機関の失火
状態の評価、失火判別をおこなうことができる。
内燃機関の失火検出方法の特徴構成は、請求項2に記載
されているように、内燃機関の出力軸の回転角速度を、
その計測各時点の回転角に対応して、波形 として計測す
るとともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角
速度を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速
度との差を角速度変動量Fnとし、正常な回転であるこ
とが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回転角
に対応して、波形として予め求められている角速度変動
量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角速度
変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出すると
ともに、導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所
定行程内にある角速度変動差量Daを導出するととも
に、前記角速度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失
火状態を判別する内燃機関の失火検出方法であって、正
常運転状態と見なせる第1運転状態において、前記角速
度変動差量Daを複数回検出し、前記角速度変動差量D
aの代表値(例えば平均値)である第1代表値を求める
とともに、強制失火運転状態と見なせる第2運転状態に
おいて、前記角速度変動差量Daを複数回検出し、前記
角速度変動差量Daの代表値(例えば平均値)である第
2代表値を求め、前記第1代表値と前記第2代表値との
差である単位失火平均角速度変動差量Dmと、運転状態
にある内燃機関において計測される角速度変動差量Da
との関係から、失火量を求めることにある。この方法に
おいて、失火量として定義される量は、失火頻度と呼べ
るものであり、従来、このような失火量は知られていな
い。この手法にあっては、第1運転状態における角速度
変動差量Daの統計的分布を求めるとともに、例えば、
その平均値を第1代表値として求める。この第1代表値
は、機関が正常な運転状態にある場合に発生する回転変
動から求まる角速度変動差量である。一方、第2運転状
態における角速度変動差量Daの統計的分布を求めると
ともに、例えば、その平均値を第2代表値として求め
る。この第2代表値は、機関が単位失火を発生する場合
に発生する回転変動から求まる角速度変動差量である。
例えば、このデータは、多気筒内燃機関において、単一
の気筒を強制的に失火させて、その状態に於けるデータ
を収集し、角速度変動差量の平均値を求めることで、こ
れを得ることができる。さて、ここで、第1代表値と第
2代表値との差は、単位失火平均角速度変動差量Dmと
見なせるため、この単位失火平均角速度変動差量Dm
と、運転状態にある内燃機関において計測される角速度
変動差量Daとの関係(例えば、その比)を取ると、こ
の値が、失火頻度を代表する値となる。このようにして
失火量を知ることにより、この失火基準で、機関の失火
状態の評価、失火判別をおこなうことができる。
【0008】このような失火量を求めるための失火判別
装置は、請求項5に記載されているように、内燃機関の
出力軸の回転角速度を、その計測各時点の回転角に対応
して、波形として計測するとともに、前記計測される回
転角速度と、前記回転角速度を計測する計測時点以前の
一定期間の平均回転角速度との差を角速度変動量Fnと
して導出する角速度変動量導出手段と、前記角速度変動
量導出手段により、正常な回転であることが明らかな状
態で、前記計測各時点の出力軸の回転角に対応して、波
形として予め求められている角速度変動量基準Fsと、
前記計測各時点で導出される前記角速度変動量Fnとに
基づいて、角速度変動差Gを導出する角速度差導出手段
と、前記角速度差導出手段により導出される前記角速度
変動差Gに基づいて、所定行程内にある角速度変動差量
Daを導出するとともに、前記角速度変動差量Daに基
づいて、内燃機関の失火状態を判別する失火判別手段を
備えた内燃機関の失火検出装置であって、正常運転状態
と見なせる第1運転状態における前記角速度変動差量D
aの代表値を第1代表値と、強制失火運転状態と見なせ
る第2運転状態における前記角速度変動差量Daの代表
値を、第2代表値として、前記第1代表値と前記第2代
表値との差である単位失火平均角速度変動差量Dmと、
運転状態にある内燃機関において計測される角速度変動
差量Daとの関係から、失火量を求める失火量判別手段
を備えて、構成できる。
装置は、請求項5に記載されているように、内燃機関の
出力軸の回転角速度を、その計測各時点の回転角に対応
して、波形として計測するとともに、前記計測される回
転角速度と、前記回転角速度を計測する計測時点以前の
一定期間の平均回転角速度との差を角速度変動量Fnと
して導出する角速度変動量導出手段と、前記角速度変動
量導出手段により、正常な回転であることが明らかな状
態で、前記計測各時点の出力軸の回転角に対応して、波
形として予め求められている角速度変動量基準Fsと、
前記計測各時点で導出される前記角速度変動量Fnとに
基づいて、角速度変動差Gを導出する角速度差導出手段
と、前記角速度差導出手段により導出される前記角速度
変動差Gに基づいて、所定行程内にある角速度変動差量
Daを導出するとともに、前記角速度変動差量Daに基
づいて、内燃機関の失火状態を判別する失火判別手段を
備えた内燃機関の失火検出装置であって、正常運転状態
と見なせる第1運転状態における前記角速度変動差量D
aの代表値を第1代表値と、強制失火運転状態と見なせ
る第2運転状態における前記角速度変動差量Daの代表
値を、第2代表値として、前記第1代表値と前記第2代
表値との差である単位失火平均角速度変動差量Dmと、
運転状態にある内燃機関において計測される角速度変動
差量Daとの関係から、失火量を求める失火量判別手段
を備えて、構成できる。
【0009】さて、上記のようにして失火量を得る場合
にあって、請求項3に記載されているように、判定基準
失火量に対する角速度変動差量判定基準値Dtfを、前
記単位失火平均角速度変動差量Dmから予め求めてお
き、計測される角速度変動差量Daが、前記角速度変動
差量判定基準値Dtfを越えた場合に、失火情報を発生
するように構成することが好ましい。このようにしてお
くと、合理的な基準で、比較的簡単な構成で失火判別を
行える。この構成に対応する装置構成は、請求項6に記
載されているように、判定基準失火量に対する角速度変
動差量判定基準値Dtfを、前記単位失火平均角速度変
動差量Dmから求め、計測される角速度変動差量Da
が、前記角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場合
に、失火情報を発生する構成することで、本願所望の構
成の内燃機関の失火検出装置を得ることができる。
にあって、請求項3に記載されているように、判定基準
失火量に対する角速度変動差量判定基準値Dtfを、前
記単位失火平均角速度変動差量Dmから予め求めてお
き、計測される角速度変動差量Daが、前記角速度変動
差量判定基準値Dtfを越えた場合に、失火情報を発生
するように構成することが好ましい。このようにしてお
くと、合理的な基準で、比較的簡単な構成で失火判別を
行える。この構成に対応する装置構成は、請求項6に記
載されているように、判定基準失火量に対する角速度変
動差量判定基準値Dtfを、前記単位失火平均角速度変
動差量Dmから求め、計測される角速度変動差量Da
が、前記角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場合
に、失火情報を発生する構成することで、本願所望の構
成の内燃機関の失火検出装置を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本願の失火検出装置10
0の機能ブロック図である。図1に示すように、失火検
出装置100は、内燃機関の出力軸の回転角速度を、そ
の計測各時点の回転角に対応して計測する角速度計測手
段101を備え、前記回転角速度を計測する計測時点以
前の一定期間の平均回転角速度と前記角速度計測手段1
01により計測される回転角速度との差を、前記計測各
時点において、角速度変動量Fnとして導出する角速度
変動量導出手段102と、前記計測各時点での該内燃機
関の出力を発電電力から計測する負荷状況計測手段10
3とを、主な計測系として備えている。さらに、正常な
回転であることが明らかな状態で、前記計測各時点の出
力軸の回転角に対応して予め求められている角速度変動
量基準Fsを生成する基準角速度変動量発生手段104
を備えるとともに、この角速度変動量基準Fsと、前記
計測各時点で前記角速度変動量導出手段104により導
出される前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変
動差Gを求める角速度差導出手段105を複数備えてい
る。この角速度差導出手段105にあっては、このよう
な手段が複数備えられており、予め設定された回転範囲
において計測される前記角速度変動量Fnと前記角速度
変動量基準Fsとの関係に基づいて前記角速度変動差G
を導出するに、例えば、前記角速度変動量基準Fsと前
記角速度変動量Fnとの差を、前記角速度変動差Gとす
る第1導出手段105aと、前記角速度変動量Fnが前
記角速度変動量基準Fsより大きい場合に、前記角速度
変動差Gを0と、前記前記角速度変動量Fnが前記角速
度変動量基準Fsより小さい場合に、前記前記角速度変
動量基準Fsと前記角速度変動量Fnとの差を、前記角
速度変動差Gとする第2導出手段105bとを備えてい
る。
に基づいて説明する。図1は、本願の失火検出装置10
0の機能ブロック図である。図1に示すように、失火検
出装置100は、内燃機関の出力軸の回転角速度を、そ
の計測各時点の回転角に対応して計測する角速度計測手
段101を備え、前記回転角速度を計測する計測時点以
前の一定期間の平均回転角速度と前記角速度計測手段1
01により計測される回転角速度との差を、前記計測各
時点において、角速度変動量Fnとして導出する角速度
変動量導出手段102と、前記計測各時点での該内燃機
関の出力を発電電力から計測する負荷状況計測手段10
3とを、主な計測系として備えている。さらに、正常な
回転であることが明らかな状態で、前記計測各時点の出
力軸の回転角に対応して予め求められている角速度変動
量基準Fsを生成する基準角速度変動量発生手段104
を備えるとともに、この角速度変動量基準Fsと、前記
計測各時点で前記角速度変動量導出手段104により導
出される前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変
動差Gを求める角速度差導出手段105を複数備えてい
る。この角速度差導出手段105にあっては、このよう
な手段が複数備えられており、予め設定された回転範囲
において計測される前記角速度変動量Fnと前記角速度
変動量基準Fsとの関係に基づいて前記角速度変動差G
を導出するに、例えば、前記角速度変動量基準Fsと前
記角速度変動量Fnとの差を、前記角速度変動差Gとす
る第1導出手段105aと、前記角速度変動量Fnが前
記角速度変動量基準Fsより大きい場合に、前記角速度
変動差Gを0と、前記前記角速度変動量Fnが前記角速
度変動量基準Fsより小さい場合に、前記前記角速度変
動量基準Fsと前記角速度変動量Fnとの差を、前記角
速度変動差Gとする第2導出手段105bとを備えてい
る。
【0011】さらに、複数の角速度差導出手段105に
より求まる角速度変動差Gに基づいて、所定行程内にあ
る角速度変動差量Daを導出するとともに、この角速度
変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別す
る失火判別手段106を備えている。この失火判別手段
106には、変動差量導出手段107が備えられてお
り、この手段が、複数の角速度差導出手段105により
求まる角速度変動差Gに基づいて、所定行程内にある角
速度変動差量Daを導出する。例えば、前記第1導出手
段及び前記第2導出手段によりそれぞれ求まる前記角速
度変動差Gと、負荷に依存し、各導出手段に対応した分
布関数Ka,Kbに基づいて、前記角速度変動差量Da
を求める。判別に必要な角速度変動差量基準値Dtは、
異常変動量導出手段108により出力される構成が採用
されている。また、失火判別手段106に於ける判別
は、例えば、前記第1導出手段105a、もしくは第2
導出手段105bにより導出される角速度変動差Gに基
づいて導出される前記角速度変動差量Daが、内燃機関
の判別すべき失火量の角速度変動差量基準値Dtより大
きい場合に、失火異常と判別する。
より求まる角速度変動差Gに基づいて、所定行程内にあ
る角速度変動差量Daを導出するとともに、この角速度
変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判別す
る失火判別手段106を備えている。この失火判別手段
106には、変動差量導出手段107が備えられてお
り、この手段が、複数の角速度差導出手段105により
求まる角速度変動差Gに基づいて、所定行程内にある角
速度変動差量Daを導出する。例えば、前記第1導出手
段及び前記第2導出手段によりそれぞれ求まる前記角速
度変動差Gと、負荷に依存し、各導出手段に対応した分
布関数Ka,Kbに基づいて、前記角速度変動差量Da
を求める。判別に必要な角速度変動差量基準値Dtは、
異常変動量導出手段108により出力される構成が採用
されている。また、失火判別手段106に於ける判別
は、例えば、前記第1導出手段105a、もしくは第2
導出手段105bにより導出される角速度変動差Gに基
づいて導出される前記角速度変動差量Daが、内燃機関
の判別すべき失火量の角速度変動差量基準値Dtより大
きい場合に、失火異常と判別する。
【0012】一方、同図に示すように、失火判別手段1
06から、計測・導出される角速度変動差量Daが、前
記基準角速度発生手段104に送られる構成が採用され
ているが、この手段は、前記失火判別の基準に従い、前
記角速度変動量基準Fsを、前記角速度変動差量Daに
応じて更新する変動量基準更新手段を備えている。即
ち、基準角速度発生手段104は、変動量基準更新手段
109としての機能を備えている。
06から、計測・導出される角速度変動差量Daが、前
記基準角速度発生手段104に送られる構成が採用され
ているが、この手段は、前記失火判別の基準に従い、前
記角速度変動量基準Fsを、前記角速度変動差量Daに
応じて更新する変動量基準更新手段を備えている。即
ち、基準角速度発生手段104は、変動量基準更新手段
109としての機能を備えている。
【0013】さらに、本願の内燃機関の失火検出装置に
は、図1に示されるように、正常運転状態と見なせる運
転状態において、前記角速度変動差量Daを確率関数と
する前記角速度変動差量Daの確率分布を求め、求めら
れる前記角速度変動差量Daの確率分布に基づいて、異
常燃焼領域を判別するための角速度変動差量基準値Dt
を設定する異常変動量導出手段108が備えられてい
る。この角速度変動差量基準値Dtは、失火判別の基準
値であり、異常変動量導出手段108より、失火判別手
段106にこの基準値が出力される構成が採用されてい
る。
は、図1に示されるように、正常運転状態と見なせる運
転状態において、前記角速度変動差量Daを確率関数と
する前記角速度変動差量Daの確率分布を求め、求めら
れる前記角速度変動差量Daの確率分布に基づいて、異
常燃焼領域を判別するための角速度変動差量基準値Dt
を設定する異常変動量導出手段108が備えられてい
る。この角速度変動差量基準値Dtは、失火判別の基準
値であり、異常変動量導出手段108より、失火判別手
段106にこの基準値が出力される構成が採用されてい
る。
【0014】以上が、一応の失火検出の構成であるが、
本願にあっては、失火頻度に相当する内燃機関の動作状
態量(この状態量を本願にあっては失火量と呼ぶ)も出
力できるように構成されている。即ち、図1の、最も右
側の機能ブロックに示すように、失火量推定基準値導出
手段110と、この失火量推定基準値導出手段110に
より導出される失火量推定基準値(これは、本願にあっ
ては、実際上、後に示す単位失火平均角速度変動差量D
mである)に基づいて、失火量を導出するとともに、こ
れを所定の基準に基づいて判別する失火量判別手段11
1を備えている。
本願にあっては、失火頻度に相当する内燃機関の動作状
態量(この状態量を本願にあっては失火量と呼ぶ)も出
力できるように構成されている。即ち、図1の、最も右
側の機能ブロックに示すように、失火量推定基準値導出
手段110と、この失火量推定基準値導出手段110に
より導出される失火量推定基準値(これは、本願にあっ
ては、実際上、後に示す単位失火平均角速度変動差量D
mである)に基づいて、失火量を導出するとともに、こ
れを所定の基準に基づいて判別する失火量判別手段11
1を備えている。
【0015】ここで、失火量推定基準値導出手段110
は、正常運転状態と見なせる第1運転状態における前記
角速度変動差量Daの平均値を第1代表値とし、制失火
運転状態と見なせる第2運転状態における前記角速度変
動差量Daの平均値を、第2代表値として、前記第1代
表値と前記第2代表値との差である単位失火平均角速度
変動差量Dmを導出するものである。この単位失火平均
角速度変動差量Dmと、運転状態にある内燃機関におい
て計測される角速度変動差量Daとの関係から、失火量
が、失火量判別手段111によって求められる。さら
に、予め設定される判定基準失火量に対する角速度変動
差量判定基準値Dtfは、前記単位失火平均角速度変動
差量Dmとの関係から求められるため、この失火量判別
手段111にあっては、計測される角速度変動差量Da
が、角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場合に、
失火情報を発生するように構成されている。以上が、概
略的な装置のブロック構成である。
は、正常運転状態と見なせる第1運転状態における前記
角速度変動差量Daの平均値を第1代表値とし、制失火
運転状態と見なせる第2運転状態における前記角速度変
動差量Daの平均値を、第2代表値として、前記第1代
表値と前記第2代表値との差である単位失火平均角速度
変動差量Dmを導出するものである。この単位失火平均
角速度変動差量Dmと、運転状態にある内燃機関におい
て計測される角速度変動差量Daとの関係から、失火量
が、失火量判別手段111によって求められる。さら
に、予め設定される判定基準失火量に対する角速度変動
差量判定基準値Dtfは、前記単位失火平均角速度変動
差量Dmとの関係から求められるため、この失火量判別
手段111にあっては、計測される角速度変動差量Da
が、角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場合に、
失火情報を発生するように構成されている。以上が、概
略的な装置のブロック構成である。
【0016】以下、図2〜図14を参照しながら、それ
ぞれの手段の構成、動作に関して説明する。
ぞれの手段の構成、動作に関して説明する。
【0017】イ 角速度計測手段101 図2において、5は基準位置信号発生器、6は角速度単
位信号発生器、7は電力計(これは負荷状況計測手段と
して働く)である。これらの各発生器は5,6は具体的
には図3に示すようにエンジン1のカム軸ギア3やクラ
ンク軸ギア4の回転に基づいてそれぞれ時信号Pa,P
bを発生する。すなわち、基準位置信号発生器5はカム
軸ギア3の基準位置に設けられたギア歯に対応して信号
Paを出力する。同様にクランク軸ギア4に設けられた
ギア歯に対応して信号Pbを出力する。尚、このパルス
信号の発生は本実施例のように行うものとは限らない。
例えば図4のようにクランク軸に基準信号発生器を設け
さらに点火信号検出センサを設けることにより図5のP
d信号を発生させ、Pd信号とPa信号から図3のPa
信号と同様に基準位置を求めることも可能である。信号
Pbは各クランク角度に対応した信号で各パルスの間隔
時間を計測することによりその角度近傍の瞬間回転角速
度を求めることができる。これを信号PaおよびPdに
対応させることにより、エンジンの回転角度θに対応し
た回転角速度Vが求められる。
位信号発生器、7は電力計(これは負荷状況計測手段と
して働く)である。これらの各発生器は5,6は具体的
には図3に示すようにエンジン1のカム軸ギア3やクラ
ンク軸ギア4の回転に基づいてそれぞれ時信号Pa,P
bを発生する。すなわち、基準位置信号発生器5はカム
軸ギア3の基準位置に設けられたギア歯に対応して信号
Paを出力する。同様にクランク軸ギア4に設けられた
ギア歯に対応して信号Pbを出力する。尚、このパルス
信号の発生は本実施例のように行うものとは限らない。
例えば図4のようにクランク軸に基準信号発生器を設け
さらに点火信号検出センサを設けることにより図5のP
d信号を発生させ、Pd信号とPa信号から図3のPa
信号と同様に基準位置を求めることも可能である。信号
Pbは各クランク角度に対応した信号で各パルスの間隔
時間を計測することによりその角度近傍の瞬間回転角速
度を求めることができる。これを信号PaおよびPdに
対応させることにより、エンジンの回転角度θに対応し
た回転角速度Vが求められる。
【0018】エンジンが正常に回転している場合には、
図6のように回転角速度Vはクランク角度θに対して爆
発膨張行程のある部分で加速し、吸気、圧縮行程の部分
で減速するような波形を描く、異常燃焼(失火)が発生
すると図7のように爆発しないために失火を起こした膨
張行程でもさらに減速してしまうような波形となる。発
電機用のエンジンでは定速回転になるようにガバナ等で
制御されているが、失火に対してガバナの応答は遅いた
め回転を回復し始めるにはかなり遅れる。このためにエ
ンジンの回転は一時的に低下したような形で維持され
る。ただこのまま正常な回転の場合との差を取ると、実
際に正常な回転といえども全体的な速度が一定でないた
め、その差が回転変動差として算出されてしまうことが
考えられる。
図6のように回転角速度Vはクランク角度θに対して爆
発膨張行程のある部分で加速し、吸気、圧縮行程の部分
で減速するような波形を描く、異常燃焼(失火)が発生
すると図7のように爆発しないために失火を起こした膨
張行程でもさらに減速してしまうような波形となる。発
電機用のエンジンでは定速回転になるようにガバナ等で
制御されているが、失火に対してガバナの応答は遅いた
め回転を回復し始めるにはかなり遅れる。このためにエ
ンジンの回転は一時的に低下したような形で維持され
る。ただこのまま正常な回転の場合との差を取ると、実
際に正常な回転といえども全体的な速度が一定でないた
め、その差が回転変動差として算出されてしまうことが
考えられる。
【0019】ロ 角速度変動量導出手段102 このため、求めた回転角速度Vをさらにある区間での移
動平均化(数1)あるいはローパスフィルタを通して、
平均速度Vavを求める。図8は各正常時及び異常時の
状態の平均速度を示したものである。そしてその平均速
度Vavから(数2)の計算により角速度変動量Fnを
求める。
動平均化(数1)あるいはローパスフィルタを通して、
平均速度Vavを求める。図8は各正常時及び異常時の
状態の平均速度を示したものである。そしてその平均速
度Vavから(数2)の計算により角速度変動量Fnを
求める。
【数1】 ここで、n及びmは平均速度を算出する区間(例えば、
1行程分)を示す。
1行程分)を示す。
【数2】 図9は正常時および異常時の状態の場合に求めた角速度
変動量Fnのグラフである。このようにすることによ
り、Fn(x)はゆっくりとした負荷の変動や回転速度
の違いに依存されず、変化速度の早い失火等のエンジン
の状況に依存した速度となる。この角速度変動量Fnを
用いて、実際の失火データについて算出する。
変動量Fnのグラフである。このようにすることによ
り、Fn(x)はゆっくりとした負荷の変動や回転速度
の違いに依存されず、変化速度の早い失火等のエンジン
の状況に依存した速度となる。この角速度変動量Fnを
用いて、実際の失火データについて算出する。
【0020】ハ 基準角速度変動量発生手段104 まず、あらかじめ正常な回転であることが明らかな状態
で信号を入力し、角速度変動量基準Fsの波形を取得す
る。ここで、負荷により非常に大きく変動量が異なるの
で実際には、所定の負荷毎に基準波形を取得することに
なる。但し、この場合すべての負荷について調べなけれ
ばならないので、実際にはある程度の負荷について調べ
各Fsについて負荷毎に直線補間した値を用いる。例え
ばある負荷Laの場合の関数Fs(x,La)とすると
別の負荷Lb、関数Fs(x,Lb)との間にある負荷
Lnの関数Fs(x,Ln)は数3のように計算され
る。
で信号を入力し、角速度変動量基準Fsの波形を取得す
る。ここで、負荷により非常に大きく変動量が異なるの
で実際には、所定の負荷毎に基準波形を取得することに
なる。但し、この場合すべての負荷について調べなけれ
ばならないので、実際にはある程度の負荷について調べ
各Fsについて負荷毎に直線補間した値を用いる。例え
ばある負荷Laの場合の関数Fs(x,La)とすると
別の負荷Lb、関数Fs(x,Lb)との間にある負荷
Lnの関数Fs(x,Ln)は数3のように計算され
る。
【数3】 この角速度変動量基準Fsは通常の検出中にも更新され
るがこれについては後に述べる。
るがこれについては後に述べる。
【0021】ニ 角速度差導出手段105 以上のようにして求めた角速度変動量基準Fsを用い
て、実際にどのくらい速度が変動しているかを確認する
ためには、計測で求めた角速度変動量Fnと角速度変動
量基準Fsとの間にある解析関数Gnを用いて角速度変
動差Gを求める。実施例では、解析関数GaとGbの2
種類使用する。
て、実際にどのくらい速度が変動しているかを確認する
ためには、計測で求めた角速度変動量Fnと角速度変動
量基準Fsとの間にある解析関数Gnを用いて角速度変
動差Gを求める。実施例では、解析関数GaとGbの2
種類使用する。
【数4】
【数5】 ここで、解析関数Gaは単純に基準からの差を求めてい
るが、解析関数Gbは計測値が基準波形より加速状態に
ある場合には値が0となる関数となっている。解析関数
Gbは通常負荷がほとんどかかっていない場合に使用さ
れる関数で、これはエンジンのイナーシャ分と爆発力に
回転が依存し、負荷変動による差がほとんど出ない場
合、負荷変動のゆっくりとしたわずかな変動によって爆
発力の変動よりもこの後で実施される積分値が大きく変
動してしまうため、明らかに回転が基準より下がった場
合にのみ値を出力するようにするためである。
るが、解析関数Gbは計測値が基準波形より加速状態に
ある場合には値が0となる関数となっている。解析関数
Gbは通常負荷がほとんどかかっていない場合に使用さ
れる関数で、これはエンジンのイナーシャ分と爆発力に
回転が依存し、負荷変動による差がほとんど出ない場
合、負荷変動のゆっくりとしたわずかな変動によって爆
発力の変動よりもこの後で実施される積分値が大きく変
動してしまうため、明らかに回転が基準より下がった場
合にのみ値を出力するようにするためである。
【0022】ニ 変動差量導出手段107 それぞれの解析関数の結果は、負荷に依存する分布関数
Ka(Ln)とKb(Ln)によって一つの値に集約さ
れる。
Ka(Ln)とKb(Ln)によって一つの値に集約さ
れる。
【数6】 このように各負荷によっても変動する量が異なる場合、
複数の最適な関数あるいは負荷を変数としたものを用い
ることにより精度良く失火を検出することが可能である
(図10参照)。求めたS(x,Ln)は図11のよう
に燃焼不良または失火を起こした部分のみの値となるよ
うになる。
複数の最適な関数あるいは負荷を変数としたものを用い
ることにより精度良く失火を検出することが可能である
(図10参照)。求めたS(x,Ln)は図11のよう
に燃焼不良または失火を起こした部分のみの値となるよ
うになる。
【0023】ホ 失火判別手段106 角速度変動量基準Fsについて、この角速度変動差Gを
数7より計算し、その行程について積分した結果、角速
度変動差量Daについてある判定値Dtを設け,その回
転に失火があったかどうかについて判別する。
数7より計算し、その行程について積分した結果、角速
度変動差量Daについてある判定値Dtを設け,その回
転に失火があったかどうかについて判別する。
【数7】 ヘ 変動量基準更新手段109 さらに、この判別を終えた後、その回転に失火がなけれ
ば基準波形(角速度変動量基準Fs)をある関数Uに従
って更新する。これにより、エンジンの状態変化や経年
変化等によりエンジンの回転角速度変動が変わってしま
うことに追従するようになる。例えば、関数Uが次のよ
うな場合
ば基準波形(角速度変動量基準Fs)をある関数Uに従
って更新する。これにより、エンジンの状態変化や経年
変化等によりエンジンの回転角速度変動が変わってしま
うことに追従するようになる。例えば、関数Uが次のよ
うな場合
【数8】 次回の角速度変動量基準Fsを求めるためには、
【数9】 となり、正常な間はKaとKbの値に従って徐々に更新
され、異常な回転では更新量が減るようになっている
(図12参照)。以上の処理を行うことにより、燃焼不
良あるいは失火を判定することができる。
され、異常な回転では更新量が減るようになっている
(図12参照)。以上の処理を行うことにより、燃焼不
良あるいは失火を判定することができる。
【0024】ト 失火量判別手段111 必要な失火量を求めるにはそれぞれの回転範囲にわたっ
て積分する必要がある。そこで定められた区間a〜bま
でについて数10の求める角速度変動差量Dが求められ
る。
て積分する必要がある。そこで定められた区間a〜bま
でについて数10の求める角速度変動差量Dが求められ
る。
【数10】 ここで、求めるD(x,Ln)については、ある決めら
れた回転範囲a〜b(例えば、1行程分)での燃焼不良
あるいは失火による角速度変動差の総量である。よって
1回あたりの失火による角速度変動差量Dmが求まって
いれば、回転範囲a〜bまでに発生した失火に匹敵する
失速の量Msは数11の様に求まる。
れた回転範囲a〜b(例えば、1行程分)での燃焼不良
あるいは失火による角速度変動差の総量である。よって
1回あたりの失火による角速度変動差量Dmが求まって
いれば、回転範囲a〜bまでに発生した失火に匹敵する
失速の量Msは数11の様に求まる。
【数11】 この結果、1行程あたりの失火回数である失火量Mn
は、
は、
【数12】 となる。なお、Mnが1であれば、1気筒の全失火状態
ということになる。
ということになる。
【0025】さて、該回転で失火、燃焼不良に相当する
状態が発生したかどうかを確認するには、1行程あたり
の角速度変動差量Daの値を確認する必要がある。この
判別値Dtについては、エンジンが正常に回転している
状態(第1運転状態)において装置の校正作業を行い、
まず、この状態に於ける角速度変動差量Daの値をサン
プリングし、その標準偏差をσとし、確率分布関数を正
規分布とすれば、例えば3σをDtとすれば、Dtの値
以上の発生確率は正常な回転でその2%程度とすること
ができる。よって、その角速度変動差量基準値Dtを超
える値が発生した場合にはその行程において失火、燃焼
不良であったと見なすことができる。
状態が発生したかどうかを確認するには、1行程あたり
の角速度変動差量Daの値を確認する必要がある。この
判別値Dtについては、エンジンが正常に回転している
状態(第1運転状態)において装置の校正作業を行い、
まず、この状態に於ける角速度変動差量Daの値をサン
プリングし、その標準偏差をσとし、確率分布関数を正
規分布とすれば、例えば3σをDtとすれば、Dtの値
以上の発生確率は正常な回転でその2%程度とすること
ができる。よって、その角速度変動差量基準値Dtを超
える値が発生した場合にはその行程において失火、燃焼
不良であったと見なすことができる。
【0026】チ 失火量推定基準値導出手段110 また、強制失火によって失火が発生した場合の状態(第
2運転状態)で装置の校正作業を行い、その結果からD
mを求めることができる(図13参照)。ここで、単位
失火平均角速度変動差量Dmは、正常運転状態と見なせ
る第1運転状態における前記角速度変動差量Daの平均
値を第1代表値とし、強制失火運転状態と見なせる第2
運転状態における前記角速度変動差量Daの平均値を、
第2代表値として、これら第1代表値と第2代表値との
差として得ることができる。この場合、強制失火は、複
数気筒のエンジンにあって、一個の気筒において失火し
た状態で起こす。さらに、上記の判別手段にあっては、
判定基準失火量に対する角速度変動差量判定基準値Dt
fを、単位失火平均角速度変動差量Dmから求め、計測
される角速度変動差量Daが、前記角速度変動差量判定
基準値Dtfを越えた場合に、失火情報を発生する構成
とできる。例えば、判定基準失火量がn行程中1回の失
火すれば回転範囲a〜bにおける角速度変動差量判定基
準値Dtfは数13の様に求まる。
2運転状態)で装置の校正作業を行い、その結果からD
mを求めることができる(図13参照)。ここで、単位
失火平均角速度変動差量Dmは、正常運転状態と見なせ
る第1運転状態における前記角速度変動差量Daの平均
値を第1代表値とし、強制失火運転状態と見なせる第2
運転状態における前記角速度変動差量Daの平均値を、
第2代表値として、これら第1代表値と第2代表値との
差として得ることができる。この場合、強制失火は、複
数気筒のエンジンにあって、一個の気筒において失火し
た状態で起こす。さらに、上記の判別手段にあっては、
判定基準失火量に対する角速度変動差量判定基準値Dt
fを、単位失火平均角速度変動差量Dmから求め、計測
される角速度変動差量Daが、前記角速度変動差量判定
基準値Dtfを越えた場合に、失火情報を発生する構成
とできる。例えば、判定基準失火量がn行程中1回の失
火すれば回転範囲a〜bにおける角速度変動差量判定基
準値Dtfは数13の様に求まる。
【0027】
【数13】 即ちこのような構成を採用することにより、失火の検
出、失火量(失火頻度)を導出し、指定失火量に到達す
る場合に、警報信号を出力することができる。
出、失火量(失火頻度)を導出し、指定失火量に到達す
る場合に、警報信号を出力することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、既存のセンサを使用
し、このセンサ出力を所定の信号処理することにより、
エンジンの燃焼不良、失火を判別し、その出現頻度を計
測することができる失火検出装置を提供することができ
る。
し、このセンサ出力を所定の信号処理することにより、
エンジンの燃焼不良、失火を判別し、その出現頻度を計
測することができる失火検出装置を提供することができ
る。
【図1】本願の失火検出装置の機能ブロック図
【図2】回転角速度、回転角の検出系統を示す図
【図3】検出信号の状態を示す図
【図4】更なる回転角速度、回転角の検出系統を示す図
【図5】更なる検出信号の状態を示す図
【図6】正常運転状態におけるクランク角に対する回転
角速度Vの状態を示す図
角速度Vの状態を示す図
【図7】異常発生状態におけるクランク角に対する回転
角速度Vの状態を示す図
角速度Vの状態を示す図
【図8】異常発生状態における回転角速度Vと移動平均
速度の状態を示す図
速度の状態を示す図
【図9】異常発生状態におけるクランク角に対する角速
度変動量Fnの状態を示す図
度変動量Fnの状態を示す図
【図10】角速度変動差量Daの導出シーケンスの説明
図
図
【図11】異常発生状態におけるクランク角に対する角
速度変動差の状態を示す図
速度変動差の状態を示す図
【図12】角速度変動量基準Fsの更新シーケンスの説
明図
明図
【図13】正常運転状態及び異常運転状態に於ける角速
度変動差量Daの出現確率分布を示す図
度変動差量Daの出現確率分布を示す図
1 エンジン(内燃機関) 3 カム軸ギヤ(回転軸) 4 クランク軸ギヤ(回転軸) 5 基準位置信号発生器 6 角速度単位信号発生器 7 電力計 100 失火検出装置 101 角速度計測手段 102 角速度変動量導出手段 103 負荷状況計測手段 104 基準角速度変動量発生手段 105 角速度差導出手段 105a 第1導出手段 105b 第2導出手段 106 失火判別手段 107 変動差量導出手段 108 異常変動量導出手段 109 変動量基準更新手段 110 失火量推定基準値導出手段 111 失火量判別手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 智広 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 藤田 裕介 兵庫県赤穂市中広1576‐22 (56)参考文献 特開 平7−310586(JP,A) 特開 平5−157000(JP,A) 特開 平6−241109(JP,A) 特開 平5−86955(JP,A) 特開 平8−28339(JP,A) 特開 平9−222046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 368 F02P 17/00 - 17/12
Claims (6)
- 【請求項1】 内燃機関の出力軸の回転角速度を、その
計測各時点の回転角に対応して、波形として計測すると
ともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角速度
を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速度と
の差を角速度変動量Fnとし、正常な回転であることが明らかな状態で、 前記計測各時
点の出力軸の回転角に対応して、波形として予め求めら
れている角速度変動量基準Fsと、前記計測各時点で導
出される前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変
動差Gを導出するとともに、 導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内
にある角速度変動差量Daを導出するとともに、前記角
速度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判
別する内燃機関の失火検出方法であって、 正常運転状態と見なせる第1運転状態において、前記角
速度変動差量Daを複数回検出し、前記角速度変動差量
Daを確率関数とする前記角速度変動差量Daの確率分
布を第1確率分布として求め、 求められる前記角速度変動差量Daの第1確率分布に基
づいて、異常燃焼領域を判別するための角速度変動差量
基準値Dtを設定し、前記角速度変動差量基準値Dtに
基づいて内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出
方法。 - 【請求項2】 内燃機関の出力軸の回転角速度を、その
計測各時点の回転角に対応して、波形として計測すると
ともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角速度
を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速度と
の差を角速度変動量Fnとし、正常な回転であることが明らかな状態で、 前記計測各時
点の出力軸の回転角に対応して、波形として予め求めら
れている角速度変動量基準Fsと、前記計測各時点で導
出される前記角速度変動量Fnとに基づいて、角速度変
動差Gを導出するとともに、 導出される前記角速度変動差Gに基づいて、所定行程内
にある角速度変動差量Daを導出するとともに、前記角
速度変動差量Daに基づいて、内燃機関の失火状態を判
別する内燃機関の失火検出方法であって、 正常運転状態と見なせる第1運転状態において、前記角
速度変動差量Daを複数回検出し、前記角速度変動差量
Daの代表値である第1代表値を求めるとともに、 強制失火運転状態と見なせる第2運転状態において、前
記角速度変動差量Daを複数回検出し、前記角速度変動
差量Daの代表値である第2代表値を求め、 前記第1代表値と前記第2代表値との差である単位失火
平均角速度変動差量Dmと、運転状態にある内燃機関に
おいて計測される角速度変動差量Daとの関係から、失
火量を求める内燃機関の失火検出方法。 - 【請求項3】 判定基準失火量に対する角速度変動差量
判定基準値Dtfを、前記単位失火平均角速度変動差量
Dmから予め求めておき、計測される角速度変動差量D
aが、前記角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場
合に、失火情報を発生する請求項2記載の内燃機関の失
火検出方法。 - 【請求項4】 内燃機関の出力軸の回転角速度を、その
計測各時点の回転角に対応して、波形として計測すると
ともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角速度
を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速度と
の差を角速度変動量Fnとして導出する角速度変動量導
出手段と、 前記角速度変動量導出手段により、正常な回転であるこ
とが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回転角
に対応して、波形として予め求められている角速度変動
量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角速度
変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出する角
速度差導出手段と、 前記角速度差導出手段により導出される前記角速度変動
差Gに基づいて、所定行程内にある角速度変動差量Da
を導出するとともに、前記角速度変動差量Daに基づい
て、内燃機関の失火状態を判別する失火判別手段を備え
た内燃機関の失火検出装置であって、 正常運転状態と見なせる第1運転状態において、前記角
速度変動差量Daを確率関数とする前記角速度変動差量
Daの確率分布を求め、 求められる前記角速度変動差量Daの確率分布に基づい
て、異常燃焼領域を判別するための角速度変動差量基準
値Dtを設定するとともに、 失火判別手段が前記角速度変動差量基準値Dtに基づい
て内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項5】 内燃機関の出力軸の回転角速度を、その
計測各時点の回転角に対応して、波形として計測すると
ともに、前記計測される回転角速度と、前記回転角速度
を計測する計測時点以前の一定期間の平均回転角速度と
の差を角速度変動量Fnとして導出する角速度変動量導
出手段と、 前記角速度変動量導出手段により、正常な回転であるこ
とが明らかな状態で、前記計測各時点の出力軸の回転角
に対応して、波形として予め求められている角速度変動
量基準Fsと、前記計測各時点で導出される前記角速度
変動量Fnとに基づいて、角速度変動差Gを導出する角
速度差導出手段と、 前記角速度差導出手段により導出される前記角速度変動
差Gに基づいて、所定行程内にある角速度変動差量Da
を導出するとともに、前記角速度変動差量Daに基づい
て、内燃機関の失火状態を判別する失火判別手段を備え
た内燃機関の失火検出装置であって、 正常運転状態と見なせる第1運転状態における前記角速
度変動差量Daの代表値を第1代表値と、 強制失火運転状態と見なせる第2運転状態における前記
角速度変動差量Daの代表値を、第2代表値として、 前記第1代表値と前記第2代表値との差である単位失火
平均角速度変動差量Dmと、運転状態にある内燃機関に
おいて計測される角速度変動差量Daとの関係から、失
火量を求める失火量判別手段を備えた内燃機関の失火検
出装置。 - 【請求項6】 判定基準失火量に対する角速度変動差量
判定基準値Dtfを、前記単位失火平均角速度変動差量
Dmから求め、計測される角速度変動差量Daが、前記
角速度変動差量判定基準値Dtfを越えた場合に、失火
情報を発生する請求項5記載の内燃機関の失火検出装
置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11043068A JP3066005B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | 内燃機関の失火検出方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11043068A JP3066005B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | 内燃機関の失火検出方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2000240500A JP2000240500A (ja) | 2000-09-05 |
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ID=12653550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11043068A Expired - Fee Related JP3066005B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | 内燃機関の失火検出方法及び装置 |
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-
1999
- 1999-02-22 JP JP11043068A patent/JP3066005B1/ja not_active Expired - Fee Related
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