JP3063151U - 円筒状物品収納用固定パッケ―ジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内容物の保護性に優れ、特に円筒状内容物の
場合、収納物品が内部で回って商品の正面が移動する虞
れが無く、広い陳列面積を必要としない包装を安価に且
つ効率よく提供すること、更に印刷面積が多く、豊富な
商品情報記載が可能な包装を提供する。 【解決手段】 円筒状物品を収容する内部空間を有し、
一端にフック用舌状片を備えてなる縦長凾体よりなり、
前後何れかの壁面を凾体の幅方向に開閉自在な扉に構成
し、その適宜中央部分に透孔を形成してなり、片面簡易
接着剤付きシールラベルで前記透孔を被覆して収容物品
を接着固定してなる円筒状物品収納用固定パッケージ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、商品特に円筒状物品の陳列等に用いられる包装・梱包等の形状に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のパッケージ市場において、商品梱包等の形態は紙箱、透明箱、シュリン クフィルム、ブリスターパッケージ（成形品、台紙の貼り合わせ及び成形品の曲 げ加工と紙の差し込みタイプ）、ＯＰ袋等の軟質フィルム等で構成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の内、箱の特長として、六面体の印刷部分があり印刷面積が多く、豊富な 成分表示等の商品情報記載が可能であり、又内容商品自体の保護も容易で商品に 傷が付き難い等の長所がある反面、特に商品が円筒状物品の場合、収納物品が内 部で回って商品の正面が移動してしまう不都合がある。その対策として、上下、 左右、後ろ側等に別パーツトレイ（特に真空成型品等）を用意して商品をそれで 固定化させているため、コスト高を招く結果となる。

【０００４】 シュリンクフィルムの特長として、包材自体商品にフィットするため包装形態 が嵩張らず商品そのものの形態で陳列できる。然し乍ら、熱管で収縮させるため 作業工程に時間がかかり、包材が薄いフィルムのため商品の保護性に欠け傷が付 きやすいという難点がある。又印刷面積が少なくなるという欠点も避けられない 。

【０００５】 又、ブリスターパッケージの特長としては、透明真空、圧空成型品と紙台紙の 複合体で、ヒートシールとスライドブリスターの二種に分かれ、印刷面積も大き く、盗難防止等に優れている。然し乍ら、ヒートシール及びスライドブリスター に関しては、容器よりも台紙の方が大きく容器幅以上の陳列面積を必要とし、商 品自体の陳列数が減ってしまうという問題点がある。又、透明真空、圧空成型品 と、商品とをセットし、その上に台紙を重ねるというような三工程が必要となり 、包装作業効率が低いという欠点が避けられず、更には、特に円筒状物品等の内 容物の形状によっては、内容物が回転してしまい正面がズレてしまうという難点 もある。特に透明容器の場合には、内容物回転は致命的問題点ともなることがあ る。

【０００６】 一方、所謂ＯＰ袋、即ち軟質フィルム袋は、フック性があり、印刷面積も両面 にとれ、特に文具関連等で多用されている。然し乍ら、商品を収納すると外観に 皺が寄り、内容物の固定が難しく、商品に傷が付きやすく保護性に劣る。又、包 装工程もヒートシール及び手作業が多く効率が低い。

【０００７】 本考案は、上記従来の包装技術の有する種々の問題点に鑑み、内容物に傷が付 き難く保護性に優れ、特に円筒状物品の場合、内容物が内部で回って商品の正面 が移動する虞れが無く、又容器よりも大きい台紙幅の広い陳列面積を必要とする こともなく、商品自体の陳列数を最大限に増やし得る包装・梱包を安価に且つ効 率よく提供することを目的とする。更に印刷面積が多く、豊富な成分表示等の商 品情報記載を可能とする包装を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案を以下、添付図面について詳述する。

【０００９】 上記目的を達成するための本考案は、円筒状物品９を収容するに必要且つ実質 的に十分な内部空間１を有し、一端にフック用舌状片２を備えてなる縦長の凾体 ３よりなり、前後何れかの壁面４を凾体の幅方向に開閉自在な扉５，５′に構成 し、その適宜中央部分に透孔６を形成してなり、片面簡易接着剤付きシールラベ ル７で前記透孔を被覆・閉塞すると共に、収容物品を接着固定することを特徴と する円筒状物品収納用固定パッケージである。

【００１０】

【考案の実施の形態】

図１〜図３において、円筒状物品９を収容する縦長の凾体３の内部空間１を円 筒状物品収容に必要且つ実質的に十分な寸法とする。ここで“実質的に十分な” とは、隅角又は端縁に内容物の振動を許さぬ程度の若干の「ゆとり」を許容する ことを意味するものとする。縦長の凾体３の一端にはフック用舌状片２が突設さ れており、舌状片２には懸吊用の引っかけ穴が設けられている。

【００１１】 凾体３の前後何れかの壁面４は、図４に示すように、罫線８，８′よりそれぞ れ折れ曲がり、凾体の幅方向に開閉自在な扉５，５′に構成され、その適宜中央 部分に透孔６が形成されている。

【００１２】 最も好ましくは、凾体３は、図５に示したように、前後何れかの壁面４の縦軸 中心線１０を境に分割して形成された左右扉５，５′のそれぞれ辺縁の適宜部分 に透孔形成用切り欠き１１，１１′を左右対称に設けてなる完全左右対称形のも のである。かくすることにより、両扉の打ち合わせ部分はなくなり、扉５，５′ を閉じることにより対向する切り欠き１１，１１′によって透孔６が形成される 。

【００１３】 上述の構成になる縦長凾体は内部空間１に円筒状物品９を収容し、扉５，５′ を閉じれば、透孔６より内部の円筒状物品９の一部が覗いた状態となる。そこへ 透孔より若干大き目の片面簡易接着剤付きシールラベル７を接着面を下方に向け て貼着すれば、扉５，５′の接合と透孔６の閉塞と円筒状物品の接着固定とが同 時に一挙に達成される。片面簡易接着剤付きシールラベル７は、通常文具に用い られる容易剥離性接着剤付きのものがよい。また、製造者責任、バーコード等の 各種商品情報を記載することも好ましい。透孔は一個でもよいが、図５の如く円 筒状物品が複数個に分かれている場合等は個数に応じて適宜数増やすことが好ま しい。

【００１４】 本考案のパッケージは透明硬質樹脂シートの抜き加工及び真空、圧空、射出成 型加工で容易に製造でき、製造工程もライン化が容易であり、低コスト化が可能 となる。素材節約上の観点からは、扉５，５′を壁面４の縦軸中心線１０を境に 分割して形成するタイプのものが、扉打ち合わせ部分がなくなるので、より好ま しい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案品は、円筒状物品、特に容器入り口紅、乾電池等に好適に適用され、透 孔６とシールラベル７との組み合わせにより、収納組み立てと同時に内容商品の 固定化が一挙に達成され、商品のデザインが常に正面にくる。又、内容物の収納 に必要且つ実質的に十分な容積を越えた無駄な寸法がないから、狭いスペースで 多くの商品の陳列ができ、シールラベルの大きさを適宜に選べば、表示面積の拡 大も可能で、更に又パッケージ上に印刷することにより意匠効果の増大も期待で きるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案品の展開平面図。

【図２】 本考案品の側面図。

【図３】 本考案品の立面図。

【図４】 本考案品の組み立て図。

【図５】 本考案品の斜視図。

【符号の説明】

１ 内部空間 ２ フック用舌状片 ３ 凾体 ４ 壁面 ５、５′ 扉 ６ 透孔 ７ シールラベル ８ 罫線 ９ 円筒状物品 １０ 縦軸中心線 １１、１１′ 切り欠き

フロントページの続き (72)考案者 西畑 文貴 神奈川県小田原市中町３−８−13 カサベ ルデ額田305号室 (72)考案者 荒木 和明 東京都目黒区中根１−17−５

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状物品（９）を収容するに必要且つ
   実質的に十分な内部空間（１）を有し、一端にフック用
   舌状片（２）を備えてなる縦長の凾体（３）よりなり、
   前後何れかの壁面（４）を凾体の幅方向に開閉自在な扉
   （５）（５′）に構成し、その適宜中央部分に透孔
   （６）を形成してなり、片面簡易接着剤付きシールラベ
   ル（７）で前記透孔を被覆・閉塞すると共に、収容物品
   を接着固定することを特徴とする円筒状物品収納用固定
   パッケージ。
2. 【請求項２】 前後何れかの壁面（４）の縦軸中心線
   （１０）を境に分割して形成された左右扉（５）
   （５′）のそれぞれ辺縁の適宜部分に透孔形成用切り欠
   き（１１）（１１′）を左右対称に設けてなる請求項１
   の円筒状物品収納用固定パッケージ。
3. 【請求項３】 前記透孔が複数個形成されてなる請求項
   １または２の円筒状物品収納用固定パッケージ。
4. 【請求項４】 硬質樹脂を真空成型してなる請求項１、
   ２または３の円筒状物品収納用固定パッケージ。
5. 【請求項５】 前記シールラベルが製造者責任、バーコ
   ード等の商品情報を記載するものである請求項１、２、
   ３または４の円筒状物品収納用固定パッケージ。
6. 【請求項６】 円筒状物品が口紅容器である請求項１、
   ２、３、４または５の円筒状物品収納用固定パッケー
   ジ。