JP3062479B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

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JP3062479B2 JP26413798A JP26413798A JP3062479B2 JP 3062479 B2 JP3062479 B2 JP 3062479B2 JP 26413798 A JP26413798 A JP 26413798A JP 26413798 A JP26413798 A JP 26413798A JP 3062479 B2 JP3062479 B2 JP 3062479B2
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隆志 前島
秀典 田中
三喜 安藤
俊元 久保田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローティングゲ
ート電極を備えた不揮発性半導体記憶装置及びその製造
方法に係り、特にドレインディスターブ特性の改善対策
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、フローティングゲート電極を
有するメモリセルトランジスタを備えたメモリセル構造
を有する不揮発性半導体記憶装置として、特開昭60−
134477号公報や、論文(Process and
Device Technologies For
16Mbit EPROMs with LargeT
ilt Angle Implanted P−Poc
ket cell)(IEDM90のpp.95−9
8)に開示されるように、高集積化を図るものが知られ
ている。
【0003】図16(a)は、上記論文に記載されてい
る不揮発性半導体記憶装置のメモリセル構造を示す断面
図である。同図に示すように、メモリセルにおいて、p
型Si基板101の上には、トンネル絶縁膜としても機
能するゲート酸化膜102と、ポリシリコン膜から形成
されたフローティングゲート電極103と、ONO膜か
ら形成された容量絶縁膜104と、ポリシリコン膜から
形成されたコントロールゲート電極105とにより構成
される積層ゲート部110を備えている。積層ゲート部
110の上には保護絶縁膜106が設けられている。p
型Si基板101内には、高濃度のヒ素(As)を含む
ドレインn++層126a(n++ディープドレイン)及び
ソースn++層126bと、低濃度のヒ素を含むドレイン
n+ 層123(シャロードレイン)と、リン(P)を含
みパンチスルーストッパーとして機能するp−ポケット
124a,124bとが設けられている。
【0004】図16(b)は、上記不揮発性半導体記憶
装置の製造工程を示すフロー図である。まず、積層ゲー
ト部110を形成した後、シャロードレイン(ドレイン
n+層123)形成のためのヒ素(As)のイオン注入
を行なう。次に、大傾角イオン注入法によりp−ポケッ
ト124a,124b形成のためのボロン(B)のイオ
ン注入を行なう。その後、周辺トランジスタの形成を行
なった後、n++ディープドレイン(ドレインn++層12
6a)形成のためのヒ素(As)のイオン注入を行な
い、続いて、熱処理により各領域の不純物の活性化を行
なう。その後、周辺トランジスタのLDD領域形成のた
めの低濃度のn型不純物のイオン注入を行なう。なお、
同論文中の図1には示されていないが、積層ゲート部1
10の側面上には図16(a)中の破線で示す絶縁体サ
イドウォールが形成され、ディープドレイン形成のため
のイオン注入は、積層ゲート部110及び絶縁体サイド
ウォールをマスクとして行なわれるものと思われる。
【0005】次に、従来の不揮発性半導体記憶装置の動
作を説明する。
【0006】書き込みは、コントロールゲート電極10
5に10V程度の電圧を印加し、ドレインn++層126
aに5V程度の電圧を印加し、p−ポケット124aと
n+層123との接合部の近傍でチャネルホットエレク
トロンを発生させ、チャネルホットエレクトロンをフロ
ーティングゲート電極103に注入して蓄積する。消去
は、ソースn++層126bに約12Vの電圧を印加し、
FN(Fowler−Nordheim)電流により、
フローティングゲート電極103に蓄積されている電子
を引き抜く。読み出しは、コントロールゲート電極10
5に5Vの電圧を印加し、ドレインn++層126aに1
V程度の電圧を印加して、ドレイン電流の大小で、フロ
ーティングゲート電極103の電子の蓄積量を検知す
る。フローティングゲート電極103に電子が多く蓄積
されているときはドレイン電流はほとんど流れないが、
フローティングゲート電極103に電子がほとんど蓄積
されていないときはドレイン電流が十分流れる。このド
レイン電流の大きさの相違により、記憶情報を読み取
る。
【0007】このような不揮発性半導体記憶装置では、
p−ポケット124aと、ドレインn+ 層123との間
のpn接合が急峻なほど、書き込み時のホットエレクト
ロンが多く発生することが知られている。そして、p−
ポケット124a,124bによりパンチスルーを確実
に防止できることで、ゲート長が0.4μm程度である
微細なメモリセル構造の実現を図ろうとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の論文に記載されているようなシャロードレインを有
するメモリセル構造を備えた不揮発性半導体記憶装置に
おいて、以下のような問題があった。
【0009】メモリセルへの書き込み動作において、選
択されたメモリセルではないが選択されたメモリセルと
共通のビットラインつまり選択ビットラインに接続され
る非選択のメモリセルにおいて、ドレインには5V、コ
ントロールゲート電極には0Vの電圧が印加される。こ
こで、フローティングゲート電極に電子が注入されてい
る場合には、フローティングゲート電極の電位は−2V
程度であるので、フローティングゲート電極とドレイン
との間にはかなりの大きさの電界が生じる。そして、ド
レイン近傍では、GIDL(Gate Induced
DrainLeakage Current)と呼ば
れる電子とホールの対が生成され、このホールがこの電
界に引っ張られてゲート酸化膜内に侵入する(ホットホ
ールトラップ)。あるいはフローティングゲート電極近
くに到達する。このゲート酸化膜へのホールの蓄積によ
って、以下のような2つの不具合が発生する。
【0010】第1に、フローティングゲート電極内の電
子の蓄積が減少することにより、書き込み動作時におけ
る非選択メモリセルトランジスタのしきい値電圧が変動
し(ドレインディスターブ)、誤書き込みが生じるおそ
れがある。
【0011】上述のようなしきい値電圧の変動は、当該
メモリセルのフローティングゲート電極−ドレイン間に
長時間の間高電圧が印加された状態になっているときに
生じやすい。ここで、1つのビット線に接続されるメモ
リセルの数は、不揮発性半導体記憶装置の集積度が高く
なるほど増大する。たとえば、1メガビットのメモリセ
ルアレイにおいては、1024個のメモリセルが共通の
ビット線に接続されている。そのため、書き込み動作時
において、1つのメモリセルのフローティングゲート電
極−ドレイン間に高電圧が印加される時間は1秒間以上
になっており、今後も不揮発性半導体記憶装置の高集積
化に伴いこの時間が長くなる傾向がある。言い換える
と、不揮発性半導体記憶装置の高集積化のためには、ド
レインディスターブ特性の向上が必須である。
【0012】第2に、ホールの蓄積によってゲート酸化
膜の膜質が劣化するので、これによっても信頼性が低下
するという問題がある。
【0013】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、メモリセルにフローティングゲー
ト電極を備えた不揮発性半導体記憶装置において、ゲー
ト酸化膜へのホールの侵入及び蓄積を防止する手段を講
ずることにより、ドレインディスターブ特性を改善し、
もって、不揮発性半導体記憶装置の高集積化と信頼性の
向上とを図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性半導体
記憶装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基
板上にトンネル絶縁膜,フローティングゲート電極,容
量絶縁膜,及びコントロールゲート電極を順に積層して
設けられた積層ゲート部と、上記半導体基板の表面
素子形成領域に上記積層ゲート部を挟んで設けられた第
2導電型のソース領域およびドレイン領域と、上記第2
導電型のドレイン領域の底部を囲む第1導電型拡散層
を備え、上記ドレイン−ソース間に電圧を印加してホッ
トキャリアを発生させることで書き込む機能を有すると
ともに、上記ドレイン領域は、第2導電型の第1の不純
物を含む第1の拡散層と、上記第1の拡散層に隣接し、
かつ、上記積層ゲート部のゲート幅方向に沿った端部と
その全体に亘ってオーバーラップするように設けられた
第2導電型の第2の不純物を含む第2の拡散層とを少な
くとも有し、上記第1導電型拡散層は、上記第1及び第
2の拡散層の底部を囲むように設けられている
【0015】これにより、ドレイン領域が第2導電型の
第1の不純物を含む第1の拡散層と第2導電型の第2の
不純物を含む第2拡散層とを有しており、そのうちの少
なくとも第2の拡散層が素子形成領域上における積層ゲ
ート部のゲート幅方向の全体に亘って積層ゲート部とオ
ーバーラップしている。したがって、ドレイン領域が第
1導電型拡散層との間で急峻なpn接合を形成しなが
ら、ドレイン領域がフローティングゲート電極とオーバ
ーラップしていない部分をなくすことができる。よっ
て、書き込み速度の低下や短チャネル効果の増大を招く
ことなく、ドレインディスターブ特性を改善することが
でき、信頼性の向上と高集積化とを図ることができる。
【0016】上記不揮発性半導体記憶装置において、上
記積層ゲート部の側面上に設けられた絶縁体サイドウォ
ールと、上記ドレイン領域の一部として、上記素子形成
領域の上記絶縁体サイドウォールの側方に位置する領域
に設けられ、かつ、上記第1の拡散層によって底部が囲
まれている第2導電型の第3の拡散層とをさらに備える
ことができる。
【0017】上記不揮発性半導体記憶装置において、上
記ソース領域を、上記半導体基板の上記絶縁体サイドウ
ォールの側方に位置する領域に設けられた第2導電型の
第4の拡散層と、上記第4の拡散層の底部を囲む第2導
電型の第5の拡散層と、上記第5の拡散層の底部を囲む
第2導電型の第6の拡散層とによって構成することがで
きる。
【0018】上記不揮発性半導体記憶装置において、上
記第1の不純物をヒ素とし、上記第2の不純物をリンと
することにより、リンの飛程及び拡散係数がヒ素の飛程
及び拡散係数よりも大きいことを利用して上述の効果を
有効に発揮することができる。
【0019】本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方
法は、第1導電型の半導体基板上に、トンネル絶縁膜,
フローティングゲート電極,容量絶縁膜,コントロール
ゲート電極を順に積層して積層ゲート部を形成する第1
の工程と、上記半導体基板の表面部の素子形成領域に、
上記積層ゲート部をマスクとして、第2導電型の第1
不純物と、該第1の不純物よりもイオン注入時の飛程が
大きい第2の不純物とをイオン注入することにより、第
2導電型のドレイン領域となる第1のイオン注入層及び
第2のイオン注入層をそれぞれ上方から順に形成する第
2の工程と、上記半導体基板の表面部の素子形成領域
に、第1導電型の第3の不純物をイオン注入することに
より、第3のイオン注入層を形成する第3の工程と、
処理により上記第1,第2及び第3の不純物の活性化と
拡散とを行なって、第2導電型の第1の不純物を含む第
1の拡散層と、上記第1の拡散層に隣接した半導体基板
の表面部のみに、かつ、上記積層ゲート部のゲート幅方
向に沿った端部とその全体に亘ってオーバーラップする
ように設けられた上記第2の不純物を含む第2導電型の
第2の拡散層と、上記第1の拡散層及び上記第2の拡散
層の底部を囲むように設けられた上記第3の不純物を含
む第1導電型拡散層とを形成する第4の工程とを備えて
いる
【0020】この方法により、上述の効果を発揮する不
揮発性半導体記憶装置を容易に形成することができる。
【0021】上記不揮発性半導体記憶装置の製造方法に
おいて、上記第4の工程の後に、上記積層ゲート部の側
面上に絶縁体サイドウォールを形成する第5の工程と、
上記半導体基板の表面部の素子形成領域に、上記積層ゲ
ート部及び上記絶縁体サイドウォールをマスクとして第
2導電型の第4の不純物を注入することにより、上記ド
レイン領域の一部となる第2導電型の第3の拡散層を、
上記第1の拡散層によって底部が囲まれるように形成す
る第6の工程とさらに備えることができる。
【0022】上記不揮発性半導体記憶装置の製造方法に
おいて、上記第2の工程では、上記第2の不純物のドー
ズ量を上記第1の不純物のドーズ量よりも少なくするこ
とが好ましい。
【0023】上記不揮発性半導体記憶装置の製造方法に
おいて、上記第2の工程では、上記第1及び第2の不純
物のうち少なくともいずれか一方の不純物のイオン注入
を、上記積層ゲート部を形成した直後に行うことによ
り、ドレイン領域における上記第2の拡散層を積層ゲー
ト部の内方側にまで形成することができる。
【0024】上記不揮発性半導体記憶装置の製造方法に
おいて、上記第3の工程では、上記第1導電型拡散層
形成するための上記第3の不純物のイオン注入上記
積層ゲート部の下方領域にも注入されるように半導体基
板の法線方向に対して20度以上の角度を有する方向か
ら行う大傾角イオン注入を用いることにより、第1導電
型領域を積層ゲート部の下方領域において第2導電型の
ドレイン領域の底部を覆うように形成することが容易に
なる。
【0025】上記不揮発性半導体記憶装置の製造方法に
おいて、上記第2の不純物は、上記第1の不純物よりも
不純物活性化のための熱処理における拡散係数が大きい
ことが好ましい。上記不揮発性半導体記憶装置の製造方
法において、上記第1の不純物をヒ素とし、上記第2の
不純物をリンとすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照し
ながら説明する。図1は、本実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の構成を示す断面図であり、図2(a)〜
(c)および図3(a)〜(c)は本実施形態に係る不
揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【0027】図1に示すように、本実施形態に係る不揮
発性半導体記憶装置は、第1導電型であるB(ボロン)
を含むp型Si基板1の上に、シリコン酸化膜から形成
されたトンネル絶縁膜2と、ポリシリコン膜から形成さ
れたフローティングゲート電極3と、ONO膜から形成
された容量絶縁膜4と、ポリシリコン膜から形成されワ
ード線としても機能するコントロールゲート電極5とを
順次積層して設けられた積層ゲート部10を備えてい
る。上記積層ゲート部10全体の側面にはシリコン酸化
膜から形成された絶縁体サイドウォール25が設けられ
ている。また、p型Si基板1内において、絶縁体サイ
ドウォール25の側方に位置する領域には、高濃度のヒ
素を含むドレインn++層26a及びソースn++層26b
と、やや高濃度のヒ素を含みドレインn++層26a及び
ソースn++層26bの底部をそれぞれ囲むように形成さ
れたドレインn+ 層22及びソースn+ 層20とが設け
られている。そして、p型Si基板1のソース側には、
P(リン)を含みソースn+層20の底部を囲むように
形成されたソースn- 層21が設けられている一方、p
型Si基板1のドレイン側には、P(リン)を含みドレ
インn+ 層22の内方側で積層ゲート部10とオーバー
ラップする位置に形成されたドレインn- 層23と、ド
レインn+ 層22及びドレインn- 層23の底部を囲む
ように形成されたp層24とが設けられている。
【0028】すなわち、本実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の第1の特徴は、ドレイン領域が、第2導電
型不純物であるヒ素を含むドレインn++層26aと、ヒ
素を含むドレインn+ 層22と、イオン注入時における
飛程及び熱処理時における拡散係数がヒ素よりも大きい
第2導電型不純物であるリンを含むドレインn- 層23
とにより構成されている点である。すなわち、ドレイン
n- 層23が設けられている点が上記論文中の図に記載
されている不揮発性半導体記憶装置のメモリセル構造と
は大きく異なる。そして、このドレインn- 層23が、
LOCOS分離膜(図示せず)で分離された素子形成領
域上における積層ゲート部10の幅方向(図1に示す断
面に直交する方向)に沿った端部とその全体に亘ってオ
ーバーラップしている。また、本実施形態に係る不揮発
性半導体記憶装置の第2の特徴は、ドレイン側にのみp
層24が設けられており、ソース領域には、上記論文中
の図に記載されているp−ポケット124bに相当する
p型の拡散層は設けられていない点である。
【0029】なお、ソース領域およびドレイン領域と近
接するフローティングゲート電極3の稜線部には、ポリ
シリコン膜の酸化によりゲートバーズビーク7が形成さ
れており、いわばフローティングゲート電極3の稜線部
が面取りされた状態となっている。
【0030】次に、図1に示す不揮発性半導体記憶装置
の製造方法について、図2(a)〜(c)及び図3
(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0031】まず、図2(a)に示す工程で、p型Si
基板1に、図示はしないが、pウエルとLOCOS分離
膜を形成する。次に、p型Si基板1の上に、厚みが1
0nm程度のシリコン酸化膜と、第1ポリシリコン膜
と、厚みが18nm程度のONO膜と、第2ポリシリコ
ン膜とを順次形成する。そして、この第2ポリシリコン
膜,ONO膜,第1ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜
を順次パターニングして、コントロールゲート電極5
と、容量絶縁膜4と、フローティングゲート電極3と、
トンネル絶縁膜2とからなる積層ゲート部10を形成す
る。
【0032】次に、図2(b)に示す工程で、熱酸化処
理を行なって、基板の全面に保護酸化膜6を形成する。
その際、フローティングゲート電極3の下端側の稜線部
が酸化されてゲートバーズビーク7が形成される。保護
酸化膜6は、各種イオン注入時の不要な汚染を防止する
ものである。また、同時に形成されるゲートバーズビー
ク7により、フローティングゲート電極3の稜線部は面
取り状態となり、フローティングゲート電極3のゲート
端部の電界集中を緩和することができる。
【0033】次に、図2(c)に示す工程で、積層ゲー
ト部10のほぼ半分とp型Si基板1のドレイン側とを
覆い、p型Si基板1のソース側を開口したレジスト膜
8を形成した後、このレジスト膜8をマスクとしてp型
Si基板1のソース領域への不純物のイオン注入を行な
う。まず、加速電圧が30〜80keV好ましくは35
〜60keV,ドーズ量が約6×1015cm-2の条件で
ヒ素イオン(As+ )の注入を行なってヒ素イオン注入
層11を形成した後、加速電圧が30〜80keV好ま
しくは35〜60keV,ドーズ量が約1.5×1015
cm-2の条件でリンイオン(P+ )の注入を行なって、
リンイオン注入層12を形成する。同図には、ヒ素イオ
ン注入層11及びリンイオン注入層12のピーク部のみ
が示されているが、実際にはヒ素イオン注入層11及び
リンイオン注入層12は、いずれも深さ方向に広い範囲
に広がっている。
【0034】次に、図3(a)に示す工程で、積層ゲー
ト部10のほぼ半分とp型Si基板1のソース側とを覆
いp型Si基板1のドレイン側を開口したレジスト膜1
3を形成した後、このレジスト膜13をマスクとしてp
型Si基板1のドレイン領域への不純物のイオン注入を
行なう。まず、加速電圧が30〜80keV好ましくは
35〜60keV,ドーズ量が約5×1014cm-2の条
件でヒ素イオン(As+ )を注入してヒ素イオン注入層
17を形成した後、加速電圧が30〜80keV好まし
くは35〜60keV,ドーズ量が約1×1014cm-2
の条件でリンイオン(P+ )を注入してリンイオン注入
層18を形成し、さらに、加速電圧が40〜70keV
好ましくは45〜60keV,ドーズ量が約2.5×1
13cm-2の条件でボロンイオン(B+ )を注入してボ
ロンイオン注入層19を形成する。同図には、ヒ素イオ
ン注入層17,リンイオン注入層18及びボロンイオン
注入層19のピーク部のみが示されているが、実際には
ヒ素イオン注入層17,リンイオン注入層18及びボロ
ンイオン注入層19は、深さ方向に広い範囲に広がって
いる。ここで、ボロンイオンの注入は、大傾角イオン注
入法により、p型Si基板1の主面に垂直な方向に対し
て45°傾いた方向から行なっており、これにより、ボ
ロンイオン注入層19を積層ゲート部10とオーバーラ
ップする領域まで形成できる。
【0035】次に、図3(b)に示す工程で、約900
℃で熱処理を行うことにより、ヒ素イオン注入層11,
リンイオン注入層12,ヒ素イオン注入層17,リンイ
オン注入層18及びボロンイオン注入層19中の不純物
を活性化させると共に拡散させて、p型Si基板1内の
ソース側においては、ソースn+ 層20とソースn-層
21とを形成する一方、ドレイン側においては、ドレイ
ンn+ 層22とドレインn- 層23とp層24とを形成
する。ここで、この熱処理により、p型Si基板1内の
ソース領域においては、飛程及び拡散係数の大きいリン
を含むソースn- 層21は、リンよりも飛程及び拡散係
数の小さいヒ素を含むソースn+ 層20の底部を囲み、
かつ、p型Si基板1の表面付近の領域においては積層
ゲート部10とオーバーラップするように広い範囲に形
成される。
【0036】ただし、「飛程」とは、たとえば基板への
イオン注入時における基板表面から打ち込まれたイオン
の密度の分布の中心までの距離をいい、同じ打ち込みエ
ネルギーであっても打ち込まれるイオンの質量や原子半
径などによって飛程が異なる。また、「拡散係数」と
は、粒子の広がり易さを表す概念であり、温度,不純物
濃度,面方位によって同じ不純物でも拡散係数が変化す
るが、ここでは、これらのパラメータを共通化したとき
の拡散係数の大小を比較している。
【0037】一方、p型Si基板1内のドレイン領域に
おいては、飛程及び拡散係数の大きいリンを含むドレイ
ンn- 層23は、リンよりも飛程及び拡散係数の小さい
ヒ素を含むドレインn+ 層22よりも広い範囲に形成さ
れ、p型Si基板1の表面付近の領域においては積層ゲ
ート部10とオーバーラップするように形成される。た
だし、リンイオン注入層18には比較的低濃度のリンが
含まれているので、p型Si基板1の奥方領域において
はボロンイオン注入層19のボロンにより中和される。
したがって、ドレインn- 層23はp型Si基板1の表
面付近の領域にのみ形成され、かつ、積層ゲート部10
とオーバーラップするように形成される。また、比較的
高エネルギーで注入され、かつ拡散係数の大きいボロン
を含むp層24は、ドレインn+ 層22及びドレインn
- 層23の底部を囲み、かつ、p型Si基板1の表面付
近の領域においては、ドレインn- 層23よりも積層ゲ
ート部10の内方に入り込むように形成される。
【0038】その後、図3(c)に示す工程で、基板の
全面上に、シリコン酸化膜を堆積した後これをエッチバ
ックして、積層ゲート部10の側面上に絶縁体サイドウ
オール25を形成する。その後、積層ゲート部10及び
絶縁体サイドウォール25をマスクとして高濃度のヒ素
イオンの注入を行なって、p型Si基板1内の絶縁体サ
イドウォール25の側方に位置する領域に、ドレインn
++層26aとソースn++層26bとを形成する。
【0039】本実施形態における不揮発性半導体記憶装
置の製造方法の特徴は、ドレイン領域における各n型層
の形成に飛程及び拡散係数が相異なる2種類のイオン
(P+,As+ )を用いている点である。なお、飛程及
び拡散係数の大きいリンのイオン注入の際のドーズ量
は、飛程及び拡散係数の小さいヒ素のイオン注入の際の
ドーズ量よりも少ないようにしている。これは、ドレイ
ンのn型層とp層24との間で急峻なpn接合を維持す
るためである。このような製造工程を採用することで、
以下に説明するようなメモリセルの平面構造及び断面構
造を実現することができる。
【0040】(第1の実施形態に対する比較例) 次に、上記第1の実施形態によって得られる効果を調べ
るために、上記論文記載の不揮発性半導体記憶装置のメ
モリセルの構造において、ソース側及びドレイン側にp
−ポケット124a,124bを設ける代わりに、上記
第1の実施形態と同様に、ドレイン側にのみp型層を設
けた比較例について説明する。
【0041】図12(a)〜(g)は、比較例に係る不
揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
【0042】まず、図12(a)〜(c)に示す工程で
は、上記第1の実施形態における図2(a)〜(c)に
示す工程と同様の処理を行なう。すなわち、p型Si基
板1の上に、トンネル絶縁膜2,フローティングゲート
電極3,容量絶縁膜4及びコントロールゲート電極5か
らなる積層ゲート部10を形成した後、基板の全面上に
保護酸化膜6を形成し、p型Si基板1のソース領域に
ヒ素イオン注入層11及びリンイオン注入層12を形成
する。このときの処理条件は、第1の実施形態における
条件と同じである。
【0043】次に、図12(d)に示す工程では、第1
の実施形態における図3(a)に示す工程と同様に、積
層ゲート部10のほぼ半分とp型Si基板1のソース側
とを覆いp型Si基板1のドレイン側を開口したレジス
ト膜13を形成した後、このレジスト膜13をマスクと
してp型Si基板1のドレイン領域への不純物のイオン
注入を行なう。ただし、ヒ素イオン注入層17とボロン
イオン注入層19とは形成するが、図3(a)に示すリ
ンイオン注入層18は形成しない。ヒ素イオン注入層1
7及びボロンイオン注入層19を形成するためのイオン
注入条件は、第1の実施形態における条件と同じであ
る。
【0044】次に、図12(e)に示す工程で、900
℃の熱処理を行うことで、ヒ素イオン注入層11,リン
イオン注入層12,ヒ素イオン注入層17及びボロンイ
オン注入層19中の不純物を活性化させると共に拡散さ
せて、ソース領域にソースn+ 層20とソースn- 層2
1を形成し、ドレイン領域にはドレインn+ 層22とp
層24を形成する。すなわち、ドレインn- 層が存在し
ていない点が第1の実施形態と異なっている。
【0045】次に、図12(f)に示す工程では、絶縁
体サイドウオール25を形成した後、ヒ素のイオン注入
を行なって、ドレインn++層26aとソースn++層26
bとを形成する。
【0046】(第1の実施形態と比較例との対比) 図4は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
のメモリセルの平面図である。また、図5(a),
(b)は、図4に示すVa−Va線における断面図及びゲー
ト長方向に沿った不純物の種類と濃度の変化を示す図で
ある。図6(a),(b),(c)は、図4に示すVIa-
VIa 線における断面図,ゲート長方向に沿った不純物の
種類と濃度の変化を示す図,及びドレイン端部における
ホットホールの蓄積抑制作用を説明するための図であ
る。
【0047】一方、図13は、比較例に係る不揮発性半
導体記憶装置のメモリセルの平面図である。また、図1
4(a),(b)は、図13に示すXIVa-XIVa線におけ
る断面図及び不純物の種類と濃度とを示す図である。図
15(a),(b),(c)は、図13に示すXVa-XVa
線における断面図,ゲート長方向に沿った不純物の種類
と濃度とを示す図,及びドレイン端部におけるホットホ
ールの蓄積及び侵入の抑制作用を説明するための図であ
る。図17(a)は、図4のXVIIa-XVIIa 線断面におけ
る不純物のイオン注入時におけるイオン注入層の形成状
態を示す断面図、図17(b)は同じ断面における活性
化処理後における不純物拡散領域の形成状態を示す図で
ある。図18(a)は、図13のXVIIIa−XVIIIa線断面
における不純物のイオン注入時におけるイオン注入層の
形成状態を示す断面図、図18(b)は同じ断面におけ
る活性化処理後における不純物拡散領域の形成状態を示
す図である。
【0048】図13に示すように、比較例のメモリセル
のドレイン領域においては、ドレインn+ 層22とLO
COS分離膜27とワード線であるコントロールゲート
電極5(フローティングゲート電極3)とが交わる点P
tの近傍で、ヒ素のイオン注入によって形成されたドレ
インn+ 層22がフローティングゲート電極3の下方に
まで広がっていない。これは、以下の理由による。
【0049】まず、ヒ素のイオン注入時に、比較的飛程
の小さいヒ素イオンはLOCOS膜27のバーズビーク
によってほとんどが遮られる。一方、ボロンイオンはヒ
素に比べて飛程が大きいのでLOCOS分離膜27のバ
ーズビークを通過する。したがって、図18(a)に示
すように、フローティングゲート電極3のゲート長方向
に直交する断面において、ボロンイオン注入層19はL
OCOS分離膜27のバーズビークの直下方の領域にま
で形成されるのに対し、ヒ素イオン注入層17はLOC
OS分離膜27のバーズビークの直下方の領域には形成
されない。しかも、活性化のための熱処理においても、
ヒ素の拡散係数は小さい。その結果、図18(b)に示
すように、不純物の活性化のための熱処理後において、
p層24がLOCOS分離膜27の下方まで深く入り込
むのに対し、ドレインn+ 層22はLOCOS分離膜2
7の下方まで入り込まない。
【0050】それに対し、図4に示すように、第1の実
施形態のメモリセルのドレイン領域においては、LOC
OS分離膜27とワード線であるコントロールゲート5
との交点Ptの近傍において、ヒ素のイオン注入によっ
て形成されたドレインn+ 層22がフローティングゲー
ト電極3の下方にまで広がっていない点は比較例と同じ
であるが、ドレインn- 層23がフローティングゲート
電極3の下方にまで十分広く形成されている。これは以
下の理由による。
【0051】リンイオンの注入時に、飛程がヒ素よりも
大きく、ボロンよりも小さいリンイオンは、LOCOS
膜27のバーズビークの厚みの大きい部分ではバーズビ
ークによって遮られるが、バーズビークの厚みの小さい
部分ではバーズビークを通過する。したがって、図17
(a)に示すように、フローティングゲート電極3のゲ
ート長方向に直交する断面において、リンイオン注入層
18はLOCOS分離膜27のバーズビークの薄膜部の
直下方の領域、つまり、ボロンイオン注入層19とヒ素
イオン注入層17との中間的な位置まで形成される。し
かも、リンの拡散係数はヒ素の拡散係数よりも大きい。
その結果、図17(b)に示すように、不純物の活性化
のための熱処理後において、ドレインn- 層23がLO
COS分離膜27の下方まで入り込んで形成される。
【0052】上述のような構造上の相違を、フローティ
ングゲート電極3のゲート長方向をに沿った断面におけ
る構造について詳しく比較する。比較例のメモリセルに
おいては、図14(a),(b)に示すように、ドレイ
ン中央部を通る断面においては、ドレインn+ 層22
は、フローティングゲート電極3の下方の領域まで広が
っている。一方、第1の実施形態のメモリセルにおいて
も、図5(a),(b)に示すように、ドレイン中央部
を通る断面においては、ドレインn+ 層22は、フロー
ティングゲート電極3の下方の領域にまで広がってお
り、ドレインn- 層23とほぼ同じ程度にフローティン
グゲート電極3とオーバーラップしている。つまり、ド
レイン中央部においては、ドレインn- 層23はきわめ
て狭くなっているので、p層24とドレインn+ 層22
との間には、比較例のメモリセルと同様に急峻なpn接
合が形成されている。したがって、第1の実施形態のメ
モリセルにおいても、不揮発性半導体記憶装置の書き込
み動作に必要なチャネルホットエレクトロンを十分発生
でき、書き込み動作が阻害されるおそれはないことがわ
かる。
【0053】一方、ドレイン端部(つまり交点Ptの近
傍)を通る断面においては、比較例のメモリセルでは、
図15(a),(b)に示すように、ドレインn+ 層2
2はフローティングゲート電極3の下方の領域まで広が
っておらず、フローティングゲート電極3と平面的にみ
てオーバーラップしていない。その結果、pn接合すな
わちGIDLによるホットホール発生位置と電界が集中
するゲート端部とが一致し、図15(c)に示すよう
に、書き込み動作時において、選択ビット線に接続され
る非選択メモリセルのフローティングゲート電極−ドレ
イン間に印加される電界が、約7MV/cmと大きくな
るので、発生したホットホールがトンネル絶縁膜2の内
部にまで侵入してホットホールトラップやホールがフロ
ーティングゲート電極3に到達する確率が高くなる。一
方、第1の実施形態のメモリセルにおいては、図6
(a),(b)に示すように、ドレイン端部を通る断面
において、ドレインn+ 層22はフローティングゲート
電極3の下方の領域まで広がっていないが、ドレインn
- 層23がフローティングゲート電極3の下方の領域ま
で広がっている。その結果、図6(c)に示すように、
書き込み動作時において、選択ビット線に接続される非
選択メモリセルにおいて、pn接合すなわちGIDLに
よるホットホール発生位置と電界が集中するゲート端部
とが一致せず、GIDLによるホットホール発生位置で
はゲート酸化膜の電界が約3MV/cmに緩和される。
したがって、書き込み時に発生したホットホールがトン
ネル絶縁膜2の内部にまで浸透する確率が低くなる。つ
まり、トンネル絶縁膜2内にホットホールトラップが発
生したとしても、その位置はトンネル絶縁膜2の表面に
限られる。以上の効果は、ヒ素イオンよりも飛程が大き
い不純物イオンを用いることにより得られるが、リンの
ように飛程だけなく熱処理時における拡散係数も大きい
不純物を用いることで、より確実に上述の効果を発揮す
ることができる。
【0054】なお、ヒ素を打ち込む際の加速エネルギー
を大きくすることによっても、ヒ素イオンをバーズビー
クの一部を通過させることが考えられるが、加速エネル
ギーが大きいとドレインn+ 層22の濃度ピークが基板
の奥深くに位置することになるので、フローティングゲ
ート電極3への書き込み動作などに支障をきたし、不揮
発性半導体記憶装置の基本的な性能が低下するか、ある
いは、高加速エネルギーのヒ素が保護酸化膜6を突き抜
け、トンネル絶縁膜2にダメージを与えたり、ドレイン
n+ 層22が基板奥深くに位置することでLOCOS分
離膜27の特性を低下させるおそれがある。
【0055】図7は、書き込み時のドレインディスター
ブ特性を示す図である。図7において、横軸のTime
は、ワード線に0Vの電圧をドレインに5Vの電圧をそ
れぞれ印加したまま放置するドレインストレス時間を示
し、縦軸のしきい値電圧は、ドレイン電圧を1.0Vに
し、ゲート電圧を上昇させたときにドレイン電流が一定
以上流れはじめるゲート電圧である。また、縦軸に示す
VTW,VTEはそれぞれ不揮発性半導体記憶装置の書
き込み後のしきい値電圧,消去後のしきい値電圧であ
る。同図を参照するとわかるように、比較例に係る不揮
発性半導体記憶装置においては、ドレインストレス時間
が10秒程度に達すると、書き込み後のしきい値電圧V
TWと消去後のしきい値電圧VTEとが近づいて、消去
状態のメモリセルを書き込み状態と判断したり、あるい
は書き込み状態のメモリセルを消去状態と判断するおそ
れがある。それに対し、第1の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置においては、ドレインストレス時間が1
00秒程度に達するまで、このような誤判断のおそれは
生じない。つまり、第1の実施形態により、しきい値電
圧の変動を生じないと保証できるドレインストレス時間
が従来の不揮発性半導体記憶装置の10倍程度にまで向
上する。このように、第1の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置のドレインディスターブ特性は、従来の不
揮発性半導体記憶装置のドレインディスターブ特性に比
べて大幅に改善されている。
【0056】なお、IEDM90中の論文に記載されて
いる不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造は、上
記比較例のソース領域におけるソースn- 層21をp型
のポケット層に置き換えたものに相当するが、ドレイン
領域における構造は上述の比較例に係るメモリセルの構
造と基本的に同じである。したがって、上記論文に記載
されている不揮発性半導体記憶装置のドレインディスタ
ーブ特性は上記比較例のメモリセルのそれとほぼ同等と
見なすことができる。
【0057】以上のように、第1の実施形態に係る不揮
発性半導体記憶装置によれば、メモリセルのドレイン中
央部を通る断面では、ドレインn+ 型層22がフローテ
ィングゲート電極3と十分オーバーラップしながらp層
24と急峻なpn接合を形成しているので、不揮発性半
導体記憶装置の書き込み動作におけるチャネルホットエ
レクトロンが十分発生して、従来の不揮発性半導体記憶
装置と同等の書き込み速度を保つことができる。一方、
ドレイン端部では、平面的にみてドレインn-層23が
フローティングゲート電極3と十分オーバーラップして
いるので、書き込み動作時のドレインディスターブ状態
でのpn接合近傍におけるフローティングゲート電極−
ドレイン間に印加される電界が緩和され、図7に示すよ
うに書き込み時のドレインディスターブの向上を図るこ
とができる。すなわち、信頼性の高い不揮発性半導体記
憶装置を実現することができる。
【0058】なお、ドレインn- 層23はLOCOS分
離膜27の近傍部でフローティングゲート電極3に十分
オーバーラップする程度に形成すればよく、短チャネル
効果が助長されるおそれはない。
【0059】また、ドレインディスターブ特性の向上に
よって、本発明では、以下のような効果を発揮すること
ができる。
【0060】図8(a),(b)は、従来の不揮発性半
導体記憶装置のメモリセルアレイの構造と第1の実施形
態の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイの構造
とをそれぞれ示す平面図である。従来のメモリセルの構
造では、ドレインディスターブ特性が劣っていることを
考慮すると、図8(a)に示すように、メモリセルアレ
イを複数のブロックに分割して、各ブロックごとにビッ
ト線にセンスアンプSAを配置し、各ブロックごとに書
き込み動作を行なう必要がある。共通のビット線に接続
されるメモリセルの数が多すぎると、ドレインストレス
時間が長くなり、しきい値電圧の変動を生じるおそれが
あるからである。
【0061】それに対し、本発明の不揮発性半導体記憶
装置のメモリセルアレイの場合には、図8(b)に示す
ように、単一のブロック内にすべてのメモリセルを配置
して、各ビット線に1つのセンスアンプSAを配置する
だけでよい。共通のビット線に接続されるメモリセルの
数が多くてドレインストレス時間が長くなっても、しき
い値電圧の変動を生じるおそれがほとんど生じないから
である。もちろん、飛躍的に集積度が高くなると、メモ
リセルアレイを複数のブロックに分割する必要が生じる
かもしれないが、その場合でも従来の不揮発性半導体記
憶装置のメモリセルアレイに比べれば、ブロック数を1
0分の1程度に低減できる。そのため、コストを低減で
きるだけでなく、大面積をしめるセンスアンプの個数を
低減することで、不揮発性半導体記憶装置の高集積化を
図ることができる。
【0062】上述のような第1の実施形態の効果を得る
ためには、図1に示すドレインn-層23におけるリン
の濃度が3×1018〜1×1019cm-2であることが好
ましい。また、このような適正濃度範囲を得るために
は、図3(a)に示すイオン注入工程では、リンイオン
のドーズ量が3×1013〜1×1014cm-2であること
が好ましい。一方、ボロン注入層24におけるボロンの
濃度は、1×1019cm-2以上であればよく、濃度の上
限は不揮発性半導体記憶装置に配置されるメモリセルト
ランジスタの構造や種類によって変わり、メモリセルト
ランジスタの動作を円滑に保持できる範囲であればよ
い。
【0063】(第2の実施形態) 本実施形態では、不揮発性半導体記憶装置の検査方法に
ついて説明する。第1の実施形態の不揮発性半導体記憶
装置の製造方法においても、工程中のダストや欠陥など
によって、ドレインのドレインn- 層23などがフロー
ティングゲート電極3と十分にオーバーラップしていな
い場合が起こることがありうる。その場合には、トンネ
ル絶縁膜2にホットホールのトラップが形成されて、ド
レインディスターブ特性の悪化や、フローティングゲー
ト電極3の電子量の変動を起こす不良が生じてしまう。
その場合、図9(a)〜(e)に示すような方法で、不
良になった不揮発性半導体記憶装置(メモリセル)を検
知することができる。ただし、このような検査方法は、
必ずしも本発明の構成を有する不揮発性半導体記憶装置
を前提として成立するものではなく、フローティングゲ
ート電極を有するメモリセルを配置した不揮発性半導体
記憶装置全般に適用できる方法である。
【0064】図9(a)は、メモリセルアレイ構造を
簡略的に示す図であって、メモリセルアレイ内にはたと
えば第1の実施形態のような構造を有するメモリセルが
行列に配置されている。検査に際しては、NOR型に
配置された全メモリセルをあらかじめ消去状態にした
後、全メモリセルの読み出し電流を検知する。ワード線
29は、複数の不揮発性半導体記憶装置(メモリセル)
のコントロールゲート5が接続されたものであり、ビッ
ト線30には複数の不揮発性半導体記憶装置(メモリセ
ル)の各ドレインn++層26aが接続されている。な
お、NOR型に配置したメモリセルの構成は、複数のワ
ード線29と複数のビット線30とを格子状に配置し、
その各交差点にメモリセルが1個配置されたものであ
る。
【0065】次に、図9(b)に示すように、全ビット
線30に、ドレインにホットホールが発生する程度の電
圧、例えば5Vの電圧を所定の時間だけ印加する。この
状態では、フローティングゲート電極FGには電子が蓄
積されていないので、フローティングゲート電極−ドレ
イン間に印加される電界は比較的小さい。したがって、
不良のメモリセルにのみ図9(c)に示すようなホット
ホールのトラップが発生する。
【0066】その後、図9(d)に示すように、全ワー
ド線29に一定の高電圧例えば8Vの電圧を所定の時間
だけ印加した後、NOR型に配置された全メモリセルの
読み出し電流を検知する。このとき、すでに測定されて
いる消去状態にしたときの読み出し電流とは異なる読み
出し電流を示すメモリセルにおいて、トンネル絶縁膜に
ホットホールのトラップが形成されている。これによ
り、検知した不良メモリセルを冗長セルと置き換えるよ
うにするか、あるいは、記憶装置全体を不良として判定
する。図9(e)に示すように、不良メモリセルにおい
ては、ドレイン近傍のトンネル絶縁膜中またはトンネル
絶縁膜の表面に正電荷のトラップが形成されているの
で、トンネル絶縁膜内のポテンシャルが低下し、トラッ
プを通じてフローティングゲート電極FGに電子が注入
され、メモリセルの状態が変動する。
【0067】本実施形態によると、製造工程の進行中に
ダストの付着,欠陥の発生などによって特別にドレイン
ディスターブが生じやすくなったメモリセルを電気的に
迅速に発見することができる。特に、本発明の構造を有
する不揮発性半導体記憶装置においては、上述のような
トラブルによってドレイン領域がフローティングゲート
電極と十分オーバーラップして形成されなかったメモリ
セルを電気的に発見できるという効果が得られる。
【0068】(第3の実施形態) 次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図1
0(a)〜(c)および図11(a)〜(c)は、第3
の実施形態における不揮発性半導体記憶装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態に係る不揮発性半導体
記憶装置は、図1に示す第1の実施形態の構成と同じ構
造を有するが、製造方法が異なる。
【0069】図10(a)に示す工程で、p型Si基板
1に、図示はしないが、pウエルとLOCOS分離膜を
形成する。次に、p型Si基板1の上に、厚みが10n
m程度のシリコン酸化膜と、第1ポリシリコン膜と、厚
みが18nm程度のONO膜と、第2ポリシリコン膜と
を順次形成する。そして、形成しようとするゲートのパ
ターンを有するレジスト膜31を形成した後、レジスト
膜31をマスクとする異方性エッチングを行なうことに
より、第2ポリシリコン膜,ONO膜,第1ポリシリコ
ン膜及びシリコン酸化膜を順次パターニングして、コン
トロールゲート電極5と、容量絶縁膜4と、フローティ
ングゲート電極3と、トンネル絶縁膜2とからなる積層
ゲート部10を形成する。
【0070】次に、図10(b)に示す工程で、加速電
圧が30〜80keV好ましくは35〜60keV,ド
ーズ量が約1×1014cm-2の条件でリンイオン(P+
)の注入を行い、p型Si基板1のソース側およびド
レイン側にリンイオン注入層33を形成する。
【0071】次に、図10(c)に示す工程で、熱酸化
処理を行なって、基板の全面に保護酸化膜6を形成す
る。その際、フローティングゲート電極3の下端側の稜
線部が酸化されてゲートバーズビーク7が形成される。
保護酸化膜6は、各種イオン注入時の不要な汚染を防止
するものである。また、同時に形成されるゲートバーズ
ビーク7により、フローティングゲート電極3の稜線部
は面取り状態となる。
【0072】次に、図11(a)に示す工程で、積層ゲ
ート部10のほぼ半分とp型Si基板1のドレイン側と
を覆い、p型Si基板1のソース側を開口したレジスト
膜8を形成した後、このレジスト膜8をマスクとしてp
型Si基板1のソース領域への不純物のイオン注入を行
なう。まず、加速電圧が30〜80keV好ましくは3
5〜60keV,ドーズ量が約6×1015cm-2の条件
でヒ素イオン(As+)の注入を行なってヒ素イオン注
入層11を形成した後、加速電圧が30〜80keV好
ましくは35〜60keV,ドーズ量が約1.5×10
15cm-2の条件でリンイオン(P+ )の注入を行なっ
て、リンイオン注入層12を形成する。同図には、ヒ素
イオン注入層11及びリンイオン注入層12のピーク部
のみが示されているが、実際にはヒ素イオン注入層11
及びリンイオン注入層12は、いずれも深さ方向に広い
範囲に広がっている。
【0073】次に、図11(b)に示す工程で、積層ゲ
ート部10のほぼ半分とp型Si基板1のソース側とを
覆いp型Si基板1のドレイン側を開口したレジスト膜
13を形成した後、このレジスト膜13をマスクとして
p型Si基板1のドレイン領域への不純物のイオン注入
を行なう。まず、加速電圧が30〜80keV好ましく
は35〜60keV,ドーズ量が約5×1014cm-2
条件でヒ素イオン(As+ )を注入してヒ素イオン注入
層17を形成した後、加速電圧が40〜70keV好ま
しくは45〜60keV,ドーズ量が約2.5×1013
cm-2の条件でボロンイオン(B+ )を注入してボロン
イオン注入層19を形成する。同図には、ヒ素イオン注
入層17,リンイオン注入層33及びボロンイオン注入
層19のピーク部のみが示されているが、実際にはヒ素
イオン注入層17,リンイオン注入層33及びボロンイ
オン注入層19は、深さ方向に広い範囲に広がってい
る。ここで、ボロンイオンの注入は、大傾角イオン注入
法により、p型Si基板1の主面に垂直な方向に対して
45°傾いた方向から行なっており、これにより、ボロ
ンイオン注入層19を積層ゲート部10とオーバーラッ
プする領域まで形成できる。
【0074】次に、図11(c)に示す工程で、約90
0℃で熱処理を行うことで、ヒ素イオン注入層11,リ
ンイオン注入層12,ヒ素イオン注入層17,リンイオ
ン注入層33及びボロンイオン注入層19中の不純物を
活性化させると共に拡散させて、p型Si基板1内のソ
ース側には、ソースn+ 層20とソースn- 層21とを
形成する一方、ドレイン側にはドレインn+ 層22とド
レインn- 層23とp層24とを形成する。ここで、こ
の熱処理により、p型Si基板1内のソース領域におい
ては、リンイオン注入層33内にはリンイオン注入層1
2よりも低濃度のリンが導入されているだけであるの
で、もっぱらリンイオン注入層12内のリンの拡散によ
ってソースn- 層21が形成されることになる。そし
て、飛程及び拡散係数の大きいリンを含むソースn- 層
21は、リンよりも飛程及び拡散係数の小さいヒ素を含
むソースn+ 層20の底部を囲み、かつ、p型Si基板
1の表面付近の領域においては積層ゲート部10とオー
バーラップするように広い範囲に形成される。
【0075】一方、p型Si基板1内のドレイン領域に
おいては、飛程及び拡散係数の大きいリンを含むドレイ
ンn- 層23は、リンよりも飛程及び拡散係数の小さい
ヒ素を含むドレインn+ 層22よりも広い範囲に形成さ
れ、p型Si基板1の表面付近の領域においては積層ゲ
ート部10とオーバーラップするように形成される。た
だし、リンイオン注入層33には比較的低濃度のリンが
含まれているので、p型Si基板1の奥方領域において
はボロンイオン注入層24のボロンにより中和される。
したがって、ドレインn- 層23はp型Si基板1の表
面付近の領域にのみ形成され、かつ、積層ゲート部10
とオーバーラップするように形成される。また、比較的
高エネルギーで注入され、かつ拡散係数の大きいボロン
を含むp層24は、ドレインn+ 層22及びドレインn
- 層23の底部を囲み、かつ、p型Si基板1の表面付
近の領域においては、ドレインn- 層23よりも積層ゲ
ート部10の内方に入り込むように形成される。
【0076】その後は、上記第1の実施形態における図
3(c)に示す工程と同じ処理を行なって、絶縁体サイ
ドウォールや、ドレインn++層26a,ソースn++層2
6bを形成する。
【0077】第3の実施形態によれば、第1の実施形態
の効果に加え、リンイオンの注入を、保護酸化膜6とゲ
ートバーズビーク7を形成する前、すなわちトンネル絶
縁膜2と第1ポリシリコン膜3と容量絶縁膜4と第2ポ
リシリコン膜5とをパターニングして積層ゲート部10
を形成した直後に行っているため、第1の実施形態の場
合よりも、リンイオン注入層33をフローティングゲー
ト電極3の下方の領域に深く拡散させることができると
いう効果がある。
【0078】なお、第3の実施形態では、ドレイン領域
のドレインn+ 層22とドレインn- 層23を形成する
ために、保護酸化膜6とゲートバーズビーク7の形成前
にリンのイオン注入を行い、保護酸化膜6とゲートバー
ズビーク7の形成後にヒ素のイオン注入を行っている
が、保護酸化膜6とゲートバーズビーク7の形成前にヒ
素のイオン注入を行い、保護酸化膜6とゲートバーズビ
ーク7の形成後にリンのイオン注入を行うようにしても
よいし、また、保護酸化膜6とゲートバーズビーク7の
形成前にリンのイオン注入とヒ素のイオン注入との両方
を行うようにしてもよい。
【0079】また、上記第1および第3の実施形態で
は、ドレイン領域形成のために飛程及び拡散係数の異な
る2種類(P+ ,As+ )のイオン注入を行うようにし
たが、3種類以上のイオン注入を行ってもよく、その場
合、ドレイン領域のドレインn- 層23がフローティン
グゲート電極3とオーバーラップしている状態と同様
に、3種類以上のうちの飛程の大きい少なくとも1種類
のイオン注入による不純物層が素子形成領域上における
積層ゲート部10のゲート幅方向全体に亘って積層ゲー
ト部10とオーバーラップするように形成すればよい。
【0080】なお、上記第1および第3の実施形態にお
いて、n型とp型の領域を全て逆に構成するようにして
もよい。
【0081】
【発明の効果】本発明の不揮発性半導体記憶装置または
その製造方法によると、ドレイン領域に第2導電型の第
1の不純物を含む第1の拡散層と、第2導電型の第2の
不純物を含む第2の拡散層とを設け、そのうちの少なく
とも第2の拡散層が、第1の拡散層に隣接し、かつ、素
子形成領域上における積層ゲート部のゲート幅方向に沿
った端部とその全体に亘ってオーバーラップするように
したことにより、ドレイン領域と第1導電型拡散層との
間で急峻なpn接合を形成しながら、ドレイン領域がフ
ローティングゲートとオーバーラップしていない部分を
なくし、書き込み速度の低下や短チャネル効果の増大を
招くことなく、ドレインディスターブ特性を改善するこ
とができ、よって、信頼性の向上と高集積化とを図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
のメモリセルの構造を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
の製造工程のうち前半部分を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
の製造工程のうち後半部分を示す工程断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
のメモリセルアレイ中の一部を示す平面図である。
【図5】図4のVa−Va線における断面図及びゲート長方
向に沿った不純物の種類と濃度の変化を示す図である。
【図6】図4のVIa-VIa 線における断面図,ゲート長方
向に沿った不純物の種類と濃度の変化を示す図,及びド
レイン端部におけるホットホールの蓄積抑制作用を説明
するための概略的な断面図である。
【図7】第1の実施形態及び比較例に係る不揮発性半導
体記憶装置のドレインディスターブ特性を示す図であ
る。
【図8】従来及び第1の実施形態に係る不揮発性半導体
記憶装置のメモリセルアレイの構造を示すブロック回路
図である。
【図9】第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置
のメモリセルアレイの検査方法を説明するためのブロッ
ク回路図及び概略的な断面図である。
【図10】第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装
置の製造工程のうち前半部分を示す断面図である。
【図11】第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装
置の製造工程のうち後半部分を示す断面図である。
【図12】比較例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造
工程を示す断面図である。
【図13】比較例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモ
リセルアレイ中の一部を示す平面図である。
【図14】図13のXIVa-XIVa線における断面図及びゲ
ート長方向に沿った不純物の種類と濃度の変化を示す図
である。
【図15】図13のXVa-XVa 線における断面図,ゲート
長方向に沿った不純物の種類と濃度の変化を示す図,及
びドレイン端部におけるホットホールの蓄積抑制作用を
説明するための概略的な断面図である。
【図16】IEDM90中の論文に記載されている従来
の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構造を示す断
面図及び製造工程を示すフロー図である。
【図17】図4のXVIIa-XVIIa 線断面における不純物の
イオン注入時におけるイオン注入層及び不純物拡散領域
の形成状態をそれぞれ示す断面図である。
【図18】図13のXVIIIa−XVIIIa線断面における不純
物のイオン注入時におけるイオン注入層及び不純物拡散
領域の形成状態をそれぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 p型Si基板 2 トンネル絶縁膜 3 フローティングゲート電極 4 容量絶縁膜 5 コントロールゲート電極 6 保護酸化膜 7 ゲートバーズビーク 8 レジスト膜 11 ヒ素イオン注入層 12 リンイオン注入層 13 レジスト膜 17 ヒ素イオン注入層 18 リンイオン注入層 19 ボロンイオン注入層 20 ソースn+ 層 21 ソースn- 層 22 ドレインn+ 層 23 ドレインn- 層 24 p層 25 絶縁体サイドウオール 26a ドレインn++層 26b ソースn++層 27 LOCOS分離膜 29 ワード線 30 ビット線 31 レジスト膜 33 リンイオン注入層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 三喜 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (72)発明者 久保田 俊元 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−226663(JP,A) 特開 平2−206177(JP,A) 特開 平6−237002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、 上記半導体基板上にトンネル絶縁膜,フローティングゲ
    ート電極,容量絶縁膜,及びコントロールゲート電極を
    順に積層して設けられた積層ゲート部と、 上記半導体基板の表面の素子形成領域に上記積層ゲー
    ト部を挟んで設けられた第2導電型のソース領域および
    ドレイン領域と、 上記第2導電型のドレイン領域の底部を囲む第1導電型
    拡散層とを備え、 上記ドレイン−ソース間に電圧を印加してホットキャリ
    アを発生させることで書き込む機能を有するとともに、 上記ドレイン領域は、第2導電型の第1の不純物を含む
    第1の拡散層と、上記第1の拡散層に隣接し、かつ、上
    記積層ゲート部のゲート幅方向に沿った端部とその全体
    に亘ってオーバーラップするように設けられた第2導電
    型の第2の不純物を含む第2の拡散層とを少なくとも有
    し、上記第1導電型拡散層は、上記第1及び第2の拡散層の
    底部を囲むように設けられている ことを特徴とする不揮
    発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置
    において、 上記積層ゲート部の側面上に設けられた絶縁体サイドウ
    ォールと、 上記ドレイン領域の一部として、上記素子形成領域の上
    記絶縁体サイドウォールの側方に位置する領域に設けら
    れ、かつ、上記第1の拡散層によって底部が囲まれてい
    る第2導電型の第3の拡散層とをさらに備えていること
    を特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置
    において、 上記ソース領域は、上記半導体基板の上記絶縁体サイド
    ウォールの側方に位置する領域に設けられた第2導電型
    の第4の拡散層と、上記第4の拡散層の底部を囲む第2
    導電型の第5の拡散層と、上記第5の拡散層の底部を囲
    む第2導電型の第6の拡散層とによって構成されている
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の不揮発性半導体
    記憶装置において、 上記第1の不純物はヒ素であり、 上記第2の不純物はリンであることを特徴とする不揮発
    性半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 第1導電型の半導体基板上に、トンネル
    絶縁膜,フローティングゲート電極,容量絶縁膜,コン
    トロールゲート電極を順に積層して積層ゲート部を形成
    する第1の工程と、 上記半導体基板の表面部の素子形成領域に、上記積層ゲ
    ート部をマスクとして、第2導電型の第1の不純物と、
    該第1の不純物よりもイオン注入時の飛程が大きい第2
    の不純物とをイオン注入することにより、第2導電型の
    ドレイン領域となる第1のイオン注入層及び第2のイオ
    ン注入層をそれぞれ上方から順に形成する第2の工程
    と、上記半導体基板の表面部の素子形成領域に、第1導電型
    の第3の不純物をイオン注入することにより、第3のイ
    オン注入層を形成する 第3の工程と、熱処理により上記第1,第2及び第3の不純物の活性化
    と拡散とを行なって、第2導電型の第1の不純物を含む
    第1の拡散層と、上記第1の拡散層に隣接した半導体基
    板の表面部のみに、かつ、上記積層ゲート部のゲート幅
    方向に沿った端部とその全体に亘ってオーバーラップす
    るように設けられた上記第2の不純物を含む第2導電型
    の第2の拡散層と、上記第1の拡散層及び上記第2の拡
    散層の底部を囲むように設けられた上記第3の不純物を
    含む第1導電型拡散層とを形成する第4の工程とを備え
    ている 不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置
    の製造方法において、 上記第4の工程の後に、 上記積層ゲート部の側面上に絶縁体サイドウォールを形
    成する第5の工程と、 上記半導体基板の表面部の素子形成領域に、上記積層ゲ
    ート部及び上記絶縁体サイドウォールをマスクとして第
    2導電型の第4の不純物を注入することにより、上記ド
    レイン領域の一部となる第2導電型の第3の拡散層を、
    上記第1の拡散層によって底部が囲まれるように形成す
    る第6の工程と をさらに備えていることを特徴とする不
    揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の不揮発性半導体
    記憶装置の製造方法において、上記第2の工程では、
    記第2の不純物のドーズ量を上記第1の不純物のドーズ
    量よりも少なくすることを特徴とする不揮発性半導体記
    憶装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のうちいずれか1つに記載
    の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、上記第
    2の工程では、上記第1及び第2の不純物のうち少なく
    ともいずれか一方の不純物のイオン注入を、上記積層ゲ
    ート部を形成した直後に行うことを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のうちいずれか1つに記載
    の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、 上記第3の工程では、上記第1導電型拡散層を形成する
    ための上記第3の不純物のイオン注入は、上記積層ゲー
    ト部の下方領域にも注入されるように上記半導体基板の
    法線方向に対して20度以上の角度を有する方向から行
    う大傾角イオン注入を用いることを特徴とする不揮発性
    半導体記憶装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のうちいずれか1つに記
    載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、 上記第2の不純物は、上記第1の不純物よりも不純物活
    性化のための熱処理における拡散係数が大きいことを特
    徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5〜10のうちいずれか1つに
    記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、 上記第1の不純物はヒ素であり、 上記第2の不純物はリンであることを特徴とする不揮発
    性半導体記憶装置の製造方法。
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