JP3061960U - 蘭懸架栽培板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで扱いやすく、通気性に優れ、且つ
水苔の交換が簡単で、観賞用にも適した蘭の懸架栽培板
を提供する。 【解決手段】 集水溝、挿管、嵌合凸、挟持具、穿孔及
び潅水管を有する本体板と、複数の弧状条片と各条片間
の空隙である通気口からなる左右一対の定位網が嵌合し
て一体とする。または、中央に花茎穴を有し、弧状条片
の空隙が通気口を形成する一片の連接した定位網を本体
板に連結してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、蘭の栽培板に関し、特に材料及び製造にかかるコストを下げ、シン プルな組立及び構造で、通気性に富み、且つ蘭の寄生効果に優れる蘭懸架栽培板 を提供する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の蘭栽培板には大きく分けて二種類あり、一つは天然のヘゴくずを板状に したもので、これは蘭の寄生効果に優れているが、日々減少する天然材はコスト が高くつき、且つ天然であるが故に必ず腐敗するため使用期間に制限があり、蘭 に吸収され減少する栄養分を再補充するのは困難で、尚且つ携帯、潅水が不便、 温室での大量栽培はできない等の欠点を有する。 もう一つは、プラスチック製の栽培板で、単純なプラスチックの板片からなり 、布で包んだ水苔を栽培板上に固定し、蘭を水苔に植え込むというものである。 これは植え込みが面倒で水苔の定位効果に欠ける上水苔の量が限られてしまい、 また水苔を布で包むため通気性が悪く、水分を吸収した布は内部の水分蒸発を妨 げ、長期間水分過多の状態が続けば蘭の根腐れの原因となる。さらに、布で包ま れた蘭は見栄えが良いとは言えず、水苔の交換も面倒である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の技術が有する欠点を改善し、低コストで扱いやすく、通気性 に優れ、且つ水苔の交換が簡単で、観賞用にも適した蘭の懸架栽培板を提供する ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は主に本体板及び一対の定位網で構成し、 板状の本体板は周縁に嵌合凸部を、上方の適所に挿管を有し、それぞれ弧状条片 からなる両定位網は、各弧状条片間の空隙が通気口を形成し、周縁部には本体板 嵌合凸部に対応する嵌合片を設け、これらの嵌合により両者は連結して一体とな り、両定位網は相対する端部に花茎穴、掛合鉤及び掛合孔の掛合片を有し、これ らの掛止が両定位網を一体とし、同時に花茎穴が形成する中心円は蘭の茎部を突 出させ、弧状条片と本体板の空間には水苔が充填でき、水苔は弧状条片により限 定される空間に定位することを特徴とする。 本体板上方に設けた挟持具は、潅水管を挟装し、潅水管条には複数の出水孔を 列設し、均等に潅水及び施肥を行うことを特徴とする。 本体板の底端に設置の集水溝は、過剰な水分を長時間水苔及び蘭の根部に貯め ておかないよう、必要のない水を容れる溝であることを特徴とする。 本体板上方の穿孔は、取っ手又は懸鉤を設置するための孔であることを特徴と する。 本体板の挿管に、蘭の花茎を支持するための支持桿を挿入できることを特徴と する。 一対の定位網と本体板の間に連結部を設けて両者を連結し一体型の構造とする 、また一対の定位網を一体に成型する、或いは各定位網及び本体板に軟性のプラ スチック材等を用いて成型し、その彎曲形状に合わせて釘などで固定し一体型と することもできる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１、図２が示すように、本考案は主に本体板１０と定位網２０、２１からな る。 板状を呈する定位板１０は、底端に集水溝１４を有し、周縁に嵌合凸部１１を 、上面の適所に挿管１２及び潅水管１５を挟扼する挟持具１３を設け、潅水管１ ５には孔径の小さい出水孔１６を列設し、本体板１０の上縁には穿孔１７を設け る。 定位網２０、２１は、一対の網体であり、それぞれ複数の弧状条片２２で形成 され、各弧状条片２２間の空隙である通気口２３のサイズは必要に応じて設定で きる。定位網２０、２１の周縁に本体板１０の嵌合凸部１１に対応する嵌合片２ ４を設け、嵌合凸部１１が嵌合片２４に貫設の嵌合孔２５と嵌合し、本体板１０ と定位網体２０、２１を連結して一体とする。また、一対の定位網２０、２１は それぞれ端部に花茎穴２９、掛合鉤２８及び掛合孔２７の掛合片２６を有し、こ れらの掛止によって一体となり、同時に花茎穴２９が形成する中心円の部分は蘭 の茎部を突出させ、並びに弧状条片２２と本体板１０の空間には水苔３１を充填 する。水苔３１は弧状条片２２により限定される空間に定位する。

【０００６】 使用時は、定位網２０、２１の各嵌合片２４をそれぞれ本体板１０の嵌合凸部 １１に嵌装し、同時に定位網２０、２１の掛合鉤２８と掛合片２６を掛止すると 定位網２０、２１と本体板１０は一体となり、蘭を定位網２０、２１の花茎穴２ ９内に入れた後、水苔３１を通気口２３から充填すると、蘭は定位される。水苔 ３１の量は蘭の安定具合に応じて決定すればよい。最後に潅水管１５を本体板１ ０の挟持具１３に挟装すれば蘭栽培板の完成である。 また、水苔３１で蘭の根 部を包み、中心が高く周辺が低い弧状を形成して本体板１０上に置いた後、定位 網２０、２１と本体板１０を組立てて一体としてもよく、この時蘭の茎部を花茎 穴２９から突き出させる。このようにしても、定位網２０、１２が水苔３１と蘭 をしっかり定位する。

【０００７】 本考案で用いる水苔３１は、定位網２０、２１の弧状条片２２に包囲されてい るため、脱落したりするようなことがなく、さらに通気口２３により通気性に優 れた環境が形成される。 時間が経って腐敗した水苔３１は蘭の成長に悪影響を与えるため、新しいもの に交換する必要がある。本考案の通気口２３は全面に開設してあり、且つその空 間は充分な大きさを有するため、順序よく古い水苔３１を取り出し（ペンチ等を 用いて）てから新しいものを充填すれば、蘭を株ごと抜かなくても水苔を交換で き、故に根傷みは最小限に留められる。 また水苔をすべて交換する、蘭を移植する、或いは根部の手入れを行う（老化 した蘭の根部には多かれ少なかれ枯れた根がある）際は、両定位網２０、２１を 分解し、本体板１０を外せばよく、同様に蘭を株ごと抜く必要はなく、根傷みは 最小限に留められる。

【０００８】 本体板１０上方に設けた潅水管１５は貫通状の水管であり、温室内で大量栽 培する場合は、数本の潅水管１５を一本に連通し、各管上の出水孔１６から均等 に水苔３１に潅水を行う。液体肥料の施肥もこの方式を利用できる。過分になっ た水分或いは液肥は、集水溝１４に集められ（水苔３１は集水溝１４の上方に位 置しているため、貯水には接触しない）、蘭周辺を湿ったままの環境にしない。

【０００９】 図３が示すように、定位網２０、２１と本体板１０を一体型に成型してもよく 、この場合両者を連結片１８で連結する。使用時は両定位網２０、２１を折曲す ればよく、非常に便利である。 図４が示すように、携帯或いは懸架用に取っ手３２を設けてもよく、取っ手３ ２は本体板１０の穿孔１７に嵌装すればよい。他にひもや針金等も利用できる。

【００１０】 図２のように、蘭が成長してきたら、花茎が折れ曲がることなく直立状態を保 てるよう、支持桿３０を本体板１０の挿管１２に挿入し花茎を支えてやることも できる。さらに挿管１２は左右にそれぞれ一本づつ設けるため、花茎の方向によ って選択ができる。

【００１１】 大量栽培する際は、本体板１０の穿孔１７に懸鉤３４を設置して網棚３３に懸 架する。網棚３３には出水孔１６を有する潅水管１５を設け、布幔３５を掛懸す る。潅水管１５が布幔３５に水をかけて湿らせ、網棚３３の湿度を高め、蘭に適 度な湿度を提供するので直接潅水する回数を減少できる。

【００１２】 また、本考案の一対の定位網２０、２１を一体に成型することも可能であり、 その場合は軟性のプラスチック素材を用い、弧状物（円柱体、木の幹等）の彎曲 形状に合わせて釘などで固定する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は組立てが快速且つ簡易なため、蘭の植付及び水苔の充填、交換が非常 に便利になり、家庭でも簡単に蘭の栽培、水苔の交換が行えるようになる。また 、一対の定位網及び本体板からなる本案は、少量の材料で構成されるため、コス トを少なく抑えられる。通気性、使用上の簡便さ等の長所はヘゴ材の栽培板に負 けず、その上コストはヘゴ材に比べて相当低い。さらに、本考案は天然の木材を 伐採しないことによって森林を保護し、リサイクル可能な素材を用いればより環 境保護を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の立体分解図である。

【図２】本考案の組立立体図及び蘭植付時の状態説明図
である。

【図３】本考案の本体板と定位網が一体型の場合の実施
例図である。

【図４】本考案に取っ手を設置した場合の実施例図であ
る。

【図５】本考案が大量栽培する場合の実施例図である。

【符号の説明】

１０ 本体板 １１ 嵌合凸部 １２ 挿管 １３ 挟持具 １４ 集水溝 １５ 潅水管 １６ 出水孔 １７ 穿孔 １８ 連結片 ２０、２１ 定位網 ２２ 弧状条片 ２３ 通気口 ２４ 嵌合片 ２５ 嵌合孔 ２６ 掛合片 ２７ 掛合孔 ２８ 掛合鉤 ２９ 花茎穴 ３０ 支持桿 ３１ 水苔 ３２ 取っ手 ３３ 網棚 ３４ 懸鉤 ３５ 布幔

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主に本体板及び一対の定位網で構成された
   蘭懸架栽培板において、板状の該本体板は周縁に嵌合凸
   部を、上方の適所に挿管を設け、一対の該定位網はそれ
   ぞれ弧状条片からなり、各弧状条片間の空隙は通気口が
   形成され、周縁部には本体板嵌合凸部に対応する嵌合片
   を設け、両者の嵌合により前記本体板と両該弧状条片は
   連結して一体となり、前記両定位網はそれぞれ相対する
   端部に花茎穴、掛合鉤及び掛合孔の掛合片を有し、これ
   らの掛止によって一体となり、同時に該花茎穴が形成す
   る中心円の部分は蘭の茎部を突出させ、並びに前記弧状
   条片と本体板の空間には水苔が充填でき、水苔は該弧状
   条片により限定される空間に定位することを特徴とする
   蘭懸架栽培板。
2. 【請求項２】本体板上方に設けた挟持具は、潅水管を挟
   装し、該潅水管には複数の出水孔を列設し、均等に水や
   液肥を蘭に与えることを特徴とする、請求項１に記載の
   蘭懸架栽培板。
3. 【請求項３】本体板の底端に設置の集水溝は、過分の水
   を長時間水苔及び蘭の根部に貯めないよう、必要のない
   水分を容れる溝であることを特徴とする、請求項１に記
   載の蘭懸架栽培板。
4. 【請求項４】前記本体板上方の穿孔は、取っ手又は懸鉤
   を設置するための孔であることを特徴とする、請求孔１
   に記載の蘭懸架栽培板。
5. 【請求項５】前記本体板の挿管に、蘭の花茎を支持する
   ための支持桿を挿入できる請求項１に記載の蘭懸架栽培
   板。
6. 【請求項６】前記一対の定位網と本体板の間に連結部を
   設けて両者を連結し、一体型の構造としてもよい請求項
   １に記載の蘭懸架栽培板。
7. 【請求項７】前記一対の定位網は、一体に成型してもよ
   い請求項１に記載の蘭懸架栽培板。
8. 【請求項８】前記定位網、本体板は、軟性のプラスチッ
   ク材等を用いて成型し、その彎曲形状に合わせて釘など
   で固定し一体型としてもよいことを特徴とする、請求項
   １に記載の蘭懸架栽培板。