JP3061714B2 - 大型石英ガラス管、光ファイバプリフォ−ムおよびそれらの製造方法 - Google Patents

大型石英ガラス管、光ファイバプリフォ−ムおよびそれらの製造方法

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JP3061714B2
JP3061714B2 JP5312710A JP31271093A JP3061714B2 JP 3061714 B2 JP3061714 B2 JP 3061714B2 JP 5312710 A JP5312710 A JP 5312710A JP 31271093 A JP31271093 A JP 31271093A JP 3061714 B2 JP3061714 B2 JP 3061714B2
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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大口径で肉厚な大型石
英ガラス管、偏芯率が小さく、伝送特性に優れ、かつ量
産性、低コスト化が可能な光ファイバ用プリフォーム、
特に石英ガラス管とシングルモ−ド用光ファイバコアガ
ラスロッドとをロッドインチューブ法で一体化した大型
石英ガラスプリフォ−ム、およびそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ特にシングルモ−ド用
光ファイバの実用化に伴い大量の光ファイバが利用され
ている。主たる製造方法としては、VAD法(気相軸付
法)、OVD法(外付法)、MCVD法(内付法)があ
り、これら3種の製造法で作られる製品だけで、世界の
マーケットのほとんどが占められている。然しながら、
光ファイバが長距離幹線から一般加入者系へと利用範囲
が拡大される段階に至り、今後更に大量の光ファイバが
必要となることが予測されているが、従来から知られて
いる上記3方法だけでは、生産性、コスト面からいずれ
も限界に達したと考えられている。
【0003】石英ガラス系光ファイバに関する研究は既
に20年を経ており、伝送特性と実用上の信頼性につい
ては既に究極まで検討されているので、この特性を維持
したまま量産性、低コスト化が可能な、新たな製造方法
の開発は困難である。
【0004】量産性、低コスト化を達成するための1つ
に、プリフォームを大型化し、これを300m/min
以上の高速度で線引し、装置あたりの生産性を高めるこ
とで量産化と低コスト化が得られ、同時に評価コストや
乱尺の防止による低コスト化も期待できると考えられて
いる。然るに、上記3方法は小さな実験室規模から出発
し、特性を重視して検討されていたため、光ファイバ特
性としては優れているものの、量産性、低コスト化には
問題があり、1本のプリフォームで製造可能なファイバ
長さはMCVD法では15km〜30km、VAD法、
OVD法では100km〜200kmが限界となってい
る。
【0005】確かに、上記3製造方法は光ファイバの伝
送部を製造するのに適した方法ではあるが、クラッド部
も同時に製作することは量産性、低コスト化において決
して適した方法とはいえない。例えばグレ−デッドイン
デックスファイバあるいはシングルモ−ドファイバに於
て光ファイバ断面積の80%以上を占めるクラッド部を
高能率で低コスト化が可能な他の方法により製造し、そ
れを前記3製造方法と組合せるならば、優れた製造法に
なると考えられ、例えばVAD法で作られたコアガラス
ロッド上にOVD法でクラッド部を合成付着し、それを
光ファイバ用コアガラスロッドとして使用することが既
に実行されている。しかしながら、この従来の方法では
細く短いコアガラスロッドを用いるため、クラッドの合
成付着効率が低く、又各コアガラスロッド毎に合成する
ため量産性や低コスト化に限界があった。
【0006】本発明者等は、上記従来法をさらに検討し
た結果、コアガラスロッドとクラッド部とを分離し、コ
アガラス部は従来から知られている上記高性能コアガラ
ス製造方法で作成し、クラッド部は独立に効率のよい別
の方法で作成し、これを合体させれば前記諸問題が解決
できると考え、ロッドインチューブ法が最適であるとの
結論に達した。
【0007】しかしながら、従来のロッドインチューブ
法には問題があった。第一に石英ガラス管の寸法に問題
があった。従来、用いられていた石英管の寸法は、小口
径(外径15〜30mmφ,厚さ1〜6mm)であり、
寸法精度が外径で約10%、厚さで20〜30%の変動
があった。ロッドインチューブ法でこうした管にコアガ
ラスロッドを挿入した場合、長さ、太さ、熟練度にもよ
るがガラス管内壁との接触防止の目的で数mmのクリア
ランスを必要とした。このように、径が細いこと、管の
寸法誤差が大きいこと、広いクリアランスを必要とした
ことが重なって、ロッドインチューブ法で一体化したプ
リフォームに偏芯が生じ、それが結果的に光ファイバの
大きな偏芯率となって現れ、特にシングルモードファイ
バの一括多芯接続工事での結合損失を想定した場合、ロ
ッドインチューブ法はメリットのない製造方法となって
いた。
【0008】一方、石英ガラス管にロッドインするコア
ガラスロッドは同一条件で作成しても特性がバラツキ、
またファイバ仕様、ユーザーの特徴、製造法によっても
特性が変わる。こうした条件に対応するには各種寸法の
高精度石英ガラス管が必要である。これら各種寸法の高
精度石英ガラス管を機械的研削等により各々作成するこ
とは寸法精度的には優れていたが多くの作業時間を要
し、量産化、低コスト化が困難であり、加熱延伸法で作
成する場合には量産性、低コスト化が可能であるが原管
の寸法精度が悪いと加熱延伸時に大きく増幅され目標寸
法の石英ガラス管を精度よく製造することが困難であっ
た。
【0009】上記問題点に加えて、前記ロッドインチュ
ーブ法は石英ガラス管内面とコアガラスロッド外面との
融着面に異物の混入や気泡の発生が現れる等の欠点を有
していた。これはロッドインチューブ法を実施する時の
雰囲気や洗浄方法にも左右されるが、石英ガラス管の内
面仕上げにも問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はこうした
現状の問題点を鋭意検討した結果、現状で実績のある上
記3方法を改良し大型化するため、大口径で肉厚の石英
ガラス管を形成し、それと光ファイバ用コアガラスロッ
ドとをロッドインチュ−ブ法で一体化し大型プリフォ−
ムとすると、シングルモ−ド光ファイバでの偏芯率等の
品質がよく、量産性、低コスト化が同時に満足されるこ
とを見出した。そして、上記ロッドインンチューブ法に
関する諸問題は、大型の石英ガラスインゴットまたは管
状体を用いることにより高精度の大型産業機械が利用で
き、例えばドリリングマシン(商品名、ウエダ技研製)
等のコアドリル穴明盤や外周研削機、超精密加工技術
(超精密加工研究会編、工業調査会、第421頁、19
84年)に記載する精密ホ−ニング装置等で機械的に
内、外面を研削、開孔、研磨し、正確な寸法精度に仕上
げ、弗酸エッチングして表面汚染の除去、ならびに切削
面の粗さ、加工歪みの緩和を行えば、実質的に高精度な
大型石英ガラス管を得ることができ、さらに該大型石英
ガラス管を1600℃〜3000℃に加熱処理すれば石
英ガラス管の内外表面を平滑にでき、これらの大型石英
ガラス管と光ファイバ用コアガラスロッドとを組み合わ
せてロッドインチューブ法で一体化することで解決で
き、得られた大型プリフォーム1本で3000km以上
の高品位の光ファイバが連続的に容易に製造できること
を発見した。特に石英ガラス中の異物や、不純物を除去
し、脱水し、屈折率をコントロ−ル可能な合成石英ガラ
スを原材料とした場合に最高の特性が得られる。こうし
た知見に基づいて本発明は完成したものである。
【0011】本発明は、高精度の大口径、肉厚の石英ガ
ラス管を提供することをその目的とする。
【0012】 本発明は、量産性に優れ、低コストで光
ファイバを製造できる大型石英ガラスプリフォ−ムを提
供することをその目的とする。
【0013】本発明は、高品位の光ファイバを製造でき
る高精度の大型石英ガラスプリフォ−ムを提供すること
をその目的とする。
【0014】本発明は、高精度の大口径、肉厚のガラス
管を製造する方法を提供することをその目的とする。
【0015】本発明は、上記高精度の大型石英ガラス管
を用いて大型石英ガラスプリフォームを製造する方法を
提供することをその目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、外径50〜300mmφ、外径と内径の比が1.
1〜7、厚さ10mm以上、厚さ誤差2%以下、内表面
粗さ20μm以下である大型石英ガラス管および大型石
英ガラス母材を機械的に研削加工する大型石英ガラス管
の製造方法、並びに前記大型石英ガラス管と光ファイバ
用コアガラスロッドとをロッドインチューブ法で一体化
してなる大型石英ガラスプリフォームおよびその製造方
法に係る。
【0017】ここで、本明細書で使用する用語について
定義する。 1) 「石英ガラス管」とは、管状石英ガラスの総称で
あり、本発明ではロッドインチュ−ブ用に作成された天
然石英ガラス管または合成石英ガラス管も含む。
【0018】2) 「石英ガラス母材」とは、高純度の
天然石英ガラスまたは合成石英ガラスで構成された長尺
の円柱状インゴットまたは円管状の大型石英ガラスであ
って必要により外周粗研削されてあるが目的寸法に加工
される前の石英ガラスをいう。特に合成石英ガラスでは
光ファイバの品質設計に合わせてOH基コントロールお
よび屈折率(n)コントロール等がなされているものを
含む。
【0019】3) 「石英ガラス原管」とは、円柱状石
英ガラス母材をコアドリル穴明け盤等で機械的に研削し
て開孔するか、または加熱下で炭素ドリルを圧入する加
工法(以下「炭素ドリル圧入法」という)により開孔し
た管、あるいは管状の大型石英ガラス母材を作成し、各
々管の外表面または内外表面を機械的に粗研削しほぼ目
標寸法に研削された大型石英ガラス管をいう。
【0020】4) 「石英ガラス素管」とは、石英ガラ
ス原管の内・外径寸法を正確に定め、厚さ誤差を2%以
下とし、内外面を研磨仕上し弗酸エッチング処理した後
の内表面粗さが20μm以下である大型石英ガラス管を
いう。
【0021】5) 「厚さ誤差」とは、所定長さの大型
石英ガラス管を長手方向に対し例えば5点以上または5
0〜100mm間隔毎に回転させ、その位置での管の厚
さ(t)の最大値(tmax.)、最小値(tmin.)とした
ときの次式の値、すなわち [(tmax.ーtmin.)/{(tmax.+tmin.)/2}]
×100(%) で計算し、全長の中での最大値を%で表わした値をい
う。
【0022】6) 「光ファイバ用コアガラスロッド」
とは、光の伝送部であって、コア部と光学的クラッド部
からなり高品位を目的としたシングルモ−ド、マルチモ
−ド等の公衆通信用ではコア部とともに合成したクラッ
ドが十分添着してあり、更にその上にOVD法による合
成クラッドまたは/および石英ガラス管がジャケットさ
れたものを含みそれだけを線引しただけでは規格に適し
たファイバとならないようなガラス棒をいう。
【0023】上記大型石英ガラス管は、一般の光ファイ
バ用クラッド管に要求される品質特性が満足される石英
ガラスからなり、外径が50〜300mmφ程度の大型
石英ガラス管である。大口径化、肉厚化により石英ガラ
ス管の寸法誤差を小さくでき、それを用いてロッドイン
チューブ法で作成した大型プリフォ−ムを線引きして得
た光ファイバは偏芯率を小さくできると共に量産化、低
コスト化に有効である。外径が大きく、外径/内径が大
きい程管の厚さが厚いので絶対値も大きく、加工精度が
高められるが、外径や外径/内径が小さいと誤差が大き
くなり、コアに近いMCVD用反応管や多重ジャケット
用の小口径、薄肉管では高精度が要求される。前記外径
を有する石英ガラス管、特に外径250〜300mm
φ、長さ2〜5m程度の管は既に製造されている。
【0024】本発明の大型石英ガラス管の横断面図を図
1に、また本発明の大型石英ガラスプリフォ−ムの横断
面図を図2に示す。図1において、Doは大型石英ガラ
ス管の外径、Diは大型石英ガラス管の内径であり、ま
た図2において1はコアガラスロッド、2はクラッド
層、3は被覆大型石英ガラス管である。前記大型石英ガ
ラスプリフォ−ムを線引きして得た光ファイバ、例えば
シングルモ−ドファイバの横断面概略図を図3に示す。
図3において、4はコア、5は光学的クラッド、6はオ
バ−クラッドを示し、“a”はコア径(dcore)、
“b”は光学的クラッド径(dcladi)、“c”は光フ
ァイバの外径(dclado)125μmを示す。図4はシ
ングルモ−ドファイバの屈折率分布およびパワ−分布の
概念図を示す。図4で光学的クラッド部はコア径(d
core)の外側にあり光のパワ−分布が広がっている部分
である。そのため光学的クラッド径(dcladi)はコア
の合成と同時にクラッドも合成されその厚さはコアの屈
折率分布の形状、屈折率差(Δn)、ファイバの使用法
等の条件に応じて変わり、通常は実績に安全係数をかけ
た大きい値が採用される。本発明でいう光ファイバ用石
英ガラスコアロッドとは少なくとも図4の光学的クラッ
ド部を含んだ石英ガラス棒をいう。
【0025】ところで、本発明における光ファイバは、
大型プリフォ−ムを線引きすることにより形成されるか
ら、図3の光ファイバの外径(dclado)と光学的クラ
ッド径(dcladi)との比dclado/dcladiは図2の大
型石英ガラスプリフォ−ムの外径(Do)と内径(Di
の比Do/Diにほぼ比例することになる。それ故、光フ
ァイバの設計に当っては前記Do/Diを指標として設計
する必要がある。例えばシングルモ−ドファイバ(1.
3μm波長用)のコア径を9μm、GI型マルチモ−ド
ファイバのコア径を50μm、光ファイバの外径を12
5μmとすると、Do/Diは次の表1に示す値となる。
【0026】
【表1】 注)括弧内はマルチモ−ドの例
【0027】上記表1によれば例えば代表例として括弧
で示すマルチモ−ドファイバの場合ではDo/Diが2.
5以下、通常、同時合成による合成クラッド層が5%〜
30%、例えば20%のクラッド層があると60μmと
なり、Do/Di=2.08となる。シングルモ−ドファ
イバの場合ではDo/Diが約7以下であれば実用的な光
ファイバが得られる。すなわち1.3μm帯用(マッチ
ドクラッドタイプ、デプレストタイプ)、1.55μm
帯用、ディスパ−ジョンシフトタイプ等のメインパワ−
分布は、いずれも約20μm以下と推定され、安全率を
とるとdcladi/dcore≒3以上、すなわちDo/Di
4.63以下が実用的範囲となる。また、2重、3重に
ジャケットした場合はさらにDo/Diは低い値となる。
したがって、Do/Diを1.1〜7の範囲で選択するこ
とが実用的な光ファイバを製造する条件となる。もっと
も、Do/Diはプリフォ−ムの径の比であるのでロッド
インチュ−ブ用の石英ガラス管の場合には石英ガラス管
とコアガラスロッドとの間に若干すき間を設ける必要が
あるのはいうまでもない。
【0028】大型石英ガラス管を作成するには、天然石
英の場合について知られた種々の方法が利用できる。ル
ツボ溶融引抜き法やモールド成形法も利用できるが、ル
ツボ溶融法では大口径化が困難であり、モ−ルド成形法
では容器に用いる耐熱材が石英ガラスと長時間直接接触
し、耐熱材中の不純物を石英ガラス母材の内、外表面に
移行拡散させる。そのために光ファイバの伝送損失を増
加させるので、コア部に接近させてジャケットする場合
は汚染部の大幅な除去が必須となる。本発明の大型石英
ガラス管の製造方法としては、円柱状石英ガラス母材を
作り、その中心を、図5に示すコアドリル穴明け盤のよ
うな機械研削により開孔するか、または円柱状石英ガラ
ス母材を熱間炭素ドリル圧入法で短時間接触により開孔
する等の2工程を経る方法、あるいは耐熱芯材上に多孔
質シリカスート材を堆積し、脱水、溶融ガラス化するO
VD法、または直接VAD法で孔の明いたスートを作
り、脱水、溶融ガラス化する1工程の方法等が利用でき
る。前記図5において、7は円柱状石英ガラス母材、8
はコアドリル、9は砥石を示す。
【0029】ところで、ロッドインチュ−ブ用石英ガラ
ス管は厚さの寸法精度が悪いと加熱延伸加工時にその誤
差が一層増幅され相対的に誤差が大きくなる。また、多
重被覆により誤差が更に助長されたりするので、寸法精
度は正確である必要がある。石英ガラス母材を加工し精
度の高い石英ガラス原管を得るには機械的研削加工が適
している。石英ガラスの大型化により機械的研削加工、
特に従来から知られている産業用大型機械による精密研
削加工が可能となった。しかし高い精度が得られる反
面、加工面に研削時の加工傷、マイクロクラック、ヒビ
割れ、加工歪み等が発生し、それがロッドインチューブ
法による一体化時に内部境界面に気泡を発生させること
になる。従来こうした問題を解決するため、時間をかけ
て研削面を高精密機械研磨を行うか、内面ファイヤーポ
リシュするか、あるいは特殊ガラス層を内表面に形成す
るかして内面粗さを例えば0.01μm程度としていた
が(例えば特開昭52−92530号公報参照)、これ
らの処理法は煩雑で大型(大口径、肉厚、長尺)石英ガ
ラス管を大量生産する場合にはほとんど実施不可能であ
った。しかしながら、高純度石英ガラス原管の内面仕上
げを精密ホーニング装置を用いることで解決できること
が分かった。この加工法では、石英ガラス原管が外径5
0mmφ以上であれば長さが3000mm程度の原管
を、全長が真直で全ての位置で真円の管に加工できる。
砥石または砥粒のグレ−ドを変えて研削研磨し、クラッ
ク、ヒビ割れ、応力歪み等を削除し、これを一度弗酸水
溶液で処理し応力集中を緩和し、超音波洗浄で表面汚染
の除去を行い内面粗さを20μm以下とし、さらに要す
ればこのものを加熱加工処理をすると、機械研削部の鋭
い凹凸部やヒビ割れの部分が緩やかな面となり、かつ加
工歪みも開放され、気泡の発生を抑制することができ
る。本発明者等の実験によれば、研削による内表面粗さ
が20μmを超えると、加熱延伸処理しても前記加工ダ
メ−ジが緩和または開放されずロッドインチューブ法に
よる一体化時に内部境界面に気泡となって発生すること
がわかっている。
【0030】円柱状石英ガラス母材をコアドリル穴明け
盤等で機械的に研削して開孔するか、あるいはOVD法
等で作られた管状の大型石英ガラス母材の内外表面を機
械的に粗研削した石英ガラス原管の場合、内周仕上げ加
工は、超精密ホーニング加工法がよい。その結果、コア
ガラスロッドとのクリアランスを狭くすることができ
る。この超精密ホーニング加工と外周研削を組み合せ、
研削原管の厚さ誤差を2%以下とする。この範囲内の誤
差では、加熱加圧延伸時における誤差の増幅がほとんど
起こらず、ファイバの偏芯率に悪影響を与えることがな
い。
【0031】外周面の研削は、研削面が直接高温部に接
近して加熱されるので研削条件は内周面研削ほど厳しく
なくてもよいが、光ファイバとなってからの破断強度に
影響が出るので弗酸エッチングにより鋭い応力集中部分
を除去あるいは緩和した上で表面粗さを少なくとも20
0μm以下好ましくは100μm以下にする必要があ
る。それ故、外周研削には、半導体インゴットや種々の
セラミックス研削加工で実績のある、例えば標準の外周
研削機または円筒研削盤が利用される。
【0032】上記穴明加工終了後は機械加工面の仕上研
磨を行い厚さ誤差が2%以下であることを確認する。こ
れを弗酸エッチング処理し内表面粗さが20μm以下と
した石英ガラス素管とする。石英ガラス素管は光ファイ
バ用コアガラスロッドとロッドインチューブ法により一
体化するが、コアガラスロッドは同一条件で作成しても
特性がバラツキ、またファイバ仕様、ユーザーの特徴、
製造法によっても特性が変わる。そこで前記石英ガラス
素管をこのコアガラスロッドに合わせるためには加熱延
伸処理をして各種寸法の石英ガラス管を作成するのがよ
い。
【0033】上記加熱処理石英ガラス管は高温で熱処理
されているため、機械的研削に基づく研削面の粗さ、加
工歪み等の各種加工ダメ−ジは緩和または解放される。
特に熱延伸の変形度が大きいほど表面の傷、ヒビ割れ、
ピット等が大きく変形拡大され、溝は浅くなり、鋭角部
分が消失してしまい、従来、ロッドインチューブ用石英
ガラス管に必要とされた高精度機械研磨処理、内面ファ
イヤーポリシュ処理、あるいは特殊ガラス層を内面に形
成する処理等、大量生産に不向きな工程処理を省略する
ことができる。したがって、大型石英ガラス素管を高精
度で作り熱変形を利用して目的の大型石英ガラス管を得
ることが有利である。
【0034】本発明による天然石英ガラスの製造方法と
しては、天然に産出する水晶塊の中から良質部分を選別
しさらに各水晶塊の外殻部を除去して中心部を取り出
し、これを破砕して粒径を揃え、異物の除去後化学的処
理により不純物を除去する。これを原料としてルツボ溶
融引抜法やモ−ルド成形法等古くから知られ現在も一般
用に利用されている方法で製造される。しかし酸水素に
よるベルヌイ法で大型円柱状石英ガラス母材を作成する
方法は不純物が最も少ないので光ファイバ用石英ガラス
材料の製法として推奨できる。
【0035】本発明で使用する合成石英ガラスインゴッ
トまたは管状体の製造方法としては、従来から知られて
いる「高純度シリカの応用技術」第100〜104頁
(株式会社シ−エムシ−、1991年3月10日発行)
等に記載の各種の製造方法が考えられるが、高温気相ベ
ルヌイ法は、ガス状珪素化合物、例えばSiCl4と酸
水素炎による直接ガラスインゴットを得る方法であり、
合成石英ガラス中にOH基が800ppm以上も多く含
まれるので(低OH用)光ファイバ用素材としては不適
当であり、専ら半導体用フォトマスク基盤や露光装置の
光学部材に使用されている。また、この方法を改良した
プラズマ法は、OH基が低いものの大電力を要しコスト
が高くなるため、光ファイバ用高純度コアガラス等の特
殊品の製造に利用されるに過ぎない。これに対し、前記
直接ガラス化法よりも火炎温度を下げ、回転する基材
(ターゲット)上に原料ガスをふき付け、多孔質スート
材を形成してから脱水処理等を行った上、ガラス化する
方法は、上記欠点がなく本発明の母材の製造方法として
適当である。VAD法は、中実円柱状石英ガラス母材の
製造が主であり、OVD法は管状の石英ガラス母材が直
接作られる。
【0036】大型石英ガラス管の屈折率は設計値に従っ
て決められるが、石英ガラス管およびそれに挿入される
光ファイバ用コアガラスロッドの屈折率はそれらの製造
条件、目的および仕様により異なり、例えば(1)高純
度合成石英ガラスは含有OH基(低屈折率化)、塩素量
(高屈折率化)により屈折率が若干変化する。光ファイ
バ用コアガラスでは一般的に高純度塩素で脱水処理が行
われているが、その程度は各社で異なり、また使用目的
によっても異なり一定ではない。(2)MCVD用に利
用されている天然石英ガラスではOH基が200ppm
以下であり、塩素はほとんど含まないので屈折率は低
い。(3)デプレスト型光ファイバではコアの周囲は
0.05〜0.2%程度の屈折率の段差をつけている等
で、大型石英ガラス管に要求される屈折率が異なるの
で、標準屈折率で大型石英ガラス管の屈折率を決めるよ
り、各社の要請により目標規格値の±0.02%に設定
すべきことをメリットとしている。そこで本発明では前
記目標規格値を設計値という。
【0037】上記設計値を若干修正する場合にはOH基
や塩素量でコントロ−ルすることも可能であるが、各々
の条件を独立に決めるためにはGe、P、Ti、Alお
よびF、B等のド−プも積極的に行わないと目的は達成
できない。上記ス−ト法による合成石英ガラスの製造に
おいてはこの修正を容易に行うことができる。
【0038】また、天然石英で石英ガラスクラッド管を
形成した場合には、コアガラスロッドのクラッド部のO
H基や屈折率が異なるため、天然石英ガラス管と合成石
英ガラス管とで複合クラッド層を設けるのがよい。
【0039】本発明の大型石英ガラスプリフォームで7
5mmφ以下の大口径プリフォームは、75mmφ程度
の石英ガラス管を用いてプリフォ−ムを作るか、大型プ
リフォームを再延伸するかまたはロッドインチューブ工
程において石英ガラス管とコアガラスロッドの合体と延
伸を同一工程で同時に行い、直接目標外径のプリフォー
ムを得るのがよい。
【0040】シングルモード用コアガラスロッドではモ
−ドフィ−ルド径、カットオフ波長、デイスパージョン
等の特性選定が重要である。近年一段と特性が高くなっ
てきたため、作成されたコアガラスロッドをそのまま利
用すると、特性は若干バラツクことが多い。したがっ
て、コアガラスロッドのクラッド厚さを石英ガラス管で
1回調節した上で特性チェックを行い、更に大型石英ガ
ラス管を再度ジャケットしたり、エッチング等を組み合
わせてで外径調節を行う。大型石英ガラスプリフォ−ム
では調整範囲が広いので更に高い精度が得られる特徴が
ある。
【0041】
【実施例1】軸付法(VAD法)を用い、SiCl4
気化し、酸水素炎中で火炎加水分解し、回転する石英ガ
ラス棒に吹き付けて大型石英多孔質スート材を作成し
た。このスート材を電気炉に入れ、コアガラスロッドの
条件を考慮しHe,Cl2混合ガスにより加熱脱水し、
ゾーンメルト法により1550℃で透明ガラス化し、大
型の円柱状石英ガラス母材とした。この石英ガラス母材
は、まず両端を切断し、#80番砥石のコアドリル穴明
盤で両端から交互に中心部を開孔した後、外周面を#8
0番砥石の外周研削盤で粗研削して寸法を合わせ、外径
94mmφ,内径30mmφ、外径/内径比=3.1
3、厚さ約32mm、長さ730mm,重さ約10kg
の合成石英ガラス原管を得た。
【0042】上記合成石英ガラス原管の内面は、全長を
超精密仕上加工用長尺自動ホーニングマシーンにて加工
し、全長をストレートで真円状の孔を有する合成石英ガ
ラス原管を得、次にNC外周研削盤にて内径中心と外径
中心が一致するように外周面を研削し、厚さの誤差2%
以下となるまで内外研削および研磨を繰返し、内周は最
終的に#800仕上を行い、外周は#140で仕上げ
た。次いで表面汚染を除くと共に、表面加工歪みを緩和
する目的で濃度30%から5%までの弗酸で石英ガラス
原管の表面をチェックしながらエッチング仕上げし、純
水で超音波洗浄を行い、合成石英ガラス素管とした。こ
の合成石英ガラス素管は、外径(Do)91.5mm
φ、内径(Di)32.4mmφ、外径(Do)/内径
(Di)比=2.82、厚さ29.55mm、厚さ誤差
(tmax.ーtmin.)0.48mm(1.62%)、長さ
730mm、重さ9.2kgであった。更に表面を触針
式簡易粗さ計で縦方向に8mm移動し調べたところ、内
面粗さ(Rmax.)4.8μm、外面粗さ(Rmax.)53
μmであった。
【0043】一方、VAD法によりコア、クラッド屈折
率差(Δn)0.343%、クラッド付のロッドで外径
54.5mmφ、長さ455mmの1.3μm用シング
ルモードコアガラスロッドを準備した。外径制御付精密
自動延伸機で外径30.1mmφに加熱延伸し、このコ
アガラスロッドと前記石英ガラス素管とでカットオフ波
長(λc)1.25μmに設計し、該ロッドの外表面を
若干エッチングした後、長さ730mmで溶断した。上
記合成石英ガラス素管にこのコアガラスロッドを注意深
く挿入後、コアガラスロッドと合成石英ガラス素管の各
々センターを合わせて固定し、両端をダミー石英材料に
接いだ上、全体を回転させ接続加工による曲がり、ねじ
れを矯正した。これを縦型電気炉に上部から挿入し、2
180℃で先端部を溶融させた上、真空ポンプで減圧と
した。温度(2000〜2800℃)および真空度(2
00〜1000mm水柱(Aq))を各々調節しながら
移動速度を変えて、界面の気泡条件を調べた。発泡の無
い条件で、全長を2mm/minでゆっくり移動し、プ
リフォームを作成した。安定条件下で得られたプリフォ
ーム部分は、外径90.2mmφ、長さ595mm、重
さ8.3kgであり、ファイバ長さで約300kmに相
当した。プリフォームの一部を外径約50mmφに加熱
延伸し、プリフォームアナライザーで調べた結果、クラ
ッド層との境界では屈折率の段差が0.01%以下とほ
とんどなく、偏芯率は0.153mm(0.34%)で
あった。
【0044】更に線引機により、外径125μmのファ
イバを約5km作成し、各1km毎の素線でのファイバ
特性を調べたところ、平均値として偏芯率0.22μ
m,カットオフ波長(λc)1.285μm、1.3μ
mでの伝送損失0.355dB/km、1.38μmで
のOH基損失0.86dB/kmであり、シングルモー
ド用光ファイバとして優れた特性のものであった。
【0045】
【実施例2】外付法(OVD法)により、大型の多孔質
スート母材を作成し、脱水、およ屈折率調節処理してガ
ラス化し、円管状の合成石英ガラス母材を作成した。両
端を平行に切断し#80砥石をもった外周研削盤で外周
を粗研削し、ほぼ目標外径とした後これをホ−ニングマ
シンに設置し#80砥石を用いて内面研磨を行った。次
いで#140、#400、#800と砥石を変えて内面
研磨した。次にこれを超音波厚さ計にかけ長さ50mm
毎に回転して1周8点の厚さを測定し順次移動し、全長
の厚さ変動を調べ、コンピュタ−により厚さ誤差を図形
化した。更にこれをもとにNC外周研削機で外周を研磨
修正し厚さ精度を確認した後弗酸エッチングした。この
大型合成石英ガラス素管は外径164mmφ、内径5
8.9mmφ、外径/内径比=2.78、厚さ52.5
5mm、厚さ誤差440μm(0.84%)、長さ18
70mm、重さ約75kg、内表面粗さ(Rmax.)3.
5μm、外表面粗さ(Rmax.)77μmの大型石英ガラ
ス素管であった。
【0046】一方、この合成石英ガラス素管を想定し
て、VAD法で大型のシングルモード用石英コアガラス
ロッドを作成し、特性がほぼ等しい3本を選定した。カ
ットオフ波長(λc)の計算から、この合成石英ガラス
素管に必要なコア径を計算して、コアガラスロッドのク
ラッド部の一部を各々エッチングで調節した。次にこの
コアガラスロッド3本を溶着し、ほぼ同じ外径(55m
mφ)に延伸し、エッチング後、全表面をファイヤーポ
リッシュした。
【0047】上記コアガラスロッドを前記大型合成石英
ガラス素管に入れて下端部を固定し、これを縦型電気炉
に入れ、2000〜2800℃内の温度で加熱し下端部
より溶解軟化させ、温度と真空度(200〜1000m
mAq)を調節しながら移動し、ロッドインチューブを
行った。温度が適切でなかったり、スピードが早いと内
部界面で発泡し気泡が残るので、始めは外径約50mm
φに延伸しながら界面が十分ぬれて溶着するのを確認
し、75mmφ,100mmφ、125mmφ、150
mmφと太くし、5種類の太さのプリフォームを作成し
た。得られたプリフォームは、最大径で外径152mm
φであり、5種類のプリフォームの合計重量は約71k
gであり、光ファイバ素線に換算して2600kmに相
当する量であった。
【0048】前記プリフォームの特性を詳細に調べる目
的で、50mmφのプリフォームを選び、プリフォーム
アナライザーでコアの特性を調べたところ、コアクラッ
ド界面に0.008%程度の接ぎ目は見られるものの屈
折率の段差が無く、コア、クラッドの中心ずれは0.2
8%と測定された。
【0049】前記50mmφプリフォームを光ファイバ
線引装置で線引し、外径125μm±0.5μmとし、
この素線の伝送特性を調べた結果、偏芯率0.11μ
m、カットオフ波長(λc)1.270μm、1.3μ
mでの伝送損失0.361dB/km、1.38μmで
のOH基損失は0.65dB/kmであった。
【0050】
【実施例3】軸付法(VAD法)で大型多孔質スート母
材を作成し、実施例1に準じて加熱脱水、透明ガラス化
し、これを粗研削し、外径96mmφ,長さ約820m
mの石英ガラスインゴットを得た。
【0051】このインゴットを熱間炭素ドリル圧入法を
用いて中心に孔を明け、さらに寸法精度を高めるため、
外周を研削し弗酸処理を行い洗浄した。この時点での合
成石英ガラス原管は、外径101mmφ、内径40mm
φ、外径/内径比=2.525,長さ775mm,重さ
約11.5kgであった。この原管の内面は加熱溶融に
よる孔明けであるため機械的な衝撃、切削破壊、クラッ
ク、ヒビ割れ、加工歪み等が認められなかった。
【0052】そこで、前記合成石英ガラス原管の内表面
の粗さを調べる目的で、長さ150mm毎にホーニング
盤での研磨粗さを変えて研磨し、エッチングし表2に示
すサンプルとした。この合成石英ガラス素管に約38m
mφのコアガラスロッドを挿入して、実施例1と同じ方
法でプリフォ−ム化した。界面状態は表2に示すとおり
である。
【0053】
【表2】
【0054】
【実施例4】実施例2と同様に外付法(OVD法)によ
り大型管状ス−ト母材を4本作成し、脱水、ガラス化
後、内外表面を粗研磨した。内径を超精密ホ−ニング加
工を行った後、人為的に内径と外径の中心線を外して偏
芯させ、外周を研磨し弗酸処理後洗浄仕上を行った。こ
の合成石英ガラス素管は外径(Do)100mmφ、内
径(Di)32mmφ、Do/Di=3.125にそろえ
た。それを縦型電気炉に入れ、2200℃に加熱し加圧
延伸を行った。前記延伸条件は延伸後の石英ガラス管の
外径を(do)、内径を(di)としたとき表3に示す条
件である。
【0055】
【表3】
【0056】前記延伸に供した合成石英ガラス素管の誤
差および加圧延伸に基づく誤差を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】上記表4のとおり、誤差の大きい石英素管
は加圧比、延伸比が大きくなると延伸後の誤差が大きく
なる。特に加圧比は直接石英ガラス管の厚さ誤差を大き
く変え、3.9%以上の素管はスタ−ト時に十分加熱さ
れ非対称に変形した後、急速に膨張し、炉内で破裂し
た。
【0059】
【実施例5】天然に算出する水晶塊の中から特別良質部
分を選別し洗浄した。さらに各塊状水晶の外殻部を除去
して中心部を取り出し、これを破砕して粒径をそろえ
た。化学処理により表面不純物を除去した後、酸水素炎
によるベルヌイ法で大型の円柱状天然石英ガラス母材を
作成した。この石英ガラス母材は実施例3に従い熱間炭
素ドリル圧入法で中心を孔開けし外周を機械加工で仕上
加工し、弗酸洗浄後、水洗乾燥した。前記石英ガラス素
管は外径175mmφ、内径60mmφ、外径/内径比
=2.916、長さ3m、重さ150kgであり、全長
を50mm間隔で厚さを調べ、平均の厚さ誤差は0.3
mmであり、目標範囲であることを確認した。また、石
英ガラス素管端部での表面粗さを触針式簡易粗さ計で調
べたところ、内表面粗さ(Rmax.)0.8μm、外表面
粗さ(Rmax.)95μmであった。
【0060】一方、VAD法で作成した一部クラッド付
き1.3μm用シングルモ−ド光ファイバコアロッドを
準備し、前記石英ガラス素管に挿入し、縦型電気炉内に
設置した。炉内温度2250℃まで昇温して先端部を熔
封した後、上部から真空引きを行った。ロッドインチュ
−ブ法の条件は、真空度200〜1000mmAq、ス
タ−トの引出し外径を50mmφにセットし、コアロッ
ドと石英ガラス素管の界面融着状態を見ながら温度と移
動速度と真空度を変え最大外径160mmφのプリフォ
−ムを得た。
【0061】50mmφで引き出したプリフォ−ムをプ
リフォ−ムアナライザ−で調べた結果、偏芯率は0.5
2%、コアガラスロッドのクラッドと石英ガラス素管と
の境界層には−0.005%程度の負の段差が若干見ら
れ、石英ガラス素管の方が若干下がっていた。
【0062】上記プリフォ−ムは線引機で125μmの
ファイバとし光ファイバ特性を調べたが、偏芯率は0.
41μm、1.3μm波長の伝送損失は0.346dB
/kmであり、シングルモ−ド用石英ガラスファイバと
してすぐれた特性を示した。
【0063】
【実施例6】実施例1に従って合成石英ガラス素管を作
成した。この素管は外径(Do)93.5mmφ、内径
(Di)31.6mmφ、Do/Di=2.96、平均厚
さ(tAV.)30.95mm、厚さ誤差(tmax.−t
min.)0.42mm(1.36%)、内表面粗さ(R
max.)8.5μm、外表面粗さ(R max.)68μmであ
った。
【0064】次にこの合成石英ガラス素管を縦型電気炉
に入れ2200℃に加熱し、底面を封じた後、管内をア
ルゴンガスで加圧しながら、石英ガラス管を引き出し表
5に示す5種類の合成石英ガラス管を作成した。加熱処
理後の内表面粗さ(Rmax.)は表5に示すとおり、全て
の管で低くなっていた。
【0065】
【表5】
【0066】No.(62mmφ)の管を用いて光フ
ァイバ用コアロッドを挿入し、ロッドインチュ−ブ法に
て光ファイバプリフォ−ムを作成した。然し界面には気
泡の発生は見られなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の大型石英ガラス管は、それを用
いて作製した大型プリフォームのロッドとチューブとの
境界面に気泡の発生を少なくし、しかも偏芯率も低い優
れた高精度の大型プリフォ−ムを提供できる高精度の大
型石英ガラス管である。前記大型石英ガラス管および大
型プリフォームは、機械加工という簡単な手段で容易に
製造でき、それを線引きすることにより高品位の光ファ
イバを断線率も少なく製造でき、しかも量産化、低コス
ト化が十分満足されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】大型石英ガラス管の横断面図である。
【図2】大型石英ガラスプリフォ−ムの横断面図であ
る。
【図3】大型石英ガラスプリフォ−ムから作られたシン
グルモ−ドファイバの横断面概略図である。
【図4】シングルモ−ドファイバの屈折率分布および光
のパワ−分布の概念図である。
【図5】コアドリル穴明け盤による大型石英ガラス管の
製造方法の部分的縦断面図である。
【符号の説明】
1 コアガラスロッド 2 クラッド層 3 被覆大型石英ガラス管 4 コア 5 光学クラッド 6 オ−バ−クラッド 7 円柱状石英ガラス母材 8 コアドリル 9 砥石 Do 大型石英ガラス管の外径 Di 大型石英ガラス管の内径 a コア径 b 光学的クラッド径 c 光ファイバの外径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横川 清 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 郡山工場内 (72)発明者 青山 雅明 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 郡山工場内 (72)発明者 鈴木 正則 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 郡山工場内 (72)発明者 加藤 俊幸 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 郡山工場内 (72)発明者 渡部 豊 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社 郡山工場内 (72)発明者 ゲアハルト・フィルスマイヤー ドイツ連邦共和国・8750 アシヤフェン ブルグ・ブサードウエグ 42 (56)参考文献 特開 昭52−134742(JP,A) 特開 昭62−41732(JP,A) 特開 平1−160838(JP,A) 特開 昭56−84328(JP,A) 特開 昭63−291829(JP,A) 特開 平3−75232(JP,A) 特開 平3−126631(JP,A) 特開 昭52−92530(JP,A) 特開 平1−103924(JP,A) 特開 昭59−137336(JP,A) 特開 昭60−122744(JP,A) 特開 昭60−176941(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大型石英ガラス母材の内径を機械的穴明け
    加工およびホーニングマシンで超精密研削加工し、外周
    面を円筒研削加工し、それを研磨、弗酸エッチ処理し
    て、外径を50〜300mm、外径と内径の比を1.1
    〜7、肉厚が10mm以上、肉厚誤差を2%以下及び内
    表面粗さを20μm以下とするとともに、その石英ガラ
    ス管の屈折率を設計値に対して0.02%以内に調整
    て得られた石英ガラス管と光ファイバ用コアガラスロッ
    ドとを溶着一体化することを特徴とする大型石英ガラス
    プリフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 大型石英ガラス母材の内径を機械的穴明
    け加工およびホーニングマシンで超精密研削加工し、外
    周面を円筒研削加工し、それを研磨、弗酸エッチ処理し
    たのち、さらに1600℃〜3000℃で熱処理して内
    外表面を平滑化し、外径を50〜300mm、外径と内
    径の比を1.1〜7、肉厚が10mm以上、肉厚誤差を
    2%以下及び内表面粗さを20μm以下とするととも
    に、その石英ガラス管の屈折率を設計値に対して0.0
    2%以内に調整して得られた大型石英ガラス管と光ファ
    イバ用コアガラスロッドとを溶着一体化することを特徴
    とする大型石英ガラスプリフォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 大型石英ガラス管と光ファイバ用コアガ
    ラスロッドとを溶着一体化する工程において、一体化と
    延伸を同時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の大型石英ガラスプリフォームの製造方法。
  4. 【請求項4】 石英ガラス管と光ファイバ用コアガラス
    ロッドのクラッド層との境界での屈折率段差を±0.0
    1以下とすることを特徴とする請求項1ないし3に記載
    の大型石英ガラスプリフォームの製造方法。
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