JP3059949U - 針金結束工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場での非能率な手作業が削減できるよう
に、小型軽量で、作業性、コスト面に優れた引張式針金
結束工具を提供する。 【解決手段】 軸の外周に螺旋溝を有し、軸の先端にＣ
型フックを有する回転子を筒状の固定子の筒内に回転及
び前進後退自在に配設し、固定子を手で引張ることによ
ってＣ型フックを回転させて針金を捩って物体を結束す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は針金で物体を結束する針金結束工具に関する。より詳細には鉄筋等に 針金を輪状に掛けてこれを針金結束工具で引張ることによって結束する手動式の 針金結束工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

土木、建設作業のコンクリート工事等に使用する鉄筋の数は膨大で、これを針 金で手作業によって結束することは単純作業であり、作業者にとってはきつく、 非能率で、品質もバラツキがあり、コストも高く従来から強く改善が求められて いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

本発明はかかる状況を鑑みて、針金を使用して手作業による鉄筋等の非能率な 結束作業を、簡単な操作で、軽量で、短時間に実施できる針金結束工具を提供す ることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は針金結束工具において、軸の外周部に螺旋溝を有し、該軸の先端にＣ 型フックを有する回転子を、筒の内壁に回り止め凸部を有する筒状の固定子の筒 内に回転及び前進後退自在に配設し、該固定子を結束作業者が指で掴んで引張る ことによって針金を捩って鉄筋等を結束する。尚、結束の最終段階では大きい捩 りトルクを必要とする場合は回転子の螺旋溝を多条にしてリードを途中から大き くして引張力が増加しないように対処する。叉、針金が細くて捩りトルクが小さ い場合は回転子の螺旋溝のリードを小さくして捩り回数を多くして作業能率を向 上させること等を特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】 本考案においでは、前記のような引張式針金結束工具を鉄筋結束作業等の現場 で使用することによって、作業時間の短縮と作業結束者の疲労軽減等のメリット を得ることができた。 以下、実施例を示し、本考案を詳細に説明する。

【０００６】

【実施例】

図１に本考案の針金結束工具の正面断面図、図２に本考案の針金結束工具の固 定子の筒内の凸部の断面図を示す。 図１において、回転子２は筒状の固定子３の筒内を回転自在に配設されている 。回転子２は軸４、Ｃフック５、ナット６、バネ受け７、ボルト８、で構成され る。Ｃフック５のオネジ部５Ａは軸４のメネジ部４Ａら螺合しナット６で回り止 めされでいる。軸４の下部にはバネ受け７がボルト８で取り付けられている。軸 ４の外周には螺旋溝４Ｂが加工されている。この螺旋溝４Ｂに筒１０の内壁に設 設けられた凸部１０Ａが係合して軸４に回転力が与えられて針金１３に捩りトル クを発生させる。該螺旋溝４Ｂのリードは必要な捩りトルクによって決定される が、一般に結束初期の捩りトルクは小さく、最終段階で大きい捩りトルクを必要 とするので、この場合は螺旋溝４Ｂのリードは最初は小さく、最終段階でリード を大きくする。尚、捩りトルクが小さい場合は結束初期と最終段階の螺旋溝４Ｂ のリードは同一にしてリードを小さくすると回転数が上昇して能率が向上する。 尚、この場合は螺旋溝４Ｂの条数は多い方が工具の寿命が延長する。

【０００７】 固定子３は筒１０、１１、１２で構成され、筒１１と１２は連結ネジ１３で連 結される。回転子２は通常はバネ９によって後退位置にあるが、針金１４を捩る ときは回転しながら前進する。このためバネ９の端面はバネ受け７の上面と摺動 するため潤滑剤を塗布するが、場合によっては両部品の間にスラスト軸受けを配 設してもよい。

【０００８】 次に本考案の針金結束工具１の使用方法を図３によって説明する。鉄筋１５、 １６に針金１３を掛けて針金の両端を手前にして約１回転、手で捩って輪状にす る。次に針金結束工具１のＣ型フック５を輪状針金の手前側にかけて、該結束工 具１の固定子３を指で握って手前に引張ると回転子２が回転して針金１３を捩っ て複数個の捩り瘤１３Ａが発生して鉄筋１４、１５を固定する。このように簡単 な操作で短時間で鉄筋の結束が可能になる。尚、針金の掛け方は上記以外に種々 の方法があるが説明は省略する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は引張式の針金結束工具で鉄筋等を簡単に、短時間で結束することがで きるため、コストダウンが可能である。叉、工具が軽量で操作が簡単なため作業 者の疲労が軽減されるため女子でもできるため、労働力の確保の面からもその効 果は大きい。叉、鉄筋組立作業は高所作業が多いいため前記の工具の軽量、作業 の容易化は安全面からも業界に寄与するところが大きい画期的な考案といえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の針金結束工具の正面断面
図

【図２】 図１の固定子の筒の内壁の凸部の断面図

【図３】 本考案の針金結束工具による針金結束姿図

【符号の説明】

１：針金結束工具 ２：回転子 ３：固定子 ４：軸 ４Ａ：メネジ部 ４Ｂ：螺旋溝 ５：Ｃ型フック ５Ａ：オネジ部 ６：ナット ７：バネ受け ８：ボルト ９：バネ １０：筒 １０Ａ：凸部 １１：筒 １２：筒 １３：針金 １３Ａ：捩り瘤 １４：鉄筋 １５：鉄筋

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 針金結束工具において、軸の外周部に螺
   旋溝を有し、該軸の先端にＣ型フックを有する回転子
   が、筒内壁に前記螺旋溝と係合する凸部を有した筒状の
   固定子の筒内に回転自在且つ、前進後退自在に配設され
   たことを特徴とする針金結束工具。
2. 【請求項２】 請求項１の結束工具において回転子がバ
   ネによって後退することを特徴とする請求項１の針金結
   束工具。
3. 【請求項３】 請求項１の針金結束工具において、回転
   子の軸の外周に複数の異なるリードの螺旋溝を有するこ
   とを特徴とする請求項１の針金結束工具。
4. 【請求項４】 請求項１の針金結束工具において、回転
   子の軸の外周に多条の螺旋溝を有することを特徴とする
   請求項１の針金結束工具。
5. 【請求項５】 請求項１の針金結束工具において、固定
   子を結束作業者が指で握り、且つ引張ることによって針
   金を捩って結束することを特徴とする請求項１の針金結
   束工具。