JP3059526B2 - 4端子対標準器のインピーダンス測定方法 - Google Patents

4端子対標準器のインピーダンス測定方法

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JP3059526B2 JP3142560A JP14256091A JP3059526B2 JP 3059526 B2 JP3059526 B2 JP 3059526B2 JP 3142560 A JP3142560 A JP 3142560A JP 14256091 A JP14256091 A JP 14256091A JP 3059526 B2 JP3059526 B2 JP 3059526B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4端子対標準器(以
下、「4TP−Std」と言う)のインピーダンス測定
方法に関し、4TP−Stdが4端子動作をする際のイ
ンピーダンス、または該4TP−Stdの電圧信号が印
加される端子対あるいは該電圧信号に応答して出力され
る電流の値を検出するための端子対からみた出力インピ
ーダンスを極めて高精度かつ簡易にそれぞれ算定する上
記測定方法に関する。
【0002】
【技術背景】近年、電子部品のインピーダンスを高精度
で測定する場合には、4端子対を用いた装置による測定
が行われている。具体的にはインピーダンス解析器(例
えば、横河・ヒューレット・パッカード株式会社,Mo
del 4192A,4194A)等の測定装置によ
り、電気部品の抵抗等の測定が行われている。ところ
で、このような測定器の校正を行う場合、通常、4TP
−Std標準器が用いられ、正しい(標準となる)アド
ミッタンス値を有する4TP−Stdを測定端子に装着
して、測定装置の指示値とから該測定装置の校正が行わ
れる。
【0003】図5において、LCRメータである測定装
30には、ケーブル21,22,23,24を介して
4TP−Std10が接続されている。ケーブル21,
22,23,24の各シールドは、4TP−Std10
側で端子対1,2,3,4のグランド(これらは、ST
P−Std10の外被に接続されている)に、測定装置
30側で端子1′,2′,3′,4′のグランド(これ
らは、測定装置30の外被31に接続されている)にそ
れぞれ接続されている。4TP−Std10には標準器
12が内蔵されており、該標準器12の一端(高圧側)
は端子1,2の信号端子に、他端(低圧側)は端子3,
4の信号端子に接続されている。また、図5において
は、配線のインダクタンスや配線間の容量等を、標準器
12の一端と外被11間に接続したインピーダンス13
および標準器12の低圧側と外被11間に接続したイン
ピーダンス14により示してある。測定装置30は、信
号源32により端子1′,ケーブル21,端子1を介し
て標準器12の一端(高圧側)を駆動し、その電圧の大
きさは端子2,ケーブル22を介して電圧計33により
測定される。
【0004】一方、標準器12の低圧側の電圧は、端子
3,ケーブル23,端子3′,増幅器3、さらに抵抗
35,電流計36,端子4′,ケーブル24,端子4を
介して負帰還される。この結果、標準器12の低圧側の
電圧は実質的に0電位となる。したがって、インピーダ
ンス14を流れる電流はなく、電流計36を流れる電流
は標準器12を流れる電流のみとなる。標準器12の端
子間電圧は、電圧計33により測定されるので、標準器
12のインピーダンスZは電流計36の測定値(一般
に、複素値)と電圧計33の測定値(一般に複素値)と
の比を演算することにより求められる。この求められた
値と標準器12の値とからLCRメータ30の校正が行
われる。
【0005】前述の校正が精度良く行われるためには、
4TP−Std10の値(特に標準器12の値)が正し
くわかっていなければならない。このため、従来は、 (イ)4TP−Std10の内部の物理的性質や寸法か
ら、理解できる範囲での精しい等価回路を作り、これら
の内部定数の値を用いて4TP−Std10の値を計算
したり、 (ロ)4TP−Std10の外部に値が既知の素子を接
続して、共振等により内部定数を求めていた。ところ
が、(イ)の方法では、内部構造から全ての要素を洗い
出すことはできず、評価漏れが生じ、さらに販売された
後に解体される場合があるときには、各要素の再評価は
非常に困難となるという問題がある。また、(ロ)の方
法では4TP−Std10と外部素子のリード部分との
分離が不明確となり、精度が低くなるという問題があ
る。また、校正により国家標準への「トレービリテ
ィ」を確するためには標準器は1端子対でなければな
らず、4端子対標準器においては、端子対の変換器(例
えば、2端子から1端子への変換器)を用いて校正しな
ければならない。したがって、変換器による校正精度
(確度)の低下はまぬがれないという問題がある。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、4TP−Stdをブラ
ックボックスとみて、各端子対からみた駆動点インピー
ダンスを測定することで、4TP−Stdの動作インピ
ーダンスを求め、これにより高精度で4TP−Stdの
回路定数を算定すると共に、高精度でLCRメータやベ
クトルインピーダンスアナライザ,ネットワークアナラ
イザ等の測定器の校正を行うことにある。
【0007】
【発明の概要】本発明においては、まず、4TP−St
dの第1〜第4の端子対の4端子対のうち3端子対をそ
れぞれを開放し、残る1端子対の駆動点インピーダンス
を測定する。これにより、第1〜第4の端子対のうち所
定の端子対の第1種インピーダンスが求められる。ここ
で、第1種インピーダンスは、4TP−Stdをブラッ
クボックスとみた場合の、インピーダンスマトリクス
(以下、Zマトリクスという)〔Z〕の対角要素(自己
インピーダンス)Z11,Z22,Z33,Z44(便
宜上Ziiで表す)を意味している。これら第1種イン
ピーダンスは必ずしも全て求める必要はなく、4TP−
Stdが4端子動作をする際のインピーダンスZ4TP
を測定する場合にはZ11,Z22,Z44が、第
端子対からみた出力インピーダンスZHpotを測定す
る場合にはZ11,Z22が、第4の端子対からみた出
力インピーダンスZLcurを測定する場合には
33,Z44がそれぞれ求められる。
【0008】次に、4端子対のうち2端子対を開放し、
残る2端子対のうち一方の端子対を短絡し他方の端子対
の駆動点インピーダンスを測定する。これにより、第1
〜第4の端子対のうち所定の端子対の第2種インピーダ
ンスが求められる。ここで、第2種インピーダンスは、
開放されていない端子対のうち短絡した端子対が第jの
端子対であり、駆動点インピーダンスが測定される端子
対が第iの端子対であるとすると、Ziisjで表され
る。これら第2種インピーダンスZiisjも、上記第
1種インピーダンスと同様必ずしも全て求める必要はな
く、4TP−Stdが4端子動作をする際のインピーダ
ンスZ4TPを測定する場合にはZ11s2,Z
11s3,Z44s2,Z44s3が、第の端子対か
らみた出力インピーダンスZHpotを測定する場合に
はZ11s2,Z11s3,Z22s3が、第4の端子
対からみた出力インピーダンスZLcurを測定する場
合にはZ33s1,Z44s1,Z44s3がそれぞれ
求められる。そして、上記のようにして求めた第1種お
よび第2種インピーダンス測定値Zii,Ziisj
基づき、4TP−Stdが4端子動作をする際のインピ
ーダンスZ4TP、または第あるいは第4の端子対か
らみた出力インピーダンスZHpot,ZLcurがそ
れぞれ算定される。
【0009】これらの算定において、4TP−Stdが
4端子動作をする際のインピーダンスZ4TPを測定す
る場合には、 Z4TP =Z22{(Z11−Z11s21/2・(Z44−Z44s31/2 −(Z11−Z11s31/2・(Z44−Z44S21/2} ÷(Z11−Z11s31/2 が採用される。また、第の端子対からみた出力インピ
ーダンスZHpotを測定する場合には、 ZHpot =Z22+{(Z22−Z22s3)/(Z11−Z11s3)}1/2 ×{Z22(Z11−Z11s2)}1/2 が、第4の端子対からみた出力インピーダンスZ
Lcurを測定する場合には、 ZLcur =Z44+{(Z44−Z44s1)/(Z33−Z33s1)}1/2 ×{Z33(Z44−Z44s3)}1/2 がそれぞれ採用される。なお、図4に示すように、出力
インピーダンスZHpot,ZLcur(図4ではZ
outで示す)は、端子対の負荷アドミタンスがYin
のときに出力電圧eが下式のように表されるZout
定義される。 e={(1/(1+Zoutin)}e 但し、eはYin=0のときの(すなわち無負荷で
の)出力電圧である。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を図5に沿って説明する。
なお、図5に示すように、端子対1〜4の信号端子の電
位は4TP−Std10の外被11に対してV1〜V4
あり、各信号端子に流入する電流はI1〜I4である。こ
のとき、電圧V1〜V4と電流I1〜I4との間には以下の
関係が成立する。 V1=Z111+Z122+Z133+Z144 (1a) V2=Z211+Z222+Z233+Z244 (1b) V3=Z311+Z322+Z333+Z344 (1c) V4=Z411+Z422+Z433+Z444 (1d) 以下、同図に沿って説明する。
【0011】(1)測定器が理想的である場合 (イ)まず、この場合には、条件式V=0,I
0,I=0が成立し、Z4TPは以下のように定義さ
れる。 4TP =−V /I (ただし、ここでI,VはI,I=0における
値) ところが、−V2/Iを測定する装置自体を校正しよ
うとしているので、Z4TPを別な方法で求める必要が
ある。上式を(10)式に代入すると、 V=Z11+Z14 (2a) V=Z21+Z24 (2b) 0=Z31+Z34 (2c) V=Z41+Z44 (2d) となる。(2c)より、 I=−(Z31/Z34)I となる。この式と(1b),(2b)式とから、 Z4TP=V/(−I) =(Z2134−Z3124)/Z31(3) が導かれる。したがって、Z21,Z34,Z31,Z
24の値がわかれば、Z4TPを求めることができるこ
とになる。いま、ブラックボックスに4端子対i,j,
k,lが設けられたモデルを考える。各端子対の入力電
圧をV,V,V,V、入力電流をI,I
,Iとすると、回路網方程式は、 V=Zii+Zij+Zik+Zil
(4a) V=Zji+Zjj+Zjk+Zjl
(4b) V=Zki+Zkj+Zkk+Zkl
(4c) V=Zli+Zlj+Zlk+Zll
(4d) マトリックスで表すと、 〔V〕=〔Z〕〔I〕 (5) となる。
【0012】端子対iの駆動点インピーダンスZii
求めるために、端子対i以外の3端子対j,k,lを全
て開放とすると、これら3端子対の入力電流I
,Iは全て0となる。回路網方程式は、 V=Zii となり、駆動点インピーダンスZii=V/Iを得
ることができる。次に、Zマトリクス〔Z〕のマトリク
ス要素Zijを求めるために、端子対k,lを開放にす
るとともに、端子対jをショートする。これにより、 I =0 V=0 となる。回路網方程式は、 V=Zii+Zij (6a) V=Zji+Zjj (6b) となるが、4TP−Std10が線形の受動回路である
ことを考慮すると、相反の定理が成立するのでZij
jiとなり、(6a),(6b)の2式から、 V=(Zii ji 2/Zjj)I が求められる。端子対jをショートしたときの該端子対
jの駆動点インピーダンスをZiisjとすると、 Zji=±{Zjj(Zii−Ziisj)}1/2
(7a) Zij=±{Zii(Zjj−Zjjsi)}1/2
(7b) となる。ゆえに、上式からZ21,Z24,Z31,Z
34が得られるので、これを(3)式に代入すること
で、Z4TP=(Z2134−Z3124)/Z
31を求めることができる。
【0013】(7a),(7b)における符合±は、4
TP−Std10の内部構造によって、+,−をとる。
例えば、Zijが4TP−Std10の外被と端子との
間の浮遊容量に基づくものである場合には、Zijは容
量性となり符合±は−となる。ここでは、Zji(=Z
ij)の符合±を−としてZ4TPを求めると、 Z4TP={Z22/(Z11−Z11s3)}1/2 ×[{(Z11−Z11s2)(Z44−Z44s3)}1/2 −{(Z11−Z11s3)(Z44−Z44s2)}1/2] (8) となる。なお、駆動点インピーダンスの測定は、図1に
示すように、ベクトルネットワークアナライザ(同図で
はインピーダンス測定器41)の反射係数の測定により
行うことができ、また共振周波数等の数値も併せて測定
することで、CPU42により4TP−Std10のイ
ンピーダンスの算出やその評価の自動化、およびディス
プレイ43への表示等を容易に行うことができる。同図
では、端子対1の駆動点インピーダンスZ11を測定す
るために、他の端子対2〜4は開放した状態で示してい
る。高圧側−低圧側が左右対称の構造をしている場合に
は、Z44=Z11、Z44s3=Z11s2、Z
44s2=Z11s3とすることにより、該対称の場合
のインピーダンスZ4TPBALを、 Z4TPBAL={Z22/(Z11−Z11s3)}
1/2 ×(Z11−Z11s2) (9) で求めることができる。
【0014】(ロ)仮想モデルによる理論式のシミュレ
ーションを以下に説明する。図2(A)における4TP
−Stdは高圧側−低圧側が左右対称構造をしており、
標準器はコンデンサでありCで表されている。また、
端子対1の信号端子,端子対2の信号端子と4TP−S
td内部の接続点aとの間の配線のインダクタンスをL
,L、端子対3の信号端子,端子対4の信号端子と
接続点bとの間の配線のインダクタンスをL,L
し、各接続点a,bと標準器Cの両端の接続点c,d
との間の配線のインダクタンスをL,Lとする。さ
らに、接続点cとグランドとの間には容量CHGとイン
ダクタンスLHGの直列回路が存在し、接続点dとグラ
ンドとの間には容量CLGとインダクタンスLLGの直
列回路が存在している。 L=L=10.5H L=L= 7.0H L=L= 3.0H LHG=LLG=10.0H CHG=CLG=3pF C=1000pF とすると、Z11,Z22,Z11s2,Z11s3
図2(B)のように表される。ここで、低周波域(1k
Hz)におけるZ4TPの計算結果のみを示すと、 Z4TP=1/(jω1000×10−12(ωは角周波数) となり、Z4TPに誤差が生じることはない。一方、高
周波域においては、Z22,Z11−Z11s2の共振
周波数は150MHz以上であり、数10MHz以下で
は実数と考えられ、(9)式のルート部分は、 {Z22/(Z11−Z11S2)}1/2≒1.03
0 (10) となる。また、Z11s3−Z11s2を計算すると、
図3(A)に示すような容量1030pFとインダクタ
ンス6Hの直列インピーダンスとなる。なお、周波数
特性はL+Lの部分(6nH)のみが共振に寄与す
る。したがって、4TP−Std10のインピーダンス
は(10)式と図3(A)とから、同図(B)に示すよ
うな容量1000pFとインダクタンス6.18Hの
直列インピーダンスとなる。たとえば、10MHzにお
いて、1kHzに対する誤差は2.4%になる。
【0015】(2)測定器が理想的でない場合 (イ)測定器が入力アドミタンスYを持つ場合 この場合の条件式は、 V=0,I=0,I=−V となるので、回路網方程式は、 V=Z11+Z12(−V )+Z14
(11a) V=Z21+Z22(−V )+Z24
(11b) 0=Z311+Z32(−V )+Z34
(11c) V=Z41+Z42(−V )+Z44
(11d) (11b)式よりI1を求めると、 I={(1+Z22)V−Z24}/Z
21(12) となる。(11d)式を(11c)式に代入し、−(V
/I)を求めると、 −(V/I)=(Z2134−Z3124) /{Z31+(Z3122−Z3221)Y} で計算できる(これをZ4TP(Y)とする)。上式に
おいてY=0とした理想標準器のZ4TPideal
と、Z4TP(Y)との比をとると、 {Z4TPideal/Z4TP(Y)} ={Z31+(Z3122−Z3221)Y}/
31 =1+εp となるので、出力インピーダンスZHpotは、 ZHpot=(Z3122−Z3221)/Z31 となる。詳述はしないが、ZHpotは、 Z22+{(Z22−Z22s3)/(Z11
11s3)}1/2 ×{Z22(Z11−Z11s2)}1/2 となり、極めて簡単かつ高精度でZHpotを求めるこ
とができる。
【0016】(ロ)測定器が入力アドミタンスY4を持
つ場合 この場合の条件式は、 V3=0,I3=0,I4=ILC−Y44 となるので、回路網方程式は、 V1=Z111+Z14(ILC−Y44) (16a) V2=Z211+Z24(ILC−Y44) (16b) 0=Z311+Z34(ILC−Y44) (16c) V4=Z411+Z44(ILC−Y44) (16d) (16d)式よりI1を求めると、 I1={V4−Z44(ILC−Y44)}/Z41 (17) となる。(17)式を(16c)式に代入し、−(V2
/ILC)を求めると、 −(V2/ILC) =(Z2134−Z3124) /{Z31+(Z3144−Z4134)Y4} で計算できる(これをZ4TP(Y4)とする)。上式におい
てY4=0とした理想標準器のZ4TPidealと、Z4TP(Y4)
との比をとると、 Z4TPideal/Z4TP(Y4) ={Z31+(Z3144−Z4134)Y4}/Z31 =1+ε となるので、出力インピーダンスZLcurは、 ZLcur=(Z3144−Z4134)/Z31 となる。この場合にも、詳述はしないが、ZLpotは、 Z44+{(Z44−Z44s1)/(Z33−Z33s1)}1/2 ×{Z33(Z44−Z44s3)}1/2 となり、極めて簡単かつ高精度でZLpotを求めることが
できる。
【0017】本発明方法を用いて測定したインピーダン
ス値を用いてLCRメータやネットワークアナライザ等
の各種測定器の校正等が行われる。また、4TP−St
dに2端子への変換アダプタを取り付けて使用する場合
においても、本発明の測定方法を使用することにより、
変換アダプタを取り付けた状態でのインピーダンスを測
定することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので以下
の効果を奏することができる。 (1)ブラックボックスに見立てた4TP−Stdの4
端子動作時のインピーダンスを、標準器の外側から算定
するので、4TP−Std内部の物理的寸法等から理解
できる範囲の要素で作られた等価回路を作成する等の煩
雑さがなくなる他、評価漏れによる測定精度の低下の心
配もなくなり、普遍的で高精度のインピーダンス測定方
法を提供できる。 (2)4TP−Stdを破壊することなく評価するする
ことができるので、経済性の向上を図ることができる。 (3)4TP−Stdに測定用の既知の素子を接続する
必要はないので、該既知素子との共振により測定する従
来方法と比較して格段に精度の向上が図れる (4)導出したZ4TP理論式の各要素はベクトルネッ
トワークアナライザ等で測定可能な、各ポートの駆動点
インピーダンスで表すことができる。 (5)駆動点インピーダンスの測定は上記アナライザ等
の1ポート反射計数測定により行うことができる。ま
た、最近のアナライザはスミスチャート表示などの機能
を持ち、簡単に共振周波数等の数値を得ることができる
ので、測定・評価の自動化が見込まれる。 (6)共振周波数付近の測定は上記アナライザのO(オ
ープン),S(ショート),T(ターミネーション)校
正の校正点付近なので高精度測定が期待できる。 (7)上記ターミネーションの校正で例えば50Ωでタ
ーミネートされている場合には、50Ωの実数値をZ
として入力できるので、スケールファクタを正確に校正
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法に使用される端子対の駆動点
インピーダンスを求めるための装置構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の測定原理を示すための図であり、
(A)が4TP−Std内部の等価回路を、(B)は駆
動点インピーダンスを算定するための図である。
【図3】本発明の測定原理を示すための図である。
【図4】本発明の測定方法により求められる出力インピ
ーダンスの概念図である。
【図5】本発明の作用および従来技術を説明するための
4TP−Stdの回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1〜4 端子対10 4TP−Std 11 4TP−Std外被 12 標準器 21〜24 ケーブル30 測定器 31 測定器の外被 32 信号源 33 電圧計 34 演算増幅器 36 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−309264(JP,A) 特開 平2−17459(JP,A) 実開 昭62−165572(JP,U) 実開 昭59−25478(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/02 G01R 27/28 G01R 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧信号が印加される第1の端子対と、
    この印加された電圧信号の値を検出するための第2の端
    子対と、端子電位が0電位となるように駆動される第3
    の端子対と、前記電圧信号に応答して出力される電流の
    値を検出するための第4の端子対とを有し、一端が前記
    第1および第2の端子対の各信号端子に接続され、他端
    が前記第3および第4の端子対の各信号端子に接続され
    た標準器を内蔵した4端子対標準器のインピーダンス測
    定方法において、 前記4端子対のうち3端子対をそれぞれを開放し、残る
    1端子対の駆動点インピーダンスを測定することで、第
    1〜第4の端子対のうち所定の端子対の第1種インピー
    ダンスを求めるステップと、 前記4端子対のうち2端子対を開放し、残る2端子対の
    うち一方の端子対を短絡し他方の端子対の駆動点インピ
    ーダンスを測定することで、第1〜第4の端子対のうち
    所定の端子対の第2種インピーダンスを求めるステップ
    と、 前記第1種および第2種インピーダンス測定値に基づ
    き、前記4端子対標準器が4端子動作をする際のインピ
    ーダンス、または第あるいは第4の端子対からみた出
    力インピーダンスをそれぞれ算定するステップと、 から成ることを特徴とする4端子対標準器のインピーダ
    ンス測定方法。
  2. 【請求項2】 4端子対標準器が4端子動作をする際の
    インピーダンスを次式により算定することを特徴とする
    請求項1記載の4端子対標準器のインピーダンス測定方
    法。 Z4TP =Z22{(Z11−Z11s21/2・(Z44−Z44s31/2 −(Z11−Z11s31/2・(Z44−Z44s21/2} ÷(Z11−Z11s31/24TP ;4端子対標準器が4端子動作をする際のイ
    ンピーダンス Zii ;第iの端子対の第1種インピーダンス Ziisj;第jの端子対を短絡して測定した第iの端
    子対の第2種インピーダンス
  3. 【請求項3】 第あるいは第4の端子対からみた出力
    インピーダンスを次式により算定することを特徴とする
    請求項1記載の4端子対標準器のインピーダンス測定方
    法。 ZHpot =Z22+{(Z22−Z22s3)/(Z11−Z11s3)}1/2 ×{Z22(Z11−Z11s2)}1/2 Lcur =Z44+{(Z44−Z44s1)/(Z33−Z33s1)}1/2 ×{Z33(Z44−Z44s3)}1/2Hpot;第の端子対からみた出力インピーダンス ZLcur;第4の端子対からみた出力インピーダンス Zii ;第iの端子対の第1種インピーダンス Z iisj ;第jの端子対を短絡して測定した第iの端
    子対の第2種インピーダンス
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