JP3059353U - クリーンキャリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンルームから半導体，精密機器などの
移動を，清浄度を一定にた保持しながら簡単に行えるク
リーンキャリアを提供する。 【解決手段】 台車にコンパクトにまとめた清浄機器ユ
ニットとクリーン収納ボックスとからなるクリーンキャ
リアを利用する。このクリーンキャリアは，清浄機器ユ
ニット内のフアンフイルタの運転，および正圧ダンパー
を作動させることで，清浄度を一定に保持できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，クリーンルームに係り，特に，精密機器，精密測定器，それに使用 する材料等を搬送用クリーンコンテナ迄クリーン環境で搬送できるようにしたク リーンキャリアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は，半導体，精密機器などの製造測定装置，これに使用する材料等をクリ ーンルームで処理し，搬送する場合は，クリーンルームから移動用台車で運び出 し，別便で送り，さらに保管庫に保管する手順で個別毎の不連続作業で行ってい た。また，半導体などに使用する部品，材料等は，図２に示すようなバッテリー ２７付換気フイルター２６を設けた棚式移動保管庫で移動していたが，製造測定 装置などの搬送ができなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の半導体，精密機器などの製造測定装置に関する移送・清浄度の保持等は ，移動するたびに長時間かけて浄化していた。

【０００４】 本考案は，このような事情を鑑みてなされたもので，クリーンルームからの製 造測定装置の移動も，清浄度を一定に保持しながら簡単に移動できるクリーンキ ャリアを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は，前記目的を達成するために，台車にコンパクトにまとめた清浄機器 ユニットとクリーン収納ボックスとからなるクリーンキャリアを利用する。この クリーンキャリアは，清浄機器ユニット内のフアンフイルタの運転，および正圧 ダンパーを作動させることで，清浄度を一定に保持できる。

【０００６】

【作用】

本考案によれば，図１に示すように，一般にはＡ工場のクリーンルームからＢ 工場のクリーンルームへはクリーンコンテナで搬送するのが普通である。清浄度 を一定に維持しながら清浄環境のクリーンコンテナ迄搬送する。 従来個別に行っていた前記精密機器，材料等の処理，移動等の作業は，クリー ンキャリアの利用により，連続して作業を行なうことができるようになって，清 浄化作業の回数を減じ，かつ作業能率を向上できる。

【０００７】 ユニット１の正面パネル１１に設けたファンフイルターユニット（ＦＦＵ）１ ２からボックス３に送られる清浄空気は，圧力調整ダンパ（ＰＤ）１３を通じて 再循環している。圧力調整ダンパ（ＰＤ）１３の開口面積を絞るとクリーン収納 空間の空気圧は上昇し，吹出空気の一部をパネルの隙間から外部に流出させるこ とで，クリーン収納空間が正圧度（流出抵抗）となり，外部汚染の流入を防止で きる。

【０００８】

【実施例１】 以下添付図面に従って，本考案に係るクリーンキャリアの実施例について詳説 する。図３，図４および図５に示すように，クリーンキャリアは，清浄機器ユニ ット１は，六面体のパネルで構成されており，図３に示すように，背面パネル（ 点検用バックパネル）４の上部に手押ハンドル５，中部に加圧空気取入口６を設 ける。右側面パネル７の上部に圧力調整ハンドル８，微差圧計９，下部に充電コ ード差込口１０を設ける。さらに，正面パネル１１の上部に，フアンフイルター ユニット（ＦＦＵ）１２，下部に圧力調整ンパ（ＰＤ）１３を設け，天井パネル １４に運転スイッチ１５を設ける。上記ファンフイルターユニット（ＦＦＵ）１ ２，下部を稼働するためのバッテリー１６を内蔵し，このバッテリー１６には充 電セット（ＡＣ１００ｖ）１７が接続されている。また，背面パネル（点検用バ ックパネル）４はユニット２内の点検をするために図６に示すように，たてこみ ２５を利用して容易に取外しができるように手廻しネジ２３でとめてある。クリ ーン収納ボックス２は組立式の五面体のパネルを締め具，例えばキャッチクリッ プ１８でとめて形状をととのえ，背面開口部２２を前記清浄機器ユニット１の正 面パネル１１とつきあわせて一体化し，キャスター１９付台車３の本体フレーム ２０上にのせ固定する。さらに，清浄度測定のために，前記ボックス２の天井パ ネル１４の端部に清浄度測定口キャリア３３を設ける。

【０００９】 図５に示すようにキャスター１９付台車３の本体フレーム２０に固定した床フ レーム２１を包むように清浄機器ユニット１およびクリーン収納ポックス２の側 面パネルを設置し，該ユニット１，正面パネル１１と該ボックス２の背面開口部 ２２とを接続一体化する。

【００１０】 更に，清浄度の維持を容易にするために，図６に示すようにパネルの組立の際 に，側面の場合は，パネルに凹凸を設けて組み合わせる。また底面の場合は，本 体フレーム２０に溝２４を設けパネルの先端を合致させる等の手段をこうじるこ とにより容易である。

【００１１】 クリーンキャリアの清浄化を計る運転は，バッテリー１６を用い，天井パネル １４に設けた運転スイッチ１５を運転し，微差圧計ＭＧ（０〜２０ｍｍ／Ｈ₂Ｏ ）９を見ながら圧力調整ダンパ（ＰＤ）１３を調節し，３〜５ｍｍ水柱（Ｈ₂Ｏ ）の正圧度に設定する。こ状態を保持することにより，クリーン収納空間の清浄 度は１００個／ｃｆ（≧０_.５μｍ）に維持できる。 また，バッテリー１６が消耗すると電圧表示ランプが消灯して知らせるので， 予備バッテリーと交換する。充電は充電セット（ＡＣ１００ｖ）１７を用いて行 なうと３時間程度で完了する。 さらに，フイルターが目詰まりすると正圧が得られなくなるので，加圧空気取 入口６のフイルターは運転時間２００〜３００時間を目安として新しいフイルタ ーと交換する必要がある。

【００１２】

【考案の効果】

本考案による搬送用クリーンキャリアを使用することにより，不連続から連続 作業に変えることができ，また清浄度のための時間を著しく短縮できる。また， 収納ボックスは組立式なので，製品測定装置，これに使用する材料等の積み降ろ しは，前面オープンの状態で行えるので，作業性もよく，時間も短縮できる。 さらに，クリーンキャリアの清浄度は圧力調整ダンパの操作で正圧度にすること により常に一定値で維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】クリーン運搬を説明するための概略図。

【図２】従来の移動保管庫

【図３】本考案の清浄装置付クリーンキャリアの全体
図。

【図４】本考案の清浄装置付クリーンキャリアの縦断側
面図。

【図５】本考案のクリーン収納ボックスの横断面図。

【図６】本考案のクリーンキャリア部分の説明図。

【符号の説明】

１ 清浄機器ユニット ２ クリーン収納ボックス ３ 台車 ４ 背面パネル（点検用バックパネル） ５ 手押しハンドル ６ 加圧空気取入口（フイルター付） ７ 側面パネル（右側面） ８ 圧力調整ハンドル ９ 微差圧計 １０ 充電コード差入口 １１ 正面パネル １２ ファンフイルタユニット（ＦＦＵ） １３ 圧力調整ダンパ（ＤＰ） １４ 天井パネル １５ 運転スイッチ １６ バッテリー １７ 充電セット（Ａｃ１００ｖ） １８ キャッチクリップ １９ キャスター ２０ 本体フレーム ２１ 床フレーム ２２ 背面開口部 ２３ 手廻し止めネジ ２４ 溝 ２５ たてこみ ２６ 交換フイルター ２７ バッテリー ２８ 取手 ２９ 棚板 ３０ 引戸 ３１ キャスター ３２ 天窓 ３３ 清浄度測定口キャップ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 六面体のパネルで構成された清浄機器ユ
   ニット１の背面パネル４の上部に手押しハンドル５，中
   部に加圧空気取入口６を設け，側面パネル７の上部に圧
   力調整ハンドル８，微差圧計９，下部に充電コード差込
   口１０を設け，正面パネル１１の上部にフアンフイルタ
   ーユニット１２，下部に圧力調整ダンパ１３を設け，天
   井パネル１４に運転スイッチ１５を設け，上記フアンフ
   イルタユニット１２を稼働するためのバッテリー１６を
   内蔵した清浄機器ユニット１と，組立式の五面体のパネ
   ルで構成されたクリーン収納ボックス２と台車３とで構
   成し，該ボックス２の背面開口部２２を該ユニット１の
   正面パネル１１に接続一体化し，台車３上に固定したこ
   とを特徴とするクリーンキャリア。
2. 【請求項２】 キャスター１９付台車３の本体フレーム
   ２０に固定した床フレーム２１を包むように設置した，
   一面の開口を有する五面体より成る清浄機器ユニット１
   の正面パネル１１と２面の開口を有する四面体より成る
   クリーン収納ボックス２の背面開口部２２を接続一体化
   したことを特徴とする請求項１に記載のクリーンキャリ
   ア。
3. 【請求項３】 清浄機器ユニット１の背面パネル４をた
   てこみを利用してネジ止めにし，点検用に取り外しを容
   易にしたことを特徴とする請求項１および２に記載のク
   リーンキャリア。