JP3058175B2 - ピンホール検出装置及びその方法 - Google Patents

ピンホール検出装置及びその方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はピンホール検出装置及びその方法に関し、詳
しくはゴム或いはビニール手袋やコンドーム等の袋状体
の製造に使用され、上記袋状体にピンホールが有るか否
かを判別するピンホール検出装置及びその方法に関す
る。
〔従来の技術〕
例えば、ゴム或いはビニール手袋やコンドーム等の袋
状体の製造では、種々の工程を経て製品化されるまでに
何らかの原因により上記袋状体にピンホールが発生する
ことがある。上述した袋状体では、ピンホールがあると
その使用に支障をきたすため、ピンホールのある袋状体
を不良品として取扱わなければならず、予め上記ピンホ
ールの有無を検査しておく必要性がある。
そこで、従来では、例えば下記(a)(b)(c)の
ようなピンホール検出手段などがあった。即ち、 (a) 袋状体に適宜の手段により空気を供給してその
袋状体を膨張させ、作業者の目視によりピンホールを検
出する手段。
(b) 袋状体と同一形状の電極を用意し、上記袋状体
をその電極に被嵌した上でその外部に電極を設置し、上
記電極間に数1000ボルトの高電圧を印加することにより
放電の有無を検出してピンホールの有無を判別する手
段。
(c) 袋状体を生理食塩水などの検査液に浸漬し、袋
状体の内部と外部の検査液中に一対の電極を配置し、そ
の電極間に所定の電圧を印加することにより電極間の電
気抵抗を測定してピンホールの有無を判別する手段。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述した(a)(b)(c)からなる各ピ
ンホール検出手段では、以下に述べるような問題があっ
た。
まず、(a)の手段では、微小なピンホールを発見し
ようとするためには袋状体を相当大きく膨張させる必要
がある。このように袋状体を膨張させ過ぎると空気を抜
いた時にその検査前後で製品寸法が変化してしまうとい
う問題があった。また、作業者の目視によりピンホール
の有無を検出しているため、作業時間がかかると共に検
出ミスも多く、作業者にも熟練が要求されて作業効率も
悪かった。
次に、(b)の手段では、袋状体を被嵌する電極をそ
の袋状体と同一形状にしなければならず、袋状体の形状
が複雑になると、上記電極の製作が困難となり、仮に製
作できたとしてもその電極に袋状体を被嵌する作業に手
間がかかり作業性が大幅に低下する。
更に、(c)の手段では、袋状体を検査液に浸漬しな
ければならず、検査後に上記袋状体を乾燥させる必要が
あり、この余分な乾燥処理を行うために工数が増加して
作業時間の短縮化を図ることが困難であった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもの
で、その目的とするところは、簡便な手段により袋状体
でのピンホールの有無を迅速且つ確実に判別し得るピン
ホール検出装置及びその方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための技術的手段として、本発明
に係るピンホール検出装置は、膨縮可能な袋状体が着脱
自在に取付けられる複数の支持台を移動させる駆動機構
と、上記支持台に取付けられた袋状体の内部に気体を供
給して上記袋状体を膨張させる気体供給機構と、膨張し
た袋状体の初期形状と所定時間経過後の形状とを、前記
袋状体が駆動機構上において常圧環境下にある状態で測
定してその測定値の差からピンホールの有無を判別する
ピンホール検出手段とを具備したことを特徴とする。
また、本発明に係るピンホール検出方法は、膨縮可能
な袋状体を支持台に装着した状態で移送しながら、給気
ポジションで袋状体内部に気体を供給して袋状体を膨張
させ、第1測定ポジションで上記袋状体の初期形状を、
前記袋状体が駆動機構上において常圧環境下にある状態
で測定し、所定時間経過後、第2測定ポジションで上記
袋状体の形状を前記常圧環境下で再度測定し、第1、第
2測定ポジションでの測定値の差を演算処理してその演
算結果からピンホールの有無を判別するようにしたこと
を特徴とする。
〔作用〕
本発明に係るピンホール検出装置及びその方法では、
気体供給機構により袋状体を膨張させ、その直後、第1
測定ポジションでピンホール検出手段により上記袋状体
の初期形状を、前記袋状体が駆動機構上において常圧環
境下にある状態で測定する。そして所定時間経過後、駆
動機構により移送された上記袋状体の形状を第2測定ポ
ジションでピンホール検出手段により前記常圧環境下で
再度測定する。上記袋状体にピンホールが存在すれば、
第1測定ポジションから第2測定ポジションへ移送され
る間に袋状体の形状が内部気体の漏れにより変化する。
この形状変化を上記第1、第2測定ポジションでの測定
値の差で検出して上記ピンホールの有無を判別する。
〔実施例〕
本発明に係るピンホール検出装置及びその方法の一実
施例を第1図乃至第6図を参照しながら説明する。
本発明のピンホール検出装置は、第1図及び第2図に
示すように駆動機構(1)、気体供給機構(2)及びピ
ンホール検出手段(3)で構成される。
上記駆動機構(1)は複数のスプロケットホイール
(4)(5)(6)に纏掛けられたチェーンコンベア
(7)からなり、そのチェーンコンベア(7)上に等間
隔で整列配置された複数の支持台(8)(8)…を設け
る。この支持台(8)は有底箱形のもので、その上端開
口部に、ゴム或いはビニール手袋やコンドーム等の膨縮
可能な袋状体(9)が着脱自在に被嵌される。
次に、気体供給機構(2)は、上記チェーンコンベア
(7)上の支持台(8)に袋状体(9)を装着する取付
けポジション(Po)の直後位置に設けられ、支持台
(8)に取付けられた袋状体(9)の内部に空気、窒素
などの気体を供給して上記袋状体(9)を膨張させる上
下動自在な給気ノズル(10)からなる。この給気ノズル
(10)の基端部は気体供給源(11)に接続され、その先
端部はノズル上昇端位置で支持台(8)の底部に設けた
逆止弁(12)に接続される。
ピンホール検出手段(3)は、例えば第2図に示すよ
うに各支持台(8)に設けられた超音波センサ(13)か
らなり、給気ポジション(P1)の直後の第1測定ポジ
ション(P2)で膨張した袋状体(9)の初期形状を通
常の大気圧の常圧環境下で測定し、所定時間経過後、第
2測定ポジション(P3)で上記袋状体(9)の形状を
前述した常圧環境下で再度測定する。上記超音波センサ
(13)は、第3図に示すように発信機(14)に接続され
て袋状体(9)に向けて所定周波数の超音波を放射する
発信素子(15)と、上記袋状体(9)で反射された反射
波を受信する受信素子(16)とからなり、この受信素子
(16)には、増幅器(17)、A/D変換器(18)、CPU(1
9)及び出力装置(20)が接続される。
上記構成からなる装置によるピンホール検出方法を、
第1図乃至第3図と第4図乃至第6図に基づいて説明す
る。
まず、駆動機構(1)のチェーンコンベア(7)をス
プロケットホイール(4)(5)(6)の回転駆動によ
り周回させ、支持台(8)(8)…を定ピッチで間欠的
に或いは低速で連続的に移動させる。そして、取付けポ
ジション(Po)にて袋状体(9)を支持台(8)の上端
開口部に被嵌して装着する。次に給気ポジション
(P1)で気体供給機構(2)の給気ノズル(10)を上
昇させてその先端部を支持台(8)の底部の逆止弁(1
2)に接続し、その逆止弁(12)を介して袋状体(9)
の内部に所定量の気体を供給して上記袋状体(9)を膨
張させる。ここで、上記気体の供給量は、後述するよう
にピンホール検出手段(3)により膨張した袋状体
(9)の初期形状と所定時間経過後の形状とを測定して
その測定値の差からピンホールの有無を判別することか
ら、必ずしも一定量である必要はなく、上記袋状体
(9)を膨張させ過ぎて検査前後で製品寸法が変化する
ことがない程度でよく、超音波センサ(13)で反射波が
確実に受信できるように袋状体(9)の内面にしわが生
じない程度であればよい。この気体供給の完了後、給気
ノズル(10)を下降させて支持台(8)から離脱させる
が、上記支持台(8)には逆止弁(12)が設けられてい
るため、袋状体(9)は気体が抜けることなく膨張した
状態が保持される。
この気体供給の直後、第1測定ポジション(P2)に
て膨張した袋状体(9)の初期形状を超音波センサ(1
3)で測定する。即ち、上記超音波センサ(13)の発信
素子(15)から超音波を袋状体(9)の内面に向けて放
射させ、その内面で反射した反射波を受信素子(16)で
受信する。この受信素子(16)から出力された検出信号
を増幅器(17)で増幅し、A/D変換器(18)でアナログ
からデジタルに変換した後、CPU(19)で記憶保持す
る。上記超音波センサ(13)では発信素子(15)及び受
信素子(16)と袋状体(9)の内面との距離を測定する
ことになる。
そして所定時間経過後、第1測定ポジション(P2
から第2測定ポジション(P3)に達した支持台(8)
の袋状体(9)の形状を超音波センサ(13)で再度測定
する。この第2測定ポジション(P3)での形状測定
は、前述した第1測定ポジション(P2)での形状測定
と同様であるので説明は省略する。上記第2測定ポジシ
ョン(P3)での測定値と、予め記憶保持された第1測
定ポジション(P2)での測定値との差をCPU(19)で演
算処理する。即ち、袋状体(9)にピンホールが無けれ
ば形状変化がなく上記測定値の差が零であるが、上記袋
状体(9)にピンホールが有れば、袋状体(9)が第1
測定ポジション(P2)から第2測定ポジション(P3
まで移送される所定時間が経過する間にそのピンホール
から気体が漏れて袋状体(9)の形状が変化し、上記測
定値の差が零でなくなる。そこで、上記測定値、即ち、
超音波センサ(13)で検出された反射波の信号強度が、
袋状体(9)にピンホールが有れば時間の経過と共に大
きくなるので、検出信号のばらつき誤差をしきい値とし
て予め設定しておき、第2測定ポジション(P3)での
信号強度と第1測定ポジション(P2)での信号強度と
の差が上記しきい値より大きいか否かを判別する。この
しきい値よりも小さければ袋状体(9)にピンホールが
無いことになって良品と判断され、上記しきい値よりも
大きければ袋状体(9)にピンホールが有ることになっ
て不良品と判断される。この判別結果は出力装置(20)
にて表示され、これにより作業者は袋状体(9)のピン
ホールの有無を認知することができる。上述のようにし
てピンホール検出を終了した袋状体(9)は、取外しポ
ジション(P4)にて支持台(8)から取外されて次工
程へ供給される。
尚、上記実施例では、各支持台(8)(8)…の内部
に超音波センサ(13)(13)…を設けることにより袋状
体(9)(9)…の形状変化を測定しているが、本発明
はこれに限定されることなく、上記支持台(8)(8)
…の内部若しくは外部に、袋状体(9)(9)…の形状
変化を測定し得るセンサ、例えばレーザ式の変位センサ
や接触圧の非常に小さい接触式センサ等を設けるように
してもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、袋状体を気体供給機構により膨張さ
せ、その膨張した袋状体の初期形状と所定時間経過後の
形状とを、袋状体が駆動機構上において常圧環境下にあ
る状態でピンホール検出手段により測定してその測定値
の差からピンホールの有無を判別するようにしたから、
検査前後で製品寸法が変化することなく、高精度のピン
ホール検出を実現でき、検査後に余分な処理を必要とせ
ず作業時間の短縮化と工数低減が図れて作業効率が大幅
に向上する。また、袋状体の形状測定は、通常の大気圧
の常圧環境下で行うため、特別な密閉環境などを必要と
しないので設備費が削減できて経済的な価値がある。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図は本発明の一実施例を説明するための
もので、第1図はピンホール検出装置の駆動機構を示す
正面図、第2図はピンホール検出手段、気体供給機構を
示す支持台の断面図、第3図はピンホール検出手段の構
成要素を示すブロック図、第4図はピンホール検出方法
の手順を示すブロック図、第5図はピンホール検出方法
のフローチャート、第6図は超音波センサの時間に対す
る反射波信号強度の変化を示す特性図である。 (1)……駆動機構、(2)……気体供給機構、(3)
……ピンホール検出手段、(8)……支持台、(9)…
…袋状体、(P1)……給気ポジション、(P2)……第
1測定ポジション、(P3)……第2測定ポジション。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−233524(JP,A) 特開 昭59−92325(JP,A) 特開 昭59−206737(JP,A) 特開 昭54−151887(JP,A) 特開 昭60−252238(JP,A) 実開 昭63−193340(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 17/04 G01M 3/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨縮可能な袋状体が着脱自在に取付けられ
    る複数の支持台を移動させる駆動機構と、上記支持台に
    取付けられた袋状体の内部に気体を供給して上記袋状体
    を膨張させる気体供給機構と、膨張した袋状体の初期形
    状と所定時間経過後の形状とを、前記袋状体が駆動機構
    上において常圧環境下にある状態で測定してその測定値
    の差からピンホールの有無を判別するピンホール検出手
    段とを具備したことを特徴とするピンホール検出装置。
  2. 【請求項2】膨縮可能な袋状体を支持台に装着した状態
    で移送しながら、給気ポジションで袋状体内部に気体を
    供給して袋状体を膨張させ、第1測定ポジションで上記
    袋状体の初期形状を、前記袋状体が駆動機構上において
    常圧環境下にある状態で測定し、所定時間経過後、第2
    測定ポジションで上記袋状体の形状を前記常圧環境下で
    再度測定し、第1、第2測定ポジションでの測定値の差
    を演算処理してその演算結果からピンホールの有無を判
    別するようにしたことを特徴とするピンホール検出方
    法。
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