JP3057591U - 染色装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被染色布が、捻れたり折り目や皺を発生する
こと無く、拡開した状態で循環し、その風合いを損なう
ことが無く、短時間で均一に染色できる染色装置を提供
すること。 【解決手段】 機体１内に布ガイドチューブ１２及び染
色漕１１を設け、布ガイドチューブ１２の出口に染色漕
１１の一端を連結し、染色漕１１の他端近傍に、被染色
布２を布ガイドチューブ１２の入り口に向けて送り出す
布送りローラ１４を設置し、布ガイドチューブ１２の入
り口に、染色液を布ガイドチューブ１２の内部に向けて
高速で噴射するジェット・ノズル１３を設け、布ガイド
チューブ１２の入り口から適宜長さに亘って、ジェット
・ノズル１３の噴射方向に対して傾斜する前部傾斜路１
２１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、染色装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、中空の機体内に、水平方向に延びる布ガイドチューブ及びＵ字状の染色 漕を設けると共に、布ガイドチューブの出口を染色漕の一端に連結し、布ガイド チューブの入り口に、染色液を下方に向けて噴射するオーバー・フロー・ノズル と、染色液を水平方向に向けて噴射するジェット・ノズルとを設置し、染色漕の 他端の下流において、オーバー・フロー・ノズルの上方及びジェット・ノズルの 前方にそれぞれ布送りローラを設け、被染色布をその種類に応じてオーバー・フ ロー・ノズルとジェット・ノズルのいずれかを通過して布ガイドチューブの入り 口に送り込み、染色作業が完了するまで布ガイドチューブ及び染色漕の内部を循 環させるようにした染色装置が公知である。

【０００３】 上記従来の染色装置によれば、被染色布は、布送りローラから送り出された後 、各ノズルを通して布ガイドチューブ内に進入するだけなので、皺がよったり捻 れたりしやすい。被染色布はこのように変形した状態で布ガイドチューブ及び染 色漕の内部を循環すると、損傷を受けて風合いが悪くなるばかりか、染色液が均 一に浸透せずに、染色に時間がかかったり、染めムラが発生する虞がある。 また、染色に要する時間を短縮させ、染めムラを防ごうとすると、被染色布を 高速で移送して拡げなければならないので、染色装置及び被染色布が傷みやすく なる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、被染色布が、捻れたり折り目や皺を発生すること無く、拡開 した状態で循環し、その風合いを損なうことが無く、短時間で均一に染色できる 染色装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の染色装置は、機体内に布ガイドチューブ及び染色漕を設けると共に、 布ガイドチューブの出口に染色漕の一端を連結し、該染色漕の他端近傍に被染色 布を布ガイドチューブの入り口に向けて送り出す布送りローラを設置し、布ガイ ドチューブの入り口に、染色液を前記布ガイドチューブの内部に向けて高速で噴 射するジェット・ノズルを設け、布ガイドチューブの入り口から適宜長さに亘っ て、前記ジェット・ノズルの噴射方向に対して傾斜する前部傾斜路を形成して構 成される。

【０００６】 布送りローラから送り出された被染色布は、ジェット・ノズルを通過して布ガ イドチューブの入り口に送り込まれ、さらに布ガイドチューブの出口から染色漕 内に落下し、染色漕の他端から排出される。この間、被染色布は、ジェット・ノ ズルから噴出する染色液によって染色され、染色作業が完了するまで布ガイドチ ューブ及び染色漕の内部を循環する。 ジェット・ノズルを通過した被染色布は、染色液によって布ガイドチューブの 前部傾斜路の壁に吹き付けられた後、跳ね返って弛緩し、これにより拡開した状 態で布ガイドチューブの出口方向に送り出される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の染色装置は、図１に示すように、断面円形の中空な機体１と、機体１ 内に設置された布ガイドチューブ１２及び染色漕１１と、布ガイドチューブ１２ の入り口に設けられたジェット・ノズル１３と、ジェット・ノズル１３の前方に 臨んで配置された布送りローラ１４と、布送りローラ１４を駆動する電動モータ ３とを備える。

【０００８】 布ガイドチューブ１２は、その入り口から適宜長さに亘って、出口方向下向き に傾斜する前部傾斜路１２１が形成され、前部傾斜路１２１より後方の部分はほ ぼ水平に延びている。なお、前部傾斜路１２１は、直線的に傾斜していても良い し、湾曲していても良い。 染色漕１１は、布ガイドチューブ１２よりも太い筒体を、機体１の下半部に沿 うよう略Ｕ字状に湾曲させて形成され、その底部に染色液が溜まるようになって いる。また、染色漕１１の一端には布ガイドチューブ１２の出口が連結され、布 ガイドチューブ１２と染色漕１１とにより、被染色布２が循環する布循環路が構 成される。

【０００９】 布送りローラ１４は染色漕１１の他端近傍に回動自在に配置され、その回転軸 に他動ホイール５が取り付けられている。また、電動モータ３の出力軸には自動 ホイール５’が取り付けられ、この自動ホイール５’と他動ホイール５との間に 伝動ベルト４が掛け回されている。 従って、電動モータ３を作動させると布送りローラ１４が回転して、染色漕１ １の他端から排出された被染色布２を、ジェット・ノズル１３を通過して布ガイ ドチューブ１２の入り口に送り込むようになっている。

【００１０】 ジェット・ノズル１３は、機体１の外部から引き込まれた染色液供給路に連結 され、供給された染色液を布ガイドチューブ１２の内部に向けて、ほぼ水平方向 に高速で噴射するようになっている。 そして、ジェット・ノズル３から噴射された染色液は、図２に示すように、被 染色布２を布ガイドチューブ１２の前部傾斜路１２１の壁に吹き付ける。前部傾 斜路１２１の壁に当たった被染色布２は跳ね返って弛緩し、拡開した状態で波打 ちながら布ガイドチューブ１２の出口方向に送り出され、染色漕１１の一端から その内部に落下する。

【００１１】 また、ジェット・ノズル３から噴出された染色液は、布ガイドチューブ１３及 び染色漕１１を通過する被染色布２を染色し、この染色作業が完了するまで、被 染色布２は布送りローラ１４で送られて、布ガイドチューブ１２及び染色漕１１ で構成される布循環路の内部を循環する。 この時、被染色布２は、従来の染色装置内を循環するのに比べて拡開している ので、短時間でムラ無く染色される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の染色装置によれば、被染色布は捻れたり、折り目や皺が発生すること なく、拡開した状態で布ガイドチューブ及び染色漕の内部を循環するので、短時 間で均一に染め上がり、しかも、その手触りや風合いが損なわれることも無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態を示す染色装置の断面図

【図２】同上の要部拡大図

【符号の説明】

１ 機体 ２ 被染色布 ３ 電動モータ ４ 伝動ベルト ５ 他動ホイール ５’ 自動ホイール １１ 染色漕 １２ 布ガイドチューブ １２１ 前部傾斜路 １３ ジェット・ノズル １４ 布送りローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体内に布ガイドチューブ及び染色漕を
   設けると共に、前記布ガイドチューブの出口に前記染色
   漕の一端を連結し、該染色漕の他端近傍に、被染色布を
   前記布ガイドチューブの入り口に向けて送り出す布送り
   ローラを設置し、前記布ガイドチューブの入り口に、染
   色液を前記布ガイドチューブの内部に向けて高速で噴射
   するジェット・ノズルを設け、前記布ガイドチューブの
   入り口から適宜長さに亘って、前記ジェット・ノズルの
   噴射方向に対して傾斜する前部傾斜路を形成したことを
   特徴とする染色装置。