JP3057173B2 - コーナレフレクタアンテナ装置 - Google Patents

コーナレフレクタアンテナ装置

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JP3057173B2
JP3057173B2 JP7310589A JP31058995A JP3057173B2 JP 3057173 B2 JP3057173 B2 JP 3057173B2 JP 7310589 A JP7310589 A JP 7310589A JP 31058995 A JP31058995 A JP 31058995A JP 3057173 B2 JP3057173 B2 JP 3057173B2
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保紀 三賀
当秀 佐藤
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佳雄 恵比根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陸上における移動
通信システム等の基地局に使用されるコーナレフレクタ
アンテナ装置に関し、特に、広帯域用に改良されたアン
テナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコーナレフレクタアンテ
ナ装置については、例えば、図7に示されるものがあ
る。同図において、コーナレフレクタアンテナ装置1
は、2枚の導体板が、ある開き角α(0°<α<360
°)でコーナ状に形成された反射板2と、該反射板2の
開き角αの2等分線上に、放射素子として、該反射板2
の稜線2aに平行に配設され、使用周波数の1/2波長
の長さをもつダイポールアンテナ3とから構成されてい
る。なお、4は特性インピーダンスZ0 を有する給電
線、5は高周波電源である。このアンテナ装置1の利得
は、前記反射板2の開き角αと、該反射板2の頂角から
前記ダイポールアンテナ3までの距離dとを調整して、
設定することができる。
【0003】他方、前記アンテナ装置1の利得は、前記
反射板2の幅Lによっても変化するが、該反射板2の幅
Lが、使用周波数の波長に対して、同程度またはそれよ
り大であれば、その幅Lに対する前記利得の変化は小さ
くなる。このため、通常、反射板2の幅Lは、前記波長
に対し大きな寸法を選ぶことが多い。
【0004】ところで、使用周波数の1/2波長の長さ
をもつダイポールアンテナ3は、線状の放射素子の共振
特性を利用しているため、その入力インピーダンスの周
波数特性は狭帯域であり、比帯域(帯域幅/中心周波
数)で表す周波数特性の帯域幅は、5〜7%であること
が知られている。このため、コーナレフレクタアンテナ
装置1の入力インピーダンス特性は、素子アンテナであ
る1/2波長のダイポールアンテナ3の特性に依存する
ことになる。従って、前記コーナレフレクタアンテナ装
置1は、一般に狭帯域な入力インピーダンス特性を有し
ている。
【0005】これに対する、従来の広帯域化の試みとし
て、双円錐形ダイポールを使用した例があるが、比帯域
がせいぜい10%程度の帯域幅特性を実現しているのみ
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在、
わが国において、実用化されている800MHz帯の移
動通信システム用に割当られた周波数は、比帯域で約1
7%ときわめて広帯域である。また、将来、国際的に使
用が予定されている2GHz帯の移動通信システム用に
割当られた周波数も、同程度の比帯域となることが予想
される。これらに対応するには、広帯域な特性を有する
コーナレフレクタアンテナ装置を使用することが望まし
いが、従来の技術では、この条件が十分に満足されてい
ないという問題点があった。
【0007】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的は前記問題点を解消し、コーナレフレクタにダ
イポールアレーアンテナ(双枝形アンテナ)を組合せ
て、広帯域な周波数特性が得られるコーナレフレクタア
ンテナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は、導体板が、ある開き角でコーナ状に
形成された反射板と、該反射板の前記開き角の2等分線
上に、該反射板の稜線に平行に配設され、使用周波数の
1/2波長の長さをもつ第1のダイポールアンテナとか
らなるアンテナ装置において、次のとおりである。
【0009】(1) 前記第1のダイポールアンテナに
平行し、前記2等分線上に一定間隔を置いて、平行給電
線に並列に接続された複数のダイポールアンテナが、前
記反射板の開口側に配設され、該複数のダイポールアン
テナのそれぞれの長さを、前記反射板の稜線から遠くに
なるにつれて、前記第1のダイポールアンテナに対し、
順次一次関数的に短くして、ダイポールアレーを形成さ
せることを特徴とする。
【0010】(2) 前記(1)において、前記複数の
ダイポールアンテナが、前記第1のダイポールアンテナ
に対し、第2および第3のダイポールアンテナからなる
ことを特徴とする。
【0011】(3) 前記(2)において、前記コーナ
レフレクタアンテナ装置が、垂直方向に複数段配設され
たことを特徴とする。
【0012】(4) 前記第1のダイポールアンテナ
が、前記反射板の稜線から前記周波数の1/2波長の位
置にあるとともに、該第1のダイポールアンテナに平行
、前記2等分線上に前記周波数の0.2〜0.3波長
間隔を置いて、平行給電線に接続された第2のダイポ
ールアンテナが、前記反射板の開口側に配設され、該第
2のダイポールアンテナの長さを、前記第1のダイポー
ルアンテナより短くして、ダイポールアレーを形成させ
ることを特徴とする。
【0013】本発明は以上のように、コーナレフレクタ
にダイポールアレーアンテナ(双枝形アンテナ)を組合
せて構成され、該ダイポールアレーアンテナが有する広
帯域な周波数特性を保持しつつ、前記コーナレフレクタ
により、特定方向に、該コーナレフレクタと類似の指向
特性をもたせることができる。そして、コーナレフレク
タにダイポールアレーアンテナを組合せにより、該ダイ
ポールアレーアンテナを構成する素子ダイポールアンテ
ナの数Nを、前記第1のダイポールアンテナを含めて、
N=2または3個で、同様の前記広帯域な周波数特性を
得ることができる。この場合、特に、形状が小形になる
とともに、構造も簡単になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1および
図2は、本発明のコーナレフレクタアンテナ装置の一実
施例を示す図で、図1はその斜視図、図2は、図1のダ
イポールアレーアンテナ部の拡大図であり、図7と同一
部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0015】図1および図2において、このコーナレフ
レクタアンテナ装置11は、2枚の導体板が、ある開き
角α(0°<α<360°)でコーナ状に形成された反
射板2と、該反射板2の開き角αの2等分線上に、放射
素子として配設されたダイポールアレーアンテナ部12
とから構成されている。
【0016】前記ダイポールアレーアンテナ部12は、
第1のダイポールアンテナ121 、すなわち、前記反射
板2の稜線2aに平行に配設され、使用周波数の1/2
波長の長さを有し、かつ前記稜線2aからdなる距離、
例えば前記周波数の1/2波長の距離に位置する第1の
ダイポールアンテナ121 を含めたダイポールアレーア
ンテナである。
【0017】そして、前記ダイポールアレーアンテナ部
12は、複数(N素子)のダイポールアンテナ121
122 ,123 ,‥‥‥12n-1 ,12n からなり、該
ダイポールアンテナ122 ,123 ,124 ,‥‥‥1
n-1 ,12n は前記第1のダイポールアンテナ121
に対し、前記反射板2の開き角αの前記2等分線上に一
定間隔sごとに、特性インピーダンスがZf である平行
給電線13に、該第1のダイポールアンテナ121 と同
様に、並列に接続されている。この場合、N素子の前記
ダイポールアンテナ121 ,122 ,123 ,‥‥‥1
n-1 ,12n のそれぞれ間隔sとしては、例えば前記
周波数の0.2波長ないし0.3波長が選ばれることが
多く、前記平行給電線13の特性インピーダンスZf
しては、100Ω〜150Ω(またはそれ以上)が選ば
れている。
【0018】これらのダイポールアンテナ122 ,12
3 ,124 ,‥‥‥12n-1 ,12 n は、前記反射板2
の開口側に配設されており、該ダイポールアンテナ12
2 ,123 ,124 ,‥‥‥12n-1 ,12n のそれぞ
れの長さは、前記反射板2の稜線2aから遠くになるに
つれて、長さが1/2波長の前記第1のダイポールアン
テナ121 に対し、順次一次関数的に短くされて、ダイ
ポールアレーを形成している。なお、前記ダイポールア
レーアンテナ部12の前記平行給電線13は、特性イン
ピーダンスZ0 を有する給電線4を介して、高周波電源
5のa、b端子に接続されている。
【0019】このとき、前記ダイポールアレーアンテナ
部12の周波数帯域は、比帯域で約20%〜25%が得
られている。このため、前記反射板2と、前記ダイポー
ルアレーアンテナ部12とを組合せたコーナレフレクタ
アンテナ装置11は、ダイポールアレーアンテナの広帯
域特性を保持しつつ、通常のコーナレフレクタアンテナ
と類似の指向特性を有する。
【0020】通常、ダイポールアレーアンテナ部12
は、ダイポールアンテナの数Nとして、N=5または6
個以上を使用しているが、本実施例のコーナレフレクタ
アンテナ装置11では、特に、前記ダイポールアンテナ
の数Nとして、N=2〜3個を使用したときでも、同様
な広帯域特性を得ることができた。図3は、前記ダイポ
ールアンテナの数Nを3個使用したときのコーナレフレ
クタアンテナ装置21の斜視図を示す。
【0021】図4は、図3に示すダイポールアンテナの
数Nを3個使用したときのコーナレフレクタアンテナ装
置21を垂直方向に複数段(4段)配設されたコーナレ
フレクタアンテナ装置31の斜視図を示す。
【0022】図5は、特に、前記ダイポールアンテナの
数Nを2個使用したときのコーナレフレクタアンテナ装
置41の斜視図を示す。そして、このときのアンテナ整
合特性であるV.S.W.R.対正規化周波数特性を、図6に示
す。図6からV.S.W.R.が1.5のとき、比帯域は約30
%になっていることが分かる。また、その中心周波数f
0 における指向性を図7に示す。この場合、特に、形状
が小形になり、構造も簡単になるとともに、前記ダイポ
ールアンテナの数Nが3個のときと同様の広帯域な周波
数特性を得ることができた。
【0023】本実施例の他の例として、前記反射板2に
代えて、例えば電磁ホーンのような開口面アンテナと、
前記ダイポールアレーアンテナ部12とを組み合わせる
こともできる。このときも、前記と同様な、広帯域な周
波数特性を得ることができ、しかも、電磁ホーン形アン
テナの特長である、比較的高い利得を有するコーナレフ
レクタアンテナ装置を実現することができる。
【0024】なお、本発明の技術は前記実施例における
技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他
の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記
構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
コーナレフレクタアンテナ装置によれば、請求項1ない
し3については、前記第1のダイポールアンテナに対
し、前記反射板の開き角の2等分線上に複数のダイポー
ルアンテナが、前記反射板の開口側に配設され、該複数
のダイポールアンテナのそれぞれの長さを、前記反射板
の稜線から遠くになるにつれて、前記第1のダイポール
アンテナに対し、順次一次関数的に短くして、ダイポー
ルアレーを形成させるので、広帯域な周波数特性を得る
ことができる。
【0026】請求項4については、第1のダイポールア
ンテナが、反射板の稜線から使用周波数の1/2波長の
位置にあるとともに、該第1のダイポールアンテナに対
し、前記反射板の開き角の2等分線上に第2のダイポー
ルアンテナが、前記反射板の開口側に配設され、該第2
のダイポールアンテナの長さを、前記第1のダイポール
アンテナより短くし、ダイポールアレーを形成させるの
で、広帯域な周波数特性を得ることができる。この場
合、ダイポールアレーアンテナ(双枝形アンテナ)を構
成する素子ダイポールアンテナの数Nは、2個であるた
め、形状および構造が、小形で簡単になり、低コスト
で、容易に量産化ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーナレフレクタアンテナ装置の一実
施例を示す斜視図である。
【図2】図1のダイポールアレーアンテナ部の拡大図で
ある。
【図3】本実施例におけるダイポールアンテナの数を3
個使用したときのコーナレフレクタアンテナ装置を示す
斜視図である。
【図4】図3のコーナレフレクタアンテナ装置を垂直方
向に複数段配設されたものを示す斜視図である。
【図5】本実施例におけるダイポールアンテナの数を2
個使用したときのコーナレフレクタアンテナ装置を示す
斜視図である。
【図6】図5のコーナレフレクタアンテナ装置のアンテ
ナ整合特性であるV.S.W.R.対正規化周波数特性を示す図
である。
【図7】図5のコーナレフレクタアンテナ装置の、図6
の中心周波数f0 における指向性を示す図である。
【図8】従来のコーナレフレクタアンテナ装置を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 コーナレフレクタアンテ
ナ装置 2 反射板 2a 稜線 4 給電線 5 高周波電源 12 ダイポールアレーアンテナ部 121 第1のダイポールアンテナ 122 第2のダイポールアンテナ 123 第3のダイポールアンテナ 12n-1 第n−1のダイポールアンテナ 12n 第nのダイポールアンテナ 13 平行給電線
フロントページの続き (72)発明者 恵比根 佳雄 東京都港区虎ノ門2−10−1 エヌ・テ ィ・ティ移動通信網株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−57003(JP,A) 特開 昭59−131185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 15/18 H01Q 19/10 H01Q 21/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体板が、ある開き角でコーナ状に形成
    された反射板と、該反射板の前記開き角の2等分線上
    に、該反射板の稜線に平行に配設され、使用周波数の1
    /2波長の長さをもつ第1のダイポールアンテナとから
    なるアンテナ装置において、 前記第1のダイポールアンテナに平行し、前記2等分線
    上に一定間隔を置いて、平行給電線に並列に接続された
    複数のダイポールアンテナが、前記反射板の開口側に配
    設され、該複数のダイポールアンテナのそれぞれの長さ
    を、前記反射板の稜線から遠くになるにつれて、前記第
    1のダイポールアンテナに対し、順次一次関数的に短く
    して、ダイポールアレーを形成させることを特徴とする
    コーナレフレクタアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のダイポールアンテナが、前記
    第1のダイポールアンテナに対し、第2および第3のダ
    イポールアンテナからなることを特徴とする請求項1に
    記載のコーナレフレクタアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 コーナレフレクタアンテナ装置が、垂直
    方向に複数段配設されたことを特徴とする請求項2に記
    載のコーナレフレクタアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 導体板が、ある開き角でコーナ状に形成
    された反射板と、該反射板の前記開き角の2等分線上
    に、該反射板の稜線に平行に配設され、使用周波数の1
    /2波長の長さをもつ第1のダイポールアンテナとから
    なるアンテナ装置において、 前記第1のダイポールアンテナが、前記反射板の稜線か
    ら前記周波数の1/2波長の位置にあるとともに、該第
    1のダイポールアンテナに平行し、前記2等分線上に
    記周波数の0.2〜0.3波長の間隔を置いて、平行給
    電線に接続された第2のダイポールアンテナが、前記反
    射板の開口側に配設され、該第2のダイポールアンテナ
    の長さを、前記第1のダイポールアンテナより短くし
    て、ダイポールアレーを形成させることを特徴とするコ
    ーナレフレクタアンテナ装置。
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JP4572922B2 (ja) * 2007-10-16 2010-11-04 株式会社日本自動車部品総合研究所 アンテナシステムおよび車内用無線通信機
JP5322204B2 (ja) * 2008-03-12 2013-10-23 国立大学法人広島大学 振動検出素子、振動測定装置並びに振動測定方法

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