JP3056453U - 剥離紙 - Google Patents

剥離紙

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JP3056453U JP1998006976U JP697698U JP3056453U JP 3056453 U JP3056453 U JP 3056453U JP 1998006976 U JP1998006976 U JP 1998006976U JP 697698 U JP697698 U JP 697698U JP 3056453 U JP3056453 U JP 3056453U
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英之 藤村
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ロータリー株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生紙リサイクルが不可能なアンダーコート
層がポリエチレンラミネートの剥離紙に代えて,再生紙
用リサイクル可能で,使用においては剥離剤の粘着面へ
の移行が少なく残留剥離性が良好で,製造においては従
来の紙加工装置が利用できる剥離紙を案出する. 【解決手段】 紙の表面に三層の皮膜を形成し,紙側か
らの第一層をアクリル系ワニスとし,この流動,固化性
の高い点を利用して紙表面の繊維集合体の凹凸をその面
に顕出させることにより,第三層のシリコン系剥離剤樹
脂部と第一層ワニス部とが混在している第二層を設ける
ことによって残留剥離性を良好にした.また,製造にお
いてはロールコーターで加工でき,併せて再生紙用リサ
イクル可能な剥離紙とした.

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
紙の表面に剥離剤が塗工してあり,粘着紙を貼付した場合に剥離を容易にして いる紙が剥離紙である.本考案はこの剥離紙に係わり,紙の表面にアンダーコー ト層を有するタイプの剥離紙の改良に係わる. また,ここでいう表面とは紙の片面,両面ならびに粘着テープ類の背面を含む .
【0002】
【従来の技術】
シール,ラベルなどの剥離紙は,粘着紙を使用するまでのあいだ粘着面を保護 するために粘着紙を剥離性の面に貼っておき,使用時に剥離紙から粘着紙を剥離 して用いられる. シール,ラベルの場合には片面が剥離性の面である. 片面粘着テープの場合には,巻き物であるのでその背面が剥離性の面であり, 両面粘着テープの場合には,両面が剥離性の面となっている別な剥離紙を,粘着 テープ間に挟んで巻き物として用いる. また,粘着壁紙用,粘着ビニルタイル用,医療用絆創膏用などにも用いられる . 合成皮革,炭素繊維プリプレグシート,ファインセラミックシートなどを製造 するときの工程紙や液晶偏光粘着シートなど,新素材の剥離紙にも用いられる. さらに,ケーキ,クッキーなどを焼くときのベーキングペーパー,ベーキング 紙トレイ,饅頭の台紙などの用途としても使われる.
【0003】 従来の剥離紙の層構造は紙の表面に形成された皮膜について,一層構造と二層 構造に分類される. 一層構造タイプはアンダーコート層のない剥離紙である. グラシン紙,パーチメント紙あるいはスーパーカレンダード・クラフト紙など の表面の平滑な紙を用いて,表面はシリコン系などの剥離剤層のみであり,耐熱 性,透明性などに特徴がある剥離紙である.
【0004】 二層構造タイプは,シリコン剥離剤が紙に浸透するのを防止し,シリコン系な どの剥離剤をできるだけ小量で効果を得るためにアンダーコート層を設けたもの で,主なものとしては現在次の3種の型がある. (1)ポリエチレン・ラミネート型;上質紙,クラフト紙などを用い,アンダー コート層としてポリエチレンなどの層で,その上の表層がシリコン系などの剥離 剤層で,平滑性,防水性などに特徴のある剥離紙. (2)クレーコート型;上質紙,クラフト紙などを用い,アンダーコート層とし てクレー・バインダーなどの層で,その上の表層がシリコン系などの剥離剤層で ,耐熱性,吸湿寸法安定性などに特徴のある剥離紙. (3)水親和性樹脂コート型:上質紙,クラフト紙などを用い,アンダーコート 層としてPVA(ポリビニルアルコール),CMC(カルボキシルメチルセルロ ース),澱粉などの層で,表層がシリコン系などの剥離剤層で耐熱性,耐油性, 吸湿寸法安定性などに特徴のある剥離紙.
【0005】 一層構造タイプは,紙に直接シリコン系樹脂などの離剥剤を塗布している剥離 紙であるが,吸湿寸法安定性がよくないのでヨーロッパ,アメリカなどの低湿度 地域では問題ないが,日本のように湿度の高い地域では不適当である. 二層構造タイプにおけるアンダーコート層の役割は,シリコンなどの表層剥離 剤が基材である紙に浸透するのを防止し,表面に剥離剤を均一に塗工するための もので,(1)ポリエチレン・ラミネート型においてはLDPE(ロー・デンシ テイ・ポリエチレン)が一般的であるが,HDPE(ハイ・〜以下同),LLD PE(リニア・ロー・〜以下同),また類型樹脂としてTPX(4−メチルペン テン−1重合体)なども用いられ,熱溶融押出ラミネート法で15μm程度の厚 さの層とする.
【0006】 本明細書でいうポリエチレン・ラミネート型とは,樹脂種に拘らず熱可塑性樹 脂の溶融押出ラミネート加工によるアンダーコート層を有する二層構造の剥離紙 を総称するものとする. (2)クレーコート型,(3)水親和性樹脂型はポリエチレン・ラミネート型 の耐熱性の低い面を改良して,耐熱性を上げた剥離紙である.
【0007】 剥離剤はシリコン系剥離剤と非シリコン系剥離剤とがあるが,前者シリコン系 はベースポリマーと架橋剤との組み合わせの多様性,分子量,重合方式,溶剤使 用の有無,他ポリマーとの共重合,ブレンドなどにより,剥離性などの物性が広 範囲に制御できる特長があるので最も一般的な剥離剤である. また,シリコン系剥離剤には溶剤型,エマルション型,無溶剤型に大別され, 日本では溶剤型が主流であるが,アメリカ,ヨーロッパでは無溶剤型,エマルシ ョン型が主流化している. シリコン系剥離剤は縮合または付加重合によって高分子化するが,方法は触媒 を使用して加熱による方法が普通であるが,UV(ultra violet: 紫外線)硬化,EB(electron beam;電子線)硬化方式も行われ ている.
【0008】 後者の非シリコン系はオレフィン系,長鎖アルキル基含有ポリマー系,フッソ 系などがあり,溶剤ペン筆記性,重ね貼り性,非滑脱性などを狙った剥離紙に一 部適用されている.
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
現在および将来において,加工紙の再生紙としてのリサイクル使用は,公害問 題,パルプ資源保護などの観点から極めて重要な課題である. 二層構造タイプにおいて,(1)ポリエチレンラミネート型は,ポリエチレン などを加熱溶融押出で製膜し,溶融状態で紙にラミネートするものであるが,紙 にポリエチレン膜が投錨(アンカー)されて強固に接着される. 従って,剥離紙が回収され,パルパーで離解しようとしても普通の方法では紙 とポリエチレン膜とは分離できず,再生紙としてのリサイクル使用ができない.
【0010】 一方,剥離紙に要求される主な性能項目は数多くあるが,重要な性能は剥離性 (剥離し易さ)と,残留剥離性つまり剥離剤の粘着側への移行が少ないことの二 つである. 残留剥離性は, (剥離紙と接触後の接着力/剥離紙と未接触の接着力)×100 (%) で示され,この値が大きいほど剥離剤の移行が少ないことを示し,通常80%以 上の値が要求されている.
【0011】 また,(1)型の剥離紙の性能面においてシリコン系離剥剤タイプはポリエチ レン層の上にシリコン剥離剤を塗工するわけであるが,平滑なポリエチレン層の 面とシリコン樹脂層とは親和性に乏しく,ポリエチレン側にコロナ放電処理など を行って表面張力を上げても十分強固には接合せず,剥離剤の粘着面への移行が 部分的に起り,残留接着性を低めることになる. (2)クレーコート型,(3)水親和性樹脂型は何れも再生紙としてのリサイ クルの可能性は大きいものの,紙が吸湿性が高いのに加えて,アンダーコート層 に吸湿性があるので,寸法安定性がポリエチレン型ほど十分でなく,またアンダ ーコート層自体の結合力が弱いので,アンダーコート層の一部と共にシリコン樹 脂層が部分的に粘着側に移行し,残留接着性が低くなることがある.
【0012】 (1)ポリエチレン・ラミネート型の欠陥は,再生紙向けリサイクルが極めて 難しいこと,残留接着性が高くないことなど,問題があること. また,(2)クレーコート型や(3)水親和性樹脂コート型におけるコートす ることによる吸湿性の増加,残留接着性が低いなどの問題に鑑み,従来の二層構 造タイプにおけるこれらの問題点が総合的に改良される剥離紙の考案が望まれて いるところである.
【0013】
【課題を解決するための手段】
本考案は,再生紙としてのリサイクル性,吸湿寸法安定性ならびに残留接着性 の極めて高い剥離紙の考案をすべく,鋭意検討の結果到達したものである. すなわち,紙の表面に三層の皮膜を形成していて,紙の面から外側に向けて第 一,第二,第三層としたときに,アンダーコート層の第一層がアクリル系ワニス の皮膜で,表層の第三層がシリコン系架橋構造の剥離剤樹脂皮膜で,第二層の中 間層が第一層と第三層を形成するワニスと樹脂とが混在している層であることを 特徴とする剥離紙の考案に至った.
【0014】 このような層構造にすることにより,第一層のワニスと第三層のシリコン系剥 離剤とが第二層の仲立ちで強固に接合され,剥離剤が粘着側に移行し難くなり残 留剥離性を高める. また,アクリル系ワニス層と紙とは離解性がよく,再生紙工程の脱墨処理程度 の処置で離解するので,再生紙向けリサイクルが容易になる.
【0015】
【考案の実施の形態】
本考案の紙に使用できる紙は,上質紙,クラフト紙,グラシン紙など通常の紙 であればどのような紙にも適用できる. また,紙に類する不織布などにも適用できる. 紙の表面における繊維が,繊維自体の集合体のままで存在するような紙が特に 本考案の適用に好ましい.
【0016】 第一層のアンダーコート層の形成は,アクリル系水性ワニスをコーテイングし ,乾燥,熱処理して得られる. 本発明で使用するワニスはアクリル系樹脂で,スチレンアクリルエマルション をそのまま用いて,ワックス,レベリング剤,造膜剤などを添加したものである . 樹脂としてはスチレンアクリル共重合物などが含まれる. 紙への処理量は紙の種類によって異なるが,紙の面積に対しワニス成分の質量 で大凡2〜6g/m(50%エマルションで4〜12g/m)程度で,熱処 理は120〜200℃で,時間は0.5〜3秒程度で硬化させる. このときのワニス層の厚さは,紙に浸透する分を除いて大凡1〜3μm程度で ある.
【0017】 かようにして第一層であるアンダーコート層が形成されるが,本考案によるワ ニスは流動,固化性が極めて高いので,紙の表面の繊維集合体による凹凸が第一 層の背面に顕出される. また,本ワニスはアクリル系樹脂の水分散系であるので,処方に工夫すること によって,脱水と反応時に表面に微細な無数のクレータを形作ることができる. このクレータの大きさは大凡0.2〜2μmで,クレータの生成はシリコン剥 離剤層をより強固に接合する効果に寄与する.
【0018】 本考案の剥離紙のアンダーコート層の形成と,次の剥離剤層の形成は別ライン で行ってもよいが,本考案で使用する剥離剤である光増感剤を加えたシリコン系 樹脂は,UV照射で瞬時に硬化するので連続加工が標準である. 本考案の第2段階である表層の剥離紙用シリコン剥離剤層の形成は,無溶剤型 のシリコン系樹脂を用い,処理量は紙の面積に対して3〜8g/m程度である . 無溶媒型シリコン系樹脂を塗布して,UV反応型の場合には紫外線を照射して 瞬時に硬化させる.EB反応型については電子線照射となる. シリコン系樹脂としては,UVあるいはEB反応系のシリコン系樹脂を用い, UV反応系においては光重合開始剤ともいう光増感剤を添加する. 具体例としては,シリコンアクリレートあるいはエポキシ化シリコンなどを使 用し触媒を用いる.
【0019】 UV硬化方式は硬化が瞬時ではあるが,シリコン系樹脂層の表層から硬化し下 層に至るので,表層は平滑になり,下層においては接合するアンダーコート表層 とよく馴染む. この段階で,本考案でいう第二層であるところの中間層,つまり第一層を形成 するワニスと第三層を形成するシリコン樹脂とが混在している層ができる. この第二層の厚さは,紙の種類によって異なり,一般的には大凡30〜70μ mであるがこれを上回ることがある.
【0020】 図1,図2,図3は晒クラフト紙表面の走査型電子顕微鏡写真のスケッチであ り,倍率は350倍で,各図の左上に尺度を標示している. 図1は,紙の表面の構造例で,剥離紙に用いる晒クラフト紙の表面のスケッチ である.1は紙の表面を形成する繊維群を示し,これが繊維集合体を形作ってい る様子を示す.
【0021】 図2は,図1の紙の表面に本考案のワニスをコートし,熱処理工程後に採取し た試料のスケッチである. いうまでもないが走査型電子顕微鏡用の試料は金メッキなどを行う破壊検査で あり,同一位置の変化は撮影できないので,図1と図2とは紙の平面的位置が異 なる部分である. 図2に示す如く,ワニス層の下層である図1の紙表面の繊維群1の繊維集合体 による凹凸の輪郭2が,紙表面自体ほど明瞭でないにしても紙表面と相似的に凹 凸がワニス層の表面に現れている.
【0022】 図3は従来の(1)ポリエチレンラミネート型の剥離紙の,ラミネート工程後 に採取した試料のスケッチで,紙表面の繊維の輪郭は僅かな痕跡3に見られる程 度で,殆どフラットな表面となっている. この理由は,熱溶融押出ポリエチレンの粘性が高くかつ充填性があるので,樹 脂が紙の表面の繊維集合体の凹部を埋めてしまい,ラミネート後のポリエチレン のアンダーコート表面はほぼ平滑な表面となるものである.
【0023】 またスケッチはないが,(2)クレーコート型においては,クレーの分散によ ってクレーバインダーの総合的粘性が高く,(1)同様に平滑な表面となる. (3)水親和性樹脂コート型のコート剤は,PVA,澱粉,CHCなどであり ,粘性が高い故にレベリング剤の如き作用で(1)同様に平滑な表面を形成する . かように,本考案は第1段階であるワニスによるアンダーコート形成過程で, 図2に示すような,紙の表面の繊維集合体の凹凸がアンダーコート層の表面に出 現することがその特徴といえる.
【0024】 図4は本考案の剥離紙の例図で,層構造の断面の部分拡大模型図である. 図4の4は紙で下部の波線以下は省略している.5はアンダーコート層である ワニス部,6はシリコン剥離剤部である. 層4−1,7,8,9において,4−1は紙の表層で,上部の凹凸は紙表面の 繊維集合体の断面の凹凸を模型的に示している. 第一層7はアンダーコート層,第二層8は中間層,第三層9は表層である. かように,第一層のアクリル系ワニスのアンダーコート層,第三層のシリコン 系樹脂の表層,ならびに層8(細かい斜線部)に描くように第二層であるワニス とシリコン系樹脂とが,断面においてほぼ鋸歯状になって混在している中間層が 形成している. この第二層がワニス層とシリコン樹脂層とを強固に接合する要因であり,これ によって残留接着性を極めて高いものにしている.
【0025】 これに対し図5は,(1)ポリエチレン・ラミネートのアンダーコート層の場 合の剥離紙の層構造の断面の部分拡大模型図であり,4は紙,10はアンダーコ ート層であるポリエチレン部,11はシリコン系などの剥離剤部である. また,層4−1,12,13において,4−1は紙の表層で,上部の凹凸は紙 表面の繊維集合体の断面の凹凸を模型的に示している. 第一層12はアンダーコート層,第二層13は表層で,図4における中間層7 の如き,アンダーコート成分と表層成分とが混在する中間層が存在しない.
【0026】 本考案の実施例についてさらに詳しく述べる. 本考案の実施例として,基材紙に坪量60g/mの晒クラフト紙を用いた場 合について記載する. 第一層であるアンダーコート部は,スチレンアクリルエマルションをワックス ,レベリング剤などで調整した水50%のワニスで,ACコート剤(サカタイン クス社トレードマーク)をフレキソコーターで8g/m塗布した. 熱処理は200℃で0.5秒とした.生成層の厚さは紙に浸透した分を除き大 凡2μm程度であった.
【0027】 この塗布,乾燥工程に連続して剥離剤部をコートした. 第三層である剥離剤部は,光増感剤を添加したシリコンアクリレート系樹脂を ロールコーターで塗布可能な粘度に調整して,フレキソコーターで紙の面積当た り塗布量5g/mになるように塗布した. 引き続きUV照射として,160W/cmの水銀ランプの1灯方式で,紙の速 度50m/分で水銀ランプ部を通過させて照射し硬化させた.照射時間は0.2 秒程度である. かようにして,本考案の一例である剥離紙を得た. この実施例剥離紙と,従来のポリエチレンラミネートのアンダーコートによる 剥離紙(ポリラミ剥離紙と標記)との性能評価をまとめて表1に示す.
【0028】
【表1】
【0029】 表1において剥離性とは剥離し易すい程度をいい,各種の粘着テープなどを評 価すべき剥離紙に貼り,60℃,90%RHの雰囲気中に1kgf/cmの荷 重で24時間放置して後冷却してから,剥離して剥離し易さについての定性評価 を行う. 各評価の格付けは,◎:良好,〇;普通,Δ;やや不良,×;不良,として評 価した. 表1によると,実施例剥離紙はポリラミ剥離紙に比較して,剥離性については やや良い方向の結果であったが,残留剥離性については実施例剥離紙の方がかな り優れていることが分かった.
【0030】
【考案の効果】
本考案の剥離紙は次に示す効果がある. (1)本考案の剥離紙は再生紙用途へのリサイクルが容易である. すなわちポリエチレンアンダーコートの剥離紙が回収され,パルパーで離解し ようとしても紙とポリエチレン膜とが分離できないのに対し,本考案の剥離紙は ,パルパーで紙と樹脂との離解が極めて容易で,再び紙としてのリサイクルが可 能である. (2)第一層と第三層の表層との中聞に形成する第二層の存在によって,シリコ ン系剥離剤層がアンダーコート層を媒体として紙と強固に接合しているので,シ リコン系剥離剤の粘着側への移行が少なく,残留接着性が高い剥離紙が得られる . (3)加工速度において,ポリエチレンの熱溶融押出ラミネートによるアンダー コート工程は数百メートル/分のオーダーが可能であり,その後の工程であるシ リコン系樹脂処理は百メートル/分以下のオーダーであるので,両者のマッチン グが得難いので,両者工程をおのおの別工程とするなど設備に費用を要する. これに対し,本考案によれば溶融押出製膜装置を必要とせず,通常のフレキソ ,グラビアなどの紙加工工程をそのまま連続加工で活用できる利点がある. (4)全面を剥離面とはしないで図柄加工など,紙のままの表面を部分的に残し たい場合があるが,本考案の剥離紙は任意形状のパーシャルコート(部分剥離紙 )が可能であるが,ポリラミ剥離紙では製造不可能である. 以上,本考案による剥離紙は粘着ラベルおよびシールばかりでなく,粘着テー プ,粘着壁紙用や装飾材,粘着ビニルタイル用やルーフィング用の建築土木用, 広告や標識用,合成皮革製造などのキャスティング工業用途,クッキングシート などの食品関連,医療絆創膏など広範囲に応用でき,これら分野の産業発展に資 するところが多い.
【図面の簡単な説明】
【図1】晒クラフト紙表面の走査型電子顕微鏡写真のス
ケッチ
【図2】ワニスコート後採取試料の走査型電子顕微鏡写
真のスケッチ
【図3】ポリエチレンラミネート後採取試料の走査型電
子顕微鏡写真のスケッチ
【図4】本考案の剥離紙層構造の部分拡大模型図
【図5】アンダーコート層がポリエチレンラミネートの
剥離紙層構造の部分拡大模型図
【符号の説明】
1 紙表面繊維群 2 ワニス層表面における紙表面繊維群の輪郭 3 ポリラミ層表面における紙表面繊維群の輪郭の僅
かな痕跡 4 紙 4−1紙表層 5 アンダーコート剤部 6 剥離剤部 7 第一層ワニス層 8 第二層ワニスと剥離剤の混在層 9 第三層剥離剤層 12 第一層ポリエチレン層 13 第二層剥離剤層

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の表面に三層の皮膜を形成していて,
    紙の面から外側に向けて第一,第二,第三層としたとき
    に,アンダーコート層の第一層がアクリル系ワニスの皮
    膜で,表層の第三層がシリコン系架橋構造の剥離剤樹脂
    皮膜で,第二層の中間層が第一層と第三層を形成するワ
    ニスと樹脂とが混在している層であることを特徴とする
    剥離紙.
  2. 【請求項2】 第二層において,第一層のワニスと第三
    層の樹脂とがその任意の断面において互いに概ね鋸歯状
    にかみ合って混在していて,その厚さが大凡30〜70
    μmである請求項1記載の剥離紙.
  3. 【請求項3】 第一層がスチレンアクリル系共重合ワニ
    スである請求項1記載の剥離紙.
  4. 【請求項4】 第三層がアクリルシリコン,付加反応型
    シリコン,カチオン重合型シリコンの何れかまたはその
    混合物である請求項1記載の剥離紙.
JP1998006976U 1998-08-04 1998-08-04 剥離紙 Expired - Lifetime JP3056453U (ja)

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