JP3056317U - 装飾具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裁縫の心得がなくても装着可能なボタン機能
を備えた装飾具を提供する。 【解決手段】 装飾具であるボタン１は、裏側中央に凸
部２を設け、表側に装飾表示部３を設けたボタン本体４
の前記凸部２端で開口する凹状の被嵌入部５を設け、こ
の被嵌入部５内の前記開口部分５ａの内径を奥部分５ｂ
より小径に形成して被係止部となる段部６を設ける一
方、前記被嵌入部５内に嵌入可能で、嵌入後は前記段部
６に係止する係止顎７を有し、先端を尖らせた突起８を
一体形成した平板状の留め具９を備えるとともに、前記
凸部２に、横方向に貫通する括り孔１０を設けた。この
ボタン１は、布地ａの所定位置を貫通した留め具９の突
起８にボタン本体４の被嵌入部５を嵌入すると、前記突
起８の係止顎７が被嵌入部５内の段部６に係止してボタ
ン本体４と留め具９が布地ａを挟んで一体化しボタンが
付くので、裁縫の心得がなくても簡単にボタン付けがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ボタンとしての機能を有するとともに、多くの用途に利用可能な装 飾具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のボタンは、その表裏を貫通する複数の括り孔を設けたもの、あるいは裏 側中央に凸部を設け、この凸部に、ボタンの径方向（横方向）に貫通する括り孔 を設けたものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のボタンは、針と糸を使用し、括り孔と洋服やシャツ等の布地間に糸 を通して括り付けるので、一人暮らしの男子学生や単身赴任男性等の裁縫に不慣 れな人にとって、洋服やシャツから脱落したとき等に、付けなおすことが極めて 面倒である、という問題があった。、また、従来のボタンは装飾具としての装飾 性に劣るという問題があった。

【０００４】 本考案は、前述の問題を解消することを課題とし、洋服やシャツの布地に取り 付けが容易で、ボタンとして使用可能な装飾具を提供することを主たる目的とす る。

【０００５】 また、本考案は、洋服やシャツ等の布地への取り付けが容易で、飾りボタンや アクセサリーとして用いたり、個人あるいは組織等の識別マークとしても用いる ことが可能な装飾性にすぐれた装飾具の提供を副次的な目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記主たる目的を達成するために、本考案の装飾具は、布地を挟んで装飾具本 体と一体化しうる留め具を有する装飾具であって、装飾具本体あるいは留め具の 何れか一方に、被係止部を設ける一方、装飾具本体あるいは留め具の何れか他方 に、前記布地を貫通可能で、前記被係止部に係止する係止部を設けたものである 。

【０００７】 また、本考案の装飾具は、布地を挟んで装飾具本体と一体化しうる留め具を有 する装飾具であって、装飾具本体あるいは留め具の何れか一方に被嵌入部を設け 、この被嵌入部に被係止部を設ける一方、装飾具本体あるいは留め具の何れか他 方に、布地を貫通して前記被嵌入部内に嵌入可能で、嵌入状態において前記被係 止部に係止する係止部を有し、先端を尖らせた突起を設けたものである。

【０００８】 また、本考案の装飾具は、前記各構成に加えて、装飾具本体の表面に装飾を施 した装飾表示部を設けたものである。

【０００９】 また、本考案の装飾具は、前記各構成に加えて、装飾具本体の裏側中央に凸部 を形成し、この凸部に、装飾具本体の径方向に貫通する括り孔を設けたものであ る。

【００１０】 またさらに、本考案の装飾具は、布地を挟んで装飾具本体と一体化しうる留め 具を有する装飾具であって、装飾具本体の表面側と裏面側を貫通する孔状の被嵌 入部を設け、この被嵌入部に被係止部を設け、前記被嵌入部の、装飾具本体表面 側の開口部分を覆うように、装飾具本体表面に、装飾を施した装飾表示部を表面 に有する被覆体を固着する一方、布地を貫通して前記被嵌入部内に嵌入可能で、 嵌入状態において前記被係止部に係止する係止部を有し、先端を尖らせた突起を 有するものである。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案をボタンに適用した第１の実施形態を添付図面の図１〜図４に 基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１はボタン付け前の布地を挟んだ状 態を示す拡大正面図、図２はボタン本体の表面側の装飾表示部を示す拡大平面図 、図３はボタンを洋服に付けた状態の拡大縦断正面図、図４は凸部を切断して留 め具を外した後に、ボタン本体を糸によって再度洋服に取り付けた状態を示す拡 大縦断正面図である。

【００１２】 図１及び図３に示したように、装飾具であるボタン１は、合成樹脂製で、裏側 中央に凸部２を設け表側に装飾を施した装飾表示部３を設けた、装飾具本体たる ボタン本体４に、前記凸部２端で開口する凹状の被嵌入部５を設け、この被嵌入 部５の開口部分５ａの内径を奥部分５ｂより小径に形成して被係止部となる段部 ６を設ける一方、前記被嵌入部５内に嵌入可能で、嵌入後は前記段部６に係止す る係止部となる係止顎７を有し、洋服やシャツの布地ａを貫くように先端を円錐 状に尖らせた突起８を平板状本体に一体形成した留め具９を備えるとともに、前 記凸部２に、横方向に貫通する括り孔１０を設けて構成する。

【００１３】 前記突起８は、その係止顎７の外径を、被嵌入部５の開口部分５ａの内径より 若干大きく形成してあるが、突起８を被嵌入部５内に強く押し込むと、合成樹脂 の弾力性によって段部６が奥部分５ｂ方向に変位し、係止顎７は段部６を通過す る。このように被嵌入部５内に突入した係止顎７が、合成樹脂の弾力性によって 復帰した段部６に係止して脱却不能となり、ボタン本体４に留め具９が離脱不能 に取り付けられる（図３参照）のである。

【００１４】 図２に明示したように、ボタン本体４表面の装飾表示部３には、個人を識別す るマークとなる英文字「Ｙ．Ｓ．」というボタン装着者のイニシャルからなる装 飾を施してある。

【００１５】 以上のように構成したボタン１を洋服やシャツの布地ａに付けるには、図１に 示すように、前記布地ａのボタン１を付ける位置に留め具９の突起８先端を貫通 させた後に、ボタン本体４の開口部分５ａを前記突起８に対応させて、突起８が 被嵌入部５に突入するように強く押し込む。突起８の係止顎７の外径は開口部分 ５ａの内径より若干大きいが、このように強く押し込むことによって、段部６部 分が合成樹脂の柔軟性で変位し、突起８の係止顎７は段部６を越えて被嵌入部５ 内に達する。内径の大きい奥部分５ｂに達した係止顎７は、合成樹脂の弾力性に よって元の状態に復帰した前記段部６に係止し、ボタン本体４と留め具９が一体 化する。このようにして洋服やシャツの布地ａの所定部分にボタン１を付けられ るのである。

【００１６】 また、洋服やシャツの布地ａに付けられた上記ボタン１（図３参照）は、必要 に応じて、その凸部２を括り孔１０から下の位置、例えば切断線Ａ（一点鎖線で 表示）で切断し、図４に示すように、ボタンの付け替えが可能である。この付け 替えは、従来のボタンと同様に、括り孔１０と洋服やシャツの布地ａに括り付け るというものである。また、突起８の先端が括り孔１０まで達しない場合には、 ボタン１を布地ａに取り付けた状態のまま、糸ｂで布地ａに括り付けることもで きる。

【００１７】 このように、上記ボタン１は、洋服やシャツの布地ａの所定位置に貫通した留 め具９の突起８をボタン本体４の被嵌入部５に嵌入すると、前記突起８の係止顎 ７が被嵌入部５内の段部６に係止してボタン本体４と留め具９が洋服やシャツの 布地ａを挟んで一体化することによりボタン１を付けられるので、従来のように 裁縫の心得がなくても簡単にボタン付けが可能であり、ボタン１が脱落したとき の応急処置にも便利である。また、装飾表示部３に、装飾としてボタン装着者の イニシャルのほか、所属する組織を識別する各種マークや家紋、あるいは好みの デザインや色彩を施すことが可能であり、飾りボタンやアクセサリーとしても用 いることができるほか、取り付けた洋服やシャツ、あるいは靴下、ハンカチ等の 各種布製品の所有者の識別が可能であるという利点がある。さらに、凸部２を括 り孔１０の下の位置で切断すれば、糸ｂによる括り付けや他の洋服等への付け替 えも可能である。

【００１８】 続いて、添付図面の図５及び図６によって本考案をボタンに適用した第２の実 施形態を説明する。ここにおいて、図５は洋服やシャツの布地に付けた状態の縦 断面図、図６は表面側を示す平面図である。

【００１９】 図５に示したように、装飾具であるボタン２１は、合成樹脂製で、裏側中央に 凸部２２を設けた装飾具本体たるボタン本体２３の表面と前記凸部２２端を貫通 する孔状の被嵌入部２４を設け、この被嵌入部２４内の、前記凸部２２端側の開 口部分２４ａの内径を奥部分２４ｂより小径に形成して係止部となる段部２５を 設け、前記被嵌入部２４の、ボタン本体２３表面側（奥部分側）の開口部分２４ ｂを覆うように、ボタン本体２３表面に、装飾を施した装飾表示部２６を表面に 有する被覆体２７を固着する一方、前記被嵌入部２４内に嵌入可能で、嵌入後は 前記段部２５に係止する係止顎２８を有し、先端を尖らせた円錐状の突起２９を 平板状本体に一体形成した留め具３０を備えるとともに、前記凸部２２に、横方 向に貫通する括り孔３１を設ける。

【００２０】 図６に明示したように、ボタン本体２３の装飾表示部２６には、英文字「Ｙ． Ｓ．」というボタン装着者のイニシャルからなる装飾を施してある。

【００２１】 以上のように構成したボタン２１を洋服やシャツの布地ｃに付けるには、前記 実施形態と同様に、前記布地ｃのボタン２１を付ける位置に留め具３０の突起２ ９先端を貫通させた後に、ボタン本体２３の開口部分２４ａを前記突起２９に対 応させて、突起２９が被嵌入部２４に突入するように強く押し込む。突起２９の 係止顎２８の外径は開口部分２４ａの内径より若干大きいが、このように強く押 し込むことによって、段部２５部分が合成樹脂の柔軟性で変位し、突起２９の係 止顎２８は段部２５を越えて被嵌入部２４内に達する。内径の大きい奥部分２４ ｂに達した係止顎２８は、合成樹脂の弾力性によって元の状態に復帰した前記段 部２５に係止し、ボタン本体２３と留め具３０が一体化する。このようにして洋 服やシャツの布地ｃの所定部分にボタン２１を付けられるのである。

【００２２】 また、洋服やシャツの布地ｃに付けられた上記ボタン２１（図５参照）は、必 要に応じて、その凸部２２を括り孔３１より下の位置、例えば切断線Ｂ（一点鎖 線で表示）で切断し、前記実施形態と同様に、ボタンの付け替えが可能である。 そして、この付け替えは、従来のボタンと同様に、括り孔３１に糸を通して布地 ｃに括り付けるのである。

【００２３】 このように、上記ボタン２１は、前記第１実施形態のボタン１と同様に、裁縫 の心得がなくてもボタン付けが可能であり、ボタン２１が脱落したときの応急処 置に便利である。また、装飾表示部２６に、装飾としてボタン装着者のイニシャ ルのほか、所属する組織等を識別するマーク、家紋あるいは好みのデザインを施 すことが可能であり、飾りボタンやアクセサリーとして用いることもできるほか 、取り付けた洋服やシャツ、あるいは靴下、ハンカチ等の各種布製品の所有者の 識別が可能であるという利点がある。さらに、凸部２を括り孔１０の下の位置で 切断すれば、糸ｂによる括り付けや他の洋服等への付け替えも可能であるという 利点がある。さらに、凸部２２を括り孔３１の下の位置で切断すれば、糸による 括り付けや他の洋服等へのボタンの付け替えが可能であり、またさらに、被嵌入 部２４が孔状なので、合成樹脂による射出成形用金型の作成が容易であるという 利点がある。

【００２４】 なお、本考案は、前記各実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、 被嵌入部５，２４を留め具９，３０側に設け、突起８，２９を装飾具本体たるボ タン本体４，２３側に設けてもよい。また、装飾表示部３，２６には前記イニシ ャルではなく、家紋や好みのデザイン、あるいは固有の識別マーク等を施しても よいし、この装飾表示部３，２６を設けなくてもよい。さらに、被嵌入部５，２ ４に設ける被係止部と、突起８，２９に設ける係止部の係止構造は、段部６，２ ５と係止顎７，２８によるものとは異なるものであってもよい。またさらに、突 起８，２９の形状は、先端を円錐状に形成したものに限らず、布地ａ，ｃを貫通 できる形状であれば、いかなるものでもよい。加えて、従来のボタンのように、 ボタン本体４，２３に縦方向に貫通する複数の括り孔を設けることもできる。

【００２５】

【考案の効果】 以上のように、請求項１または請求項２に記載した本考案によれば、裁縫の心 得がなくても装飾具の装着が可能で、特に、装飾具が脱落したときの応急処置に も便利であり、ボタンとしての機能が向上するという効果を奏する。

【００２６】 また、請求項３に記載した本考案によれば、上述の効果に加えて、装飾表示部 に前記イニシャル、所属する組織のマーク、家紋あるいは好みのデザイン等を施 すことにより、装飾性にすぐれるので、通常のボタンとしての利用のみならず、 飾りボタンやブローチ風のアクセサリーとしても利用可能であるという効果を奏 する。

【００２７】 また、請求項４に記載した本考案によれば、請求項１または請求項２または請 求項３に記載した考案の効果に加えて、括り孔を設けたので、装飾具を洋服やシ ャツの布地に糸で括り付けることもできるという効果を奏する。

【００２８】 また、請求項５に記載した本考案は、請求項１または請求項２または請求項３ に記載した前記考案が奏しうる効果に加えて、被嵌入部が孔状なので、製造が容 易であり、特に材質が合成樹脂の場合、射出成形用金型の作成が容易であるとい う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態における、ボタン付け前の布地を
挟んだ状態を示す拡大正面図。

【図２】第１実施形態における、ボタン本体の表面側の
装飾表示部を示す拡大平面図。

【図３】第１実施形態における、ボタンを洋服に付けた
状態の拡大縦断正面図。

【図４】第１実施形態における、凸部を切断して留め具
を外した後に、ボタン本体を糸によって再度洋服に取り
付けた状態を示す拡大縦断正面図。

【図５】第２実施形態における、ボタンを洋服に付けた
状態の拡大縦断正面図。

【図６】第２実施形態における、ボタン本体の表面側の
表示部を示す拡大平面図。

【符号の説明】

ａ，ｃ 布地 ｂ 糸 １，２１ ボタン ２，２２ 凸部 ３，２６ 装飾表示部 ４，２３ ボタン本体 ５，２４ 被嵌入部 ５ａ，２４ａ 開口部分 ５ｂ，２４ｂ 奥部分 ６，２５ 段部 ７，２８ 係止顎 ８，２９ 突起 ９，３０ 留め具 １０，３１ 括り孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 布地を挟んで装飾具本体と一体化しうる
   留め具を有する装飾具であって、装飾具本体あるいは留
   め具の何れか一方に被係止部を設ける一方、装飾具本体
   あるいは留め具の何れか他方に、前記布地を貫通可能
   で、前記被係止部に係止する係止部を設けた装飾具。
2. 【請求項２】 布地を挟んで装飾具本体と一体化しうる
   留め具を有する装飾具であって、装飾具本体あるいは留
   め具の何れか一方に被嵌入部を設け、この被嵌入部に被
   係止部を設ける一方、装飾具本体あるいは留め具の何れ
   か他方に、布地を貫通して前記被嵌入部内に嵌入可能
   で、嵌入状態において前記被係止部に係止する係止部を
   有し、先端を尖らせた突起を設けた装飾具。
3. 【請求項３】 装飾具本体の表面に装飾を施した装飾表
   示部を設けた請求項１または請求項２記載の装飾具。
4. 【請求項４】 装飾具本体の裏側中央に凸部を形成し、
   この凸部に、横方向に貫通する括り孔を設けた請求項１
   または請求項２または請求項３記載の装飾具。
5. 【請求項５】 布地を挟んで装飾具本体と一体化しうる
   留め具を有する装飾具であって、装飾具本体の表面側と
   裏面側を貫通する孔状の被嵌入部を設け、この被嵌入部
   に被係止部を設け、前記被嵌入部の、装飾具本体表面側
   の開口部分を覆うように、装飾具本体表面に、装飾を施
   した装飾表示部を表面に有する被覆体を固着する一方、
   布地を貫通して前記被嵌入部内に嵌入可能で、嵌入状態
   において前記被係止部に係止する係止部を有し、先端を
   尖らせた突起を有する留め具を備えた装飾具。