JP3056202B2 - 木質繊維板の製造方法 - Google Patents
木質繊維板の製造方法Info
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- JP3056202B2 JP3056202B2 JP11055622A JP5562299A JP3056202B2 JP 3056202 B2 JP3056202 B2 JP 3056202B2 JP 11055622 A JP11055622 A JP 11055622A JP 5562299 A JP5562299 A JP 5562299A JP 3056202 B2 JP3056202 B2 JP 3056202B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質繊維板の製造
方法に関し、詳しくは、ホルムアルデヒドの放出量が低
減され、耐水性が向上した木質繊維板を、生産性良く安
価に製造することのできる木質繊維板の製造方法に関す
る。
方法に関し、詳しくは、ホルムアルデヒドの放出量が低
減され、耐水性が向上した木質繊維板を、生産性良く安
価に製造することのできる木質繊維板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、木質繊維板の製造方法としては、
湿式法、乾式法が知られており、何れの方法において
も、抄造ないしフォーミングされた木質繊維のシート状
物はホットプレス装置等を用いて加熱加圧成型されるの
が一般的である。そして、このように加熱加圧成型され
た繊維板は、ホットプレスから出るとすぐにエレベータ
式、ウイケット式等のクーリング装置によって冷却さ
れ、堆積される。
湿式法、乾式法が知られており、何れの方法において
も、抄造ないしフォーミングされた木質繊維のシート状
物はホットプレス装置等を用いて加熱加圧成型されるの
が一般的である。そして、このように加熱加圧成型され
た繊維板は、ホットプレスから出るとすぐにエレベータ
式、ウイケット式等のクーリング装置によって冷却さ
れ、堆積される。
【0003】このような繊維板の製造方法においては、
ユリア・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアル
デヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等のホ
ルムアルデヒドを含む樹脂を単独又は組み合わせた接着
剤を使用するのが一般的であり、そのため製造された繊
維板からホルムアルデヒドが放散され、人体等に悪影響
を及ぼす場合がある。このため、近年においては、ホ
ルムアルデヒドキャッチャー剤を使用したり、ホルム
アルデヒドを含まない接着剤を使用することにより、ホ
ルムアルデヒドを低減する方法が研究され、実施されて
いる。
ユリア・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアル
デヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等のホ
ルムアルデヒドを含む樹脂を単独又は組み合わせた接着
剤を使用するのが一般的であり、そのため製造された繊
維板からホルムアルデヒドが放散され、人体等に悪影響
を及ぼす場合がある。このため、近年においては、ホ
ルムアルデヒドキャッチャー剤を使用したり、ホルム
アルデヒドを含まない接着剤を使用することにより、ホ
ルムアルデヒドを低減する方法が研究され、実施されて
いる。
【0004】また、木質繊維板は加圧成型されるため、
成型後の吸放湿、吸放水による寸法変化が大きく、実際
に住宅等に使用した場合に、しばしば問題を生じてい
た。そのため、木質繊維板の寸法安定性を向上させるべ
く木質繊維板の耐水性を向上させる方法が研究がされ、
例えば、耐水性の高いイソシアネート系接着剤の使
用、高温(150〜200℃)での熱処理、水蒸気
処理、アセチル化、ホルマール化等の化学処理等が提
案されている。
成型後の吸放湿、吸放水による寸法変化が大きく、実際
に住宅等に使用した場合に、しばしば問題を生じてい
た。そのため、木質繊維板の寸法安定性を向上させるべ
く木質繊維板の耐水性を向上させる方法が研究がされ、
例えば、耐水性の高いイソシアネート系接着剤の使
用、高温(150〜200℃)での熱処理、水蒸気
処理、アセチル化、ホルマール化等の化学処理等が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホルム
アルデヒドを低減する方法としての上記のホルムアル
デヒドキャッチャー剤の使用は、該キャッチャー剤の使
用が一般的に繊維板の耐水性を低下させる方向に働き、
その添加量のコントロールが非常に難しい等の欠点があ
る。また、上記のホルムアルデヒドを含まない接着剤
の使用は、現在イソシアネート系の接着剤が研究・実用
化されているが、ユリア樹脂、メラミン樹脂等のホルム
アルデヒド系接着剤に比べて非常に高価であり、また、
ホルムアルデヒドよりも更に強い毒性があるため、その
使用に際しては慎重な取り扱いや厳重な管理が要求され
るという欠点がある
アルデヒドを低減する方法としての上記のホルムアル
デヒドキャッチャー剤の使用は、該キャッチャー剤の使
用が一般的に繊維板の耐水性を低下させる方向に働き、
その添加量のコントロールが非常に難しい等の欠点があ
る。また、上記のホルムアルデヒドを含まない接着剤
の使用は、現在イソシアネート系の接着剤が研究・実用
化されているが、ユリア樹脂、メラミン樹脂等のホルム
アルデヒド系接着剤に比べて非常に高価であり、また、
ホルムアルデヒドよりも更に強い毒性があるため、その
使用に際しては慎重な取り扱いや厳重な管理が要求され
るという欠点がある
【0006】また、耐水性向上策としての上記の耐水
性の高いイソシアネート系接着剤の使用は、上述の通
り、非常に高価で、使用に際し慎重な取り扱いや厳重な
管理が要求されるという問題があり、上記の高温(1
50〜200℃)での熱処理は高温を作り出すために非
常にコストがかかる等の欠点があり、更に、処理中に絶
乾近くなった繊維板の含水率を、使用に問題のない程度
の含水率(5〜13%)まで上げる工程が必要となる等
の問題点がある。また、上記の水蒸気処理は処理設備
及びランニングコストが非常に高いという問題があり、
上記のアセチル化、ホルマール化等の化学処理は処理
自体に非常にコストがかかり、更に、ホルマール化の場
合は、ホルムアルデヒド放出量を増加させる等の問題が
ある。
性の高いイソシアネート系接着剤の使用は、上述の通
り、非常に高価で、使用に際し慎重な取り扱いや厳重な
管理が要求されるという問題があり、上記の高温(1
50〜200℃)での熱処理は高温を作り出すために非
常にコストがかかる等の欠点があり、更に、処理中に絶
乾近くなった繊維板の含水率を、使用に問題のない程度
の含水率(5〜13%)まで上げる工程が必要となる等
の問題点がある。また、上記の水蒸気処理は処理設備
及びランニングコストが非常に高いという問題があり、
上記のアセチル化、ホルマール化等の化学処理は処理
自体に非常にコストがかかり、更に、ホルマール化の場
合は、ホルムアルデヒド放出量を増加させる等の問題が
ある。
【0007】このように、従来のホルムアルデヒドの低
減方法や耐水性の向上方法は、ホルムアルデヒドの放出
又は耐水性の何れか一方の改善には有効であっても、こ
れらの両方を同時に改善することはできなかった。ま
た、コストの増大を招くものが多く、実用面での問題を
有していた。従って、本発明の目的は、ホルムアルデヒ
ドの放出量が低減され、耐水性が向上した木質繊維板
を、生産性良く安価に製造することのできる木質繊維板
の製造方法を提供することにある。
減方法や耐水性の向上方法は、ホルムアルデヒドの放出
又は耐水性の何れか一方の改善には有効であっても、こ
れらの両方を同時に改善することはできなかった。ま
た、コストの増大を招くものが多く、実用面での問題を
有していた。従って、本発明の目的は、ホルムアルデヒ
ドの放出量が低減され、耐水性が向上した木質繊維板
を、生産性良く安価に製造することのできる木質繊維板
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく、鋭意検討した結果、熱圧成型後の木質
繊維板を高温高湿度下で熱処理することにより、該木質
繊維板のホルムアルデヒド放出量の低減と耐水性の向上
との両方を同時に達成できることを知見した。
題を解決すべく、鋭意検討した結果、熱圧成型後の木質
繊維板を高温高湿度下で熱処理することにより、該木質
繊維板のホルムアルデヒド放出量の低減と耐水性の向上
との両方を同時に達成できることを知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、請求項1に記載の発明は、木質繊維のシート状物
を熱圧成型して木質繊維板を製造する木質繊維板の製造
方法において、熱圧成型後の繊維板を、温度60〜10
0℃、相対湿度60〜100%の条件下で、1時間〜7
日間熱処理することを特徴とする木質繊維板の製造方法
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
ので、請求項1に記載の発明は、木質繊維のシート状物
を熱圧成型して木質繊維板を製造する木質繊維板の製造
方法において、熱圧成型後の繊維板を、温度60〜10
0℃、相対湿度60〜100%の条件下で、1時間〜7
日間熱処理することを特徴とする木質繊維板の製造方法
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、木質繊維
のシート状物を熱圧成型して木質繊維板を製造する木質
繊維板の製造方法において、熱圧成型後の繊維板を、温
度が60〜100℃の範囲内で、それぞれの温度におい
て繊維板の平衡含水率が5〜13%になるような相対湿
度をかけて、熱処理することを特徴とする木質繊維板の
製造方法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
のシート状物を熱圧成型して木質繊維板を製造する木質
繊維板の製造方法において、熱圧成型後の繊維板を、温
度が60〜100℃の範囲内で、それぞれの温度におい
て繊維板の平衡含水率が5〜13%になるような相対湿
度をかけて、熱処理することを特徴とする木質繊維板の
製造方法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、熱圧成型
後の複数の繊維板を、それぞれ独立させ且つそれぞれの
表裏面をベルトコンベア上から離して該ベルトコンベア
上に順次載置し、各繊維板を、該ベルトコンベアと共に
所定の温度及び相対湿度に維持された熱処理装置内を順
次通過させることによって、該各繊維板に対して順次上
記の熱処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記
載の木質繊維板の製造方法を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
後の複数の繊維板を、それぞれ独立させ且つそれぞれの
表裏面をベルトコンベア上から離して該ベルトコンベア
上に順次載置し、各繊維板を、該ベルトコンベアと共に
所定の温度及び相対湿度に維持された熱処理装置内を順
次通過させることによって、該各繊維板に対して順次上
記の熱処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記
載の木質繊維板の製造方法を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、上記熱処
理を、熱処理装置内において、各繊維板同士間に隙間が
形成されるように熱圧成型後の複数の繊維板を積層した
状態にて行うこと特徴とする請求項1又は2に記載の木
質繊維板の製造方法を提供することにより、上記目的を
達成したものである。
理を、熱処理装置内において、各繊維板同士間に隙間が
形成されるように熱圧成型後の複数の繊維板を積層した
状態にて行うこと特徴とする請求項1又は2に記載の木
質繊維板の製造方法を提供することにより、上記目的を
達成したものである。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、上記熱処
理を施した繊維板を、その熱処理を行った熱処理装置内
にて自然冷却することを特徴とする請求項1〜4の何れ
かに記載の木質繊維板の製造方法を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
理を施した繊維板を、その熱処理を行った熱処理装置内
にて自然冷却することを特徴とする請求項1〜4の何れ
かに記載の木質繊維板の製造方法を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木質繊維板の製造
方法の実施形態について説明する。本発明の木質繊維板
の製造方法は、木質繊維のシート状物を熱圧成型して木
質繊維板を製造する木質繊維板の製造方法である。上記
木質繊維のシート状物は、木材を繊維又は繊維束に解繊
したものを、湿式法又は乾式法により抄造してシート状
ないし板状にしたものであり、解繊の方法は、グライン
ダを用いる方法、ディスクリファイナーやアトリション
ミルを用いる方法、爆砕する方法等従来公知の各種の方
法を用いることができる。また、抄造の方法としては、
ウエットフェルティング法、エアーフェルティング法の
何れであっても良い。
方法の実施形態について説明する。本発明の木質繊維板
の製造方法は、木質繊維のシート状物を熱圧成型して木
質繊維板を製造する木質繊維板の製造方法である。上記
木質繊維のシート状物は、木材を繊維又は繊維束に解繊
したものを、湿式法又は乾式法により抄造してシート状
ないし板状にしたものであり、解繊の方法は、グライン
ダを用いる方法、ディスクリファイナーやアトリション
ミルを用いる方法、爆砕する方法等従来公知の各種の方
法を用いることができる。また、抄造の方法としては、
ウエットフェルティング法、エアーフェルティング法の
何れであっても良い。
【0015】上記熱圧成型は、抄造により得られた上記
木質繊維のシート状物を加熱圧締して板状体に成型する
工程であり、該熱圧成型の方法としては、ウエットフェ
ルティング法によるウエットシートを多段式ホットプレ
スで熱圧するウエットプレッシング法、ウエットシート
を乾燥してから熱圧するウエットフォーミング・ドライ
プレッシング法、エアーフェルティング法によるドライ
シートを多段式ホットプレスで熱圧するドライプレッシ
ング法やセミドライシートを熱圧するセミドライプレッ
シング法等がある。本発明の木質繊維板の製造方法にお
いて、木質繊維のシート状物を熱圧成型して木質繊維か
らなる板状体(以下、繊維板という)を得るまでの工程
については、特に言及しない限り従来の木質繊維板の製
造方法におけるのと同様である。また、上記繊維板は、
ハードボード(HB)等その種類に特に制限はないが、
好ましくは中質繊維板(MDF)である。
木質繊維のシート状物を加熱圧締して板状体に成型する
工程であり、該熱圧成型の方法としては、ウエットフェ
ルティング法によるウエットシートを多段式ホットプレ
スで熱圧するウエットプレッシング法、ウエットシート
を乾燥してから熱圧するウエットフォーミング・ドライ
プレッシング法、エアーフェルティング法によるドライ
シートを多段式ホットプレスで熱圧するドライプレッシ
ング法やセミドライシートを熱圧するセミドライプレッ
シング法等がある。本発明の木質繊維板の製造方法にお
いて、木質繊維のシート状物を熱圧成型して木質繊維か
らなる板状体(以下、繊維板という)を得るまでの工程
については、特に言及しない限り従来の木質繊維板の製
造方法におけるのと同様である。また、上記繊維板は、
ハードボード(HB)等その種類に特に制限はないが、
好ましくは中質繊維板(MDF)である。
【0016】而して、本発明の木質繊維板の製造方法に
おいては、熱圧成型により得られた繊維板を高温高湿度
下で熱処理する。上記熱処理における処理温度は、通常
60〜100℃、好ましくは80〜100℃である。上
記熱処理の温度が60℃未満であると、木質繊維板のホ
ルムアルデヒド放出量の低減効果が不十分となり易く、
100℃を超えると、熱処理後に繊維板の含水率を大気
との平衡含水率まで戻すために長時間の工程が必要とな
る等の不都合がある。
おいては、熱圧成型により得られた繊維板を高温高湿度
下で熱処理する。上記熱処理における処理温度は、通常
60〜100℃、好ましくは80〜100℃である。上
記熱処理の温度が60℃未満であると、木質繊維板のホ
ルムアルデヒド放出量の低減効果が不十分となり易く、
100℃を超えると、熱処理後に繊維板の含水率を大気
との平衡含水率まで戻すために長時間の工程が必要とな
る等の不都合がある。
【0017】上記熱処理における湿度(相対湿度)は、
通常60〜100%である。相対湿度が60%未満であ
ると、長時間の処理が必要となり、製造コストが増大す
る等の不都合があり、100%を超えると、処理後に繊
維板の含水率を大気との平衡含水率まで戻すために長時
間の工程が必要となる等の不都合がある。上記熱処理に
おける湿度(相対湿度)は、上記処理温度それぞれに対
して、繊維板の平衡含水率が5〜13%になるような相
対湿度とすることが好ましい。これにより、熱処理後の
繊維板の含水率を迅速に大気との平衡含水率とすること
ができる。
通常60〜100%である。相対湿度が60%未満であ
ると、長時間の処理が必要となり、製造コストが増大す
る等の不都合があり、100%を超えると、処理後に繊
維板の含水率を大気との平衡含水率まで戻すために長時
間の工程が必要となる等の不都合がある。上記熱処理に
おける湿度(相対湿度)は、上記処理温度それぞれに対
して、繊維板の平衡含水率が5〜13%になるような相
対湿度とすることが好ましい。これにより、熱処理後の
繊維板の含水率を迅速に大気との平衡含水率とすること
ができる。
【0018】上記熱処理の時間、即ち処理時間は、通常
1時間〜7日間、好ましくは6時間〜3日間、特に好ま
しくは12時間〜24時間である。処理時間が1時間未
満であると、ホルムアルデヒド放出量の低減効果が不十
分となり易く、また、耐水性の向上効果も不十分となり
易い。一方、処理時間が7日間を超えるのは、処理コス
トの増大を招き、安価な木質繊維板の製造を困難とする
ので好ましくない。
1時間〜7日間、好ましくは6時間〜3日間、特に好ま
しくは12時間〜24時間である。処理時間が1時間未
満であると、ホルムアルデヒド放出量の低減効果が不十
分となり易く、また、耐水性の向上効果も不十分となり
易い。一方、処理時間が7日間を超えるのは、処理コス
トの増大を招き、安価な木質繊維板の製造を困難とする
ので好ましくない。
【0019】このような熱処理は、通常、上記熱圧成型
後の繊維板を、温度、湿度及び処理時間をコントロール
できる熱処理装置を用いて行う。温度、湿度及び処理時
間をコントロールできる熱処理装置を用いることによ
り、生産性良く比較的安価に木質繊維板を製造すること
ができる。このような熱処理装置を用いた熱処理は、品
質の均一化、生産効率等の観点から、所定寸法に切断し
た繊維板を、各繊維板同士間に隙間が形成されるように
複数積層堆積した状態で行うことが好ましい。
後の繊維板を、温度、湿度及び処理時間をコントロール
できる熱処理装置を用いて行う。温度、湿度及び処理時
間をコントロールできる熱処理装置を用いることによ
り、生産性良く比較的安価に木質繊維板を製造すること
ができる。このような熱処理装置を用いた熱処理は、品
質の均一化、生産効率等の観点から、所定寸法に切断し
た繊維板を、各繊維板同士間に隙間が形成されるように
複数積層堆積した状態で行うことが好ましい。
【0020】また、上記の熱処理は、熱圧成型後の複数
の繊維板を、それぞれ独立させ且つそれぞれの表裏面を
ベルトコンベア上から離して該ベルトコンベア上に順次
載置し、各繊維板を、該ベルトコンベアと共に所定の温
度及び相対湿度に維持された熱処理装置内を順次通過さ
せることによって行っても良い。即ち、ウイケットドラ
イヤー等の連続熱処理装置を用いて、複数の繊維板に対
して順次上記の熱処理を施しても良い。これにより、ホ
ルムアルデヒドの放出量が少なく寸法安定性に優れた木
質繊維板を効率的に連続生産することができる。
の繊維板を、それぞれ独立させ且つそれぞれの表裏面を
ベルトコンベア上から離して該ベルトコンベア上に順次
載置し、各繊維板を、該ベルトコンベアと共に所定の温
度及び相対湿度に維持された熱処理装置内を順次通過さ
せることによって行っても良い。即ち、ウイケットドラ
イヤー等の連続熱処理装置を用いて、複数の繊維板に対
して順次上記の熱処理を施しても良い。これにより、ホ
ルムアルデヒドの放出量が少なく寸法安定性に優れた木
質繊維板を効率的に連続生産することができる。
【0021】上記熱処理を施した繊維板は、該熱処理に
用いた熱処理装置内にて自然冷却により冷却することが
好ましい。熱処理後、該熱処理を行った同一装置内で、
徐々に冷却する過程を設けることで、繊維板が急激に冷
やされることにより発生する反りの防止と、含水率の調
整が可能となる。
用いた熱処理装置内にて自然冷却により冷却することが
好ましい。熱処理後、該熱処理を行った同一装置内で、
徐々に冷却する過程を設けることで、繊維板が急激に冷
やされることにより発生する反りの防止と、含水率の調
整が可能となる。
【0022】尚、本発明は、繊維板の製造に、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等のホルムアルデヒ
ド系接着剤を用いる場合に特に有効である。
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等のホルムアルデヒ
ド系接着剤を用いる場合に特に有効である。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明の有効
性を例証する。 〔実施例1〕乾式抄造法により得られた木質繊維のシー
ト状物を、含水率13%程度とした後、連続式ホットプ
レスを用いて熱圧成型して繊維板を得た。得られた繊維
板を、温度、湿度及び処理時間をコントロールできる熱
処理装置内に配置し、該繊維板に対して、温度60℃、
相対湿度90%の条件にて7日間熱処理を行った。上記
熱処理装置内には、複数の繊維板を、各繊維板間に隙間
が形成されるようにして積層配置した。熱処理後の冷却
は、自然冷却とした。得られた木質繊維板(熱処理後の
繊維板)について、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルム
アルデヒド放出量を測定したところ、厚さ膨張率は26
%であり、ホルムアルデヒド放出量は0.7mg/lで
あった。尚、ホルムアルデヒド放出量は、JIS A5
905繊維板に記載の方法に準拠して測定した。
性を例証する。 〔実施例1〕乾式抄造法により得られた木質繊維のシー
ト状物を、含水率13%程度とした後、連続式ホットプ
レスを用いて熱圧成型して繊維板を得た。得られた繊維
板を、温度、湿度及び処理時間をコントロールできる熱
処理装置内に配置し、該繊維板に対して、温度60℃、
相対湿度90%の条件にて7日間熱処理を行った。上記
熱処理装置内には、複数の繊維板を、各繊維板間に隙間
が形成されるようにして積層配置した。熱処理後の冷却
は、自然冷却とした。得られた木質繊維板(熱処理後の
繊維板)について、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルム
アルデヒド放出量を測定したところ、厚さ膨張率は26
%であり、ホルムアルデヒド放出量は0.7mg/lで
あった。尚、ホルムアルデヒド放出量は、JIS A5
905繊維板に記載の方法に準拠して測定した。
【0024】〔比較例1〕実施例1におけるのと同様に
して得られた繊維板を、そのまま室温下に24時間放置
し、これについて、実施例1におけるのと同様にして、
温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド放出量を
測定した。その結果、厚さ膨張率は37%であり、ホル
ムアルデヒド放出量は7.1mg/lであった。
して得られた繊維板を、そのまま室温下に24時間放置
し、これについて、実施例1におけるのと同様にして、
温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド放出量を
測定した。その結果、厚さ膨張率は37%であり、ホル
ムアルデヒド放出量は7.1mg/lであった。
【0025】〔実施例2〕上記熱処理の条件を、温度1
00℃、相対湿度90%、処理時間4日間とした以外
は、実施例1におけるのと同様にして木質繊維板を得
た。この木質繊維板について実施例1におけるのと同様
にして、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド
放出量を測定したところ、厚さ膨張率は14%であり、
ホルムアルデヒド放出量は0.4mg/lであった。
00℃、相対湿度90%、処理時間4日間とした以外
は、実施例1におけるのと同様にして木質繊維板を得
た。この木質繊維板について実施例1におけるのと同様
にして、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド
放出量を測定したところ、厚さ膨張率は14%であり、
ホルムアルデヒド放出量は0.4mg/lであった。
【0026】〔比較例2〕実施例1におけるのと同様に
して得られた繊維板を、そのまま室温下に4日間放置
し、これについて、同様に温水浸漬時の厚さ膨張率及び
ホルムアルデヒド放出量を測定した。その結果、厚さ膨
張率は30%であり、ホルムアルデヒド放出量は4.8
mg/lであった。
して得られた繊維板を、そのまま室温下に4日間放置
し、これについて、同様に温水浸漬時の厚さ膨張率及び
ホルムアルデヒド放出量を測定した。その結果、厚さ膨
張率は30%であり、ホルムアルデヒド放出量は4.8
mg/lであった。
【0027】〔実施例3〕上記熱処理の条件を、温度1
00℃、相対湿度90%、処理時間1時間とした以外
は、実施例1におけるのと同様にして木質繊維板を得
た。この木質繊維板について実施例1におけるのと同様
にして、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド
放出量を測定したところ、厚さ膨張率は22%であり、
ホルムアルデヒド放出量は1.1mg/lであった。
00℃、相対湿度90%、処理時間1時間とした以外
は、実施例1におけるのと同様にして木質繊維板を得
た。この木質繊維板について実施例1におけるのと同様
にして、温水浸漬時の厚さ膨張率及びホルムアルデヒド
放出量を測定したところ、厚さ膨張率は22%であり、
ホルムアルデヒド放出量は1.1mg/lであった。
【0028】上記の結果に示される通り、本発明(請求
項1,請求項2に記載の発明)に係る実施例1〜3の木
質繊維板は、比較例1,2の木質繊維板と比較して、ホ
ルムアルデヒドの放出量が低減し、且つ耐水性(寸法安
定性)が向上したものとなっている。尚、実施例1〜3
における相対湿度は、それぞれの処理温度において繊維
板の平衡含水率が5〜13%となる湿度である。
項1,請求項2に記載の発明)に係る実施例1〜3の木
質繊維板は、比較例1,2の木質繊維板と比較して、ホ
ルムアルデヒドの放出量が低減し、且つ耐水性(寸法安
定性)が向上したものとなっている。尚、実施例1〜3
における相対湿度は、それぞれの処理温度において繊維
板の平衡含水率が5〜13%となる湿度である。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ホルムアルデヒドの放出量が低減され、耐水
性が向上した木質繊維板を、生産性良く安価に製造する
ことのできる木質繊維板の製造方法を提供することがで
きる。
によれば、ホルムアルデヒドの放出量が低減され、耐水
性が向上した木質繊維板を、生産性良く安価に製造する
ことのできる木質繊維板の製造方法を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 5/00 B27N 7/00 D21J 1/10
Claims (5)
- 【請求項1】 木質繊維のシート状物を熱圧成型して木
質繊維板を製造する木質繊維板の製造方法において、 熱圧成型後の繊維板を、温度60〜100℃、相対湿度
60〜100%の条件下で、1時間〜7日間熱処理する
ことを特徴とする木質繊維板の製造方法。 - 【請求項2】 木質繊維のシート状物を熱圧成型して木
質繊維板を製造する木質繊維板の製造方法において、 熱圧成型後の繊維板を、温度が60〜100℃の範囲内
で、それぞれの温度において繊維板の平衡含水率が5〜
13%になるような相対湿度をかけて、熱処理すること
を特徴とする木質繊維板の製造方法。 - 【請求項3】 熱圧成型後の複数の繊維板を、それぞれ
独立させ且つそれぞれの表裏面をベルトコンベア上から
離して該ベルトコンベア上に順次載置し、各繊維板を、
該ベルトコンベアと共に所定の温度及び相対湿度に維持
された熱処理装置内を順次通過させることによって、該
各繊維板に対して順次上記の熱処理を行うことを特徴と
する請求項1又は2に記載の木質繊維板の製造方法。 - 【請求項4】 上記熱処理を、熱処理装置内において、
各繊維板同士間に隙間が形成されるように熱圧成型後の
複数の繊維板を積層した状態にて行うこと特徴とする請
求項1又は2に記載の木質繊維板の製造方法。 - 【請求項5】 上記熱処理を施した繊維板を、その熱処
理を施した熱処理装置内にて自然冷却することを特徴と
する請求項1〜4の何れかに記載の木質繊維板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11055622A JP3056202B2 (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 木質繊維板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-50252 | 1998-03-03 | ||
JP5025298 | 1998-03-03 | ||
JP11055622A JP3056202B2 (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 木質繊維板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11314205A JPH11314205A (ja) | 1999-11-16 |
JP3056202B2 true JP3056202B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=26390704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11055622A Expired - Fee Related JP3056202B2 (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 木質繊維板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3056202B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5324078B2 (ja) * | 2007-12-03 | 2013-10-23 | 株式会社トクヤマ | 低voc放散性木質材料の製造方法 |
JP5140453B2 (ja) * | 2008-02-06 | 2013-02-06 | 柳 沢 幸 雄 | 木質建材からのアルデヒド類の放散を抑止する方法、およびこの方法によりアルデヒド類の放散の抑止処理が施された木質建材 |
DE102008049941B3 (de) * | 2008-10-02 | 2010-04-29 | Fritz Egger Gmbh & Co. | Paneel, insbesondere Fußbodenpaneel |
CN102241036A (zh) * | 2011-06-21 | 2011-11-16 | 山东省产品质量监督检验研究院 | 降低成品刨花板游离甲醛含量的方法及制得的刨花板 |
-
1999
- 1999-03-03 JP JP11055622A patent/JP3056202B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11314205A (ja) | 1999-11-16 |
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