JP3056039U - 棚板支持部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 棚板支持部材において、本棚等の側板から安
易に外れることがなく棚板を安定して支持することがで
き、しかも、耐久性に優れ、低コストで製造することが
できるようにする。 【解決手段】 棚板支持部材１の差込部１１の先端に爪
部１２を設け、側板３に棚板支持部材１を取り付けると
き、この差込部１１先端を下げて斜めの状態にして側板
３の穴部３ａに差し込む。穴部３ａに差込部１１が根元
まで入った時点で、棚板載置部１３に棚板を載置し、棚
板にかかる荷重により、棚板支持部材１全体を回動させ
ると、爪部１２が穴部３ａの内壁に食い込み、差込部１
１の上面が穴部３ａの内壁に密着すると共に、支持部１
５が側板３に当接する。これにより、棚板支持部材１は
側板３に強固に結合される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、本棚等の側板に棚板を結合させるために棚板を支持する棚板支持部 材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、本等を載置するための棚板を側板に着脱自在に組み付け得る本棚に おいては、一般に、側板に設けられた穴部に根元部を差し込み、結合させた状態 とし、側板から突出した部分で棚板の下部を支持する棚板支持部材が用いられて いる。この棚板支持部材は、側板の穴部に差し込まれる差込部と、この差込部と 一体的に形成され、側板から突出して棚板が載置される棚板載置部とからなり、 側板に設けられた複数の穴部に、それぞれ棚板支持部材の差込部を差し込み、棚 板載置部に、棚板下面の凹部を嵌め合わせて棚板を載置することによって、簡単 に棚板を側板に組み付けることができるようにされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来の棚板支持部材によれば、棚板支持部材の側 板への取り付けは、側板の穴部に差込部を差し込むことのみによって行われるた め、棚板支持部材が側板から外れやすいという問題がある。そのため、本棚を分 解して本棚を別の場所へ移動する場合などには、棚板を側板から外した後に、棚 板支持部材を側板から外し、別個に保管しておかないと、移動中に側板から外れ 紛失してしまう虞れがある。また、単に側板の穴部に差込部を差し込んだだけの 棚板支持部材の棚板載置部で棚板及び棚板に載置される本等を支える構造である ため、棚板に大きな荷重がかかると、棚板支持部材が傾いたり、破損して棚板支 持が十分に行えなくなる虞があり、破損を避け耐久性を向上させるには、棚板支 持部材を金属等の強度を有する素材で製造しなければならず、製造コストが高く なるという問題がある。また、棚板載置部と棚板との接触面積が小さいため、必 ずしも棚板を安定に支持することができないものであった。

【０００４】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、側板から安 易に外れることがなく、棚板を安定して支持することができ、比較的大きな荷重 に対しても耐久性があり、しかも、低コストで製造することができる棚板支持部 材を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために請求項１に記載の考案は、本棚等の木質材でなる側 板に設けられた穴部に差し込まれ、支持するための棚板支持部材において、穴部 に差し込まれる差込部と、差込部の先端上面に設けられたくさび形状の爪部と、 差込部と一体的に設けられ、棚板の下部に設けられた凹部と係合することによっ て棚板を保持する棚板載置部とからなり、棚板載置部に棚板を載置したとき、棚 板にかかる荷重により、差込部の爪部が側板の穴部内で食い込むようになるもの である。

【０００６】 上記構成においては、差込部を側板の穴部に差し込んだ後、棚板載置部に棚板 を載置すると、差込部の爪部が側板の穴部内で食い込み、棚板支持部材が側板の 穴部から抜けにくくなるため、側板から棚板支持部材が不用意に外れてしまうこ とを防止することができる。

【０００７】 また、請求項２に記載の考案は、本棚等の木質材でなる側板に設けられた穴部 に差し込まれ、棚板を支持するための棚板支持部材において、穴部に差し込まれ る凸状の差込部と、差込部の先端上面に設けられたくさび形状の爪部と、差込部 と一体的に設けられ棚板が載置される上面が平面状に形成された棚板載置部と、 棚板載置部上に設けられ、棚板の下面に設けられた穴部に嵌合される突起部と、 挿入部及び棚板載置部と一体的に設けられ、棚板載置部の平面状部と直交する面 を有した支持部とからなり、差込部先端を下げて斜めにした状態で差込部を側板 の穴部に差し込んだ状態で、突起部を棚板の穴部に嵌合させて棚板載置部の上面 に棚板を載置したとき、棚板にかかる荷重により、支持部材全体が回動して支持 部が側板に当接状態になると共に、差込部の爪部が側板の穴部内で食い込むよう になるようにしたものである。

【０００８】 上記構成においては、請求項１と同等の作用が得られることに加え、棚板が棚 板載置部の平面状部に支持されることによって、棚板の下面と棚板載置部との接 触面積が大きくなるので、棚板が棚板載置部に安定して支持される。また、棚板 載置部への棚板の載置時には、棚板下面の穴部と突起部とが嵌合されるので、棚 板が棚板載置部上で安定して固定される。さらに、支持部が側板に当接すること によって、棚板が載置された状態の棚板載置部の姿勢が水平に保たれるので、棚 板の載置による棚板載置部への負担を軽減することができ、棚板載置部の耐久性 を向上することができる。

【０００９】 また、請求項３に記載の考案は、請求項１又は請求項２に記載の棚板支持部材 であって、差込部は、支持部との結合部分の形状が側板の穴部と同等の大きさに 形成され、爪部を含む先端部分が側板の穴部と同等以下の大きさで、かつ、差込 部中心軸線が支持部に直交する面に対して上方に傾いて形成されているものであ る。

【００１０】 上記構成においては、差込部の爪部を含む先端部分を斜めにした状態で側板の 穴部に容易に挿入することができ、また、側板の穴部に差込部を根元まで差し込 むと、根元部は側板の穴部開口にほぼ密着し、爪部を穴部内で食い込ませること で棚板支持部材全体が回動して、支持部が側板に当接した状態となり、これによ り、側板と棚板支持部材との結合姿勢は強固なものとなる。

【００１１】 また、請求項４に記載の考案は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の棚 板支持部材であって、全体が合成樹脂によって一体形成されているものである。

【００１２】 上記構成においては、合成樹脂によって棚板支持部材を射出成型等の成型方法 により製造することができるため、簡単、かつ、安価に棚板支持部材を製造する ことができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施形態に係る棚板支持部材について図面を参照して説明す る。図１（ａ）に示すように、棚板支持部材１は、本棚２等において木質材でな る側板３に棚板４を組み付けるために用いられるものであり、側板３に取り付け られた状態で棚板４をその下部から支持するものである。棚板支持部材１は、図 ２及び図３に示すように、側板３の棚板４を取り付ける位置に設けられた穴部３ ａに差し込まれる凸状の差込部１１を有し、差込部１１の先端上面にはくさび形 状の爪部１２が設けられている。さらに棚板支持部材１は、差込部１１と一体的 に設けられ棚板４を載置するために平面状に形成された棚板載置部１３を有し、 棚板載置部１３上には、図１（ｂ）に示すように、棚板４の下面に設けられた穴 部４ａと嵌合される円柱状の突起部１４が設けられている。また、差込部１１及 び棚板載置部１３には、両部に直交する面を有する支持部１５が一体的に設けら れている。

【００１４】 上記の差込部１１は、円錐の先端部分を切り落としたような形状とされ、支持 部１５との結合部分の径の大きさが、側板３の穴部３ａの径と同等の大きさに形 成されている。差込部１１の先端部の径は、爪部１２を含む上下方向の大きさが 穴部３ａの径よりも同等以下の大きさになるように形成されている。また、差込 部１１の上面部は、棚板載置部１３の平面状部分と同一平面上に位置するように 形成されると共に、略円錐形状の差込部１１はその中心軸線（図３（ｃ）の一点 鎖線Ｓ１）が支持部１５に直交する面（図３（ｃ）の一点鎖線Ｓ２）に対して上 方に僅かに傾く（図３（ｃ）の角度α）ように形成されている。また、棚板載置 部１３と支持部１５との接続部分には、棚板載置部１３に棚板４を載置した時の 強度を増すために、補強部１６が設けられている。

【００１５】 次に、棚板支持部材１の側板３の穴部３ａへの取り付けについて図４を参照し て説明する。棚板支持部材１を側板３に取り付けるに際して、図４（ａ）に示す ように、差込部１１の先端を下げて斜めの状態にし、差込部１１を穴部３ａに差 し込む。そして、穴部３ａに差込部１１が根元まで入った時点で、棚板４の穴部 ４ａを突起部１４に嵌合させることにより、棚板４を棚板載置部１３に載置する と、棚板４にかかる荷重により、図４（ｂ）の矢印で示すように、棚板載置部１ ３が下方に付勢され、棚板支持部材１全体が回動し、図４（ｃ）に示すように、 爪部１２が木質材でなる側板３の穴部３ａの内壁に食い込み、差込部１１の上面 が穴部３ａの内壁に密着すると共に、支持部１５が側板３に当接する。これによ り、棚板支持部材１は棚板載置部１３の平面状部分が側板３に対して直交する状 態に固定され、棚板載置部１３への棚板４の載置に耐え得る状態となる。

【００１６】 上記の取り付けが完了した後、棚板４上に本等が載置され、棚板４にかかる荷 重により、棚板載置部１３が更に下方に押圧され、棚板支持部材１に回転応力が 加わっても、支持部１５は側板３に当接する方向に付勢され、差込部１１の上面 と穴部３ａ内壁とが当接する方向に付勢されることになるため、棚板載置部１３ は安定して水平な姿勢に保たれる。しかも、側板３の穴部３ａ内においては、爪 部１２が穴部３ａの上壁に食い込むように付勢されるので、棚板支持部材１は側 板３からより一層外れにくい状態となる。なお、突起部１４を円柱形状としたこ とで、それに対応して形成される棚板４の穴部４ａの形状も円柱形状で足りるた め、その加工が容易である。

【００１７】 このように、本実施形態の棚板支持部材１によれば、棚板支持部材１を側板３ に取り付けた後、側板３の穴部３ａ内で、差込部１１の爪部１２が穴部３ａの内 壁に食い込んでいるので、棚板支持部材１が側板３から不用意に外れてしまうこ とがない。また、棚板４は平面状の棚板載置部１３によって支持されるため、棚 板４は棚板載置部１３によって広い接触面積で安定して支持される。また、棚板 ４の載置時には、棚板４の下面の穴部４ａと、棚板載置部１３の突起部１４とが 嵌合されるため、棚板載置部１３上で棚板４がずれることがない。また、棚板載 置部１３に棚板４を載置したとき、その荷重により支持部１５が側板３に当接す るので、棚板４に係る荷重による棚板載置部１３への負担が軽減され、棚板載置 部１３の耐久性が向上する。このように、棚板４を支持するために棚板支持部材 １に必要とされる強度は比較的小さなもので足り、棚板支持部材１を合成樹脂で 一体成型することが可能となるので、簡単、かつ、安価に棚板支持部材１を製造 することができる。なお、棚板支持部材１を合成樹脂以外の素材で構成すること も可能である。

【００１８】 なお、本考案は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。ま た、上記実施形態では、棚板支持部材１を側板３に取り付ける際、差込部１１を を穴部３ａに差し込んだ後、棚板３にかかる荷重により、爪部１２が穴部３ａの 内壁に食い込み、支持部１５が側板３に当接するものとされているが、ユーザが 自ら棚板載置部１３を下方に押し下げることによって、爪部１２を穴部３ａの内 壁に食い込ませ、支持部１５が側板３に当接するというようにしてもよい。上記 実施形態では、棚板支持部材１は、平面状の棚板載置部１３、棚板４の穴部４ａ と嵌合する突起部１４、及び、側板３に当接して棚板載置部１３の水平姿勢を保 持する支持部１５を有するものとされているが、この構成に限定されるものでは なく、例えば、円柱形状の部材の一端側に上記爪部を設け、この爪部が設けられ ている端部側を差込部とし、他方の端部側を棚板載置部とし、この棚板載置部に 棚板の下面に形成された凹部を嵌め合わせることで、棚板が支持されるようにし た棚板支持部材であってもよい。但し、この場合には、棚板を載置した時の棚板 載置部にかかる負担が大きいため、棚板支持部材全体を金属等の強度を有する素 材で構成することが望ましい。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように請求項１に記載の考案によれば、棚板支持部材を側板に組み付け た後、差込部の爪部が側板の穴部内に食い込み、棚板支持部材が側板から外れ難 くなる。これにより、側板から棚板支持部材が不用意に外れてしまうことがなく 、棚板が側板から外れてしまい棚板に載置していた本等が落下するという事態を なくすことができる。また、棚板を側板から外して本棚を棚板支持部材の場所へ 移動するときでも、棚板支持部材が側板から外れて紛失してしまうことが殆どな いので、棚板支持部材を側板に取り付けたままで移動させることができる。

【００２０】 また、請求項２に記載の考案によれば、請求項１に記載の記載した効果に加え 、棚板載置部の平面状部による棚板の支持によって、棚板の下面と棚板載置部と の接触面積が大きくなり、棚板は棚板載置部に安定して支持される。また、棚板 下面の穴部と突起部との嵌合によって、棚板の棚板載置部上での固定が安定する 。さらに、棚板載置部に棚板を載置したとき、その荷重により支持部が側板に当 接するので、棚板に係る荷重による棚板載置部への負担が軽減され、棚板載置部 の耐久性が向上する。

【００２１】 また、請求項３に記載の考案によれば、差込部の爪部を含む先端部分を斜めに した状態で側板の穴部に容易に挿入することができ、また、側板の穴部に差込部 を根元まで差し込むと、根元部は側板の穴部開口にほぼ密着し、爪部を穴部内で 食い込ませることで棚板支持部材全体が回動して、支持部が側板に当接した状態 となる。従って、側板への棚板の組付け作業が容易になり、しかも、棚板支持部 材を側板に強固に結合させることができる。

【００２２】 また、請求項４に記載の考案によれば、射出成型等の成型方法により棚板支持 部材を簡単、かつ、安価に製造することができ、製造コストを低減することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施形態に係る棚板支持部
材の本棚における使用例を示す斜視図、（ｂ）は本棚の
棚板の裏面を示す斜視図である。

【図２】棚板支持部材の斜視図である。

【図３】（ａ）は棚板支持部材の上面図、（ｂ）は棚板
支持部材の正面図、（ｃ）は棚板支持部材の側面図、
（ｄ）は棚板支持部材の背面図である。

【図４】（ａ）乃至（ｃ）は側板の穴部に棚板支持部材
１を取り付ける様子を示す図である。

【符号の説明】

１ 棚板支持部材 ２ 本棚 ３ 側板 ３ａ 穴部 ４ 棚板 ４ａ 穴部 １１ 差込部 １２ 爪部 １３ 棚板載置部 １４ 突起部 １５ 支持部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本棚等の木質材でなる側板に設けられた
   穴部に差し込まれ、支持するための棚板支持部材におい
   て、 前記穴部に差し込まれる差込部と、 前記差込部の先端上面に設けられたくさび形状の爪部
   と、 前記差込部と一体的に設けられ、棚板の下部に設けられ
   た凹部と係合することによって棚板を保持する棚板載置
   部とからなり、 前記棚板載置部の上面に棚板を載置したとき、前記棚板
   にかかる荷重により、前記差込部の爪部が側板の穴部内
   で食い込むようになることを特徴とする棚板支持部材。
2. 【請求項２】 本棚等の木質材でなる側板に設けられた
   穴部に差し込まれ、棚板を支持するための棚板支持部材
   において、 前記穴部に差し込まれる凸状の差込部と、 前記差込部の先端上面に設けられたくさび形状の爪部
   と、 前記差込部と一体的に設けられ棚板が載置される上面が
   平面状に形成された棚板載置部と、 前記棚板載置部上に設けられ、棚板の下面に設けられた
   穴部に嵌合される突起部と、 前記差込部及び棚板載置部と一体的に設けられ、棚板載
   置部の平面状部と直交する面を有した支持部とからな
   り、 前記差込部先端を下げて斜めにした状態で差込部を前記
   穴部に差し込んだ状態で、前記突起部を棚板の穴部に嵌
   合させて前記棚板載置部の上面に棚板を載置したとき、
   前記棚板にかかる荷重により、支持部材全体が回動して
   前記支持部が側板に当接状態になると共に、前記差込部
   の爪部が側板の穴部内で食い込むようになることを特徴
   とする棚板支持部材。
3. 【請求項３】 前記差込部は、前記支持部との結合部分
   の形状が側板の穴部と同等の大きさに形成され、前記爪
   部を含む先端部分が側板の穴部と同等以下の大きさで、
   かつ、差込部中心軸線が前記支持部に直交する面に対し
   て上方に傾いて形成されていることを特徴とする請求項
   １又は請求項２に記載の棚板支持部材。
4. 【請求項４】 全体が合成樹脂によって一体形成されて
   いることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか
   に記載の棚板支持部材。