JP3055679U - 装飾装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水槽や池の装飾効果を高めるような、水の循
環路を備えた装飾物を提供する。 【解決手段】 水を張った水槽５に装飾体２を浮かべ、
フィルタ７を介して水槽５内の水を揚水ポンプ３が汲み
上げ、導水パイプ４が装飾体２における装飾領域６の最
上部へ導くと、その水は第１貯水部６ａ、第１導水路６
ｂ、第２貯水部６ｃ、第２導水路６ｄ、第３貯水部６
ｅ、第３導水路６ｆを経て水槽５内へ戻る水の循環経路
が形成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、水槽や池などの装飾に用いる装飾装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、室内の観賞用水槽や庭園の人造池などの装飾は、天然の岩や石等を適宜 に敷設したり、天然木や陶製の装飾物などを適宜に配置したりして、好みのレイ アウトに整えるものであった。また、大がかりなものになると、装飾用岩山など の上部から水が流れるように配管して、水の流路の途中に水性植物や苔を群生さ せ、景観を整えるようなものもあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の装飾物は軽量の素材を用いておらず、比較的大 型の装飾物にあっては、一人で搬入することが困難な程に重く、セッティングの 自由がきかなかったり、一旦セッティングしてしまうと容易にレイアウトを変更 することもできないといった問題があった。

【０００４】 しかも、各装飾物が比較的重いために、複数の装飾物を高く積み上げるような レイアウトを採る場合、装飾物が不意に崩れてしまうような事がないように、十 分な安定性を持たせることが重要となる。このような観点から、従来の装飾物の レイアウトは平面的となり易く、必ずしも十分な装飾効果を発揮しているとは言 えなかった。

【０００５】 加えて、設置環境の耐荷重性などから重い装飾物を取り付けられる環境は限ら れてしまうし、水の配管を施すような大がかりな装飾装置を組み込むことは一層 困難であった。

【０００６】 上述したように、水槽や池等に設置する従来の装飾物は、必ずしも高い装飾性 を備えるものではなかったし、装飾物表面に配した苔や水生植物等に新鮮な水を 供給するための水流を生ぜしめることも困難であった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで、上記課題を解決するために本考案に係る装飾装置（１）は、浮水性の 素材から形成され、少なくとも水面から突出する部位に装飾領域（６）を備えた 装飾体（２）と、水中の水を汲み上げる揚水ポンプ（３）と、上記揚水ポンプに よって汲み上げた水を、上記装飾体の装飾領域へ導く導水パイプ（４）と、から なるものとした。

【０００８】

【作用】

したがって、揚水ポンプから汲み上げた水は導水パイプを介して装飾体の装飾 領域へ揚送され、水面よりも高位に現れる装飾領域を流れ落ち、再び水中へ帰す るという水の循環系が生ずる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。

【００１０】 図１に示す装飾装置１は、浮水性の素材から形成された装飾体２と、揚水ポン プ３と、導水パイプ４とからなるものである。

【００１１】 上記装飾体２は、適宜な大きさの水槽５に水を張って、そこに浮かべた状態で 用いるものであり、少なくとも水面から突出する部位に適宜な装飾を施した偽岩 状の装飾領域６を設けるものとしてある。なお、図面に示す実施例では、導水パ イプ４を装着した側が視認されない状態で使用するものと想定して、そちら側は 装飾領域の対象外としたが、水面から突出する部位の全範囲を装飾領域としても 良いし、水面下となる部位も含めて装飾領域としても良い。

【００１２】 また、装飾体２の素材としては、比重が１よりも小さくて水に浮く素材であれ ば何でも良いが、本実施形態では加工および着色が容易な発砲スチロールを使用 することで、装飾体２を水槽５に浮かべた際の排水量を小ならしめるものとした 。よって、小型の観賞魚用水槽で本考案に係る装飾装置１を使用する場合でも、 観賞魚の育成に必要な水量は十分に確保できるので、比較的狭小な室内の水槽で 使用することも可能となる。しかも、装飾体２を発砲スチロールで形成しておけ ば、植物を植えたり人工装飾物を埋め込んだりする作業が容易であるし、ライテ ィング効果を高めるために小型の照明装置を取り付けることも容易である。

【００１３】 一方、水槽５の底面には適宜なフィルター７を配し、このフィルタ７によって 濾過された水を揚水ポンプ３により汲み上げ、更に導水パイプ４によって装飾体 ２の装飾領域６の上部適所へ導き、ここから水は装飾領域６の形状に応じて流れ 落ちて行き、再び水槽５内へ戻る。すなわち、装飾装置１によれば、水槽５に浮 かべる装飾体２に水の循環系を生ぜしめることができるのである。

【００１４】 このような水の循環系は装飾領域６の全域に形成する必要はなく、装飾目的に 応じて適所に介在させれば良い。例えば、著名な風景や庭園に沿ったモチーフで 装飾領域６の外観を構成し、ここに様々な装飾物（天然石や天然木、陶器、彫刻 品、観葉植物等）を配置して景観を高めて、そこへ観者の視点を集中させ、この 景観を妨げないような水循環経路を装飾領域６の周辺部に配するようにしても良 い。無論、水循環系は一つに限らず、支流から分流へ枝分かれするようにしても 良いし、予め複数の導水パイプ４で異なる位置へ水を導くようにしても良い。ま た、揚水ポンプ３で汲み上げた水を適宜な撒水器で装飾領域６内へ噴霧するよう にしても良い。この時、水と反応してマイナスイオンを発生するトルマリンを噴 霧領域に塗布しておけば、鎮静効果のある室内環境とすることができる。或いは 、殺菌作用のある物質を装飾体２の表面に付着させておき、その表面を水が流れ ることで、水の腐敗を防ぐような方法も可能である。

【００１５】 ここで、装飾体２の装飾領域６における水循環路の具体例を説明すると、例え ば、導水パイプ４から水が吐出される部位（装飾領域６の最上部）に第１貯水部 ６ａを形成し、ここに貯まった水が溢れて第１導水路６ｂを介して流下すると、 第２貯水部６ｃに貯まり、この第２貯水部６ｃに貯まった水が溢れると第２導水 路６ｄを介して滝状に流下してゆき、第３貯水部６ｅに貯まり、この第３貯水部 ６ｅからも溢れた水は第３導水路６ｆを介して水槽５内へ帰することとなる。す なわち、装飾領域６の形状に応じて「窪み状の貯水部」と「貯水部から溢れた水 が流下してゆく導水路」とが定まり、この一定の流路を通って水は装飾領域６を 流れて行くのである。なお、貯水部に小石８…を入れたり、水生植物９…を植え 付けたり、導水路および周辺領域に苔等を群生させたりすれば、より景観を良好 ならしめることができる。

【００１６】 なお、上記実施形態においては、比較的浅い水槽５で装飾装置１を使用するも のとしたが、屋外庭園等の池に浮かべて使用しても良い。すなわち、揚水ポンプ ３の揚水能力に応じて、導出可能な導水パイプ４の長さを適宜延ばし、水底から 装飾体２まで導水できる範囲でならば、如何様な使用方法も可能である。また、 導水パイプ４の水底に接続された揚水ポンプ３がアンカーの役目も担うので、装 飾装置１を屋外で使用しても装飾体２が遠方へ流される虞もない。

【００１７】 上述した第１実施形態においては、装飾体２を単一の素材から形成した場合を 示したが、これに限らず、水に浮いて適宜な装飾領域を形成できるものであれば 、どのようなものでも良い。例えば、第２実施形態に係る装飾装置１０（図２参 照）における装飾体２′は、装飾領域６が形成される部分を発泡スチロール等で 形成した浮遊部１１とし、天然木の丸太１２…を筏状に組み合わせて、その上に 上記浮遊部１１を樹脂等の充填材１３により取り付けたものである。なお、本図 において、図１で説明した実施形態と同様の構成には同一符号を付して説明を省 略した。

【００１８】 斯くすれば、比重が１に近い丸太１２…が水面に浮かび、その上に浮遊部１１ が載ることとなるので、装飾体２′としての安定性が増し、小さな波で激しく揺 れ動くことを防止できるし、縦長な形状に浮遊部１２を成形した場合にもひっく り返ったりする危険性が少ない。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る装飾装置によれば、揚水ポンプから汲み上 げた水は導水パイプを介して装飾体の装飾領域へ揚送され、水面よりも高位に現 れる装飾領域を流れ落ち、再び水中へ帰するという水の循環系が生ずるので、装 飾体の装飾領域へ適宜に配した苔や水生植物等へ水を循環供給することが可能と なる。

【００２０】 従って、比重が１より小さい浮水性の素材により形成された装飾体は、比較的 大きなものであっても、一人で持ち運んだり水槽から移し換えたりする作業を簡 便に行うことができ、レイアウトやセッティング等における装飾の自由度が高ま る。しかも、高コストの配管作業等を行うまでもなく、装飾体の装飾領域に水の 循環流を生ぜしめることで、苔や水生植物等の自然育成が可能となり、模造品を 配置したに過ぎない従来の装飾品に比べれば、装飾体の装飾領域における景観を 極めて良好ならしめ得る。

【００２１】 加えて、槽内等に装飾体を浮かせて使用できることにより、装飾体を入れるこ とによる排水量は微量となり、観賞魚等を飼育している比較的小型の水槽の装飾 に使用する場合でも、観賞魚等の育成に必要な水量を十分に確保することが容易 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態に係る装飾装置を水槽内に設けた
概略縦断面図である。

【図２】第２実施形態に係る装飾装置を水槽内に設けた
概略縦断面図である。

【符号の説明】

１ 装飾装置 ２ 装飾体 ３ 揚水ポンプ ４ 導水パイプ ６ 装飾領域

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浮水性の素材から形成され、少なくとも
   水面から突出する部位に装飾領域を備えた装飾体と、 水中の水を汲み上げる揚水ポンプと、 上記揚水ポンプによって汲み上げた水を、上記装飾体の
   装飾領域へ導く導水パイプと、 からなる装飾装置。