JP3055107U - テープ付き雌スナップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、テープ付き雌スナップの表裏の間
違いによる縫着のやり直しを防止するとともに、十分な
係合力を有した上で雄スナップとの脱着を容易とし、強
度の低い薄い生地をテープ等として用いた場合にも、該
テープ等の破れを軽減することのできるテープ付き雌ス
ナップを提供することを課題とする。 【解決手段】 複数個の雌スナップ(10)を所定間隔でテ
ープ(11)に対して合成樹脂の一体成形により取付けたテ
ープ付き雌スナップ(1) において、雌スナップにおける
雄スナップ当接側の受穴(12)の周囲に隆起縁(15)又は識
別用凸部を設けた構成としたことを特徴とするテープ付
き雌スナップを解決手段とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、雌スナップの複数個を、所定間隔でテープに合成樹脂の一体成形に より取付けたテープ付き雌スナップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

テープ付き雌スナップは、例えば、実公平４−３７４４９号に開示されるよう に、複数個の雌スナップをテープへ一体成形により取付けられ、外観の向上の観 点から、或いは原料樹脂の節約の観点から小径化、軽量化されたものが公知であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記したようにテープ付き雌スナップにおける雌スナップの小径化、 軽量化によって、該雌スナップの外観上の表裏の識別は困難となっており、スナ ップの成形時に、金型の成型品空室に配設されたテープの溶融樹脂の流動圧によ る弛み、溶融樹脂の注入時のテープのずれ防止のために使用される金型ピンによ り形成される直径１ｍｍにも満たないような金型ピン孔の数や、成形の際のゲー ト跡等を頼りとして判別せざるを得ないものであった。

【０００４】 従って、テープ地自体の表裏の識別が容易でない場合においては、テープ付き 雌スナップを生地へ縫着する際に、誤ってテープの表裏を間違えることがあり、 縫着されたテープを生地から外して裏返し、再度縫着しなければならず、非常に 手間となっていた。

【０００５】 また、係合した雌雄スナップを取り外す際には、縫着された取付生地か、テー プ（以下テープ等という。）を引っ張ることで取り外すことが多いが、このよう な場合、テープ等には十分な強度、或いは十分な厚みが必要であり、例えば強度 の低い薄い生地をテープ等を使用した場合や、急激に強い力でテープ等を引っ張 った場合には、テープの雌雄スナップの外周縁と当接する部分に極端に負荷がか かり、これによってテープが破れることがあり、問題であった。

【０００６】 このような場合に、慎重に雌雄スナップを取り外そうとする場合においては、 該雌雄スナップが通常略同じ径で係合当接していることから、取り外すことが困 難に感じられることも多い。

【０００７】 本考案は、以上の不具合に鑑みてなされたものであり、テープ付き雌スナップ の表裏の間違いによる縫着のやり直しを防止するとともに、十分な係合力を有し た上で雄スナップとの脱着を容易とし、強度の低い薄い生地をテープ等として用 いた場合にも、該テープ等の破れを軽減することのできるテープ付き雌スナップ を安価に提供することを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数個の雌スナップを所定間隔でテープに対して合成樹脂の一体成 形により取付けたテープ付き雌スナップにおいて、雌スナップにおける雄スナッ プ当接側の受穴の周囲に隆起縁又は識別用凸部を設けた構成としたことを特徴と するテープ付き雌スナップを、課題を解決するための手段とするものである。

【０００９】

【実施例及び実施の形態】

図１は、本考案の実施例に係るテープ付き雌スナップ(1) を生地(3) に縫着し た状態を示す平面図、図２は、図１におけるＡ−Ａ断面図、図３は、本考案の実 施例に係るテープ付き雌スナップ(1) を生地(3) に取付け、テープ付き雄スナッ プと係合した状態を示す断面図、図４は隆起縁(15)に代えて識別用凸部(16)を用 いた状態を示す雌スナップ(10)の表面側を示す平面図である。

【００１０】 本考案の実施例に係るテープ付き雌スナップ(1) は、図１、図２に示すように 、長尺のテープ(3) に多数の雌スナップ(10)が３ｃｍの間隔で合成樹脂により一 体成形されるものであり、また、前記一体成形される雌スナップ(10)は、中央に 受穴(12)と、該受穴(12)内には受穴係合部(13)を形成し、射出成形時のテープ(1 1)のずれ防止のために金型ピン（図示せず）を使用することから表裏面に夫々４ つの金型ピン孔(14)が形成されるとともに、雌スナップ(10)の受穴(12)を雄スナ ップ(20)の当接面側の受穴(12)の周囲に高さ１ｍｍの隆起縁を設け、前記雄スナ ップ(20)の突起(22)が着脱自在に係合する構成となる形状を有する直径５ｍｍ、 厚さ２ｍｍ（隆起縁を除く）程度のポリエステル製の雌スナップ(10)である。

【００１１】 ここで、上記実施例に係るテープ付き雌スナップ(1) は、図３に示すように、 ３ｃｍ間隔で成形品空室を設けた上下の金型の間に、該成形品空室の間隔で穴の 穿設されたテープ(11)を、その間隔を一致させて配設した後、上下金型を閉じる とともに、成形時に金型の成型品空室に配設されたテープ(11)の溶融樹脂の流動 圧による弛み、溶融樹脂の射出時におけるテープ(11)のずれ防止のために、テー プ(11)の穴の周囲を挟んで支持する金型ピンを前記上下金型より突出させて溶融 樹脂材料であるポリエステルを用いて射出成形するものである。

【００１２】 また、本考案の実施例に係るテープ付き雌スナップと係合するを構成するテー プ付き雄スナップ(2) は、テープ付き雌スナップ(1) と同様に、生地(4) に縫着 され、長尺のテープ(21)に多数の雄スナップ(20)を前記雌スナップ(10)と同一間 隔で一体成形した直径５ｍｍ、高さ５ｍｍ程度のものであり、前記一体成形され る雄スナップ(20)の表裏面には、金型ピン孔(24)が形成されており、図３に示す ように雌スナップ(10)の受穴(12)に雄スナップ(20)の突起(22)を挿入し、雌スナ ップの受穴係合部(13)と雄スナップの突起係合部(23)が係合することにより使用 するが、勿論、本考案におけるテープ付き雌スナップ(1) と係合するものであれ ば雄スナップは既製の金属製のものでもよく、本実施例に記載するテープ付き雄 スナップ(2) に限定されるものではない。

【００１３】 更に、実施例に示した雌スナップ(10)の隆起縁(15)に代えて、例えば、図４に 示すように任意の凸形状を有する識別用凸部(16)を前記雌スナップの表面に部分 的に設けてもよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案においては、雌スナップの受穴を雄スナップの当接面側の受穴の周囲に 隆起縁又は識別用凸部を設ける構成としたことから、前記雌スナップの表裏が視 認及び指先の感触で容易に判断することができ、テープ地自体の表裏の識別が容 易でない場合において、テープ付き雌スナップを生地へ縫着する際に、誤ってテ ープの表裏の間違いによる縫着のやり直しを未然に防止することができる。

【００１５】 また、係合時に雌雄スナップの間に間隙ができることから、雌雄スナップを取 り外す際においては、生地等を引っ張らずとも容易に前記間隙に指を当て、雌ス ナップを指で押上げて引き離すことができ、また生地等の引っ張りによって取り 外す場合においては、雌スナップを雄スナップに対して傾けるように取り外すこ とができることから、テープの雌スナップの外周縁と当接する部分に極端な負荷 がかからずテープ等の破れを防止することができる。

【００１６】 以上のように、本考案によれば、雌スナップの受穴の雄スナップ当接側の受穴 の周囲に隆起縁又は識別用凸部を設けるとともに、前記雄スナップの突起が着脱 自在に係合する構成としたことから、テープを生地に縫着する場合に、表裏面を 区別する必要もなく、その結果、取付作業のミスがなくなり、取付作業自体を容 易とすることを可能とするとともに、雌雄スナップの取り外し時において、テー プ等の破れを防止し、雌雄スナップの脱着を容易なものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例に係るテープ付き雌スナップ
を生地に縫着した状態を示す平面図である。

【図２】 図１におけるＡ−Ａ断面図である。

【図３】 本考案の実施例に係るテープ付き雌スナップ
を生地に取付け、雄スナップと係合した状態を示す断面
図である。

【図４】 隆起縁に代えて識別用凸部を用いた状態を示
す別の実施例に係る雌スナップの表面側を示す平面図で
ある。

【符号の説明】

(1) テープ付き雌スナップ (2) テープ付き雄スナップ (3) 生地 (4) 生地 (10) 雌スナップ (11) テープ (12) 受穴 (13) 受穴係合部 (14) 金型ピン穴 (15) 隆起縁 (16) 識別用凸部 (20) 雄スナップ (21) テープ (22) 突起 (23) 突起係合部 (24) 金型ピン穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個の雌スナップ(10)を所定間隔でテ
   ープ(11)に対して合成樹脂の一体成形により取付けたテ
   ープ付き雌スナップ(1) において、雌スナップにおける
   雄スナップ当接側の受穴(12)の周囲に隆起縁(15)又は識
   別用凸部(16)を設けた構成としたことを特徴とするテー
   プ付き雌スナップ。