JP3055029U - 掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアホースが細く柔軟で操作がしやすく、小
さな力で持ち上げることができ、収納スペースが小さ
く、ゴミの吸引効率の優れた掃除機を得る。 【解決手段】 エアフィルター１３Ａを内蔵する容器
（フィルター容器）１０と、吸引ファン２３を内蔵する
容器２０を、少なくとも一部区間が柔軟性を有するホー
ス３０で接続し、フィルター容器１０の吸気口１１に接
続した吸入パイプ４０を通して吸引ファン２３によって
ゴミを吸引し、エアフィルター１３Ａによって吸引した
ゴミを吸気から分離する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ファンによって空気と共にゴミを吸引する掃除機に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の掃除機としては、ファンとモーター及びエアフィルターが同一の本体容 器の中に納められたものが広く知られている。

【０００３】 上記の構成の掃除機としては、車輪を有する本体容器を床に置き、本体から伸 びた接続ホースと接続ホースの先端に連結した吸入パイプを通してゴミを吸い込 む床置き移動型掃除機、本体容器の下部に吸入口を有し、装置全体を吸入口を支 えにして床から持ち上げて使用する縦型掃除機、縦型掃除機と同じ構成で全体が 小型で片手で持ち上げて使用できる手持ち型掃除機、本体容器に接続したパイプ を壁の中に埋設し、壁面にパイプの吸入口を設置し、該吸入口に連結した接続ホ ースと接続ホースの先端に連結した吸入パイプを通してゴミを吸い込む、壁内配 管型掃除機が知られている。

【考案が解決しようとする課題】

【０００４】 従来の技術で述べた掃除機においては、接続ホースの内径をゴミが詰まらない ように十分に大きくしなければならならず、内径の大きな接続ホースが吸気によ る負圧によって潰れないようにするためにホースの壁の強度を大きくしなくては いけなかった。このため接続ホースは重量が大きく固くて曲がりにくいものとな り、ホースの操作感が重くなる。さらに収納時にもホース部分が多くのスペース を占有するという問題点を有していた。

【０００５】 また床置き移動型掃除機においては、本体容器を引きずって移動するために障 害物を避けるのに手間がかかるという問題点を有していた。

【０００６】 また縦型掃除機においては、装置全体を腕の力で立たせて移動するために長時 間使用するとやや疲れるという問題点を有していた。

【０００７】 さらに手持ち型掃除機においては、縦型掃除機より小型であるためにより軽量 ではあるが片手で長時間使用するには重いうえに、モーターが小型であるために 床置き移動型に比べて吸引力が小さいという問題点を有していた。

【０００８】 また壁内配管型掃除機においては壁内のパイプの内径とファンの吸引力を、パ イプ内にゴミが詰まらないように十分に大きくしなければならず、配管工事が大 がかりになるという問題点を有していた。

【０００９】 本考案は、上記のような状況を考慮し、移動時に床の障害物が避けやすく、腕 で持ち上げる重量が小さく、接続ホースが細く軽く柔軟で操作がしやすく、収納 スペースが小さく、ゴミの吸引効率の優れた掃除機を得ることを目的としている 。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案における掃除機は、吸気口と排気口を有しか つ該吸気口と排気口の間がエアフィルターによって仕切られているフィルター容 器、及び吸気口と排気口を有しかつ吸引ファンが内部に設置されているファン容 器を有し、フィルター容器の排気口とファン容器の吸気口がホースを介して接続 されており、該ホースの少なくとも一部区間が曲げ応力に対する柔軟性を有して おり、フィルター容器の吸気口に吸入パイプが接続されており、該吸入パイプを 通して該吸引ファンによってゴミを吸引し、フィルター容器の該エアフィルター によって吸引したゴミを吸気から分離する。

【００１１】 上記フィルター容器の内部を仕切るエアフィルターを袋状の形状とすることが 、後述する理由により効果的である。

【００１２】 また上記ファン容器の移動を容易にするために、該ファン容器が底面を床面か ら離す車輪を有することが効果的である。

【００１３】 本考案における掃除機を壁内配管型掃除機として使用するために、ファン容器 の吸気口に直接、或は連結ホースを介して接続された壁内パイプを建物の壁の内 部に設置し、該壁内パイプの開口部を壁面に設置し、該壁面の開口部とフィルタ ー容器の排気口を接続ホースを介して接続し、該接続ホースの少なくとも一部区 間に曲げ応力に対する柔軟性を持たせる構成が効果的である。

【００１４】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態について図面を参照して説明する。

【００１５】 図１〜図５に示した実施例おいて、掃除機は吸引ファン（２３）の回転によっ て、吸入パイプの吸入口（４１）から空気を吸い込み、フィルター容器（１０） 、ホース（３０、３１、３２、３３）、ファン容器（２０）の順に空気を流して 、最後にファン容器（２０）の排気口フィルター（２２）を通して排気する。ゴ ミは空気と供に吸入パイプの吸入口（４１）から吸い込まれ、フィルター容器（ １０）内部に設置されたエアフィルター（１３Ａ、１３Ｂ）によって気流から分 離され、フィルター容器（１０）の内部に貯留される。

【００１６】 図１〜図５に示した実施例おいて、フィルター容器（１０）の吸気口（１１） には吸入パイプ（４０）が差し込まれている。吸入パイプ（４０）は例えば硬質 のプラスチックなどから成型された円筒状の形状であり、フィルター容器（１０ ）に差し込む側の断面は円形であるが、反対側の端に近付くにつれ扁平になり長 円形の吸入口（４１）で終わっている。

【００１７】 吸入パイプ（４０）としては図示した形状の他に一般的な室内用の電気掃除機 と同様に先端の形状が様々なものが使用でき、フィルター容器（１０）に差し込 んだ吸入パイプ（４０）に、さらに別のパイプを継ぎ足して使用することもでき る。

【００１８】 図１〜図５に示した実施例おいて、フィルター容器（１０）は例えばプラスチ ックなどから成型された円筒状の形状であり、円筒の上面と底面にそれぞれ円形 の開口部を設けて吸気口（１１）と排気口（１２）にしている。また円筒の側面 にはＵ字状の突起を設けて円筒容器を持ち上げる際の取っ手（１４）としている 。吸気口（１１）側から３分の１程度の高さの位置で円筒は軸に垂直の面で二つ に分離しており、吸気口（１１）側の部分はフィルター容器のふた（１５）とな っている。

【００１９】 フィルター容器（１０）の吸気口（１１）の内側の縁には薄い円形のゴムの膜 などよりなる弁（１７）を取り付けて、一度吸入したゴミが吸気口（１１）から 外部にこぼれるのを防いでいる。弁（１７）の取り付け方法としては例えば吸気 口（１１）の内側の縁に筒状の突起を設け、該筒状の突起に弁（１７）と一体の ゴムのリングを被せることができる。

【００２０】 図１〜図２に示した実施例おいては、エアフィルター（１３Ａ）は多孔性の平 板状の膜からなり、フィルター容器（１０）の排気口（１２）に近い側に円周状 に設けた突起（１８Ａ）に例えば接着剤で固定している。

【００２１】 また図１〜図２に示した実施例おいては、フィルター容器のふた（１５）は例 えばフィルター容器の本体と同じ材質であり、ちょうつがい（１６）を介して本 体と接続し、分離面の両端にはふたと本体を噛み合わせて固定するための突起（ １５１、１０１）を設けている。

【００２２】 図３〜図５に示した実施例おいては、エアフィルター（１３Ｂ）は例えばセル ロース繊維よりなる多孔性の袋状の膜からなり、例えば厚紙よりなる中央に孔の 開いた円形の取り付け枠（１３１）に接着剤を用いて接着し、該取り付け枠（１ ３１）をフィルター容器（１０）の本体内部に設けた円周状の突起（１８Ｂ）と フィルター容器のふたのかみあわせ突起（１５１）の間に挟むことによって固定 している。この際、エアフィルター（１３Ｂ）は、フィルター容器（１０）に固 着していないため、他の一般的な室内用の電気掃除機と同様に取り付け枠（１３ １）ごと交換することができる。

【００２３】 図１〜図２に示した実施例において用いたフィルター容器（１０）に固着され た平板状エアフィルター（１３Ａ）と、図３〜図５に示した実施例において用い た交換可能な袋状エアフィルター（１３Ｂ）は併用することができる。両エアフ ィルターの併用によってより確実に気流からゴミを分離することができる。

【００２４】 図１〜図４に示した実施例おいて、フィルター容器（１０）の排気口（１２） と、ファン容器（２０）の吸気口（２１）は一本の柔軟な材質の接続ホース（３ ０）によって連絡されている。接続ホース（３０）としては例えばゴム管を使用 することができる。ゴム管の内径は例えば一般的なガスレンジとガス栓の接続に 使用されているガス管と同じ程度でもよい。

【００２５】 図５に示した実施例おいては、ファン容器（２０）の吸気口（２１）に連結ホ ース（３１）を接続し、該連結パイプを建物の壁材（５０）を貫通する壁内パイ プ（３２）に接続し、該壁内パイプ（３２）とフィルター容器（１０）の排気口 （１２）を接続ホース（３３）によって接続している。連結ホース（３１）と接 続ホース（３３）は図１〜図４の接続ホース（３０）と同様に例えばゴムなどの 柔軟な素材よりなり、壁内パイプ（３２）は例えばプラスチックなどのゴムより も固い材質よりなる。

【００２６】 図１〜図５に示した実施例においては、ファン容器（２０）は例えばプラス チックよりなり曲面の面取りをした直方体状の形状をしている。ファン容器（２ ０）の内部には電気を動力とするファンモーター（２４）を例えばプラスチック よりなる固定枠（２７）を用いて固定している。該ファンモーター（２４）の回 転軸には例えばアルミニウム板よりなるファン（２３）を固定している。

【００２７】 図４に示した実施例おいて、方向転換が可能な一つの前輪（２５Ａ）と一対の 後輪（２５Ｂ）を、例えばファン容器（２０）の外部にもうけた突起を軸受とし 金属の棒を車軸（２６Ａ、２６Ｂ）としてファン容器（２０）の外部に接続して いる。該車輪（２５Ａ、２５Ｂ）は、ファン容器（２０）を平らな床に置いたと きに底面が床面から離れるような位置に設置する。

【００２８】 図５に示した実施例おいては、ファン容器（２０）は建物の外に設置されてお り、ファン容器（２０）の底面にスタンド（２８）を設置している。該スタンド （２８）は、例えばファン容器（２０）の突起の下部に重しとして直方体のコン クリートを金属ボルトで固定したものを用いることができる。

【００２９】

【考案の効果】

本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。

【００３０】 フィルター容器（１０）とファン容器（２０）をつなぐ接続ホース（３０、３ １、３２、３３）は既にエアフィルター（１３Ａ、１３Ｂ）によって気流からゴ ミが分離されているので、従来の掃除機の接続ホースと異なりゴミを通過させる 必要がない。このため従来の掃除機の接続ホースよりはるかに内径の小さなホー スを使用することができる。さらに接続ホースの内径が小さいとホース内外の圧 力差に対して抵抗する強度が大きくなるため、ホースの壁材をより薄く柔軟なも のにできる。この内径の小ささと柔軟で薄い材質のために接続ホース全体を軽く 柔軟にすることができる。このため従来の掃除機に比べて使用時に接続ホースを 持ち上げたり曲げたりする操作が行いやすい。また収納時にも接続ホースを小さ く巻くことができるため収納スペースが小さくてすむ。

【００３１】 さらに接続ホースの操作のしやすさと収納スペースの小ささのために従来の掃 除機の接続ホースより長いホースを使用することもできるため、ファン容器（２ ０）を大きく移動させずに手持ち型の掃除機と同様の感覚で掃除をすることがで きる。

【００３２】 また図４に示した実施例のようにファン容器（２０）に車輪（２５Ａ、２５Ｂ ）をつけて床を移動させながら掃除をする場合、従来の床置き移動型掃除機に比 べてフィルター容器（１０）が分離している分だけ本体が小さく床の上の障害物 を避けやすい。

【００３３】 さらに従来の縦型掃除機や手持ち型掃除機にくらべて、本発明のフィルター容 器（１０）は内部にファンモーター（２４）が入っていないためにはるかに軽く 、長時間使用しても腕が疲れにくい。

【００３４】 またファンモーター（２４）を直接に持ち上げて使用する必要がないため、ハ ンディ型掃除機より軽く操作しやすいにもかかわらず吸引能力の高い大型モータ ーを使用できる。

【００３５】 さらにホース（３０、３１、３２、３３）の途中にゴミが詰まって気流を妨げ ることがなく、かつゴミの移動距離が小さいためゴミの移動に伴って生じる空気 抵抗が少なく、ファンモーター（２４）の出力の割にゴミの吸引効率がよい。

【００３６】 また図５に示した実施例のような壁内配管型掃除機の場合、従来の壁内配管型 掃除機と比較して壁内パイプ（３２）が細いため小規模な工事で掃除機を設置す ることができる。

【００３７】 さらに上記壁内配管型掃除機の場合、壁内パイプ（３２）をゴミが通らないた め、パイプの途中にゴミが詰まる心配がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】掃除機の側断面図である。

【図２】掃除機の側面図である。

【図３】エアフィルターが袋状の掃除機の側断面図であ
る。

【図４】車輪を有する掃除機の側面図である。

【図５】パイプを壁内に設置した掃除機の側断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ フィルター容器 １０１ フィルター容器のかみ合わせ突起 １１ フィルター容器の吸気口 １２ フィルター容器の排気口 １３Ａ 平板状エアフィルター １３Ｂ 袋状エアフィルター １３１ エアフィルターの取り付け枠 １４ 取っ手 １５ フィルター容器のふた １５１ フィルター容器のふたのかみ合わせ突起 １６ ちょうつがい １７ 弁 １８Ａ エアフィルターの固定枠 １８Ｂ エアフィルターの取り付け枠の固定枠 ２０ ファン容器 ２１ ファン容器の吸気口 ２２ ファン容器の排気口および排気口フィルター ２３ 吸引ファン ２４ ファンモーター ２５Ａ 前輪 ２５Ｂ 後輪 ２６Ａ 前輪の車軸 ２６Ｂ 後輪の車軸 ２７ ファンモーターの固定枠 ２８ ファン容器のスタンド ３０、３３ 接続ホース ３１ 連結ホース ３２ 壁内パイプ ４０ 吸入パイプ ４１ 吸入パイプの吸入口 ５０ 壁材 ５１ 屋内側 ５２ 屋外側 ５３ 床材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気口（１１）と排気口（１２）を有し
   かつ該吸気口（１１）と排気口（１２）の間がエアフィ
   ルター（１３Ａ、１３Ｂ）によって仕切られている容器
   （１０）（以下フィルター容器と称する）、及び吸気口
   （２１）と排気口（２２）を有しかつ吸引ファン（２
   ３）が内部に設置されている容器（２０）（以下ファン
   容器と称する）を有し、フィルター容器の排気口（１
   ２）とファン容器の吸気口（２１）がホース（３０、３
   １、３２、３３）を介して接続されており、該ホース
   （３０、３１、３２、３３）の少なくとも一部区間が曲
   げ応力に対する柔軟性を有しており、フィルター容器の
   吸気口（１１）に吸入パイプ（４０）が接続されてお
   り、該吸入パイプ（４０）を通して該吸引ファン（２
   ３）によってゴミを吸引し、フィルター容器の該エアフ
   ィルター（１３Ａ、１３Ｂ）によって吸引したゴミを吸
   気から分離することを特徴とする掃除機。
2. 【請求項２】 フィルター容器（１０）の内部を仕切る
   エアフィルター（１３Ｂ）が袋状の形状であることを特
   徴とする、請求項１記載の掃除機。
3. 【請求項３】 ファン容器（２０）が、該ファン容器の
   底面を床面から離す車輪（２５Ａ、２５Ｂ）を有するこ
   とを特徴とする、請求項１記載の掃除機。
4. 【請求項４】 ファン容器（２０）の吸気口（２１）に
   直接、或は連結ホース（３１）を介して接続された壁内
   パイプ（３２）を建物の壁（５０）の内部に設置し、該
   壁内パイプ（３２）の開口部が壁面に設置されており、
   該壁面の開口部とフィルター容器（１０）の排気口（１
   ２）を接続ホース（３３）を介して接続し、該接続ホー
   ス（３３）の少なくとも一部区間が曲げ応力に対する柔
   軟性を有していることを特徴とする、請求項１記載の掃
   除機。