JP3054770B2 - 記録の再生方法 - Google Patents
記録の再生方法Info
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- JP3054770B2 JP3054770B2 JP1110359A JP11035989A JP3054770B2 JP 3054770 B2 JP3054770 B2 JP 3054770B2 JP 1110359 A JP1110359 A JP 1110359A JP 11035989 A JP11035989 A JP 11035989A JP 3054770 B2 JP3054770 B2 JP 3054770B2
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- JP
- Japan
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- recording
- light
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- film crystal
- crystal
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の分野〕 本発明は、熱エネルギーの印加又は光照射により記録
された情報の再生に関し、詳しくは結晶薄膜中に結晶状
態の変化として記録された情報の再生方法に関する。
された情報の再生に関し、詳しくは結晶薄膜中に結晶状
態の変化として記録された情報の再生方法に関する。
近年、情報を熱エネルギーの形で印加し、記録材料の
形状変化や物性変化として記録するいわゆるヒートモー
ド記録システムが実用化されつつある。このようなヒー
トモード記録媒体としては、Te、Bi、Se、Tb、Inなどを
主成分とする金属材料を用いた無機系の記録媒体、ある
いは、シアニンなどのポリメチン系色素、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン、ポルフィリンなどの大環状アザ
アヌレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素
およびジチオール金属錯体系色素などの有機色素を用い
た記録媒体が知られている。これらの記録媒体は集光し
たレーザー光の照射などにより熱エネルギーが加えられ
ると、照射部分の記録層が溶融あるいは蒸発して孔(ピ
ット)を形成し、情報を記録するものである。しかし、
これらの記録媒体は、記録した情報を消去して、再び新
しい情報を記録する可逆性を有していない。
形状変化や物性変化として記録するいわゆるヒートモー
ド記録システムが実用化されつつある。このようなヒー
トモード記録媒体としては、Te、Bi、Se、Tb、Inなどを
主成分とする金属材料を用いた無機系の記録媒体、ある
いは、シアニンなどのポリメチン系色素、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン、ポルフィリンなどの大環状アザ
アヌレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素
およびジチオール金属錯体系色素などの有機色素を用い
た記録媒体が知られている。これらの記録媒体は集光し
たレーザー光の照射などにより熱エネルギーが加えられ
ると、照射部分の記録層が溶融あるいは蒸発して孔(ピ
ット)を形成し、情報を記録するものである。しかし、
これらの記録媒体は、記録した情報を消去して、再び新
しい情報を記録する可逆性を有していない。
上記のような再生専用、追記型のヒートモード光記録
媒体の発達とともに、記録、再生、消去が可能な可逆記
録媒体の必要性が高まっている。
媒体の発達とともに、記録、再生、消去が可能な可逆記
録媒体の必要性が高まっている。
こうした可逆記録媒体として、たとえばGd、Tb、Dyな
ど希土類元素とFe、Ni、Coなどの遷移金属とからなる合
金薄膜を用いた光磁気記録媒体がある。これは、レーザ
ー光照射による加熱と外部印加磁界を併用して記録し、
磁化の向きによる光の振動面の回転方向の違いを利用し
て再生するものである。また、情報の消去はレーザーに
よる加熱と記録時とは逆向きの外部磁界を加えることに
より行なわれる。しかし、この光磁気記録媒体は偏光を
利用して再生を行なうが、記録部と非記録部の差が小さ
いため再生時の感度が十分でなくS/N比が悪いこと、ま
た、記録層も酸化などの影響により記録感度の劣化や記
録の安定性に問題があるなどの欠点を有している。
ど希土類元素とFe、Ni、Coなどの遷移金属とからなる合
金薄膜を用いた光磁気記録媒体がある。これは、レーザ
ー光照射による加熱と外部印加磁界を併用して記録し、
磁化の向きによる光の振動面の回転方向の違いを利用し
て再生するものである。また、情報の消去はレーザーに
よる加熱と記録時とは逆向きの外部磁界を加えることに
より行なわれる。しかし、この光磁気記録媒体は偏光を
利用して再生を行なうが、記録部と非記録部の差が小さ
いため再生時の感度が十分でなくS/N比が悪いこと、ま
た、記録層も酸化などの影響により記録感度の劣化や記
録の安定性に問題があるなどの欠点を有している。
また、可逆記録媒体として、Ge、Te、Se、Sb、In、Sn
などの元素を主成分とする無機材料薄膜からなる記録層
の結晶−非晶質間の相転移を利用したものがある。この
記録媒体はレーザー光の照射のみで、ヒートモード記録
および消去ができ、反射率の差で再生を行なうものであ
るが、記録部と非記録部の反射率の差が小さいため、読
み出しの速度や信頼性に問題を残している。
などの元素を主成分とする無機材料薄膜からなる記録層
の結晶−非晶質間の相転移を利用したものがある。この
記録媒体はレーザー光の照射のみで、ヒートモード記録
および消去ができ、反射率の差で再生を行なうものであ
るが、記録部と非記録部の反射率の差が小さいため、読
み出しの速度や信頼性に問題を残している。
一方、特開昭54−119377、同55−154198、同63−3937
8、同63−41186号公報には、樹脂マトリックス材と、こ
のマトリックス材中に微粒子分散状態で存在する有機低
分子物質からなる熱記録材料が開示されている。この記
録材料はある温度以上に加熱し冷却すると、白濁状態
(遮光状態)になり、またある温度範囲に加熱し冷却す
ると透明状態となり、この遮光性の可逆的な変化により
記録が行なわれる。しかし、この遮光性によるコントラ
ストは、通常目視で観察できる程度の大きさの記録の場
合には明瞭であったとしても、数μm程度の小さな部分
が変化してできた記録部を顕微鏡的に拡大して観察する
場合には記録として確認できない程度の低いコントラス
トとなってしまう。記録層中では有機低分子物質の微粒
子のマトリックス中での状態によって、光の散乱性が変
化しているのであるが、記録部分の大きさが数μm程度
になってしまうと、記録部分の大きさに対してこの微粒
子の大きさがこのような散乱を起こすには十分なほどの
小ささではなくなってしまうためである。これを補なう
ためには、記録の大きさに比べ記録層の厚さをはるかに
厚くすることが考えられるが、このように厚い記録層を
厚さ方向に全体に均一に加熱して小さな記録部を形成す
ることは、実質的に困難である。したがって、高密度な
記録を行なう記録媒体に適用することはできない。ま
た、上記の点は記録を消去する場合にも同様であり、微
小な記録部を他の隣接する記録部に影響を与えることな
く完全に消去することは難しい。したがって上記方法
は、特に高密度な記録・消去には適していない。このよ
うに従来の記録媒体を用いた記録の再生方法では、記録
部と非記録部のコントラストが十分に得られないという
問題があった。
8、同63−41186号公報には、樹脂マトリックス材と、こ
のマトリックス材中に微粒子分散状態で存在する有機低
分子物質からなる熱記録材料が開示されている。この記
録材料はある温度以上に加熱し冷却すると、白濁状態
(遮光状態)になり、またある温度範囲に加熱し冷却す
ると透明状態となり、この遮光性の可逆的な変化により
記録が行なわれる。しかし、この遮光性によるコントラ
ストは、通常目視で観察できる程度の大きさの記録の場
合には明瞭であったとしても、数μm程度の小さな部分
が変化してできた記録部を顕微鏡的に拡大して観察する
場合には記録として確認できない程度の低いコントラス
トとなってしまう。記録層中では有機低分子物質の微粒
子のマトリックス中での状態によって、光の散乱性が変
化しているのであるが、記録部分の大きさが数μm程度
になってしまうと、記録部分の大きさに対してこの微粒
子の大きさがこのような散乱を起こすには十分なほどの
小ささではなくなってしまうためである。これを補なう
ためには、記録の大きさに比べ記録層の厚さをはるかに
厚くすることが考えられるが、このように厚い記録層を
厚さ方向に全体に均一に加熱して小さな記録部を形成す
ることは、実質的に困難である。したがって、高密度な
記録を行なう記録媒体に適用することはできない。ま
た、上記の点は記録を消去する場合にも同様であり、微
小な記録部を他の隣接する記録部に影響を与えることな
く完全に消去することは難しい。したがって上記方法
は、特に高密度な記録・消去には適していない。このよ
うに従来の記録媒体を用いた記録の再生方法では、記録
部と非記録部のコントラストが十分に得られないという
問題があった。
このような観点から、本発明は情報の記録、再生およ
び消去が可能な記録媒体を用い、高密度に記録された情
報を高速かつ正確に読み出すことができる記録の再生方
法を提供するものである。
び消去が可能な記録媒体を用い、高密度に記録された情
報を高速かつ正確に読み出すことができる記録の再生方
法を提供するものである。
本発明者らは、以上のような目的から有機化合物結晶
への記録を検討した結果、光学的異方性のある薄膜状結
晶に瞬間的に熱を印加すると、部分的に結晶状態が変化
し、さらに適当な温度に再加熱することにより元の結晶
状態に戻ること、それに伴なって偏光特性が大きく変化
することを見い出した。本発明はこのような結晶状態の
可逆的な変化に基づいてなされたものである。
への記録を検討した結果、光学的異方性のある薄膜状結
晶に瞬間的に熱を印加すると、部分的に結晶状態が変化
し、さらに適当な温度に再加熱することにより元の結晶
状態に戻ること、それに伴なって偏光特性が大きく変化
することを見い出した。本発明はこのような結晶状態の
可逆的な変化に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の記録の再生方法は、 光学的異方性を有する有機薄膜状結晶からなるか、ま
たはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、
熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷する
ことにより結晶化させ、この部分に、分子の配向方向の
変化を伴う結晶状態の変化を生じさせることにより偏光
特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し記録層
を透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録部の偏
光特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部からの光
の強度差により記録を読み出すことを特徴とするもので
あり、 また、光学的異方性を有する有機薄膜状結晶からなる
か、またはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒
体に、熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急
冷することにより結晶化させ、この部分に、薄膜状結晶
の部分的な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じさせる
ことにより偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光
を入射し記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部
と非記録部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非
記録部からの光の強度差により記録を読み出すことを特
徴とするものであり、 また、照射された光の一部または全部を吸収し、熱に
変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的異方
性を有する有機薄膜結晶からなるか、またはその薄膜状
結晶を含む記録層とを有する記録媒体または該光熱変換
物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変換物質
と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、光を
照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷するこ
とにより結晶化させ、この部分に、分子の配向方向の変
化を伴う結晶状態の変化を生じさせることにより偏光特
性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し記録層を
透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録部の偏光
特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部からの光の
強度差により記録を読み出すことを特徴とするものであ
り、 また、照射された光の一部または全部を吸収し、熱に
変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的異方
性を有する有機薄膜状結晶からなるか、またはその薄膜
状結晶を含む記録層を有する記録媒体または該光熱変換
物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変換物質
と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、光を
照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷するこ
とにより結晶化させ、この部分に、薄膜状結晶の部分的
な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じさせることによ
り偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し
記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録
部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部か
らの光の強度差により記録を読み出すことを特徴とする
ものである。
たはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、
熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷する
ことにより結晶化させ、この部分に、分子の配向方向の
変化を伴う結晶状態の変化を生じさせることにより偏光
特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し記録層
を透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録部の偏
光特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部からの光
の強度差により記録を読み出すことを特徴とするもので
あり、 また、光学的異方性を有する有機薄膜状結晶からなる
か、またはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒
体に、熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急
冷することにより結晶化させ、この部分に、薄膜状結晶
の部分的な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じさせる
ことにより偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光
を入射し記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部
と非記録部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非
記録部からの光の強度差により記録を読み出すことを特
徴とするものであり、 また、照射された光の一部または全部を吸収し、熱に
変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的異方
性を有する有機薄膜結晶からなるか、またはその薄膜状
結晶を含む記録層とを有する記録媒体または該光熱変換
物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変換物質
と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、光を
照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷するこ
とにより結晶化させ、この部分に、分子の配向方向の変
化を伴う結晶状態の変化を生じさせることにより偏光特
性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し記録層を
透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録部の偏光
特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部からの光の
強度差により記録を読み出すことを特徴とするものであ
り、 また、照射された光の一部または全部を吸収し、熱に
変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的異方
性を有する有機薄膜状結晶からなるか、またはその薄膜
状結晶を含む記録層を有する記録媒体または該光熱変換
物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変換物質
と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体に、光を
照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急冷するこ
とにより結晶化させ、この部分に、薄膜状結晶の部分的
な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じさせることによ
り偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し
記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録
部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部か
らの光の強度差により記録を読み出すことを特徴とする
ものである。
また、本発明の記録の再生方法は、上記の光学的異方
性を有する有機薄膜状結晶が脂肪酸または脂肪酸誘導
体、安息香酸誘導体あるいは融点が50℃以上のn−アル
カンまたはその誘導体を主成分とするものである。
性を有する有機薄膜状結晶が脂肪酸または脂肪酸誘導
体、安息香酸誘導体あるいは融点が50℃以上のn−アル
カンまたはその誘導体を主成分とするものである。
以下に本発明の記録の再生方法について詳細に説明す
る。
る。
本発明の記録の再生方法に用いる記録媒体は、光学的
異方性を有する有機薄膜状結晶を含む記録層を設けたも
のであるが、このような記録層を作るための代表的な材
料をあげると、たとえば脂肪酸または脂肪酸誘導体、安
息香酸誘導体あるいは融点が50℃以上のn−アルカンま
たはその誘導体などがある。
異方性を有する有機薄膜状結晶を含む記録層を設けたも
のであるが、このような記録層を作るための代表的な材
料をあげると、たとえば脂肪酸または脂肪酸誘導体、安
息香酸誘導体あるいは融点が50℃以上のn−アルカンま
たはその誘導体などがある。
ここで用いる脂肪酸または脂肪酸誘導体とは、詳しく
は、飽和または不飽和のモノまたはジカルボン酸または
これらのエステル、アミド、アニリド、ヒドラジド、ウ
レイド、無水物あるいは、アンモニウム塩または金属塩
のような脂肪酸塩であり、エステルは、2個以上のヒド
ロキシ基を持つ化合物とのエステルたとえば、モノ、ジ
またはトリグリセリドなどを含む。また、これらのもの
はハロゲン、ヒドロキシ基、アシル基、アシルオキシ基
あるいは置換または無置換のアリール基により置換され
ていてもよい。これらの飽和または不飽和脂肪酸は直鎖
のものでも枝分れしたものでもよく、不飽和脂肪酸は二
重結合または三重結合を1個持つものでも、2個以上持
つものでもよい。これらの飽和または不飽和脂肪酸の炭
素数は10以上であることが好ましい。
は、飽和または不飽和のモノまたはジカルボン酸または
これらのエステル、アミド、アニリド、ヒドラジド、ウ
レイド、無水物あるいは、アンモニウム塩または金属塩
のような脂肪酸塩であり、エステルは、2個以上のヒド
ロキシ基を持つ化合物とのエステルたとえば、モノ、ジ
またはトリグリセリドなどを含む。また、これらのもの
はハロゲン、ヒドロキシ基、アシル基、アシルオキシ基
あるいは置換または無置換のアリール基により置換され
ていてもよい。これらの飽和または不飽和脂肪酸は直鎖
のものでも枝分れしたものでもよく、不飽和脂肪酸は二
重結合または三重結合を1個持つものでも、2個以上持
つものでもよい。これらの飽和または不飽和脂肪酸の炭
素数は10以上であることが好ましい。
飽和脂肪酸の具体例としては、たとえば、ウンデカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パル
ミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデカン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、モンタン酸、メリシン酸などがあり、不飽和脂肪酸
としては、たとえば、オレイン酸、エライジン酸、リノ
ール酸、ソルビン酸、ステアロール酸などがある。また
エステルの具体例としては、たとえば、これらの脂肪酸
のメチルエステル、エチルエステル、ヘキシルエステ
ル、オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエス
テル、テトラデシルエステル、ステアリルエステル、エ
イコシルエステル、ドコシルエステルなどがある。ま
た、金属塩の例としては、たとえば、これらの脂肪酸の
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ニ
ッケル、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウムな
どの金属塩である。
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パル
ミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデカン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、モンタン酸、メリシン酸などがあり、不飽和脂肪酸
としては、たとえば、オレイン酸、エライジン酸、リノ
ール酸、ソルビン酸、ステアロール酸などがある。また
エステルの具体例としては、たとえば、これらの脂肪酸
のメチルエステル、エチルエステル、ヘキシルエステ
ル、オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエス
テル、テトラデシルエステル、ステアリルエステル、エ
イコシルエステル、ドコシルエステルなどがある。ま
た、金属塩の例としては、たとえば、これらの脂肪酸の
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ニ
ッケル、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウムな
どの金属塩である。
また、ここで言う安息香酸誘導体とは、詳しくは下記
一般式で表わされる安息香酸およびそのエステル、アミ
ド、アニリドなどが含まれる。また、この他に地縁され
ていてもよいヒドラジド、ウレイドあるいは無水物、金
属塩、アンモニウム塩などの塩類が含まれる。また、エ
ステルは一般式(II)で表わされる化合物以外に、脂肪
族炭化水素化合物の多価アルコールあるいは、複数のヒ
ドロキシ基を持つ芳香族炭化水素とのエステルを含む。
一般式で表わされる安息香酸およびそのエステル、アミ
ド、アニリドなどが含まれる。また、この他に地縁され
ていてもよいヒドラジド、ウレイドあるいは無水物、金
属塩、アンモニウム塩などの塩類が含まれる。また、エ
ステルは一般式(II)で表わされる化合物以外に、脂肪
族炭化水素化合物の多価アルコールあるいは、複数のヒ
ドロキシ基を持つ芳香族炭化水素とのエステルを含む。
一般式中のR1、R2、R3、およびその他の安息香酸誘導
体の置換基としては、たとえば、水素、アルキル基、ア
ルコキシ基またはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、アントラニル基などのアリール基であり、R1はこれ
らの他、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン、ニトロ
基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基およびそ
のエステル、置換されていてもよいカルバモイル基、ス
ルホ基およびそのエステル、あるいはアルキル基、フェ
ニル基、置換フェニル基で置換されていてもよいアミノ
基などがある。また、上記のアルキル基、アルコキシ
基、アリール基は、R1と同様の置換基で置換されていて
もよい。また、アルキル基、アルコキシ基は直鎖状のも
のでも枝分れしたものでもよく、炭素数2個以上のもの
にあっては炭素鎖中に、1個以上の不飽和結合を含んで
いてもよい。
体の置換基としては、たとえば、水素、アルキル基、ア
ルコキシ基またはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、アントラニル基などのアリール基であり、R1はこれ
らの他、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン、ニトロ
基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基およびそ
のエステル、置換されていてもよいカルバモイル基、ス
ルホ基およびそのエステル、あるいはアルキル基、フェ
ニル基、置換フェニル基で置換されていてもよいアミノ
基などがある。また、上記のアルキル基、アルコキシ
基、アリール基は、R1と同様の置換基で置換されていて
もよい。また、アルキル基、アルコキシ基は直鎖状のも
のでも枝分れしたものでもよく、炭素数2個以上のもの
にあっては炭素鎖中に、1個以上の不飽和結合を含んで
いてもよい。
また、ここで言う、n−アルカンの誘導体とは、炭素
鎖中に1個または複数個の二重結合または三重結合を含
む化合物、水素原子が1個以上ハロゲン原子で置換され
た化合物、および末端の炭素原子にアルキル基、アルコ
キシ基で置換されていてもよいベンゼン環が結合した化
合物である。n−アルカンの具体例としては、たとえ
ば、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ペプ
タコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタ
ン、ドトリアコンタン、テトラトリアコンタン、ヘキサ
トリアコンタン、オクタトリアコンタン、テトラコンタ
ンなどのn−アルカンまたはこれらを主成分とする混合
物、いわゆるパラフィン、パラフィンろうがある。また
誘導体としては、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセ
ン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−テト
ラトリアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オ
クタトリアコンテン、1−テトラコンテン、ドコシルベ
ンゼン、テトラコシルベンゼン、ヘキサコシルベンゼ
ン、オクタコシルベンゼン、トリアコンチルベンゼン、
トリトリアコンチルベンゼン、テトラトリアコンチルベ
ンゼン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、1,18−ジブロ
ムオクタデカン、1,20−ジブロムエイコサン、1,22−ジ
ブロムドコサンなどがある。
鎖中に1個または複数個の二重結合または三重結合を含
む化合物、水素原子が1個以上ハロゲン原子で置換され
た化合物、および末端の炭素原子にアルキル基、アルコ
キシ基で置換されていてもよいベンゼン環が結合した化
合物である。n−アルカンの具体例としては、たとえ
ば、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ペプ
タコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタ
ン、ドトリアコンタン、テトラトリアコンタン、ヘキサ
トリアコンタン、オクタトリアコンタン、テトラコンタ
ンなどのn−アルカンまたはこれらを主成分とする混合
物、いわゆるパラフィン、パラフィンろうがある。また
誘導体としては、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセ
ン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−テト
ラトリアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オ
クタトリアコンテン、1−テトラコンテン、ドコシルベ
ンゼン、テトラコシルベンゼン、ヘキサコシルベンゼ
ン、オクタコシルベンゼン、トリアコンチルベンゼン、
トリトリアコンチルベンゼン、テトラトリアコンチルベ
ンゼン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、1,18−ジブロ
ムオクタデカン、1,20−ジブロムエイコサン、1,22−ジ
ブロムドコサンなどがある。
使用する記録層の材料は、好ましくは融点が50〜200
℃、特に60〜150℃の範囲のものが好ましい。これより
低いと記録の保存性に問題があり、また高いと記録に要
するエネルギーが大きくなり記録速度がおそくなる。
℃、特に60〜150℃の範囲のものが好ましい。これより
低いと記録の保存性に問題があり、また高いと記録に要
するエネルギーが大きくなり記録速度がおそくなる。
本発明に用いる記録媒体の記録層には、これらの有機
化合物の1種または2種以上を混合して用いることがで
きる。また本発明に用いる記録層は、これらの有機化合
物を主成分とする薄膜状結晶を含むものであるが、これ
以外に層を形成する上で必要に応じ樹脂を用いることが
できる。樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重
合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、
ポリウレタン、シリコン樹脂などが挙げられる。記録層
中に樹脂を用いる場合、記録層全体で上記の有機化合物
1に対して、樹脂は重量比で3以下、特に1以下である
ことが好ましい。
化合物の1種または2種以上を混合して用いることがで
きる。また本発明に用いる記録層は、これらの有機化合
物を主成分とする薄膜状結晶を含むものであるが、これ
以外に層を形成する上で必要に応じ樹脂を用いることが
できる。樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重
合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、
ポリウレタン、シリコン樹脂などが挙げられる。記録層
中に樹脂を用いる場合、記録層全体で上記の有機化合物
1に対して、樹脂は重量比で3以下、特に1以下である
ことが好ましい。
本発明に用いる記録媒体の基板としては、ガラス板、
金属板、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート
などのプラスチック板などがある。ただし、情報記録
後、透過光により記録を読み取る場合には、その再生光
を透過する基板を用いる必要がある。また反射光により
読み取る場合には、必要に応じたとえば、白金、チタ
ン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アル
ミニウムなどの金属または半金属の層を設け、光の一部
を反射する反射層とする。
金属板、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート
などのプラスチック板などがある。ただし、情報記録
後、透過光により記録を読み取る場合には、その再生光
を透過する基板を用いる必要がある。また反射光により
読み取る場合には、必要に応じたとえば、白金、チタ
ン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アル
ミニウムなどの金属または半金属の層を設け、光の一部
を反射する反射層とする。
本発明の記録の再生方法では、記録は、記録媒体の記
録層に対し、記録すべき情報に従って熱エネルギーを印
加することにより行なわれるが、レーザー光などの照射
により熱エネルギーを印加する場合には、照射された光
の一部を吸収して熱に変換する層を設けるか、記録層中
に光を吸収して熱に変換する物質を含有する必要があ
る。この光吸収層は、たとえば、前記反射層と同様、白
金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウ
ム、アルミニウムなどの金属または半金属の層を設けれ
ばよく、この場合は反射層と兼用することができる。ま
た光吸収層は、照射した光を吸収する色素、たとえばア
ゾ系色素、シアニン系色素、ナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシア
ニン系色素、ナフトキノン系色素、ポリフィリン系色
素、インジゴ色素、ジチオール錯体系色素、アズレニウ
ム系色素、キノンイミン系色素、キノンジイミン系色素
などを含有する層であってもよく、色素は記録に用いる
光の波長により選択する。記録層中に光を吸収する物質
を含有させる場合にもこれらの色素が用いられる。
録層に対し、記録すべき情報に従って熱エネルギーを印
加することにより行なわれるが、レーザー光などの照射
により熱エネルギーを印加する場合には、照射された光
の一部を吸収して熱に変換する層を設けるか、記録層中
に光を吸収して熱に変換する物質を含有する必要があ
る。この光吸収層は、たとえば、前記反射層と同様、白
金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウ
ム、アルミニウムなどの金属または半金属の層を設けれ
ばよく、この場合は反射層と兼用することができる。ま
た光吸収層は、照射した光を吸収する色素、たとえばア
ゾ系色素、シアニン系色素、ナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシア
ニン系色素、ナフトキノン系色素、ポリフィリン系色
素、インジゴ色素、ジチオール錯体系色素、アズレニウ
ム系色素、キノンイミン系色素、キノンジイミン系色素
などを含有する層であってもよく、色素は記録に用いる
光の波長により選択する。記録層中に光を吸収する物質
を含有させる場合にもこれらの色素が用いられる。
本発明に用いられる記録媒体は、光学的異方性を有す
る有機薄膜状結晶であるか、またはこれを含む記録層を
有するものであり、その構成については特定するもので
はないが、通常よく用いられる記録媒体の構成例を第1
図から第5図に示す。
る有機薄膜状結晶であるか、またはこれを含む記録層を
有するものであり、その構成については特定するもので
はないが、通常よく用いられる記録媒体の構成例を第1
図から第5図に示す。
第1図は基板1上に光学的異方性を有する有機薄膜状
結晶であるか、またはこれを含む記録層2を形成した記
録媒体、第2図は基板1上に照射された光の一部を吸収
し熱に変換する光吸収層3(必要に応じ光の一部を反射
する層)を設け、その上に光学的異方性を有する有機薄
膜状結晶であるか、またはこれを含む記録層2を設けた
記録媒体、第3図は基板1上に記録層2を設け、その上
に光吸収層3を設けた記録媒体、第4図は第2図に示す
記録媒体の光吸収層3と記録層2の間に、たとえば、記
録層の膜質の向上などを目的とする下引き層4を設けた
記録媒体、第5図は第4図の記録媒体の記録層2の上に
さらに保護層5を設けた記録媒体である。
結晶であるか、またはこれを含む記録層2を形成した記
録媒体、第2図は基板1上に照射された光の一部を吸収
し熱に変換する光吸収層3(必要に応じ光の一部を反射
する層)を設け、その上に光学的異方性を有する有機薄
膜状結晶であるか、またはこれを含む記録層2を設けた
記録媒体、第3図は基板1上に記録層2を設け、その上
に光吸収層3を設けた記録媒体、第4図は第2図に示す
記録媒体の光吸収層3と記録層2の間に、たとえば、記
録層の膜質の向上などを目的とする下引き層4を設けた
記録媒体、第5図は第4図の記録媒体の記録層2の上に
さらに保護層5を設けた記録媒体である。
下引き層4には、前記の記録層2を形成するときに用
いてもよい樹脂の例のような種々の樹脂を用いることが
できる。また保護層5も同様にこれらの樹脂を用いる
か、あるいはガラス板を用いてもよい。ガラス板を用い
る場合には、下引き層と同様の目的で表面(記録層に接
する面)に同様の樹脂層を設けてもよいし、ガラス表面
の性質を改良する表面処理剤、たとえばシラン系または
チタネート系表面処理剤で処理したものであってもよ
い。
いてもよい樹脂の例のような種々の樹脂を用いることが
できる。また保護層5も同様にこれらの樹脂を用いる
か、あるいはガラス板を用いてもよい。ガラス板を用い
る場合には、下引き層と同様の目的で表面(記録層に接
する面)に同様の樹脂層を設けてもよいし、ガラス表面
の性質を改良する表面処理剤、たとえばシラン系または
チタネート系表面処理剤で処理したものであってもよ
い。
本発明に用いる記録媒体を製造するには、前記の基板
1上に必要に応じ光熱変換層3をたとえば前記のような
金属または半金属を用い、蒸着、スパッタあるいはメッ
キなどの手段によって形成し、その上に記録層2を形成
する。
1上に必要に応じ光熱変換層3をたとえば前記のような
金属または半金属を用い、蒸着、スパッタあるいはメッ
キなどの手段によって形成し、その上に記録層2を形成
する。
記録層2を形成する方法にはたとえば次のような方法
がある。まず、光熱変換層3を設けた基板の上に、必要
な記録層の厚さに応じたギャップを保ち保護層5に相当
するガラス板あるいは樹脂フィルムをかぶせる。ギャッ
プを作るために、記録層を形成する部分の周囲にスペー
サー層を設けておいてもよいし、あるいは、微小で均一
な径を有するギャップ材たとえばシリカ粒子、ポリスチ
レンビーズなどをあらかじめ光熱変換層側または保護層
側に付着させておいてもよい。このようにしてギャップ
を形成した基板全体を恒温槽中に入れるかホットプレー
ト上にのせ記録層に用いる材料の融点より高い温度に保
ち、ギャップの端部に溶融した材料を置きギャップ間に
浸み込ませる。得られた融液層を徐冷し結晶化させると
光熱変換層3と保護層5の間に、記録層の薄膜状結晶が
形成できる。このときギャップ間隔を一定に維持するた
め結晶化するまでの間、重りなどで加圧しておいてもよ
い。また気泡が入らないようにするため減圧下で行なっ
てもよい。また、別の製造方法としては、たとえば記録
層を形成する材料を適当な有機溶媒、たとえばテトラヒ
ドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、クロロホルム、四塩化炭素などに溶解し、スピン
コート法、ブレードコート法、ディップコート法などに
より塗布し乾燥するか、または蒸着法により、光熱変換
層3上に均一な厚さの層を形成する。この上に必要に応
じて、適当な溶媒に溶解した樹脂を塗布する。次に、こ
れを恒温槽中に入れるかホットプレート上にのせて、記
録層の材料の融点以上になるように加熱した後、徐冷す
ることにより結晶化させ記録層の薄膜状結晶を形成す
る。記録層の形成にはこの他、ラングミュア・ブロジェ
ット法など種々の方法を用いることができる。
がある。まず、光熱変換層3を設けた基板の上に、必要
な記録層の厚さに応じたギャップを保ち保護層5に相当
するガラス板あるいは樹脂フィルムをかぶせる。ギャッ
プを作るために、記録層を形成する部分の周囲にスペー
サー層を設けておいてもよいし、あるいは、微小で均一
な径を有するギャップ材たとえばシリカ粒子、ポリスチ
レンビーズなどをあらかじめ光熱変換層側または保護層
側に付着させておいてもよい。このようにしてギャップ
を形成した基板全体を恒温槽中に入れるかホットプレー
ト上にのせ記録層に用いる材料の融点より高い温度に保
ち、ギャップの端部に溶融した材料を置きギャップ間に
浸み込ませる。得られた融液層を徐冷し結晶化させると
光熱変換層3と保護層5の間に、記録層の薄膜状結晶が
形成できる。このときギャップ間隔を一定に維持するた
め結晶化するまでの間、重りなどで加圧しておいてもよ
い。また気泡が入らないようにするため減圧下で行なっ
てもよい。また、別の製造方法としては、たとえば記録
層を形成する材料を適当な有機溶媒、たとえばテトラヒ
ドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、クロロホルム、四塩化炭素などに溶解し、スピン
コート法、ブレードコート法、ディップコート法などに
より塗布し乾燥するか、または蒸着法により、光熱変換
層3上に均一な厚さの層を形成する。この上に必要に応
じて、適当な溶媒に溶解した樹脂を塗布する。次に、こ
れを恒温槽中に入れるかホットプレート上にのせて、記
録層の材料の融点以上になるように加熱した後、徐冷す
ることにより結晶化させ記録層の薄膜状結晶を形成す
る。記録層の形成にはこの他、ラングミュア・ブロジェ
ット法など種々の方法を用いることができる。
記録層中に光熱変換物質を含ませる場合には、たとえ
ば記録層の材料の溶液の中に前記の色素を同時に溶解す
るか、あるいは分散して塗布すればよい。
ば記録層の材料の溶液の中に前記の色素を同時に溶解す
るか、あるいは分散して塗布すればよい。
記録層の膜厚は、特に限定するものではないが通常10
Å〜10μm、好ましくは10Å〜5μm程度である。照射
された光の一部を吸収し熱に変換する層の厚さは、記録
に用いた光の波長や強度と用いた材料の種類により適当
な範囲が決まるが、おおむね50Å〜5μm程度である。
Å〜10μm、好ましくは10Å〜5μm程度である。照射
された光の一部を吸収し熱に変換する層の厚さは、記録
に用いた光の波長や強度と用いた材料の種類により適当
な範囲が決まるが、おおむね50Å〜5μm程度である。
本発明における記録は光学的異方性を有する有機薄膜
状結晶の部分的、かつ可逆的な結晶状態の変化を利用す
るものである。情報の記録および消去は熱の印加によっ
て行なわれ、その印加方法には種々の方法が考えられる
が、情報をより高密度に記録するためには、集光したレ
ーザー光の照射による方法が最も好ましい。この場合、
記録媒体には光を吸収し熱に変換する層を設けるか、あ
るいは光を吸収して熱に変換する物質を記録層中に加え
る必要がある。
状結晶の部分的、かつ可逆的な結晶状態の変化を利用す
るものである。情報の記録および消去は熱の印加によっ
て行なわれ、その印加方法には種々の方法が考えられる
が、情報をより高密度に記録するためには、集光したレ
ーザー光の照射による方法が最も好ましい。この場合、
記録媒体には光を吸収し熱に変換する層を設けるか、あ
るいは光を吸収して熱に変換する物質を記録層中に加え
る必要がある。
情報の記録は以下のようにして行なわれる。記録層の
レーザー光照射部分は、光吸収層または光吸収性物質が
光を吸収して発熱し、光学的異方性を有する有機薄膜状
結晶からなるか、またはこれを含む記録層は瞬時に加熱
され、レーザー光照射が止むと急激に冷却され、記録ピ
ット (ただし、ここで言うピットとは穴あるいはくぼみとい
う意味ではなく、薄膜状結晶中に結晶状態の変化として
記録された部分を便宜的にピットと呼ぶ)が形成され
る。
レーザー光照射部分は、光吸収層または光吸収性物質が
光を吸収して発熱し、光学的異方性を有する有機薄膜状
結晶からなるか、またはこれを含む記録層は瞬時に加熱
され、レーザー光照射が止むと急激に冷却され、記録ピ
ット (ただし、ここで言うピットとは穴あるいはくぼみとい
う意味ではなく、薄膜状結晶中に結晶状態の変化として
記録された部分を便宜的にピットと呼ぶ)が形成され
る。
このとき、記録層中では、薄膜状結晶の一部、すなわ
ち短時間のレーザー光照射により発熱した光吸収層(物
質)から伝わった熱によって瞬時に加熱された部分は、
結晶が完全に溶融する温度にまで到達する。しかし、レ
ーザー光照射が止むと熱は拡散し、この部分は瞬時に冷
却され、固化(結晶化)する。このように瞬時に加熱溶
融→冷却結晶化した部分の結晶状態は、熱が印加されて
いない部分の状態、すなわち周囲の非記録部の結晶状態
とは異なった状態となる。
ち短時間のレーザー光照射により発熱した光吸収層(物
質)から伝わった熱によって瞬時に加熱された部分は、
結晶が完全に溶融する温度にまで到達する。しかし、レ
ーザー光照射が止むと熱は拡散し、この部分は瞬時に冷
却され、固化(結晶化)する。このように瞬時に加熱溶
融→冷却結晶化した部分の結晶状態は、熱が印加されて
いない部分の状態、すなわち周囲の非記録部の結晶状態
とは異なった状態となる。
この結晶状態の変化とは、たとえば(1)結晶粒の大
きさ形態の変化、(2)結晶軸の方向の変化、または分
子の配向方向の変化、(3)結晶構造の変化などがあ
る。記録が行なわれる前の記録層は、全体がほぼ一様な
方向を向いて並んだ、ほぼ一様な厚さの薄膜状の結晶と
なっている。この変化のうち(1)の結晶粒の大きさ形
態の変化とは、たとえば薄膜状結晶の中の記録部が、小
さく分割された結晶の集合となったものである。この状
態の変化は、たとえば走査型電子顕微鏡などで、剥離し
た記録層を観察することにより確認できる。また(2)
の結晶軸方向の変化または分子配向方向の変化とは、た
とえば結晶構造は基本的には同じであるが、結晶の向い
ている方向、すなわち結晶軸の方向が異なって結晶化し
たもの、あるいは、これほどには明確ではないが、基本
的には何らかの配向をした分子の集合となっており、そ
の全体の配向方向が周囲の非記録部とは異なる場合であ
る。また、(3)の結晶構造の変化とは、記録部が周囲
の非記録部とは異なる結晶状態へ結晶化したものであ
り、この中には分子配列の規則性の乱れが大きく、ある
いは規則性を持つ範囲が非常にせまい、非晶状態に変化
する場合も含まれる。
きさ形態の変化、(2)結晶軸の方向の変化、または分
子の配向方向の変化、(3)結晶構造の変化などがあ
る。記録が行なわれる前の記録層は、全体がほぼ一様な
方向を向いて並んだ、ほぼ一様な厚さの薄膜状の結晶と
なっている。この変化のうち(1)の結晶粒の大きさ形
態の変化とは、たとえば薄膜状結晶の中の記録部が、小
さく分割された結晶の集合となったものである。この状
態の変化は、たとえば走査型電子顕微鏡などで、剥離し
た記録層を観察することにより確認できる。また(2)
の結晶軸方向の変化または分子配向方向の変化とは、た
とえば結晶構造は基本的には同じであるが、結晶の向い
ている方向、すなわち結晶軸の方向が異なって結晶化し
たもの、あるいは、これほどには明確ではないが、基本
的には何らかの配向をした分子の集合となっており、そ
の全体の配向方向が周囲の非記録部とは異なる場合であ
る。また、(3)の結晶構造の変化とは、記録部が周囲
の非記録部とは異なる結晶状態へ結晶化したものであ
り、この中には分子配列の規則性の乱れが大きく、ある
いは規則性を持つ範囲が非常にせまい、非晶状態に変化
する場合も含まれる。
これらの結晶状態の変化は、薄膜状結晶への部分的な
短時間の熱の印加、すなわち短時間の光照射によって起
こる溶融状態からの急冷に起因するものであるが、その
冷却速度は主に光照射の時間に依存する。集光したレー
ザー光に照射された微小な部分の温度変化を測定するこ
とは困難であるため、レーザー光の強度分布、光吸収と
熱伝導を考慮し、各層の厚さ、光吸収特性、熱伝導率、
比熱などの熱特性を表−1に示す値とし、記録層の温度
変化をシミュレーションすると、たとえば、80℃から60
℃まで冷却されるのに要する時間は、照射時間が100μs
ecでは約1.7μsec、照射時間が0.25μsecでは約15nsec
となり、その冷却速度の差は非常に大きい。したがっ
て、短時間の光照射(熱の印加)によって起こる結晶状
態の変化も、照射時間によって変化し一定ではない。た
とえば、微結晶化では、冷却速度が速いほどより微細化
する傾向が認められる。また、分子の配向状態とも関係
し、一般に冷却速度が速いほど配向の乱れが大きくなる
傾向があり、分子が規則的配列をとる範囲がせまく、結
晶化度の低い状態になる場合もある。ただし、このよう
な条件でも、少なくとも部分的には何らかの配向状態が
存在し、本発明の記録の再生方法においては、この記録
部の配向が、周囲の非記録部の配向方向と異なることに
よって特徴づけられる。このような記録による配向方向
の変化はたとえば記録層のX線回折を測定することによ
って確認できる。また、記録によって起こる前記
(1)、(2)、(3)の結晶状態の変化は、それぞれ
別々に起こるというよりは複合して起こるものである。
また、レーザー光を照射された記録層中の溶融した部分
の中は、光熱変換層からの距離やビームの中心からの距
離によって、到達温度、冷却速度が大きく異なり、それ
ぞれの場所で異なる条件で結晶化が起こるため、必ずし
も一様な状態とはならない。したがって、(1)、
(2)、(3)の結晶状態の変化は、ひとつの記録部内
においても、位置により様々な形で複合されて起こる。
短時間の熱の印加、すなわち短時間の光照射によって起
こる溶融状態からの急冷に起因するものであるが、その
冷却速度は主に光照射の時間に依存する。集光したレー
ザー光に照射された微小な部分の温度変化を測定するこ
とは困難であるため、レーザー光の強度分布、光吸収と
熱伝導を考慮し、各層の厚さ、光吸収特性、熱伝導率、
比熱などの熱特性を表−1に示す値とし、記録層の温度
変化をシミュレーションすると、たとえば、80℃から60
℃まで冷却されるのに要する時間は、照射時間が100μs
ecでは約1.7μsec、照射時間が0.25μsecでは約15nsec
となり、その冷却速度の差は非常に大きい。したがっ
て、短時間の光照射(熱の印加)によって起こる結晶状
態の変化も、照射時間によって変化し一定ではない。た
とえば、微結晶化では、冷却速度が速いほどより微細化
する傾向が認められる。また、分子の配向状態とも関係
し、一般に冷却速度が速いほど配向の乱れが大きくなる
傾向があり、分子が規則的配列をとる範囲がせまく、結
晶化度の低い状態になる場合もある。ただし、このよう
な条件でも、少なくとも部分的には何らかの配向状態が
存在し、本発明の記録の再生方法においては、この記録
部の配向が、周囲の非記録部の配向方向と異なることに
よって特徴づけられる。このような記録による配向方向
の変化はたとえば記録層のX線回折を測定することによ
って確認できる。また、記録によって起こる前記
(1)、(2)、(3)の結晶状態の変化は、それぞれ
別々に起こるというよりは複合して起こるものである。
また、レーザー光を照射された記録層中の溶融した部分
の中は、光熱変換層からの距離やビームの中心からの距
離によって、到達温度、冷却速度が大きく異なり、それ
ぞれの場所で異なる条件で結晶化が起こるため、必ずし
も一様な状態とはならない。したがって、(1)、
(2)、(3)の結晶状態の変化は、ひとつの記録部内
においても、位置により様々な形で複合されて起こる。
このような記録による結晶状態の変化を、より具体的
に説明するために、記録層の材料として代表的な脂肪酸
であるステアリン酸を用いた場合について示す。前述の
ようにして形成したステアリン酸薄膜状結晶によりなる
記録層(基板:ガラス、光熱変換層:クロム蒸着膜、保
護層:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)の未記録時の
結晶状態は、ステアリン酸のC型結晶であり、そのa
軸、b軸を基板とほぼ平行に配向している。これは、こ
の記録層のX線回折図(第6図)で、ステアリン酸C型
結晶の長面間隔(39.8Å)に起因する回折線(ただし、
n=2,3,4,5,7,8,9.10,12)のみが認められることから
わかる。一方、この記録層に、波長830nm、ビーム径1
μmφの半導体レーザー光を線速3500〜4000mm/sec、媒
体面での強度5mWで連続点灯し、記録ライン間の間隔を
とらず、スパイラル状に全面記録した後、測定したX線
回折図(第7図)では、未記録時に現われていたステア
リン酸C型長面間隔の回折線以外に、新たに21.6°に明
確な回折線が現われる。この回折線はC型結晶の短面間
隔(4.11Å)によるものであり、このことは、未記録時
にはa軸、b軸を基板にほぼ平行に配向していたもの
が、レーザー光の照射後は結晶の配向方向が変化して、
少なくとも部分的には、c軸を基板に対して平行に配向
した構造が形成されたことを示している。
に説明するために、記録層の材料として代表的な脂肪酸
であるステアリン酸を用いた場合について示す。前述の
ようにして形成したステアリン酸薄膜状結晶によりなる
記録層(基板:ガラス、光熱変換層:クロム蒸着膜、保
護層:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)の未記録時の
結晶状態は、ステアリン酸のC型結晶であり、そのa
軸、b軸を基板とほぼ平行に配向している。これは、こ
の記録層のX線回折図(第6図)で、ステアリン酸C型
結晶の長面間隔(39.8Å)に起因する回折線(ただし、
n=2,3,4,5,7,8,9.10,12)のみが認められることから
わかる。一方、この記録層に、波長830nm、ビーム径1
μmφの半導体レーザー光を線速3500〜4000mm/sec、媒
体面での強度5mWで連続点灯し、記録ライン間の間隔を
とらず、スパイラル状に全面記録した後、測定したX線
回折図(第7図)では、未記録時に現われていたステア
リン酸C型長面間隔の回折線以外に、新たに21.6°に明
確な回折線が現われる。この回折線はC型結晶の短面間
隔(4.11Å)によるものであり、このことは、未記録時
にはa軸、b軸を基板にほぼ平行に配向していたもの
が、レーザー光の照射後は結晶の配向方向が変化して、
少なくとも部分的には、c軸を基板に対して平行に配向
した構造が形成されたことを示している。
光学的異方性を有する有機薄膜状結晶中に形成された
記録部は、周囲の非記録部とは結晶状態が異なるため、
光学的な性質、特に偏光特性が大きく変化している。し
たがって記録部は通常の光学顕微鏡では全く見えない
か、ほとんど見えない場合でも、偏光顕微鏡を用いクロ
スニコルの状態で観察すると、明暗のコントラストある
いは色調の差として明瞭に観察することができる。
記録部は、周囲の非記録部とは結晶状態が異なるため、
光学的な性質、特に偏光特性が大きく変化している。し
たがって記録部は通常の光学顕微鏡では全く見えない
か、ほとんど見えない場合でも、偏光顕微鏡を用いクロ
スニコルの状態で観察すると、明暗のコントラストある
いは色調の差として明瞭に観察することができる。
本発明の記録の再生方法は、偏光を用い記録部と非記
録部を偏光特性の差で区別するものである。
録部を偏光特性の差で区別するものである。
再生は具体的には、記録された記録媒体に、記録時と
同様にあるいはそれより小さいスポットに集光された偏
光を入射し、その反射光または透過光を、入射した偏光
の振動方向と異なる振動方向の光を通過するように設置
された偏光子を通して検出し、その光の強度を読みとる
ことにより行なう。再生に用いる光は、たとえば記録時
と同様のレーザー光であって、記録温度および後述の消
去温度まで記録層の温度が上がらないように、強度を十
分に弱めたものが用いられる。レーザー光の波長は記録
時と異なるものであってよい。レーザー光を再生光に用
いる場合は、直線偏光であるのでそのまま記録媒体に入
射すればよいが、他の非偏光の光源を用いる場合には、
偏光子を用いて、偏光にして入射させる。
同様にあるいはそれより小さいスポットに集光された偏
光を入射し、その反射光または透過光を、入射した偏光
の振動方向と異なる振動方向の光を通過するように設置
された偏光子を通して検出し、その光の強度を読みとる
ことにより行なう。再生に用いる光は、たとえば記録時
と同様のレーザー光であって、記録温度および後述の消
去温度まで記録層の温度が上がらないように、強度を十
分に弱めたものが用いられる。レーザー光の波長は記録
時と異なるものであってよい。レーザー光を再生光に用
いる場合は、直線偏光であるのでそのまま記録媒体に入
射すればよいが、他の非偏光の光源を用いる場合には、
偏光子を用いて、偏光にして入射させる。
記録媒体からの反射光または透過光を通過させる偏光
子には、たとえば透明体の反射を利用した偏光プリズ
ム、偏光ビームスプリッター、複屈折性を利用したニコ
ルプリズム(Nicol prism)、グラン・トムソンプリズ
ム(Glan−Thompson prism)、ウォラストンプリズム
(Wollaston prism)など、あるいは二色性を利用した
偏光フィルターたとえばポラロイド(商品名)などがあ
り、いずれも使用できる。
子には、たとえば透明体の反射を利用した偏光プリズ
ム、偏光ビームスプリッター、複屈折性を利用したニコ
ルプリズム(Nicol prism)、グラン・トムソンプリズ
ム(Glan−Thompson prism)、ウォラストンプリズム
(Wollaston prism)など、あるいは二色性を利用した
偏光フィルターたとえばポラロイド(商品名)などがあ
り、いずれも使用できる。
記録媒体に対する偏光の振動方向とその反射または透
過光を通過させる偏光子の角度の関係により、記録部と
非記録部のコントラストが変化する。記録部と非記録部
からの反射光または透過光の強度の比をコントラストと
すると、記録層が光路中に存在しないとき、強度が0ま
たは最小となるように入射する再生光の振動方向と偏光
子の角度を90°にしたとき、すなわち、偏光顕微鏡観察
でクロスニコルに担当する状態のとき、コントラストは
最大になる場合が多い。一方、記録媒体の薄膜状結晶に
対する再生光の振動方向の角度によって、非記録部から
の光の強度は変化し、45°毎に最大と最小が交互に現わ
れる。また記録部も同様に変化する場合がある。このと
き記録部と非記録部では最大になる角度および最小にな
る角度がずれているため、ある角度では非記録部のほう
が強度が大きいが、角度をずらしていくと逆に記録部の
ほうが強くなるというように強度の逆転が起る場合もあ
る。したがって、入射する再生光の振動方向と、記録媒
体からの反射または透過光を通過させる偏光子の角度を
90°に保ちながら、記録媒体に対する再生光の振動方向
を変化させて、コントラストが最大となるようにするの
が好ましい。ただし、再生光の振動方向と偏光子の角度
は90°ではないほうがよい場合もある。たとえば、記録
部と非記録部からの光の強度の差をコントラストとした
ときは、90°からある程度ずらした方がコントラストは
大きくなる場合があるし、光の強度があまり小さくない
方がよい場合も90°からずらしたほうがよい。
過光を通過させる偏光子の角度の関係により、記録部と
非記録部のコントラストが変化する。記録部と非記録部
からの反射光または透過光の強度の比をコントラストと
すると、記録層が光路中に存在しないとき、強度が0ま
たは最小となるように入射する再生光の振動方向と偏光
子の角度を90°にしたとき、すなわち、偏光顕微鏡観察
でクロスニコルに担当する状態のとき、コントラストは
最大になる場合が多い。一方、記録媒体の薄膜状結晶に
対する再生光の振動方向の角度によって、非記録部から
の光の強度は変化し、45°毎に最大と最小が交互に現わ
れる。また記録部も同様に変化する場合がある。このと
き記録部と非記録部では最大になる角度および最小にな
る角度がずれているため、ある角度では非記録部のほう
が強度が大きいが、角度をずらしていくと逆に記録部の
ほうが強くなるというように強度の逆転が起る場合もあ
る。したがって、入射する再生光の振動方向と、記録媒
体からの反射または透過光を通過させる偏光子の角度を
90°に保ちながら、記録媒体に対する再生光の振動方向
を変化させて、コントラストが最大となるようにするの
が好ましい。ただし、再生光の振動方向と偏光子の角度
は90°ではないほうがよい場合もある。たとえば、記録
部と非記録部からの光の強度の差をコントラストとした
ときは、90°からある程度ずらした方がコントラストは
大きくなる場合があるし、光の強度があまり小さくない
方がよい場合も90°からずらしたほうがよい。
以上のように本発明の記録の再生方法では、記録媒体
の薄膜状結晶の方向、再生光の振動方向、反射光または
透過光を通過させる偏光子の三者の角度の関係を記録を
検出する上で最も好ましい関係にすればよい。
の薄膜状結晶の方向、再生光の振動方向、反射光または
透過光を通過させる偏光子の三者の角度の関係を記録を
検出する上で最も好ましい関係にすればよい。
記録層中の光学的異方性を有する有機薄膜状結晶の一
部に熱を印加し、瞬時に溶融再結晶化させることにより
結晶状態の変化として記録された情報は、記録層が記録
時の温度より低い温度であり、記録層が完全には溶融し
ない温度であるが、分子が十分に熱運動し得る温度に加
熱することにより、消去することができる。消去が可能
な温度範囲は、記録層の材料、純度等により変化する
が、記録層を形成する薄膜状結晶の融点より低い温度に
存在する。この記録が消去される様子は、偏光顕微鏡で
観察しながら、記録層の温度を上昇させていくことによ
り確認できる。偏光顕微鏡では記録部の状態は、たとえ
ば明るい非記録部の中に暗いライン状に見えるが、温度
を上昇させていくと、ある温度からそのラインが欠け始
め、最終的には全体が非記録部と同じ明るい状態にな
り、この温度から冷却すれば記録は消去される。この消
去温度では、非記録部の明るさの変化はないが、さらに
温度を上げ記録層の融点まで到達すると視野全体が完全
に暗くなる。したがって、薄膜状結晶中に形成された結
晶状態の変化した微小な記録部の分子が十分に熱運動し
得る状態になると、その周囲の非記録部の分子と同様な
配列をとるようになり、その温度から室温に戻ることに
より、全体が一様な薄膜結晶となって消去される。
部に熱を印加し、瞬時に溶融再結晶化させることにより
結晶状態の変化として記録された情報は、記録層が記録
時の温度より低い温度であり、記録層が完全には溶融し
ない温度であるが、分子が十分に熱運動し得る温度に加
熱することにより、消去することができる。消去が可能
な温度範囲は、記録層の材料、純度等により変化する
が、記録層を形成する薄膜状結晶の融点より低い温度に
存在する。この記録が消去される様子は、偏光顕微鏡で
観察しながら、記録層の温度を上昇させていくことによ
り確認できる。偏光顕微鏡では記録部の状態は、たとえ
ば明るい非記録部の中に暗いライン状に見えるが、温度
を上昇させていくと、ある温度からそのラインが欠け始
め、最終的には全体が非記録部と同じ明るい状態にな
り、この温度から冷却すれば記録は消去される。この消
去温度では、非記録部の明るさの変化はないが、さらに
温度を上げ記録層の融点まで到達すると視野全体が完全
に暗くなる。したがって、薄膜状結晶中に形成された結
晶状態の変化した微小な記録部の分子が十分に熱運動し
得る状態になると、その周囲の非記録部の分子と同様な
配列をとるようになり、その温度から室温に戻ることに
より、全体が一様な薄膜結晶となって消去される。
記録の消去は、具体的には、記録媒体全体を上記温度
範囲に加熱し冷却して、全体の記録を消去することもで
きるし、記録ピット部分、あるいは、これより少し広い
範囲を局部的に消去温度まで加熱冷却することによっ
て、記録された情報の一部のみを消去することも可能で
ある。後者の場合には記録時に照射したレーザー光の強
度を弱めて、記録ピット部分の温度が消去温度範囲に入
るように調節して、重ねて照射すればよい。このとき記
録層の薄膜状結晶の記録ピット部分(結晶状態が変化し
た部分)は、いったん消去温度まで加熱され、冷却され
ると、その結晶状態が元の状態すなわち周囲の非記録部
と同じ結晶状態に戻り、記録ピットは消去される。この
消去された状態は、記録状態と同様、顕微鏡、偏光顕微
鏡などの光学的観察手段により確認できる。
範囲に加熱し冷却して、全体の記録を消去することもで
きるし、記録ピット部分、あるいは、これより少し広い
範囲を局部的に消去温度まで加熱冷却することによっ
て、記録された情報の一部のみを消去することも可能で
ある。後者の場合には記録時に照射したレーザー光の強
度を弱めて、記録ピット部分の温度が消去温度範囲に入
るように調節して、重ねて照射すればよい。このとき記
録層の薄膜状結晶の記録ピット部分(結晶状態が変化し
た部分)は、いったん消去温度まで加熱され、冷却され
ると、その結晶状態が元の状態すなわち周囲の非記録部
と同じ結晶状態に戻り、記録ピットは消去される。この
消去された状態は、記録状態と同様、顕微鏡、偏光顕微
鏡などの光学的観察手段により確認できる。
本発明における記録は、基本的に熱により記録層に穴
をあけたり、表面の形状を変化させたり、あるいは遮光
性や光散乱性を変化させて記録されたものではなく、記
録層を形成する薄膜状結晶の結晶状態を部分的に変化さ
せ、しかもその変化が単に結晶から非晶質への変化では
なく、分子の配向方向の変化や、部分的な微結晶化を含
む変化として記録されたものである。本発明は、この記
録部と非記録部の差を光学的異方性に基づく偏光特性の
差として検出し再生するものである。この点で従来の記
録の再生方法とは異なり、記録部と非記録部のコントラ
ストが高く、信頼性の高い再生、より高速な再生が可能
となる。
をあけたり、表面の形状を変化させたり、あるいは遮光
性や光散乱性を変化させて記録されたものではなく、記
録層を形成する薄膜状結晶の結晶状態を部分的に変化さ
せ、しかもその変化が単に結晶から非晶質への変化では
なく、分子の配向方向の変化や、部分的な微結晶化を含
む変化として記録されたものである。本発明は、この記
録部と非記録部の差を光学的異方性に基づく偏光特性の
差として検出し再生するものである。この点で従来の記
録の再生方法とは異なり、記録部と非記録部のコントラ
ストが高く、信頼性の高い再生、より高速な再生が可能
となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 光学研摩されたガラス基板(5cm×5cm、厚さ1.2mm)
上に光反射層であり、かつ光熱変換層であるクロム層を
真空蒸着により設けた。厚さは約900Åであった。一
方、保護層となるガラス板(厚さ0.1mm)の片面にギャ
ップ材として直径約1μmのシリカ粒子を微量付着させ
た。この両者を100℃の恒温槽中に入れ加熱した後、同
温度でガラス基板のクロム層上にベヘン酸(シグマ社
製:純度99%以上)を少量のせて溶融させた。次に、保
護層のガラス板をギャップ材の付着した面を下にして、
ベヘン酸の融液上に一端から静かにかぶせ、融液を全面
に拡げてはさみ込んだ。さらに、かぶせたガラス板の上
から均一に荷重をかけ、そのまま恒温槽の温度をゆっく
り下げ、ベヘン酸を結晶化させて、薄膜状の結晶とし
た。以上の操作により、クロム層上にほぼ一様な配向を
したベヘン酸の薄膜状結晶よりなる記録層(厚さ約0.6
μm)とその上に厚さ0.1mmのガラスよりなる保護層が
形成された。
上に光反射層であり、かつ光熱変換層であるクロム層を
真空蒸着により設けた。厚さは約900Åであった。一
方、保護層となるガラス板(厚さ0.1mm)の片面にギャ
ップ材として直径約1μmのシリカ粒子を微量付着させ
た。この両者を100℃の恒温槽中に入れ加熱した後、同
温度でガラス基板のクロム層上にベヘン酸(シグマ社
製:純度99%以上)を少量のせて溶融させた。次に、保
護層のガラス板をギャップ材の付着した面を下にして、
ベヘン酸の融液上に一端から静かにかぶせ、融液を全面
に拡げてはさみ込んだ。さらに、かぶせたガラス板の上
から均一に荷重をかけ、そのまま恒温槽の温度をゆっく
り下げ、ベヘン酸を結晶化させて、薄膜状の結晶とし
た。以上の操作により、クロム層上にほぼ一様な配向を
したベヘン酸の薄膜状結晶よりなる記録層(厚さ約0.6
μm)とその上に厚さ0.1mmのガラスよりなる保護層が
形成された。
このようにして作成した記録媒体に、直径5μmに集
光した波長780nmの半導体レーザー光を記録媒体面で強
度が7,10および14mWとなるように連続点灯し、線速200m
m/secで直線状にそれぞれ5本づつ走査した。この記録
媒体を偏光顕微鏡でクロスニコル状態で観察したとこ
ろ、第8図(a)の写真に示すような明瞭な記録が認め
られた。また、この部分を45°回転して観察すると、第
8図(b)の写真のように記録部と非記録部の明暗の逆
転が認められた。
光した波長780nmの半導体レーザー光を記録媒体面で強
度が7,10および14mWとなるように連続点灯し、線速200m
m/secで直線状にそれぞれ5本づつ走査した。この記録
媒体を偏光顕微鏡でクロスニコル状態で観察したとこ
ろ、第8図(a)の写真に示すような明瞭な記録が認め
られた。また、この部分を45°回転して観察すると、第
8図(b)の写真のように記録部と非記録部の明暗の逆
転が認められた。
次に、この記録媒体に直径1μmに集光した波長780n
mの半導体レーザー光を強度が0.5mWとなるように連続点
灯し照射した。記録媒体からの反射光を偏光子を通した
後、フォトダイオードで受けて光の強度が測定できるよ
うにした。最初に、記録媒体の代わりに反射層のクロム
層だけを設けた基板をセットし、反射光を通す偏光子を
回転させて、フォトダイオードに入る光の強度が0にな
る角度(すなわち、レーザー光の振動方向と偏光子の角
度が90°になるように)にして固定した。
mの半導体レーザー光を強度が0.5mWとなるように連続点
灯し照射した。記録媒体からの反射光を偏光子を通した
後、フォトダイオードで受けて光の強度が測定できるよ
うにした。最初に、記録媒体の代わりに反射層のクロム
層だけを設けた基板をセットし、反射光を通す偏光子を
回転させて、フォトダイオードに入る光の強度が0にな
る角度(すなわち、レーザー光の振動方向と偏光子の角
度が90°になるように)にして固定した。
次に、記録媒体をセットして記録部分の近くの非記録
部にレーザー光が照射されるようにした。この状態で、
レーザー光の振動方向と偏光子の角度を保ったまま、光
源および光学系全体を回転して、記録媒体に対する入射
光の振動方向を変化させて、検出される反射光の強度が
最大になるようにして固定した。上記、三者の角度関係
を保ったまま、記録媒体をレーザー光に対して0.01mm/
分の速度で移動し、記録ラインに対して直角の方向にレ
ーザー光を走査しながら、反射光の強度を測定した。こ
のときの反射光の強度変化を第9図に示す。この結果よ
り、非記録部分からの反射光の強度に対する各強度の記
録ラインからの反射光の強度の比を求め評価した。
部にレーザー光が照射されるようにした。この状態で、
レーザー光の振動方向と偏光子の角度を保ったまま、光
源および光学系全体を回転して、記録媒体に対する入射
光の振動方向を変化させて、検出される反射光の強度が
最大になるようにして固定した。上記、三者の角度関係
を保ったまま、記録媒体をレーザー光に対して0.01mm/
分の速度で移動し、記録ラインに対して直角の方向にレ
ーザー光を走査しながら、反射光の強度を測定した。こ
のときの反射光の強度変化を第9図に示す。この結果よ
り、非記録部分からの反射光の強度に対する各強度の記
録ラインからの反射光の強度の比を求め評価した。
また、レーザー光の振動方向と偏光子の方向が平行に
なるようにして、全く同じ位置を走査して、反射光の強
度を測定したところ、強度はほぼ一定で、非記録部と記
録部を区別することはできなかった。また偏光子を通さ
ずに測定したときも同様であった。
なるようにして、全く同じ位置を走査して、反射光の強
度を測定したところ、強度はほぼ一定で、非記録部と記
録部を区別することはできなかった。また偏光子を通さ
ずに測定したときも同様であった。
以上の結果より、本発明の記録の再生方法によれば、
記録部と非記録部のコントラストが高く、正確に記録を
再生できることがわかる。
記録部と非記録部のコントラストが高く、正確に記録を
再生できることがわかる。
実施例2 光学研摩された直径4インチ(101.6mm)、厚さ1.2mm
のガラスディスクを用いた以外は、実施例1と同様にし
て記録媒体を作成した。
のガラスディスクを用いた以外は、実施例1と同様にし
て記録媒体を作成した。
この記録媒体を900RPMで回転させ、そこに直径1μm
に集光した波長830nmの半導体レーザー光を線光3500〜4
000mm/secでスパイラル状に照射した。このときレーザ
ー光は、周波数200KHz、デューティ比50%、媒体面での
強度8mWとした。この記録媒体を偏光顕微鏡を用いクロ
スニコル状態で観察すると、明瞭な記録が認められた。
また同一部分を45°回転して観察すると、記録部と非記
録部の明暗が逆転した。この記録部は、通常の光学顕微
鏡では観察できなかった。
に集光した波長830nmの半導体レーザー光を線光3500〜4
000mm/secでスパイラル状に照射した。このときレーザ
ー光は、周波数200KHz、デューティ比50%、媒体面での
強度8mWとした。この記録媒体を偏光顕微鏡を用いクロ
スニコル状態で観察すると、明瞭な記録が認められた。
また同一部分を45°回転して観察すると、記録部と非記
録部の明暗が逆転した。この記録部は、通常の光学顕微
鏡では観察できなかった。
次に、この記録媒体に直径1μmに集光した波長780n
mの半導体レーザー光を強度が0.5mWとなるように連続点
灯し照射した。このとき実施例1と同様の手順により、
レーザー光の振動方向と偏光子の角度が90°になるよう
にし、非記録部よりの反射光の強度が最大となるように
レーザー光を入射させた。この状態で、レーザー光を記
録ラインに対して直角になるように0.01mm/分の速度で
走査し、反射光の強度変化を測定した。この結果から、
非記録部分からの反射光に対する記録部からの反射光の
強度の比を求めると、0.38となった。また、レーザー光
の振動方向と偏光子の方向が平行になるようにして、全
く同じ位置と送査すると記録部と非記録部を区別するこ
とはできなかった。また、偏光子を通さずに測定したと
きも同様であった。
mの半導体レーザー光を強度が0.5mWとなるように連続点
灯し照射した。このとき実施例1と同様の手順により、
レーザー光の振動方向と偏光子の角度が90°になるよう
にし、非記録部よりの反射光の強度が最大となるように
レーザー光を入射させた。この状態で、レーザー光を記
録ラインに対して直角になるように0.01mm/分の速度で
走査し、反射光の強度変化を測定した。この結果から、
非記録部分からの反射光に対する記録部からの反射光の
強度の比を求めると、0.38となった。また、レーザー光
の振動方向と偏光子の方向が平行になるようにして、全
く同じ位置と送査すると記録部と非記録部を区別するこ
とはできなかった。また、偏光子を通さずに測定したと
きも同様であった。
このことから、本発明の記録の再生方法によれば、記
録部と非記録部のコントラストが高く、正確に記録が再
生できることがわかる。
録部と非記録部のコントラストが高く、正確に記録が再
生できることがわかる。
実施例3 実施例2と同様にクロム層を設けたガラスディスクを
用意した。このクロム層上に塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(ユニオンカーバイド社製:VYHH)の5wt%テトラ
ヒドロフラン溶液を塗布し、乾燥して厚さ約0.2μmの
樹脂層を設けた。次にこの樹脂層上にステアリン酸(シ
グマ社製:純度99%)の10wt%テトラヒドロフラン溶液
を塗布し、45℃で乾燥した。さらにその上に前記と同じ
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の5wt%テトラヒドロ
フラン溶液を塗布して、45℃で乾燥した。このディスク
を90℃で約2分間熱処理した後、徐冷した。以上の操作
により、クロム層上にほぼ一様な配向をしたステアリン
酸の薄膜状結晶よりなる記録層(厚さ約0.8μm)とそ
の上に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体よりなる保護層
(厚さ約0.6μm)が形成された。
用意した。このクロム層上に塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(ユニオンカーバイド社製:VYHH)の5wt%テトラ
ヒドロフラン溶液を塗布し、乾燥して厚さ約0.2μmの
樹脂層を設けた。次にこの樹脂層上にステアリン酸(シ
グマ社製:純度99%)の10wt%テトラヒドロフラン溶液
を塗布し、45℃で乾燥した。さらにその上に前記と同じ
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の5wt%テトラヒドロ
フラン溶液を塗布して、45℃で乾燥した。このディスク
を90℃で約2分間熱処理した後、徐冷した。以上の操作
により、クロム層上にほぼ一様な配向をしたステアリン
酸の薄膜状結晶よりなる記録層(厚さ約0.8μm)とそ
の上に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体よりなる保護層
(厚さ約0.6μm)が形成された。
この記録媒体に、照射強度を5mWとした以外は実施例
2と同様にして、レーザー光を照射し、記録を行なっ
た。偏光顕微鏡で観察すると、同様に明瞭な記録が認め
られた。この記録は通常の光学顕微鏡では観察できなか
った。
2と同様にして、レーザー光を照射し、記録を行なっ
た。偏光顕微鏡で観察すると、同様に明瞭な記録が認め
られた。この記録は通常の光学顕微鏡では観察できなか
った。
次に、この記録媒体について実施例2と同様にレーザ
ー光を照射し再生を行なったところ、非記録部からの反
射光に対する記録部からの強度の比は0.32となった。ま
た、レーザー光の振動方向と偏光子の方向が平行になる
ようにして、全く同じ位置を走査しても記録部と非記録
部を区別することはできなかった。また偏光子を通さず
に測定したときも同様であった。
ー光を照射し再生を行なったところ、非記録部からの反
射光に対する記録部からの強度の比は0.32となった。ま
た、レーザー光の振動方向と偏光子の方向が平行になる
ようにして、全く同じ位置を走査しても記録部と非記録
部を区別することはできなかった。また偏光子を通さず
に測定したときも同様であった。
このことから、本発明の記録の再生方法によれば、記
録部と非記録部のコントラストが高く正確に記録が再生
できることがわかる。
録部と非記録部のコントラストが高く正確に記録が再生
できることがわかる。
第1図〜第5図は、本発明に用いる記録媒体の断面図で
あり、図中1は基板、2は光学的異方性を有する有機薄
膜状結晶の記録層、3は光熱変換層、4は下引き層、5
は保護層を示す。 第6図はステアリン酸の薄膜状結晶を記録層とする記録
媒体の未記録状態のX線回折図、第7図は同じ記録媒体
の記録後のX線回折図である。 第8図(a)および(b)は、ベヘン酸薄膜状結晶を記
録層とする記録媒体に5μmφのレーザー光を照射して
記録した部分の偏光顕微鏡写真であり、(a)と(b)
は同一部分を45°回転して観察したものである。 第9図は、第8図の記録部分に1μmφのレーザー光を
走査し、偏光子を通った反射光の強度の変化を測定した
ものである。
あり、図中1は基板、2は光学的異方性を有する有機薄
膜状結晶の記録層、3は光熱変換層、4は下引き層、5
は保護層を示す。 第6図はステアリン酸の薄膜状結晶を記録層とする記録
媒体の未記録状態のX線回折図、第7図は同じ記録媒体
の記録後のX線回折図である。 第8図(a)および(b)は、ベヘン酸薄膜状結晶を記
録層とする記録媒体に5μmφのレーザー光を照射して
記録した部分の偏光顕微鏡写真であり、(a)と(b)
は同一部分を45°回転して観察したものである。 第9図は、第8図の記録部分に1μmφのレーザー光を
走査し、偏光子を通った反射光の強度の変化を測定した
ものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−117140(JP,A) 特開 昭54−149617(JP,A) 特開 昭60−18825(JP,A) 特開 昭61−199249(JP,A) 特開 昭64−19532(JP,A) 特開 昭62−284785(JP,A) 特開 昭62−75944(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516
Claims (5)
- 【請求項1】光学的異方性を有する有機薄膜状結晶から
なるか、またはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記
録媒体に、熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した
後、急冷することにより結晶化させ、この部分に、分子
の配向方向の変化を伴う結晶状態の変化を生じさせるこ
とにより偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を
入射し記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部と
非記録部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非記
録部からの光の強度差により記録を読み出すことを特徴
とする記録の再生方法。 - 【請求項2】光学的異方性を有する有機薄膜状結晶から
なるか、またはその薄膜状結晶を含む記録層を有する記
録媒体に、熱を印加し薄膜状結晶の一部分を溶融した
後、急冷することにより結晶化させ、この部分に、薄膜
状結晶の部分的な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じ
させることにより偏光特性のみを変化させた記録媒体
に、偏光を入射し記録層を透過した光を偏光子を通し
て、記録部と非記録部の偏光特性の違いのみを検出し、
記録部と非記録部からの光の強度差により記録を読み出
すことを特徴とする記録の再生方法。 - 【請求項3】照射された光の一部または全部を吸収し、
熱に変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的
異方性を有する有機薄膜状結晶からなるか、またはその
薄膜状結晶を含む記録層とを有する記録媒体または該光
熱変換物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変
換物質と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体
に、光を照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急
冷することにより結晶化させ、この部分に、分子の配向
方向の変化を伴う結晶状態の変化を生じさせることによ
り偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光を入射し
記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部と非記録
部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非記録部か
らの光の強度差により記録を読み出すことを特徴とする
記録の再生方法。 - 【請求項4】照射された光の一部または全部を吸収し、
熱に変換する光熱変換物質からなる光熱変換層と光学的
異方性を有する有機薄膜状結晶からなるか、またはその
薄膜状結晶を含む記録層とを有する記録媒体または該光
熱変換物質と該薄膜状結晶からなるか、または該光熱変
換物質と該薄膜状結晶を含む記録層を有する記録媒体
に、光を照射し、薄膜状結晶の一部分を溶融した後、急
冷することにより結晶化させ、この部分に、薄膜状結晶
の部分的な微結晶化を伴う結晶状態の変化を生じさせる
ことにより偏光特性のみを変化させた記録媒体に、偏光
を入射し記録層を透過した光を偏光子を通して、記録部
と非記録部の偏光特性の違いのみを検出し、記録部と非
記録部からの光の強度差により記録を読み出すことを特
徴とする記録の再生方法。 - 【請求項5】上記光学的異方性を有する有機薄膜状結晶
が、脂肪酸または脂肪酸誘導体、安息香酸誘導体あるい
は融点が50℃以上のn−アルカンまたはその誘導体を主
成分とするものである請求項(1)、(2)、(3)又
は(4)の記録の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1110359A JP3054770B2 (ja) | 1989-04-28 | 1989-04-28 | 記録の再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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