JP3054742B2 - アミノナフタレン化合物 - Google Patents

アミノナフタレン化合物

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JP3054742B2
JP3054742B2 JP2323493A JP32349390A JP3054742B2 JP 3054742 B2 JP3054742 B2 JP 3054742B2 JP 2323493 A JP2323493 A JP 2323493A JP 32349390 A JP32349390 A JP 32349390A JP 3054742 B2 JP3054742 B2 JP 3054742B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は医薬,特に脳内低酸素及び脳虚血にともなう
諸症状,特に脳浮腫に対する有効な新規環状アミン化合
物に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 脳内新生物質,外傷圧による頭蓋内圧上昇や、脳虚血
により引き起こされる脳浮腫に対し、現在とられている
手段としては、ステロイドホルモンの大量投与,エチレ
ングリコールによる浸透圧を利用した方法等があるが、
有効性,副作用において満足すべき薬剤は皆無なのが現
状である。
本発明の目的は、脳浮腫の有効な治療剤となり得る新
規化合物を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、中枢神経系,とりわけ脳虚血にともな
う脳浮腫の改善薬として有用な化合物の採索に鋭意努力
を重ねた結果、式(I) [式中、Bは置換されていてもよい飽和又は不飽和の5
〜7員アザ複素環状基を示し、Aは結合手又は炭化水素
残基,オキソ基,ヒドロキシイミノ基若しくはヒドロキ
シ基で置換されていてもよい二価又は三価の脂肪族炭化
水素残基を示し、 は単結合若しくは二重結合を示し(但し、Aが結合手を
表す時は は単結合を表す)、R2,R3はそれぞれ独立して水素原子
若しくは置換基を有していてもよい炭化水素残基を示す
か又は、隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成
していてもよく、pは1又は2を示す]で表わされる環
状アミン化合物[以下単に化合物(I)と称することが
ある]およびその塩の創製に成功するとともに、それら
が優れた脳浮腫改善作用を示すことを知見し、さらに検
討を重ねて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は上記式(I)で表わされる環状アミン化合物および
その塩並びにそれらを含有することを特徴とする脳浮腫
治療剤及び脳・神経細胞保護剤に関する。又、本発明化
合物(I)のうち、とりわけBがNの位置でベンジル基
(ベンジル基は置換されていてもよい)で置換された5
〜7員アザ複素環状基である化合物(以下化合物
(I′)と称する)等は、強いコリンエステラーゼ阻害
活性を有することも見い出された。
前記式(I)において、Bで表わされる「置換されて
いてもよい飽和又は不飽和の5〜7員アザ複素環状基」
としては、含窒素5〜7員複素環で飽和のものも不飽和
のものも含まれる。特に好ましい環としては例えば式 [式中、R1は水素原子,置換基を有していてもよい炭化
水素残基又は置換基を有していてもよいアシル基を示
し、mは0,1又は2を示す]等で表わされる窒素を1個
含有する飽和又は不飽和の5〜7員複素環基があげられ
る。尚Bで表わされる環としては、環を形成する窒素原
子以外の位置つまり炭素原子の位置で−A−が結合して
いるものが好ましい。以下、上記飽和と不飽和の環と含
と記す場合もある。
この場合R1は環が−A−とN位以外の位置つまり炭素
原子と結合し、かつ環が飽和又はNを含まない位置での
み1部不飽和の時のみN位が有する前記の水素原子、置
換基を有していてもよい炭化水素残基又は置換基を有し
ていてもよいアシル基を示すものとする。
R1およびR2,R3で示される「置換基を有していてもよ
い炭化水素残基」およびAで表わされる「炭化水素残
基,オキソ基若しくはヒドロキシ基で置換されていても
よい二価又は三価の脂肪族炭化水素残基」における置換
基としての「炭化水素残基」としては、例えば炭素数1
〜6のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピ
ル,ブチル,ヘキシル,4−メチルペンチル),ビニル,
アリル,2−ブテニール等の炭素数2〜4のアルケニル
基、プロパルギル,2−ブチニル等の炭素数2〜4のアル
キニル基、フェニル,ナフチル等のアリール基、ベンジ
ル,ジフェニルメチル,フェニルエチル,ナフチルメチ
ル,ナフチルエチル等のアラルキル基等があげられる。
R1,R2およびR3におけるアリール基,アラルキル基はそ
の環状に1〜3の置換基を有していてもよく、置換基と
しては例えば、炭素数1〜3のアルコキシ基(例、メト
キシ,エトキシ),炭素数1〜3のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル),シアノ,アミノ基,モノ−
又はジ−C1-6アルキルアミノ基,5〜7員環状アミノ基,
水酸基,ニトロ,ハロゲン(例、塩素原子,フッ素原
子,臭素原子)等が挙げられる。さらにアラルキル基の
アルキル基部分はオキソ基,ヒドロキシ基で置換されて
いてもよい。
又、R1,R2およびR3で表わされる上記アルキル基、ア
ルケニル基及びアルキニル基が有していてもよい置換基
としては、例えば上記したようなハロゲン,炭素数1〜
3のアルコキシ,シアノ,アミノ基,モノ−又はジ−C
1-6アルキルアミノ基,5〜7員環状アミノ基及び水酸基
等があげられる。
R1で表わされる「置換基を有していてもよいアシル
基」の「アシル基」としては、カルボン酸アシル(例え
ば、アセチル,プロピオニル,ブチリルなどの炭素数2
〜6のアルキルカルボニル),置換オキシカルボニル
(例えば、メチルオキシカルボニル,第三ブチルオキシ
カルボニル,ベンジルオキシカルボニルなどの炭素数2
〜8のアルキル又はアラルキルオキシカルボニル)があ
げられる。
これらアシル基が有していてもよい置換基としてはハ
ロゲン(例えば、ヨウ素,臭素,フッ素,塩素),アミ
ノ基,炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル,エ
チル,プロピル,ヘキシル)を有する1級又は2級アミ
ノ基等が挙げられ、これらの基を1〜3好ましくは1〜
2個有していてもよい。
R2,R3が隣接する窒素原子と共に形成する環状アミノ
基としては、含窒素5〜7員複素環基が含まれ、例え
ば、式 で表わされる基,式 で表わされる基,式 で表わされる基,式 で表わされる基等が挙げられる。ここでsは0,1,2,tは
1,2を示し、R4はこれらR2,R3で形成される環状アミノ基
が有していてもよい置換基又は水素を示し置換基として
は例えば、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル,
エチル,プロピル),炭素数1−3のアルキルカルボニ
ル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリル),オキ
ソ,ヒドロキシ,フェニル,ベンジル,ジフェニルメチ
ル,アミノ基のような置換基を示す。Aで示される「炭
化水素残基、オキソ基,又はヒドロキシ基で置換されて
もよい2価又は3価の脂肪族炭化水素残基」としては例
えば炭素数1〜6アルキレン鎖又はアルケニレン鎖及び
メチン基等が好ましい。
例えば、−CH2−, −CH2CH2−, −CH=CH−(CH2−,=CH−で表わされる基等が挙
げられる。
前記(I)式で示される化合物の好ましい態様として
は、例えば、下記のものが挙げられる。
R1は好ましくは、水素,炭素数1〜4のアルキル基及
び置換されていてもよいベンジル基,さらに好ましく
は、水素,炭素数1〜2のアルキル基及び置換されてい
てもよいベンジル基である。R1がベンジル基である化合
物は、とりわけコリンエステラーゼ阻害作用の点で、又
R1が水素又はアルキル基のものは脳浮腫治療作用の点で
好ましい傾向にある。R2,R3は好ましくは炭素数1〜4
のアルキル基,フェニルメチル基又は隣接する窒素原子
と共に環状アミノ基を形成している場合であり、さらに
好ましくは炭素数1〜3のアルキル基又は式 で表される基,sは0,1,2,R4は水素,フェニル,ベンジル
の場合である。Bとしては、好ましくはピペリジル基,
ピロリジル基,ピロリル基,ピリジニル基があげられ
る。Bとしては、とりわけピペリジル基が好ましい。A
は好ましくは、ヒドロキシメチレン,式 で表わされる基(ここでR5,R6は水素又は炭素数1〜3
のアルキル基で、qは1,2の場合であり全炭素数は6を
越えない)、及び (lは0〜4の整数で、 を経てナフタレン環に結合している基を示す)さらに好
ましくは、メチレン,ヒドロキシメチレン基及び である。mは1,2が好ましく、特に1が好ましい。
特に、BがN−ベンジル置換ピペリジニル基である化
合物は、コリンエステラーゼ阻害作用の点で好ましい。
とりわけ式 [式中、lは0〜4の整数で、R2及びR3は前義の通りで
ある]で表わされる化合物が、コリンエステラーゼ阻害
作用の点からより好ましい化合物である。
又、Bがピペリジニル基(つまりR1が水素原子)で、
かつAがメチレン基である化合物は、脳浮腫治療作用の
点で特に好ましい。
本発明の化合物(I)は、酸付加塩、とりわけ生理学
的に許容される酸付加塩を形成していてもよく、それら
の塩としては、たとえば無機塩(例えば、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸、臭化水素酸)、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩が挙げられる。
本発明の化合物の製造法を以下に述べる。
式(I)で表わされる本発明の目的化合物のうち、式
(I a) [式中、R7環が飽和の時の窒素位の置換基であり、R1の定義のう
ち、置換基を有していてもよいアシル基を示す。Dは結
合手もしくは、炭化水素残基、オキソ基あるいはヒドロ
キシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレ
ン基を意味し、R2,R3,m,pは前記と同意義]で表わされ
る化合物(以下、単に化合物(I a)と称する。以下同
様に略称する)は、例えば、式(II) [式中、D,R7,mは前記と同意義であり、Xはハロゲン
(例えば、塩素,臭素,ヨウ素)を示す]で表わされる
化合物と、例えば、式(III) [式中、pは前記と同意義であり、Yはハロゲン(例え
ば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)を示す。]で表わさ
れる化合物とを反応して得られる化合物、式(IV) [式中、D,R7,Y,m,pは前記と同意義。]で表わされる化
合物と、例えば式(V) [式中、R2,R3は前記と同意義。]で表わされる化合物
とを反応することにより製造することができる。
ここで、式(II)で表わされる化合物は、公知方法あ
るいはそれに準じる方法により製造することができる。
例えば、ケミカル ファルマシューティカル ブリティ
ン 第34巻,3747〜3761(1986)に記載の製法に従って
製造することもできる。
式(II)で表わされる化合物と、式(III)で示され
る化合物との反応は、自体公知の方法で行なうことがで
きる。例えば、式(II)で表わされる化合物と式(II
I)で表わされる化合物を、溶媒を用いずに、または溶
媒中、必要により酸等の存在下、反応させることによっ
て行なえる。酸としては、いわゆるルイス酸,例えば塩
化アルミニウム,塩化亜鉛,塩化チタンなどが挙げられ
る。溶媒としては、反応を妨げないかぎり、化学反応に
おいて、一般に使用される溶媒ならばいずれもよく、例
えば、ジクロロメタン,ジクロロエタン,ニトロベンゼ
ン,二硫化炭素などの溶媒中、−30゜〜150℃程度、好
ましくは20℃〜100℃程度の温度で行なうことができ
る。通常式(II)で表わされる化合物1モルに対し、式
(III)で表わされる化合物を約1〜20モル,好ましく
は約2〜5モル量用いられる。式(IV)で表わされる化
合物と、式(V)で表わされる化合物との反応も自体公
知の方法で行なうことができる。例えば式(IV)で表わ
される化合物と式(V)で表わされる化合物を、溶媒を
用いずに、または溶媒中、−50゜〜300℃程度,好まし
くは20℃〜200℃程度の温度で行なうことができる。溶
媒としては一般に使用される溶媒ならばいずれでもよ
く、例えば水,メタノール,エタノール,プロパノー
ル,クロロホルム,ジクロロメタン,ベンゼン,トルエ
ン,キシレン,アセトニトリル,ジメチルホルムアミ
ド,N−メチルピロリドン,ジメチルスルホキシドなどが
挙げられる。さらに本反応は必要に応じて、たとえば、
ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルア
ミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジ
アミンなどの有機塩基や、たとえば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩
基、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの存在下に
行なうことができる。式(IV)で表わされる化合物1モ
ルに対して、式(V)で表わされる化合物は通常約1〜
10モル量、好ましくは2〜4モル量程度用いる。又、反
応時間は通常約1時間〜48時間、好ましくは10時間〜20
時間程度である。
また化合物(I)のうち化合物(I b) [式中、D,R2,R3,m,pは前記と同意義。但し、 環のN位の水素原子は、同環が飽和の時のみ存在するこ
とを意味する。]は、上記式(I a)で示される化合物
を、酸又は塩基で処理することにより製造することがで
きる。すなわち式(I a)で表わされる化合物を鉱酸
(例えば硝酸,塩酸,臭化水素酸,ヨウ素酸,硫酸等)
またはアルカリ金属水酸化(例えば、水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,水酸化バリウム,水酸化リチウム
等)の水溶液中、10゜から150℃,好ましくは50゜から1
00℃で行なうことができる。通常式(I a)で示される
化合物に対し、酸又は塩基を10〜100当量,好ましくは2
0〜40当量用いる。酸および塩基の強さとしては、1規
定から10規定前後がよく、好ましくは4規定から10規定
で行なうことができる。反応時間は、反応温度にもよる
が、通常1時間から24時間,好ましくは2時間から10時
間程度である。
また化合物(I c) [式中、D,R2,R3,R7,m,pは前記と同意義。]は、式(I
a)で示される化合物を、自体公知の方法で還元するこ
とにより、製造することができる。例えば式(I a)で
示される化合物を、溶媒中、触媒存在下、接触水素還元
することにより製造することができる。溶媒としては、
反応を妨げない限り、化学反応において一般に使用され
る溶媒ならばいずれでもよく、例えば水,メタノール,
エタノール,ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラ
ン,ジオキサンなどの溶媒中、触媒としては、パラジウ
ム系,ロジウム系,白金系,ラネーニッケル系の触媒存
在下、−10℃〜100℃,好ましくは20℃〜50℃程度で、
水素圧1気圧〜100気圧,好ましくは1気圧から5気
圧,必要ならば酸存在下で行なうことができる。用いら
れる酸としては、鉱酸(例えば、塩酸,硝酸,リン酸,
臭化水素酸)あるいは有機酸(例えば、酢酸,プロピオ
ン酸,酒石酸,安息香酸,メタンスルホン酸,トルエン
スルホン酸)などが挙げられる。また式(I a)で示さ
れる化合物を、溶媒中、金属水素化物(例えば、水素化
ジイソブチルアルミニウム,水素化トリフェニルス
ズ),金属水素錯化合物(例えば、水素化アルミニウム
リチウム,水素化アルミニウムナトリウム,水素化トリ
エトキシアルミニウムナトリウム),ジボラン,置換ボ
ラン(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)で処理するこ
とにより製造することができる。このような金属水素化
物等は、化合物(I a)1モルに対し、通常0.3〜5モ
ル,好ましくは1モル〜2モル用いられる。用いられる
溶媒としては、反応を妨げない限り、化学反応において
一般に使用される溶媒ならいずれでもよく、プロトン性
溶媒(例、水,メタノール,エタノール,プロパノー
ル),もしくは非プロトン性溶媒(例、エチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン)などの溶媒中、
−10℃から200℃,好ましくは20℃から100℃の温度で行
なうことができる。
また化合物(I d) [式中、D,R2,R3,m,pは前記と同意義]は、式(I c)で
示される化合物を、酸または塩基で処理するか、式(I
b)で示される化合物を、自体公知の方法で還元するこ
とにより、製造する事ができる。式(I c)で示される
化合物を、酸または塩基で処理する際に用いる酸または
塩基としては、鉱酸(例えば硝酸,塩酸,臭化水素酸,
ヨウ素酸,硫酸等)またはアルカリ金属水酸化(例えば
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリウム,
水酸化リチウム等)があげられる。該処理はこれら酸ま
たは塩基の水溶液中、10゜から150℃,好ましくは50゜
から100℃で行なうことができる。酸および塩基の強さ
としては、1規定から10規定前後がよく、好ましくは4
規定から10規定で行なうことができる。式(I c)で示
される化合物に対し、酸又は塩基を通常約20〜40当量用
いる。反応時間は、反応温度にもよるが、通常1時間か
ら24時間、好ましくは2時間から10時間程度である。式
(I b)で示される化合物を還元する自体公知の方法と
しては、例えば、溶媒としては、反応を妨げない限り、
化学反応において一般に使用される溶媒ならばいずれで
もよく、例えば水,メタノール,エタノール,ジメチル
ホルムアミド,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの
溶媒中、触媒としては、パラジウム系,ロジウム系,白
金系,ラネーニッケル系の触媒存在下、−10℃〜100
℃,好ましくは20℃〜50℃程度で、水素圧1気圧〜100
気圧,好ましくは1気圧から5気圧,必要ならば、酸存
在下で行なうことができる。用いられる酸としては、鉱
酸(例えば、塩酸,硝酸,リン酸,臭化水素酸)あるい
は有機酸(例えば、酢酸,プロピオン酸,酒石酸,安息
香酸,メタンスルホン酸,トルエンスルホン酸)などが
挙げられる。また式(I b)で示される化合物を、溶媒
中、金属水素化物(例えば、水素化ジイソブチルアルミ
ニウム,水素化トリフェニルスズ),金属水素錯化合物
(例えば,水素化アルミニウムリチウム,水素化アルミ
ニウムナトリウム,水素化トリエトキシアルミニウムナ
トリウム),ジボラン,置換ボラン(例えば,水素化ホ
ウ素ナトリウム)で処理することにより製造することが
できる。用いられる溶媒としては、反応を妨げない限
り、化学反応において一般に使用される溶媒ならいずれ
でもよく、プロトン性溶媒(例、水,メタノール,エタ
ノール,プロパノール),もしくは非プロトン性溶媒
(例、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン)などの溶媒中、−10℃から200℃,好ましくは20℃
から100℃の温度で行なうことができる。
また化合物(I e) [式中、D,R2,R3,R7,m,pは前記と同意義]は、式(I
a)又は式(I c)で表わされる化合物を、還元すること
により、製造することができる。溶媒としては、反応を
妨げない限り、化学反応において一般に使用される溶媒
ならばいずれでもよく、例えば水,メタノール,エタノ
ール,ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン,ジ
オキサンなどの溶媒中、触媒としては、パラジウム系,
ロジウム系,白金系,ラネーニッケル系の触媒存在下、
−10℃〜100℃,好ましくは20℃〜50℃程度で、水素圧
1気圧〜100気圧,好ましくは1気圧から5気圧,必要
ならば、酸存在下でおこなうことができる。用いられる
酸としては、鉱酸(例えば、塩酸,硝酸,リン酸,臭化
水素酸)あるいは有機酸(例えば、酢酸,プロピオン
酸,酒石酸,安息香酸,メタンスルホン酸) また化合物(I f) [式中、D,R2,R3,m,pは前記と同意義]は、式(I e)で
示される化合物を、酸または塩基で処理することにより
製造することができる。すなわち式(I e)で表わされ
る化合物を鉱酸(例えば、硝酸,塩酸,臭化水素酸,ヨ
ウ素酸,硫酸等),またはアルカリ金属水酸化(例え
ば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリウ
ム,水酸化リチウム等)の水溶液中、10゜から150℃,
好ましくは50゜から100℃で行なうことができる。酸お
よび塩基の強さとしては、1規定から10規定前後がよ
く、好ましくは4規定から10規定で行なうことができ
る。反応時間は、反応温度にもよるが、通常1時間から
24時間,好ましくは2時間から10時間程度である。
化合物(I g) [式中、D,R2,R3,R7,m,pは前記と同意義で、R8は前記
R5,R6と同様な意味つまり水素,水酸基,炭素数1〜3
のアルキル基を示す]は、式(I a)で示される化合物
と式(VI) R8MgZ (VI) [式中、R8は前記と同意義,Zはハロゲン原子(塩素原
子,臭素原子,ヨウ素)を示す。]で示される化合物と
を反応して得られる化合物を、触媒存在下、接触水素還
元することにより製造することができる。化合物(I
a)と化合物(VI)との反応は、溶媒としては、テトラ
ヒドロフラン,エチルエーテル,イソプロピルエーテ
ル,ジメトキシエタン,ベンゼンなどの非プロトン性溶
媒中、−50℃から100℃,好ましくは0℃から50℃程度
で行なうことができる。接触水素還元の方法としては、
例えば、水,メタノール,エタノール,ジメチルホルム
アミド,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの溶媒
中、触媒としては、パラジウム系,ロジウム系,ラネー
ニッケル系の触媒存在下、−10℃〜100℃,好ましくは2
0℃〜50℃程度で、水素圧1気圧〜100気圧,好ましくは
1気圧から5気圧,必要ならば酸存在下で行なうことが
できる。用いられる酸としては、鉱酸(例えば、塩酸,
硝酸,リン酸,臭化水素酸)あるいは有機酸(例えば、
酢酸,プロピオン酸,酒石酸,安息香酸,メタンスルホ
ン酸,トルエンスルホン酸)などが挙げられる。
また化合物(I h) [式中、D,R2,R3,R8,m,pは前記と同意義]は、式(I
g)で示される化合物を酸または塩基で処理することに
より製造することができる。すなわち式(I e)で表わ
される化合物を鉱酸(例えば、硝酸,塩酸,臭化水素
酸,ヨウ素酸,硫酸等)またはアルカリ金属水酸化(例
えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリ
ウム,水酸化リチウム等)の水溶液中、10゜から150
℃,好ましくは50゜から100℃で行なうことができる。
酸および塩基の強さとしては、1規定から10規定前後が
よく、好ましくは4規定から10規定で行なうことができ
る。用いる酸又は塩基は、式(I g)に示される化合物
に対し約20〜40当量用いる。反応時間は、反応温度にも
よるが、通常1時間から24時間,好ましくは2時間から
10時間程度である。
式(I i) [式中、R1,R2,R3,p,mは前記と同意義]で表わされる化
合物は、例えば式(VII) [式中、R1,mは前記と同意義]で表わされる化合物と、
例えば、式(VIII) [式中、R2,R3,p,Xは前記と同意義]で表わされる化合
物とを反応させ得られる化合物を脱水反応に処すことに
よって製造することができる。
式(VII)と式(VIII)で表わされる化合物との反応
は、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン
などの非プロトン性溶媒中、アルキルリチウム(例え
ば、n−ブチルリチウム,イソブチルリチウム等)を用
い、−78゜〜20℃程度、好ましくは−78゜〜−50℃の温
度で行なうことができる。通常式(VIII)で表わされる
化合物1モルに対し、式(VII)で表わされる化合物を
約1〜4モル,好ましくは1〜1.5モル量用いる。
脱水反応は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳
香族系溶媒,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエ
ーテル系溶媒など反応を妨げない一般に用いられる溶媒
中、必要ならばトルエンスルホン酸,濃硫酸等の酸触媒
存在下、50゜〜150℃に加熱することにより達せられ
る。また鉱酸中(例えば、硝酸,塩酸,臭化水素酸,硫
酸等)50゜〜110℃に加熱することによっても製造する
ことができる。
式(I j) [式中、R2,R3,p,mは前記と同意義]で表わされる化合
物は、式(I i)で表わされる化合物を、酸または塩基
で処理するか、式(I i)で示される化合物を、自体公
知の方法で還元することにより、製造する事ができる。
式(I i)で示される化合物を、酸または塩基で処理す
る際に用いる酸または塩基としては、鉱酸(例えば硝
酸,塩酸,臭化水素酸,ヨウ素酸,硫酸等)またはアル
カリ金属水酸化(例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウム,水酸化バリウム,水酸化リチウム等)があげられ
る。該処理はこれら酸または塩基の水溶液中、10゜から
150℃,好ましくは50゜から100℃で行なうことができ
る。酸および塩基の強さとしては、1規定から10規定前
後がよく、好ましくは4規定から10規定で行なうことが
できる。式(I j)で示される化合物に対し、酸又は塩
基を通常約20〜40当量用いる。反応時間は、反応温度に
もよるが、通常1時間から24時間、好ましくは2時間か
ら10時間程度である。式(I j)で示される化合物を還
元する自体公知の方法としては、例えば、溶媒として
は、反応を妨げない限り、化学反応において一般に使用
される溶媒ならばいずれでもよく、例えば水,メタノー
ル,エタノール,ジメチルホルムアミド,テトラヒドロ
フラン,ジオキサンなどの溶媒中、触媒としては、パラ
ジウム系,ロジウム系,白金系,ラネーニッケル系の触
媒存在下、−10℃〜100℃,好ましくは20℃〜50℃程度
で、水素圧1気圧〜100気圧,好ましくは1気圧から5
気圧,必要ならば、酸存在下で行なうことができる。用
いられる酸としては、鉱酸(例えば、塩酸,硝酸,リン
酸,臭化水素酸)あるいは有機酸(例えば、酢酸,プロ
ピオン酸,酒石酸,安息香酸,メタンスルホン酸,トル
エンスルホン酸)などが挙げられる。
また化合物(I k) [式中、A,R2,R3,p,mは前記と同意義]は式(I c),式
(I d)で表わされる化合物を脱水反応に処すことによ
って製造することができる。
脱水反応は、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳
香族系溶媒,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエ
ーテル系溶媒など反応を妨げない一般に用いられる溶媒
中、必要ならばトルエンスルホン酸,濃硫酸等の酸触媒
存在下、50゜〜150℃に加熱することにより達せられ
る。また鉱酸中(例えば、硝酸,塩酸,臭化水素酸,硫
酸等)50゜〜110℃に加熱することによっても製造する
ことができる。
化合物(I l) [式中、R1′は上記R1定義のうち水素原子を除いた意
義、つまり置換基を有していてもよい炭化水素残基又は
置換基を有していてもよいアシル基を示し、R2,R3,A,m,
pは前記と同意義]は、式(I b),(I d),(I e),
(I h),(I j),(I k)で表わされる化合物と式(I
X) R1′X (IX) [式中、R1′,Xは前記と同意義]で表わされる化合物と
を反応して製造することができる。
化合物(I b),(I d),(I e),(I h),(I
j),(I k)と化合物(IX)との反応は、溶媒としては
反応を妨げない限り、化学反応において一般に使用され
る溶媒ならいずれでもよく、プロトン性溶媒(例、水,
メタノール,エタノール,プロパノール等),もしくは
非プロトン性溶媒(例、エチルエーテル,テトラヒドロ
フラン,ジオキサン,ジメチルホルムアミド,アセトニ
トリル等)の溶媒中、−10℃から200℃,好ましくは20
℃から100℃の温度で行なうことができる。
さらに本反応は必要に応じて、たとえば、ピリジン、
4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリ
エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミンなど
の有機塩基や、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウムなどの存在下に行なうことができ
る。式(I b),(I d),(I e),(I h),(I
j),(I k)で表わされる化合物1モルに対して、式
(IX)で表わされる化合物は通常約1〜10モル量、好ま
しくは1〜2モル量程度用いる。又、反応時間は通常約
1時間〜48時間、好ましくは1時間〜10時間程度であ
る。
本発明の化合物(I)は、脳卒中後遺症,脳内低酸
素,脳虚血にともなう諸症状,頭部外傷にともなう諸症
状,手術時における諸症状,特に脳浮腫,意識障害等に
対し、脳・神経細胞保護作用を示すことが認められ、こ
れらの疾病の予防または治療に用いることができる。本
発明の化合物を脳卒中後遺症等の予防、治療に用いる場
合にはたとえば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤,
坐剤など種々の剤型で、ヒトを含む哺乳動物に経口的、
もしくは非経口的に投与しうる。投与量は対象疾患の種
類、症状などにより差異はあるが、一般的に成人におい
て、注射投与の場合、一日につき0.1mg〜3g,好ましくは
0.3mg〜300mg,最も好ましくは3mg〜50mgである。経口投
与の場合、一日につき好ましくは1mg〜1g,最も好ましく
は10mg〜300mgである。
本発明の化合物の中には、哺乳動物の中枢神経系に作
用し、強いコリンエステラーゼ阻害活性を有し、人また
は動物(例えば、マウス)における各種健忘誘発作用に
対し優れた抗健忘作用を示すもの[例えば、前記化合物
(I′)等]もある。
これらの化合物は、公知のコリンエステラーゼ阻害剤
であるフィゾスチグミンと比較して、中枢神経に対する
作用と末梢神経に対する作用との分離が極めてよく、抗
健忘作用を示す用量は、痙攣作用,流涎作用,下痢など
の末梢神経作用は無いか、もしくは極めて軽微で、作用
持続時間が長く、毒性が低い特長を有する、また経口投
与により著効を奏する。
従って本発明化合物は人を含む哺乳動物の脳機能改善
薬としても有用である。
本発明の化合物の有用な対象疾病名としては、たとえ
ば老年性痴呆,アルツハイマー病,ハンチントン舞踏
病,運動過多病,躁病などが挙げられ、これらの疾病の
予防または治療に用いることができる。
本発明の化合物をこれら脳機能改善薬として用いるに
当ってはたとえば、錠剤,顆粒剤,カプセル剤,注射
剤,坐剤など種々の剤型でヒトを含む哺乳動物に経口
的、もしくは非経口的に投与しうる。投与量は対象疾患
の種類,症状などにより差異はあるが、一般的に成人に
おいては、経口投与の場合、一日につき約0.001mg〜100
mg、好ましくは0.01〜30mg,より好ましくは0.3〜10mgで
ある。
実施例 以下実施例、製剤例、試験例を示して本発明をより具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はないということはいうまでもない。
尚、以下の記載において下記の略号を用いた Ac:アセチル基 又、室温とあるのは約10〜30℃を意味する。
実施例1 1−アセチル−4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフ
チル)カルボニル]ピペリジン N−アセチルイソニペコチン酸クロリド12.7gと1−
フルオロナフタレン10gをジクロロメタン100mlに溶か
し、室温で塩化アルミニウム20gを徐々に加えた後、更
に室温で3時間撹拌した。反応溶液を氷水に注いだ後、
有機層を取り、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
留去した。残ったオイル状化合物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル,メタノー
ル)で分離精製し、1−アセチル−4−[(4−フルオ
ロ−1−ナフチル)カルボニル]ピペリジン5.8gを得
た。この1−アセチル−4−[(4−フルオロ−1−ナ
フチル)カルボニル]ピペリジン3gを50%ジメチルアミ
ン水溶液10mlに溶かし、室温で一夜放置後、溶液に10%
水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えた後、ジクロロメタ
ンで抽出した。溶液を無水留去マグネシウムで乾燥後、
溶媒を留去し、得られた個体を、酢酸エチルで再結晶
し、融点154−156℃の無色結晶2.6gを得た。
元素分析値 C20H24N2O2として 計算値:C 74.05;H 7.46;N 8.63 実験値:C 74.16;H 7.40;N 8.32 実施例2 4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフチル)カルボニ
ル]ピペリジン フマレート 実施例1で得られた1−アセチル−4−[(4−ジメ
チルアミノ−1−ナフチル)カルボニル]ピペリジン2.
5gをエタノール10ml,水10ml濃塩酸10mlの混合溶液に溶
かし、100℃で24時間加熱撹拌した。溶媒留去後、水10m
lを加え、固体炭酸水素ナトリウムで溶液を塩基性にし
た後、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を留去し、オイル状化合物2.2gを得た。こ
のオイル状化合物1gをメタノール10mlに溶解し、これに
フマル酸0.42gを加え溶かした後、溶媒を留去し、得ら
れた個体をエタノールより再結晶し、融点156−157℃の
無色結晶0.97gを得た。
元素分析値 C22H26N2O5として 計算値:C 66.32;H 6.58;N 7.03 実験値:C 66.56;H 6.58;N 6.96 実施例3 4−[[α−ヒドロキシ−(4−ジメチルアミノ−1−
ナフチル)]メチル]ピペリジン フマレート 実施例2で得られた4−[(4−ジメチルアミノ−1
−ナフチル)カルボニル]ピペリジン1gをエタノール10
ml,水2mlの混合溶媒に溶かし、室温で水素化ホウ素ナト
リウム0.6gを徐々に加えた後、室温で4時間撹拌した。
反応終了後、水を20ml加え、酢酸エチルで抽出した。溶
液を無水硫酸で乾燥後、溶媒を留去し、得られたオイル
状化合物0.75gをメタノール10mlに溶かし、それにフマ
ル酸0.24gを溶解させた。溶媒を留去し、残渣をエタノ
ールで再結晶し、融点188−191℃の無色結晶0.6gを得
た。
元素分析値 C22H28N2O5として 計算値:C 65.98;H 7.05;N 7.00 実験値:C 66.05;H 7.10;N 6.81 実施例4 1−アセチル−4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフ
チル)メチル]ピペリジン 実施例1で得られた1−アセチル−4−[(4−ジメ
チルアミノ−1−ナフチル)カルボニル]ピペリジン2.
2gをジオキサン20ml,水19ml,濃塩酸1mlの溶液に溶か
し、10%パラジウム/炭素を触媒とし、常温常圧で接触
還元を行なった。反応終了後、触媒を去し、溶媒を留
去した後、再び水20mlを加えた。個体炭酸水素ナトリウ
ムで溶液を塩基性にした後、酢酸エチルで抽出した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残ったオ
イル状化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:酢酸エチル)で分離精製し、無色オイル状
化合物1.2gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.0−1.5(2H,m),1.6−2.0(3H,
m),2.03(3H,s),2.2−2.7(1H,s),2.7−3.1(1H,
s),2.85(6H,s),2.93(2H,d),3.6−4.0(1H,m),4.5
−4.8(1H,m),6.9−7.3(2H,m),7.4−7.6(2H,m),7.
8−8.0(1H,m),8.2−8.4(1H,m) 実施例5 4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフチル)メチル]
ピペリジン フマレート 実施例4で得られた1−アセチル−4−[(4−ジメ
チルアミノ−1−ナフチル)メチル]ピペリジン1gを実
施例2と同様の操作を行なうことにより、融点147−148
℃の無色結晶0.8gを得た。
元素分析値 C22H28N2O4として 計算値:C 68.73;H 7.34;N 7.29 実験値:C 68.45;H 7.47;N 7.15 実施例6 1−ベンジル−4−[3−(4−ジメチルアミノ−1−
ナフチル)−3−オキソプロピル]ピペリジン フマレ
ート 1) β−(ピリジン−4−イル)アクリル酸エチルエ
ステル33gを酢酸300mlに溶かし、酸化白金を触媒とし、
70−80℃,常圧で接触還元した。無水酢酸40mlを加えた
後、触媒を去し、溶媒を減圧留去した。残渣を水に溶
かし、炭酸カリウムで中和し、生成物をジクロロメタン
で抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
し、オイル状化合物44.8gを得た。
2) オイル状化合物42.9gをメタノール200mlに溶か
し、水酸化カリウム12.7gを水20mlに溶かした溶液を加
え、50℃で1.5時間,室温で12時間撹拌した。濃塩酸で
中和し、溶媒を留去した後、メタノールを加え不溶物を
去し、液を濃縮して得られる粗結晶を取し、(N
−アセチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸27g
(融点201−206℃)を得た。
3) (N−アセチルピペリジン−4−イル)プロピオ
ン酸2.4gを用いて、実施例1と同様の操作を行い、融点
125−126℃の無色結晶、1−アセチル−4−[3−(4
−フルオロ−1−ナフチル)−3−オキソプロピル]ピ
ペリジン2.5gを得た。
元素分析値 C20H22FNO2として 計算値:C 73.37;H 6.77;N 4.28 実験値:C 73.35;H 6.72;N 4.26 4) 1−アセチル−4−[3−(4−フルオロ−1−
ナフチル)−3−オキソプロピル]ピペリジン1.0gの濃
塩酸(10ml)溶液を16時間加熱還流後、濃塩酸を減圧留
去した。残渣を水に溶かし、5%水酸化ナトリウム水溶
液で弱アルカリ性(pH≒8)とした後、ジクロロメタン
で抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒
を減圧留去して残渣0.83gを得た。この残渣0.83gのエタ
ノール(10ml)溶液に炭酸カリウム0.55gを加え、氷冷
下臭化ベンジル0.5gを滴下した。この混合物を室温で2
時間撹拌後、過し、液を減圧濃縮した。残渣に水を
加え、ジクロロメタンで抽出し、水洗後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を留去して融点113−115℃の無色
結晶として、1−ベンジル−4−[3−(4−フルオロ
−1−ナフチル)−3−オキソプロピル]ピペリジン0.
76gを得た。
元素分析値 C25H26FNOとして 計算値:C 79.97;H 6.98;N 3.73 実験値:C 79.91;H 6.82;N 3.69 5) 1−ベンジル−4[3−(4−フルオロ−1−ナ
フチル)−3−オキソプロピル]ピペリジン0.4gと50%
ジメチルアミン水溶液3mlの混合物を、70℃で16時間撹
拌後、反応物をジクロロメタンに溶かし、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液,続いて水で洗った後、有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で留去して得た
油状物(0.38g)をフマル酸(0.11g)で処理し、エタノ
ールから結晶化させることにより、融点149−151℃の無
色結晶として、1−ベンジル−4−[3−(4−ジメチ
ルアミノ−1−ナフチル)−3−オキソプロピル]ピペ
リジン フマレート0.46gを得た。
元素分析値 C27H32N2O・C4H4O4として 計算値:C 72.07;H 7.02;N 5.42 実験値:C 71.97;H 6.88;N 5.33 実施例7 1−ベンジル−4−[3−[4−(ピロリジン−1−イ
ル)−1−ナフチル]−3−オキソプロピル]ピペリジ
ン フマレート 実施例7−4)で得られた1−ベンジル−4−[3−
(4−フルオロ−1−ナフチル)−3−オキソプロピ
ル]ピペリジンを用いて、実施例7−5)と同様にし
て、融点78−82℃の無色粉末として、1−ベンジル−4
−[3−[4−(ピロリジン−1−イル)−1−ナフチ
ル]−3−オキソプロピル]ピペリジン フマレートを
得た。
元素分析値 C29H34N2O・C4H4O4として 計算値:C 73.04;H 7.06;N 5.16 実験値:C 72.98;H 7.04;N 5.00 [試験例] 1.抗脳浮腫作用 雄性ラット(Wister/Jcl,11週令)をエーテル麻酔
下,頚部切開し翼突口蓋動脈および外頚動脈を結紮し
た。総頚動脈血流遮断後、逆行性に外頚動脈からカニュ
ーレを挿入し、内頚動脈基始部に留置した。カーボンマ
イクロスフェア(径50±10μm)を20%デキストランに
懸濁し、約10秒間かけてカニューレから内頚動脈内に選
択的に注入した。注入72時間後に、脳摘出後、左右大脳
半球に分離し、それぞれの含水量,ナトリウム量,イオ
ン量を測定した。被検薬はマイクロスフェア注入日に
は、注入30分前および5時間後、以後実験終了まで、午
前,午後の1日2回,腹腔内投与した。対照群には5%
アラビアゴムを用いた。結果を第1表に示す。
2.コリンエステラーゼ阻害作用 本発明の化合物のコリンエステラーゼ阻害作用を(ac
etyl−[3H])−アセチルコリンを使用して検討した。
すなわち、コリンエステラーゼ源として、Wistar雄性ラ
ット大脳皮質ホネジネートのS1画分を用い、基質として
(acetyl−[3H])−アセチルコリンを、また被検体と
して本発明化合物を添加し、30分間インキュベートの後
に反応を止め、トルエン系シンチレーターを加えて振と
うし、反応により生成した[3H]−酢酸をトルエン層に
移行させて液体シンチレーションカウンターで計数する
ことにより、コリンエステラーゼ阻害活性を求めた。
被検化合物のコリンエステラーゼ阻害活性は50%阻害
濃度(IC50)で表わした。(第2表) 第 2 表 化合物 アセチルコリンエステラーゼ (実施例番号) 阻害活性IC50(μM) 6 4.1 7 3.7 製剤例1 (1)4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフチル)メ
チル]ピペリジン フマレート(実施例5の化合物) 50g (2)乳糖 198g (3)トウモロコシ澱粉 50g (4)ステアリン酸マグネシウム 2g (1)(2)および20gのトウモロコシ澱粉を混和
し、15gのトウモロコシ澱粉と25mlの水から作ったペー
ストとともに顆粒化し、これに15gのトウモロコシ澱粉
と(4)を加え、混合物を圧縮して、錠剤1錠当たり
(1)を50mg含有する直径5mmの錠剤1000個を製造し
た。
製剤例2 4−[(4−ジメチルアミノ−1−ナフチル)メチ
ル]ピペリジン フマレート2gおよびマンニトール1.25
gを水に溶解した後、0.1N−NaOHにてpHを5〜7に調整
後、全量を100mlとする。この溶液を0.2μmのフィルタ
ーで除菌過した。これを1ml用アンプル100本に分注し
た。
発明の効果 本発明の環状アミン化合物(I)およびその塩は、上
記試験例でも明らかにされたように、マウスにおいて、
強い抗ヒポキシア作用を示し、またラットにおいて、抗
脳浮腫作用を示した。
本発明の環状アミン化合物(I)およびその塩の有用
な対象疾病としては、たとえば脳内低酸素及び脳虚血に
ともなう諸症状,脳内新生物質や外傷圧による頭蓋内圧
上昇にともなう諸症状、たとえば脳浮腫や痴呆症などの
疾病が挙げられ、本発明の環状アミン化合物(I)およ
びその塩は、これらの疾病の予防または治療に用いるこ
とができる。
従って、本発明は有用な脳卒中後遺症治療剤とりわけ
脳浮腫治療剤,脳・神経細胞保護剤を提供する。
又本発明に係る化合物の中には哺乳動物の中枢神経系
に作用し、強いコリンエステラーゼ阻害活性を有するも
のもあり、これらはたとえば老年痴呆、アルツハイマー
病、ハンチントン舞踏病などの予防、治療に用いること
ができ、医薬として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 207/09 C07D 207/09 213/36 213/36 401/10 401/10 413/10 413/10 (56)参考文献 特開 昭55−73585(JP,A) Chem.Pharm.Bull., 24(12),3045−57(1976) Arzneim.−Forsch., 16(10),1306−10(1966) J.Chem.Soc.B,1968 (12),1431−5(1968) Alex.J.Pharm.Sc i.,2(1),50−3(1988) Biomed.Chromatog r.,2(4),139−44(1987) J.Org.Chem.,52(19), 4219−23(1987) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 [式中、Bは置換されていてもよい飽和又は不飽和の5
    〜7員アザ複素環状基を示し、Aは炭化水素残基,オキ
    ソ基,ヒドロキシイミノ基若しくはヒドロキシ基で置換
    されていてもよい二価又は三価の脂肪族炭化水素残基を
    示し、 は単結合若しくは二重結合を示し、R2,R3はそれぞれ独
    立して水素原子若しくは置換基を有していてもよい炭化
    水素残基を示すか又は、隣接する窒素原子とともに環状
    アミノ基を形成していてもよく、pは1又は2を示す]
    で表わされるアミノナフタレン化合物およびその塩。
  2. 【請求項2】Bが、式 [式中、mは0,1または2を示し、破線は5〜7員アザ
    複素環状基が飽和または不飽和の5〜7員アザ複素環状
    基を形成していることを示し、該5〜7員アザ複素環状
    基は炭素原子の位置で−A−と結合していることを示
    し、R1は、水素原子,置換基を有していてもよい炭化水
    素基または置換基を有していていてもよいアシル基(但
    し、該5〜7員アザ複素環状基が飽和または窒素原子を
    含まない位置でのみ一部不飽和である場合にのみ、R1
    窒素原子上に存在する。)を示す。]で表わされる請求
    項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Bが、N−ベンジルピペリジニル基(但
    し、ベンジル基は置換されていてもよい)である請求項
    1記載の化合物。
  4. 【請求項4】Bがピペリジニル基であり、Aがメチレン
    基である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】式 [式中、lは0〜4の整数で、R2及びR3は請求項1と同
    義である]で表わされる請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の化合物を含有することを特
    徴とする脳浮腫治療剤。
  7. 【請求項7】請求項1記載の化合物を含有することを特
    徴とする脳・神経細胞保護剤。
  8. 【請求項8】請求項3記載の化合物を含有することを特
    徴とするコリンエステラーゼ阻害剤。
  9. 【請求項9】請求項3記載の化合物を含有することを特
    徴とする脳機能改善剤。
JP2323493A 1989-12-11 1990-11-26 アミノナフタレン化合物 Expired - Lifetime JP3054742B2 (ja)

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