JP3054155B2 - 時間進め装置 - Google Patents

時間進め装置

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JP3054155B2
JP3054155B2 JP1196463A JP19646389A JP3054155B2 JP 3054155 B2 JP3054155 B2 JP 3054155B2 JP 1196463 A JP1196463 A JP 1196463A JP 19646389 A JP19646389 A JP 19646389A JP 3054155 B2 JP3054155 B2 JP 3054155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願に対するクロスリファレンス 本出願は、下記の提出出願に関係するものである: 1987年6月23日出願の、発明者:Michael J.Redig及び
David M.Praterによる、出願番号第065,971号の「Devic
e For Synchronizing The Output Pulses of A Circuit
With An Input Clock」と題する出願。
[発明の技術分野] 本発明は、プリント回路基板のテストシステムに関す
るものであり、とりわけ、プリント回路基板テストシス
テムのクロックパルスとテストを受けるプリント回路基
板のクロックパルスとを同期させる装置に関するもので
ある。
[発明の技術的背景及びその問題点] プリント回路基板テストシステムのクロックパルス
と、テストを受けるプリント回路基板に生じるクロック
パルスとの同期をとることが、プリント回路基板テスト
システムの分野における問題である。プリント回路基板
テストシステムは、アナログ回路、ハイブリッド回路、
及び、デジタル回路に用いられる完全に集積された1組
の資源である。プリント回路基板テストシステムは、普
通、プリント回路基板に取りつけられたデバイスに対す
る短絡及び開路テスト;アナログ、ハイブリッド、及
び、デジタル方式のクラスターテスト及び機能テストを
行なうものである。
プリント回路基板テストシステムによって実行される
テストシーケンスは、テスト技師によって、テストを受
けるプリント回路基板の動作要件に適合するように、プ
リント回路基板テストシステムにプログラムされる。プ
リント回路基板テストシステムには、複数の信号発生回
路と信号検出回路が含まれている。テスト技師は、プリ
ント回路基板テストシステムにプログラムして、既知の
大きさ、形状、及び、持続時間を備えた信号のタイムド
(timed)・シーケンスを生成する。テストを受けるプ
リント回路基板に対する電気的相互接続は、プリント回
路基板テストシステム上にあらかじめ決められたパター
ンを形成する、複数の導電性ピンから成る“ネイルベッ
ド(bed of nails)”インターフェイスを介して行なわ
れる。ネイルベッドは、信号発生回路及び信号検出回路
に接続されている。テストを受けるプリント回路基板
は、ネイルベッド上に配置されて、テストを受けるプリ
ント回路基板上のさまざまなテストポイントとプリント
回路基板テストシステムとの電気的相互接続が行なわれ
る。プログラマブル信号発生回路は、ネイルベッドにお
けるピンのいくつかにタイムド・シーケンスで信号を加
え、テストを受けるプリント回路基板を駆動するのに利
用される。ネイルベッド上の他のピンには信号検出回路
が接続されており、加えられるこれらのテスト信号に対
するテストを受けるプリント回路基板の応答をモニター
するようになっている。
この構成に関する問題は、テストを受けるプリント回
路基板と、プリント回路基板テストシステムの両方にお
けるクロック信号の同期をとるのが困難であるという点
である。すなわち、多くの場合、テストを受けるプリン
ト回路基板は、プリント回路基板テストシステムのクロ
ック信号発生回路とは無関係に動作する、クロック信号
発生回路を備えている。既存のプリント回路基板テスト
システムの場合、2つのクロックは、テストを受けるプ
リント回路基板によって発生するクロック信号をモニタ
ーし、位相ロック式ループを利用するプリント回路基板
テストシステムによって同期がとられ、テストを受ける
プリント回路基板によって発生するクロック信号と整合
するように、プリント回路基板テストシステムにおける
クロック信号発生回路のクロック周波数及び位相に調整
が加えられる。この構成に関する問題は、プリント回路
基板テストシステム駆動回路には、ある程度の遅延時間
があるという事実から、プリント回路基板テストシステ
ムが発生するクロック信号と、テストを受けるプリント
回路基板が発生するクロック信号の間には、有限タイミ
ング差が生じるという点である。2つのクロック信号
は、プリント回路基板テストシステムの位相ロック式ル
ープの入力において同期がとれているが、プリント回路
基板テストシステムによって発生するクロック信号が、
テストを受けるプリント回路基板に加えられるとき、駆
動回路と、関連導体との応答時間によって、信号にある
程度の遅延が生じることになる。
[発明の目的] 本発明は、テストを受けるプリント回路基板における
テストを受けるプリント回路基板のクロック信号と、プ
リント回路基板テストシステムの出力でのクロック信号
とを正確に整合させることのできる装置を提供すること
を目的とする。
[発明の概要] 本発明のプログラマブル時間進め回路によって、上述
の問題は、解決され、該分野における技術的進展が達成
される。この装置は、プリント回路基板テストシステム
の導体及び駆動回路によって生じる固有の遅延を相殺
し、テストを受けるプリント回路基板におけるテストを
受けるプリント回路基板のクロック信号に正確に整合す
るクロック信号が、プリント回路基板テストシステムの
出力で得られるようにする働きをしている。これは、位
相ロック式ループにクロック進め信号を挿入して、プリ
ント回路基板テストシステムにおけるクロック信号発生
回路のタイミングを進めることにより、プリント回路基
板テストシステムにおける位相ロックループ及び駆動回
路によって生じる遅延を補償することで可能になる。
プリント回路基板テストシステムにおけるクロック信
号発生回路は、所定の中心周波数のクロック信号を発生
する電圧制御式発振器から成り、このクロック信号は、
電圧制御式発振器に加えられる制御信号によって調整す
ることができる。電圧制御式発振器によって発生するク
ロック信号が、テストを受けるプリント回路基板からの
クロック信号と共に、位相検出器の入力に加えられる。
位相検出器は、2つのクロック信号を比較し、これら2
つのクロック信号の差の方向と大きさの両方を表わした
クロック調整信号を発生する。このクロック調整信号
が、電圧制御式発振器に加えられ、それによって生じる
クロック信号の中心周波数に調整が加えられて、電圧制
御式発振器によって発生するクロック信号とテストを受
けるプリント回路基板から得られるクロック信号との同
期がとれることになる。
プログラマブル時間進め回路は、電圧制御式発振器に
よって発生し、駆動回路によってテストを受けるプリン
ト回路基板に加えられるクロック信号の遅延を、位相ロ
ック式ループの位相検出部分にクロック進め信号を送り
込むことによって補償する。このクロック進め信号は、
プリント回路基板テストシステムの導体の応答時間と、
駆動回路の応答時間とによって生じる、測定される時間
遅れを整合させる一定の大きさと接続時間とを備えた信
号である。このクロック進め信号と位相検出器からのク
ロック調整信号とを合計することによって、テストを受
けるプリント回路基板に対し駆動回路を介して加えられ
る電圧制御式発振器の出力と、テストを受けるプリント
回路基板によって発生するクロック信号との正確な同期
がとれることになる。クロック進め信号によって電圧制
御式発振器の発生するクロック信号が時間的にシフト
し、導体と駆動回路によって生じる遅延時間が相殺され
ることになり、一方、位相検出器からのクロック調整信
号によって、電圧制御式発振器の発生するクロック信号
の周波数が調整され、テストを受けるプリント回路基板
が発生するクロック信号に整合することになる。クロッ
ク進め信号はプログラム可能なので、ユーザの規定でき
る一定量の時間進めがこのシステムにおいて供給され得
る。
[発明の実施例] プリント回路基板テストシステムのクロックと、テス
トを受けるプリント回路基板で発生するクロック信号の
同期をとるのが、プリント回路基板テストシステムの分
野における問題である。プリント回路基板テストシステ
ムは、アナログ、ハイブリッド、及び、デジタル回路の
テストに用いられる、完全に集積された1組の資源であ
る。プリント回路基板テストシステムは、普通、プリン
ト回路基板に取りつけられたデバイスに対する短絡及び
開路テスト;アナログ、ハイブリッド、及び、デジタル
方式の回路内テスト;及び、アナログ、ハイブリッド、
及び、デジタル方式のクラスターテスト及び機能テスト
を行なうものである。
プリント回路基板テストシステムによって実行される
テストシーケンスは、テスト技師によって、テストを受
けるプリント回路基板の動作要件に適合するように、プ
リント回路基板テストシステムにプログラムされる。プ
リント回路基板テストシステムには、複数の信号発生回
路と信号検出回路が含まれている。テスト技師は、プリ
ント回路基板テストシステムにプログラムして、既知の
大きさ、形状、及び、持続時間を備えた信号のタイムド
・シーケンスを生成する。テストを受けるプリント回路
基板に対する電気的相互接続は、プリント回路基板テス
トシステム上にあらかじめ決められたパターンを形成す
る、複数の導電性ピンから成る“ネイルベッド”インタ
ーフェイスを介して行なわれる。ネイルベッドは、信号
発生回路及び信号検出回路に接続されている。テストを
受けるプリント回路基板は、ネイルベッド上に配置され
て、テストを受けるプリント回路基板上のさまざまなテ
ストポイントとプリント回路基板テストシステムとの電
気的相互接続が行なわれる。プログラマブル信号発生回
路は、ネイルベッドにおけるピンのいくつかにタイムド
・シーケンスで信号を加え、テストを受けるプリント回
路基板を駆動するのに利用される。ネイルベッド上の他
のピンには信号検出回路が接続されており、加えられた
これらのテスト信号に対するテストを受けるプリント回
路基板の応答をモニターするようになっている。
この構成に関する問題は、テストを受けるプリント回
路基板と、プリント回路基板テストシステムの両方にお
けるクロック信号の同期をとるのが困難であるという点
である。すなわち、多くの場合、テストを受けるプリン
ト回路基板は、プリント回路基板テストシステムのクロ
ック信号発生回路とは無関係に動作するクロック信号発
生回路を備えている。既存のプリント回路基板テストシ
ステムの場合、2つのクロックは、テストを受けるプリ
ント回路基板によって発生するクロック信号をモニター
し、位相ロック式ループを利用するプリント回路基板テ
ストシステムによって同期がとられ、テストを受けるプ
リント回路基板によって発生するクロック信号と整合す
るように、プリント回路基板テストシステムにおけるク
ロック信号発生回路のクロック周波数及び位相に調整が
加えられる。この構成に関する問題は、プリント回路基
板テストシステムの導体及び駆動回路には、ある程度の
遅延時間があるという事実から、プリント回路基板テス
トシステムが発生するクロック信号と、テストを受ける
プリント回路基板が発生するクロック信号の間には、有
限タイミング差が生じるという点である。従って、2つ
のクロック信号は、プリント回路基板テストシステムの
位相ロック式ループの入力において同期がとれている
が、プリント回路基板テストシステムによって発生する
クロック信号が、テストを受けるプリント回路基板に加
えられるとき、駆動回路と、関連導体との応答時間によ
って、信号にある程度の遅延が生じることになる。
本発明のプログラマブル時間進め回路は、導体と駆動
回路によって生じる固有の遅延を相殺し、テストを受け
るプリント回路基板におけるテストを受けるプリント回
路基板のクロック信号に正確に整合するクロック信号
が、プリント回路基板テストシステムの出力で得られる
ようにする働きをしている。これは、位相ロック式ルー
プにクロック進め信号を挿入して、プリント回路基板テ
ストシステムにおけるクロック信号発生回路のタイミン
グを進めることにより、プリント回路基板テストシステ
ムにおける導体及び駆動回路によって生じる遅延を補償
することで可能になる。
プリント回路基板テストシステムにおけるクロック信
号発生回路は、所定の中心周波数のクロック信号を発生
する電圧制御式発振器から成り、このクロック信号は、
電圧制御式発振器に加えられる制御信号によって調整す
ることができる。電圧制御式発振器によって発生するク
ロック信号が、テストを受けるプリント回路基板からの
クロック信号と共に、位相検出器の入力に加えられる。
位相検出器は、2つのクロック信号を比較し、これら2
つのクロック信号の間における差の方向と大きさの両方
を表わしたクロック調整信号を発生する。このクロック
調整信号が、電圧制御式発振器に加えられ、それによっ
て生じるクロック信号の中心周波数に調整が加えられ
て、電圧制御式発振器によって発生するクロック信号
と、テストを受けるプリント回路基板から得られるクロ
ック信号との同期がとれることになる。
プログラマブル時間進め回路は、電圧制御式発振器に
よって発生し駆動回路によってテストを受けるプリント
回路基板に加えられるクロック信号の遅延を、位相ロッ
ク式ループの位相検出部分にクロック進め信号を送り込
むことによって補償する。このクロック進め信号は、プ
リント回路基板テストシステムの導体の応答時間と、駆
動回路の応答時間によって生じる、測定を受ける時間遅
れを整合させる一定の大きさと持続時間を備えた信号で
ある。このクロック進め信号と位相検出器からのクロッ
ク調整信号を合計することによって、テストを受けるプ
リント回路基板に対し駆動回路を介して加えられる電圧
制御式発振器の出力と、テストを受けるプリント回路基
板によって発生するクロック信号との正確な同期がとれ
ることになる。クロック進め信号によって電圧制御式発
振器の発生するクロック信号が時間的にシフトし、導体
と駆動回路によって生じる遅延時間が相殺されることに
なり、一方、位相検出器からのクロック調整信号によっ
て、電圧制御式発振器の発生するクロック信号の周波数
が調整され、テストを受けるプリント回路基板が発生す
るクロック信号に整合することになる。クロック進め信
号は、プログラム可能であり、従って、このシステムの
場合、ユーザが定義可能な一定量の時間進めを行なうこ
とができるようになっている。
位相ロック式ループ(PLL) 第1図には、位相検出器140、ループフイルター109、
及び、電圧制御式発振器(VCO)101から成る位相ロック
式ループ(PLL)が示されている。本発明の場合、PLLに
は、プログラマブル時間進め回路104が付加される。
一般に、位相検出器140のような位相検出器には、2
つの、入力R(基準)とV(VCO)、及び、1つの出力
が備わっている。位相検出器は、RとVとの時間差を測
定し、その差を表わす出力信号を送り出す。第1図にお
いて、Rは、ライン129の基準信号であり、Vは、VCO10
1によってライン105に送り出される信号を表わしてお
り、位相検出器140の出力は、ライン123に送り出され
る。第1図において、ライン123の出力信号は、電荷で
ある。位相検出器140の動作は、数学的には、下記のよ
うに表わされるが: Q0=kpd・(tR−tV) ここで、kpdは、決まった定数、(tR−tV)は、R入
力とV入力との間における時間差、Q0は、位相検出器か
ら出力される電荷である。
第1図において、位相検出器140の出力は、ライン123
におけるループフィルター109に対する入力である。一
般に、ループフィルター109は、2つの機能を果たす: 1)位相検出器から出力される電荷をVCO101の駆動電圧
に変換する。
2)ループが働くのに必要なフィルタリングを行なうた
めの積分関数を発生する。
VCO101は、電圧制御式発振器であり、その周波数出力
は、その電圧入力に依存している。VCO101の動作は、数
学的に下記のように表わすことが可能である: F0=kVCO・Vin ここで、F0は、VCO101の周波数出力、kVCOは、VCO101
の同調定数、及び、Vinは、VCOの入力電圧(すなわち、
第1図におけるライン128のループフィルター109からの
出力)である。
第1図のPLLにおける“ループ”は、VCO101の出力信
号を位相検出器140のV入力に送るライン105によって完
成する。
従って、例えば、R入力に方形波の電圧信号が加えら
れると、位相検出器140が、R入力とV入力との差を測
定し、(ループフィルター109を介して)VCO101の周波
数がRに生じる入力周波数と等しくなるように調整す
る。RとVの入力信号の周波数が一致すると、そのルー
プは、“位相がロックされた”と称される。位相ロック
式ループの特徴の1つは、ループがロックされると、Q0
=kpd・(tR−tV)のため、(tR−tV)=0の場合、位
相検出器からライン123には電荷が出力されないという
ことになる。ループフィルター109に電荷が流入する
と、その電圧出力が変化し、従って、VCO101の周波数も
変化するので、ループのロックが不能になるため、この
結果は、重大である。従って、ループがロックされる
と、ループフィルターに流入する電荷はゼロにならざる
をえず、ループフィルターの電圧出力は、変化しない。
上述のPLLの動作は、当該技術において周知のところ
である。本発明では、PLLにプログラマブル時間進め回
路104を付加することが必要とされる。
時間進め回路(104)は、基準サイクル毎に一定量の
電荷を位相検出器の出力導体123に送り込むといった形
で動作する。ループをロックすると、ループフィルター
に流入する電荷がゼロにならざるをえないので、進め回
路104によって送り込まれる電荷をなんとかして除去し
なければならない。これは、位相検出器140によって送
り込まれる電荷を相殺するため、位相検出器140の出力Q
0=kpd・(tR−tV)は、進め回路104によって送り込ま
れる電荷と等しく、かつ、逆でなければならない。従っ
て: Qadv=-Q0=-kpd・(tR−tV) ということになる。ここで、Qadvは、進め回路104によ
って送り込まれる電荷を表わしている。従って、Qadv
非ゼロであり、(tR−tV)も非ゼロであるため、R入力
とV入力との間で時間的相殺が行なわれることになる。
この相殺については、Qadvを正または負にすることによ
って、正(R入力がV入力をリード)または負(V入力
がR入力をリード)にすることができる。
プログラマブル時間進め回路の機能に関する説明 第2図には、本発明のプログラマブル時間進め回路が
示されている。第2図には、“ネイルベッド"100を介し
てテストを受けるプリント回路基板103に相互接続され
た、プリント回路基板テストシステム107の一部が示さ
れている。テストを受けるプリント回路基板103には、
クロック信号発生回路が備わっているものと仮定する。
テストを受けるプリント回路基板103のクロック信号発
生回路からの出力は、プリント回路基板テストシステム
107のリード線129によって送られる。プリント回路基板
テストシステム107には、リード線105を介して駆動回路
102に相互接続された、電圧制御式発振器101が含まれて
いる。電圧制御式発振器101によって発生するクロック
信号は、リード線105を介して駆動装置102に出力され、
そこで複製されて(replicated)、リード線106及びネ
イルヘッド100を介して、テストを受けるプリント回路
基板103上の1つ以上の所定のリード線に加えられる。
電圧制御式発振器101の出力と、テストを受けるプリ
ント回路基板103によって発生するクロック信号との同
期をとる、位相ロック式ループ145が設けられている。
位相ロック式ループ145は、位相検出器140、ループフィ
ルター109、及び、VCO101から構成される。位相検出器1
40は、ループフィルター109を介して電圧制御式発振器1
01に加えられる、クロック調整信号を発生する。さら
に、プログラマブル時間進め回路104は、テストを受け
るプリント回路基板103によって発生するクロック信号
に接続されて、電圧制御式発振器101が発生するクロッ
ク信号を進めるようになっている。プログラマブル時間
進め回路104の出力信号は、リード線123に接続され、該
リード線が、ループフィルター109を介し電圧制御式発
振器101へこの信号を入力する。
動作時、テストを受けるプリント回路基板103によっ
て発生したクロック信号は、リード線129を介して位相
検出器140の入力の1つに加えられる。電圧制御式発振
器101によって発生するクロック信号は、リード線105を
介して位相検出器140の他の入力に加えられる。位相検
出器140には、入力に加えられる2つのクロック信号間
の差を測定する働きをする、位相検出集積回路(IC)11
0が含まれている。位相検出IC110は、当該技術では周知
のデバイスであり、例えば、Motorola MC 12040といっ
たデバイスである。位相検出IC110は、リード線129によ
ってテストを受けるプリント回路基板103から得る基準
クロック信号と、電圧制御式発振器101によって発生
し、リード線105に加えられるクロック信号との間にお
ける差の大きさと方向を判定する。
位相補正電流源 位相検出IC110には、U及びDで表示の2つの出力端
子が備わっており、これらの出力端子を利用して、発生
したクロック信号の周波数が、基準クロック信号より低
いか、あるいは、高いかを、それぞれ、表示するように
なっている。端子Uにおいて位相検出IC110によって発
生する信号は、リード線111を介して、位相補正電流源
回路108の入力の1つに加えられる。この信号が、リー
ド線118を駆動する反転駆動回路112に加えられる。リー
ド線118に生じる信号は、位相検出IC110によってリード
線111に出力された信号を反転した複製である。リード
線111における信号の大きさ、タイミング、及び、持続
時間は、テストを受けるプリント回路基板103によって
発生する基準クロック信号と、電圧制御式発振器101に
よって発生するクロック信号との間における時間差を表
わしたものである。電圧制御式発振器101によって発生
するクロック信号の周波数が、テストを受けるプリント
回路基板103によって発生するクロック信号より低い場
合には、位相検出IC110が、この信号をリード線111に加
える。そうでなければ、位相検出回路110によってリー
ド線111に信号が加えられるということはない。反転し
た形でリード線118に複製される、リード線111に生じる
信号は、電流源117と、ダイオード115及び116から成る
電流スイッチに制御を加える。リード線118における電
圧が、リード線123における電圧より高い場合には、ダ
イオード115がオンになり、ダイオード116がオフになっ
て、電流IPCの全てがダイオード115を介して取り出され
る。リード線118における電圧が、リード線123における
電圧より低い場合、ダイオード115がオフになり、ダイ
オード116がオンになって、電流IPCの全てが、ダイオー
ド116を介して取り出される。ダイオード116を介して取
り出される電流は、後述のように電圧制御式発振器101
によって生じるクロック信号に調整を加える。
同様に、位相検出IC110のD端子は、電圧制御式発振
器101の発生するクロック信号の周波数が、テストを受
けるプリント回路基板の発生するクロック信号よりも高
い場合、テストを受けるプリント回路基板103の発生す
る基準クロック信号と電圧制御式発振器101の発生する
クロック信号とのタイミング差を表わした信号を送り出
す。そうでなければ、位相検出IC110は、リード線113に
対し信号を加えない。位相検出IC110のD端子に加えら
れるこの補正信号は、リード線113によって駆動回路114
に送られ、そこで複製されて、リード線122に送り込ま
れる。リード線122に生じる信号は、電流源121とダイオ
ード119及び120から成る電流スイッチに制御を加える。
リード線122の電圧がリード線123の電圧に比べて高くな
ると、ダイオード120がオンになり、ダイオード119がオ
フになって、電流IPCの全てがダイオード120を介して取
り出されることになる。リード線122の電圧が、リード
線123の電圧に比べて低くなると、ダイオード120がオフ
になり、ダイオード119がオンになって、電流IPCの全て
がダイオード119を介して取り出されることになる。
この結果、位相補正電流源108の回路構成が、3つの
状態:電流ソース、電流シンク、無電流を備えた電流ス
イッチとして働くことになる。位相補正電流源108によ
って、ダイオード116または120を介して加えられる補正
信号は、リード線123によって、積分回路として機能す
るループフィルター109に対し出力され、電圧制御式発
振器101の周波数に修正を加えるための制御信号を発生
する。こうして、位相検出IC110が、位相補正電流源108
を駆動して、位相検出回路110に対する入力信号の位相
オフセットを表わした補正信号を送り出す。この補正信
号が、非反転入力が基準電圧源125に接続された差動増
幅器124の反転入力に加えられる。抵抗器126とコンデン
サ127が、差動増幅器124の反転入力と差動増幅器124の
出力端子との間に接続され、積分機能を果たすようにな
っている。ループフィルター109によって生じる出力信
号は、リード線128を介して電圧制御式発生器101の入力
端子に加えられ、電圧制御式発振器101を調整して、位
相検出IC110に対する入力信号にオフセットが生じない
ようにする。
プログラマブル時間進め回路104 この上述の回路構成によれば、テストを受けるプリン
ト回路基板103が発生するクロック信号に比較して、オ
フセットのないクロック信号が、電圧制御式発振器101
の出力から送り出されるようにすることができるが、こ
の発生したクロック信号は、リード線105を介して駆動
回路102に加えられ、そこで複製されて、リード線106を
通じ、ネイルベッド100を介して、テストを受けるプリ
ント回路基板103に加えられる。導体105及び106、ネイ
ルベッド100、及び、駆動回路102は、全て、電圧制御式
発振器101が発生するクロック信号に対し非ゼロ遅延を
もたらすことになる。従って、電圧制御式発振器101の
出力と、テストを受けるプリント回路基板103によって
位相検出器140の入力に生じるクロック信号との同期
は、これらのクロック信号の同期がクリティカルであ
る、テストを受けるプリント回路基板103において、こ
れら2つの信号の同期がとれることを保証するものでは
ない。導体105、106、ネイルベッド100、及び、駆動回
路102によって生じるクロック信号の遅延を保証するた
め、プログラマブル時間進め回路104によって、電圧制
御式発振器101の発生するクロック信号が所定の一定量
だけ進められ、リード線105、106、及び、駆動装置102
によって生じる遅延が正確に相殺されることになる。従
って、この回路によって、テストを受けるプリント回路
基板103の発生するクロック信号と正確に同期のとれた
クロック信号が、テストを受けるプリント回路基板103
に加えられることになる。この時間進めは、プログラマ
ブル時間進め回路104が位相補正電流源108の総和ノード
に、各クロックサイクル毎に、一定の電荷パケットを送
り込むことによって実施される。位相検出IC110の入力
が、リード線105、106、及び、駆動装置102によって生
じた遅延を正確にキャンセルする量だけオフセットされ
るまで、位相検出器140、ループフィルター109、及び、
VCO101によって実施される位相ロック式ループ145のフ
ィードバック動作によって、VCO101の発生するクロック
信号が調整される。
プログラマブル時間進め回路104の動作は、テストを
受けるプリント回路基板103の発生するクロック信号が
リード線129に生じると、開始される。このクロック信
号によって、ワンショット回路131がトリガーされ、一
定の持続時間delta−tqiのパルスが生じることになる。
この一定の持続時間のパルスは、駆動回路133によって
反転し、ダイオード134を介して定電流源136にスイッチ
される。駆動回路133が加える信号パルスによって、ス
イッチングダイオード134に逆バイアスがかけられ、そ
の結果、定電流源136によって生じる電流が、スイッチ
ングダイオード135を介して位相補正電流源108の総和ノ
ードに加えられるようにすることが可能になる。定電流
源136によって生じる電流の大きさは、データバス138で
デジタル・アナログ変換回路137に加えられる信号によ
って規定されるので、定電流源136によって得られる電
流の大きさはプログラムすることが可能である。定電流
源136によって得られる電流値は、ワンショット回路131
によって生じる駆動信号の持続時間よりも高い精度で制
御することができる。従って、プリント回路基板テスト
システム107は、定電流源136によって得られる電流Iqi
の固定値を設定するようにプログラムされる。テストを
受けるプリント回路基板103によって生じるクロック信
号と同期してトリガーし、一定の持続時間のパルスを発
生するワンショット回路131の働きにより、この電流
は、所定の時間期間加えられることになる。
行なわれる信号の総和が、電荷の総和演算であること
に留意するのが重要である。位相補正電流源108は、位
相検出回路110によって生じる出力信号の持続時間によ
って決まる時間長だけ、ループフィルター109に対し一
定の値の電流を加える。同様に、ループフィルター回路
109から除去される電荷は、定電流源136によって得られ
る電流に各クロックサイクル毎の時間長をかけたものに
等しくなり、定電流源136は、ワンショット回路131及び
それに連係した信号反転駆動回路133によって使用可能
になる。PLLがロックされると、プログラマブル時間進
め回路104の動作は、数字的に下記のように表わされ
る: 例えば、Ipcは、6mAに固定し、delta_tqiは、20nSに
固定して、Iqiをプログラマブル電流源(DAC)とするこ
とができる。結果として、d−elta_trvもプログラム可
能になり、その利得は: delta_trv/Iqi=(delta_tqi)/Ipc =20nS/6mA =3.33nS/mA 信号波形 第3図には、プログラマブル時間進め回路104の動作
を表わした、さまざまな信号波形が示されている。周期
的パルス信号や、任意の他の同様のクロック信号を利用
することも可能であるが、分りやすくするため、方形波
信号が示されている。第3図に示す第1の信号波形は、
Rで表示されているが、これは、テストを受けるプリン
ト回路基板103から生じ、リード線129に加えられる基準
クロック信号である。Vで表示の信号波形は、電圧制御
式発振器101が発生するクロック信号であり、プログラ
マブル時間進め回路104の動作を伴わずに、リード線105
に加えられる。信号波形V′は、テストを受けるプリン
ト回路基板103に生じる際のクロック信号Vである。従
って、クロック信号は、駆動装置102、導体105、106、
及び、ネイルベッド100の導体の応答時間のために、時
間t4−t3だけ遅延する。
プログラマブル時間進め回路104は、クロック進め信
号を発生し、その結果、電圧制御式発振器101V″の発生
するクロック信号が、駆動装置102、導体105、106、及
び、ネイルベッド100の応答時間によって生じる遅延時
間t4−t3にちょうど等しい時間t3−t2だけ、テストを受
けるプリント回路基板103が発生する基準クロック信号
をリードする。従って、プリント回路基板テストシステ
ム107によってテストを受けるプリント回路基板に加え
られるクロック信号は、Vであり、この信号は、テス
トを受けるプリント回路基板103のクロック信号発生回
路によって発生する基準クロック信号と正確に同期す
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明を用いることにより、テ
ストを受けるプリント回路基板のクロック信号とプリン
ト回路基板テストシステムの出力でのクロック信号とを
テストを受けるプリント回路基板において正確に整合さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は時間進め回路のついた位相ロック式ループを示
す図、第2図はプログラマブル時間進め回路を示す図、
第3図は該プログラマブル時間進め回路に関するタイミ
ング信号波形を示す図である。 101:電圧制御式発振器 104:プログラマブル時間進め回路 109:ループフィルター、140:位相検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/28 H03L 7/08 H03L 7/087

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリント回路基板テストシステムから生成
    される出力クロック信号を被試験プリント回路基板から
    生成される基準クロック信号に同期させるためのプログ
    ラム可能な時間進め装置であって、 入力端子に印加される制御信号によって周波数が可変さ
    れる前記出力クロック信号を発生する出力クロック信号
    発生器と、 前記基準クロック信号と前記出力クロック信号とを入力
    して該基準クロック信号と該出力クロック信号との位相
    差の方向及び大きさを示すクロック調整信号を発生する
    位相検出器と、 前記基準クロック信号を入力して、前記出力クロック信
    号のタイミングを前記基準クロック信号に対し所定の時
    間オフセット量だけ進めるためのクロック進め信号を前
    記基準クロック信号に同期して周期的に発生するための
    クロック進め信号発生器と、 前記クロック調整信号に前記クロック進め信号を結合し
    て前記出力クロック信号発生器の前記入力端子に印加す
    る手段と、 を備えて成る時間進め装置。
  2. 【請求項2】前記位相検出器が、 前記基準クロック信号と前記出力クロック信号とを入力
    して該両入力信号の位相差の方向を示す第1、第2の制
    御信号を発生する位相検出手段と、 位相検出器出力端子と、 前記第1の制御信号を入力する第1の駆動手段と、 第1の定電流源と、 前記第1の駆動手段の出力信号に応答して前記第1の定
    電流源を前記第1の駆動手段の出力または前記位相検出
    器出力端子に選択的に接続する第1のスイッチング手段
    と、 前記第2の制御信号を入力する第2の駆動手段と、 前記第1の定電流源と極性が反対の第2の定電流源と、 前記第2の駆動手段の出力信号に応答して前記第2の定
    電流源を前記第2の駆動手段の出力または前記位相検出
    器出力端子に選択的に接続する第2のスイッチング手段
    と、 を備えて成ることを特徴とする請求項(1)に記載の時
    間進め装置。
  3. 【請求項3】前記クロック進め信号発生器が、 前記基準クロック信号を入力して所定のパルス幅を有す
    る信号を発生するワンショット手段と、 前記ワンショット手段の出力に接続された第3の駆動手
    段と、 第3の定電流源と、 前記第3の駆動手段の出力信号に応答して前記第3の定
    電流源を前記第3の駆動手段の出力または前記位相検出
    器出力端子に選択的に接続する第3のスイッチング手段
    と、 前記第3の定電流源の出力の大きさを設定するためのデ
    ジタル・アナログ変換器と、 を備えて成ることを特徴とする請求項(1)に記載の時
    間進め装置。
  4. 【請求項4】プリント回路基板テストシステムから生成
    される出力クロック信号を被試験プリント回路基板から
    生成される基準クロック信号に同期させるためのプログ
    ラム可能な時間進め装置であって、 入力端子に印加される制御信号によって周波数が可変さ
    れる前記出力クロック信号を発生する電圧制御式発振器
    と、 前記基準クロック信号と前記出力クロック信号とに接続
    されて該基準クロック信号と該出力クロック信号との位
    相差の方向及び大きさを示す位相差信号を発生する位相
    検出器と、 前記基準クロック信号を入力して、前記出力クロック信
    号のタイミングを前記基準クロック信号に対し所定の時
    間オフセット量だけ進めるためのクロック進め信号を前
    記基準クロック信号に同期して周期的に発生するための
    クロック進め信号発生器と、 前記クロック進め信号を前記位相差信号に結合して前記
    電圧制御式発振器の前記入力端子に印加する手段と、 を備えて成る時間進め装置。
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