JP3053135B2 - 高精度座標測定器 - Google Patents

高精度座標測定器

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JP3053135B2
JP3053135B2 JP3325920A JP32592091A JP3053135B2 JP 3053135 B2 JP3053135 B2 JP 3053135B2 JP 3325920 A JP3325920 A JP 3325920A JP 32592091 A JP32592091 A JP 32592091A JP 3053135 B2 JP3053135 B2 JP 3053135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ干渉を利用した
高精度座標測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず従来技術に基づいて作られたレーザ
干渉座標測定器の概念を示す図8について説明する。
X,Y方向に移動可能なステージ6の上には長方形の反
射鏡Mx、Myが固定されている。これらの反射鏡M
x、MyはそれぞれX軸測定用レーザ干渉計(以下X干
渉計という)IxおよびY軸測定用レーザ干渉計(以下
Y干渉計という)Iyの測定アームに垂直になるように
配置されている。ステージ6がX方向に動く場合はX干
渉計IxによってX方向の移動量が測定され、またY方
向に動く時はY干渉計IyによってY方向の移動量が測
定される。3は被測定物4の上の描かれた図形5の位置
を検出する位置検出用顕微鏡等の表面位置検出器であ
る。X、Y干渉計Ix、Iyの光軸と、表面位置検出器
3の光軸は互いに垂直で、かつ1点で交わるようになっ
ている。このように構成されていれば、アッベの条件が
満たされ、ステージ1がX軸および/あるいはY軸の回
りに僅か傾いたとしても、この傾き角に比例する測定誤
差(アッベの誤差)は生じない。しかしこの例では被測
定物4を載せた重量のあるステージ6を動かさねばなら
ず、このためX干渉計Ix、Y干渉計Iyや、表面位置
検出器3が固定されている基台(図示せず)が十分な剛
性を持っていないと、基台に撓みが生じる。その結果、
干渉計と反射鏡の間隔が変わり誤差を生じる。ナノメー
タの精度を実現するためには、このような誤差を除去す
るためには基台の剛性を高めなければならず、装置全体
が大きく、かつ重たいものになる。従って、移動する物
体が出来るだけ軽量になる構成とすることが、精度向上
の鍵となる。
【0003】図9は3次元測定の概念図であり、図8に
示す構成に対してZ軸方向のZ干渉計Izおよびステー
ジ6の下面にZ軸反射鏡Mzを付加し、かつステージ6
がX、Y、Zの3次元に動くように構成されている。ま
た5aは3次元表面である。この例においても重いステ
ージ6を動かさねばならず、基台の撓みのよる誤差は避
けられない。移動物体を軽量化する方法は、ステージ6
の代わりに干渉計Ix、Iy、Izを3個の反射鏡の内
側に置き、表面位置検出器3と一体にして、これを移動
させる方法である。この場合、干渉計も表面位置検出器
もステージに比べれば、遙に軽量にすることができる。
しかし、干渉計を表面位置検出器に近付けようとする
と、干渉計が被測定物にぶつかってしまう。そこで接触
しないように干渉計の光軸を上方にずらせば、アッベの
条件を満たすことができない。このような不都合は2次
元の場合も同じである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光波干渉を利用した測
長システムでは、ナノメータオーダの非常に高い精度が
実現できると謂われている。しかし、位置検出も含めた
測定系を総合的に考慮しないと、干渉計が本来有する高
い精度を実現することは出来ない。また、従来の座標測
定器では、重量のあるステージを2次元に動かさなけれ
ばならず、撓みの来ない頑丈な基台が要求され、大形に
なってしまうと言う問題がある。更に、3次元物体を精
度高く測定する手段は未だ知られていない。本発明は測
長あるいは座標の測定器において、移動部分を軽量化す
ることによって、干渉計の有する高い精度を実現するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の高精度座
標測定器は、基台と、X軸またはY軸上で前記基台に固
設された反射鏡と、前記基台に対して前記反射鏡を設け
た軸に沿って移動可能に設けられた可動ホルダと、前記
反射鏡との相対的位置を検出するために前記可動ホルダ
上で被測定物から2fの位置に固定された干渉計光学系
と、検出光路が前記反射鏡で反射するように前記可動ホ
ルダに固設された表面位置検出器とを備えたことを特徴
とする。本発明は叙述の如く構成されたものであるか
ら、移動部分が軽量化され、かつアッベの誤差も生じな
いで高精度の測定が保証され、2次元、3次元の測定を
可能にする。
【0006】
【実施例】本発明を図面に基づき説明する。図1は第1
の実施例の3次元の場合の概念図を示した構成である。
基台1の上には平面反射鏡Mx、My、Mzがそれぞれ
図示しない適宜手段により固定されている。可動ホルダ
2には表面位置検出器3、X干渉計Ix、Y干渉計I
y、Z干渉計Izが取り付けられている。このホルダ2
は周知の3次元駆動機構によりX、Y、Zの3軸方向に
それぞれ自在に移動可能になっており、可動ホルダ2に
取り付けられた表面位置検出器3により基台1上に置か
れた3次元の被測定物4の表面位置を検出するようにな
っている。
【0007】ここで、アッベの誤差を除去する方法の一
例を図2、3に基づき説明する。図は可動ホルダ2に固
定された表面位置検出器3の光路図を示す。図におい
て、7は被測定物4を照明するための光源、8は照明の
ためのレンズ、9は照明用半透鏡である。対物レンズ1
0を被測定物4に焦点を合わせた時、被測定物4の或る
1点Oから出た光は、対物レンズ10で平行光束にな
り、半透鏡9、11を透過した後、Z軸反射鏡Mzで反
射し、再び半透鏡5に至り、ここで反射して接眼レンズ
12でピンホール13の面に集束する。ピンホール13
を通過した光の強度を光検出器14で検出する。
【0008】今、可動ホルダ2が被測定物4からLの距
離離れた光軸上の点Pを中心にして僅か回転した場合、
つまり、P点を通りY軸に平行な直線の回りに時計回り
回転をした場合を考えてみる。図3は回転後の様子を点
線で示す。ここで回転角をα、対物レンズ10の焦点距
離をfとする。回転前には点Oからの光がピンホール8
を通過する。若しZ反射鏡Mzも一緒に回転すると点O
の左Lαの位置にある点O’からの光がピンホール8を
透過する。実際には反射鏡Mzは回転しないので、O’
に対して2fαだけ右に在る点からの光がピンホール8
を透過する。従ってこの点がOに合致すれば可動ホルダ
2の傾きに関わらず、傾く以前と同じ点Oの位置を検出
する。このような要件を満足させるのは、L=2fの時
である。今、干渉計の光軸がP点を通るように干渉計を
取り付ければ可動ホルダ2が傾いても反射鏡Mzとの距
離はαの2次以上の誤差を無視すれば変化しない。換言
すれば、干渉計をこの位置に取り付ければ可動ホルダ2
の傾きにも関わらずO点の位置を正しく測定することが
できる。即ちアッベの誤差なく測定することができる。
可動ホルダ2がX軸の回りに回転した場合も、Y軸の回
りに回転した場合と全く同じ理由でアッベの誤差を除去
することができる。
【0009】図4は、図3と同一原理に基づく他の第2
の実施例を示す。光源7からの光は偏光プリズム15の
入射面に垂直に振動する直線偏光になっているので、偏
光プリズム15で反射した後、被測定物4を照射する。
被測定物4から反射した光は再び 1/4波長板16を通る
ことにより偏光面が90°回転するので、偏光プリズム
15を透過して反射鏡Mzに至り、ここで反射した偏光
プリズム15で反射してレンズ12を通り、ピンホール
8面上に被測定物4の像を結ぶ。17は 1/4波長板でプ
リズム15の反対側にある 1/4波長板16と同じく偏光
面を90°回転するために使用している。
【0010】上述のように図3、図4に示された光学系
によりX軸、Y軸の測定についてはアッベの誤差を除去
することができる。またZ軸の測定については干渉計の
測定光軸と表面位置検出器の光軸が合致するように配置
すればアッベの条件を満たすことができる。ただし、光
軸を共用することになるので、図5に示す第3の実施例
の如く、光軸に関して対称な偶数本の測定光束を有する
干渉計を使用する必要がある。干渉計の光軸部分には遮
蔽物がないので表面位置検出器の光束は干渉計に邪魔さ
れることはない。
【0011】図5において紙面に対して45°の振動面
を有する直線偏光IPが偏光プリズム15に入射する
と、紙面に平行に振動する直線偏光成分、即ちp偏光成
分(実線で示す)は偏光プリズム15を透過し、垂直に
振動する直線偏光成分、即ちs偏光成分(点線で示す)
は偏光プリズム15で反射する。図5では光路が重なっ
て1線または1破線で示されているので、説明補足用に
図6により先ず、p偏光成分の経路を説明する。ここで
は反射鏡Ma、Mb、 1/4波長板16、18の図は省略
してある。図中、、、は反射鏡Mz での反射順
位を示す。偏光プリズム15を透過したp偏光成分は 1
/4波長板16を透過した後、Z軸反射鏡Mzで1回目の
反射をして再び偏光プリズム15に戻るが 1/4波長板
16を2度透過して偏光面が90°回転しているので偏
光プリズム15で反射して、第2の偏光プリズム17で
反射し 1/4波長板18を透過した後Z軸反射鏡Mzで2
回目反射して偏光プリズム17に戻って透過し、直角
プリズム19で反射した後、Z軸反射鏡Mzで3回目の
反射をする。反射光は偏光プリズム17、15で反射
しZ軸反射鏡Mzで4回目の反射をする。そして 1/4
波長板16と偏光プリズム15を透過する。
【0012】一方、s偏光成分については図6での図示
説明を省略したが、偏光プリズム15で反射した後、固
定反射鏡Mb、Maでそれぞれ2回反射して、最後に偏
光プリズム15で反射して、Z軸反射鏡Mzから反射し
て戻った前記p偏光成分と同一光路をとりOPとして射
出する。その後、図示しない公知の干渉縞検出手段によ
って干渉縞を検出する。この例では、Z軸反射鏡Mzで
反射する光束は4本あり、光軸に関して対称な光路を通
っており、Z光軸上には表面位置検出器の光束を邪魔す
るものは存在しない。
【0013】本実施例は3次元測定の場合を例に説明し
たが、2次元測定及び1次元測定の場合にも適用できる
ことは言うまでもない。即ち、Z軸反射鏡Mzを省略す
ればX、Yの2次元の測定になり、Z軸及びY軸の干渉
計を省略すればX軸の1次元の測定になる。
【0014】図7は1次元測定の場合であって、Z軸反
射鏡Mzの変わりにX軸反射鏡Mxを利用した実施例を
示す。ここでは、図3での半透鏡11の代わりに反射面
20aを半透鏡にしたペンタプリズム20が用いられて
いる。可動ホルダ2が光軸上Lだけ離れた点Pを中心に
時計回りに角度αだけ回転したとする。X反射鏡Mxも
一緒に同じ角度だけ回転したとすると、光軸上の一点O
に対してLαだけ左側にずれた点O’を検出することに
なる。しかし実際にはX反射鏡Mxは回転しないので検
出されるのはO’に対して2fαだけ右にずれた点であ
る。従って被測定物4から2fの位置にX干渉計Ixを
配置すればアッベの誤差のない測定ができる。
【0015】
【発明の効果】本発明による高精度座標測定器は、各反
射鏡を基台に固定し、干渉計光学系と表面位置検出器を
可動ホルダに取り付け、しかも干渉計光学系を被測定物
から、対物レンズの焦点距離の2倍の距離はなれた位置
に設置するので、移動物の重量が軽減され、かつアッベ
の誤差も生じないで高精度の測定が保証され、1次元、
2次元、3次元の測定を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高精度座標測定器の第1の実施例
の概念を示す図である。
【図2】本発明による高精度座標測定器の第1の実施例
の構成図である。
【図3】図2において可動ホルダが傾いた場合を示す。
【図4】本発明による高精度座標測定器の第2の実施例
による構成図である。
【図5】本発明による高精度座標測定器の第3の実施例
による構成図である。
【図6】図5の1部を説明する透視斜図である。
【図7】本発明による高精度座標測定器の1次元測定用
の構成図である。
【図8】従来の2次元測定の概念図である。
【図9】好ましくない3次元測定の概念図である。
【符号の説明】
1 基台 2 可動ホルダ 3 表面位置検出器 4 被測定物 5 図形 5a 3次元表面 6 ステージ 7 光源 8 照明用レンズ 9 照明用半透鏡 10 対物レンズ 11 半透鏡 12 接眼レンズ 13 ピンホール 14 光検出器 15 偏光プリズム 16 1/4波長板 17 偏光プリズム 18 1/4波長板 19 直角プリズム 20 ペンタプリズム 20a 半透鏡 Mx X反射鏡 My Y反射鏡 Mz Z反射鏡 Ix X干渉計 Iy Y干渉計 Iz Z干渉計

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、X軸またはY軸上で前記基台に
    固設された反射鏡と、前記基台に対して前記反射鏡を設
    けた軸に沿って移動可能に設けられた可動ホルダと、前
    記反射鏡との相対的位置を検出するために前記可動ホル
    ダ上で被測定物から2fの位置に固定された干渉計光学
    系と、検出光路が前記反射鏡で反射するように前記可動
    ホルダに固設された表面位置検出器とを備えたことを特
    徴とする高精度座標測定器。ここで、fは前記表面位置
    検出器の対物レンズの焦点距離である。
  2. 【請求項2】 基台と、X軸およびY軸上で前記基台に
    各々固設されたXおよびY反射鏡と、前記基台に対して
    前記X軸およびY軸の2方向に沿って移動可能に設けら
    れた可動ホルダと、前記各反射鏡との相対的位置を検出
    するために前記可動ホルダ上で被測定物から2fの位置
    に固定されたX干渉計光学系およびY干渉計光学系と、
    検出光路が前記XまたはY反射鏡で反射するように前記
    可動ホルダに固設された表面位置検出器とを備えたこと
    を特徴とする高精度座標測定器。ここで、fは前記表面
    位置検出器の対物レンズの焦点距離である。
  3. 【請求項3】 基台と、X、YおよびZ軸上で前記基台
    に各々固設されたX、YおよびZ反射鏡と、前記基台に
    対して前記X、YおよびZ軸の3方向に沿って移動可能
    に設けられた可動ホルダと、前記X、Y反射鏡との相対
    的位置を検出するために前記可動ホルダ上で被測定物か
    ら2fの位置に固定されたX干渉計光学系、Y干渉計光
    学系と、前記Z反射鏡との相対的位置を検出するため
    に、前記可動ホルダに設けられたZ干渉計光学系と、検
    出光路が前記X、YまたはZ反射鏡で反射するように前
    記可動ホルダに固定された表面位置検出器とを備えたこ
    とを特徴とする高精度座標測定器。ここで、fは前記表
    面位置検出器の対物レンズの焦点距離である。
  4. 【請求項4】 前記表面位置検出器の検出光路をZ反射
    鏡を反射せしめると共に、前記Z干渉計光学系からの光
    束が前記Z反射鏡の位置において、該表面位置検出器の
    光軸に関して対称になるようにZ干渉計光学系を配置し
    たことを特徴とする請求項3に記載の高精度座標測定
    器。
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JPH05157516A JPH05157516A (ja) 1993-06-22
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