JP3052718B2 - インクジェット記録装置の液体容器 - Google Patents

インクジェット記録装置の液体容器

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JP3052718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
の液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置のインクないし
溶剤を入れる液体容器には、液量を検知する液量レベル
検知器の電極棒が設けられている。この電極棒は液体容
器の蓋体に挿入するように備わっている。蓋体はポリア
セタール樹脂(ジュラコン)性のものを用いていた。こ
の蓋体の内側面が使用中に劣化してボロボロになって剥
がれ落ち、インクないし溶剤に混入してインクジェット
記録装置の性能が低下することが分かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の欠点
に対処し、インクジェット記録装置の性能を低下させる
ことなく長期にわたり維持できるものを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの特徴は、
液体容器の蓋体にインクないし溶剤を検知する電極棒を
備えているインクジェット記録装置の液体容器におい
て、液体容器に液体を補充または廃棄するための蓋体
と、インクないし溶剤を検知する電極棒を備えた蓋体の
2つを備え、これら蓋体はそれぞれキャップで固定さ
れ、液体容器にはこのキャップと結合するためのネジ部
を備え、これらキャップは前記液体溶液の上に並列配置
したことである。また、本発明の他の特徴は、蓋体の外
周上に電極棒を配置したことである。
【0005】
【作用】ポリプロピレン樹脂で形成した蓋体の内側面は
長く使用しても劣化が少なく、インクないし溶剤に混入
するものが少なくなるので、インクジェット記録装置の
性能を損ねることがないのである。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例であるインクジェット
記録装置の液体容器を図1〜図4に基づいて説明する。
【0007】図1に示す液体容器1は、インクないし溶
剤を入れておくものであるが、インクを入れたものを例
にして説明する。液体容器1に入っているインク2の液
面の上側にはインクの溶剤の蒸気3が満たされている。
液体容器1の上には、液量レベル検知器を取り付ける蓋
体4が取り付けられている。液量レベル検知器用蓋体4
の隣にはインクを補充したり、使い古したインクを捨て
る蓋体5が取り付けられている。蓋体4は液体容器1の
ねじ部6に捩じ込む締め付けキャップ7で止められるも
のである。蓋体5も蓋体4と同様に、ねじ部8に捩じ込
む締め付けキャップ9で止められるものである。蓋体4
はポリプロピレン樹脂で形成されている。蓋体5もポリ
プロピレン樹脂で形成しても良い。
【0008】蓋体4には、図3,図4に示すように排気
口10,インク吸引口11が設けられている。排気口1
0は、ノズルヘッドのガター(図示せず)等を経由して
液体容器1に回収されるインクとともに液体容器1に入
る空気を抜くためのものである。インク吸引口11は、
小口にインクを抜くためのものである。
【0009】蓋体4には、液量レベル検知器としての三
つの電極棒が挿入して取り付けられている。アースとし
ての共通電極棒12と上限レベル電極棒13と下限レベ
ル電極棒14が備わっている。これらの電極棒12,1
3,14は液体容器1のインクに向かって下側に長く延
びている。電極棒12,13,14の頭部は止めねじ1
5,16,17で押さえられている。
【0010】液量レベル検知器は、それらの電極棒1
2,13,14からなるものであるが、共通電極棒12
にはマイナス(−)の信号電圧が、上限レベル電極棒1
3および下限レベル電極棒14にはプラス(+)の信号
電圧が印加されるものである。液体容器1のインクが多
く、液面が上限レベル電極棒13まで上昇すると、共通
電極棒12と上限レベル電極棒13との間の信号電流が
変わるので、それをとらえてインクの多いことを知るこ
とができる。逆に液体容器1のインクが少なく、液面が
下限レベル電極棒14まで下がると、共通電極棒12と
下限レベル電極棒14との間の信号電流が変わるので、
それをとらえてインクの少なくなったことを知ることが
できる。
【0011】さて、液体容器1内は、インク2の液面の
上側がインクの溶剤の蒸気3で満たされている。この溶
剤蒸気3の中には水分も含まれている。蓋体4の内側面
は溶剤蒸気3により導電性を帯びた状態になっているの
で、共通電極棒12と上限レベル電極棒13との電極間
および共通電極棒12と下限レベル電極棒14との電極
間に印加されている信号電圧により、蓋体4の内側面を
伝わってそれぞれの電極間に表面リーク電流〔図4の
(イ)・(ロ)〕が流れるのである。表面リーク電流に
よる化学的な作用は、蓋体4の内側面に当然およぶもの
であるが、蓋体ポリプロピレン樹脂の蓋体にあってはポ
リアセタール樹脂を用いたものとは違って、蓋体の内側
面がボロボロに劣化して剥がれ落ちのことが、極めて少
ないことが分かった。これにより、インク2に劣化して
剥がれ落ちる異物の混入がなくなり、インクジェットの
記録装置の性能を長期に渡り良好に維持することが実現
できた。
【0012】なお、蓋体に使用するポリプロピレン樹脂
は、他の樹脂多少含むものであっても良い。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下記に述
べる効果がある。
【0014】本発明は、液体容器の蓋体にインクないし
溶剤を検知する電極棒を備えているインクジェット記録
装置の液体容器において、蓋体をポリプロピレン樹脂で
形成したものである。
【0015】ポリプロピレン樹脂で形成した蓋体の内側
面は長く使用しても劣化が少なく、インクないし溶剤に
混入するものが少なくなるので、インクジェット記録装
置の性能を損ねることがないのである。
【0016】なお、この発明は、インクジェット記録装
置の性能低下が蓋体の内側面に発生する表面劣化によっ
てインク中に異物が混入することによるものであること
をまず突き止め、その表面劣化は表面リーク電流による
化学的な作用が原因していることをさらに突き止め、そ
の化学的な原因を考慮して多くの樹脂材料の試験検討を
重ねて実現できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる液体容器の縦断面で
ある。
【図2】本発明の一実施例にかかる液量レベル検知器の
電極棒付蓋体の側面図である。
【図3】図2を上から見た平面図である。
【図4】図2を下から見た底面図である。
【符号の説明】
1…液体容器、4…蓋体、12…共通電極棒、13…上
限レベル電極棒、14…下限レベル電極棒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体容器の蓋体にインクないし溶剤を検知
    する電極棒を備えているインクジェット記録装置の液体
    容器において、 前記液体容器に液体を補充または廃棄するための蓋体
    と、 インクないし溶剤を検知する電極棒を備えた蓋体の2つ
    を備え、 これら蓋体はそれぞれキャップで固定され、 前記液体容器にはこのキャップと結合するためのネジ部
    を備え、 これらキャップは前記液体容器の上に並列配置したこと
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】液体容器の蓋体にインクないし溶剤を検知
    する電極棒を備えているインクジェット記録装置の液体
    容器において、 前記液体容器に液体を補充または廃棄するための蓋体
    と、 インクないし溶剤を検知する電極棒を備えた蓋体の2つ
    を備え、 これら蓋体はそれぞれキャップで固定され、 前記液体容器にはこのキャップと結合するためのネジ部
    を備え、前記電極棒を備えた蓋体にはインクを吸引または排気す
    る吸引口または排出口を備え、このインクの吸引口また
    は排気口と前記電極棒を前記蓋体の外周上に配置したこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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